以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
<第1の実施の形態>
図27は本発明の第1の実施の形態を示す。これは複写機の例であり、複写機本体1上にADF(auto document feeder)2が設けてある。この複写機の構造を図1に示す。
図1を説明する。ADF(auto document feeder)2には、原稿トレイ4の下方に、駆動ローラ36とターンローラ37に巻回された幅広ベルト7が配置されている。原稿トレイ4上には、原稿Pが上から順に1ページ(2ページ)、3ページ(4ページ)、・・・の順番で載置される。原稿トレイ4上の原稿Pは最上紙から順次に分離され、複写機本体1の読み取り位置であるプラテンガラス(以下、プラテンという)3に搬送される。幅広ベルト7はプラテン3に当接していて、原稿トレイ4から搬送されたシート原稿Pを、プラテン3の上の所定位置に載置したり、プラテン3上のソート原稿Pを排紙トレイ10上に搬出するものである。
複写機本体1を説明する。複写機本体1はリーダ部200とプリンタ部300により構成されている。リーダ部200は、プラテン3上に載置された原稿Pに記録された画像情報を光学的に読み取り、光電変換して画像データとして入力するものである。プラテン3と、ランプ202と、ミラー203とを有するスキャナユニット204と、ミラー205,206と、レンズ207と、イメージセンサ208とを有する。プリンタ部300は周知の方法により画像を形成するものであり、その構造は後述する。
なお、本発明は、リーダ部200と原稿給送装置が一体化された読取装置にも適用可能である。また、本発明は、本体に原稿給送装置を備えた複写機にも適用可能である。
図2を参照してプリンタ部300を説明する。図2において、400は上段カセット、シート材を収納するためのものである。401は給送ローラであり、分離爪により上段カセット400から分離されたシートをレジストローラ406に給送するためのものである。402は下段カセットであり、シート材を収納するためのものである。403は給送ローラであり、分離爪により下段カセット400から分離されたシートをレジストローラ406に給送するためのものである。404は手差しガイドであり、手差し原稿トレイ上にセットされたシート材を1枚づつローラ405を介してレジストローラ406に導くためのものである。408はデッキタイプのシート積載装置であり、中板408a上に、シート材が載置してあり、中板408aはモータ等により昇降可能になっている。409は給送ローラであり、中板408a上に載置された複数のシート材のうち分離爪により分離された最上シート材を搬送ローラ410を介してレジストローラ406に給送するためのものである。
412は感光ドラムであり、画像データに基づき潜像を形成させるためのものである。414は現像器であり、感光ドラム412上の潜像を現像してトナー像にするものである。415は転写帯電器であり、感光ドラム412上のトナー像を、適正なタイミングでレジストローラ406により給送されたシート材上に転写するものである。416は分離帯電器であり、トナー像が転写されたシート材を分離するためのものである。
417は搬送ベルトであり、トナー像が転写されたシート材を搬送するためのものである。418は定着装置であり、搬送ベルト417により搬送されたシート材上のトナー像を定着するものである。419は搬送ローラであり、定着後のシート材を搬送するためのものである。420はフラッパであり、搬送ローラ419により搬送されるシート材の搬送路を規制するものである。421は排出ローラであり、フラッパ420により排出ローラ421への搬送路に規制されたシート材を、ノンソートトレイ排出ローラ422cまたはソートビントレイ排出ローラ422dのいずれかを介して、ソータ422に搬送するためのものである。ソータ422は排出されたシート材を受けるためのノンソートトレイ422aとソートビントレイ422bとを有し、ノンソートトレイ422a上にはノンソートトレイ排出ローラ422cにより、ソートビントレイ422b上にはソートビントレイ排出ローラ422dにより、それぞれ、シート材が排出される。ノンソートトレイ422aとソートビントレイ422bは昇降してシート材が区分けされるようになっている。当然、ソータ422に代えて、排出トレイを装着することができる。
500は中間トレイであって、シート材の両面に像を形成するか、あるいは、シート材の片面に重ねて像を形成する(多重)場合に、画像が形成されたシート材をストックするためのものである。501は搬送ローラであり、フラッパ420により搬送ローラ501への搬送路に規制されたシート材を搬送するためのものである。502は搬送ベルトであり、搬送ローラ501により搬送されたシート材を画像面を下にした状態で搬送するためのものである。503は搬送ベルト502の下流に設けたフラッパであり、搬送ベルト502により搬送されるシート材を、多重コピーの場合は中間トレイ500へのパス507に規制し、両面コピーの場合は搬送ベルト504上のパスとこのパスの下流の反転パス506に規制するためのものである。パス507を介して中間トレイ500上に搬送されたシート材は、中間トレイ500上に画像面を下にして積載されることになる。505は搬送ローラであり、反転パス506を搬送されたシート材を中間トレイ500上に搬送するためのものである。搬送ローラ505により中間トレイ500上に搬送されたシート材は、中間トレイ500上に画像面を上にして積載されることになる。
509および510は補助ローラ、511は正逆転分離ローラ対であり、これらのローラは協働して、中間トレイ500に積載されたシート材を、下方から1枚ずつ分離し、分離されたシート材を再給送するためのものである。513、514、515は搬送ローラであり、中間トレイ500から分離され再給送されたシート材を、ローラ110に給送するためのものである。
なお、原稿を原稿自動給送装置によって1巡するごとに、コピーを1組だけ作成する方法によれば、複数部のコピーを作成する場合でも、ページの揃ったコピー群が順に得られるので、ソータが無くても必要な部数のコピ一が区分けして得られる。
この方法により両面コピーをする場合は、1枚の原稿の両面を続けて読み取ってシート材の表裏に続けてコピーして排出するサイクル繰り返すことにより、区分けされた両面コピー群が得られる。
[原稿トレイ4の構成の説明]
原稿トレイ4に設けた1対の幅方向規制板は、シート原稿Pの幅方向にスライド自在であり、原稿トレイ4上に載置されたシート原稿Pの幅方向を規制し、シート原稿Pの給送時の安定性を確保するものである。ストッパ21(図4)は原稿トレイ4の端部に回動可能に配置してあり、ストッパ21を突出させて、原稿トレイ4上にセットされたシート原稿Pが下流に進出できないように規制するものである。
[トレイ上のセンサの説明]
ストッパ21の上流部近傍には、シート原稿P束がセットされたことを検出する透過型光センサである原稿セット検知センサ40a、40b(図4)が設けてある。原稿トレイ4の中程には、セットされた原稿がハーフサイズ原稿か否かを判定するための反射型光センサである原稿後端検知センサ41が設けてある。この原稿後端検知センサ41はストッパ21から225mm離れた位置に配置してあり、長手原稿がセットされた場合にオンするようになっている。原稿セット検知センサ40と後端検知センサ41の中間部には、反射型光センサである最終原稿検知センサ43が設けてあり、搬送中の原稿が最終原稿であるか否かを判定できるようになっている。原稿トレイ4の下部には、幅方向規制板の位置を検出することにより、原稿トレイ4上にセットされた原稿P束の幅方向の長さを検知する紙幅検知センサ44が設けてある。
[分離部の説明]
原稿トレイ4の上方には、揺動アーム53(図5)が設けてある。昇降アーム51が分離給送ローラ8の回転幅中心c1に対して揺動するようになっており、この昇降アーム51の前後の支板51a、51bに、アーム軸51cが貫通支持されており、このアーム軸51cにより揺動アーム53が揺動規制される。揺動アーム53の先端には、給紙ローラ5が設けてある。給紙ローラ5は、通常は、図5に示す位置がホームポジションであり、アーム軸51cに抑止されて、分離上ガイド板52(ビン51gにより抑止されている)より上方に待避している位置をとり、原稿セット作業を阻害しないようになっている。昇降アーム51は、後述するモータ103に駆動制御されて、図5に示す位置にある。
図9は分離部の平面図である。昇降アーム51は回転軸中心C1を中心に回転し、図5の位置から図6の位置に移動可能である。前述したように、給紙ローラ5は、回転中心軸C1を中心に回転移動する揺動アーム57、53の先端に設けてある。揺動アーム57、53は、昇降アーム51の移動とともに自重で降下していき、原稿Pの最上紙に給紙ローラ5が着地したとき、停止する。この状態を図8に示す。この状態で給紙ローラ5を回転させると、原稿を最上紙から順次に搬送させることができる。上ガイド板52は図示しないストッパにより図6の位置に抑止される。
給紙ローラ5がシート原稿束の最上紙上に着地した地点で、すなわち、図8の状態において、揺動アーム57、53と、揺動アーム57、53を支持していたアーム軸51cとの係合が解除される。この時、揺動アーム57、53と、昇降アーム51の相対的な位置関係にずれが生じ始める。このずれ量は、揺動アーム57、53の一部分である第1揺動アームフラグ54および第2揺動アームフラグ55と、昇降アーム51に取り付けた第1揺動位置センサ46および第2揺動位置センサ47とにより、これまでの非検出状態が図8の検出状態になるので、揺動アーム57、53は停止制御される。
この状態で、揺動アーム57、53と給紙ローラ5は、トレイ4上に積載されたシート原稿P束に対して自重載置状態になり、シート原稿Pに常に安定した給送力を付与することが可能になる。
昇降アーム51は揺動モータ103(ステッピングモータ)により駆動されており、昇降アーム51は、図5の位置と図6の位置の中間の任意の位置(例えば、図7の位置)をとることが可能である。
分離部の上方の固定支板56には、透過型光センサである給紙ローラホームセンサ45が取り付けてあり、昇降アーム51が、ホームポジションである待機位置に位置すると、揺動アーム57、53に設けた昇降アームフラグ51dにより、給紙ローラホームセンサ45のセンサ光路が遮光されるようになっている。
前述したように、昇降アーム51には昇降アームと一体で動く第1揺動位置センサ46と第2揺動センサ47が設けてあり、第1揺動位置センサ46と第2揺動センサ47により、揺動アーム53、57の降下方向に延びて形成された第1揺動アームフラグ54および第2揺動アームフラグ55を検出することができるようになっている。
