以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1には本発明実施例の画像形成装置の概略断面図を示す。
図1において、像担持体である感光ドラム1は回転自在に担持され、感光ドラム1の周りに、コロナ帯電器2、レーザ露光光学系3、現像器4が配置される。
レーザ露光光学系3においてリーダ部からの画像信号は、レーザ出力部にて光信号に変換され、光信号に変換されたレーザ光が不図示のポリゴンミラーで反射され、不図示のレンズ及び各反射ミラーを経て感光ドラム1の表面に投影される。
感光ドラム1は帯電器2により一様に帯電された後、レーザ光が照射されることにより、感光ドラム1上に潜像が形成される。感光ドラム1上の潜像は現像器4により現像され、トナー画像が形成される。
記録媒体であるシートは収納部5から1枚ずつ給紙され、所定のタイミングにて転写部6に搬送される。転写部6にて感光ドラム1上のトナー像がシートに転写され、熱ローラ定着器7にてトナー像がシートに定着される。その後シートは、排出口21から画像形成装置に接続されているシート後処理装置に排出される。なお、定着器7のローラは常に速度500mm/sで駆動される。
図2は図1の画像形成装置の定着器7より下流の部分を詳しく示した図である。内排紙センサ201、排紙センサ202、反転センサ203、搬送センサ204はシートの有無を検知するためのセンサであり、シートの先端が各センサ位置に到達したこと、シートの後端が各センサ位置を抜けたことを検知することが出来る。搬送ローラ211から219はシートを所定の方向へ搬送するために駆動される。図において、同じ符号が付けられているローラは同一のモータにより駆動される。搬送ローラ211は定着器7から反転ローラ213方向へシートを搬送するために駆動される。搬送ローラ212は搬送ローラ211から受け取ったシートを反転ローラ213方向へシートを搬送するために駆動される場合と、反転ローラ213で反転したシートを両面パス(両面搬送路)22方向へ搬送するために逆回転で駆動される場合がある。反転ローラ213は搬送ローラ212から搬送されてきたシートを引き込んだ後、逆回転して両面搬送路22の方向へ搬送する場合と、搬送ローラ214の方向へ搬送する場合がある。搬送ローラ214、215は反転ローラ213から受け取ったシートを排紙口21方向へ搬送するためのローラである。搬送ローラ216は定着器7から反転ローラ213を経由せずに直接搬送されるシート(非反転排出シート)を搬送したり、反転ローラ213経由で搬送ローラ214、215から搬送されるシート(反転排出シート)を排紙口21へ搬送するためのローラである。搬送ローラ217はシートを排紙口21から画像形成装置外へと搬送するためのローラである。搬送ローラ218、219は、シートへの両面印刷時に反転ローラ213で反転したシートを両面パス22方向へ搬送するためのローラである。
フラッパ221、224はシートの搬送方向を切替えるためにその位置が制御される。フラッパ221は定着器7を通ったシートを反転・両面方向223に搬送する場合と、非反転で排紙する方向222に搬送する場合とで切替えられる。フラッパ224は反転ローラ213に引き込んだシートを両面方向227に搬送する場合と、反転排紙方向226に搬送する場合とで切替えられる。
以下、図2を用いてシートの搬送について説明する。画像が形成された面を上にしてシートを画像形成装置から排出する(以下、非反転排出と記載)場合には、フラッパ221が切替えられて、シートは定着器7を通った後、ストレート排紙パス方向222へ搬送される。その後、ローラ216、217を経由して排出口21から画像形成装置外のシート後処理装置に排紙される。シートを非反転排出する場合のシートの搬送速度は画像形成を行う速度(定着器7のシート搬送速度)と同じ第2の速度500mm/sのままである。
次に画像が形成された面を下にしてシートを画像形成装置から排出する(以下、反転排出と記載)場合には、フラッパ221が切替えられて、シートが定着器7を通った後、反転排紙パス方向223へ搬送される。その後、シートはローラ211、212、213を経由して反転位置225でスイッチバックされる。シートを反転排出する場合には、センサ201がシートの後端抜けを検出した時点で、シートの搬送速度は画像形成を行う速度500mm/sよりも速い第2の速度1000mm/sに増速される。また、スイッチバック時には反転センサ203がシートの先端を検知した後、シート長さに応じた所定時間分だけ反転ローラ213が駆動される。その後、反転ローラ213が一旦停止した後、反転ローラ213が逆回転してシートは逆方向へ搬送される。スイッチバックしたシートは、フラッパ224が切替えられることで反転排出方向226へ搬送され、ローラ214、215、216を経由して排出口21から画像形成装置に接続されたシート後処理装置に排出される。即ち、シート後端が定着器7を抜けた後スイッチバックされ、排出口21から排出されるまで、シートは速度1000mm/sのままで搬送される。
