JP2007015105A - 研磨用キャリア及び研磨方法並びに情報記録媒体用基板の製造方法 - Google Patents

研磨用キャリア及び研磨方法並びに情報記録媒体用基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性に優れ、製造コストの低減を可能にする研磨用キャリア及び研磨方法並びに情報記録媒体用基板の製造方法を提供する。
【解決手段】被研磨体を保持する複数の保持孔2aを有する被研磨体保持部2と、この被研磨体保持部2の外周に設けられたギア部3と、を有する研磨用キャリア1において、複数の保持孔2aは、被研磨体保持部2の中心を中心とする半径の異なる複数の同心円上にそれぞれ配置されており、最外周の同心円上に配置された各保持孔2aとギア部3との距離は、最外周の同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離よりも大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、研磨用キャリア及び該キャリアを用いた研磨方法並びにこの研磨方法を用いた情報記録媒体用基板の製造方法に関する。
磁気ディスク用基板等に使用される円盤状のガラス基板のポリッシング加工、又は、ラッピング加工は、円盤状の研磨用キャリアに設けられた複数の円形の保持孔に、ガラス基板を入れ、下定盤及び上定盤によりガラス基板を挟持した状態で、上下定盤を互いに逆回転させることにより行われる(例えば特許文献1参照)。
ここで、研磨用キャリアの外周部に形成されたギアは、研磨装置のインターナルギア及びサンギアに噛合されるようになっており、研磨用キャリアは、インターナルギアとサンギアとの回転数の差により遊星運動を行い、これによりガラス基板は両面を同時にポリッシング又はラッピングされる。
図4及び図5は従来の研磨用キャリア(ラッピング用)を示す平面図である。これらの図において、研磨用キャリア1は、ガラスエポキシ製であり、磁気ディスク用ガラス基板等の被研磨体を保持する複数の保持孔2a,…,2aを有する被研磨体保持部2と、この被研磨体保持部2の外周に設けられたギア部3とを有する。
前記複数の保持孔2a,…,2aは、前記被研磨体保持部2の中心を中心とする4つ(図4)あるいは3つ(図5)の同心円上にそれぞれ複数配置されたものである。ラッピング装置には、このような研磨用キャリアを5枚内外装着される。したがって、一度に数百枚の被研磨体をラッピングされ、製造コストの低減が図られている。近年、磁気ディスク用ガラス基板歯、ノート型パソコンのハードディスクに搭載される2.5インチのガラス基板だけでなく、ディスクトップ型パソコンにも有用であることが確認され、3インチ、3.5インチのガラス基板の需要が急速に高まってきている。このような背景においても、一度のラッピング工程で非常に多くのガラス基板を加工できる上述のキャリアは、製造コストの低減に欠かせないものである。
特開平4−261768
しかしながら、上述の従来の研磨用キャリアは、主にラッピング工程で使用するが、ラッピング工程は加工速度が約10〜20μm/minと速く、数時間使用していると、特に最外周側に配置された保持孔戸、その最外周と隣接して配置された保持孔間での寸断が見られ、使用している材料の一般的耐久性から通常期待される寿命に比して、必ずしも十分な寿命を有するものとはいえないものであった。
本発明は、耐久性に優れ、製造コストの低減を可能にする研磨用キャリア及び研磨方法並びに情報記録媒体用基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、被研磨体を保持する複数の保持孔を有する被研磨体保持部と、この被研磨体保持部の外周に設けられたギア部と、を有する研磨用キャリアにおいて、前記複数の保持孔は、前記被研磨体保持部の中心を中心とする半径の異なる複数の同心円上にそれぞれ配置されており、最外周の同心円上に配置された各保持孔と前記ギア部との距離は、前記最外周の同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離よりも大きい研磨用キャリアが提供される。
本発明の第1の態様において、好ましくは、前記最外周の同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離は、該最外周よりも内側の同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離よりも大きいように構成する。また好ましくは、前記同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離は、該同心円よりも内側に隣接する同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離よりも大きいように構成する。また好ましくは、前記同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離は、該同心円よりも内側に隣接する同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離よりも大きいように構成する。また好ましくは、前記最外周の同心円上に配置された保持孔の中心及び前記被研磨体保持部の中心を通る直線Aと、前記最外周の同心円の内側に隣接する同心円上に配置された保持孔の中心及び前記被研磨体保持部の中心を通る直線Bと、が合致しないように構成する。