図7の状態は、前述したように、給紙ローラ5が連続給紙時の待避ポジションにあり、揺動アーム57、53はホームポジション(図5の状態)まで戻る必要がないので、原稿束から給紙ローラ5が最低量(3mmから5mm程度)離間した位置に中間停止するように制御される。
このような構成を採用することによって、給紙ローラ5の移動量を最小限に押さえることが可能になり、給紙ローラ5のシート原稿P上への着地振動が少なくなり、給紙性能向上に寄与する。これとともに、後続の給紙開始までの時間を短縮でき、給紙間隔を短縮した給紙制御が可能になる。
揺動アーム57、53にそれぞれ設けた給紙ローラ5がシート原稿P上に着地しその衝撃でバウンドしたときに、給送動作が開始された場合、揺動アーム57、53にそれぞれ設けた給紙ローラ5のシート原稿Pに対する圧力バランスがくずれ、給紙時の斜行を発生させる可能性か大きくなる。
図9のように、幅方向に複数個配置された給紙ローラ5は、各々が独立懸架構成をとり、シート原稿P束にイコライズし易くなっているため、給紙性能の向上を図ることが可能である。
シャッタ21の搬送方向下流には、周知の分離ベルト6と分離搬送ローラ8からなる分離部が設けられており、矢印(図8)の方向に回転することによって分離動作を行う。
給紙ローラ5と分離搬送ローラ8の配置を図10に示す。
[搬送パスの説明]
搬送パスを図3を参照して説明する。原稿トレイ4からプラテン3にかけて、原稿給送路(イ),(ロ),(ハ)がこの順に設けてある。シート原稿Pをプラテン3上に誘導するため、原稿給送路(イ),(ロ),(ハ)が屈曲(下方に湾曲)されてプラテン3上の搬送路(ニ)に接続されている。原稿をプラテン3に搬送する前に、原稿表裏反転ができるように、原稿給送路(ロ)から、反転給送路(チ),(へ),(リ)が延びている。反転給送路(チ),(へ),(リ)で反転された原稿は、スイッチバックして原稿給排路(ホ)を通り、プラテン3に搬送され、載置される。反転給送路(へ)から原稿反転路(ト)を分岐させ、原稿給送路(ロ)と合流できるようにしてあり、プラテン3上の原稿を、搬送路(ホ),(へ),(ト),(ハ)を利用してスイッチバックさせて表裏反転させ、再び、プラテン3に戻すことができるようになっている。
プラテン3上の原稿は画像読み取りが終了した後、プラテン上の原稿給送路(ニ)と、図1の原稿排紙路(ヌ)とを通って排紙トレイ10に排出される。
ADF2の右側には、図1に示すように、開閉式の手差し原稿トレイ14が設けてあり、セットされた原稿P(1枚原稿)を、手差し搬送路(ル)を通してプラテン3に給送できるようにしてある。
[ローラ配置の説明]
図3を参照してローラの配置を説明する。原稿給送路(イ)は、給紙ローラ5により分離された原稿が分離給送ローラ8および分離ベルト6によって下流方向に搬送される搬送路である。原稿給送路(イ)と原稿給送路(ロ)の間には、分離部により分離され給送されてくる原稿を拘束するためのローラであって、分離部での原稿斜行を防止するための第1給送ローラ16が設けてある。第1給送ローラ16によって分離部から原稿が引き抜かれる時の搬送負荷を軽減するため、分離給送ローラ8はワンウェー機構を有する。
原稿給送路(ロ)と原稿反転路(ト)の合流部と、原稿給送路(ハ)と反転給送路(ト)の分岐部には、到達したシート原稿Pにループを形成して、シート原稿Pの斜行を防止するための第2給送ローラ9が配設してある。反転給送路(チ)と(へ)の間には、原稿Pをループ状の反転路に沿って搬送するための第1反転ローラ17が設けてあり、反転給送路(へ)と(リ)の間には、原稿Pをループ状の反転路に沿って搬送するための第2反転ローラ18が設けてある。
ADF2(図1)の右側には、手差し原稿トレイ14にセットされた原稿を、図1において右方向から左方向に給紙するための手差し給紙ローラ13が設けてある。
手差し給紙ローラ13とプラテン3の間には、手差し給紙された原稿にループを形成し斜行を防止するための手差しレジストローラ11が設けてある。この手差しレジストローラ11はプラテン3からの原稿排紙の中継も行う。
図1に示す原稿排紙路( ヌ) には、排紙されてきた原稿Pを排紙トレイ10に排出するための排紙ローラ12が設けてある。
[パス内フラッパの説明]
図3および図4を参照して原稿給送路上のフラッパを説明する。第2給送ローラ9の給送方向下流には、原稿を原稿給送路(ハ)または反転給送路(チ)のいずれかに切り換えるための反転給紙フラッパ22が設けてある。この反転給紙フラッパ22が図4に実線で示す位置に位置された場合には、原稿Pは反転給送路(チ),(へ),(リ)へ給送され、図4に一点鎖線で示す位置に位置された場合は、原稿給送路(ハ),(ニ)へ給送される。
反転給送路(へ)と(リ)の間に配置した第2反転ローラ18の給送方向下流には、パスを反転給送路(リ)または原稿反転路(ト)のいずれかに切り換えるための反転フラッパ23が設けてある。この反転フラッパ23を図4に実線で示す位置に位置させることにより、原稿給送路(ロ)および反転給送路(チ)から搬送されて来る原稿Pを表裏反転させることができ、図4に一点鎖線で示す位置に位置させることにより、プラテン3からの原稿を原稿給排路(ホ)と反転給送路(へ)と原稿反転路(ト)を通して反転させることができる。
反転給送路(チ)および原稿給排路(ホ)の合流部と、反転給送路(へ)との間に配置した第1反転ローラ17の上流近傍には、マイラー等を貼付した一方向フラッパ24が設けてある。この一方向フラッパ24は、原稿Pが反転給送路(チ)から反転給送路(へ)へ給送される場合は、ガイドの役割を果たし、原稿Pが反転給送路(ト),(へ)から原稿給排路(ホ)を通してプラテン3上に給送される場合は、原稿Pの反転給送路(チ)への逆進入防止の役割を果たしている。
原稿給排路(ホ)のプラテン3側には、給排フラッパ25が設けてある。この給排フラッパ25は、第2給送ローラ9の給送方向下流に設けた反転給紙フラッパ22と連動するようになっており、原稿Pを原稿給排路(ホ)からプラテン3に給送させる場合は、図4に実線で示す位置に位置されて、プラテン3に進入する原稿Pの先端がプラテン3の端部と衝突するのを防止するようになっており、原稿Pをプラテン3から原稿給排路(ホ)に給送させる場合は、図4に一点鎖線で示す位置に位置され、プラテン3からの原稿をすくい取ることができるようになっている。
プラテン3の右端と手差しレジストローラ11の間には、排紙フラッパ26が設けてあり、この排紙フラッパ26は、原稿Pを手差し搬送路(ル)からプラテン3に搬送する場合は、図4に実線で示す位置に位置され、プラテン3に進入する原稿Pの先端がプラテン3の端部と衝突するのを防止するようになっており、原稿Pをプラテン3から原稿排紙路(ヌ)に排出する場合は、図4に一点鎖線で示す位置に位置され、プラテン3からの原稿をすくい取ることができるようになっている。
図1に示す原稿排紙路(ヌ)と手差し搬送路(ル)の合流部には、プラテン3から排出された原稿Pが手差し搬送路(ル)に入り込むのを防止するための一方向の手差しフラッパ27が設けてある。
手差し給紙ローラ13(図1)の給紙方向下流近傍には、手差しシャッタ28が設けてあり、この手差しシャッタ28は、複写終了した原稿Pを排出中に手差し原稿トレイ14にセットされた手差し原稿が、手差しレジストローラに進入するのを防止するようになっている。手差し給紙ローラ13は搬送力が低く設定してあるので、降りた状態の手差しシャッタ28に突き当たった原稿は、手差し給紙ローラ13でスリップすることになる。
[パス内センサの配置の説明]
図4を参照してパス内センサを説明する。分離給送ローラ8と第1給送ローラ16の間には、分離給送ローラ8により搬送されてきた原稿Pを検出するための透過型光センサである分離センサ30が設けてあり、分離センサ30と協働して原稿Pの斜行量を検出するための透過型センサである斜行検知センサ31が、分離センサ30と搬送方向に同じ位置であって、スラスト方向に所定距離だけ離れた位置に設けてある。
第1給送ローラ16の下流近傍には、フラグ移動によって原稿Pを検出するための混載検知センサ32であって、原稿搬送中に、原稿トレイ4上のセンサと協働して、原稿トレイ4上に異なるサイズの原稿がセットされているか否かを検出するための混載検知センサ32が設けてある。
第2給送ローラ9の上流近傍には、原稿給送路(ロ),(ハ)または原稿反転路(ト)のいずれかの搬送路を通過した原稿Pの前端および後端を検知するための透過型光センサである給紙センサ35が設けてある。第2給送ローラ9の下流には、原稿Pの後端を検出するための透過型光センサであるレジストセンサ39が設けてある。レジストセンサ39により原稿Pの後端が検出されると、原稿Pの停止位置が制御される。
反転搬送路(ホ)には、プラテン3から排出された原稿Pか、あるいは、プラテン3に進入する原稿Pを検出するための透過型光センサである反転センサ50が設けてある。
反転給送路(リ)には、フラグ移動によって原稿Pを検出する反転検知センサ33であって、原稿Pが反転フラッパの切り換えによって反転給送路(リ)に導かれたか否かを検出するための反転検知センサ33が設けてある。
手差しレジストローラ11の排紙方向下流近傍には、手差し搬送路(ル)からの原稿を検出するとともに、プラテン3から原稿排出路(ヌ)へ排出される原稿Pを検出するための透過型光センサである手差しレジストセンサ34が設けてある。
手差し給紙ローラ13の手差し原稿トレイ14側には、フラグ移動によって原稿Pを検出する手差し原稿検知センサ60であって、手差し原稿トレイ14に原稿がセットされたか否かを検出するための手差し原稿検知センサ60が設けてある。
[駆動系統の説明]
図4を参照してADF2の駆動系を説明する。図4において、100は分離モータであり、PLL制御されるDCブラシモータが用いられている。分離モータ100のモータ軸上には、複数のスリットからなるクロック板100aが設けてあり、分離モータ100が回転している間、スリットと、透過型光センサである分離クロックセンサ100bとによって、モータ回転数に比例したクロックパルスが発生される。分離モータ100は分離部の分離給送ローラ8と分離ベルト6を、図4に矢印で示す方向に駆動するものであり、分離クラッチ106を介して給紙ローラ5へも駆動力を伝えている。
101は正逆回転可能な搬送モータであり、ステッピングモータが用いられている。搬送モータ101は第2給送ローラ9と、第1反転ローラ17と、第2反転ローラ18とを駆動するものである。第2給送ローラ9の従動ローラ軸上には、複数のスリットからなるクロック板10laが設けてあり、搬送モータ101が回転している間、スリットと、透過型光センサである反転クロックセンサ10lbとによってクロックパルスを発生される。第2給送ローラ9により原稿Pを搬送している間に、スリップが発生した場合は、発生されたクロックパルスの数と、搬送モータ101の駆動クロック数とからスリップ量を計測できるようになっている。