次にシートの両面に画像形成を行う場合を説明する。両面印刷時も反転ローラ213への引き込みまでは反転排出の場合と同様の制御となる。その後スイッチバックされたシートは、フラッパ224の切替えにより両面方向227へ搬送され、ローラ212、218、219を経由して両面パス22へ搬送される。両面パスへ搬送する場合もシートは速度1000mm/sで搬送される。両面印刷の場合には、両面パス22へ搬送されたシートはシートの1面目への印刷時と同様に、転写部6に向けて搬送されてトナー像が転写され、再度定着器7にて定着される。両面印刷されたシートは、最後に画像形成された面を上にしてシートを画像形成装置から排出するため、上述した非反転排出の場合と同じ経路を通り、500mm/sの速度のまま排出口21からシート後処理装置に排出される。なお、図2から明らかなように、反転排出でシートを排出する場合のシートの搬送距離は非反転排出でシートを排出する場合のシートの搬送距離よりも長い。ここでの搬送距離とはシートが定着器7を通過してからシート後処理装置350へ排出されるまでの搬送距離のことである。
図3は本実施形態における画像形成システムの制御構成の概略を示すブロック図である。画像形成装置300は画像形成装置全体を制御するCPU301、制御に必要なプログラムやデータが保存されたROM302、制御に必要な設定値等を保持するRAM303、タイマ304、外部装置との通信を行う外部I/F部305を有する。タイマ304はCPU301が任意の時間を計時するために必要な時間が設定され、設定した時間の計時を終えるとタイムアップ信号をCPU301へ送信する。画像形成装置300は更に、ユーザの入力を受け付けたり、ユーザに情報を表示するための操作部306、シート後処理装置350との通信を行うアクセサリ通信部307、各部の制御機能を備えたASIC310を有する。
ASIC310は、モータを駆動するためのモータ制御部311、現像、帯電、転写等の高圧を制御する高圧制御部312、各種センサ等のI/Oを制御するI/O制御部313からなる。
モータ制御部311は画像形成装置内で使用されるモータ321〜329の制御を行う。モータ321〜329にはそれぞれ搬送ローラ211〜219が接続されており、モータ制御部311がモータ321〜329の速度、回転方向を制御することで搬送ローラ211〜219の速度、回転方向を制御することが出来る。
I/O制御部313には図2で示したセンサ201〜204が接続されており、センサ信号の変化はI/O制御部313を介してCPU301に通知される。また、フラッパ221、224を制御するためのソレノイド331、ソレノイド332もI/O制御部313に接続されている。I/O制御部313はCPU301からの命令に応じて制御信号を出力することによりフラッパ221,224の制御を行う。
シート後処理装置350は、シート後処理装置全体を制御するCPU351、制御に必要なプログラムやデータが保存されたROM352、I/O制御部358、モータ制御部354、画像形成装置の通信部307と通信するための通信部357を有する。
モータ制御部354は、シート後処理装置内で使用されるモータ355の制御を行う。モータ355にはローラ356が接続されており、モータ制御部354がCPU351からの指示に基づいてモータ355の速度、回転方向を制御することでローラ356の速度、回転方向を制御することが出来る。ローラ356は、画像形成装置300から排出されたシートを受け取るためのローラである。なお、モータ制御部354は、シートの搬送速度を変更可能で、画像形成装置300殻排出されるシートを受け取る際に、画像形成装置300のシートの排出速度と同じ速度になる様にモータ355を制御する。
I/O制御部358にはセンサ群359が接続されており、センサ群359の各センサの信号の変化はI/O制御部358を介してCPU351に通知される。センサ群359にはシートの有無を検知するセンサが含まれ、シートのジャムの検知や搬送制御に使用されるが、詳細は省略する。