本発明の第2の態様によれば、被研磨体を保持する複数の保持孔を有する被研磨体保持部と、この被研磨体保持部の外周に設けられたギア部と、を有する研磨用キャリアの保持孔に被研磨体を入れ、下定盤及び上定盤により前記被研磨体を挟持した状態で上下定盤を回転させ、前記被研磨体の主表面にラッピング及び/又はポリッシングを施して被研磨体を研磨する研磨方法において、前記研磨用キャリアとして第1の態様にかかる研磨用キャリアを用いる研磨方法が提供される。
本発明の第2の態様において、好ましくは、前記被研磨体の加工速度が10μm/min〜20μm/minになるように、前記上下定盤を回転させるように構成する。
本発明によれば、耐久性に優れ、製造コストの低減を可能にする研磨用キャリア及び研磨方法並びに情報記録媒体用基板の製造方法が提供できる。
上述したとおり、上記研磨用キャリアを用いて被研磨体の主表面にラッピング加工及び/又はポリッシング加工を行うと、被研磨体保持部の一部が寸断してしまう現象が見受けられた。特に、加工速度が約10〜20μm/minと速いラッピング加工を実施すると、わずか数時間の使用で寸断してしまう現象が見受けられた。被研磨体保持部の材質としては、アラミド繊維、FRP(ガラスエポキシ)、PC(ポリカーボネート)などが使用されていたが、上述の現象は、これら材料の一般的耐久性から通常期待される寿命に比して、必ずしも十分な寿命を有するものとはいえないものであった。
ここで、上記研磨用キャリアは、被研磨体を保持する複数の保持孔を有する被研磨体保持部と、この被研磨体保持部の外周に設けられたギア部と、を有している。そして、前記複数の保持孔は、例えば前記被研磨体保持部の中心を中心とする半径の異なる複数の同心円上にそれぞれ配置されている。
本発明者等は、上述の寸断事故等の事例を詳細に調査研究した。そして、寸断現象が、被研磨体保持部の特定箇所、すなわち上記複数の同心円のうち最外周の同心円付近に集中して発生していることを発見した。そして、本発明者等は、今まで明らかではなかったかかる発見に基づいて、種々の試行錯誤を行い、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明者等は、上述の解明結果から、上記最外周の同心円部分に寸断箇所が集中している原因は、研磨時に上記最外周の同心円部分に特に強い応力が加わっていることが原因であるとの知見を得た。そして本発明者等は、被研磨体保持部に設ける保持孔の配置位置(すなわち保持孔とギア部との距離や、保持孔同士の距離)を調整することにより、上記応力の集中を抑制し、上記寸断を抑制することがすることが可能であるとの知見を得て、本発明を完成させるに至った。
本発明の一実施形態にかかる研磨用キャリアは、被研磨体を保持する複数の保持孔を有する被研磨体保持部と、この被研磨体保持部の外周に設けられたギア部と、を有している。
ここで、前記複数の保持孔は、前記被研磨体保持部の中心を中心とする半径の異なる複数の同心円上にそれぞれ配置されている。なお、上記において、保持孔の半径方向の列数(同心円の数)は、製造する(研磨する)ガラス基板等の被研磨体に応じて決められる。例えば、一枚のキャリアにつき50枚ガラス基板を配置するには、3列配置の場合、中心側から第1列目は10個、第2列目は17個、第3列目は23個の保持孔が形成される。4列配置の場合、中心側から第1列目は4個、第2列目は10個、第3列目は16個、第4列目は20個の保持孔が形成される。ラッピング又は研磨装置の定盤には装置によって異なるが、5枚のキャリアを搭載する場合は、一度のラッピング又は研磨工程によって5×50=250枚のガラス基板を製造することができる。
そして、最外周の同心円上に配置された各保持孔と前記ギア部との距離は、前記最外周の同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離よりも大きくなるように構成されている。このように構成することで、研磨時に被研磨体保持部に加わる応力が、被研磨体保持部の特定の部分に集中することを防止し、特定部分が疲労破壊等するおそれを防止することができる。