102は正逆転可能なべルトモータであり、ステッピングモータが用いられている。ベルトモータ102は幅広ベルト7を駆動するための駆動ローラ36を駆動するものであり、駆動ローラ36の回転は幅広ベルト7によってターンローラ37に伝えられている。ターンローラ37の回転が手差しレジストローラ11に伝えられており、プラテン3上の原稿の搬送速度は、手差しレジストローラ11の搬送速度と等しくなるようにしてある。
103は正逆転可能な揺動モータであって、ステッピングモータが用いられており、給紙ローラの昇降アーム53を駆動するためのものである。
104は排紙モータであって、FGサーボ制御式のDCモータが用いられている。排紙モータ104の軸上には、複数のスリットからなるクロック板104aが設けてあり、排紙モータ104が回転している間、スリットと、透過型光センサである排紙クロックセンサ104bによって、モータの回転数に比例したクロックパルスが発生される。排紙モータ104の駆動が、排紙ローラ12と手差し給紙ローラ13に伝えられている。
105はストッパソレノイドであり、原稿トレイ4の給紙端にあるストッパ21を駆動するものである。ストッパ21は、オフ時には、図4に実線で示す位置にあり、オン時には、図4に一点鎖線で示す位置にある。106は分離クラッチであり、分離モータ100の駆動力を給紙ローラ5と、分離ベルト6と、分離給送ローラ8に伝えるためのものである。107はパス切り換えソレノイドであり、反転給紙フラッパ22と給排フラッパ25を駆動するものである。パス切り換えソレノイド107がオフになっているときは、反転給紙フラッパ22と給排フラッパ25がそれぞれ図4に実線で示す位置にあり、他方、ソレノイドがオンになっているときは、反転給紙フラッパ22と給排フラッパ25がそれぞれ図4に一点鎖線で示す位置にある。108は反転フラッパソレノイドであり、反転フラッパ23を駆動するものである。反転フラッパソレノイドがオフになっているときは、反転フラッパ23は図4に実線で示す位置にあり、オンになっているときは、図4に一点鎖線で示す位置にある。
109は排紙フラッパソレノイドであり、排紙フラッパ26と手差しシャッタ28を駆動するものである。排紙フラッパソレノイドがオフになっているときは、排紙フラッパ26と手差しシャッタ28が図4に一点鎖線で示す位置にあり、オンになっているときは、図4に実線で示す位置にある。
[読み取り位置の説明]
図11はプラテン3上の原稿読み取り位置を示す。原稿読み取り位置は、原稿搬送モードおよび搬送される原稿サイズに従って、図11にR1、R2、R3で示す読み取り位置のいずれかに切り換えられる。
読み取り位置R1は両面原稿モード時の読み取り位置である。両面原稿モード時には、原稿はこの読み取り位置R1に原稿端を合わせて載置され、複写機本体1のスキャナの走査によって画像読み取りが行われる(固定読み取りモード)。読み取り位置R2は片面原稿モード時のハーフサイズ原稿の読み取り位置である。読み取り位置が読み取り位置R2である場合には、複写機本体1のスキャナは固定され、ハーフサイズ原稿を搬送しながら画像読み取りが行われる(流し談取りモード)。
読み取り位置R3は片面原稿モード時のラージサイズ原稿と、縦送りされるハーフサイズ原稿の読み取り位置である。読み取り位置が読み取り位置R3である場合は、複写機本体1のスキャナは固定され、原稿を搬送しながら画像読み取りが行われる(流し読み取りモード)。
図11において、L1は第2給送ローラ9のニップ点から読み取り位置R1までの距離であり、L2は第2給送ローラ9のニップ点から読み取り位置R2までの距離、L3は第2給送ローラ9のニップ点から読み取り位置R3までの距離である。
図12において、L4は待機のためプラテン3上の待機位置に停止した後続ハーフサイズ原稿の先端から読み取り位置R1までの距離である。L5は待機位置に停止した原稿の先端から読み取り位置R2までの距離である。L6は先行原稿の後端から後続原稿の後端までの距離(紙間距離)である。L7は読み取り位置R1から手差しレジストローラ11までの距離である。
ハーフサイズ原稿の停止位置は、ハーフサイズ原稿の搬送方向の長さをLphとした場合、
L7 < (L4 + 2×L6 + Lph)
L2 > (L5 + Lph)
となるように制御されるので、原稿Pnが待機のために停止するとともに、原稿Pn−1が画像形成終了後に停止して、原稿Pnと原稿Pn−1が図12に示すような位置関係になっても、図12に示すように、先行する原稿Pn一2の後端は手差しレジストローラ11のニップを抜け、しかも、原稿Pnの後端は第2給送ローラ9のニップを抜けることになる。ADFの動作は次に説明する。
[原稿分離動作の説明]
図1に示す原稿セットセンサ40によって、原稿トレイ4上にある原稿束が検出されると、分離前動作を開始させて、給紙ローラ5を下降させ、原稿束上に着地させる。その後、複写機の操作部が操作されて、複写条件が入力され、スタートキーが押されると、プラテン3上のセンサによって原稿サイズが検出される。そして、ストッパ21がSLによって吸引されると、シート原稿束の進路が解放され、原稿束が給紙ローラ5の給送を受けて、最上紙である原稿P1から下流部へ進出する。以後の説明では、原稿トレイ4上に積載されている原稿を、上から順に、原稿P1,原稿P2,原稿P3,・・・とするが、特に原稿順を指定しない原稿は、原稿Pとする。
ストッパ21の下流に配設されている、分離部を構成する分離給送ローラ8および分離ベルト6が、それぞれ、矢印方向に回転され、原稿トレイ4から進出してきた原稿Pが1枚づつ分離され、さらに下流部に搬送される。分離部を通過した原稿Pは、分離センサ30および斜行センサ31によって斜行検知が行われ、その後、第1給送ローラ16によって拘束搬送される。すると、給紙ローラ5が上昇し、ついで、分離クラッチ106がオフされ、その結果、分離ベルト6と分離給送ローラ8の駆動が切り離され、分離ベルト6は停止するが、分離給送ローラ8は、ワンウェイローラで構成されているので、搬送中の原稿Pの動きに追従して回転(つれ回り)する。
その後、原稿Pは第1給送ローラ16のみにより搬送されて、回転停止中の第2給送ローラ9に突き当てられ、周知の斜行取りが行われる。この斜行取りが終了した後、第1給送ローラ16と第2給送ローラ9は同時に回転が開始され、第1給送ローラ16と第2給送ローラ9は搬送速度が一致するように同期速度制御される。その後の動作は、原稿搬送モードによって異なるので、原稿搬送モードごとに説明する。
[ハーフサイズ片面原稿搬送モードでの動作]
図13および図14は片面原稿搬送モード時の原稿の流れを示す。原稿搬送モードが片面原稿搬送モードに設定されている場合は、パス切換ソレノイド107はオフにされており、搬送パスは原稿給送路(ハ)(図3)になる。従って、第1給送ローラ16と第2給送ローラ9により搬送される原稿は、原稿給送路(ハ)を経由して、プラテン3上に進入していくことになる。
この原稿P1がプラテン3に進入する直前の幅広ベルト7の搬送速度は、第2給送ローラ9の速度と一致するように制御されている。そして、原稿P1の後端が給紙ローラ5のニップ点を過ぎたところで、給送ローラ5は再び降下し、後続する原稿P2の給紙動作に備える。そして、原稿P1の後端が第1給紙ローラ5のニップ点を抜けたところで、分離クラッチ106がオンにされ、給紙ローラ5による原稿P2の給紙が開始され、第2搬送ローラ9が停止される。この状態を図13(a)に示す。
後続する原稿P2は給紙ローラ5による給紙開始後に急加速され、第2搬送ローラ9の回転が停止した頃には、給紙センサ35に到着するように制御されている。そして、原稿P2が給紙センサ35により検知されると、原稿P2に先行する原稿P1の場合と同様に第1給送ローラ16および第2給送ローラ9により斜行取りのための制御が行われる。このとき、先行原稿P1はプラテン3上の搬送パス(ニ)に入って、幅広ベルト7によって単独搬送されている。そして、原稿P1は、その後端が給紙センサ35を抜けてから、所定距離進んだところで幅広ベルト7による搬送が一旦停止される。一旦停止と同時に、複写機本体に対して搬送完了信号120を出力し、搬送開始信号121が入力されるのを待つ。停止した原稿P1の先端と読み取り位置R2の距離はL5であり、停止した原稿P1の後端と第2給送ローラ9のニップ点の距離はL8である。L8は、L2を読み取り位置R2から第2給送ローラ9までの距離とした場合に、
L8=L2−(L5+搬送原稿サイズ)
と表される。L8はプラスになるので、停止した原稿P1の後端は第2給送ローラ9のニップ点を通過していることになる。この状態を図13(b)に示す。
そして、複写機本体から搬送開始信号121が受信され、しかも、第1給送ローラ16および第2給送ローラ9による後続原稿P2の斜行取り制御が完了すると、幅広ベルト7が起動され、先行原稿P1が画像形成速度で搬送される。そして、先行原稿P1の後端から後続原稿P2の先端までの距離(以下、紙間距離という)が所定距離になると、第2給送ローラ9が起動され、第2給送ローラ9により後続原稿P2の搬送が開始される。幅広ベルト7による先行原稿P1の搬送速度(画像形成速度)と、第2給送ローラ9の搬送速度が一致したところで、紙間距離がL6となるように、第2給送ローラ9が速度制御される。そして、先行原稿P1が読み取り位置R2に達すると、画先到達信号122が出力され、画先到達信号122を受信した複写機本体1は、先行原稿P1の画像読み取りを開始する。
先行原稿P1の画像読み取り終了後の状態を図13(c)に示す。後続原稿P2は、先行原稿P1の場合と同様に、後続原稿P2の後端が給紙センサ35を抜けてから、所定距離進んだところで、幅広ベルト7による搬送が一旦停止されるので、先行原稿P1は読み取りが終了しても、所定搬送されてから停止することになる。読み取り終了した先行原稿が進む距離は、図13(c)からも分かるように、L9であり、後続の原稿P2の停止位置は、読み取り位置R2から距離L5の位置である。幅広ベルト7による搬送が停止された状態では、原稿P2にさらに後続する原稿P3は、第2給送ローラ9で斜行取りのためのループを維持しながら待機している。この状態で、複写機本体1から搬送開始信号120が入力されると、今度は、原稿P2の画像形成が開始される。
この原稿P2の画像読み取り中のパス内の各原稿P1,P2,P3の位置を図14(a)に示す。原稿P2の画像読み取り中、先行原稿P1は、図14(a)から分かるように、幅広ベルト7と、手差しレジストローラ11と、排紙ローラ12とによって搬送されることになる。幅広ベルト7と手差しレジストローラ11の搬送速度は等しくしてあるが、排紙ローラ12は幅広ベルト7と手差しレジストローラ11の搬送速度と同じ速度か、あるいは、若干速い速度で制御される。