図4は、画像形成システムの全体構成を表した図である。画像形成装置300とシート処理装置350、給紙装置404はアクセサリ通信部307、通信部357,457を介してシリアル通信線で接続さている。給紙装置404は画像形成装置本体に対して画像形成に使用するシートを供給する。また、原稿を読み込むためのリーダ405、PC等の外部装置406は外部I/F部305を介して画像形成装置300と接続されている。画像形成装置300は外部I/F部305を介して、PC406やリーダ405から画像データやプリント設定等のデータを受信したり、逆に画像形成装置の状態情報等を送信したりする。また、画像形成装置300は、アクセサリ通信部307、通信部457を介して、給紙装置404に対して給紙の命令を通知したり、シート処理装置350に対して排出したシートの処理命令を通知したりする。なお、図4ではシート後処理装置を1台しか記載していないが、必要に応じて複数台のシート処理装置が接続される。例えば、シート後処理装置として、大量のシートを積載するスタッカ装置、糊付け製本を行う糊付け製本装置、折り製本を行う折り装置、シートタブにステイプルを行うフィニッシャ装置等が接続される。
図5はプリントジョブを行う際にPC406、CPU301、および外部装置であるシート後処理装置350の間でのコマンド、データの送受信を示す図である。
例えば、外部I/F部305を介してPC406から1ページのプリントを行う場合、PC406からCPU301にはプリント開始コマンド500が通知される。プリント開始コマンド500には、画像形成を行うシートのサイズ、シートの種類、給紙を行う給紙段、どのような後処理を行うかの指定、どのシート後処理装置に排紙するかの指定といった情報が含まれている。プリント開始コマンドによりCPU301は各種情報を取得する。
次にCPU301はプリント開始コマンドの受信に応じて、シート後処理装置350に対してプリント開始コマンド520を送信する。シート後処理装置350はプリントの準備が出来た時点で準備完了コマンド521をCPU301へ送信する。CPU301は準備完了コマンドを受信すると、シート後処理装置350へプリント条件通知コマンド524を送信する。シート後処理装置350は、プリント条件通知コマンドにより後処理種類、排紙先、反転/両面指定等の条件を取得し、処理に必要なシート紙間時間525をCPU301に送信する。
CPU301は通知された紙間時間に応じてタイマ304を制御し、画像形成装置からシートを排出する間隔を制御しつつ、シートがシート後処理装置350に到達する直前のタイミングで紙先端到達コマンド526をシート後処理装置350へ送信する。これを受けて、シート後処理装置350はシートを正常に受け取れたか否かを受け取り完了コマンド527をCPU301へ送信する。
同様に、CPU301はシート後端がシート後処理装置350に排出される直前のタイミングで紙後端到達コマンド528をシート後処理装置350へ送信する。これを受けて、シート後処理装置350は、シートが正常に排出されたか否かを示す排出完了コマンド529をCPU301へ送信する。その後、CPU301はプリントするデータが全て完了したことを判断して、プリント終了コマンド530をシート後処理装置350に通知する。CPU301は、シート後処理装置350から終了完了コマンド531を受け取り、画像形成装置内の停止処理が完了した時点でプリント終了コマンドをPC406に送信することでプリントジョブが完了する。
図6は画像形成ジョブの内容を示す図である。例えばジョブAは、A4サイズのシートを用いて1,2ページ目の画像を両面印刷し、3ページ目の画像を片面印刷し、4,5ページ目の画像を両面印刷し、6ページ目の画像を片面印刷するジョブである。
同様に、ジョブBは、A4サイズのシートを用いて1ページ目を片面印刷し、2.3ページ目を両面印刷し、4ページ目を片面印刷し、5,6ページ目を両面印刷するジョブである。
ジョブCは、A4サイズのシートを用いて1ページ目を片面印刷し、A3サイズのシートを用いて2,3ページ目を両面印刷し、A4サイズで4ページ目を片面印刷し、A4サイズで5,6ページ目を両面印刷するジョブである。
以上のような設定は、PC406から外部I/F部305を経由して画像形成装置に入力されたり、操作部306で指定される。
図7はシート排出速度を決定する制御を示すフローチャートである。このフローチャートはCPU301により実行される。プリントが開始されると、CPU301は、受信したプリント開始コマンド500解析し、1枚目のシートが反転排出するべきシートか否かを判断する(S701)。反転排出されるシートである場合、CPU301は、シート後処理装置350における搬送速度を1000mm/sに設定するようプリント条件通知コマンド524にてシート後処理装置350へ指示する(S702)。一方、非反転排出するシートである場合、CPU301は、シート後処理装置350の搬送速度を500mm/sに設定するようプリント条件通知コマンド524にてシート後処理装置350へ指示する(S703)。プリント条件通知コマンド524は、アクセサリ通信部307を介してシート後処理装置350に送信され、シート後処理装置350はプリント条件通知コマンド524を受信して搬送速度を設定する。
