JP2009197918A - 車両用動力伝達装置の潤滑構造 - Google Patents

車両用動力伝達装置の潤滑構造 Download PDF

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佑公 原田
Shinichi Kojima
真一 小島
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Abstract

【課題】車両の走行状態に応じてキャッチタンク本体内の潤滑油の充填率が低下するのを防止することができ、歯車に与えられる潤滑油の攪拌抵抗が増大して動力損失が増大するのを防止することができる車両用動力伝達装置の潤滑構造を提供すること。
【解決手段】キャッチタンク本体51内に、キャッチタンク本体51と共にキャッチタンク本体51内を複数の潤滑油貯留室53に仕切る複数の仕切り板52を設け、この仕切り板52をハイブリッド車両21の前後方向に対して略直交する方向に延在させるとともに、ハイブリッド車両の前後方向に沿って設置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用動力伝達装置の潤滑構造に関し、特に、駆動源に連結される歯車の回転に伴い、歯車によって掻き上げられた潤滑油を貯留するキャッチタンクを有する車両用動力伝達装置の潤滑構造に関する。
一般に、車両用動力伝達装置では、駆動源に連動連結される複数歯車がケーシング内に設けられており、このケーシングの内周底面に歯車の潤滑油が貯留されている。このケーシングの上方には複数歯車のうちのいずれかの歯車によってケーシングの内周底面から掻き上げられた潤滑油を捕捉して貯留するキャッチタンクが設けられており、このキャッチタンクは、上面が開口するキャッチタンク本体と、歯車によって掻き上げられた潤滑油をキャッチタンク本体内に導入する導入部と、キャッチタンク本体内の潤滑油をケーシングの内周底面に自然流動により戻す潤滑油戻し穴とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
駆動源の駆動力は、各歯車を通して減速された後、車輪に伝達され、車両が所望速度で走行可能されるようになっているため、歯車の回転により、ケーシングの内周底面から掻き上げられた潤滑油によって歯車同士の噛合部が潤滑される。
また、歯車によって掻き上げられた潤滑油の一部は、キャッチタンクにより捕捉されてキャッチタンク本体内に貯留されることにより、ケーシングの内周底面における潤滑油の液面が下降することにより、歯車に与えられる潤滑油の攪拌抵抗が低減し、無用な動力損失の発生を防止することができる。
一方、駆動源の停止時(車両の停止時)に歯車の回転が停止した場合において、歯車によりケーシングの内周底面の潤滑油が掻き上げられることがなくなるため、キャッチタンク本体内の潤滑油が潤滑油戻し穴を通ってケーシング内に流入して、ケーシングの内周底面における潤滑油の液面が上昇するようになっている。
特開2007−32797号公報
しかしながら、このような従来のキャッチタンクにあっては、上面が開口するキャッチタンク本体を備えているため、車両の登降坂走行時にケーシングが前傾または後傾したとき、あるいは加減速走行時等に、キャッチタンク本体内の潤滑油がキャッチタンク本体内において車両の前後方向の何れか一方に偏ってしまう。
このため、登降坂走行または加減速走行等が継続すると、キャッチタンク本体内の潤滑油が車両の前後方向の一方に偏って貯留されてしまう。このため、キャッチタンク本体内の一部に潤滑油が貯留できない空間が発生してしまう。
例えば、キャッチタンクの潤滑油の導入部が車両の後方側に設けられていると、登坂走行時や加速時にキャッチタンク本体内の潤滑油が車両の後方側に偏ってしまうため、後方に偏った潤滑油に遮られて新たに歯車から掻き上げられた潤滑油がキャッチタンク本体内に導入されなくなる。このため、車両の前方側のキャッチタンク本体内に空間が生じてしまい、この分だけ潤滑油の充填率が低下してしまうのである。
したがって、キャッチタンク本体内に充填できなかった潤滑油がケーシングの底部に落下してケーシングの内周底面における潤滑油の液面が上昇することにより、歯車に与えられる潤滑油の攪拌抵抗が増大して動力損失が増大してしまうことがあった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、車両の走行状態に応じてキャッチタンク本体内の潤滑油の充填率が低下するのを防止することができ、歯車に与えられる潤滑油の攪拌抵抗が増大して動力損失が増大するのを防止することができる車両用動力伝達装置の潤滑構造を提供することを目的とする。
本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造は、目的を達成するため、(1)内周底面に潤滑油が貯留されるケーシングと、前記ケーシングに収納され、駆動源に連結される複数の歯車と、前記複数の歯車の上方に位置するようにケーシングの上部に設けられ、前記複数の歯車のうちの少なくとも1つの歯車によって掻き上げられる潤滑油を捕捉することにより、潤滑油を貯留するキャッチタンクとを備えた車両用動力伝達装置の潤滑構造において、前記キャッチタンクが、上端に開口部を有するとともに、潤滑油の導入部を有するキャッチタンク本体と、前記キャッチタンク本体内に設けられ、前記キャッチタンク本体と共に前記キャッチタンク本体内を複数の潤滑油貯留室に仕切る複数の仕切り板と、前記キャッチタンク本体に設けられ、前記複数の潤滑油貯留室から潤滑油を落下させる潤滑油戻し部とを備え、前記仕切り板の上端部と前記ケーシングの内周上面との間に隙間を形成することにより、前記隙間を介して前記複数の潤滑油貯留室が連通するものから構成されている。
