JP2010223376A - 車両用電動式駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】第2減速ギヤ対の潤滑性を確保しつつ、充分に攪拌損失を低減することができる車両用電動式駆動装置を提供する。
【解決手段】カウンタドリブンギヤ50とファイナルドリブンギヤ56とはその下部が少なくとも停車時にはトランスアクスルケース44内の底部に貯溜される潤滑油に浸漬される高さ位置に配設されるものであり、カウンタ軸32はトランスアクスルケース44内において車両最前方側に配設されるものであり、リザーバタンク84はトランスアクスルケース44内において車両最後方側に配設されるものであり、トランスアクスルケース44は、カウンタドリブンギヤ50により掻き上げられる潤滑油をリザーバタンク84へ導くための第2油路88を、ファイナルドリブンギヤ56により掻き上げられる潤滑油をリザーバタンク84へ導くための第1油路86の上方に備えることから、作動油の攪拌損失が低減される。
【選択図】図3
【解決手段】カウンタドリブンギヤ50とファイナルドリブンギヤ56とはその下部が少なくとも停車時にはトランスアクスルケース44内の底部に貯溜される潤滑油に浸漬される高さ位置に配設されるものであり、カウンタ軸32はトランスアクスルケース44内において車両最前方側に配設されるものであり、リザーバタンク84はトランスアクスルケース44内において車両最後方側に配設されるものであり、トランスアクスルケース44は、カウンタドリブンギヤ50により掻き上げられる潤滑油をリザーバタンク84へ導くための第2油路88を、ファイナルドリブンギヤ56により掻き上げられる潤滑油をリザーバタンク84へ導くための第1油路86の上方に備えることから、作動油の攪拌損失が低減される。
【選択図】図3
Description
本発明は、電動機から二対の減速ギヤ対および差動歯車装置を介して出力されるトルクにより一対の車軸を回転駆動する車両用電動式駆動装置に係り、特に、その車両用電動式駆動装置のケース内の底部に貯溜される潤滑油を掻き上げて各潤滑部位に供給する掻き上げ潤滑方式が採用された車両用電動式駆動装置に関するものである。
駆動源としての電動機と、その電動機の出力軸とそれに平行なカウンタ軸との間に設けられた第1減速ギヤ対と、そのカウンタ軸とそれに平行なデファレンシャルケースとの間に設けられた第2減速ギヤ対と、そのデファレンシャルケース内に設けられた差動機構を有し、前記電動機から前記第1減速ギヤ対および第2減速ギヤ対を介して伝達されたトルクにより一対の車軸を回転駆動する差動歯車装置とをケース内に備え、そのケース内の底部に貯溜される潤滑油が掻き上げられて各潤滑部位に供給されるとともにその掻き上げられる潤滑油の一部がケース内に設けられたリザーバタンクに貯溜される形式の車両用電動式駆動装置が知られている。例えば、特許文献1に記載されたものがそれである。この特許文献1の車両用電動式駆動装置では、ケース内の底部に貯溜される潤滑油が第1減速ギヤ対の大径側であってカウンタ軸に固定されたカウンタドリブンギヤによって掻き上げられてケース内の各潤滑部位に供給されるようになっている。なお、リザーバタンクに潤滑油の一部を貯溜するのは、車速が上がるにつれて上昇するカウンタドリブンギヤによる潤滑油の攪拌抵抗を低減することを目的として、ケース内の底部に貯溜される潤滑油の油面位置を下げるためである。
ところで、上記従来の車両用電動式駆動装置では、第2減速ギヤ対は潤滑油に浸漬されておらず、この第2減速ギヤ対への潤滑油の供給は前記リザーバタンクからオーバーフローされる潤滑油により為されるようになっている。このため、少なくともリザーバタンクがオーバーフローするまでの間は充分な潤滑が為されないという問題があった。
これに対して、例えば第2減速ギヤ対の大径側であってデファレンシャルケースに固定されたファイナルドリブンギヤを潤滑油に浸漬させる高さ位置に配設することにより、第2減速ギヤ対(ファイナルドリブンギヤ)を直接的に潤滑させるようにすることが考えられる。しかしながら、上記ファイナルドリブンギヤを潤滑油に浸漬させることにより、潤滑油の攪拌抵抗による攪拌損失が増大するという問題が発生する。特に、中車速領域以降の攪拌抵抗の増大が問題となる。
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、第2減速ギヤ対の潤滑性を確保しつつ、充分に攪拌損失を低減することができる車両用電動式駆動装置を提供することにある。