ステップS703で搬送速度を500mm/sに設定した場合の制御について説明する。
CPU301は、非反転排出と判断されたシートへ画像形成を行わせ、図2で説明したような非反転で排出する経路を搬送速度500mm/sで搬送するよう制御し、シート後処理装置350へ排出する(S710)。
CPU301は、その次に画像形成するシートがあるか否かを判断し(S711)、ある場合には、S701と同様に次のシートが反転排出するシートか否かを判断する(S712)。ここで、非反転で排出するシートである場合にはS710と同様にCPU301は、画像形成を行わせ、シートを非反転で排出する経路を通ってシート後処理装置350に搬送速度500mm/sで排出させる(S713)。ステップS712で反転排出するシートと判断された場合、CPU301は、反転排出されるシートへの画像形成を行わせ、前のシートと同じ搬送速度500mm/sで排出させる(S714)。通常なら、反転排出の際は搬送速度1000mm/sとなるが、シート後処理装置側での搬送速度の変更回数を少なくするために、CPU301は、前のシートの排出速度と同じ500mm/sに減速してシートを排出するよう制御する。その後画像形成が終了するまでステップS711からの制御が繰り返される。
この排出動作について、図8のタイミングチャートを用いて説明する。図8は1枚目のシートが両面印刷され、2枚目のシートが片面印刷される場合の各センサの検知状態及び各モータの速度を示している。1枚目のシートへの2面目の像形成が行われ、1枚目のシートは非反転で排出される。このとき、モータ326,327は画像形成の速度と同じ500mm/sで動作しており、1枚目のシートは非反転で排出される。2枚目のシートに像形成され、2枚目のシートの先端がセンサ201により検知されると、フラッパ221が切替えられて、シートは反転排紙パス223方向へ搬送される。その後、センサ201が2枚面のシートの後端を検知すると(801のタイミング)で、モータ321、322が搬送速度500mm/sから1000mm/sへ増速され、モータ323が搬送速度1000mm/sで駆動される(802のタイミング)。その結果、ローラ211、212、213による搬送速度が1000mm/sになる。その後、センサ203が2枚目のシートの先端を検知してから一定時間後にモータ323の逆回転駆動とモータ324,325の駆動が行われる(803のタイミング)。このときのモータ323,324,325の速度は1000mm/sとなる。その結果、シートがスイッチバックされ、シートの表裏が反転される。なお、説明を簡単にするために、シートの搬送速度をモータの速度で表わすこともある。
センサ203シートの先端を検知してからシートの後端がフラッパ224を通過するのに要する時間後、ソレノイド332によりフラッパ224が切替えられて、シートは排紙方向226へ搬送される。その後シートはローラ214、215を経由して、センサ204がシートの先端を検知すると(804のタイミング)、モータ324、325が減速制御されてローラ214、215による搬送速度が500mm/sに減速される(805のタイミング)。
減速されたシートはローラ216,217により排出口21からシート後処理装置へ排出される。反転されたシートを排出している間、ローラ216、217により搬送速度は直前に搬送された1枚目のシートと同じ500mm/sとなる。即ち、シート後処理装置350では、1枚目と2枚目のシートを同じ搬送速度で受け取ることができ、速度切り換えの回数を少なくすることができる。
3枚目以降のシートに関しても、画像形成が終了するまで、プリント開始コマンド500の内容に基づいて、反転排出されるシートと非反転排出されるシートとが識別される。その結果、非反転経路を通して500mm/sで排出する制御(S713)と、反転経路を1000mm/sに増速した後に500mm/sに減速して排出する制御(S714)とが選択的に実行される。
図10(A)は図4に示すジョブAを行った場合のシートの排出状態を示す概略図である。シート後処理装置へ1枚目のシートを500mm/sで排出した場合に、2枚目のシートが本来1000mm/sで排出すべき反転排出のシートであっても、前のシートと同じ排出速度で排出される。3枚目以降のシートも1枚前のシートと同じ排出速度で排出される。その結果、シート後処理装置の搬送速度は500mm/sのまま切替える必要がなくなるため、シート後処理装置の搬送速度切替えに伴う生産性のダウンを防ぐことが可能である。
