JP2002326156A - ガラス基板研磨用キャリア及びガラス基板研磨装置 - Google Patents

ガラス基板研磨用キャリア及びガラス基板研磨装置

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JP2002326156A
JP2002326156A JP2001131567A JP2001131567A JP2002326156A JP 2002326156 A JP2002326156 A JP 2002326156A JP 2001131567 A JP2001131567 A JP 2001131567A JP 2001131567 A JP2001131567 A JP 2001131567A JP 2002326156 A JP2002326156 A JP 2002326156A
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glass substrate
polishing
carrier
hole
peripheral end
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JP2001131567A
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Yoichi Tajima
洋一 田島
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主表面ラッピング工程時における円盤状のガ
ラス基板の外周端面の傷の発生を抑制することができる
ガラス基板研磨用キャリア及びガラス基板研磨装置を提
供する。 【解決手段】 両面ラッピングマシン20は、ガラス基
板ワーク30を収容するホール28を備えるキャリア2
7を有しており、このキャリア27では、ガラス基板ワ
ーク30の半径rに対するホール28の半径Rの割合、
即ちR/rの値を1.030以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円盤状のガラス基
板を研磨するときに用いる研磨用キャリア及び研磨装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気ディスク用基板等に使用
される円盤状のガラス基板ワークの記録面の両面をラッ
ピングする両面ラッピングマシンが知られている。
【0003】この両面ラッピングマシンは、鋳鉄製の水
平な上定盤と、同じく鋳鉄製の水平な下定盤とからな
り、下定盤の中心部には太陽歯車が配されており、同外
周部には、内歯歯車が配されている。また、下定盤上に
は、太陽歯車及び内歯歯車の双方に噛合する遊星歯車を
備えるキャリアが5個配されており、各キャリアは、ガ
ラス基板ワークを保持する複数の円形のホールを備えて
いる。
【0004】この両面ラッピングマシンでは、各キャリ
アに設けられたホールにガラス基板ワークを入れ、上定
盤及び下定盤により挟持されたガラス基板ワークにアル
ミナ砥粒研磨剤を供給し、この上定盤及び下定盤を互い
に相対的に逆回転させることで、ガラス基板ワークの記
録面の両面を同時にラッピングする(記録面ラッピング
工程)。
【0005】一方、一般的にガラス基板ワークの外周端
面の研磨(ポリッシング)工程は、ある程度、板厚寸法
がある状態で行わなければならないことから、外周端面
研磨工程は上記両面ラッピングマシンによる記録面ラッ
ピング工程前に行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記キ
ャリアを用いてラッピングをした場合、外周端面研磨工
程で一旦仕上げられたガラス基板ワークの外周端面が、
キャリア内でこすれることにより傷が発生すると共に削
られたガラス粉等のカレットが発生することがある。特
に、記録面ラッピング工程で使用されるアルミナ砥粒研
磨剤の砥粒は、外周研磨工程で使用されるアルミナ砥粒
