JPH0733738Y2

JPH0733738Y2 - ミシンの上送り装置

Info

Publication number: JPH0733738Y2
Application number: JP4827791U
Authority: JP
Inventors: 善太郎大村
Original assignee: バンマシン株式会社; 啓翔股▲彬▼有限公司
Priority date: 1991-05-30
Filing date: 1991-05-30
Publication date: 1995-08-02
Anticipated expiration: 2005-08-02
Also published as: JPH0548877U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、上送りミシンの上送り
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の上送りミシンにおいては、その側
面図である図６及びその送り足付近の概略斜視図である
図７に示すように、下部に縫合布を移送するための送り
足１を取付けた送り足支え２は、送り足支え２、下端に
押え足３を取付けた押え棒４の交互の上昇の運動源であ
るベルクランク５上に布送りのための前後揺動中心６を
もっていて、水平送りリンク７により前後運動を与えら
れるようになっており、また、ベルクランク５は上下送
り腕８により水平方向変位リンク９を介して揺動運動を
伝達されている。このため、送り足支え２の揺動中心６
を高い位置即ち、揺動中心６より押え足１までの長さを
長くするための高い位置に設けることができず、従っ
て、布送りを大きくすると、送り足１の針板に対する傾
きが大きくならざるを得なかった。

【０００３】具体的構造においては、特に図７に示すよ
うに、送り足支え２は、ミシンアーム機枠端面10より前
に取付けられており、更に送り足支えばね軸11、送り足
支えばね調節台12が取付けられているため、それらをカ
バーしている面板（図示省略）は機枠より前方に突出し
ていて、針棒と面板との距離が大きくなることにより縫
製時の視野の妨げとなり、また操作性にも影響を及ぼし
ている。

【０００４】なお、図中符号13は機枠、14は針棒、15は
ベルクランク５の一端と押え棒４とを連結している押え
棒抱き、16はミシンベッド、である。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、送り足支え
２の揺動支点の位置を高くすることにより、上送り時に
おける送り足１の針板面に対する傾きを減少させるとと
もに、縫製時における操作性の改善を目的とするもので
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案によれば、上送り
装置を下端に押え足を備え、ミシン頭部機枠１３に上下
動可能に設けられた押え足取付け棒２４、ミシン頭部機
枠１３上側に形成された案内溝１８に上下摺動可能に嵌
装された縦摺動子１９、押え足棒２４の後側に位置し、
上端が縦摺動子１９に回動自在に係合ピン２１で結合さ
れ、中間に水平方向に案内溝２３が形成され、下端には
送り足１を備え、且つ上端の係合ピン２１を支点として
水平送りリンク７により前後に揺動可能とされた送り足
支え１７、一方の底辺角部にピン孔２９が形成され、頂
点部がほぼ水平方向の変位する変位部材に回動自在に係
合ピン３０で結合され、且つ他方の底辺角部が押え足取
付け棒２４にリンクを介してピン２６で結合された三角
板３１、縦案内溝３２が形成され、ミシン頭部機枠に固
定された送り足支え押え板３３、及び、一端側が縦案内
溝３２に滑動自在に滑合し、他端側が三角板３１の一方
のピン孔２９に貫挿されたピン２７が貫挿しており、且
つ送り足支え１７の水平案内溝２３に滑動自在に嵌装さ
れた横摺動子２２、とより構成することにより、送り足
支えの揺動支点の位置を高い位置に設けて、その揺動半
径を大きくするとともに、揺動支点が上下に移動するこ
とにより縫合布の厚さが変化しても揺動半径が変化しな
いようにし、従って布送り量に変化が生ぜず、しかも、
針棒、押え足取付け棒、送り足支えを同一直線状に配置
するようにして、運動部分を全て機枠内に納めることが
できるようにし、針棒と面板との距離を小さくして縫製
時に作業者の視野を広くしようとするものである。