次にステップS702で搬送速度を1000mm/sに設定した場合の制御について説明する。CPU301は、シートに画像形成を行わせ、図2で説明したような経路でシートを搬送させ、搬送速度1000mm/sでシート後処理装置350に排出させる(S720)。そして、CPU301は、その次に画像形成するシートがあるか否かを判断し(S721)、次のシートがある場合には、S701と同様に次のシートが反転排出するシートであるか否かを判断する(S722)。次のシートが反転排出するシートである場合、CPU301は、S720と同様の経路でシートを搬送させ、搬送速度1000mm/sでシート後処理装置350へ排出する(S726)。
一方、S722で次のシートが非反転排出するシートである場合、CPU301は、紙搬送開始コマンド502の情報からシートのサイズがレターサイズ(LTR)以下か否かを判断する(S724)。本実施形態の画像形成装置300の構成では、定着器7と排紙ローラ217の間隔は約230mmである。つまり、搬送方向のシートの長さが230mm以上である場合には、シート後端が定着器7を通過する前にシート先端がシート後処理装置350内に搬送される。つまり、非反転排出の経路で230mm以上のシートを搬送した場合には、シート先端がシート後処理装置350へ排出されるまでの間にシートの搬送速度を500mm/sから1000mm/sに増速することが出来ない。そこで、本実施形態では、閾値となる所定サイズをLTRサイズとしている。従って、シート後処理装置350が前のシートを1000mm/sで搬送し、次のシートの長さがLTRより長く、且つ非反転排出するシートである場合には、アクセサリ通信部307を介してプリント条件通知コマンド524をシート後処理装置350に通知する。即ち、CPU301は、シート後処理装置350の搬送速度を500mm/sに切替えさせる(S703)。シート後処理装置350の搬送速度を500mm/sに切替えた後の制御はS710からの制御同様となる。
S722で次のシートが非反転排出するシートであり、且つS724でシートのサイズがLTR以下の場合、CPU301は、シートへの画像形成を行わせ、搬送速度1000mm/sでは非反転排出させる(S725)。この制御について、図9のタイミングチャートを用いて説明する。
図9は、1枚目のシートが片面印刷され、2枚目のシートが両面印刷される場合の各センサの検知状態及び各モータの速度を示すタイミングチャートである。図の901は1枚目のシートの先端をセンサ201が検出したタイミングを表わしている。902は2枚目のシートの第1面目(表)への像形成を行った後にシートの先端をセンサ201が検出したタイミング、903は2枚目のシートの第2面(裏)への像形成を行った後にシートの先端をセンサ201が検出したタイミングを表わしている。像形成された1枚目のシート定着器7を通り、センサ201が1枚目のシートの後端を検知してから所定時間後モータ321,322が1000mm/sに増速駆動され、ローラ211,212によりシートが反転位置225に向けて搬送される。その後センサ203がシートの先端を検知してから所定時間後、モータ323が逆転駆動され、シートがスイッチバックされ、表裏が反転される。その後シートはローラ214,215,216,217により1000mm/sで搬送され、シート後処理装置350へ排出される。その後2枚目のシートの1面目への像形成が行われた後、2枚目のシートは反転パスを介して両面パス22へ搬送され、2面目への像形成が行われる。
センサ201が2枚目の2面目像形成後のシートの先端を検知すると(903のタイミング)、フラッパ221が切替えられ、シートはストレート排紙パス222方向へ搬送される。また、センサ201がシート先端を検知してから所定時間後に、モータ326による搬送速度が500mm/sに減速される(904のタイミング)。この所定時間はCPU301によってタイマ304に設定される。その後、センサ201がシートの後端を検知すると(905のタイミング)、モータ326によるローラ216の搬送速度が再度1000mm/sに増速される(906のタイミング)。
その後シートはローラ217を経由して排出口21からシート後処理装置350へ排出される。シートが排出されている間、モータ327によるローラ217の搬送速度は前のシートの搬送速度と同じ1000mm/sのままとなる。即ち、シート後処理装置350では、1枚目と2枚目のシートを同じ搬送速度で受け取ることができ、速度切り換えの回数を少なくすることができる。