後続原稿P2の読み取りが終了したときの状態を図14(b)に示す。原稿P2の読み取りが終了すると、原稿P1,P2の場合と本質的に同様にして、幅広ベルト7による原稿P2,P3の搬送が一旦停止され、原稿P2、P3はプラテン3上で一旦停止される。しかし、この時点で、先行原稿P1の後端は既に手差しレジストローラ11のニップ点を抜けていて、排紙ローラ12により単独搬送されている。先行原稿P1は、その後、排紙トレイ10に排出される。
図43を参照して、幅広ベルト7の搬送速度制御と第2給送ローラ9の給送速度制御とを説明する。幅広ベルト7の搬送速度の時間推移は、図43(a)に601で示すようになり、搬送速度を、時刻t1から時刻t3の間に、画像形成速度V1より速い速度V2まで一旦加速した後、画像形成速度V1に戻し、以後、画像形成速度V1が保たれる。
第2給送ローラ9の給送速度の時間推移は、図43(b)に602で示すようになり、給送速度を、時刻t2から時刻t3の間に、画像形成速度V1まで加速され、以後、画像形成速度V1が保たれる。
図43(a)に601で示す速度プロファイルと、図43(b)に602で示す速度プロファイルを合成したものを、図43(c)に示す。
原稿P1と原稿P2の間隔の時間推移は、図43(d)に示すようになり、既に説明したが、簡単に説明する。原稿P1および原稿P2が停止している状態では、用紙間隔はL8であるが、この状態で、時刻tlに、幅広ベルト7による搬送が開始され、用紙間隔は徐々に開いていく。時刻t2には、既に説明したように、第2給送ローラ9の搬送も開始され、時刻t3には、両者の速度は画像形成速度V1になり一致する。時刻t4には、画像読み取りが開始される。時刻t1から時刻t3までの間に先行原稿P1が移動する距離をS1とし、時刻t2から時刻t3の間に後続原稿P2が移動する距離をS2とした場合、次の関係、すなわち、
S1−S2=L6−L8
が成り立ち、これに基づいて時刻t2が決定されている。実際には、幅広ベルト7で先行原稿が距離(L6−L8)搬送されたところで、第2給送ローラ9が所定の速度プロファイルで駆動される。
なお、速度V2は、これらとは無関係であり、画像形成速度V1と前述のL5(読取り位置と待機位置間の距離)で決定される。
先行原稿の画像形成が終了した時点で、後続原稿の後端はまだ第2搬送ローラ9にニップされている。後続原稿の後端が第2搬送ローラ9のニップを過ぎた時点で、第2搬送ローラ9は停止し、さらに後続の原稿P3のレジストループ制御を可能にする。第2搬送ローラ9が停止した後も、幅広ベルト7による先行原稿P1および後続原稿P2の搬送が行われ、後続原稿P2の先端が読み取り位置R2の手前(距離L5)に達した時点で停止する。この時、後続原稿P2の後端は第2搬送ローラ9のニップから距離L8のところに位置する。
[ラージサイズ片面原稿搬送モードでの動作]
ラージサイズ片面原稿搬送モードでの動作は、ハーフサイズ片面原稿搬送モードでの動作との比較でいえば、本質的に相違しないが、原稿サイズが異なるため次の点が相異する。
すなわち、読み取り位置は、ハーフサイズ片面原稿搬送モードでは、第2給送ローラ9のニップ点から、L2、すなわち、
L2=L8+搬送原稿サイズ+L5
の距離だけ離れた位置にあるのに対して、ラージサイズ片面原稿搬送モードでは、L3、すなわち、
L3=L10+搬送原稿サイズ+L5
の距離だけ離れた位置にある。ただし、L10は幅広ベルト7による搬送が一旦停止されたときの原稿の後端から第2給送ローラ9のニップ点までの距離である。
原稿P1の後端が第1給紙ローラ5のニップ点を抜けたところで、分離クラッチ106がオンになり、給紙ローラ5による後続原稿P2の給紙が開始されたときの状態を図15(a)に示す。
L10>0であるので、原稿が幅広ベルト7によって単独搬送され、その後端が給紙センサ35を抜けてから所定距離進んだところで一旦停止した状態では、その原稿の後端は第2給送ローラ9のニップ点を通過している。この状態を図15(b)に示す。
また、次の点が相異する。すなわち、ハーフサイズ片面原稿搬送モードでは、幅広ベルト7による先行原稿P1の搬送速度(画像形成速度)と、原稿P2を搬送する第2給送ローラ9の搬送速度が一致したところで、紙間距離がL6となるように、第2給送ローラ9が速度制御される。これに対して、ラージサイズ片面原稿搬送モードでは、紙間距離がL11となるように、第2給送ローラ9が速度制御される。この速度制御後の状態を図16(a)に示す。
紙間距離L6も紙間距離L11も、画像読み取り後に一旦停止された状態で、現在排出されている原稿の次に排出されることになる原稿の先端から手差しレジストローラ11のニップ点までの距離より大きくしてある。具体的にいうと、紙間距離L6は原稿P2の画像読み取り後に一旦停止された後続原稿P2の先端から手差しレジストローラ11のニップ点までの距離より大きくしてあるのに対して、紙間距離L11は原稿P1の画像読み取り後に一旦停止された後続原稿P2の先端から手差しレジストローラ11のニップ点までの距離より大きくしてある。原稿画像読み取り後の状態を図16(b)に示す。
[ハーフサイズ両面原稿搬送の説明]
図17ないし図20は両面原稿搬送モード時の原稿の流れを示す。原稿搬送モードが両面原稿搬送モードに設定されている場合は、反転給紙フラッパ22および反転フラッパ23は、図3に実線で示す位置に位置され、搬送パスは反転給送路(チ),(へ),(リ)になる。従って、第1給送ローラ16と第2給送ローラ9により給送される原稿は、反転給送路(チ)および(へ)を通って(リ)に導かれることになる。この様子を図17(a)に示す。
そして、原稿P1の後端が一方向フラッパ24を通過すると、ローラ17、18が逆転され、ローラ17、18により、原稿P1が反転給送路(チ),(へ),(リ)を逆方向に搬送され、図4に実線で示す位置にある給排フラッパ25を介して、プラテン3上の搬送路(ニ)に導かれる。この様子を図17(b)に示す。
搬送路(ニ)に導かれた原稿P1の後端が反転センサ50によって検知され、原稿P1の後端が検知された位置から所定距離だけ搬送されると、幅広ベルト7により原稿P1の搬送が停止され、原稿P1が固定読みモード時の読み取り位置R1に第2面を下にして載置される。この様子を図18(a)に示す。原稿P1の載置が完了すると、パス切換ソレノイド107がオフにされ、反転給紙フラッパ22および給排フラッパ25が図4に一点鎖線で示す位置に位置される。
また、原稿P1の載置が完了すると、原稿P1の第2面がスキャナによって走査される。そして、原稿P1の読み取りが完了すると、幅広ベルト7が逆転され、同時に、反転フラッパ23が図3に一点鎖線で示す位置に移動され、原稿P1が幅広ベルト7により給排フラッパ25を介して原稿給排路(ホ)に搬送され、第1反転ローラ17および第2反転ローラ18により原稿反転路(ト)に導かれる。この様子を図18(b)に示す。そして、原稿P1の先端が反転センサ50で検出され、原稿先端が検出された位置から所定距離だけ原稿が搬送された時点で、幅広ベルト7の回転が一旦停止され、幅広ベルト7の回転が正転に切り換えられる。反転された原稿P1の先端がプラテン3上の搬送路(ニ)にさしかかる時には、第2給送ローラ9と幅広ベルト7の搬送速度が一致しているように制御がなされている。
原稿反転路(ト)に導かれた原稿P1の後端が第2給送ローラ9のニップ点を過ぎると、第2給送ローラ9が停止され、後続原稿P2が第2給送ローラ9に到着するのを待つ。第2給送ローラ9を通過した原稿P1は幅広ベルト7によって単独搬送される。幅広ベルト7により搬送されている原稿P1は、原稿P1の後端が給紙センサ35によって検知されてから、所定距離だけ搬送された時点で、搬送が停止され、再び、読み取り位置R1に第1面を下にして載置される。また、給紙センサ35により原稿P1の後端が検出されると、原稿P2が分離され、第2給送ローラ9で周知の斜行取りが行なわれる。
原稿P1の載置が完了すると、その第1面がスキャナにより走査される。このスキャナにより原稿P1の第1面が走査されている間、原稿P2が、原稿P1の反転と同様にして、反転され、原稿P2の先端近傍が第1反転ローラ17によりニップされた状態で待機する。この様子を図19(a)に示す。
そして、先行原稿P1の第1面の走査が終了すると、第1反転ローラ17および第2反転ローラ18が逆転されるとともに、幅広ベルト7が正転され、後続原稿P2が先行原稿P1とともにプラテン3上を搬送される。そして、後続原稿P2が読み取り位置R1に到達したとき、幅広ベルト7の回転が停止されて、後続原稿P2が読み取り位置R1に載置され、この後続原稿P2から所定の紙間距離(L12)だけ離れたプラテン3上の位置に、先行原稿P1が載置される。この様子を図19(b)に示す。後続原稿P2の読み取り位置R1への載置が完了すると、この後続原稿P2の第2面がスキャナにより走査される。
後続原稿P2の第2面の走査が終了すると、幅広ベルト7が逆転され、後続原稿P2と先行原稿P1が反転給送路(ホ)に向けて搬送される。そして、後続原稿P2の先端が反転センサ50で検出され、原稿先端が検出された位置から所定距離だけ原稿P2が搬送された時点で、幅広ベルト7の回転が一旦停止され、幅広ベルト7の回転が正転に切り換えられる。このとき、後続原稿P2の後端は幅広ベルト7を抜けているため、先行原稿P1のみが幅広ベルト7によりプラテン3上を搬送されることになる。
一方、反転された後続原稿P2は第2給送ローラ9により搬送され、後続原稿P2の先端がプラテン3上の搬送路(ニ)にさしかかるときには、第2給送ローラ9と幅広ベルト7の搬送速度が一致しているように制御がなされる。後続原稿P2の後端が第2給送ローラ9のニップ点を過ぎると、第2給送ローラ9が停止され、次の原稿P3が第2給送ローラ9に到着するのを待つ。第2給送ローラ9を通過した後続原稿P2は幅広ベルト7によって単独搬送される。幅広ベルト7により搬送されている後続原稿P2は、後続原稿P2の後端が給紙センサ35によって検知されてから、所定距離だけ搬送された時点で、搬送が停止され、再び、読み取り位置R1に第1面を下にして載置される。後続原稿P2が読み取り位置R1に載置されたときの先行原稿P1の位置と原稿P3の位置を図20(a)に示す。後続原稿P2が読み取り位置R1に載置された状態では、原稿P3は、図19(a)に示す原稿P2と同様に、第1反転ローラ17によりニップされた状態で待機している。読み取り位置R1に載置されている後続原稿P2と先行原稿P1の紙間距離はL13である。なお、紙間距離がL12になるように幅広ベルト7を駆動制御してもよい。
後続原稿P2の読み取り位置R1への載置が完了すると、この後続原稿P2の第1面がスキャナにより走査される。そして、後続原稿P2の第1面の走査が終了すると、第1反転ローラ17および第2反転ローラ18が逆転されるとともに、幅広ベルト7が正転され、排紙ローラ12の回転が開始され、第1反転ローラ17および第2反転ローラ18により原稿P3がプラテン3上の搬送路(ニ)に向けて搬送され、後続原稿P2および先行原稿P1がプラテン3上の搬送路(ニ)を排紙ローラ12に向けて搬送される。そして、原稿P3が読み取り位置R1に到達すると、幅広ベルト7が停止され、原稿P3が第2面を下にして載置される。
