JP4252077B2 - 円盤状基板の内周研磨方法 - Google Patents

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本発明は、例えば磁気記録媒体用ガラス基板などの円盤状基板の内周研磨方法等に関する。
記録メディアとしての需要の高まりを受け、近年、円盤状基板であるディスク基板の製造が活発化している。このディスク基板の一つである磁気ディスク基板としては、アルミ基板とガラス基板とが広く用いられている。このアルミ基板は加工性も高く安価である点に特長があり、一方のガラス基板は強度、表面の平滑性、平坦性に優れている点に特長がある。特に最近ではディスク基板の小型化と高密度化の要求が著しく高くなり、基板の表面の粗さが小さく高密度化を図ることが可能なガラス基板の注目度が高まっている。
このような磁気ディスク基板の製造方法については種々の改良が加えられている。公報記載の従来技術として、中心孔を有するガラスディスクの内周面を研磨する技術が存在する(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
この特許文献1では、ガラスディスクを積層した積層ガラスディスクを中心軸回りに回転可能にセッティングし、軸回りに無数のブラシ毛を持つ軸付研磨ブラシを積層ガラスディスクの中心孔に挿入する。そして、この軸付研磨ブラシを、往復動させつつ積層ガラスディスクの回転方向とは逆方向に回転させて、積層ガラスディスクの内周面を研磨している。
また、特許文献2では、浮遊砥粒を含有した研磨液にガラス基板を浸漬することで、液切れによる研磨不足や研磨不良を来すことのない研磨方法が提案されている。また、この特許文献2では、回転軸上に螺旋状に植毛されたブラシ毛を回転させて研磨することで、被研磨面に常に新鮮な研磨液を循環供給し、研磨効率、再現性および精度を高める技術が開示されている。
図10(a),(b)は、従来から行われていた円盤状基板の内周研磨方法(上記特許文献1および2の方法を含む)を説明するための図である。図10(a),(b)では、積層された円盤状基板(積層ワーク)の中心孔にブラシ軸を挿入し、ブラシ軸の上方向(上軸方向)を駆動源として、このブラシ軸を回転させている。ここで図10(a)はブラシ軸の下軸に何ら支えがなく、下軸が自由(フリー)な状態でブラシ軸が回転する内周研磨方法を示している。また、図10(b)はブラシ軸の下軸に軸受けなどの支えを設けた状態でブラシ軸が回転する内周研磨方法を示している。
この従来の方法にて、図10(a)に示すような片側支持の場合には、図10(a)の右図に示すように支持されていない片側(非固定側)が大きく振れてしまい、ブラシが大きく振れた片側だけのディスクの内径が大きく削られてしまう。また、図10(b)に示すような下軸の支え程度では、下軸の支え部分に対して軸がずれ(例えば浮き上がり)、図10(b)の右図に示すように中央部の振れが大きくなり、中央部分のディスクの内径が大きく削られてしまう。特にブラシの回転を高速にすると、これらの振れの現象は著しいものとなる。また、ディスクの径が小さくなって加工する内周面の径も小さくなり、それにつれてブラシの軸径を細くすることが要求されると、ブラシ軸の剛性が弱くなり、図10(a)の右図に示すような片側(非固定側)の振れや、図10(b)の右図に示すような中央部の振れが大きくなる。
尚、これらの課題解決に関連した従来技術が存在する(例えば、特許文献3、特許文献4参照。)。
特許文献3では、軸付研磨ブラシのシャフトの一端をモータで固定し、他端である軸先端をブラシ軸支持用孔に回転自在に支持している。そして、この支持された状態でそのブラシ軸支持用孔と一体に上下動し、軸付研磨ブラシが往復動してもその回転支持の状態が継続するようにしている。これにより、ブラシのモータ固定側ではないシャフト他端の軸先端の振れを防止している。
また特許文献4では、軸付研磨ブラシを積層ガラスディスクの中心孔に挿入し、かつその軸に下向きに荷重をかけた状態で回転させ往復動させて内周面を研磨している。これによって、軸には下向きの張力が掛かり、軸に細いものを使用したとしても、撓みや微小な振れを防止でき、積層ガラスディスクの上部、中部、下部での各部位の研磨を均等に行うことができると記載されている。
特開平11−33886号公報 特開平11−221742号公報 特開2000−84828号公報 特開2006−7350号公報
しかしながら、上記のように軸の他端を単に支持し、一端だけを回転駆動した構成では、例えば軸のねじれ現象によって内周面加工を均一に行うことが難しく、内周面の研磨精度を悪化させてしまうことが明らかとなってきた。特に、ブラシ軸の軸芯に柔軟性を持たせた場合や、小径の開孔を研磨するためにブラシ軸をより細くすることが必要となる場合では、内周面を均一に研磨することがより困難となる。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、円盤状基板の中心の開孔を極めて精度よく研磨することのできる内周研磨方法を提供することにある。