この構成により、ケーシングの内周底面に貯留された潤滑油が歯車によって掻き上げられることにより、歯車の噛合面の潤滑を行いつつ、歯車によって噛合面より上方に掻き上げられた潤滑油が導入部を介してキャッチタンク本体内に導入される。このとき、仕切り板の上端部とケーシングの内周上面の間の隙間を通って仕切り板とキャッチタンク本体によって画成される潤滑油貯留室に潤滑油が順次貯留される。
また、車両の走行状態に応じてキャッチタンク本体内の潤滑油が偏るような事態が発生した場合に、キャッチタンク本体内に貯留された潤滑油の移動を仕切り板によって阻止することにより、キャッチタンク本体内において潤滑油が一方に偏るのを防止することができ、キャッチタンク本体内で潤滑油が充填されない空間が生じるのを防止することができる。
このため、キャッチタンク本体内の潤滑油の充填率が低下するのを防止することができ、歯車に与えられる潤滑油の攪拌抵抗が増大するのを防止して、動力損失が増大するのを防止することができる。
また、キャッチタンク本体内の潤滑油の充填率が低下することがないため、ケーシングの内周底面に貯留される潤滑油量を少なくすることができ、ケーシングの上部にブリーザ装置を有する場合には、ブリーザ装置から潤滑油が吹き出し、ブリーザ吹きが生じてしまうのを防止することができる。
上記(1)に記載の車両用動力伝達装置の潤滑構造において、(2)前記仕切り板が、車両の前後方向に対して略直交する方向に延在し、車両の前後方向に沿って設置されるものから構成されている。
この構成により、車両の登降坂走行時または加減速走行時等に、ケーシング本体内の潤滑油が車両の前方または後方に偏るような事態が発生した場合に、キャッチタンク本体内に貯留された潤滑油の移動を仕切り板によって阻止することができる。
このため、キャッチタンク本体内において潤滑油が車両の前方または後方に偏るのを防止することができ、キャッチタンク本体内で潤滑油が充填されない空間が生じるのを防止することができる。このため、キャッチタンク本体内の潤滑油の充填率が低下するのを防止することができる。
上記(1)に記載の車両用動力伝達装置の潤滑構造において、(3)前記仕切り板が、車両の前後方向と略同方向に延在し、車両の前後方向と略直交する方向に沿って設置されるものから構成されている。
この構成により、車両の旋回走行時にキャッチタンク本体内の潤滑油が車両の左方または右方に偏るような事態が発生した場合に、キャッチタンク本体内に貯留された潤滑油の移動を仕切り板によって阻止することができる。
このため、キャッチタンク本体内において潤滑油が車両の前方または後方に偏るのを防止することができ、キャッチタンク本体内で潤滑油が充填されない空間が生じるのを防止することができる。このため、キャッチタンク本体内の潤滑油の充填率が低下するのを防止することができる。
上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の車両用動力伝達装置の潤滑構造において、(4)前記潤滑油戻し部が、前記複数の潤滑油貯留室と前記ケーシング内を連通するように前記キャッチタンク本体の底部に形成される潤滑油戻し穴から構成されている。
この構成により、車両の停止時に駆動源が停止することにより、歯車が停止して歯車により潤滑油が掻き上げられなくなると、キャッチタンク本体内の潤滑油が潤滑油戻し穴を通ってケーシング内に流入して、ケーシングの内周底面における潤滑油の液面を上昇させることができる。
上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の車両用動力伝達装置の潤滑構造において、(5)前記潤滑油戻し部が、少なくとも1つ以上の潤滑油貯留室と前記ケーシング内を連通するように前記キャッチタンク本体の底部に形成される潤滑油戻し穴と、隣接する前記潤滑油貯留室を連通するように前記仕切り形成された連通孔とから構成され、全ての潤滑油貯留室が前記連通孔を通して連通するものから構成されている。
この構成により、潤滑油導入室が連通孔を介して連通されるので、車両の停止時に駆動源が停止することにより、歯車が停止して歯車により潤滑油が掻き上げられなくなると、各潤滑油貯留室に充填された潤滑油が連通孔を通して潤滑油戻し穴を有する潤滑油貯留室に集まり、この潤滑油貯留室の潤滑油戻し穴を通ってケーシング内に落下する。このため、ケーシングの内周底面における潤滑油の液面を上昇させることができる。
上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の車両用動力伝達装置の潤滑構造において、(6)前記キャッチタンクが、車両の前方に位置する第1のキャッチタンクおよび前記第1のキャッチタンクに対して車両の後方に位置する第2のキャッチタンクを備えるとともに、前記歯車が、前記第1のキャッチタンクの下方に位置する第1の歯車と前記第2のキャッチタンクの下方に位置する第2の歯車とを備え、前記第1の歯車によって掻き上げられた潤滑油が前記第1のキャッチタンクに貯留されるとともに前記第2の歯車によって掻き上げられた潤滑油が前記第2のキャッチタンクに貯留されるものから構成されている。
