JP2010225240A - 円盤状基板の製造方法および円盤状基板の収納用治具 - Google Patents
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【解決手段】製造工程にてワーク10を間隔をあけて複数枚、収納配置できるようにワーク10の保持ガイド106が複数形成されたワークケース100の開口部108に、ワーク10の挿入ガイド106が複数形成された収納用治具200を取り付け、収納用治具200を頼りに手作業にてワーク10をワークケース100に収納し、収納後に収納用治具200を取り外し、ワークケース100を用いてワーク10を移動させてワーク10を製造する円盤状基板の製造方法であって、収納用治具200の挿入ガイドは、両端部から中央部に向けて開口幅が大きくなる孔部202であり、ワーク10のエッジ部が挿入ガイドによりガイドされ、保持ガイド106に配置されるようになしたことを特徴とする円盤状基板の製造方法。
【選択図】図5
Description
また、ディスクケースの上に載置される本体と、本体に設けられた複数の案内部とを備えた磁気ディスク用ガラスディスクの収納用治具は、案内部が枠体の対向する2辺の内側に設けられた一対の切欠部により構成されている。磁気ディスク用ガラスディスクをディスクケースに収納する際には、この切欠部を通し磁気ディスクを挿入する必要があるが、どの切欠部に挿入すれば、正しく収納できるか否かの判別がしにくいという問題がある。
図1−1(a)〜(d)、図1−2(e)〜(h)は、本実施の形態が適用される円盤状基板(ディスク基板)の製造工程を示した図である。
図1−1(a)は1次ラップ工程を示している。この工程でまず、ラッピングマシン40により1回目のラッピングを行い、円盤状基板としてのワーク10の表面11を平滑に研削する。
ここで図2は、ラッピングマシン40の構造を説明した図である。
図2に示したラッピングマシン40は、ワーク10を載置する下定盤21aと、ワーク10を上部から押えつけラッピングを行うために必要な圧力を加えるための上定盤21bとを備えている。
ここで、下定盤21aの外周部には歯部42が設けられ、下定盤21aの中央部には太陽歯車44が設けられている。さらに下定盤21aには、ラッピングが行われる際にワーク10を位置決めする円盤状のキャリア30が設置されている。
キャリア30は、図2に示すラッピングマシン40では、5個設置されている。キャリア30の外周部には歯部32が備えられ、下定盤21aの歯部42および太陽歯車44の双方に噛合している。また下定盤21aおよび上定盤21bには、これらを回転させるための回転軸46a,46bがそれぞれ中心部に設置されている。
図3は、キャリア30を更に詳しく説明した図である。図3に示したキャリア30には、上述の通り、外周部に歯部32が備えられている。また、ラッピングを行う際にワーク10が内部に載置される円形形状の孔部34が複数開けられている。この孔部34の直径は、ワーク10の直径よりわずかに大きく開けられる。このようにすることで、ラッピングを行う際にワーク10の外周端の一部に余分な応力がかかるのを抑制することができるため、ワーク10の外周端が損傷しにくくなる。本実施の形態において、孔部34の直径はワーク10の直径より、例えば、約1mm大きくなっている。また孔部34は、ほぼ等間隔で並んでおり、本実施の形態の場合、孔部34は、例えば、35個開けられている。
この際のラッピングマシン40の動作を図2を用いて説明する。ラッピングマシン40を稼働する際には、図の上方の回転軸46bを一方向に回転させ、上定盤21bを、同様な一方向に回転させる。また、図の下方の回転軸46aを、回転軸46bの回転とは逆方向に回転させ、下定盤21aを回転軸46aと同様な方向に回転させる。これにより下定盤21aの歯部42も回転軸46aと同様な方向に回転する。また中央部の太陽歯車44も、回転軸46aと同様な方向に回転する。
このように上定盤21b、下定盤21a、太陽歯車44を回転させることにより、これらの歯車に噛み合うキャリア30は自転運動と、公転運動が組み合わされたいわゆる遊星運動を行う。同様に、キャリア30にはめ込まれたワーク10も遊星運動を行う。このようにすることによりワーク10のラッピングをより精度よく、また迅速に行うことができる。
図1−1(b)は内外周研削工程を示している。この工程では、ワーク10の開孔12の内周面および外周13の外周面の荒削りである研削を行う。また本実施の形態では、内周面と外周面の研削を同時に行う。具体的には、ワーク10の中心に設けられた開孔12を内周砥石22によって研削し、ワーク10の外周13を外周砥石23によって研削する。このとき、内周砥石22と外周砥石23でワーク10の内周面と外周面を挟み込んで同時加工する。これにより内径と外径の同心度を確保し易くすることができる。