原稿P3が読み取り位置R1に載置された状態では、図20(b)に示すように、後続原稿P2の後端が手差しレジストローラ11のニップの直前にあるので、この後続原稿P2との紙間距離がL12である先行原稿P1は、その後端が手差しレジストローラ11のニップを抜けている。手差しレジストローラ11のニップを抜けた先行原稿P1は、排紙ローラ12によって単独搬送され、排紙トレイ10に排出される。
以後、このサイクルが繰り返される。そして、最終原稿Pnの第1面の走査が終了すると、図19(b)に示す状態と同一状態の最終原稿Pnおよび最終前原稿Pn−1は、幅広ベルト7によりプラテン3上の搬送路(ニ)を排紙ローラ12に向けて連続して搬送され、排紙ローラ12により一度に排出される。
[フルサイズ両面原稿の搬送の説明]
フルサイズ両面原稿搬送時の動作は、ハーフサイズ両面原稿搬送時の動作との比較でいえば、後続原稿が第2面を下にして読み取り位置R1に到達したとき、先行原稿は排紙ローラ12のニップを抜けている点が相異する。
図21〜図24はフルサイズ両面原稿搬送時の原稿の流れを示す。先行原稿P1は反転され(図21(a)参照)、第2面を下にして、プラテン3上の搬送路(ニ)に導かれ(図21(b)参照)、固定読みモード時の読み取り位置R1に載置され(図22(a)参照)、先行原稿P1の第2面がスキャナにより走査される。そして、第1面の走査が終了した先行原稿P1は、反転され(図22(b)参照)、第1面を下にして、プラテン上の搬送路(ニ)に導かれ、読み取り位置R1に載置され、先行原稿P1の載置が完了すると、先行原稿P1の第2面がスキャナにより走査される。
給紙センサ35による先行原稿の後端検知と前後して後続原稿P2の分離動作が開始され、停止している第2給送ローラ9で周知の斜行取りが行なわれ、この後続原稿P2は、図23(a)に示すように、反転給送路(チ)、(へ)、(リ)へ導かれる。
スキャナによる先行原稿P1の第1面の走査中に、先行原稿P1の場合と同様にして後続原稿P2の反転動作が行われ、反転動作が完了したときの後続原稿P2の先端近傍は、図23(b)に示すように、第1反転ローラ17によりニップされ、待機状態にある。この時の先行原稿P1と、待機状態の後続原稿P2の紙間距離は、L14になるように制御される。
そして、先行原稿P1の第1面の走査が終了すると、第1反転ローラ17および第2反転ローラ18の逆転と幅広ベルト7の正転が同時に開始され、図24に示すように、プラテン3上に後続原稿P2が載置された時には、先行原稿P1の後端が手差しレジストローラ11のニップ点を抜けるようにL14の値が決められている。以後、これと同様の動作が最終原稿Pnまで続けられる。
[手差し原稿コピー時の原稿搬送]
図25および図26は手差し原稿搬送時の原稿の流れを示す。図25(a)に示すように原稿がセットされ、原稿セットが手差し原稿検知センサ60により検知されると、手差しフラッパ27および手差しシャッタ28が図4に実線で示す位置に切り換えられ、手差し原稿が手差し給祇ローラ13により搬送される。搬送された手差し原稿は、停止状態の手差しレジストローラ11によって斜行取りが行われ、その後、幅広ベルト7によりプラテン3上の搬送路(ニ)に導かれる。そして、手差し原稿の先端がプラテン3の読み取り位置R1に到達すると、幅広ベルト7が停止され、ついで、この手差し原稿が複写機本体のスキャナ204により走査され、手差しフラッパ27および手差しシャッタ28が図4に一点鎖線で示す位置に戻され、次の原稿セットを可能にする(図25(b)参照)。そして、スキャナ204による走査が終了すると、幅広ベルト7が逆転され、幅広ベルト7によりこの手差し原稿が排紙ローラ12に向かって搬送される。
排紙ローラ12が回転すると、手差し給紙ローラ13も回転するが、手差しシャッタ28により、次に手差しされた原稿P2の先端が規制されており、手差し給紙ローラ13はスリップし、原稿P2は先に進むことができない(図26(a)参照)。そして、原稿P1の後端が手差しレジストセンサ34によって検出されると、手差しレジストローラ11が停止され、手差しフラッパ27および手差しシャッタ28は図4に実線で示す位置に移動される。そして、原稿P2が手差し給紙ローラ13によって手差しレジストローラ11に向けて搬送され、前述したように、斜行取り終了後、プラテン3の搬送路(ニ)を搬送され、読み取り位置R1に載置される。
[制御部の説明]
図27を説明する。図27において、30〜35,39,50は図4と同一部分を示し、40は図1と同一部分を示す。
201はCPU(central processing unit )であり、入出カポートには、各種負荷の駆動部と、各センサからのセンサ信号が接続されている。201aはRAM(random access memory)であり、作業領域として用いられている。201bはROM(read only memory)であり、制御プログラムがストアしてある。202は通信制御部であり、複写機本体1とのデータ通信を制御するものである。
203aはコントローラであり、CPU201からモータ回転数の基準となる基準クロック、オンオフ信号等が入力されており、ドライバ203を介して分離モータ100(DCブラシモータ)を駆動制御するものである。204はステッピングモータ・ドライバであり、CPU201からの相励磁信号とモータ電流制御信号に基づき搬送モータ101(ステッピングモータ)を駆動するものである。205はステッピングモータ・ドライバであり、CPU201からの相励磁信号とモータ電流制御信号に基づきベルトモータ102(ステッピングモータ)を定電流駆動するものである。206はドライバであり、揺動モータ103(ステッピングモータ)を定電圧駆動するものである。207aはFGサーボ用のコントローラであり、ドライバ207を介して排紙モータ104(DCブラシモータ)を駆動制御するものである。排紙モータ104の回転速度を検出するエンコーダが、図4に示すように、クロック板104aと排紙クロックセンサ104bにより構成されている。
208はシャッタソレノイド105を駆動するドライバものである。209は分離クラッチ106を駆動するドライバである。210はパス切り替えソレノイド107を駆動するドライバである。211は反転フラッパソレノイド108を駆動するドライバ211である。212は排紙フラッパソレノイドを駆動するドライバである。ドライバ208〜212は、それぞれ、CPU201の入出カポートに接続された信号に従って動作する。
分離センサ30と、斜行検知センサ31と、混載検知センサ32と、反転検知センサ33と、手差しレジストセンサ34と、給紙センサ35と、反転センサ50と、手差し原稿検知センサ60と、レジストセンサ39と、原稿セットセンサ40と、原稿後端検知センサ41と、最終原稿検知センサ43と、紙幅検知センサ44と、給紙ローラホームセンサ45と、揺動位置センサ46は、CPU201の入力ポートに接続されて、装置内における、原稿の挙動および可動負荷の挙動をモニタするために用いられている。
[制御プログラムの説明]
図28ないし図42は図27のROM201bにストアされる制御プログラムの一例を示すフローチャートである。複写機本体1の図示しない操作部のコピーキーが押下されると、制御が開始される。原稿トレイ4上への原稿セットが原稿セット検知センサ40により検知されているか否かを判定する(main1)。原稿セットが検知されている場合は、複写機本体1からの複写モードが片面原稿モードか否かを判定する(main2)。片面モードでないと判定した場合は、両面原稿モードにて一連の複写処理を実行し(main6)、その後、制御を終了する。他方、片面モードと判定した場合は、原稿後端検知センサ41がオフしているか否かを判定する(main3)。オフしていると判定した場合は、後述する第1流し読みモードにて一連の複写処理を実行し(main4)、その後、制御を終了する。他方、オフしていない判定した場合は、後述する第2流し読みモードにて一連の複写処理を実行し(main5)、その後、制御を終了する。
本実施の形態では、原稿サイズによるモード選択は原稿後端検知センサ41のオン/オフによる送り方向のみで規制する例を説明するが、前述した通り、原稿トレイ4下部の紙幅検知センサ44による原稿幅検知手段との組み合わせによって、原稿サイズによるモード選択の規制を行ってもよい。
他方、原稿セットが原稿セット検知センサ40により検知されていなかった場合は、手差し原稿トレイ上への原稿セットが手差し原稿セット検知センサにより検知されているか否かを判定する。検知されていない場合は、後述する手差しモードにて一連の複写処理を実行し(main8)、その後、制御を終了する。
[第1流し読みモード]
図29は図28の第1流し読みモード(main4)での制御プログラムの一例を示すフローチャートである。原稿トレイ4にセットされた原稿面上に、給紙ローラ5を移動すべく、後述するピックアップDOWN処理を行い(draftmd1)、最上部の原稿を1枚だけ分離すべく、後述する分離処理(draftmd2)を行ない、給紙処理(draftmd3)を行う。ついで、複写機本体1のスキャナ204(図1)を所定の読み取り位置に固定したまま原稿画像の読み取りを行う原稿流し読み処理を起動し(draftmd4)、分離センサ30により原稿の後端が検知されるまで待機する(draftmd5)。そして、原稿の後端が検知されると、原稿セット検知センサ40により原稿束の区切れが検知されたか否か、すなわち、最終原稿か否かを判定する(draftmd6)。最終原稿でないと判定した場合は、原稿を排紙トレイ10上に排出すべく後述する排紙処理を起動し(draftmd7)、その後、draftmd2に戻る。他方、最終原稿と判定した場合は、排紙処理を行い(draftmd8)、その後、後述するピックアップUP処理を行って、給紙ローラ5を上限位置に戻し(draftmd9)、その後、制御を終了する。
このとき、図1に示すスキャナ204は、原稿がハーフサイズである場合は、図11のR2の位置に固定され、原稿がラージサイズである場合は、図11のR3の位置に固定される。スキャナ204の位置制御はスッテピングモータを駆動制御することにより行っても良いし、メカ式ストッパ構成を用いて行っても良い。
[第2流し読みモード]