この構成により、例えば、車両の登坂走行時にケーシングと共にキャッチタンク本体が後傾した場合には、ケーシングの後方に潤滑油が偏りこの潤滑油の多くが第2の歯車によって掻き上げられて第2のキャッチタンクのキャッチタンク本体に導入される。
このとき、第2のキャッチタンクのキャッチタンク本体に導入された潤滑油が仕切り板の上端部とケーシングの内周上面の間の隙間を通って潤滑油貯留室に潤滑油が貯留される。
そして、第2のキャッチタンクのキャッチタンク本体内に貯留された潤滑油が移動するのを仕切り板によって阻止することができ、このキャッチタンク本体内において潤滑油が一方に偏ることがなく、キャッチタンク本体内で潤滑油が充填されない空間が生じるのを防止することができる。
また、車両の降坂走行時にケーシングと共にキャッチタンク本体が前傾した場合には、ケーシングの前方に潤滑油が偏り、この潤滑油の多くが第1の歯車によって掻き上げられて第1のキャッチタンクのキャッチタンク本体に導入される。
このとき、第1のキャッチタンクのキャッチタンク本体に導入された潤滑油が仕切り板の上端部とケーシングの内周上面の間の隙間を通って潤滑油貯留室に潤滑油が貯留される。
そして、第1のキャッチタンクのキャッチタンク本体内に貯留された潤滑油の移動を仕切り板によって遮られることにより、このキャッチタンク本体内において潤滑油が一方に偏ることがなく、キャッチタンク本体内で潤滑油が充填されない空間が生じるのを防止することができる。
このため、第1のキャッチタンクおよび第2のキャッチタンク本体内の潤滑油の充填率が低下するのを防止することができ、第1の歯車および第2の歯車に与えられる潤滑油の攪拌抵抗が増大するのを防止して、動力損失が増大するのを防止することができる。
上記(6)に記載の車両用動力伝達装置の潤滑構造において、(7)前記第1のキャッチタンクの前記潤滑油戻し穴が、前記潤滑油貯留室の前方に位置するように前記キャッチタンク本体の底部に形成され、前記第2のキャッチタンクの前記潤滑油戻し穴が、前記潤滑油貯留室の後方に位置するように前記キャッチタンク本体の底部に形成されるものから構成されている。
この構成により、例えば、降坂走行時にケーシングと共にキャッチタンク本体が前傾すると、ケーシング内で車両の前方側に潤滑油が偏り、第1の歯車によって第1のキャッチタンクに潤滑油が掻き上げられる。
このとき、第2の歯車によって第2のキャッチタンクに掻き上げられる潤滑油量が少なくなるため、第2のキャッチタンクに導入される潤滑油量に対して潤滑油戻し部を通して潤滑油貯留室から落下する潤滑油量が多くなるおそれがある。
本発明では、第2のキャッチタンクの潤滑油が潤滑油貯留室の後方に位置しているので、前傾する第2のキャッチタンクの潤滑油貯留室内において車両の前方側に潤滑油が偏るように潤滑油が仕切り板に押し付けられることにより、潤滑油戻し穴から潤滑油が落下し難くなる。このため、第2のキッチタンクの潤滑油貯留室内の潤滑油が急激に減少するのを抑制することができ、歯車に与えられる潤滑油の攪拌抵抗が増大するのを防止することができる。
本発明によれば、車両の走行状態に応じてキャッチタンク本体内の潤滑油の充填率が低下するのを防止することができ、歯車の攪拌抵抗が増大して動力損失が増大するのを防止することができる車両用動力伝達装置の潤滑構造を提供することができる。
以下、本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図6は、本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の第1の実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。
図1は、動力伝達装置を搭載したハイブリッド車両21の概略構成図である。図1において、ハイブリッド車両21は、前輪22a、22bを駆動する前輪駆動系と、後輪23a、23bを駆動する本発明の動力伝達装置としての後輪駆動系とを備えている。
前輪駆動系は、エンジン24と、エンジン24のクランクシャフト25にダンパー26を介して複数のピニオンギヤ27を支持するキャリア28が接続されたプラネタリギヤ29と、プラネタリギヤ29のサンギヤ30に接続されたモータMG1と、プラネタリギヤ29のリングギヤ31にリングギヤ軸31aおよび減速ギヤ32を介して接続されたモータMG2と、リングギヤ軸31aに接続されると共に前輪22a、22bの前軸33a、33bに接続されたデファレンシャルギヤを含むギヤ機構34とを備えており、エンジン24やモータMG1、MG2からリングギヤ軸31aに出力される動力を減速して前軸33a、33bに出力することにより、前輪22a、22bを駆動するようになっている。
モータMG1、MG2は、本実施の形態では、外表面に永久磁石が貼り付けられたロータと三相コイルが巻回されたステータとを備える周知のPM型のシンクロナスモータから構成されており、インバータ35、36を介してバッテリ37と電力の遣り取りを行う。