かかる目的を達成するために、本発明が適用される円盤状基板の内周研磨方法は、中心に開孔を有する円盤状基板のこの開孔に芯が柔軟性を有するブラシを挿入するステップと、ブラシの一端と他端とを互いに離間する位置に設けられた一対の回転軸に固着するステップと、ブラシの一端と他端とが各々固着された一対の回転軸に各々駆動力を与えてブラシを回転させ、ブラシのねじれ現象を抑制して円盤状基板を研磨するステップとを備えた。
ここで、この開孔に挿入されるブラシは、毛先が螺旋状に配列されることを特徴とすれば、円盤状基板の中心の開孔に研磨液を良好に満たすことができる点で好ましい。特に、例えば円盤状基板の全体を研磨液にディップさせない研磨装置を用いた場合に有効である。
また、この開孔に挿入されるブラシについて、線材に毛が挟まれたワイヤをねじることでそのブラシの芯が柔軟性を有するものであっても、一対の回転軸に固着することで研磨の均一化を図ることが可能となる。
更に、ブラシとして、毛の硬度が低く長さが長い第1のブラシ、およびこの第1のブラシに比べて毛の硬度が高く長さが短い第2のブラシを用いることを特徴とすることができる。
また、この研磨するステップは、一対の回転軸を同期回転させてブラシを回転させることを特徴とすれば、例えばブラシの軸のねじれ現象を抑制できる点で優れている。特に、円盤状基板の径が小さくなり細いブラシを使用することが必要となる場合には、その効果は大きい。また、ワイヤをねじってブラシの芯を形成したような態様を採用した場合には、同期回転させる効果は更に大きく期待できる。
更に、単一のモータによる一対の回転軸の機械的連結、または一対の回転軸毎に設けられた個別モータを制御することによって、一対の回転軸を同期回転させることを特徴とする。
一方、本発明を他の観点から捉えると、本発明が適用される内周研磨方法は、中心に開孔を有する円盤状基板のこの開孔に芯が柔軟性を有する第1のブラシを挿入するステップと、第1のブラシの一端と他端とを互いに離間する位置に設けられた一対の回転軸に固着するステップと、この第1のブラシの一端と他端とを各々固着した一対の回転軸に各々駆動力を与え第1のブラシのねじれ現象を抑制して円盤状基板を研磨するステップと、円盤状基板から第1のブラシを抜き取るステップと、円盤状基板の開孔に芯が柔軟性を有する第2のブラシを挿入するステップと、この第2のブラシの一端と他端とを一対の回転軸に固着するステップと、この第2のブラシの一端と他端とを各々固着した一対の回転軸に各々駆動力を与え第2のブラシのねじれ現象を抑制して円盤状基板を研磨するステップとを備えた。
ここで、この第2のブラシは、第1のブラシに比べて毛の硬度が高いことを特徴とすることができる。
また、この第2のブラシは、第1のブラシに比べて毛の長さが短いことを特徴とすることができる。
更に、本発明が適用される円盤状基板は、これらの内周研磨方法によって内周が研磨されることを特徴とすることができる。
以上のように構成された本発明によれば、これらの構成を採用しない場合に比べて、ブラシ軸の両端からブラシを安定して回転させることが可能となり、円盤状基板の中心の開孔を極めて精度よく研磨することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1−1(a)〜(d)、図1−2(e)〜(h)は、本実施の形態が適用される円盤状基板(ディスク基板)の製造工程を示した図である。この製造工程では、まず図1−1(a)に示す1次ラップ工程にて、円盤状基板(ワーク)10の原材料を定盤21に載置し、円盤状基板10の平面11を削る。このとき、円盤状基板10を載置した定盤21の表面には、例えばダイヤモンドの塗粒が分散して散りばめられる。次に、図1−1(b)に示す内外周研削工程にて、円盤状基板10の中心に設けられた開孔12を内周砥石22によって研削し、円盤状基板10の外周13を外周砥石23によって研削する。このとき、内周砥石22と外周砥石23で円盤状基板10の内周面と外周面を挟み込んで同時加工することで、内径と外径の同軸度を確保し易くすることができる。そして、図1−1(c)に示す外周研磨工程では、外周研磨用ブラシ24を用いて円盤状基板10の外周13が研磨される。その後、図1−1(d)に示す2次ラップ工程にて、円盤状基板10を定盤21に載置し、円盤状基板10の平面11を更に削る。
次に、図1−2(e)に示す内周研磨工程にて、円盤状基板10の中心の開孔にブラシ60を挿入し、円盤状基板10の開孔12を研磨する。その後、図1−2(f)に示す1次ポリッシュ工程にて、円盤状基板10を定盤21に載置し、円盤状基板10の平面11を磨く。このときの研磨には、例えば不織布(研磨布)として硬質ポリッシャが用いられる。更に、図1−2(g)に示す2次ポリッシュ工程にて、軟質ポリッシャを用いた平面研磨が行われる。その後、図1−2(h)に示す最終洗浄・検査工程にて洗浄と検査が行われて、円盤状基板(ディスク基板)が製造される。
次に、図1−2(e)に示す内周研磨工程について、更に詳述する。