3枚目以降のシートに関しても、画像形成が終了するまで、プリント開始コマンド500の内容に基づいて、反転排出されるシートと非反転排出されるシートとが識別される。その結果、1000mm/sで反転排出する制御(S726)と、1000mm/sに増速して非反転排出する制御(S725)と、シート後処理装置350の搬送速度を500mm/sに切替える制御(S703)とが選択的に実行される。
印刷ジョブが終了し、その後、新しい印刷ジョブが入力されると、再びステップS701から実行される。ただし、既に次の印刷ジョブが入力されていて、連続して次の印刷を実行可能な場合は、前の印刷ジョブの最後のシートの排出速度と同じになる様に次の印刷ジョブの1枚目のシートの排出速度が決定される。
図10(B)は図4に示すジョブBを行った場合のシートの排出状態を示す概略図である。シート後処理装置へ1枚目のシートを1000mm/sで排出した場合に、2枚目のシートが本来500mm/sで排出すべき非反転排出のシートであっても、シートが所定サイズ(LTR)以下であれば、前のシートと同じ排出速度で排出される。3枚目以降のシートも所定サイズ(LTR)以下であれば、1枚前のシートと同じ排出速度で排出される。その結果、シート後処理装置の搬送速度は1000mm/sのまま切替える必要がなくなるため、シート後処理装置の搬送速度切替えに伴う生産性のダウンを防ぐことが可能である。
また、図10(C)は図4に示すジョブCを行った場合のシートの排出状態を示す概略図である。所定サイズ(LTR)より長いサイズのシートの排出速度は、500mm/sとなるが、その後に本来1000mm/sで排出すべきシートが混在しても、その前のシートと同じ排出速度で排出される。3枚目以降のシートも1枚前のシートと同じ排出速度で排出される。その結果、シート後処理装置の速度切替えは1度で済むため、従来に比べるとシート後処理装置の速度切替えに伴う生産性のダウンは少なくなる。
なお、画像形成装置300は、画像形成装置単体で使用される場合も考慮して、反転排出の場合と非反転排出の場合とで同じ生産性を発揮できるように、元々速度切替え時の応答性の高いモータを使用し、搬送ローラも速度切替えを考慮して配置されている。従って、上記実施形態で説明したように、反転排出するシートを減速して排出する制御や、非反転排出するシートを増速して排出する制御を行ったとしても、新たなコストアップをすることなく速度切替えを行うことが可能である。
また、本実施形態におけるシート後処理装置350では、更に下流に接続された別のシート後処理装置にシートを搬送するだけの場合にはシートを1000mm/sで搬送可能である。しかし、下流側に糊付け製本装置が接続されている場合、製本すべきシートを収容するトレイ上でのシートの整合性を高めるため、シートを500mm/sでしか搬送出来ない制限がある。従って、印刷ジョブが製本処理指定をされている場合には、CPU301は、アクセサリ通信部307を介してプリント条件通知コマンド524をシート後処理装置350に通知し、シート後処理装置350の搬送速度を500mm/sに切替える。シートが製本処理を行うシートであるか否かの判断は、プリント条件通知コマンド504の内容に基づいて行われる。シート後処理装置350の搬送速度を500mm/sに切替えた後の制御はS710からの制御と同様となる。
以上の様に、1つ前のシートの排出速度と同じ排出速度で次のシートを排出することで、シート処理装置側の搬送速度の切替え回数を減少させることができ、生産性の低下を少なくすることができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施の形態では、図6に示すように印刷ジョブの各シート毎に片面印刷か両面印刷かを指定したジョブを想定していた。しかし、ジョブよっては、ジョブ全体を両面印刷する設定がされる場合もある。このような場合、1枚のシートの片面にしか画像形成しない場合であっても、両面印刷として扱うことになる。即ち、シートの第1面に像形成した後、シートの表裏を反転して両面パス22へ搬送し、シートの第2面に像形成を行うことなく、搬送して、非反転排出で排出する。
また、第1の実施形態では、ジョブの1枚目のシートが反転排出するシートか非反転排出するシートかによって、2枚目以降のシートの排出速度が決まっていた。
第2の実施の形態は、ジョブの1枚目の排出の速度の決め方について改良したものである。