研磨剤の砥粒よりも平均粒径が大きいので、ガラス基板
ワークの外周端面とアルミナ砥粒研磨剤がこすれること
により端面の傷やガラス粉等のカレットが発生し易くな
る。
【0007】そして、ガラス基板ワークをポリカーボネ
ート等からなる収納容器に出し入れする際に、その外周
端面に発生した傷が原因となり、収納容器の内周面とガ
ラス基板ワークの外周端面とが接触し、外周端面から発
塵したパーティクルがガラス基板ワークの表面に付着
し、これによって、サーマルアスフェリティーが発生す
ることがある。
【0008】さらに、ガラス基板ワークの外周端面に発
生した傷が原因となり、磁気記録媒体製造時の薄膜スパ
ッタ工程でのバイアス電圧が不安定になり、結果として
ガラス基板ワークの記録面上に形成する薄膜の膜欠陥が
生じることがある。加えて、磁気記録媒体製造時の薄膜
スパッタ工程は高温状況下で行われるため、ガラス基板
ワークの外周端面に発生した傷が原因となり、ガラス基
板ワークにひび割れが生じることがある。
【0009】本発明は、上述の問題点に鑑みてなされた
ものであり、主表面ラッピング時における円盤状のガラ
ス基板の外周端面の傷の発生を抑制することができる研
磨用キャリア及び研磨装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1のガラス基板研磨用キャリアは、円盤状
のガラス基板を研磨する研磨孔を有するガラス基板研磨
用キャリアにおいて、前記研磨孔の孔径が該ガラス基板
の外径に対して所定の比率を有することを特徴とする。
【0011】請求項1記載のガラス基板研磨用キャリア
によれば、研磨孔の孔径が円盤状のガラス基板の外径に
対して所定の比率を有するので、研磨孔の内周面とガラ
ス基板の外周端面との接触機会を減少させることがで
き、主表面ラッピング時における円盤状のガラス基板の
外周端面の傷の発生を抑制することができる。
【0012】請求項2のガラス基板研磨用キャリアは、
請求項1記載のガラス基板研磨用キャリアにおいて、前
記所定の比率が前記ガラス基板の外径に対して1.03
0倍以上であることを特徴とする。
【0013】請求項2記載のガラス基板研磨用キャリア
によれば、所定の比率がガラス基板の外径に対して1.
030倍以上であるので、現在製品に使用されている情
報記録媒体用の円盤状のガラス基板(外径84mmφ×
内径25mmφ又は外径65mmφ×内径20mmφ)
のいずれにも対しても、主表面ラッピング時における円
盤状のガラス基板の外周端面の傷の発生を抑制すること
ができる。
【0014】請求項3記載のガラス基板研磨用キャリア
は、請求項1又は2記載のガラス基板研磨用キャリアに
おいて、前記研磨孔の孔径は、前記ガラス基板の外周端
面の表面粗さが0.20Ra以下の値をとるように構成
されていることを特徴とする。
【0015】請求項3記載のガラス基板研磨用キャリア
によれば、研磨孔の孔径は、ガラス基板の外周端面の表
面粗さが0.20Ra以下の値をとるように構成されて
いるので、主表面ラッピング時における円盤状のガラス
基板の外周端面の傷の発生を抑制することができ、従来
問題となっていたサーマルアスフェリティーが発生する
という問題や磁気記録媒体製造時の薄膜スパッタ工程で
のバイアス電圧が不安定になり、結果として記録面上に
形成する薄膜の膜欠陥が生じるという問題や磁気記録媒
体製造時の薄膜スパッタ工程でガラス基板ワークに割れ
が生じるという問題の発生を抑えることができる。
【0016】請求項4記載のガラス基板研磨用キャリア
は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガラス基板
研磨用キャリアにおいて、前記研磨孔の形状が多角形で
あり、該多角形の内接円の直径が前記ガラス基板の外径
に対して前記所定の比率を有することを特徴とする。
【0017】請求項4記載のガラス基板研磨用キャリア
によれば、研磨孔の形状が多角形であり、該多角形の内
接円の直径がガラス基板の外径に対して所定の比率を有