かかる目的を達成するための請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(1)駆動源としての電動機と、その電動機の出力軸とそれに平行なカウンタ軸との間に設けられた第1減速ギヤ対と、そのカウンタ軸とそれに平行なデファレンシャルケースとの間に設けられた第2減速ギヤ対と、そのデファレンシャルケース内に設けられた差動機構を有し、前記電動機から前記第1減速ギヤ対および第2減速ギヤ対を介して伝達されたトルクにより一対の車軸を回転駆動する差動歯車装置とをケース内に備え、そのケース内の底部に貯溜される潤滑油が掻き上げられて各潤滑部位に供給されるとともにその掻き上げられる潤滑油の一部がケース内に設けられたリザーバタンクに貯溜される形式の車両用電動式駆動装置であって、(2)前記第1減速ギヤ対の大径側であって前記カウンタ軸に固定されたカウンタドリブンギヤと前記第1減速ギヤ対の大径側であって前記デファレンシャルケースに固定されたファイナルドリブンギヤとは、その下部が少なくとも停車時には前記ケース内の底部に貯溜される潤滑油に浸漬される高さ位置に配設されるものであり、(3)前記カウンタ軸は、前記デファレンシャルケースに比較して車両前方側に配設されるものであり、(4)前記リザーバタンクは、前記カウンタ軸に比較して車両後方側に配設されるものであり、(5)前記ファイナルドリブンギヤにより掻き上げられる潤滑油を前記リザーバタンクへ導くための第1油路と、前記カウンタドリブンギヤにより掻き上げられる潤滑油を前記リザーバタンクへ導くためにその第1油路の上方に配設された第2油路とが前記ケース内に備えられていることにある。
請求項1にかかる発明の車両用電動式駆動装置によれば、前記第1減速ギヤ対の大径側であって前記カウンタ軸に固定されたカウンタドリブンギヤと前記第1減速ギヤ対の大径側であって前記デファレンシャルケースに固定されたファイナルドリブンギヤとは、その下部が少なくとも停車時には前記ケース内の底部に貯溜される潤滑油に浸漬される高さ位置に配設されるものであり、前記カウンタ軸は、前記デファレンシャルケースに比較して車両前方側に配設されるものであり、前記リザーバタンクは、前記カウンタ軸に比較して車両後方側に配設されるものであり、前記ファイナルドリブンギヤにより掻き上げられる潤滑油を前記リザーバタンクへ導くための第1油路と、前記カウンタドリブンギヤにより掻き上げられる潤滑油を前記リザーバタンクへ導くためにその第1油路の上方に配設された第2油路とが前記ケース内に備えられていることから、比較的回転速度が速くて潤滑油の掻き上げ能力に優れる(掻き上げ量が多い)カウンタドリブンギヤの潤滑油の掻き上げ作動が円滑に行われるようにカウンタドリブンギヤ、リザーバタンク、および第2油路の配置が最適化されることで低車速領域における潤滑油の攪拌抵抗が低減され、ファイナルドリブンギヤの潤滑油の掻き上げ作動によりその掻き上げによるリザーバタンクへの潤滑油の供給が開始される中車速領域における潤滑油の攪拌抵抗が低減されるので、ファイナルドリブンギヤが潤滑油に浸漬されることで第2減速ギヤ対の潤滑性を確保しつつも、充分に攪拌損失を低減することができる。従来のカウンタドリブンギヤだけで潤滑油を掻き上げる形式のものに比較して、ファイナルドリブンギヤが潤滑油に浸漬される分は攪拌損失が増加するが、上記各部材の配置の最適化による攪拌損失の低減とファイナルドリブンギヤによる中車速領域の攪拌損失の低減とがそれを上回ることで、全体的には攪拌損失が低減される。
ここで、好適には、前記第1油路は、比較的低い位置すなわちファイナルドリブンギヤの上部に近い高さ位置に配設される。このようにすれば、前記カウンタドリブンギヤに比較して回転速度が遅いファイナルドリブンギヤであっても潤滑油の掻き上げ作動が可及的に低い車速から開始されるので、一層効率よく攪拌損失が低減される。
また、好適には、前記デファレンシャルケースは、前記電動機と同心に設けられる。このようにすれば、小型化された2軸式の車両用電動式駆動装置が得られる。
また、好適には、前記ケースは、前記出力軸の一端部における前記電動機と前記第1減速ギヤ対の小径側のカウンタドライブギヤとの間、前記カウンタ軸の一端部、および前記デファレンシャルケースの一端部をそれぞれ支持するための第1支持壁を有する第1分割ケース部と、前記出力軸の他端部を支持するための第2支持壁を有して前記第1分割ケース部に連結された第2分割ケース部と、前記カウンタ軸の他端部および前記デファレンシャルケースの他端部をそれぞれ支持するための第3支持壁を有して前記第1分割ケース部の前記第2分割ケース部とは反対側に連結された第3分割ケース部とを備える3分割式のものである。このようにすれば、2軸型の車両用電動式駆動装置のケース分割数が従来の4分割から本発明の3分割へ低減されるので、部品点数が削減されて製造コストが低減される。
また、好適には、前記第1分割ケース部の第1支持壁は、前記カウンタドリブンギヤおよびファイナルドリブンギヤにより掻き上げられた潤滑油が前記電動機に飛散しないようにその電動機と前記第1減速ギヤ対および第2減速ギヤ対との間を仕切るための仕切り壁としても機能する。このようにすれば、前記カウンタドリブンギヤおよびファイナルドリブンギヤにより掻き上げられた潤滑油が前記電動機に飛散することでその電動機の回転抵抗が増すことを防止できるので、上記回転抵抗が増すことによる駆動損失の発生を防止することができる。