後輪駆動系は、駆動源としてのモータMG3と、モータMG3のモータシャフト38に接続されるとともに、後輪23a、23bの後軸39a、39bに接続されたデファレンシャルギヤ40を含むギヤ機構41とを備え、モータMG3からの動力を減速して後軸39a、39bに伝達することにより、後輪23a、23bを駆動するようになっている。
また、モータMG3は、本実施の形態では、突極が形成されたロータと三相コイルが巻回されたステータとを備えるシンクロナスリラクタンスモータから構成されおり、インバータ42を介してバッテリ37と電力の遣り取りを行うようになっている。
また、ギヤ機構41は、モータMG3のロータ43に接続されたモータシャフト38の端部に取付けられたカウンタドライブギヤ44と、カウンタシャフト45の端部に取付けられ、カウンタドライブギヤ44に噛合するカウンタドリブンギヤ46と、カウンタシャフト45の反対側の端部に取付けられたデファレンシャルピニオンギヤ47と、デファレンシャルピニオンギヤ47に噛合するデファレンシャルリングギヤ40aや後軸23、23bに接続されたサイドギヤ40bやピニオンギヤ40cから構成されるデファレンシャルギヤ40とを備えている。
また、カウンタドライブギヤ44やカウンタドリブンギヤ46、デファレンシャルピニオンギヤ47およびデファレンシャルリングギヤ40aは、減速ギヤとして機能する。
次に、後輪駆動系が備える潤滑機構について説明する。
図2は、後輪駆動系を図1中、A方向から見たときの概略図を示す図である。なお、本実施の形態では、デファレンシャルリングギヤ40a、カウンタドリブンギヤ46およびデファレンシャルピニオンギヤ47が歯車を構成している。
潤滑機構は、図2に示すように、デファレンシャルギヤ40のデファレンシャルリングギヤ40a、カウンタドリブンギヤ46およびデファレンシャルピニオンギヤ47を収納するとともに、デファレンシャルギヤ40のデファレンシャルリングギヤ40a、カウンタドリブンギヤ46およびデファレンシャルピニオンギヤ47の下部が浸漬されるよう内周底面49aに潤滑油Oを貯留するケーシング49と、デファレンシャルリングギヤ40a、カウンタドリブンギヤ46およびデファレンシャルピニオンギヤ47の上方に位置するようにケーシング49の上部に設けられ、デファレンシャルリングギヤ40a、カウンタドリブンギヤ46によって掻き上げられる潤滑油を捕捉することにより、潤滑油を貯留するキャッチタンク50とを備えている。
このキャッチタンク50は、ケーシング49の一部から構成されており、上端に開口部51aを有するとともに、ハイブリッド車両21の前後方向に潤滑油の導入部51b、51cを有するキャッチタンク本体51を備えている。なお、本実施の形態では、キャッチタンク本体51の外周側壁およびスカート部によって導入部51b、51cが形成されている。
また、図3に示すように、キャッチタンク本体51は、車両の前後方向および車幅方向に亘って延在しており、導入部51bがカウンタドリブンギヤ46の上方に位置するとともに、導入部51cがデファレンシャルリングギヤ40aの上方に位置している。なお、図3は、図2をB方向から見たキャッチタンク50およびギヤ機構41の概略図であり、サイドギヤ40bやピニオンギヤ40cは図示省略している。
したがって、カウンタドリブンギヤ46によって掻き上げられた潤滑油は、導入部51bからキャッチタンク本体51に導入され、デファレンシャルリングギヤ40aによって掻き上げられた潤滑油は、導入部51cからキャッチタンク本体51内に導入される。
また、キャッチタンク本体51には仕切り板52が設けられており、この仕切り板52は、キャッチタンク本体51と共にキャッチタンク本体51内を複数の潤滑油貯留室53に仕切るようになっている。また、仕切り板52は、ハイブリッド車両21の前後方向に対して略直交する方向に延在しており、ハイブリッド車両21の前後方向に沿って設置されている。
また、キャッチタンク本体51の底部51dには潤滑油戻し部としての潤滑油戻し穴54が形成されており、この潤滑油戻し穴54は、複数の潤滑油貯留室53とケーシング49内を連通している。
すなわち、潤滑油戻し穴54は、全ての潤滑油貯留室53の下方のキャッチタンク本体51の底部51dに形成されており、潤滑油貯留室53に貯留される潤滑油を潤滑油貯留室53からケーシング49内に落下させるようになっている。
また、仕切り板52の上端部とケーシング49の内周上面49bとの間には隙間55が形成されており、各潤滑油貯留室53は、隙間55を介して連通している。また、ケーシング49の上部には、ブリーサ装置56が設けられており、このブリーサ装置56は、ケーシング49内と外気の圧力差が発生すると、ケーシング49内と外部とを連通して内外の圧力差を無くすようにするものである。
次に、図4〜図6に基づいて潤滑機構の作用を説明する。なお、図4〜図6において、矢印F方向が車両の前方を示し、矢印R方向が車両の後方を示している。
ハイブリッド車両21が平坦な道を一定速度で走行しているときにはモータMG3によって後輪23a、23bが駆動され、これに伴ってカウンタドライブギヤ44やカウンタドリブンギヤ46、デファレンシャルリングギヤ40aが回転する。なお、カウンタドリブンギヤ46は半時計回転方向に回転し、デファレンシャルリングギヤ40aは時計回転方向に回転する。
これにより、図4に示すようにケーシング49の内周底面49aに貯留されている潤滑油がデファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46によって掻き上げられて導入部51b、51cを介してキャッチタンク本体51に導入される。