なお、前記最外周の同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離は、該最外周よりも内側の同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離よりも大きくなるように構成されてもよい。このように構成することで、研磨時に被研磨体保持部に加わる応力が、被研磨体保持部の特定の部分に集中することをさらに防止し、特定部分が疲労破壊等するおそれをさらに防止することができる。
また、前記同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離は、該同心円よりも内側に隣接する同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離よりも大きくなるように構成されてもよい。このように構成することで、研磨時に被研磨体保持部に加わる応力が、被研磨体保持部の特定の部分に集中することをさらに防止し、特定部分が疲労破壊等するおそれをさらに防止することができる。
また、前記同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離は、該同心円よりも内側に隣接する同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離よりも大きくなるように構成されてもよい。このように構成することで、研磨時に被研磨体保持部に加わる応力が、被研磨体保持部の特定の部分に集中することをさらに防止し、特定部分が疲労破壊等するおそれをさらに防止することができる。
また、本発明者等の解析によれば、例えば、最外周に配置された保持孔の中心及び前記被研磨体保持部の中心を通る直線Aと、前記最外周には位置された保持孔に隣接する保持孔の中心及び前記被研磨体保持部の中心を通る直線Bとが合致するような場合には、これらの保持孔に沿ってその近辺が寸断されやすいことが分かった。特に、周速の大きい最外周側にその寸断が見られた。
そのため、本発明の一実施形態にかかる研磨用キャリアでは、前記最外周の同心円上に配置された保持孔の中心及び前記被研磨体保持部の中心を通る直線Aと、前記最外周の同心円の内側に隣接する同心円上に配置された保持孔の中心及び前記被研磨体保持部の中心を通る直線Bと、が合致しないように構成してもよい。このように構成することで、研磨時に被研磨体保持部に加わる応力が、被研磨体保持部の特定の部分に集中することをさらに防止し、特定部分が疲労破壊等するおそれをさらに防止することができる。
また、本発明の研磨用キャリアにおいては、最外周の同心円上に配置された各保持孔と前記ギア部との距離は、前記最外周の同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離よりも大きくなるようにし、あるいは、前記最外周の同心円上に配置された保持孔の中心及び前記被研磨体保持部の中心を通る直線Aと、前記最外周の同心円の内側に隣接する同心円上に配置された保持孔の中心及び前記被研磨体保持部の中心を通る直線Bと、が合致しないようにしたものであれば、どのような配置形式でもよい。
以上、本発明の一実施形態によれば、被研磨体保持部に設ける保持孔の配置位置(すなわち保持孔とギア部との距離や、保持孔同士の距離)を調整することにより、研磨時に上記最外周の同心円部分へ強い応力が集中することを抑制し、疲労破壊等による寸断の発生を抑制することが出来る。すなわち、研磨用キャリアの寿命を著しく長くすることが可能になる。
また、本発明の一実施形態によれば、研磨中における寸断事故のおそれもほとんどなくなり、寿命期間をフルに活用して使用することが可能となり、著しいコスト低減が可能になる。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1にかかる研磨用キャリアの平面図、図2は研磨用キャリアを研磨装置に装着した状態を示す図、図3は図2における部分断面図である。以下、これらの図面を参照にしながら実施例1にかかる研磨用キャリア及び研磨方法並びに情報記録媒体用基板の製造方法を説明する。なお、この実施例は、4列配置で50枚の被研磨体を搭載できる研磨用キャリアを用いて、2.5インチ用磁気記録媒体用ガラス基板(情報記録媒体用ガラス基板=被研磨体)を製造する場合に本発明を適用する例である。
図1において、研磨用キャリア1は、円板状の被研磨体保持部2と、被研磨体保持部の外周に設けられたギア部3とで構成されている。研磨用キャリア1は、直径が620mm、厚さが0.5−0mmのガラスエポキシ板で構成されており、表裏に貫通された複数(この実施例では50個)の被研磨体保持孔2a,…,2aが形成されている。この被研磨体保持孔2aは、2.5インチ用磁気記録媒体用ガラス基板4(情報記録媒体用ガラス基板=被研磨体)を収納できる大きさ(内径ra;約65mm)を有するものである。