するので、研磨孔の形状によらず、研磨孔の内周面とガ
ラス基板の外周端面との接触機会を減少させることがで
き、主表面ラッピング時における円盤状のガラス基板の
外周端面の傷の発生を抑制することができる。
【0018】請求項5記載のガラス基板研磨用キャリア
は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガラス基板
研磨用キャリアにおいて、前記ガラス基板が情報記憶媒
体用ガラス基板であることを特徴とする。
【0019】請求項6記載のガラス基板研磨装置は、請
求項1乃至5のいずれか1項に記載された研磨用キャリ
アを備えることを特徴とする。
【0020】請求項6のガラス基板研磨装置によれば、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載された研磨用キャ
リアを備えるので、研磨孔の内周面とガラス基板の外周
端面との接触機会を減少させることができ、主表面ラッ
ピング時における円盤状のガラス基板の外周端面の傷の
発生を抑制することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明者は、上記目的を達成すべ
く鋭意検討を行った結果、円盤状のガラス基板を研磨す
るときに用いる研磨用キャリアにおいて、該円盤状のガ
ラス基板の外径に対して所定の比率を有する孔径の研磨
孔を備えるとき、研磨孔の内周と円盤状のガラス基板の
端面との接触機会を減少させることができ、記録面ラッ
ピング工程時における円盤状のガラス基板の外周端面の
傷の発生を抑制することができることを見出した。
【0022】本発明は、上記研究の結果に基づいてなさ
れたものである。
【0023】以下、本発明の実施の形態に係るガラス基
板研磨用キャリア及びガラス基板研磨装置を図面を参照
しながら説明する。
【0024】図1は、本発明の実施の形態に係るガラス
基板研磨装置の主要部の部分切り欠き斜視図である。
【0025】本発明の実施の形態に係るガラス基板研磨
装置は、鋳鉄製の水平な上定盤21と、同じく鋳鉄製の
水平な下定盤22とを備える両面ラッピングマシン20
である。上定盤21のラッピング面はピッチ20mmの
格子状に幅2.5mmの溝が切られており、下定盤22
のラッピング面はピッチ30mmの格子状に幅2.5m
mの溝が切られている。また、上定盤21は、回転支持
軸23を有し、この回転支持軸23の回りにスラリー状
のアルミナ砥粒研磨剤の供給口24が16個等角度間隔
で設けられている。
【0026】上定盤21は、上から見て時計回りに(以
下、時計回り及び反時計回りという場合は全て上から見
た回転方向をいう。)16〜18rpmで、下定盤22
は、反時計回りに50〜55rpmで回転する。
【0027】下定盤22の中心部には、太陽歯車25が
配されており、同外周部には、内歯歯車26が配されて
いる。また、下定盤22上には、太陽歯車25及び内歯
歯車26の双方に噛合する遊星歯車を備えるガラス基板
研磨用キャリア(以下、単に「キャリア」という)27
が5個配されている。キャリア27は、図2に示すよう
にガラス基板ワーク30を収容する研磨孔としてのホー
ル28を、例えば7個周方向に等角度間隔で備えてい
る。本実施の形態では、ホール28の半径を「R」、ガ
ラス基板ワーク30の半径を「r」とし、ガラス基板ワ
ーク30の半径rに対するホール28の半径Rの割合を
「R/r」で表す。
【0028】本両面ラッピングマシン20では、太陽歯
車25が、例えば15〜22rpmで反時計回りに回転
すると共に、内歯歯車26が、例えば21〜29rpm
で反時計回りに回転するときに、キャリア27は、下定
盤22上で時計回りに自転しながら、例えば50rpm
で反時計回りに公転する。キャリア27は、ガラス繊維
入りエポキシ樹脂であり、その厚さは、ガラス基板ワー
クの仕上げ厚さ(例えば1mm)より、例えば0.2〜
0.6mm小さい値である。キャリア27の材料は、ア
ラミド繊維入りエポキシであってもよい。