図2は、内周研磨工程の流れを示すフローチャートである。ここではまず、全体の処理の流れを大まかに説明する。内周研磨行程では、まず、円盤状基板(ワーク)10を取り付け治具にセットする(ステップ101)。次に、取り付け治具に重ねられ積層された円盤状基板10(積層ワーク)をホルダにセットする(ステップ102)。そして、このホルダにセットされた積層ワークの中心の開孔に第1のブラシを挿入する(ステップ103)。この第1のブラシは、後述する第2のブラシに比べて軟らかく、毛の長さが長いブラシである。円盤状基板(ワーク)10の内周に形成された面取り部分を良好に研磨するために用いられる。尚、第1のブラシおよび第2のブラシは、共に毛先が螺旋(らせん)状に並べられ、かつ芯が柔軟性を有している点に特徴がある。
次いで、積層ワークがセットされ第1のブラシが挿入されたホルダを水平にして研磨装置にセットする(ステップ104)。そして、ホルダの端部に出ているブラシの一端を研磨装置の第1の回転軸に固着し、ブラシの他端を研磨装置の第2の回転軸に固着する(ステップ105)。以上の作業工程で、研磨装置へのワークの取り付けが終了する。
このワーク取り付け後、ポンプを駆動させ、研磨装置の液槽に研磨液を供給する(ステップ106)。研磨装置の液槽の領域には、ホルダが水平状態でセットされており、この状態ではホルダの水平軸方向のほぼ半分程度が研磨液に浸漬する。また、この研磨液の供給に前後して、研磨装置にてブラシの芯を軸方向に引っ張り、その引っ張り状態が維持される(ステップ107)。
この状態にて、研磨液を供給しながら、ブラシを第1の方向に回転させ、ホルダをこの第1の方向とは逆の回転方向である第2の方向に回転させて研磨が行われる(ステップ108)。またこのとき、ホルダをブラシの軸方向に往復動させる(ステップ109)。往復動させることによって、ホルダとブラシとが相対的に移動してワークに接触するブラシの位置をずらすことが可能となり、同一のブラシによって同一の箇所を研磨することによる研磨の偏りを防止し、より均一化された研磨が可能となる。この研磨作業を予め定められた研磨時間だけ行う(ステップ110)。即ち、研磨装置の制御部は、経験則から得られた研磨に必要な時間(研磨時間)として予め定められた時間が経過したか否かを判断し、研磨時間が経過していなければステップ108からの処理を繰り返し、研磨時間が経過すると、研磨装置を停止させる(ステップ111)。
その後、研磨装置を操作してブラシへの引っ張りを解除し、ブラシの一端および他端を回転軸から取り外す(ステップ112)。そして、ホルダの一端および他端を反転させてホルダを研磨装置に置き直し、上述のステップ104〜ステップ112に示す処理を繰り返す(ステップ113)。このように、ホルダを反転させて同様な処理を行うことで、例えば回転方向の反転など、研磨条件を変えることが可能となり、研磨条件による偏った研磨を抑制することができる。この反転した後の研磨が終了した後、ホルダから第1のブラシを抜き取り、第1のブラシに比べて硬度の高い第2のブラシを、ホルダにセットされた積層ワークの中心の開孔に挿入する(ステップ114)。この硬度の高い第2のブラシは、円盤状基板10の内周面を研磨するためのもので、第1のブラシに比べて毛の長さが短い。その後、上述のステップ104〜ステップ113に示す処理にて、前述の第1のブラシを用いて行った研磨処理と同様にして研磨処理が行われる(ステップ115)。尚、第1のブラシを用いた場合と第2のブラシを用いた場合とで、ステップ110の研磨時間、回転数などの研磨条件を異ならせることもできる。研磨処理が終了した後、ホルダからブラシ、ワークを取り出し(ステップ116)、内周研磨行程を終了して、次行程へ移行する。
次に、図2の各ステップで示した内周研磨工程を、図面を用いて更に詳述する。
図3−1(a)〜(d)、図3−2(e)は、ステップ101に示した円盤状基板10の治具への取り付けを説明するための斜視図である。図3−1(a)はワークである円盤状基板10の斜視図、図3−1(b)はこの円盤状基板10の中心の開孔部分の部分断面図である。また図3−1(c)は研磨液導入スペーサ41を示し、図3−1(d)は両端スペーサ42を示している。更に、図3−2(e)は、図3−1(a)〜(d)に示す各要素を治具44に取り付けた状態を示している。
研磨対象である円盤状基板10は、例えば直径0.85インチのディスク基板を生成するために、直径が約21.66mm、厚さが約1mm、中心の開孔12の径が約6mmのガラス基板である。円盤状基板10の開孔12は、図3−1(b)に示すように、内周面12aと、この内周面12aの角を削った面取り部12bとを備えている。この面取り部12bを設けることで、後続の加工工程および組み付け工程などにおけるクラック、チッピングなどの不具合を抑制することができる。
図3−1(c)に示す研磨液導入スペーサ41は、積層された円盤状基板10(積層ワーク)の中心の開孔12に研磨液(スラリ)を供給する機能を有する。かかる機能を達成するために、図3−1(c)に示すように研磨液導入スペーサ41は、端面41aと、この端面41aの外径よりも小径の面を形成する軸方向面41bと、この軸方向面41bに形成され、積層ワークの中心の開孔12に研磨液(スラリ)を供給するための貫通孔である循環供給孔41cを複数(例えば6個)、設けている。軸方向面41bの内周は、円盤状基板10の内周よりも径が大きい。また、研磨液導入スペーサ41の材質としては、ABS、POM、テフロン(登録商標)、ポリアミドなどの合成樹脂が用いられる。