保持孔2aは、被研磨体保持部2の中心を中心とする4つの同心円円上にそれぞれ複数配置されている。すなわち、直径r1の第1の円上に4個、直径r2の第2の円上に10個、直径r3の第3の円上に16個、直径r4の第4の円上に20個、それぞれ位置され、合計50個配置されている。尚、各同心円どうしの間隔は同じである。
また、各同心円上に配置されている保持孔2aどうしの間隔は第4の円上での間隔間隔d4=10mmで、以下第3の円上での間隔d3、第2の円上での間隔d2、第1の円上での間隔d1が、d4>d3>d2>d1(但し、d1>0)となるようにしてある。また、最外周側に配置された保持孔2aとギア部3(歯底)との間の距離d0は、15mm程度である。又、保持孔の中心と被研磨体保持部の中心を通る直線どうしのなす角度が少なくとも1°以上となるように各保持孔が配置されている。
次に、図2、図3を用いて研磨用キャリア1を研磨装置5に装着し、被研磨体である磁気記録媒体用ガラス基板4をポリッシング加工、又は、ラッピング加工を行う研磨工程の概略を説明する。
研磨装置5は、それぞれ所定の回転比率で回転駆動されるインターナルギア51及びサンギア52を有する研磨用キャリア装着部と、この研磨用キャリア装着部を挟んで互いに逆回転駆動される上定盤53及び下定盤54とを有する。
研磨用キャリア装着部に、複数の研磨用キャリア1をセットすると、これら研磨用キャリア1のギアがインターナルギア51及びサンギア52と噛合されるようになっている。各研磨用キャリア1の被研磨体保持孔2aに被研磨体である磁気記録媒体用ガラス基板4をセットし、研磨を開始すると、研磨用キャリア1はインターナルギア51及びサンギア52との回転数の差により遊星運動を行う。同時に、上定盤53及び下定盤54は互いに逆回転し、それらに設けられた研磨パッド53a,54aによって磁気記録媒体用ガラス基板4の表裏の面がポリッシング又はラッピングされる。
一般に、ガラス基板は、荒ずり→ラッピング(砂掛け)→端面鏡面工程→ポリッシングの工程を経て鏡面仕上げされる。ここで、ラッピング工程は、寸法精度・形状精度の向上を目的としており、ラップ盤によってガラス基板の主表面を加工する。ポリッシング工程は、面の平滑さの向上(表面粗さの低減)と加工歪を小さくすることを目的としており、通常、硬質ポリシャを使用する第1研磨工程と、軟質ポリシャを使用する第2研磨工程(ファイナル研磨工程)とからなる。
本発明の研磨用キャリアは、上述のいずれの工程にも使用することができるが、加工速度が速いラッピング工程に特に有効であるが、加工速度が遅いほかは効果的には同様であるので、以下では、ポリッシング加工について具体的に説明する。
ポリッシング加工(第1研磨工程、ファイナル研磨工程)を行う際には、研磨用キャリア1の外周部に形成したギア部3の歯3aを、研磨装置5のサンギア52及び、インターナルギア51と噛合させた状態で、研磨用キャリア1を研磨装置5の研磨パッド54aを貼った下定盤54の上にセットする。次に、被研磨体保持孔2aの中に被研磨体である磁気記録媒体用ガラス基板4を入れて保持する。
次に、該ガラス基板4を研磨パッド54aを貼った下定盤54及び研磨パッド53aを貼った上定盤53によって挟持し、酸化セリウムなどの砥粒を含む研磨液を供給しながら下定盤54及び上定盤53を互いに逆方向に回転させる。これにより、サンギア52及びインターナルギア51の回転数の差により、研磨用キャリア1を自転しつつ公転し、上記ガラス基板4の両面が同時に研磨加工される。
なお、研磨パッド53a、54aとしては、例えば、スウェード、ベロアを素材とする軟質ポリシャや、硬質ベロア、ウレタン発砲、ピッチ含浸スウェード等の硬質ポリシャ等が挙げられる。
以下、磁気記録媒体用ガラス基板の製造工程をより具体的に説明する。
(1) 第1ラッピング工程(第1砂掛け工程)
まず、ダウンドロー法で形成したシートガラスから、研削砥石で直径66mmφ、厚さ1.1mmの円盤状に切り出したアルミノシリケートガラスからなるガラス基板を、比較的粗いダイヤモンド砥石で研削加工して、直径65mm(2.5インチ)φ、厚さ0.6mmに成形した。
この場合、ダウンドロー法の代わりに、溶融ガラスを上型、下型、胴型を用いてダイレクトプレスして、円盤状のガラス体を得ても良い。尚、アルミノシリケートガラスとしては、モル%表示で、SiOを57〜74%、ZnOを0〜2.8%、Alを3〜15%、LiOを7〜16%、NaOを4〜14%、を主成分として含有する化学強化用ガラスを使用した。
次いで、ガラス基板にラッピング加工を施した。このラッピング工程は、寸法精度及び形状精度の向上を目的としている。ラッピング加工は、ラッピング装置を用いて行い、キャリアは、ガラスエポキシ製のものを使用し、砥粒の粒度を#400として行った。詳しくは、粒度#400のアルミナ砥粒を用い、荷重Lを100kg程度に設定して、サンギアとインターナルギアを回転させることによって、キャリア内に収納したガラス基板の両面を面精度0〜1μm、表面粗さ(Rmax)(JIS B 0601で測定)6μm程度にラッピングした。