また、好適には、前記第1支持壁は、前記出力軸の一端部を出力軸用軸受を介して支持する板状の第1支持部と、その出力軸用軸受を嵌め着けるために前記第1支持部に形成された円筒状嵌着面の内径よりも外径が小さく形成されて前記第1支持部に連結され、前記デファレンシャルケースの一端部をデファレンシャルケース用軸受を介して支持する板状の第2支持部とを備えて構成される。このようにすれば、第1分割ケース部の製造過程において、例えばダイカスト製等の粗材を製作する鋳造工程で置き中子等を用いずとも、また、その鋳造工程を経て製作された粗材に機械加工を施さずとも前記第1支持部および第2支持部の外形を成形することができるので、上記置き中子等を用いたり機械加工を施したりするような量産性に欠ける工法を取る必要がなく、製造コストが低減される。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用された車両の駆動系の概略構成を示す図である。図1において、この車両は、燃料を燃焼させて動力を出力するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の公知の内燃機関により構成されるエンジン12と、電動機14を内蔵し、上記エンジン12および電動機14のいずれか1または両方の動力を選択的に出力して左右一対の前方車軸16および前輪18を回転駆動するフロントトランスアクスル20と、電動機22を内蔵し、その電動機22の動力により左右一対の後方車軸(車軸)24および後輪26を回転駆動するリアトランスアクスル28とを備える電気式4輪駆動車両である。
このような電気式4輪駆動車両は、例えば、車両発進時には電動機14および電動機22の動力により走行し、また、エンジン12の運転効率のよい走行領域の場合にはエンジン12の動力により走行するようになっている。また、低速走行時あるいは緩やかな坂を下っているとき等のエンジン12の運転効率の悪い場合には、エンジン12の運転を停止して電動機14の動力により走行するようになっている。また、加速走行時にはエンジン12の動力により走行するとともに電動機14および電動機22の動力を補助的に用いるようになっている。また、減速時(アクセルオフ時も含む)には、電動機14および電動機22を発電機として作動させることで運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回収するようになっている。また、低摩擦路での走行時などにフロントタイヤがスリップした場合には、電動機14を発電機として作動させることでエンジン動力を吸収して前輪18の駆動力を低下させると同時に、電動機14で発電した電力を利用して電動機22を作動させて4輪駆動状態とすることにより車両の安定性を確保するようになっている。
上記リアトランスアクスル28は、本発明における車両用電動式駆動装置に相当するものである。以下では、このリアトランスアクスル28に関して詳しく説明する。
図2は、図1のリアトランスアクスル28の構成を説明する骨子図である。図3は、図2のIII-III矢視部を示す断面図であり、図4は、図2のIV-IV矢視部を示す断面図である。図2乃至図4において、リアトランスアクスル28は、駆動源としての電動機22と、その電動機22の出力軸30とそれに平行なカウンタ軸32との間に設けられた第1減速ギヤ対34と、カウンタ軸32とそのカウンタ軸に平行且つ電動機22と同心のデファレンシャルケース36との間に設けられた第2減速ギヤ対38と、デファレンシャルケース36内に設けられた差動機構40を有し、電動機22から第1減速ギヤ対34および第2減速ギヤ対38を介して伝達されたトルクにより一対の後方車軸24を回転駆動する差動歯車装置42とをトランスアクスルケース44内に備えて構成される2軸型の車両用電動式駆動装置である。本実施例では、リアトランスアクスル28の各構成要素は、トランスアクスルケース44内において車両左側から電動機22、第1減速ギヤ対34、および第2減速ギヤ対38(差動歯車装置42)の順に配置されている。以下、車両左側と記載するときは、第2減速ギヤ対38に対する電動機22側を指し、また、車両右側と記載するときは、電動機22に対する第2減速ギヤ対38側を指すものとする。
上記出力軸30は、その一端部(車両右側)が中央部および他端部に比べて大径化された段付中空円筒状部材である。この出力軸30の長手方向の中央部には電動機22のローター22aが連結され、一端部の中央部側と他端部とには一対の軸受(出力軸用軸受)46が嵌め着けられている。出力軸30は、それら一対の軸受46を介してトランスアクスルケース44により回転可能に支持されている。
前記第1減速ギヤ対34は、小径側のカウンタドライブギヤ48と、大径側のカウンタドリブンギヤ50とから成る。カウンタドライブギヤ48は、出力軸30の一端部の先端側に一体的に固定されている。また、カウンタドリブンギヤ50は、カウンタドライブギヤ48と噛み合う状態でカウンタ軸32の一端部(車両左側)に一体的に固定されている。