導入部51bからキャッチタンク本体51に導入される潤滑油は、車両の前方に位置する潤滑油貯留室53Aに貯留され、この潤滑油貯留室53Aが満杯になると、隙間55を通して潤滑油貯留室53Aよりも後方の潤滑油貯留室53Bに貯留され、この状態を後方の潤滑油貯留室53に対して繰り返すことにより、後方に位置する潤滑油貯留室53に潤滑油が貯留される。
また、導入部51cからキャッチタンク本体51に導入される潤滑油は、車両の後方に位置する潤滑油貯留室53Zに貯留され、この潤滑油貯留室53Zが満杯になると、隙間55を通して潤滑油貯留室53Zよりも前方の潤滑油貯留室53Yに貯留され、この状態を前方の潤滑油貯留室53に対して繰り返すことにより、前方に位置する潤滑油貯留室53に潤滑油が貯留される。
このため、ケーシング49の内周底面49aに貯留される潤滑油Oの液面が下降するため、デファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46に与えられる潤滑油の攪拌抵抗が低減し、無用な動力損失の発生を防止することができる。
また、ハイブリッド車両21が停止すると、モータMG3が停止するため、これに伴ってカウンタドライブギヤ44やカウンタドリブンギヤ46、 デファレンシャルリングギヤ40aが停止する。
これにより、カウンタドリブンギヤ46およびデファレンシャルリングギヤ40aによってケーシング49の内周底面49aに貯留される潤滑油が掻き上げられなくなる。このとき、キャッチタンク本体51の底部51dに形成された潤滑油戻し穴54を通して潤滑油貯留室53に貯留される潤滑油が落下してケーシング49内に流入するため、ケーシング49の内周底面49aにおける潤滑油Oの液面が上昇する。
一方、図5に示すように、ハイブリッド車両21の降坂走行時にケーシング49が後傾したときや減速時には、ケーシング49内の潤滑油Oが前方に偏るため、カウンタドリブンギヤ46から導入部51bを通してキャッチタンク本体51に掻き上げられる潤滑油の量が多くなる。
そして、降坂走行や減速が継続されると、キャッチタンク本体51内の潤滑油が前方に偏るような事態が発生する。本実施の形態では、キャッチタンク本体51内に、キャッチタンク本体51と共にキャッチタンク本体51内を複数の潤滑油貯留室53に仕切る複数の仕切り板52を設け、この仕切り板52をハイブリッド車両21の前後方向に対して略直交する方向に延在させるとともに、ハイブリッド車両21の前後方向に沿って設置したので、降坂走行や減速走行状態において、キャッチタンク本体51内に貯留された潤滑油の移動が仕切り板52によって阻止して、キャッチタンク本体51内において潤滑油が前方側に偏るのを防止することができ、キャッチタンク本体51内で潤滑油が充填されない空間が生じるのを防止することができる。
一方、図6に示すように、ハイブリッド車両21の登坂走行時にケーシング49が後傾したときや加速時には、ケーシング49内の潤滑油Oが後方に偏るため、デファレンシャルリングギヤ40aから導入部51cを通してキャッチタンク本体51に掻き上げられる潤滑油の量が多くなる。
そして、登坂走行や加速が継続されると、キャッチタンク本体51内の潤滑油が後方に偏るような事態が発生する。本実施の形態では、このような登坂走行や加速走行状態において、キャッチタンク本体51内に貯留された潤滑油の移動を仕切り板52によって阻止することができ、キャッチタンク本体51内において潤滑油が後方側に偏るのを防止することができる。このため、キャッチタンク本体51内で潤滑油が充填されない空間が生じるのを防止することができる。
したがって、本実施の形態では、登降坂走行や加減速走行状態において、キャッチタンク本体51内の潤滑油の充填率が低下するのを防止することができ、デファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46に与えられる潤滑油の攪拌抵抗が増大するのを防止して、動力損失が増大するのを防止することができる。
また、本実施の形態では、キャッチタンク本体51内の潤滑油の充填率が低下するのを防止することができるため、ケーシング49の内周底面49aに貯留される潤滑油量を少なくすることができ、ブリーザ装置56から潤滑油が吹き出し、ブリーザ吹きが生じてしまうのを防止することができる。
また、本実施の形態では、キャッチタンク本体51の底部51dに、複数の潤滑油貯留室53とケーシング49内を連通する潤滑油戻し穴54を形成したので、ハイブリッド車両21の停止時にモータMG3が停止することにより、デファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46が停止してデファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46により潤滑油が掻き上げられなくなると、キャッチタンク本体51内の潤滑油を潤滑油戻し穴54を通してケーシング49内に流入させることができる。このため、ケーシング49の内周底面49aにおける潤滑油の液面を上昇させることができる。
(第2の実施の形態)