また、印刷ジョブ全体に両面印刷する設定がされている場合でも、シートの端部に突出部分(タブ)が設けられたタブシートを使用することがある。しかし、タブシートはタブがある側を先端として両面パスから転写位置まで搬送することができない。この理由としては、タブシートに画像形成をすることを考慮すると、シートの斜行補正を行う必要があるが、タブがある側で斜行補正するためには複雑な機構が必要になる。更に、搬送途中でタブが搬送パスのガイド等に引っ掛からないような構造が必要である。そのため、タブシートを両面パスから転写部6まで搬送しないように制限している。従って、ジョブ全体が両面印刷設定されていても、タブシートが含まれていると、タブシートは両面印刷扱いとはならず、定着器7を通過後に反転パスを介して反転排出でシート後処理装置350へ排出される。
図12及び図13は、PC406からプリント指示するためのユーザインターフェイスの画面を表わすものである。この設定画面では、印刷ジョブ全体に関する設定とジョブの中のページ毎の設定とを行えるようになっており、画面1201と1301とが切替えられて表示される。ジョブ全体設定を行う画面1201では、印刷部数、排紙モード、ステイプルの有無、使用する給紙トレイ、両面印刷の有無を設定可能である。画面1301では、指定したページに関して全体設定よりも優先して、使用する用紙トレイ、両面印刷の有無、用紙サイズの設定を行うことができる。例えば、画面1201で両面印刷が設定されていても、キー1302により両面印刷をオフ設定すると、指定したページのみ(図では2〜5ページ)が片面印刷の設定となる。以上の設定はPC406からだけでなく、画像形成装置300の操作部306からも設定可能である。
次に、印刷ジョブの1枚目のシートを排出する速度を決定する制御について図14のフローチャートを用いて説明する。CPU301は、PC406から送信されたプリント開始コマンド500の内容に基づいて印刷ジョブ全体が両面印刷の設定がされているか否かを判断する(S1600)。両面印刷が設定されている場合、CPU301は、プリント開始コマンド500の内容に基づいて印刷ジョブの1枚目のシートが両面パスを搬送可能なシートであるか否かを判断する(S1610)。両面パスを搬送できないシートとしては、タブシートが該当する。印刷ジョブに両面印刷の設定がされていても、タブシートのように両面パスを搬送できないシートは、例外的に片面印刷の設定として扱われる。1枚目のシートが両面パスを搬送できないシートであれば、CPU301は、シートの片面への像形成を行った後、反転パスを介して表裏を反転させ、搬送速度500mm/sで排出させる(S1651)。なお、第1の実施形態で説明したように反転排出時は、シート後端が定着器7を通過した後の搬送速度は1000mm/sであり、排出直前に500mm/sへ減速される。第1の実施形態においては、1枚目のシートが反転排出すべきシートであれば、そのシートは速度1000mm/sで排出されていた。しかし、第2の実施の形態では、印刷ジョブ全体に両面印刷の設定がされていて、1枚目のシートが特定の種類のシート(タブシート)である場合、反転排出すべきシートであっても、500mm/sの速度で排出される。
例えば、図15に示すジョブDを実行する場合、第1の実施形態の制御では図16(A)に示すような排出状態になり、第2の実施形態の制御では図16(B)に示すような排出状態になる。図16(A)では、3枚目のシートがLTRサイズよりも大きいので、2枚目のシートと3枚目のシートの間でシート後処理装置350での速度切替えが必要となるが、図16(B)では速度切替えが発生しない。
このように、第2の実施形態では、シート後処理装置350での速度切替回数を低減し、画像形成システムの生産性のダウンを少なくすることができる。
S1610で1枚目のシートが両面パスを搬送可能なシートであれば、CPU301は、シートの1面目への像形成を行った後に両面パスへシートを搬送させ、2面目への像形成を行い、その後搬送速度500mm/sでシートを排出する(S1652)。ただし、図13のページ毎の設定で、両面印刷がオフの設定になっているページに関しては、片面印刷であってもシートの搬送は両面印刷扱いとなり、両面印刷時と同様に両面パスへ搬送され、2面目の像形成を行わずに再度転写部6に搬送される。その後定着器7を通過した後、速度500mm/sで非反転排出される。
S1600で、印刷ジョブ全体が両面印刷設定されていない場合、CPU301は、印刷ジョブの1枚目のシートが反転排出すべきシートであるか否かを判断する(S1611)。図12の印刷ジョブ全体の設定で、両面印刷の設定がされておらず、図13のページ毎の設定で、両面印刷の設定がされていないページに関しては、S1611で1枚目のシートが反転排出すべきシートであると判断される。また、図12の印刷ジョブ全体の設定で、両面印刷の設定がされておらず、図13のページ毎の設定で、両面印刷の設定がされているページに関しては、S1611で1枚目のシートが非反転排出すべきシートであると判断される。S1611で1枚目のシートが反転排出すべきシートである場合、CPU301は、シートへ画像形成させた後、反転パスを介して速度1000mm/sで反転排出させる(S1653)。