前記カウンタ軸32は、それぞれ同心に設けられた出力軸30やデファレンシャルケース36、およびそれらに固定されたカウンタドライブギヤ48や後述のファイナルドリブンギヤ56よりも車両前方側に設けられている。これにより、カウンタドリブンギヤ50は、トランスアクスルケース44内の最前方側に配置される。このカウンタ軸32の一端部および他端部の先端側には、一対の軸受(カウンタ軸用軸受)52が嵌め着けられている。このカウンタ軸32は、これら一対の軸受52を介してトランスアクスルケース44により回転可能に支持されている。
前記第2減速ギヤ対38は、小径側のファイナルドライブギヤ54と、大径側のファイナルドリブンギヤ56とから成る。ファイナルドライブギヤ54は、カウンタ軸32の他端部に一体的に固定されている。また、ファイナルドリブンギヤ56は、ファイナルドライブギヤ54と噛み合う状態でデファレンシャルケース36の外周部に嵌め着けられて一体的に固定されている。
前記デファレンシャルケース36は、差動機構40を収容する本体部36aと、その本体部36aが回転軸心方向の両側にそれぞれ有する開口縁からその回転軸心方向へそれぞれ突き出す一対の円筒状端部36bとを備えている。これら一対の円筒状端部36bの外周面には、一対の軸受(デファレンシャルケース用軸受)60が嵌め着けられている。デファレンシャルケース36は、これら一対の軸受60を介してトランスアクスルケース44により回転可能に支持されている。
前記差動機構40は、良く知られた所謂傘歯車式のものである。すなわち、デファレンシャルケース36の本体部36a内においてその回転軸心上で相対向する一対のサイドギヤ62と、それら一対のサイドギヤ16間においてデファレンシャルケース36の回転軸心に直交する状態でそのデファレンシャルケース36に固設されたピニオンシャフト64により回転可能に支持されるとともに、上記一対のサイドギヤ62とそれぞれ噛み合う一対のピニオンギヤ66とを備えている。前記一対の後方車軸24は、一対のサイドギヤ62に一体的に連結されている。上記デファレンシャルケース36と差動機構40とを備えて構成される差動歯車装置42は、電動機22から第1減速ギヤ対34および第2減速ギヤ対38を介して伝達されたトルクにより、一対の後方車軸24の回転速度差を許容しつつそれら一対の後方車軸24を回転駆動するものである。なお、上記一対の後方車軸24の車両左側の一方は、中空円筒状に形成された出力軸30を挿通して一対の後輪26の車両左側の一方に連結されている。
前記トランスアクスルケース44は、後方車軸24の軸心方向において3分割された複数の分割ケース部、すなわち主として第1減速ギヤ対34を収容する筒状の第1分割ケース部68と主として電動機22を収容する蓋状の第2分割ケース部70と主として第2減速ギヤ対38を収容する蓋状の第3分割ケース部72とが図示しないボルトによって相互に締着されることにより油密に構成されている。本実施例のトランスアクスルケース44は、第1分割ケース部68が車両の幅方向の中央付近に位置され、第2分割ケース部70が第1分割ケース部68の車両左側に連結され、第3分割ケース部72が第1分割ケース部68の車両右側すなわち第1分割ケース部68の第2分割ケース部70とは反対側に連結された3分割式のものである。これらの分割ケース部は、鋳造軽合金例えばアルミダイカスト等により形成されている。
上記第1分割ケース68は、第1減速ギヤ対34の外周側において筒状に形成された外周壁68aと、その外周壁68aの車両左側の開口を塞ぐように一体的に設けられた第1支持壁68bとを備えている。この第1支持壁68bには、前記出力軸30の一端部における電動機22とカウンタドライブギヤ48との間を軸受46を介して支持する第1支持部74と、デファレンシャルケース36の一端部すなわち一対の円筒状端部36bの車両左側の一方を軸受60を介して支持する第2支持部76と、カウンタ軸32の一端部を軸受52を介して支持する第3支持部78とが設けられている。図5は、図2のV矢視部を拡大して示す図である。図2および図5において、第2支持部76は、第1支持部74の開口縁からデファレンシャルケース36側に向けて突設される一部円筒状の連結部82を介して連結され、軸受46を嵌め着けるためにその第1支持部74に形成された円筒状嵌着面80を含む開口部の最小の内径D1よりも外径D2が小さく形成されている。ここで、通常では、出力軸30の一端部を支持するための軸受46は軸受60よりも強度容量が低くて済むために、上記軸受46には軸受60に比較して小径のものが採用される。しかし、本実施例では、第1分割ケース68を第1支持部74と第2支持部76とを備えつつも後述のように量産性に優れた形状とするために、上記軸受46は敢えて軸受60およびそれを収容する第2支持部76よりも大径のものとしている。