次に、円筒状の砥石を用いてガラス基板の中心部に円孔(直径20mmφ)を開けるとともに、外周端面及び内周端面に所定の面取り加工を施した。このときのガラス基板の内外周端面の表面粗さは、Rmaxで14μm程度であった。
(2) 端面研磨工程
次いで、スラリーを使用したブラシ研磨により、ガラス基板を回転させながらガラス基板の端面部分(角張った部位、側面及び面取部)の研磨を行い、角張った部位を半径0.2〜10mmの曲面とするとともに、それらの表面粗さをRmaxで1μm、Raで0.3μm程度とした。上記端面研磨工程を終えたガラス基板の表面を水洗浄した。
(3) 第2ラッピング工程(第2砂掛け工程)
次に、ラッピング装置を用い、ガラスエポキシからなる実施例1のキャリアを使用し、粒度#1000のアルミナ砥粒、荷重Lを100kg程度に設定して、サンギアとインターナルギアを回転させることによって、ラッピングを行い、ガラス基板の両面の表面粗さ(Rmax)を2μm程度とした。上記第2ラッピング工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、水の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
(4) 第1ポリッシング工程(第1研磨工程)
次に、第1ポリッシング工程を施した。この第1ポリッシング工程は、上述したラッピング工程で残留した傷や、歪みの除去を目的とするもので、ポリッシング装置を用いて行った。詳しくは、研磨パッド(研磨布)として硬質ポリシャ(セリウムパッドMHC15:スピードファム社製)を用い、ガラスエポキシ製の実施例1のキャリアを使用し、以下のポリッシング条件で第1ポリッシング工程を実施した。
研磨液:酸化セリウム(平均粒径;1.3μm)+水荷重:300kg/cm2(L=238kg)研磨時間:15分除去量:30μm下定盤回転数:40rpm上定盤回転数:35rpmサンギア回転数:14rpmインターナルギア回転数:29rpm上記第1ポリッシング工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
(5) 第2ポリッシング工程(ファイナル研磨工程)
次に、第1ポリッシング工程で使用したポリッシング装置を用い、研磨パッドを硬質ポリシャから軟質ポリシャ(ポリラックス:スピードファム社製)に替え、ガラスエポキシ製の実施例1のキャリアを使用し、第2ポリッシング工程を実施した。研磨条件は、研磨液:酸化セリウム(平均粒径;0.8μm)+水、荷重100g/cm、研磨時間を5分、除去量を5μmとしたこと以外は、第1ポリッシング工程と同様とした。上記第2ポリッシング工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。尚、各洗浄槽には超音波を印加した。
(6) 化学強化工程
次に、上記ラッピング、ポリッシング工程を終えたガラス基板に化学強化を施した。化学強化は、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した化学強化溶液を用意し、この化学強化溶液を400℃に加熱し、300℃に予熱された洗浄済みのガラス基板を約3時間浸漬して行った。この浸漬の際に、ガラス基板の表面全体が化学強化されるようにするため、複数のガラス基板が端面で保持されるようにホルダーに収納した状態で行った。
このように、化学強化溶液に浸漬処理することによって、ガラス基板表層のリチウムイオン、ナトリウムイオンは、化学強化溶液中のナトリウムイオン、カリウムイオンにそれぞれ置換されガラス基板は強化される。ガラス基板の表そうに形成された圧縮応力層の厚さは、約100〜200μmであった。上記化学強化を終えたガラス基板を、20℃の水槽に浸漬して急冷し、約10分間維持した。上記急冷を終えたガラス基板を、約40℃に加熱した濃硫酸に浸漬して洗浄を行った。さらに上記硫酸洗浄を終えたガラス基板を、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。尚、各洗浄槽には超音波を印加した。
(評価)上記の工程を経て得られた磁気記録媒体用ガラス基板の主表面の表面粗さは、Rmaxで3.2nm、Raで0.3nmであった(AFM(原子間力顕微鏡)で測定)であった。また、本発明の研磨用キャリアをラッピング工程で100時間以上に渡って使用したが、摩耗による保持孔間での寸断はなく、ガラス基板の破壊も発生しなかった。
(比較例1)