【０００７】

【作用】本考案によれば、上下送りリンク（水平方向変
位リンク）９を介して前記三角板頂点のピン３０を前方
に変位させた時は、ミシンベッド上面に縫合布を介して
接触する押え足棒２４に係合しているピン２６の位置
は、係合ピン２７が送り足支え押え板３３の縦案内溝３
２により上下方向しか変位できず、且つ、押え足３がミ
シンベッド１６で支えられて変位できないので、前記ピ
ン２６を支点として三角板３１が時計方向に回動し、水
平他端側のピン２７が上昇し、送り足支え１７の水平案
内溝に滑合する横摺動子２２を介して送り足支え１７を
上昇させ、同時に水平送りリンク７により送り足支え下
端の送り足を送り足支え上端の係合ピン２１を支点とし
て手前側に変位させ、逆に上下送りリンク（水平方向変
位リンク）９を介して前記三角板頂点のピン３０を後方
に変位させた時は、ミシンベッド上面に縫合布を介して
接触する送り足１を下端に取付けた送り足支え１７の水
平案内溝２３に滑合する横摺動子２２に係合しているピ
ン２７の位置は、送り足１がミシンベッドで支えられて
下方に変位できないので、前記ピン２７を支点として三
角板３１が反時計方向に回動し、押え足棒２４側に係合
しているピン２６が上昇し、下端に押え足３を取付けた
押え足棒２４を上昇させ、縫合布の移送を行い、同時に
水平送りリンク７により送り足支え１７を前方に変位さ
せ、揺動支点２１が上下に移動することにより、縫合布
の厚さが変化しても揺動半径が変化せず、従って布送り
量に変化が生ぜず、しかも、針棒１４、押え足取付け棒
２４、送り足支え１７を同一直線上に配置するようにし
て針棒と面板との距離を小さくし、縫製時に作業者の視
野を広くすることができる。

【０００８】

【実施例】図１は、本考案の実施例を示す側面図、図２
は図１における駆動機構の上面図、図３は第１図におけ
るＡ部分の分解斜視図、図４は第１図におけるＢ部分の
分解斜視図、図５は第１図におけるＣ部分の斜視図、で
ある。

【０００９】次に、本考案による実施例について図面に
従って説明するに、下記のように構成されている。即
ち、ミシン頭部機枠１３に支持され、常にばねによって
下方に押圧付勢を受ける送り足１を取付けた送り足支え
１７の往復動によって上送りを行うミシンにおいて、ミ
シン頭部機枠１３に上下動可能に設けられた針棒１４、
下端に押え足を備え、ミシン頭部機枠１３に上下動可能
に設けられた押え足取付け棒２４、ミシン頭部機枠１３
上側に形成された案内溝１８に上下摺動可能に嵌装され
た縦摺動子１９、押え足棒２４の後側に位置し、上端が
縦摺動子１９に回動自在に係合ピン２１で結合され、中
間に水平方向に案内溝２３が形成され、下端には送り足
１を備え、且つ上端の係合ピン２１を支点として水平送
りリンク７により前後に揺動可能とされた送り足支え１
７、一方の底辺角部にピン孔２９が形成され、頂点部が
ほぼ水平方向の変位する変位部材に回動自在に係合ピン
３０で結合され、且つ他方の底辺角部が押え足取付け棒
２４にリンクを介してピン２６で結合された三角板３
１、縦案内溝３２が形成され、ミシン頭部機枠に固定さ
れた送り足支え押え板３３、及び、一端側が縦案内溝３
２に滑動自在に滑合し、他端側が三角板３１の一方のピ
ン孔２９に貫挿されたピン２７が貫挿しており、且つ送
り足支え１７の水平案内溝２３に滑動自在に嵌装された
横摺動子２２、から構成され、上下送りリンク（水平方
向変位リンク）９を介して前記三角板３１頂点のピン３
０を手前側（作業者側）に変位させた時は、ミシンベッ
ド１６上面に縫合布を介して接触する押え足棒２４にリ
ンクを介して係合しているピン２６を支点として、三角
板３１が時計方向に回動し、水平他端側のピン２７が上
昇し、送り足支え１７の水平案内溝２３に滑合する摺動
子２２を介して送り足支え１７を上昇させ、同時に水平
送りリンク７により送り足支え下端の送り足１を送り足
支え上端の係合ピン２１を支点として手前側に変位さ
せ、逆に上下送りリンク（水平方向変位リンク）９を介
して前記三角板３１頂点のピン３０を前方に変位させた
時は、ミシンベッド１６上面に縫合布を介して接触する
送り足１を下端に取付けた送り足支え１７の水平案内溝
２３に滑合する横摺動子２２に係合しているピン２７を
支点として、三角板３１が反時計方向に回動し、押え足
棒２４側に係合しているピン２６が上昇し、下端に押え
足３を取付けた押え足棒２４を上昇させ、同時に水平送
りリンク７により送り足支え１７を前方に変位させるこ
とにより、送り足１による縫合布の移送を行うようにし
てある。

【０００１０】なお、三角板31は、その一辺が切れた形
のＬ形杆としてもその作用効果は同じであるので、その
ようにしてもよい。また、図面において、符号34は送り
足支えガイド板、35は押え足ばね軸、36はばね、37は押
え足ばね調節ねじである。送り足支え17の水平案内溝23
に滑合する摺動子22に係合しているピン27は、図４に示
すように、ブロック体38に取付けられ、ガイド棒39によ
り上下方向に移動を案内され、送り足支え17を下方に押
圧するようばね40の作用を受けている。