図30は図28の第2流し読みモード(main5)での制御プログラムの一例を示すフローチャートである。原稿トレイ4にセットされた原稿面上に給紙ローラ5を移動すべく、後述するピックアップDOWN処理を行い(draft2md1)、最上部の原稿を1枚だけ分離すべく、後述する分離処理を行ない(draft2md2)、給紙処理(draft2md3)を行う。ついで、原稿流し読み処理を起動し(draft2md4)、図1のスキャナ204の固定位置が排紙部付近であるので、原稿を排紙トレイ10上に排出すべく、後述する排紙処理を起動し(draft2md5)、分離センサ30により原稿の後端が検知されるまで待機する(draft2md6)。そして、原稿の後端が検知されると、原稿セット検知センサ40によって原稿束の区切れが検知されたか否か、すなわち、その原稿が最終原稿であるか否かを判定する(draft2md7)。最終原稿でない場合は、draft2md2に戻り、最終原稿である場合は、後述するピックアップUP処理を行って給紙ローラ5を上限位置に戻し(draft2md8)、その後、制御を終了する。このとき、スキャナ204は図11に示した読み取り位置R3に固定される。
[両面原稿モード]
図31は図28の両面原稿モード(main6)での制御プログラムの一例を示すフローチャートである。原稿トレイ4にセットされた原稿面上に給紙ローラ5を移動すべく、後述するピックアップDOWN処理を行い(doub1emd1)、最上部の原稿を1枚だけ分離すべく、後述する分離処理を行う(doub1emd2)。ついで、分離された原稿を表裏面反転させ原稿第2面が下になるようにプラテン3上の読み取り位置R1に載置すべく、後述するプリ反転処理(doub1emd3)を行う。そして、第2面を下にしてプラテン3上の読み取り位置R1に載置されると、スキャナ204を移動させながら光学系移動原稿読み取り処理を行う(doub1emd4)。
第2面に対する原稿読み取りが完了すると、再度、表裏面反転をすべく反転処理を行い(doub1emd5)、反転処理された原稿が第1面を下にして読み取り位置R1に載置されると、第1面に対して光学系移動原稿読み取り処理を行う(doub1emd6)。
原稿第1面の読み取り処理を行っている間、原稿セット検知センサ40によって原稿束の区切れが検知されたたか否か、すなちわ、その原稿が最終原稿であるか否かを判定する(doub1emd7)。最終原稿でない場合は、原稿を排紙トレイ10に排出すべく後述する排紙処理を起動し(doub1emd8)、doub1emd2に戻る。他方、その原稿が最終原稿である場合は、排紙処理を行い(doub1emd9)、ついで、後述するピックアップUP処理を行って給紙ローラ5を上限位置に戻し(doub1emd10)、制御を終了する。
[手差しモード]
図42は図28の手差しモード(main8)での制御プログラムの一例を示すフローチャートである。手差し給紙部にセットされた原稿に対して手差し給紙処理を行い(manua1md1)、手差し原稿が読み取り位置R1に載置されると、載置された原稿に対して光学系移動原稿読み取り処理を行う(manualmd2)。そして、読み取り処理が完了すると、原稿を排紙トレイ10に排出すべく排紙処理を起動し(manua1md3)、手差しレジストセンサ34により原稿の後端が検知されるまで待機する(manua1md4)。そして、原稿の後端が検知されると、手差し原稿検知センサ60によって次の原稿が手差し給紙部に存在するか否か検知し、原稿が有る場合は、manua1md5に戻り、原稿が無い場合は、手差し排紙処理を行い、その後、制御を終了する。
[ピックアップDOWN処理]
図32は上述したピックアップDOWN処理手順の一例を示すフローチャートである。給紙ローラ5を、給紙ローラホームセンサ45がオンしている位置(図5)から、原稿トレイに載置された原稿束P上に下降させるべく、揺動モータ103を駆動して(pickupdwn1)、昇降アーム51および揺動アーム1と、揺動アーム2とを下降させる。ついで、給紙ローラホームセンサ45がオフになるまで待機し(pickupdwn2)、給紙ローラホームセンサ45がオフになると、給紙ローラが下降したのを確認した後、第1揺動位置センサ46と第2揺動位置センサ47がオンになるまで待機する(pickupdwn3)。そして、第1揺動位置センサ46と第2揺動位置センサ47がオンになり、給紙ローラ5が紙面上に落下したことを検知すると、揺動モータ103の駆動を止める(pickupdwn4)。
[ピックアップUP処理]
図33は上述したピックアップUP処理手順の一例を示すフローチャートである。給紙ローラ5を、図5に示す位置まで上昇させるべく、揺動モータ103を駆動し(pickupup1)、ついで、給紙ローラホームセンサ45がオンになるまで待機する(pickupup2)。そして、給紙ローラホームセンサ45がオンになって、上限位置まで達したことが検知されると、揺動モータ103の駆動を止める(pickupup3)。この時の揺動モータ103の回転方向は、ピックアップDOWN処理時と逆方向である。
[分離処理]
図34は上述した分離処理手順の一例を示すフローチャートである。分離クラッチ106、分離モータ100をオンにして(sepa1)、原稿束P上に落下させていた給紙ローラ5を回転させるとともに、分離ベルト6および分離搬送ローラ8と、第1給送ローラ16とをそれぞれ回転させ、給紙ローラ5により原稿束Pの最上部の原稿を1枚のみ分離し、分離された原稿を分離ベルト6および分離搬送ローラ8により搬送パス(イ)に導く。そして、分離センサ30がオンになり、原稿先端が検知されると(sepa2)、後述の分離モータ100の速度制御を行う(sepa3)。そして、給紙センサ35がオンになり、原稿先端が検知されると(sepa4)、分離クロックから入力されるクロック信号をカウントするための分離ループカウンタをスタートさせ(sepa5)、設定カウントをカウントするまで待機する(sepa6)。そして、カウント終了すると、分離モータ100をオフにして(sepa7)、原稿の先端を第1給送ローラ16により第2給送ローラ9のニップ部に突き当てて所定量のループを形成させ、ループが形成された状態で原稿の搬送を停止させ、分離時に生じた斜行を矯正する。
[給紙処理]
図35は上述した給紙処理手順の一例を示すフローチャートである。分離された原稿を搬送パス(ハ)に給送すべく、パス切り替えソレノイド107をオンにして、反転給紙フラッパ22を図4に一点鎖線で示す位置に切り換え(ent1)、分離モータ100と、搬送モータ101と、ベルトモータ102とをオンにして(ent2)、第1給送ローラ16と、第2給送ローラ9と、幅広ベルト7とを駆動する。この時の分離モータ100の速度制御は図45で詳しく説明する。さらに、反転クロックから入力されるクロック信号をカウントするためのサイズチェックカウンタをスタートさせる(ent3)。そして、レジストセンサ39により原稿先端が検知されると、すなわち、原稿が搬送パス(ハ)に搬送されたことが碓認されると(ent4)、分離センサ30により原稿後端が検知されるまで待機する。
そして、分離センサ30により原稿後端が検知されると(ent5)、分離クロックから入力されるクロック信号によってカウントするための分離起動カウンタをスタートさせ(ent6)、分離起動カウンタによるカウントが完了するまで、待機する。そして、第1給送ローラ16から分離センサ30までの距離分だけのカウントが完了すると(ent7)、すなわち、原稿の後端が第1給送ローラ16を抜けると、分離モータ100を高速回転させる(ent8)。その後、原稿後端が給紙センサ35により検知されるまで待機する(ent9)。
そして、原稿後端が給紙センサ35により検知されると、前記サイズチェックカウンタをストップし(ent10)、サイズチェックカウンタのデータに基づいて、後述するサイズチェック処理(図40参照)を行う(ent11)。ついで、原稿をプラテン3上の所定位置に停止するべく、ベルト励磁クロックをカウントするためのレジストカウンタをスタートさせ(ent12)、給紙センサ35から第2給送ローラ9までの距離L4分だけカウントするまで待機する(ent13)。そして、距離L4分だけのカウントが終了すると、搬送モータ101をオフにし(ent14)、前記レジストカウンタによるカウントが終了するまで待機する。そして、レジストカウンタによるカウントが終了すると(ent15)、ベルトモータ102をオフに(ent16)、パス切り替えソレノイド107をオフにする(ent17)。
[プリ反転処理]
図36は上述したプリ反転処理手順の一例を示すフローチャートである。パス切り換えソレノイド107はオフになっており、反転給紙フラッパ22は図4に実線で示す位置にある。この状態で、分離モータ100および搬送モータ101をオンにして(pretrn1)、第1給送ローラ16と、第2給送ローラ9と、第1反転ローラ17と、第2反転ローラ18とを駆動すると、第1給送ローラ16にニップされた状態にある原稿は、搬送パス(チ)に搬送されることになる。また、反転クロックから入力されるクロック信号をカウントするサイズチェックカウンタをスタートさせる(pretrn2)。ついで、レジストセンサ39により原稿先端が検知されるまで待機する。
そして、レジストセンサ39により原稿先端が検知されると、すなわち、原稿が搬送パス(チ)に搬送されたことが碓認されると(pretrn3)、分離センサ30により原稿後端が検知されるまで待機する(pretrn4)。そして、分離センサ30により原稿後端が検知されると、分離クロックから入力されるクロック信号をカウントするための分離オフカウンタをスタートさせ(pretrn5)、第1給送ローラ16から分離センサ30までの距離分だけのカウントが終了するまで待機する(pretrn6)。そして、分離オフカウンタによるカウントが終了すると、すなわち、原稿後端が第1給送ローラ16を抜けると、分離モータ100をオフにして第1給送ローラ16の駆動を止め(pretrn7)、給紙センサ35により原稿後端が検知されるまで待機する(pretrn8)。
そして、給紙センサ35により原稿後端が検知されると、前記サイズチェックカウンタをストップし(pretrn9)、サイズチェックカウンタのデータに基づいて、後述するサイズチェック処理(図40参照)を行う(pretrn10)。ついで、レジストセンサ39により原稿後端が検知されるまで待機する(pretrn11)。そして、レジストセンサ39により原稿後端が検知されると、原稿後端が搬送パス(チ)を抜けた所定位置に停止させるべく、反転励磁クロックをカウントするためプレ反転カウンタをスタートさせる(pretrn12)。この時、反転フラッパ23は図4に実線で示す位置にあって、搬送パス(リ)に原稿搬送されるように附勢されている。