図7は、本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の第2の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同一の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図7において、キャッチタンク本体51の底部51dには潤滑油戻し部としての潤滑油戻し穴57が形成されており、この潤滑油戻し穴57は、ハイブリッド車両21の前方、後方および中央に位置する潤滑油貯留室53A、53Z、53Cとケーシング49とを連通するようになっている。
すなわち、潤滑油戻し穴57は、ハイブリッド車両21の前方、後方および中央に位置する潤滑油貯留室53A、53Z、53Cの下方のキャッチタンク本体51の底部51dに形成されており、潤滑油貯留室53A、53Z、53Cに貯留される潤滑油を潤滑油貯留室53A、53Z、53Cからケーシング49内に落下させるようになっている。
また、全ての仕切り板52の下端には連通孔58が形成されており、この連通孔58は、隣接する潤滑油貯留室53を連通するようになっている。したがって、全ての潤滑油貯留室53が連通孔58を通して連通している。
このようにすれば、ハイブリッド車両21の停止時にモータMG3が停止することにより、デファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46が停止してデファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46により潤滑油が掻き上げられなくなると、各潤滑油貯留室53に充填された潤滑油が連通孔58を通して潤滑油貯留室53A、53Z、53Cに集まり、この潤滑油貯留室53A、53Z、53Cの戻し穴57を通ってケーシング49内に落下することになる。このため、ケーシング49の内周底面49aにおける潤滑油の液面を上昇させることができる。
また、本実施の形態では、ハイブリッド車両21の前方および後方に位置する潤滑油貯留室53A、53Zの下方のキャッチタンク本体51の底部51dに潤滑油戻し穴57を形成したので、ハイブリッド車両21が登坂または降坂で停止してケーシング49と共にキャッチタンク本体51が前傾または後傾した場合であっても、キャッチタンク本体51内に貯留された潤滑油をキャッチタンク本体51からケーシング49内に落下させて、ケーシング49の内周底面49aに貯留することができる。
(第3の実施の形態)
図8〜図10は、本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の第3の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同一の構成には同一番号を付して説明を省略する。なお、図9は、図8をC方向から見たキャッチタンク50およびギヤ機構41の概略図であり、サイドギヤ40bやピニオンギヤ40cは図示省略している。
図8、図9において、キャッチタンク本体51には仕切り板61が設けられており、この仕切り板61は、キャッチタンク本体51と共にキャッチタンク本体51内を複数の潤滑油貯留室62に仕切るようになっている。また、仕切り板61は、ハイブリッド車両21の前後方向と略同方向に延在し、ハイブリッド車両21の前後方向と略直交する方向に沿って設置されている。
また、キャッチタンク本体51の底部51dには潤滑油戻し部としての潤滑油戻し穴63が形成されており、この潤滑油戻し穴63は、複数の潤滑油貯留室62とケーシング49内を連通している。また、仕切り板61の上端部とケーシング49の内周上面49bとの間には隙間64が形成されており、各潤滑油貯留室62は、隙間64を介して連通している。なお、図8、図9において矢印F方向が車両の前方を示し、矢印R方向が車両の後方を示している。
次に、潤滑機構の作用を説明する。
ハイブリッド車両21が平坦な道を一定速度で走行しているときにはモータMG3によって後輪23a、23bが駆動され、これに伴ってカウンタドライブギヤ44やカウンタドリブンギヤ46、デファレンシャルリングギヤ40aが回転する。
これにより、ケーシング49の内周底面49aに貯留されている潤滑油がデファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46によって掻き上げられて導入部51b、51cを介してキャッチタンク本体51に導入される。
このため、ケーシング49の内周底面49aに貯留される潤滑油Oの液面が下降するため、デファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46に与えられる潤滑油の攪拌抵抗が低減し、無用な動力損失の発生を防止することができる。
また、ハイブリッド車両21が停止すると、モータMG3が停止するため、これに伴ってカウンタドライブギヤ44やカウンタドリブンギヤ46、 デファレンシャルリングギヤ40aが停止する。
これにより、カウンタドリブンギヤ46およびデファレンシャルリングギヤ40aによってケーシング49の内周底面49aに貯留される潤滑油が掻き上げられなくなる。このとき、キャッチタンク本体51の底部51dに形成された潤滑油戻し穴63を通して潤滑油貯留室62に貯留される潤滑油がキャッチタンク本体51内から落下してケーシング49内に流入するため、ケーシング49の内周底面49aにおける潤滑油の液面が上昇する。