第1の実施形態では、1枚目のシートが非反転排紙すべきシートである場合、速度500mm/sでシートを排出させていた。そして、2枚目以降のシートは1枚前のシートの排出速度と同じ速度で排出させていた。この場合、2枚目以降のシートで反転排出すべきシートも速度500mm/sで排出される。しかし、反転パスでシートをスイッチバックさせている最中に次に搬送されてくるシートを衝突させないために、シートの給送間隔(紙間)を通常よりも広げる必要がある。そこで、第2の実施形態では、1枚目のシートが非反転排出すべきシートであっても、ストレート排紙パス内で増速可能な長さのシートであれば、1000mm/sに増速させる。その結果、その後に反転排出すべきシートが続く場合に、シート後処理装置側の速度切替えを行うことなく、1枚目のシートと同じ速度1000mm/sで排出することができる。
そこで、S1611で1枚目のシートが非反転排出すべきシートである場合、CPU301は、シートの搬送方向の長さが230mm以下、即ち、シートサイズがLTRサイズ以下か否かを判断する(S1640)。シートサイズがLTRサイズ以下の場合、CPU301は、シートのシートの両面への画像形成を行わせた後、シートの搬送速度を1000mm/sに増速し、非反転排出で排出させる(S1654)。
例えば、図15に示すジョブBを実行する場合、第1の実施形態の制御では図17(A)に示す排出状態となり、第2の実施形態の制御では図17(B)に示す排出状態となる。図17(A)では、1枚目のシートの排出速度が500mm/sのため、2枚目以降のシートでは、シート毎に反転制御とその後の減速のために、それぞれのシート同士の紙間が通常よりも多く必要となり、生産性がダウンしてしまう。しかし、図17(B)では、1枚目のシートの排出速度が1000mm/sのため、2枚目以降のシートも1000mm/sで搬送する。そのため、反転排出すべきシートを搬送しても生産性をダウンさせることなく、さらに、シート後処理装置の速度切替え回数を低減し、画像形成システムの生産性のダウンを防ぐことができる。
S1640で1枚目のシートのサイズがLTRよりも大きい場合、装置構成上、ストレート排紙パスで増速できないため、CPU301は、速度500mm/sでシートを非反転排出させる(S1655)。
S1651或いはS1652でそれぞれ1枚目のシートをシート後処理装置350へ排出した後の制御は、第1の実施形態のS711(図7)からの制御と同じである。また、S1653或いはS1654でそれぞれ1枚目のシートをシート後処理装置350へ排出した後の制御は、第1の実施形態のS721(図7)からの制御と同じである。但し、S722の判断ステップの前に、次のシートが両面搬送パスを搬送可能なシートか否かを判断するステップが実行される。この判断ステップでは、次のシートが両面搬送パスを搬送可能なシートであればS722へ進み、両面搬送パスを搬送できないシートであればS703へ進むフローチャートとなる。即ち、前のシートの排出速度が1000mm/sであっても、次のシートがタブシートのように両面搬送パスを搬送できないシートであれば速度500mm/sで排出される。
第2の実施形態では、S1610で両面パスを搬送できないシートをタブシートとしたが、OHP用のシートや所定の厚さ以上のシートであっても良い。但し、シートの厚さの影響で、湾曲した反転パスすら搬送できないシートはストレート排紙パスを通って速度500mm/sで非反転排出される。
また、S1611で非反転排出すべきシートと判断されるシートには、シートの厚さの影響で、湾曲した反転パスを搬送できないシートも含まれ、この場合もシートはストレート排紙パスを搬送される。
以上の様に第2の実施形態では、印刷ジョブの全体設定が両面印刷の場合に、印刷ジョブの1枚目のシートが特定の種類のシート(両面パスを搬送できないタブシート)であれば、反転排出すべきシートであっても第2の速度(500mm/s)に減速して排出する。これにより、2枚目のシートの排出時にシート後処理装置側での速度切替えの回数を減らすことができる。また、1枚目のシートが非反転排出すべきシートであっても、増速可能な所定サイズ以下のシートであれば、第1の速度(1000mm/s)に増速して排出する。これにより、2枚目のシートの排出時にシート後処理装置側での速度切替えの回数を減らしつつ、連続して搬送されるシートの間隔が広くなることを防止できる。