図3−1(d)に示す両端スペーサ42は、例えば円盤状基板10の積層枚数の調整や、研磨の性状が不安定となる可能性のあるブラシの端部に円盤状基板10を配置しないために設けられている。この両端スペーサ42は、研磨液導入スペーサ41と同様の材質(ABS、POM、テフロン(登録商標)、ポリアミドなどの合成樹脂)で形成される。外径寸法は円盤状基板10の外径寸法よりも若干(例えば1〜5mm程度)小さくなっており、また内径寸法は円盤状基板10の内径と同等以上となるように構成されている。
図3−2(e)に示すように、図3−1(a),(b)に示す円盤状基板10を重ね合わせて積層ワークが形成され、図3−1(c),(d)に示す部材、およびダミー基板43が治具44に取り付けられる。この治具には、全体で例えば150枚の円盤状基板10が重ね合わされ、両端スペーサ42が設けられる一端から研磨液導入スペーサ41までの間に例えば40枚、2つの研磨液導入スペーサ41の間に例えば70枚、研磨液導入スペーサ41から他端の両端スペーサ42までに例えば40枚等の積層ワークが取り付けられる。ダミー基板43を各スペーサ(研磨液導入スペーサ41,両端スペーサ42)と円盤状基板10との間に設けることで、各スペーサと円盤状基板10の平面11とが接触することによる円盤状基板10の品質劣化を抑制することができる。但し、各スペーサの材質などによっては、このダミー基板43を使用しないことも可能である。
そして、この図3−2(e)に示すように円盤状基板10を積層することで、研磨液導入スペーサ41の間隔および軸方向の位置が定まる。
図4は、ステップ102に示した積層ワークをセットするための基板ホルダ(ホルダ)50を示した図である。基板ホルダ50は、例えばステンレス鋼で全体が形成され、図3−2(e)に示すような積層された円盤状基板10(積層ワーク)を装着するための装着孔51と、基板ホルダ50の外周52aと装着孔51とを連通させて研磨液(スラリ)を流入させる流入用開孔53とを備えている。また、流入用開孔53の近傍であって外周52aの表面に設けられ、研磨液(スラリ)を流入用開孔53に導くフィン54を備えている。流入用開孔53およびフィン54は軸方向の2箇所に形成されており、流入用開孔53は外周52aの表面に例えば片側6個、設けられ、個々の流入用開孔53の間にフィン54が形成されている。
流入用開孔53が形成される軸方向の2箇所の位置は、図3−2(e)に示す積層ワークが基板ホルダ50にセットされた際、図3−2(e)に示すようにセットされた2つの研磨液導入スペーサ41の軸方向位置とほぼ一致している。外周52aとこの外周52aよりも径の大きな外周52bとの間で形成される段差と、フィン54とによって形成される構造によって、基板ホルダ50の回転により研磨液(スラリ)が掻き上げられ、流入用開孔53に研磨液(スラリ)が供給される。
また、基板ホルダ50は、例えばデルリン(デュポン社の登録商標)などのアセタール樹脂を材質とする当接円環部材55を、軸方向の2箇所(複数箇所)の外周52bに形成している。更に、基板ホルダ50を回転させるための歯車56を軸方向の2箇所に形成している。また更に、積層ワークを挿入した後に積層ワークを軸方向に押圧し、基板ホルダ50に積層ワークを固定するナット57を有している。図4では軸方向の一方だけにナット57を示しているが、積層ワークを挿入した後は軸方向の他方にもナット57が設けられる。即ち、装着孔51に積層ワークを挿入した後、他方のネジ部58を利用してナット57を締め付けて、積層ワークを固定する。このナット57による積層ワークの固定の後に、図3−2(e)に示した治具44が積層ワークから引き抜かれて取り除かれる。当接円環部材55は、基板ホルダ50を研磨装置に配置した際の基板ホルダ50全体の位置決めに用いるとともに、研磨装置の駆動側歯車(後述)と歯車56との軸間距離を規定する役割、また研磨装置のフランジ(後述)に当接して基板ホルダ50を軸方向に往復動させる役割を担っている。
図5は、ステップ103、ステップ114にて、基板ホルダ50にセットされた円盤状基板10の中心の開孔12に挿入されるブラシ60を示す外観図である。このブラシ60は、毛先が螺旋状に配列して形成されるブラシ部61と、このブラシ部61の両端部に連続して形成される径大部62と、これらの径大部62に連続して一端と他端とを形成する軸63とを備えている。径大部62は、ブラシ部61の端を軸63に結合するためのカシメ部62aと、ブラシ部61からの研磨液(スラリ)の端部への流れを堰き止める(防止する)堰き止め部62bを備えている。即ち、研磨液(スラリ)に基板ホルダ50をディップさせた状態でブラシ60が所定の一方向に回転すると、毛先が螺旋状に配列して形成されるブラシ部61によって、軸方向の一方向に研磨液(スラリ)が流れる。このとき、径大部62の堰き止め部62bによって研磨液(スラリ)が堰き止められ、ブラシ60の端部への研磨液(スラリ)の流れが防止される。