本実施の形態において、内周砥石22および外周砥石23は、波状の表面を有している。そのため、ワーク10の開孔12の内周面および外周13の外周面を研削することができるだけでなく、開孔12および外周13における縁部の面取りを併せて行うことが可能となる。
図1−1(c)は内周研磨工程を示している。この工程では、図1−1(b)に示した内外周研削工程において、荒削りである研削を行ったワーク10の開孔12の内周面を更に平滑にする研磨を行う。
具体的には、まずワーク10を積層し、図示しないホルダにセットする。そして、このホルダにセットされたワーク10の開孔12の中心にブラシ24を挿入する。そして研磨液をワーク10の開孔12に流し込みながら、ブラシ24を高速で回転させることで、ワーク10の内周面を研磨する。本実施の形態では、研磨に際してブラシ24を使用しているので、ワーク10の内周面を研磨すると共に、上述した内外周研削工程において行った開孔12の縁部の面取りした部分も同様に研磨することができる。なお研磨液としては、例えば酸化セリウム砥粒を水に分散してスラリー化したものを用いることができる。
図1−1(d)は2次ラップ工程を示している。この工程では、図1−1(a)に示した1次ラップ工程において、ラッピングを行ったワーク10の表面11を再度ラッピングを行うことにより更に平滑に研削する。
2次ラップ工程において、ラッピングを行う装置としては、図1−1(a)に示したラッピングマシン40を使用することができる。またラッピングの方法、条件等は、図1−1(a)で説明した場合と同様に行うことができる。
図1−2(e)は外周研磨工程を示している。この工程では、図1−1(b)に示した内外周研削工程において、荒削りである研削を行ったワーク10の外周13の外周面を更に平滑にする研磨を行う。
具体的には、まずワーク10の開孔12の部分に治具25を通して積層させ、ワーク10を治具25にセットする。そして研磨液をワーク10の外周13の箇所に流し込みながら、ブラシ26を積層したワーク10に接触させ、高速で回転させる。これにより、ワーク10の外周面を研磨することができる。本実施の形態では、研磨に際してブラシ26を使用しているので、ワーク10の外周面を研磨すると共に、上述した内外周研削工程において行った外周13の縁部の面取りした部分も同様に研磨することができる。なお研磨液としては、内周研磨工程の場合と同様に、例えば酸化セリウム砥粒を水に分散してスラリー化したものを用いることができる。
図1−2(f)は1次ポリッシュ工程を示している。この工程では、図1−1(d)に示した2次ラップ工程において、ラッピングを行ったワーク10の表面11を、ポリッシングマシン50を用いてポリッシングを行うことで更に研磨し、更に平滑度を上げていく。このポリッシングマシン50は、上述したラッピングマシン40とほぼ同様な構成を有するが、下記に示すように研磨に使用する材料等が一部異なる。
本実施の形態において、ポリッシングを行うに際し、例えばウレタンにより形成された硬質研磨布を用い、酸化セリウム砥粒を水に分散してスラリー化したものを研磨材として用いることができる。
図1−2(g)は2次ポリッシュ工程を示している。この工程では、図1−2(f)に示した1次ポリッシュ工程において、ポリッシングを行ったワーク10の表面11を、精密ポリッシングを行うことで更に研磨し、表面11の最終的な仕上げを行う。
本実施の形態において、このポリッシングを行うに際し、例えばスエード状の軟質研磨布を用い、酸化セリウム砥粒若しくはコロイダルシリカを水等の溶媒に分散してスラリー化したものを研磨材として用いることができる。
図1−2(h)は最終洗浄・検査工程を示している。最終洗浄では、上述した一連の工程において、使用した研磨剤等の汚れの除去を行う。洗浄には超音波を併用した洗剤(薬品)による化学的洗浄などの方法を用いることができる。
また、検査工程においては、例えばレーザを用いた光学式検査器により、ワーク10の表面の傷やひずみの有無等の検査が行われる。
図5に示した収納器具は、ワーク10を収納配置するワークケース100と、ワーク10をワークケース100に収納するのに使用する挿入補助部材としてのワーク10の収納用治具200とからなる。