第2ラッピング工程において、使用するキャリアを図5に示した従来のキャリアにした以外は、実施例1と同様にして磁気記録媒体用ガラス基板を作製した。その結果、得られるガラス基板の主表面の表面粗さは同程度であった。しかし、ラッピング工程を複数回行い、約10時間を経過した時点で、中心方向に一列に並んだ箇所(各保持孔の中心と被研磨体保持部の中心とを通る直線が合致、すなわち、互いのなす角度が0)の保持孔間が摩耗により寸断され、保持孔から逸脱したガラス基板は破壊されるという事故がおきた例があった。
以上、好ましい実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施例に限定されるものではない。例えば、被研磨体の材質としてガラスを挙げたが、これに限らず、ガラスセラミックス、セラミックス、シリコン、カーボン等の脆性材料や、アルミニウムなどの金属などを材料とするものであっても構わない。また、被研磨体の形状として円盤状の基板を挙げたが、これに限らず、矩形状のものでも良い。この場合、キャリアの保持孔は略同一の大きさの矩形状とする。また、基板状に限らず、ブロック状のものであっても良い。
また、以上の例では、本発明の研磨用キャリアをラッピング工程及びポリッシング工程の良好底で実施する例を掲げたが、これに限らず、加工速度が速いラッピング工程のみで使用してもよい。又、少なくとも、最外周に配置された保持孔の中心及び前記被研磨体保持部の中心を通る直線Aと、前記最外周には位置された保持孔に隣接する保持孔の中心及び前記被研磨体保持部の中心を通る直線Bとが合致しなければ、被研磨体保持孔の円周側で合致してもよい。
また、本発明は、磁気ディスク用基板、光ディスク用基板、又はシリコンウエハ、電子デバイス用基板(フォトマスクブランク用基板、位相シフトマスクブランク用基板、液晶ディスプレイ用基板)など(被研磨物)の研磨の際に被研磨体を保持するのに用いる研磨用キャリア、及び該キャリアを用いた研磨方法、並びにこの研磨方法を用いた情報記録媒体用基板の製造方法に適応可能である。
本発明の実施例1にかかる研磨用キャリアの平面図である。 研磨用キャリアを研磨装置に装着した状態を示す図である。 図3における部分断面図である。 従来の研磨用キャリアを示す平面図である。 従来の研磨用キャリアを示す平面図である。
符号の説明
1 研磨用キャリア
2 被研磨体保持部
3 ギア部
4 磁気記録媒体用ガラス基板
5 研磨装置
2a 被研磨体保持孔。

Claims (6)

  1. 被研磨体を保持する複数の保持孔を有する被研磨体保持部と、この被研磨体保持部の外周に設けられたギア部と、を有する研磨用キャリアにおいて、
    前記複数の保持孔は、前記被研磨体保持部の中心を中心とする半径の異なる複数の同心円上にそれぞれ配置されており、
    最外周の同心円上に配置された各保持孔と前記ギア部との距離は、前記最外周の同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離よりも大きい
    ことを特徴とする研磨用キャリア。
  2. 前記最外周の同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離は、該最外周よりも内側の同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1記載の研磨用キャリア。
  3. 前記同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離は、該同心円よりも内側に隣接する同心円上にそれぞれ配置された隣り合う保持孔同士の間の距離よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の研磨用キャリア。
  4. 前記最外周の同心円上に配置された保持孔の中心及び前記被研磨体保持部の中心を通る直線Aと、前記最外周の同心円の内側に隣接する同心円上に配置された保持孔の中心及び前記被研磨体保持部の中心を通る直線Bと、が合致しない
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の研磨用キャリア。
  5. 被研磨体を保持する複数の保持孔を有する被研磨体保持部と、この被研磨体保持部の外周に設けられたギア部と、を有する研磨用キャリアの保持孔に被研磨体を入れ、
    下定盤及び上定盤により前記被研磨体を挟持した状態で上下定盤を回転させ、
    前記被研磨体の主表面にラッピング及び/又はポリッシングを施して被研磨体を研磨する研磨方法において、
    前記研磨用キャリアとして請求項1乃至4のいずれかに記載の研磨用キャリアを用いる
    ことを特徴とする研磨方法。
  6. 前記被研磨体の加工速度が10μm/min〜20μm/minになるように、前記上下定盤を回転させることを特徴とする請求項5記載の研磨方法。
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