ここで、上記のように構成される第1分割ケース68が量産性に優れる点に関して説明する。前述のように、第1分割ケース68は例えばアルミダイカスト等の鋳物である。鋳物は、量産性を確保する場合には、後述の所謂型抜きの関係で1ケースに仕切り壁を1つしか作ることができない。仕切り壁を2つ以上作ることは、例えば置き中子等を用いる或いは後工程にて機械加工を施すことで可能となるが、量産性に欠けることから採用し難い。図6および図7は、第1分割ケース68の製作工程のうち、仕上げ加工を施す前の粗材を製作する鋳造工程を説明する模式図である。第1分割ケース68の粗材は、先ず、図6に示すように相互に組み合わされた一対の金型83の中のキャビティ内に例えばアルミニウム合金等の溶融金属が高圧力を用いて注湯され、次いで、その金属が充分に固まった後に、図7において矢印Cで示すように両金型83がそれぞれ反対方向に引き抜かれて取り出されることにより製作される。本実施例の第1分割ケース68の形状すなわち第1支持部74の開口部の最小内径D1よりも第2支持部76の外径D2が小さい形状であれば、例えば鋳造工程で置き中子等を用いずとも、また、鋳造工程を経て製作された粗材に機械加工を施さずとも、第1支持部74および第2支持部76の外形を鋳造工程において成形することが可能となる。したがって、本実施例の第1分割ケース68は、第1支持部74と第2支持部76とを備えつつも量産性に優れている。
図2乃至図4に戻って、前記第2分割ケース70は、電動機22の外周側において筒状に形成された外周壁70aと、その外周壁70aの車両左側の開口を塞ぐように一体的に設けられた第2支持壁70bとを備えている。この第2支持壁70bは、電動機22の車両左側の他端部を軸受52を介して支持するようになっている。
前記第3分割ケース72は、作動歯車装置42および第2減速ギヤ対38の外周側において筒状に形成された外周壁72aと、その外周壁72aの車両右側の開口を塞ぐように一体的に設けられた第3支持壁72bとを備えている。この第3支持壁72bは、デファレンシャルケース36の他端部すなわち一対の円筒状端部36bの車両右側の他方を軸受60を介して支持するようになっている。
図2および図3に示すように、電動機22のローター22aとカウンタドリブンギヤ50とファイナルドリブンギヤ56とは、その下部が少なくとも停車時にはトランスアクスルケース44の底部に貯溜される潤滑油に浸漬される高さ位置に配設される。そして、カウンタドリブンギヤ50とファイナルドリブンギヤ56とは、回転することによりそのトランスアクスルケース44の底部に貯溜された潤滑油を掻き上げて各潤滑部位に供給するようになっている。すなわち、本実施例のリアトランスアクスル28には、トランスアクスルケース44内の底部に貯溜される潤滑油を掻き上げて各潤滑部位に供給する掻き上げ潤滑方式が採用されている。上記潤滑部位には、例えば第1減速ギヤ対34および第2減速ギヤ対38の噛合部、差動機構40のギヤ噛合部や回転摺動部、および各軸受などが相当する。なお、本実施例では、前記第1分割ケース部68の第1支持壁68bは、カウンタドリブンギヤ50やファイナルドリブンギヤ56により掻き上げられた潤滑油が電動機22に向けて飛散しないようにその電動機22と第1減速ギヤ34および第2減速ギヤ対38との間を仕切るための仕切り壁としても機能する。
ここで、トランスアクスルケース44には、車速Vが上がるにつれて上昇するカウンタドリブンギヤ50による潤滑油の攪拌抵抗を低減することを目的として、トランスアクスルケース44内の底部に貯溜される潤滑油の油面位置を下げるために、前記掻き上げられる潤滑油の一部を貯溜するためのリザーバタンク84が設けられている。このリザーバタンク84は、図2乃至図4に示すように、トランスアクスルケース44の底部の油面位置よりも高い位置で潤滑油が貯溜できるように、各分割ケース部68、70、および72の外周壁68a、70a、および72aの内周面から上方に向けて延設された板状のタンク壁68c、70c、および72cを備えて構成されている。本実施例では、リザーバタンク84は、トランスアクスルケース44の最後方側(クランク軸32を含む第1減速ギヤ対34および第2減速ギヤ対38よりも車両後方側)に配置されている。カウンタドリブンギヤ50により掻き上げられる潤滑油の多くが図3中の矢印Aのように上方且つ後方へ飛ばされるようになっているため、リザーバタンク84は、上記飛ばされる潤滑油を効率的に収容可能な位置すなわちトランスアクスルケース44の最後方側に配設されている。これにより、ファイナルドリブンギヤ56に比較して回転速度が速くて潤滑油の掻き上げ能力に優れる(掻き上げ量が多い)カウンタドリブンギヤ50の潤滑油の掻き上げ作動が円滑に行われるようになっている。なお、リザーバタンク84に貯溜された潤滑油は、そのリザーバタンク84に設けられた図示しない潤滑油供給口から他の潤滑部位へ供給されるか、所定量以上溜まることでリザーバタンク84からオーバーフローされるか、あるいはトランスアクスルケース44の底部の油面位置が低下することで潤滑油に浸漬されなくなったベアリングやオイルシール等の潤滑必要箇所にリザーバタンク84の底部に設けられた図示しない排出口からの自然流出油が供給されることによって、トランスアクスルケース44内の底部に戻されるようになっている。