収納用治具200は、ワークケース100の開口部108にはめ込むことで取り付けることができるように作製されている。実際に取り付ける場合は、収納用治具200の係合部204が、ワークケース100の開口部108の両端部の内側に入り込む。これにより収納用治具200の位置が規定され取り付け可能となる。また収納用治具200は容易に取り外すことができる。実際に取り外すときは、作業者がワークケース100の切欠部110に手を入れ、収納用治具200を持ち、上部に引き上げる。これにより係合部204がワークケース100から外れ、収納用治具200が取り外し可能となる。
図6に示した収納用治具200は、ワーク10をワークケース100に挿入する方向から見た図である。収納用治具200には、上述した通り複数の孔部202が形成されている。そして、この孔部202は、両端部202aから中央部202bに向けて開口幅が大きくなっている。
この孔部202は、収納用治具200をワークケース100に取り付けたときに、その上下方向の位置が保持ガイド106の位置に合うように作製されている。孔部202の形状は、両端部2020aから中央部202bに向けて開口幅が大きくなる形状であれば特に限られることはなく、紡錘形形状、菱形形状等を採ることができる。ただしワーク10の挿入の際に表面11(図1−1参照)を傷つけにくいという観点から角部がない略楕円形状であることが好ましい。
まず上述のように収納用治具200をワークケース100に取り付ける。次に収納用治具200を頼りに手作業にてワーク10をワークケース100に収納する。
このとき、収納用治具200に形成された孔部202は挿入ガイドとしての役割を担う。即ち、ワーク10は、孔部202の両端部202aにより、エッジ部をガイドされつつ、孔部202に挿入される。そして上述の通り、孔部202の位置と保持ガイド106の位置は、上下方向に一致しているため、孔部202を通過したワーク10は、そのままワークケース100の保持ガイド106に収納配置される。このときワーク10のエッジ部は孔部202の両端部202aにより、ガイドされつつ挿入されるため、挿入が容易となる。そして、円盤状基板の表面(両面)にキズを付けにくく、また先に入れたワーク10と接触することなく、保持ガイド106に収納配置することができる。また、孔部202は、両端部202aから中央部202bに向けて開口幅が大きくなっているため、作業者はこの大きい開口幅を有する中央部202bに対し、ワーク10を挿入していけばよく、作業者によるワーク10の挿入作業はより容易となる。
このようにワーク10のエッジ部の一部が孔部202を通して視認可能にすることで、作業者はワークケース100のどの箇所にまでワーク10を収納したかを容易に判断できる。そのため同じ保持ガイド106にワーク10を複数枚収納したり、保持ガイド106を1つ飛ばして、ワーク10を挿入するようなミスを防止しやすくなる。
Claims (6)
- 製造工程にて円盤状基板を間隔をあけて複数枚、収納配置できるように円盤状基板の保持ガイドが複数形成された円盤状基板ケースの開口部に、当該円盤状基板の挿入ガイドが複数形成された挿入補助部材を取り付け、当該挿入補助部材を頼りに手作業にて円盤状基板を当該円盤状基板ケースに収納し、収納後に当該挿入補助部材を取り外し、当該円盤状基板ケースを用いて円盤状基板を移動させて円盤状基板を製造する円盤状基板の製造方法であって、
前記挿入補助部材の前記挿入ガイドは、両端部から中央部に向けて開口幅が大きくなるようにすることで、前記円盤状基板のエッジ部が当該挿入ガイドによりガイドされ、前記保持ガイドに配置されるようになしたことを特徴とする円盤状基板の製造方法。 - 前記円盤状基板は、前記円盤状基板ケースの前記保持ガイドに収納配置されたときに当該円盤状基板のエッジ部の一部が前記挿入ガイドを通して視認可能であることを特徴とする請求項1に記載の円盤状基板の製造方法。
- 前記円盤状基板は、水中にて前記円盤状基板ケースに収納することを特徴とする請求項1または2に記載の円盤状基板の製造方法。
- 製造工程にて円盤状基板を間隔をあけて複数枚、収納配置できるように円盤状基板の保持ガイドが複数形成された円盤状基板ケースの開口部に取り付けられ、手作業にて当該円盤状基板を当該円盤状基板ケースに収納するために用いられる治具であって、
両端部から中央部に向けて開口幅が大きくなる複数の孔部を有し、
前記孔部は、前記円盤状基板のエッジ部が当該孔部の両端部によりガイドされ、前記保持ガイドに配置されるように形成されていることを特徴とする円盤状基板の収納用治具。 - 前記円盤状基板ケースの前記開口部に取り付けられた後に、更に取り外し可能であることを特徴とする請求項4に記載の円盤状基板の収納用治具。
- 前記孔部は、略楕円形状を有することを特徴とする請求項4または5に記載の円盤状基板の収納用治具。
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