そして、前記プレ反転カウンタによるカウントが終了すると(pretrn13)、搬送モータ101を所定時間だけオフにした後、オンにして逆転させるとともに、ベルトモータ102をオンにし(pretrn15)、その後、反転センサ36により原稿先端が検知されるまで待機する(pretrn16)。そして、反転センサ36により原稿先端が検知されると、すなわち、原稿が搬送パス(ホ)に搬送されたことが碓認されると、反転センサ36により原稿後端が検知されるまで待機する(pretrn17)。そして、反転センサ36により原稿後端が検知されると、搬送モータ101をオフにし(pretrn18)、原稿をプラテン上の所定位置に停止すべく、ベルト励磁クロックをカウントするためのプリ給紙カウンタをスタートさせ(pretrn19)、プリ給紙カウンタがカウントを終了するまで待機する(pretrn20)。そして、プリ給紙カウンタによるカウントが終了すると、ベルトモータ102をオフにする(pretrn21)。
[反転処理]
図37は上述した反転処理手順の一例を示すフローチャートである。反転フラッパソレノイド108をオンにして、反転フラッパ23を図4に実線で示す位置に切り換え、パス切り換えフラッパソレノイド107をオンにして、反転給紙フラッパ22と給排フラッパ25をそれぞれ図4に一点鎖線で示す位置に切り換える(trn1)。また、プラテン3上の原稿を搬送パス(ホ)に搬送させるべく、ベルトモータ102と搬送モータ101をオンにして(trn2)、幅広ベルト7と、第2給送ローラ9と、第1反転ローラ17と、第2反転ローラ18を駆動し、その後、反転センサ36により原稿先端が検知されるまで待機する(trn3)。
そして、反転センサ36により原稿先端が検知されると、すなわち、原稿先端が搬送パス(ヘ)を通って搬送パス(ト)内の所定位置に達すると、ベルトモータ102を停止、逆転するべく、ベルト励磁クロックをカウントするための反転カウンタをスタートさせ(trn4)、反転カウンタによるカウントが終了するまで待機する(trn5)。そして、反転カウンタによるカウントが終了すると、ベルトモータ102を所定時間だけオフにした後(trn6)、ベルトモータ102を逆転させる(trn7)。ついで、給紙センサ35により原稿先端が検知されるまで待機する。ベルトモータ102が逆転している間、搬送モータ101により、第1反転ローラ17と、第2反転ローラ18と、第2給送ローラ9が駆動され、原稿が搬送パス(へ)、(ト)を搬送されることになる。
そして、給紙センサ35により原稿先端が検知されると(trn8)、すなわち、原稿が搬送パス(ト)を搬送されていることが確認されると、レジストセンサ39により原稿後端が検知されるまで待機する(trn9)。そして、レジストセンサ39により原稿後端が検知されると、搬送モータ101をオフにし(trn10)、原稿をプラテン上の所定位置に停止すべく、ベルト励磁クロックをカウントするための反転給紙カウンタをスタートさせ(trn11)、カウントが終了するまで待機する(trn12)。
そして、反転給紙カウンタによるカウントが終了すると、ベルトモータ102をオフにし(trn13)、反転フラッパソレノイド108をオフにして、反転フラッパ23を図3に実線で示す位置に戻すとともに、パス切り換えソレノイド107をオフにして、反転給紙フラッパ22および給排フラッパ25を図4に実線で示す位置へ戻す(trn14)。
trn7では、第1反転ローラ17と幅広ベルト7により原稿を引っ張る方向が互いに逆方向になるが、幅広ベルト7のニップ力に比較して第1反転ローラ17のニップ力の方が強いので、原稿は第1反転ローラ17に追従して搬送されることになる。ただし、送り方向に長い原稿の場合、幅広ベルト7の内部の押圧コロとプラテン3とのニップ力の影響を大きく受けて、第1反転ローラ17に追従しなくなるので、ベルトモータ102を停止させ、逆転させるタイミング、すなわち、前記反転カウンタの値は、原稿の送り方向長さにより異なるように制御されることになる。
[排紙処理]
図38は上述した排紙処理手順の一例を示すフローチャートである。排紙フラッパソレノイド109はオフになっていて、排紙フラッパ26は、図4に一点鎖線で示すように、フラッパ先端部がプラテン3より低い位置に付勢されている。この状態で、プラテン3上の原稿を搬送パス(ニ)、(ヌ)に搬送させるべく、ベルトモ一タ102と排紙モータ104を共にオンにして(ejct1)、幅広ベルト7と、手差し給紙ローラ13と、排紙ローラ12を駆動する。ついで、手差しレジストセンサ60により原稿先端が検知されるまで待機する(ejct2)。そして、手差しレジストセンサ60により原稿先端が検知されると、すなわち、原稿が搬送パス(ヌ)を搬送されていることが確認されると、手差しレジストセンサ60により原稿後端が検知されるまで待機する(ejct3)。そして、手差しレジストセンサ34により原稿後端が検知されると、ベルトモータ102をオフにし(ejct4)、排紙クロックから入力されるクロック信号をカウントするための排紙カウンタをスタートさせ(ejct5)、排紙カウンタによるカウントが終了するまで待機する(ejct6)。そして、排紙カウンタによるカウントが終了すると、排紙モータ104をオフにする(ejct7)。原稿は搬送パス(ヌ)を通過し、排紙ローラ12を抜けて、排紙トレイ10上に排出される。
[手差し給紙処理]
図41は上述した排紙処理手順の一例を示すフローチャートである。手差しフラッパ26には、手差し給紙部にセットされた原稿の先端が突き当てられている。排紙フラッパソレノイド109がオフになっていて、排紙フラッパ26および手差しシャッタ28が、図4に実線で示すように、排紙フラッパ26の先端部がプラテンより低い位置に付勢されている。この状態で、排紙フラッパ109をオンにして、手差しシャッタ28と排紙フラッパ26を、図4に一点鎖線で示す位置に切り換え(ment1)、排紙モータ104をオンにして(ment2)、手差し給紙ローラ13を回転させ、原稿を搬送パス(ル)内を搬送させる。ついで、手差しレジストセンサ34がオンになるまで待機する。
そして、手差しレジストセンサ34により原稿先端が検知されると(ment3)、排紙クロックから入力されるクロック信号をカウントするための手差しループカウンタをスタートさせ(ment4)、カウントを終了するまで待機する(ment5)。そして、手差しループカウンタによるカウントが終了すると、排紙モータ104を所定時間オフにする(ment6)。手差し給紙ローラ13による搬送中に発生した原稿斜行を矯正するため、原稿は手差しレジストローラ11のニップ部に先端を突き当てられ、所定量のループが形成された状態で停止する。排紙モータ104をオフにした後、原稿を搬送パス(ル)、(ニ)に搬送すべく、排紙モータ104およびベルトモータ102をオンにし(ment7)、手差し給紙ローラ13と、手差しレジストローラ11と、幅広ベルト7を駆動する。ついで、ベルトクロックから入カされるクロック信号をカウントするためのサイズチェックカウンタをスタートさせる(ment8)。さらに、原稿をプラテン3上の所定位置に停止させるべく、ベルト励磁クロックをカウントするためのベルトレジストカウンタをスタートさせ(ment9)、手差しレジストセンサ34により原稿後端が検知されるまで待機する(ment10)。
そして、手差しレジストセンサ34がオフにされ原稿後端が検知されると、前記サイズチェックカウンタによるカウントを停止させ、カウントデータに基づいて、後述するサイズチェック処理(図41参照)を行う(ment11)。ついで、原稿後端が手差し給紙ローラ13を抜けていることから、排紙モータ104をオフにし(ment12)、前記手差しレジストカウンタによるカウントが終了するまで待機する(ment13)。そして、手差しレジストカウンタによるカウントが終了すると、ベルトモータ102をオフにし(ment14)、排紙フラッパソレノイト109をオフにする(ment15)。
[原稿流し読み処理]
図39は上述した原稿流し読み処理手順の一例を示すフローチャートである。原稿の画像を、複写機本体1の光学系を固定して読み取るべく、ベルトモータ102をオンにして(move1)、幅広ベルト7を駆動する。ついで、原稿先端が所定位置に達した時点で画先信号をオンにするべく、ベルト励磁クロックをカウントするための画先オンカウンタをスタートさせ(move2)、画先オンカウンタによるカウントが終了するまで待機する(move3)。この時、ベルトモータは、複写機本体1からの流し読み速度データ(V)に基づいて、励磁クロック信号を出力することにより、定速制御される。
そして、前記画先オンカウンタによるカウントが終了すると(move3)、画先信号をオンにし(move4)、画先オフタイマをスタートさせる(move5)。複写機本体1は、このオンにされた画先信号を受信すると、流し読み時の光学系固定位置に原稿先端が到達するまでの時間を演算し、実際の画像読み取りを行う。そして、前記画先オフタイマに設定された所定時間が経過すると(move6)、この画先信号はオンからオフにされ(move7)、原稿後端が読み取り位置を通過した時点で、ベルトモータ102をオフにする(move8)。
なお、流し読み速度データ(V)は、光学系移動時の読み取り速度(V1)と等しくてもよいし、異なってもいてもよい。特に、V>V1と設定された場合は、通常の光学系移動読み取りよりも短時間で原稿画像が読み取り完了するので、本発明の原稿給送装置を使用したことにより、複写速度が向上する。
[サイズチェック処理]
図40は上述したサイズチェック処理手順の一例を示すフローチャートである。このサイズチェック処理において、まず、真の原稿サイズ(送り方向長さ)を、前記サイズチェックカウンタデータに、第2給送ローラ9のニップ位置から給紙センサ35までの距離分を加えて補正し、原稿長データを算出する(sizeck1)。この処理では、原稿は第2給送ローラ35と幅広ベルト7によって搬送されており、その送り量とベルト励磁クロックによるカウント値は、確実に一致する。
原稿長データがA3未満でないと判定された場合は(sizeck2)、原稿サイズをA3と判定する(sizeck14)。
原稿長データがA3未満であるが、B4未満でない場合は(sizeck3)、原稿サイズをB4と判定する(sizeck13)。
原稿長データがB4未満であるが、A4R未満でない場合は(sizeck4)、原稿サイズをA4Rと判定する(sizeck12)。
原稿長データがA4R未満であるが、B5R未満でない場合は(sizeck5)、原稿サイズをB5Rと判定する(sizeck11)。
原稿長データがB5R未満であるが、A4未満でない場合は(sizeck6)、原稿サイズをA4と判定する(sizeck10)。
原稿長データがA4未満であるが、B5未満でない場合は(sizeck7)、原稿サイズをB5と判定する(sizeck9)。
原稿長データがB5未満である場合は(sizeck7)、原稿サイズをA5と判定する(sizeck8)。
<第2の実施の形態>
図44は本発明の第2の実施の形態を示す。図44において、30,35,203,203aは図27と同一部分を示し、100,100bは図4と同一部分を示す。601は制御部であり、速度制御ループ2020と移動量制御ループ2021で分離モータを駆動制御するものである。