一方、ハイブリッド車両21の右旋回走行時あるいは左旋回走行時にハイブリッド車両21に右方向または左方向に横Gが加わり、この右旋回走行または左旋回走行が継続されると、キャッチタンク本体51内の潤滑油が遠心力によって旋回方向と反対方向に偏るような事態が発生する。
本実施の形態では、キャッチタンク本体51内に、キャッチタンク本体51と共にキャッチタンク本体51内を複数の潤滑油貯留室62に仕切る複数の仕切り板61を設け、この仕切り板61をハイブリッド車両21の前後方向と同方向に延在させるとともに、ハイブリッド車両21の前後方向と略直交する方向に沿って設置したので、旋回走行状態において、キャッチタンク本体51内に貯留された潤滑油の移動を仕切り板61によって阻止することができ、キャッチタンク本体51内において潤滑油が車幅方向の一方側に偏るのを防止することができる。
このため、キャッチタンク本体51内で潤滑油が充填されない空間が生じるのを防止することができ、キャッチタンク本体51内の潤滑油の充填率が低下するのを防止することができる。この結果、デファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46に与えられる潤滑油の攪拌抵抗が増大するのを防止して、動力損失が増大するのを防止することができる。
また、本実施の形態では、キャッチタンク本体51の底部51dに、複数の潤滑油貯留室62とケーシング49内を連通する潤滑油戻し穴63を形成したので、ハイブリッド車両21の停止時にモータMG3が停止することにより、デファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46が停止してデファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46により潤滑油が掻き上げられなくなると、キャッチタンク本体51内の潤滑油を潤滑油戻し穴63を通してケーシング49内に流入させることができる。このため、ケーシング49の内周底面49aにおける潤滑油の液面を上昇させることができる。
なお、本実施の形態では、全ての潤滑油貯留室62に対応するように潤滑油戻し穴63をキャッチタンク本体51の底部51dに形成しているが、これに限らず、例えば、図10に示すように、車幅方向の右方、左方および中央に位置する潤滑油貯留室62A、62Z、62Cとケーシング49を連通する潤滑油戻し穴65をキャッチタンク本体51の底部51dに形成し、仕切り板61の下端に隣接する潤滑油貯留室62を連通する連通孔66を形成してもよい。
このようにすれば、ハイブリッド車両21の停止時にモータMG3が停止することにより、デファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46が停止してデファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46により潤滑油が掻き上げられなくなると、各潤滑油貯留室62に充填された潤滑油が連通孔58を通して潤滑油貯留室62A、62Z、62Cに集まり、潤滑油貯留室62A、62Z、62Cの潤滑油戻し穴65を通ってケーシング49内に落下することになる。このため、ケーシング49の内周底面49aにおける潤滑油の液面を上昇させることができる。
(第4の実施の形態)
図11〜図15は、本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の第4の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同一の構成には同一番号を付して説明を省略する。なお、図12は、図11をD方向から見た第1のキャッチタンク71、第2のキャッチタンク72およびギヤ機構41の概略図であり、サイドギヤ40bやピニオンギヤ40cは図示省略している。
まず、構成を説明する。
図11において、キャッチタンクは、ハイブリッド車両21の前方(矢印Fで示す)に位置する第1のキャッチタンク71および第1のキャッチタンク71に対してハイブリッド車両21の後方(矢印Rで示す)に位置する第2のキャッチタンク72を備えており、第1の歯車を構成するカウンタドリブンギヤ46が第1のキャッチタンク71の下方に位置し、第2の歯車を構成するデファレンシャルリングギヤ40aが第2のキャッチタンク72の下方に位置している。また、図12に示すように、第1のキャッチタンク71と第2のキャッチタンク72とは車幅方向に対してオフセットして設けられている。
また、第1のキャッチタンク71は、ケーシング49の一部から構成されており、上端に開口部73aを有するとともに、ハイブリッド車両21の前方に潤滑油の導入部73bを有するキャッチタンク本体73を備えている。
また、第2のキャッチタンク72は、ケーシング49の一部から構成されており、上端に開口部74aを有するとともに、ハイブリッド車両21の後方に潤滑油の導入部74bを有するキャッチタンク本体74を備えている。なお、本実施の形態では、キャッチタンク本体73、74の外周側壁およびスカート部によって導入部73b、74bが形成されている。
したがって、カウンタドリブンギヤ46によって掻き上げられた潤滑油は、導入部73bを通してキャッチタンク本体73に貯留され、デファレンシャルリングギヤ40aによって掻き上げられた潤滑油は、導入部74bを通してキャッチタンク本体74に貯留される。