【0029】両面ラッピングマシン20は、自公転する
キャリア27のホール28内に収容されたガラス基板ワ
ーク30の記録面を粒度#1000(平均粒径9〜10
μm)のアルミナ砥粒研磨剤を用いて表面粗さ(Rma
x)2μm程度にラッピングする。これにより、ガラス
基板ワーク30の厚さを、1バッチ35枚として最大2
0μm/バッチから3μm/バッチ以下に低減して、各
ガラス基板ワーク30の厚さを揃えることができ、且つ
ガラス基板ワーク30の平坦度を、15μmから5μm
に低減することができる。ここで平坦度とは、ガラス基
板ワーク30の反りの程度を表す指標であって、反った
ガラス基板ワーク30の最大厚さから正味厚さを引いた
値で示すものである。
【0030】上記粒度#1000(平均粒径9〜10μ
m)のアルミナ砥粒研磨剤は、粒度#2000(4〜5
μm)のものに置き換えてもよい。
【0031】上述の図1のガラス基板研磨装置は、図3
を用いて説明するガラス基板研磨手順の記録面ラッピン
グ工程P5で使用される。
【0032】図3の工程図の各工程内容は以下の通りで
ある。
【0033】[円盤加工工程P1]まず、厚み1.1m
mのアルミノシリケートガラスを母材とするガラス素板
をガラスカッター又はコアドリルで、外径84mmφ
(又は外径65mmφ)より少し大きく、且つ内径25
mmφ(又は内径20mmφ)より少し小さくディスク
状に切り出して比較的粗いダイヤモンド砥石で研削加工
することにより、ディスク状のガラス基板ワーク30を
作成する。
【0034】アルミノシリケートガラスとしては、質量
%表示で、SiO2を63%、Al23を16%、Na2
Oを11%、LiO2を4%、MgOを2%、及びCa
Oを4%含有する化学強化ガラスを使用する。
【0035】但し、母材とするガラス素板は、Si
2、Na2O、CaOを主成分とするソーダライムガラ
スでも、ボロシリケートガラス、LiO2−SiO2系ガ
ラス、LiO2−Al23系ガラス、RO−Al23
SiO2系ガラス等でこの他の成分としてZrO2、Ti
2、SrO等を含んだ化学強化用ガラスでもよく、更
に、化学強化をしない結晶化ガラスでもよい。
【0036】[内外周端面面取り工程P2]次に、円筒
状の砥石を用いてガラス基板ワーク30の外周端面及び
内周端面に所定の面取り加工を行う。
【0037】[外周端面研磨工程P3及び内周端面研磨
工程P4]次に、平均粒径3μmの遊離酸化セリウム砥
粒を含む研磨剤を用いたブラシ研磨により内外周端面の
表面粗さをRaで約0.1μm、Rmaxで約1.1μ
mとした。この研磨後、ガラス基板ワーク30の表面を
水洗浄する。
【0038】上記工程P1〜P4により、ガラス基板ワ
ーク30を外径84mmφ×内径25mmφ(又は外径
65mmφ×内径20mmφ)のサイズとする。
【0039】[記録面ラッピング工程P5]ガラス基板
ワーク30の厚み揃えや平坦度及びうねりの改善のため
に、上述した図1の両面ラッピングマシン20を用いて
ガラス基板ワーク30の記録面両面のラッピングを行
う。
【0040】[記録面第1研磨工程P6]上記工程P5
で残留した傷や歪みを除去するためにガラス基板ワーク
30の記録面を平均粒径1.2μmの酸化セリウム研磨
剤を用いてポリシャ(硬質布)により研磨する。この工
程では、ガラス基板ワーク30に100g/cm2の加
重をかけて、ガラス基板ワーク30の厚みを片面あたり
25μm落とすように約10分間の研磨を行う。この研
磨後、ガラス基板ワーク30に付着した研磨剤を落とす
ために、ガラス基板ワーク30の表面に適当な周波数の
超音波を付与しつつ、中性洗剤に水を加えたもので洗浄
を行う。
【0041】[記録面第2研磨工程P7]所望の平滑面
にするために上記工程P6で研磨されたガラス基板ワー
ク30の記録面を、更に、平均粒径0.8μmの酸化セ
リウム研磨剤を用いてポリシャ(軟質布)により研磨す
る。この工程では、ガラス基板ワーク30に100g/
cm2の加重をかけて、ガラス基板ワーク30の厚みを
片面あたり5μm落とすように約5分間の研磨を行う。