ブラシ60は、円盤状基板10の中心の開孔12として、例えば0.85インチ等の小径ディスクの内径を研磨するために、ブラシ60の芯を細くする必要がある。そこで、本実施の形態では、例えば、複数本のワイヤ(材質:例えば、軟鋼線材(SWRM)、硬鋼線材(SWRH)、ステンレス線材(SUSW)、黄銅線(BSW)など、加工性、剛性などから適宜選定できよう)の間に、ブラシの毛(材質:例えばナイロン(デュポン社の商品名))を挟み込み、この毛が挟み込まれたワイヤをねじることで、ブラシ部61を形成している。このワイヤをねじってブラシ部61を形成することで、ブラシ部61に形成されるブラシ毛先を螺旋状とすることができ、挿入されている積層ワークの中心の開孔12にて、研磨液(スラリ)を軸方向に流すことが可能となり、この箇所における研磨液(スラリ)の搬送を良好に行うことができる。また、堰き止め部62bをブラシ部61の両端に設けることで、研磨液(スラリ)の端部への流れを抑制することが可能となる。
そして、このような構成を有するブラシ60は、ブラシ60のブラシ部61の芯が柔軟性を有している。この『柔軟性』とは、本実施の形態では、人間が両端を持って軽く曲がる程度の柔軟性、手で触って両端を曲げる程度の柔軟性である。一例を挙げると、例えば、直径0.2mm程度の軟鋼線材(SWRM)にブラシの毛を挟んだ4本のワイヤをねじって形成したブラシ60にて、ブラシ軸両端を自由端支持で保持し、ブラシ60の中央部分を約100gf程度で押圧したときに撓みが見られた。尚、この値は、線材の太さ、種類、ねじり方等によって異なってくる。この柔軟性としては、例えば、ブラシ軸両端を自由端支持で保持し、ブラシ60の中央部分を数100gf程度で押圧した状態で撓む程度とすることも可能である。
尚、本実施の形態では、ブラシ60として、第1のブラシと第2のブラシの2種類を準備している。ステップ103で挿入される第1のブラシは毛が軟らかく長いブラシであり、ステップ114で挿入される第2のブラシは、この第1のブラシに比べて毛が固く短いブラシである。毛が軟らかく長い第1のブラシを用いることで、円盤状基板10の面取り部12b(図3−1参照)を良好に研磨する。一方、毛が固く短い第2のブラシを用いることで、円盤状基板10の内周面12a(図3−1参照)を良好に研磨することができる。このように、毛の状態が異なる複数のブラシ60を用いることで、複数の面を良好に研磨することができる。尚、製品としてのディスク基板では、内周面12aの寸法精度がより要求されることから、内周面12aの研磨に良好なブラシ60を後工程である第2のブラシとして用いることが好ましい。
次に、図6〜図8を用いて、ステップ104〜ステップ112にて用いられる研磨装置70について説明する。
図6は、円盤状基板10およびブラシ60がセットされた基板ホルダ50が軸方向を水平方向(略水平方向)として研磨装置70にセットされた状態を示した斜視図である。また図7は、研磨装置70の駆動系を示した説明図である。更に図8は、基板ホルダ50の回転の駆動系を示した説明図であり、図6に示す研磨装置70の軸方向の第2の回転軸72側から眺めた状態を省略して示している。
図6および図7に示すように、研磨装置70は、ブラシ60の軸63の一端が固着される第1の回転軸71と、軸63の他端が固着される第2の回転軸72と、研磨液(スラリ)を溜める液槽73とを備えている。また、基板ホルダ50を支える第1の支持軸74および第2の支持軸75を備えている。この第2の支持軸75には、基板ホルダ50の歯車56と噛み合って基板ホルダ50を回転させる駆動側歯車76が設けられている。
この第1の回転軸71および第2の回転軸72は、回転軸と一体となった一体部材71a,72aと、止めネジ(図示せず)等によって取り付けられる分割部材71b,72bとで構成され、これらは、中心軸を含む平面で合わさることで、個々の第1の回転軸71および第2の回転軸72を形成する。分割部材71b,72bが取り外された状態で、研磨装置70に基板ホルダ50が置かれると、ブラシ60の軸63の両端が一体部材71a,72aの中心部に収まる。その後、止めネジによって分割部材71b,72bを一体部材71a,72aに取り付けることで、軸63の一端を第1の回転軸71に、他端を第2の回転軸72に固着することができる。
第1の支持軸74および第2の支持軸75には、基板ホルダ50の当接円環部材55に当接して基板ホルダ50を支える円環部材74a、74c、75a、75cが設けられている。この4つの円環部材74a、74c、75a、75cは基板ホルダ50を位置決めしながら基板ホルダ50を水平方向に支えるとともに、第1の支持軸74および第2の支持軸75が回転した場合でも、当接円環部材55への接触を維持し、ブラシ60の軸63に対する基板ホルダ50の位置を、研磨に影響のない組み合わせ精度内で保持している。また、円環部材74a、74c、75a、75cは、当接円環部材55と当接することで、基板ホルダ50の歯車56と研磨装置70の駆動側歯車76との中心距離を所定の範囲に保ち、噛み合いを良好に保っている。図4に示すように、基板ホルダ50には軸方向の2箇所に歯車56が設けられており、図2のステップ113にて基板ホルダ50を反転させた場合にも、研磨装置70の駆動側歯車76を何れか一方の歯車56と連結させることが可能である。