また、トランスアクスルケース44には、ファイナルドリブンギヤ56に掻き上げられる潤滑油を図4中の矢印Bで示すように効率よくリザーバタンク84へ導くために後方に開口して後方へ導く第1油路86と、カウンタドリブンギヤ50により掻き上げられる潤滑油を効率よくリザーバタンク84へ導くために前方に開口して後方へ導く第2油路88とが設けられている。上記第2油路88は、各タンク壁68cおよび72cからカウンタドリブンギヤ50の上部近くまで延設された板状の導油壁68dおよび72dと各外周壁68aおよび72aとの間に構成されて第1油路86の上側に位置して構成されている。図8は、図4のVIII-VIII矢視部の断面図を示す図である。図3、図4、および図8において、上記第1油路86は、導油壁68dおよび72dの先端部からファイナルドリブンギヤ56の上部近くまで延設された板状の導油壁68eおよび72eと上記導油壁68dおよび72dとの間の間隙、および例えば導油壁72dを貫通して設けられた油流通孔90により構成されている。本実施例では、第2油路88は、トランスアクスルケース44内の最上方(第1油路86の上方)に配設され、また、第1油路86は、比較的低い位置すなわち上記第2油路88の下側であってファイナルドリブンギヤ56の上部に近い高さ位置に配設されている。
図9および図10は、車速Vとリアトランスアクスル28の各回転要素の総合的な引きずり抵抗R(潤滑油の攪拌抵抗を含む)との関係を示す図である。図9および図10において、横軸は車速Vを示し、縦軸は引きずり抵抗Rを示している。以下、この図9および図10を用いて本実施例のリアトランスアクスル28と従来のものとの引きずり抵抗Rの違いについて説明する。
図9は、本実施例のリアトランスアクスル28を備えた車両における車速Vとリアトランスアクスル28の各回転要素の総合的な引きずり抵抗Rとの関係を示す図である。図9において、車両停止状態から車速Vが上昇するにつれて引きずり抵抗Rが急激に増大する。しかし、図中のa矢視部付近においてカウンタドリブンギヤ50のリザーバタンク84への潤滑油移動が開始されてトランスアクスルケース44の底部の油面位置が徐々に低下させられるため、潤滑油の攪拌抵抗が減少して引きずり抵抗Rが低下する。そして、油面位置が電動機22のローター22aの下部を下回ることでそのローター22aの潤滑油攪拌が終了するb矢視部付近から、車速Vの上昇に従って引きずり抵抗Rが上昇するが、c矢視部付近においてファイナルドリブンギヤ56のリザーバタンク84への潤滑油移動が開始されてトランスアクスルケース44の底部の油面位置がさらに徐々に低下させられるため、潤滑油の攪拌抵抗が減少して引きずり抵抗Rが大幅に低下する。そして、カウンタドリブンギヤ50のリザーバタンク84への潤滑油移動が終了するd矢視部付近から引きずり抵抗Rが徐々に上昇する。
図10は、本実施例のリアトランスアクスル28と、従来のものとしてリザーバタンク84が車両前方側すなわち例えばカウンタドリブンギヤ50の前方に設けられた場合と、従来のものとして潤滑油の掻き上げ作動がカウンタドリブンギヤ50のみで行われる場合と、従来のものとして第1油路86が比較的上方すなわち第2油路88と同等の高さ位置に設けられた場合とで、それらを搭載した車両における車速Vと引きずり抵抗Rとの関係を比較して示す図である。図10において、実線は、本実施例のリアトランスアクスル28の車速Vと引きずり抵抗Rとの関係を示すものであって、図9に対応するものである。また、点線は、従来のものとしてリザーバタンク84がカウンタドリブンギヤ50の前方に設けられた場合の車速Vと引きずり抵抗Rとの関係を示すものである。また、一点鎖線は、従来のものとして潤滑油の掻き上げ作動がカウンタドリブンギヤ50のみで行われる場合の車速Vと引きずり抵抗Rとの関係を示すものである。また、二点鎖線は、従来のものとして第1油路86が比較的上方に設けられた場合の車速Vと引きずり抵抗Rとの関係を示すものである。
図10に示すように、本実施例を示す実線は、従来を示す点線に比較して全体的に大幅に引きずり抵抗Rが低くなっている。これは、カウンタドリブンギヤ50により掻き上げられる潤滑油が円滑にリザーバタンク84に導かれるようにそのリザーバタンク84が配置されることにより、作動油の攪拌抵抗が効果的に低減されるためである。また、図10に示すように、本実施例を示す実線は、従来を示す一点鎖線に比較して中車速領域以降の引きずり抵抗Rが大幅に低くなっている。これは、カウンタドライブギヤ50に加えてファイナルドリブンギヤ56によりリザーバタンク84への潤滑油移動が行われることにより、作動油の攪拌抵抗が効果的に低減されるためである。また、図10に示すように、本実施例を示す実線は、従来を示す二点鎖線に比較して中車速領域の引きずり抵抗Rが大幅に低くなっている。これは、ファイナルドリブンギヤ56のリザーバタンク84への潤滑油移動の開始がより低車速から行われるように第1油路86が配置されることにより、作動油の攪拌抵抗が効果的に低減されるためである。