【００１１】

【考案の効果】本考案によれば、送り足支え17の揺動支
点21の位置を高い位置に設けて、その揺動半径を大きく
するとともに、縫合布の厚さが変化しても揺動支点21の
上下動により揺動半径が変化しないようにしたので、布
送り量に変化が生ぜず、しかも、針棒14、押え足取付け
棒24、送り足支え17を同一直線状に配置するようにし
て、針棒と面板との距離を小さくし、運動部分を全て機
枠内に納めることができるようにしたので、縫製時に作
業者の視野を広くでき、縫製効率の向上を図ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による上送りミシンの側面図である。

【図２】図１における運動部分の上面図である。

【図３】図１におけるＡ部分の分解斜視図である。

【図４】図１におけるＢ部分の分解斜視図である。

【図５】図１における送り足付近（Ｃ部分）の斜視図で
ある。

【図６】従来例の上送りミシンの側面図である。

【図７】図６における送り足付近の概略斜視図である。

【符号の説明】

１送り足３押え足７水平送りリンク９水平方向変位リンク 14 針棒 16 ミシンベッド 17 送り足支え 18 案内溝 19 摺動子 20 係合孔 21 係合ピン 22 摺動子 23 案内溝 24 押え足棒 25 押え足引き上げリンク 26 係合ピン 27 係合ピン 28 係合孔 29 係合孔 30 係合ピン 31 三角板 32 縦案内溝 33 送り足支え押え板

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ミシン頭部機枠（１３）に支持され、常
にばね（４０）によって下方に押圧付勢を受ける送り足
（１）を取付けた送り足支え（１７）の往復動によって
上送りを行うミシンにおいて、ミシン頭部機枠（１３）に上下動可能に設けられた針棒
（１４）、下端に押え足を備え、ミシン頭部機枠（１３）に上下動
可能に設けられた押え足取付け棒（２４）、ミシン頭部機枠（１３）上側に形成された案内溝１８に
上下摺動可能に嵌装された縦摺動子（１９）、押え足棒（２４）の後側に位置し、上端が縦摺動子（１
９）に回動自在に係合ピン（２１）で結合され、中間に
水平方向に案内溝（２３）が形成され、下端には送り足
（１）を備え、且つ上端の係合ピン（２１）を支点とし
て水平送りリンク（７）により前後に揺動可能とされた
送り足支え（１７）、一方の底辺角部にピン孔（２９）が形成され、頂点部が
ほぼ水平方向の変位する変位部材に回動自在に係合ピン
（３０）で結合され、且つ他方の底辺角部が押え足取付
け棒（２４）にリンクを介してピン（２６）で結合され
た三角板（３１）、縦案内溝（３２）が形成され、ミシン頭部機枠に固定さ
れた送り足支え押え板（３３）、及び、一端側が縦案内溝（３２）に滑動自在に滑合し、
他端側が三角板（３１）の一方のピン孔（２９）に貫挿
されたピン（２７）が貫挿しており、且つ送り足支え
（１７）の水平案内溝（２３）に滑動自在に嵌装された
横摺動子（２２）、から構成され、上下送りリンク（水平方向変位リンク）（８）を介して
前記三角板（３１）頂点のピン（３０）を手前側（作業
者側）に変位させた時は、ミシンベッド（１６）上面に
縫合布を介して接触する押え足棒（２４）にリンクを介
して係合しているピン（２６）を支点として、三角板
（３１）が時計方向に回動し、水平他端側のピン（２
７）が上昇し、送り足支え（１７）の水平案内溝（２
３）に滑合する摺動子（２２）を介して送り足支え（１
７）を上昇させ、同時に水平送りリンク（７）により送
り足支え下端の送り足（１）を送り足支え上端の係合ピ
ン（２１）を支点として手前側に変位させ、逆に上下送りリンク（８）を介して前記三角板（３１）
頂点のピン（３０）を前方に変位させた時は、ミシンベ
ッド（１６）上面に縫合布を介して接触する送り足
（１）を下端に取付けた送り足支え（１７）の水平案内
溝（２３）に滑合する横摺動子（２２）に係合している
ピン（２７）を支点として、三角板（３１）が反時計方
向に回動し、押え足棒（２４）側に係合しているピン
（２６）が上昇し、下端に押え足（３）を取付けた押え
足棒（２４）を上昇させ、同時に水平送りリンク（７）
により送り足支え（１７）を前方に変位させることによ
り、送り足（１）による縫合布の移送を行うようにして
なるミシンの上送り装置。