図8に示すように、研磨装置70は、駆動源であるホルダ駆動モータ77と、このホルダ駆動モータ77の駆動力を第1の支持軸74および第2の支持軸75に伝達するベルト78およびプーリ79とを備えている。ホルダ駆動モータ77によりベルト78が図のF方向に回転すると、第1の支持軸74および第2の支持軸75が図のG方向に回転する。このG方向の回転によって、第2の支持軸75に設けられた駆動側歯車76もG方向に回転し、この駆動側歯車76と噛み合う歯車56(基板ホルダ50側)がE方向に回転する。これによって、基板ホルダ50がE方向に回転する。
また、図6および図7に示すように、第1の支持軸74および第2の支持軸75の円環部材74a、74c、75a、75cには、基板ホルダ50を往復移動させるためのフランジ74b、74d、75b、75dが形成されている。このフランジ74b、74d、75b、75dは、円環部材74a、74c、75a、75cに比べて径の大きな輪縁(つば)であり、円環部材74a、74c、75a、75cに当接する当接円環部材55の側面に対向する。フランジ74bとフランジ74dは、第1の支持軸74の軸方向にて左右対称に配置されている。同様に、フランジ75bとフランジ75dは、第2の支持軸75の各々の軸方向にて左右対称に配置されている。第1の支持軸74および第2の支持軸75を軸方向に往復動させると、フランジ74b、74d、75b、75dの輪縁(つば)の側面が当接円環部材55を押し、これによって基板ホルダ50を往復移動させることができる。即ち、第1の支持軸74および第2の支持軸75が図7のB方向に移動すると、フランジ74dおよびフランジ75dが基板ホルダ50の一方の当接円環部材55を押すことで、基板ホルダ50がB方向に移動する。一方、第1の支持軸74および第2の支持軸75が図7のC方向に移動すると、フランジ74bおよびフランジ75bが基板ホルダ50の他方の当接円環部材55を押すことで、基板ホルダ50がC方向に移動する。このように、本実施の形態では、引っ張り力を加えているブラシ60の軸63を軸方向に往復動させるのではなく、基板ホルダ50を往復動させ、積層された円盤状基板10(積層ワーク)を往復動させている。これによって、ブラシ60と積層された円盤状基板10(積層ワーク)との軸方向の相対移動を可能としている。
また、図7に示すように、研磨装置70は、ブラシ60を回転させるブラシモータ81を備えている。また、ブラシモータ81の回転を用いてブラシ60の軸63の一端および他端で同期して回転させるための連結機構として、第1プーリ82、歯付きベルトである第1ベルト83、第2プーリ84、回転軸85、第3プーリ86、歯付きベルトである第2ベルト87、第4プーリ88を備えている。これらの連結機構によって、ブラシモータ81の回転が第1の回転軸71および第2の回転軸72に機械的に連結され、ブラシ60の軸63の一端および他端が同期して回転することが可能となる。尚、このような機械的な連結ではなく、第1の回転軸71および第2の回転軸72の各々に個別にモータを接続し、電気的に同期させる構成も採用できる。
また、研磨装置70は、ブラシ60に軸芯方向の引っ張り力(テンション)を与えるエアシリンダ91と、このエアシリンダ91の引っ張り力を第2の回転軸72に与える引っ張り機構92とを備えている。エアシリンダ91による引っ張り力により、引っ張り機構92を介して第2の回転軸72が図のA方向に移動する。エアシリンダ91が引っ張った状態を維持することで、ブラシ60に対する軸芯方向の引っ張り力(テンション)が維持される。この動きの一例を詳述すると、第2の回転軸72と連結して、例えばトルク伝達可能で且つ直動ころがり運動を可能とするボールスプライン92a等を設ける。そして、エアシリンダ91を動作させ、引っ張り機構92によってA方向に引っ張ると、ボールスプライン92aをスライドして第2の回転軸72と第4プーリ88との距離を縮めることができ、この状態で、ブラシモータ81から連結機構を介して得られた駆動力によって、第2の回転軸72を回転させる。また他の例としては、第2の回転軸72と第4プーリ88との距離は変化させず、エアシリンダ91の引っ張り力によって第4プーリ88の位置をA方向にずらし、ずれた状態で第2ベルト87からの伝達力を維持できるような構成を採用すれば良い。
尚、第1の回転軸71および第2の回転軸72の何れか一方だけではなく、両方の回転軸に引っ張り機構を設ける構成を採用することもできる。
更に、研磨装置70は、第1の支持軸74および第2の支持軸75に撹拌用羽根93を備えている。第1の支持軸74および第2の支持軸75の回転によって撹拌用羽根93を回転させることで、液槽73の底部にて研磨液(スラリ)を循環させることが可能である。
また更に、研磨装置70は、第1の支持軸74および第2の支持軸75を図のB方向およびC方向に示す軸方向へ往復動させるための機構として、駆動モータ95、偏芯カム96、リンク97、および移動体98を備えている。駆動モータ95の回転により偏芯カム96が回転し、この偏芯カム96に連結したリンク97が移動体98を揺動させる。これによって、移動体98に連結されている第1の支持軸74および第2の支持軸75が図のB方向およびC方向に往復動する。前述のように、第1の支持軸74および第2の支持軸75の往復動により基板ホルダ50を往復動させる。