因みに、図11は、従来のリアトランスアクスル100の概略構成を示す骨子図であって、本実施例の図2に対応する図である。図11に示すように、従来のリアトランスアクスル100においては、リバーバタンク102および104の配置スペースを確保すること、電動機22の配置空間とギヤ類の配置空間とを分けること、および充分な支持剛性を確保することのために、トランスアクスルケース44内に2つの仕切り壁106および108が形成されている。前述のように鋳造工程の型抜きの関係で、トランスアクスルケース44内に仕切り壁を2つ形成するにはトランスアクスルケース44を4分割する必要があるため、従来のリアトランスアクスル100には、本実施例のリアトランスアクスル28の第1分割ケース部68に代えて分割ケース部110および112が設けられている。従来のリアトランスアクスル100では、トランスアクスルケース44を3分割式にすることができないために部品点数が多くなって製造コストが高くなるという問題があった。
上述のように、本実施例のリアトランスアクスル(車両用電動式駆動装置)28によれば、第1減速ギヤ対34の大径側であってカウンタ軸32に固定されたカウンタドリブンギヤ50と第1減速ギヤ対34の大径側であってデファレンシャルケース36に固定されたファイナルドリブンギヤ56とは、その下部が少なくとも停車時にはトランスアクスルケース44内の底部に貯溜される潤滑油に浸漬される高さ位置に配設されるものであり、カウンタ軸32は、トランスアクスルケース44内において車両最前方側(デファレンシャルケース36の車両前方側)に配設されるものであり、リザーバタンク84は、トランスアクスルケース44内において車両最後方側(カウンタ軸32に比較して車両後方側)に配設されるものであり、ファイナルドリブンギヤ56により掻き上げられる潤滑油をリザーバタンク84へ導くための第1油路86と、カウンタドリブンギヤ50により掻き上げられる潤滑油をリザーバタンク84へ導くためにその第1油路86の上方に配設された第2油路88とがトランスアクスルケース44内に備えられている。このことから、比較的回転速度が速くて潤滑油の掻き上げ能力に優れる(掻き上げ量が多い)カウンタドリブンギヤ50の潤滑油の掻き上げ作動が円滑に行われるようにカウンタドリブンギヤ50、リザーバタンク84、および第2油路88の配置が最適化されることで低車速領域における潤滑油の攪拌抵抗が低減され、ファイナルドリブンギヤ56の潤滑油の掻き上げ作動によりその掻き上げによるリザーバタンク84への潤滑油の供給が開始される中車速領域における潤滑油の攪拌抵抗が低減されるので、ファイナルドリブンギヤ56が潤滑油に浸漬されることで第2減速ギヤ対38の潤滑性を確保しつつも、充分に攪拌損失を低減することができる。従来のカウンタドリブンギヤ50だけで潤滑油を掻き上げる形式のものに比較して、ファイナルドリブンギヤ56が潤滑油に浸漬される分は攪拌損失が増加するが、上記各部材の配置の最適化による攪拌損失の低減とファイナルドリブンギヤ56による中車速領域の攪拌損失の低減とがそれを上回ることで、全体的には攪拌損失が低減される。
また、本実施例のリアトランスアクスル28によれば、第1油路86は、比較的低い位置すなわちファイナルドリブンギヤ56の上部に近い高さ位置に配設されることから、カウンタドリブンギヤ50に比較して回転速度が遅いファイナルドリブンギヤ56であっても潤滑油の掻き上げ作動が可及的に低車速から開始されるので、一層効率よく攪拌損失が低減される。
また、本実施例のリアトランスアクスル28によれば、デファレンシャルケース36は、電動機22と同心に設けられることから、小型化された2軸式の車両用電動式駆動装置が得られる。
また、本実施例のリアトランスアクスル28によれば、トランスアクスルケース44は、出力軸30の一端部における電動機22とカウンタドライブギヤ48との間、カウンタ軸32の一端部、およびデファレンシャルケース36の一端部をそれぞれ支持するための第1支持壁68bを有する第1分割ケース部68と、出力軸30の他端部を支持するための第2支持壁70bを有して第1分割ケース部68に連結された第2分割ケース部70と、カウンタ軸32の他端部およびデファレンシャルケース36の他端部をそれぞれ支持するための第3支持壁72bを有して第1分割ケース部68の第2分割ケース部70とは反対側に連結された第3分割ケース部72とを備える3分割式のものであることから、ケース分割数が従来のリアトランスアクスル100の4分割から本実施例のリアトランスアクスル28の3分割へ低減されるので、部品点数が削減されて製造コストが低減される。