この研磨後もガラス基板ワーク30に付着した研磨剤を
落とすために、ガラス基板ワーク30の表面に適当な周
波数の超音波を付与しつつ、中性洗剤に水を加えたもの
で洗浄を行う。
【0042】[化学強化工程P8]上記工程P7で研磨
されたガラス基板ワーク30を硝酸カリウム60質量%
及び硝酸ナトリウム40質量%からなる溶融塩中に48
0度で2時間漬け、ガラス基板ワーク30中にカリウム
イオン及びナトリウムイオンを含有させてガラス基板ワ
ーク30を強化する。この強化後もガラス基板ワーク3
0に付着した溶融塩を落とすために、ガラス基板ワーク
30の表面に適当な周波数の超音波を付与しつつ、中性
洗剤に水を加えたもので洗浄を行う。
【0043】
【実施例】本発明の上記知見を確認するために以下のよ
うな実験を行った。
【0044】即ち、図3のガラス基板ワーク30の研磨
手順に基づいて、ホール28の孔径のサイズ毎にガラス
基板ワーク30の研磨を3バッチ実行した。尚、上記ガ
ラス基板研磨装置では1バッチ当たり35枚(=7枚×
5キャリア)のガラス基板ワーク30が得られるので、
3バッチでは105枚のガラス基板ワーク30が得られ
た。
【0045】ここで、上記記録面ラッピング工程P5で
得られたガラス基板ワーク30の端面の傷品質の平均値
をホール28及びガラス基板ワーク30のサイズ毎に以
下の表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】ガラス基板ワーク30を情報記録媒体用ガ
ラス基板として使用するためには、表1における表面粗
さの値を0.20Ra以下にするのが好ましい。この値
を超えると、上述したサーマルアスフェリティーが発生
するという問題や磁気記録媒体製造時の薄膜スパッタ工
程でのバイアス電圧が不安定になるという問題が生じる
からである。
【0048】上記表1によれば、ガラス基板ワーク30
の半径rに対するホール28の半径Rの割合、即ちR/
rの値が1.030を上回ると、表面粗さの値が0.2
0Ra以下となり、歩留が95%となる。換言すると、
R/rの値が1.030を上回ると、表面粗さの値が著
しく低下し、歩留の値が最高値をとる。これは、R/r
の値が1.030以上の場合に、ホール28の内周とガ
ラス基板ワーク30の端面との接触機会が著しく減少す
ることを意味する。従って、R/rの値が1.030以
上の場合に、ガラス基板ワーク30の外周端面の傷の発
生を抑制することができる。
【0049】上述したように、本実施の形態によれば、
ガラス基板ワーク30の半径rに対するホール28の半
径Rの割合、即ちR/rの値を1.030以上として、
ガラス基板ワーク30の記録面をラッピングすること
で、ホール28の内周面とガラス基板ワーク30の外周
端面との接触機会を減少させることができ、記録面ラッ
ピング時におけるガラス基板ワーク30の外周端面の傷
の発生を抑制することができる。
【0050】この結果、従来問題となっていたサーマル
アスフェリティーが発生するという問題や磁気記録媒体
製造時の薄膜スパッタ工程でのバイアス電圧が不安定に
なり、結果として記録面上に形成する薄膜の膜欠陥が生
じるという問題や磁気記録媒体製造時の薄膜スパッタ工
程でガラス基板ワークにひび割れが生じるという問題の
発生を抑えることができる。
【0051】また、R/rの値を1.030以上とする
ことで、現在製品に使用されている情報記録媒体用のガ
ラス基板ワーク(外径84mmφ×内径25mmφ又は
外径65mmφ×内径20mmφ)のいずれにも対して
も、記録面ラッピング工程時におけるガラス基板ワーク
の外周端面の傷の発生を抑制することができる。
【0052】本実施の形態では、ホール28を円形にし
ていたが、図4に示すように、ホール28は多角形でも
よく、上述した効果を奏することができる。この場合、
多角形の内接円31の半径をホール28の半径Rとす
る。
【0053】本実施の形態では、ガラス基板ワーク30
の半径rに対するホール28の半径Rの割合の値を1.