制御部601を説明する。2014はタイミング/ゲイン制御部であり、原稿給送シーケンスにおいて、分離センサ30による検知に応答して分離動作タイミングを指定したり、各分離動作における速度制御期間ループのゲインを決定したり、各カウンタをクリアしたり、等々の分離制御を行うものである。2013は分離搬送速度設定部であり、分離動作と、搬送動作と、第2給送ローラ9との同期動作と、画像読み取り速度に応じて各部の条件設定を行うものである。2004は基準クロック発生部であり、分離モータ100の速度制御のための基準クロック2005を発生するものである。このクロックは、第1給送ローラ9を駆動するステッピングモータ101の励磁クロック周波数に関係して出力される。2006はアップダウンカウンタであり、基準クロック発生部2004からの基準クロックと、分離クロックセンサ100bからの分離クロック2022の差分を出力するものである。2007はパルスカウンタループゲイン設定部(Gpcd)であり、アップダウンカウンタ2006からの差分に応じて移動量制御ループ2021のループゲインを設定するものである。2011は初期デューティ設定部であり、分離搬送速度設定部2013により設定された条件に応じて、分離モータ100の初期回転制御電圧に相当するデューティを設定するものである。2018は演算部であり、パルスカウンタループゲイン設定部2007により設定されたループゲインと、初期デューティ設定部2011により設定されたデューティとを加算するものである。
2002はA/Dコンバータであり、コントローラ20aからのアナログ信号をデジタル信号に変換するものである。2016は演算部であり、A/Dコンバータ2002からの出力と、予め定めた基準値(この場合は128)との差を演算するものである。2003はPLLループゲイン設定部(Gpll)であり、演算部2016の演算により得られた差に基づき、速度制御ループ2020のループゲインを設定するものである。2019は演算部であり、演算部2018の加算結果と、PLLループゲイン設定部2003の出力とを加算するものである。
2001はパルス幅変調制御部(PWM)であり、演算部2019からの演算結果に応じて、ドライバ203を介しての分離モータ100への通電率を制御するものである。
2008はANDゲートであり、分離センサ30がオフしている間に、基準クロック2005を出力するものである。2009はカウンタであり、ANDゲート2008から出力されるクロックをカウントするものである。2015は用紙サイズ検出部であり、トレイ上のセンサや、原稿搬送中の搬送クロック数等に基づき用紙サイズを検出するものである。2010は用紙間隔設定部であり、用紙サイズ検出部2015により検出された用紙サイズに基づき適正な用紙間隔を演算するものである。2017は演算部であり、用紙間隔設定部2010により設定された用紙間隔と、カウンタ2009からのカウント値との差、すなわち、アップダウンカウンタ2006のプリセットデータを演算するものである。
2012はカウンタであり、分離クロックセンサ100bからの分離クロック2022をカウントし、カウント値をタイミング/ゲイン制御部2014に出力するものであり、タイミング/ゲイン制御部2014からのリセット信号により、アップダウンカウンタ2006およびカウンタ2009と同時にリセットされるようになっている。
[速度制御ループ2020の説明]
速度制御ループ2020は、分離クロックセンサ100bと、コントローラ203aと、A/Dコンバータ2002と、演算部2016と、PLLループゲイン設定部2003と、演算部2019と、パルス幅変調制御部2001と、ドライバ203と、分離モータ100とにより構成されており、基準クロック2005と、エンコーダからの分離クロック2022とを周波数/位相同期するように制御する周知のPLL速度制御が、分離モータ100に対して行われる。速度制御ループ2020のループゲインは、上述したように、PLLループゲイン設定部2003により設定可能であり、ループゲインを、モードによって、変化させることができ、場合によっては、この速度制御ループ2020を無効にすることができる。この速度制御ループ2020は、主として、原稿が第1給送ローラ16と第2給送ローラ9とにニップされて搬送される場合に有効となる。これによって原稿の同期搬送が可能となる。
[移動量制御ループ2021の説明]
移動量制御ループ2021は、分離クロックセンサ100bと、アップダウンカウンタ2006と、パルスカウンタループゲイン設定部2007と、演算部2018と、演算部2019と、パルス幅変調制御部2001と、ドライバ203と、分離モータ100とにより構成されている。
移動量制御ループ2021は後続原稿の移動量を制御する制御ループであり、先行原稿と後続原稿の間隔が、用紙間隔設定部2010により設定された値となるように、先行原稿に対する後続原稿の間隔が制御がされる。すなわち、分離センサ30によって後続原稿の先端が検出されると、同時に、カウンタ2009のカウント値と用紙間隔設定部2010の出力との差が演算部2017により演算され、その差分がアップダウンカウンタ2006にプリセットされ、差分プリセットが完了すると、アップダウンカウンタ2006によりカウントが開始される。
アップダウンカウンタ2006のアップカウント入力には、先行原稿の移動量に相当する基準クロック2005が入力され、ダウンカウント入力には、後続原稿の移動量に相当する分離クロック2022が入力される。移動量制御はアップダウンカウンタ2006の出力がゼロ(移動量の差がゼロ)になるように制御されるため、原稿搬送中に発生する用紙間隔の変動が一括で補正される。アップダウンカウンタ2006の値が所定値以内に収まった時、後続原稿の位置補正が完了し、先行原稿と後続原稿の間隔(紙間距離)は、ほぼ、紙間設定部2010で設定された値になる。
その後、第1給紙ローラ16により、紙間距離が一定になるように後続原稿の移動量が制御される。その結果、第1給紙ローラ16の回転速度が第2給紙ローラ9の回転速度と同一になるように制御され、後続原稿と先行原稿が同一の速度で移動することになる。ただし、制御方式上、両原稿間の速度を高精度に同期させることはできず、この移動量制御ループ2021は後続原稿の先端が第2給送ローラに到達するまでの間、有効となる。
位置制御のループゲインはパルスカウンタループゲイン設定部2007により変更することができるので、動作モードによってループゲインを大きくしたり、小さくしたり、場合によっては、この速度制御ループを無効にすることができる。制御部601は、都合上、ハードウェアブロック図にて構成説明を行ったが、実際にはCPU201の周辺機能と制御アルゴリズムによって実現できる。
[分離モータ制御フロー]
図45は分離モータ100の速度制御切換状態を示すフローチャートである。
このフローチャートは原稿を連続で分離、給送している状態の制御の状態を示しており、トレイ上の最上位原稿に対し図35の給紙処理を行うところからスタートする。
まず、給紙処理が起動するのを待って(entcht1)、PLL速度制御ループ2020を有効とすると共に、PLL制御のための基準クロックを出力し、分離モータ100に印加する初期電圧に相当する値をPWMレジスタにセットする(entcht2)。分離モータ100をオンし(entcht3)、定期的に位相・周波数コンパレータからの出力電圧をA/D変換する(entcht4)。A/D変換された値は所定量オフセットされ(entcht5)、ある係数(Gpll)を掛け合わせた後、前記初期電圧に相当するPWM値に加算され(entcnt6)、新たな印加電圧が分離モータ100に加わり回転速度が変化する。
次に、分離センサ30を先行原稿の後端が抜けるのを待つ(entcht7)。先行原稿が分離センサ30に掛かっている間は、entcht4に戻り、分離モータを等速制御すべく、前記PWM値の更新を繰り返す。
先行原稿の後端が分離センサ30を抜けると、移動量制御処理に入り、紙間隔カウンタレジスタのリセットおよびスタートさせる。これにより、原稿間隔カウンタには基準クロックが入力されカウントアップされる。このカウント値は分離センサ30と先行原稿後端までの距離に相当する値となる(sepcnt1)。次に、給紙ローラ5を降下させ、分離クラッチ106の接続等の分離前処理を行う(sepcnt2)。
この状態では、第1給送ローラ16と第2給送ローラ8が協働して先行原稿を搬送しており、PLL速度制御ループ2020が有効になっている。
次に、移動量制御モードのための初期設定を行う(sepcnt3)。すなわち、アップダウンカウンタレジスタのリセット、紙間隔レジスタに紙間隔制御値をセットするとともに、先行原稿搬送量に相当する基準クロックを出力し、分離モータ100を高速回転させるための印加電圧に相当する値をPWMレジスタに設定する。次に、分離モータ100の速度制御モードを移動量制御ループ2021に切り換える。この切換によって分離モータ100にはPWM変調された高速回転用の初期電圧が印加され分離モータ100は増速される(sepcnt4)。
後続原稿の先端が分離センサ30によって検出されると(sepcnt5)、分離クラッチ106をオフする(sepcht6)。原稿間隔カウンタへのクロック入力はAND回路2008によって禁止され、カウンタの値は先行原稿と後続原稿の間隔に相当する値を維持する。さらに、原稿間隔カウンタの値と紙間隔レジスタの紙間隔制御値の差分が演算され(sepcnt7)、その演算結果(目標紙間隔)がアップダウンカウンタにプリセットされる(sepcnt8)。アップダウンカウンタは基準クロックによってアップカウントし、分離クロック100bによってダウンカウントされる(sepcnt9)。アップダウンカウンタの値は一定のタイミングで読み出され、ある係数が掛け合わされた後(Gpcd倍される)、初期電圧に相当するPWM値に加算され(sepcnt10)、分離モータ100には、新たな印加電圧が加わりその回転速度が変化する。
後続原稿の先端が給紙センサ35に掛かったことを検出して(sepcnt11)移動量制御を終了し(sepcnt12)、図34の分離処理フローチャートで説明した原稿斜行補正を行う。給紙センサ35が後続原稿を検知しない場合は、sepcnt10に戻りPWM値の更新を続ける。
このような制御を行うことによって、分離部(給紙ローラ5、分離搬送ローラ8、第1給送ローラ16)のみで原稿が搬送されている場合は、第1搬送ローラの回転精度を犠牲にして用紙間隔が規定値に収まることに重点を置いた速度制御を行い、原稿が第1給送ローラ16と第2給送ローラ9によって同時に給送される場合は第1給送ローラ16の回転精度を優先した速度制御を行うため、両ローラによる原稿の引っ張り合いを防止できる。