また、本実施例のリアトランスアクスル28によれば、第1分割ケース部68の第1支持壁68bは、カウンタドリブンギヤ50およびファイナルドリブンギヤ56により掻き上げられた潤滑油が電動機22に飛散しないようにその電動機22と第1減速ギヤ対34および第2減速ギヤ対38との間を仕切るための仕切り壁としても機能することから、カウンタドリブンギヤ50およびファイナルドリブンギヤ56により掻き上げられた潤滑油が電動機22に飛散することでその電動機22の回転抵抗が増すことを防止できるので、上記回転抵抗が増すことによる駆動損失の発生を防止することができる。
また、本実施例のリアトランスアクスル28によれば、第1支持壁68bは、出力軸22の一端部を軸受46を介して支持する板状の第1支持部74と、その軸受46を嵌め着けるために第1支持部74に形成された円筒状嵌着面80の内径D1よりも外径D2が小さく形成されて第1支持部74に連結され、デファレンシャルケース36の一端部を軸受52を介して支持する板状の第2支持部76とを備えて構成されることから、第1分割ケース部68の製造過程において、例えば鋳造工程で置き中子等を用いずとも、また、鋳造工程を経て製作された粗材に機械加工を施さずとも第1支持部74および第2支持部76の外形を鋳造工程において一度に成形することが可能となるので、上記置き中子等を用いたり機械加工を施したりするような量産性に欠ける工法を取る必要がなく、製造コストが低減される。
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、別の態様でも実施され得る。
たとえば、前述の実施例において、本発明は、電気式4輪駆動車両のリアトランスアクスル28に適用されていたが、これに限らず、例えば、電気自動車において主動力源として用いられる駆動装置に適用されてもよい。
また、前述の実施例において、本発明は、2軸式の車両用電動式駆動装置であるリアトランスアクスル28に適用されていたが、これに限らず、例えば電動機22が差動歯車装置42と同心に設けられていない3軸式の車両用電動式駆動装置にも適用され得る。
また、前述の実施例において、各分割ケース部は、鋳造軽合金であるアルミダイカスト等により形成されていたが、これに限らず、例えば、鋳鉄等の他の金属製の鋳物であってもよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
22:電動機
24:後方車軸(車軸)
28:リアトランスアクスル(車両用電動式駆動装置)
30:出力軸
32:カウンタ軸
34:第1減速ギヤ対
36:デファレンシャルケース
38:第2減速ギヤ対
40:差動機構
42:差動歯車装置
44:トランスアクスルケース
50:カウンタドリブンギヤ
56:ファイナルドリブンギヤ
84:リザーバタンク
86:第1油路
88:第2油路
24:後方車軸(車軸)
28:リアトランスアクスル(車両用電動式駆動装置)
30:出力軸
32:カウンタ軸
34:第1減速ギヤ対
36:デファレンシャルケース
38:第2減速ギヤ対
40:差動機構
42:差動歯車装置
44:トランスアクスルケース
50:カウンタドリブンギヤ
56:ファイナルドリブンギヤ
84:リザーバタンク
86:第1油路
88:第2油路
Claims (1)
- 駆動源としての電動機と、該電動機の出力軸とそれに平行なカウンタ軸との間に設けられた第1減速ギヤ対と、該カウンタ軸とそれに平行なデファレンシャルケースとの間に設けられた第2減速ギヤ対と、該デファレンシャルケース内に設けられた差動機構を有し、前記電動機から前記第1減速ギヤ対および第2減速ギヤ対を介して伝達されたトルクにより一対の車軸を回転駆動する差動歯車装置とをケース内に備え、該ケース内の底部に貯溜される潤滑油が掻き上げられて各潤滑部位に供給されるとともに該掻き上げられる潤滑油の一部がケース内に設けられたリザーバタンクに貯溜される形式の車両用電動式駆動装置であって、
前記第1減速ギヤ対の大径側であって前記カウンタ軸に固定されたカウンタドリブンギヤと前記第1減速ギヤ対の大径側であって前記デファレンシャルケースに固定されたファイナルドリブンギヤとは、その下部が少なくとも停車時には前記ケース内の底部に貯溜される潤滑油に浸漬される高さ位置に配設されるものであり、
前記カウンタ軸は、前記デファレンシャルケースに比較して車両前方側に配設されるものであり、
前記リザーバタンクは、前記カウンタ軸に比較して車両後方側に配設されるものであり、
前記ファイナルドリブンギヤにより掻き上げられる潤滑油を前記リザーバタンクへ導くための第1油路と、前記カウンタドリブンギヤにより掻き上げられる潤滑油を前記リザーバタンクへ導くために該第1油路の上方に配設された第2油路とが前記ケース内に備えられていることを特徴とする車両用電動式駆動装置。
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