030以上としたが、ガラス基板ワーク30の直径に対
するホール28の直径の割合の値を1.030以上とし
ても同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0054】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1記
載のガラス基板研磨用キャリアによれば、研磨孔の孔径
が円盤状のガラス基板の外径に対して所定の比率を有す
るので、研磨孔の内周面とガラス基板の外周端面との接
触機会を減少させることができ、主表面ラッピング時に
おける円盤状のガラス基板の外周端面の傷の発生を抑制
することができる。
【0055】請求項2記載のガラス基板研磨用キャリア
によれば、所定の比率がガラス基板の外径に対して1.
030倍以上であるので、現在製品に使用されている情
報記録媒体用の円盤状のガラス基板(外径84mmφ×
内径25mmφ又は外径65mmφ×内径20mmφ)
のいずれにも対しても、主表面ラッピング時における円
盤状のガラス基板の外周端面の傷の発生を抑制すること
ができる。
【0056】請求項3記載のガラス基板研磨用キャリア
によれば、研磨孔の孔径は、ガラス基板の外周端面の表
面粗さが0.20Ra以下の値をとるように構成されて
いるので、主表面ラッピング時における円盤状のガラス
基板の外周端面の傷の発生を抑制することができ、従来
問題となっていたサーマルアスフェリティーが発生する
という問題や磁気記録媒体製造時の薄膜スパッタ工程で
のバイアス電圧が不安定になり、結果として記録面上に
形成する薄膜の膜欠陥が生じるという問題や磁気記録媒
体製造時の薄膜スパッタ工程でガラス基板ワークに割れ
が生じるという問題の発生を抑えることができる。
【0057】請求項4記載のガラス基板研磨用キャリア
によれば、研磨孔の形状が多角形であり、該多角形の内
接円の直径がガラス基板の外径に対して所定の比率を有
するので、研磨孔の形状によらず、研磨孔の内周面とガ
ラス基板の外周端面との接触機会を減少させることがで
き、主表面ラッピング時における円盤状のガラス基板の
外周端面の傷の発生を抑制することができる。
【0058】請求項6の研磨装置によれば、請求項1乃
至6のいずれか1項に記載された研磨用キャリアを備え
るので、研磨孔の内周面とガラス基板の外周端面との接
触機会を減少させることができ、主表面ラッピング時に
おける円盤状のガラス基板の外周端面の傷の発生を抑制
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るガラス基板研磨装置
の主要部の部分切り欠き斜視図である。
【図2】図1におけるキャリア27の平面図である。
【図3】図1のガラス基板研磨装置によって実行される
記録面ラッピング工程を含むガラス基板研磨手順の工程
図である。
【図4】図2におけるホール28の変形例を示す部分平
面図である。
【符号の説明】
20 ラッピングマシン 21 上定盤 22 下定盤 25 太陽歯車 26 内歯歯車 27 キャリア 28 ホール 30 ガラス基板ワーク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円盤状のガラス基板を研磨する研磨孔を
    有するガラス基板研磨用キャリアにおいて、前記研磨孔
    の孔径が該ガラス基板の外径に対して所定の比率を有す
    ることを特徴とするガラス基板研磨用キャリア。
  2. 【請求項2】 前記所定の比率が前記ガラス基板の外径
    に対して1.030倍以上であることを特徴とする請求
    項1記載のガラス基板研磨用キャリア。
  3. 【請求項3】 前記研磨孔の孔径は、前記ガラス基板の
    外周端面の表面粗さが0.20Ra以下の値をとるよう
    に構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載
    のガラス基板研磨用キャリア。
  4. 【請求項4】 前記研磨孔の形状が多角形であり、該多
    角形の内接円の直径が前記ガラス基板の外径に対して前
    記所定の比率を有することを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれか1項に記載のガラス基板研磨用キャリア。
  5. 【請求項5】 前記ガラス基板が情報記憶媒体用ガラス
    基板であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
    1項に記載のガラス基板研磨用キャリア。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項に記載さ
    れた研磨用キャリアを備えることを特徴とするガラス基
    板研磨装置。
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