図9は、液槽73に研磨液(スラリ)100を供給した状態を説明するための斜視図である。図2のステップ106に示すように、ポンプ(図示せず)を駆動させ、研磨装置70の液槽73に研磨液(スラリ)100を供給する。液槽73には、水平にセットされた基板ホルダ50のほぼ中央部分まで、研磨液(スラリ)100が溜められる。即ち、基板ホルダ50の全部ではなく一部が研磨液(スラリ)100にディップした状態にある。
本実施の形態では、液槽73の外部に第1の回転軸71および第2の回転軸72があり、ブラシモータ81(図7参照)、連結機構などの各種駆動機構も液槽73から分離している。その結果、研磨液(スラリ)100が各種駆動機構に浸ることがなく、軸受け等の機構部品が研磨液(スラリ)に含まれる研磨剤によって摩耗する問題を解消することができる。
このステップ106の処理に前後して、ステップ107に示すように、エアシリンダ91(図7参照)を動作させ、ブラシ60の軸63に対して引っ張り力を与える。この引っ張り力としては、5〜50kgf程度が好ましく、より好ましくは10〜20kgf程度である。本実施の形態では、ブラシ60の軸63を両端支持しテンションをかけることで、図10(a),(b)に示したような偏芯回転を抑制している。そのために、引っ張り力の下限値は、ブラシの剛性、ブラシの回転数などを考慮し、偏芯回転を抑制するものとして実験的に定められた値である。一方、図5を用いて説明したように、ブラシ60のブラシ部61の軸芯は、ワイヤをねじって形成されている。そのために、引っ張り力の上限値は、ブラシ部61の軸芯を伸ばし過ぎず、ブラシの毛先の性状を乱さない値として、ブラシ60の特性に応じて決定される。
その後、ステップ108の処理として、図9に示す研磨液(スラリ)100を供給した状態で、引っ張り力が与えられたブラシ60の両端を、第1の回転軸71および第2の回転軸72を用いて第1の方向(図のD方向)に回転させる。ブラシ60の回転数としては、例えば1500〜2000rpm程度が好ましい。また、同時に、図8に示すホルダ駆動モータ77を起動し、基板ホルダ50を第2の方向(図のE方向)に回転させる。この基板ホルダ50の回転数としては、20rpm、40rpm、60rpm等が選択される。このとき、図7に示す駆動モータ95を動作させ、ステップ109にて説明したように、基板ホルダ50を軸方向に往復動させる。
図9に示す状態で基板ホルダ50をE方向に回転させると、フィン54によって研磨液(スラリ)100が掻き上げられ、この研磨液(スラリ)100が流入用開孔53から基板ホルダ50の内部に流れ込む。そして、流入用開孔53から供給された研磨液(スラリ)100は、基板ホルダ50の内部にて、図3−2(e)に示す研磨液導入スペーサ41を包み込み、図3−1(c)に示す軸方向面41bと基板ホルダ50の内周面との間が研磨液(スラリ)100で満たされる。そして、研磨液導入スペーサ41の循環供給孔41cを経由して、積層された円盤状基板10(積層ワーク)の中心の開孔12に研磨液(スラリ)100が供給される。中心の開孔12に供給された研磨液(スラリ)100は、毛先が螺旋状に配列されたブラシ60によって軸方向に移動する。これらの作用によって、基板ホルダ50の全部ではなく一部を研磨液(スラリ)100にディップした状態から研磨を開始しても、円盤状基板10(積層ワーク)の中心の開孔12は軸方向に充分に研磨液(スラリ)100で満たされる。
ここで、従来、ディスク基板を所定のブラシで研磨する際には、被研磨面である内周面に研磨液を滴下させたり、研磨液の槽にディスク基板およびブラシの全体を浸漬させていた。例えば、図10(a),(b)に示すような構造を採用した場合に、ブラシ軸を回転させる機構などをブラシ軸の下軸方向に設けると、機構部品が研磨液によって早々に浸食されてしまう問題があった。そのために、図10(a),(b)に示すような配置では、ブラシの両軸を支え、特に両軸を回転駆動させることは難しかった。
本実施の形態では、基板ホルダ50を水平状態に保持して円盤状基板10(積層ワーク)の一部を研磨液(スラリ)100にディップさせた。そして、この状態で基板ホルダ50とブラシ60とを回転させることで、積層された円盤状基板10(積層ワーク)の中心の開孔12に研磨液(スラリ)100を充分に供給することが可能となった。また、このとき、本実施の形態では、第1の回転軸71および第2の回転軸72、およびこれらを駆動する各種駆動機構が、研磨液(スラリ)100を溜める液槽73から離間した位置に配置されている。これによって、各種機構部品が研磨液(スラリ)100の影響を受けない状態で装置を稼働することが可能となり、例えば研磨剤による軸受けの摩耗等を防止することができる。
以上、詳述したように、本実施の形態によれば、ブラシ軸の両端からブラシを安定して回転させることが可能となる。ブラシの両端固着によってねじれ現象を抑制することが可能となるが、特に、円盤状基板の中心の開孔が小さくなり、ブラシが細く、剛性が低くなる場合に、その効果は大きい。また、毛先が螺旋状に配列されるブラシを用いることで円盤状基板の中心の開孔における研磨液の流れが良好となるが、その一方でねじれ現象による問題が大きくなり易い。しかしながら、本実施の形態によれば、回転軸にブラシの両端を固着することで、毛先が螺旋状に配列されるブラシを用いた場合でも円盤状基板の中心の開孔を極めて精度よく研磨することができる。
また、円盤状基板の中心の開孔には端面(内周面)と面取り部分が存在するが、端面とは中心軸からの距離やブラシと当接する面の角度が異なる面取部分にブラシが入り込むこと等の条件をクリアして良好な研磨を行うためには、単一のブラシでは困難である。本実施の形態では、毛の長さが長く剛性の低い第1のブラシによって主に面取り部分を研磨し、毛の長さが短く剛性の高い第2のブラシの2つのブラシを用いて主に端面(内周面)を研磨することで、研磨面に合わせて研磨作業を適正化することができ、円盤状基板の中心の開孔を精度よく研磨することが可能となる。その際、最初に主に面取り部分を研磨し、次いで主に端面(内周面)を研磨することで、要求の厳しい端面(内周面)について、研磨後の寸法精度を良好とすることができる。
(a)〜(d)は、本実施の形態が適用される円盤状基板(ディスク基板)の製造工程を示した図である。 (e)〜(h)は、本実施の形態が適用される円盤状基板(ディスク基板)の製造工程を示した図である。 内周研磨工程の流れを示すフローチャートである。 (a)〜(d)は、ステップ101に示した円盤状基板の治具への取り付けを説明するための斜視図である。 (e)は、ステップ101に示した円盤状基板の治具への取り付けを説明するための斜視図である。 ステップ102に示した積層ワークをセットするための基板ホルダ(ホルダ)を示した図である。 ステップ103、ステップ114にて、基板ホルダにセットされた円盤状基板の中心の開孔に挿入されるブラシを示す外観図である。 円盤状基板およびブラシがセットされた基板ホルダが軸方向を水平方向として研磨装置にセットされた状態を示した斜視図である。 研磨装置の駆動系を示した説明図である。 基板ホルダの回転の駆動系を示した説明図である。 液槽に研磨液(スラリ)を供給した状態を説明するための斜視図である。 (a),(b)は、従来から行われていた円盤状基板の内周研磨方法を説明するための図である。
符号の説明
10…円盤状基板、12…開孔、50…基板ホルダ、60…ブラシ、61…ブラシ部、63…軸、70…研磨装置、71…第1の回転軸、72…第2の回転軸

Claims (6)

  1. 中心に開孔を有する円盤状基板の当該開孔に芯が柔軟性を有するブラシを挿入するステップと、
    前記ブラシの一端と他端とを互いに離間する位置に設けられた一対の回転軸に固着するステップと、
    前記ブラシの一端と他端とが各々固着された前記一対の回転軸に各々駆動力を与えて当該ブラシを回転させ、当該ブラシのねじれ現象を抑制して前記円盤状基板を研磨するステップとを備え
    前記ブラシとして、第1のブラシおよび当該第1のブラシに比べて毛の硬度が高く長さが短い第2のブラシを用いることを特徴とする円盤状基板の内周研磨方法。
  2. 前記開孔に挿入される前記ブラシは、毛先が螺旋状に配列されることを特徴とする請求項1に記載の円盤状基板の内周研磨方法。
  3. 前記開孔に挿入される前記ブラシは、線材に毛が挟まれたワイヤをねじることで当該ブラシの芯が柔軟性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の円盤状基板の内周研磨方法。
  4. 前記研磨するステップは、前記一対の回転軸を同期回転させて前記ブラシを回転させることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の円盤状基板の内周研磨方法。
  5. 単一のモータによる前記一対の回転軸の機械的連結、または当該一対の回転軸毎に設けられた個別モータを制御することによって、前記一対の回転軸を同期回転させることを特徴とする請求項4記載の円盤状基板の内周研磨方法。
  6. 中心に開孔を有する円盤状基板の当該開孔に芯が柔軟性を有する第1のブラシを挿入するステップと、
    前記第1のブラシの一端と他端とを互いに離間する位置に設けられた一対の回転軸に固着するステップと、
    前記第1のブラシの一端と他端とを各々固着した前記一対の回転軸に各々駆動力を与え当該第1のブラシのねじれ現象を抑制して前記円盤状基板を研磨するステップと、
    前記円盤状基板から前記第1のブラシを抜き取るステップと、
    前記円盤状基板の前記開孔に芯が柔軟性を有する第2のブラシを挿入するステップと、
    前記第2のブラシの一端と他端とを前記一対の回転軸に固着するステップと、
    前記第2のブラシの一端と他端とを各々固着した前記一対の回転軸に各々駆動力を与え当該第2のブラシのねじれ現象を抑制して前記円盤状基板を研磨するステップと
    を備え
    前記第2のブラシは、前記第1のブラシに比べて毛の硬度が高く長さが短いことを特徴とする円盤状基板の内周研磨方法。
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