また、キャッチタンク本体73には仕切り板75が設けられており、この仕切り板75は、キャッチタンク本体73と共にキャッチタンク本体73内を複数の潤滑油貯留室77に仕切るようになっている。また、仕切り板75は、ハイブリッド車両21の前後方向に対して略直交する方向に延在しており、ハイブリッド車両21の前後方向に沿って設置されている。
また、キャッチタンク本体74には仕切り板76が設けられており、この仕切り板76は、キャッチタンク本体74と共にキャッチタンク本体74内を複数の潤滑油貯留室78に仕切るようになっている。また、仕切り板76は、ハイブリッド車両21の前後方向に対して略直交する方向に延在しており、ハイブリッド車両21の前後方向に沿って設置されている。
また、キャッチタンク本体73の底部73cには潤滑油戻し部としての潤滑油戻し穴79が形成されており、この潤滑油戻し穴79は、潤滑油貯留室77の前方に位置し、複数の潤滑油貯留室77とケーシング49内を連通している。
すなわち、潤滑油戻し穴79は、全ての潤滑油貯留室77の下方のキャッチタンク本体73の底部73cに形成されており、潤滑油貯留室77に貯留される潤滑油を潤滑油貯留室77からケーシング49内に落下させるようになっている。
また、仕切り板75の上端部とケーシング49の内周上面49bとの間には隙間81が形成されており、各潤滑油貯留室77は、隙間81を介して連通している。
また、キャッチタンク本体74の底部74cには潤滑油戻し部としての潤滑油戻し穴80が形成されており、この潤滑油戻し穴80は、潤滑油貯留室78の後方に位置し、複数の潤滑油貯留室78とケーシング49内を連通している。
すなわち、潤滑油戻し穴80は、全ての潤滑油貯留室78の下方のキャッチタンク本体74の底部74cに形成されており、潤滑油貯留室78に貯留される潤滑油を潤滑油貯留室78からケーシング49内に落下させるようになっている。
また、仕切り板76の上端部とケーシング49の内周上面49bとの間には隙間82が形成されており、各潤滑油貯留室77は、隙間81を介して連通している。
次に、図13〜図15に基づいて潤滑機構の作用を説明する。なお、図13〜図15において、矢印F方向が車両の前方を示し、矢印R方向が車両の後方を示している。
ハイブリッド車両21が平坦な道を一定速度で走行しているときにはモータMG3によって後輪23a、23bが駆動され、これに伴ってカウンタドライブギヤ44やカウンタドリブンギヤ46、デファレンシャルリングギヤ40aが回転する。
これにより、図13に示すようにケーシング49の内周底面49aに貯留されている潤滑油Oがデファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46によって掻き上げられて導入部73b、74bを介してキャッチタンク本体73、74にそれぞれ導入される。
導入部73bからキャッチタンク本体73に導入される潤滑油は、車両の前方に位置する潤滑油貯留室77Aに貯留され、この潤滑油貯留室77Aが満杯になると、隙間81を通して潤滑油貯留室77Aよりも後方の潤滑油貯留室77Bに貯留され、この状態を後方の潤滑油貯留室77に対して繰り返すことにより、全ての潤滑油貯留室77に潤滑油が貯留される。
また、導入部74bからキャッチタンク本体74に導入される潤滑油は、車両の後方に位置する潤滑油貯留室78Zに貯留され、この潤滑油貯留室78Zが満杯になると、隙間82を通して潤滑油貯留室78Zよりも前方の潤滑油貯留室78Yに貯留され、この状態を前方の潤滑油貯留室78に対して繰り返すことにより、全ての潤滑油貯留室78に潤滑油が貯留される。
このため、ケーシング49の内周底面49aに貯留される潤滑油Oの液面が下降するため、デファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46に与えられる潤滑油の攪拌抵抗が低減し、無用な動力損失の発生を防止することができる。
また、ハイブリッド車両21が停止すると、モータMG3が停止するため、これに伴ってカウンタドライブギヤ44やカウンタドリブンギヤ46、 デファレンシャルリングギヤ40aが停止する。
これにより、カウンタドリブンギヤ46およびデファレンシャルリングギヤ40aによってケーシング49の内周底面49aに貯留される潤滑油が掻き上げられなくなる。このとき、キャッチタンク本体73、74の底部73c、74cに形成された潤滑油戻し穴79、80を通して潤滑油貯留室77、78に貯留される潤滑油が落下してケーシング49内に流入するため、ケーシング49の内周底面49aにおける潤滑油の液面Oが上昇する。
一方、図14に示すように、ハイブリッド車両21の降坂走行時にケーシング49が前傾したときや減速時には、ケーシング49内の潤滑油Oが前方に偏るため、カウンタドリブンギヤ46から導入部73bを通してキャッチタンク本体73に掻き上げられる潤滑油の量が多くなる。
そして、降坂走行や減速が継続されると、キャッチタンク本体73、74内の潤滑油が前方に偏るような事態が発生する。本実施の形態では、キャッチタンク本体73、74内に、キャッチタンク本体73、74と共にキャッチタンク本体73、74内を複数の潤滑油貯留室77、78に仕切る複数の仕切り板75、76を設け、この仕切り板75、76をハイブリッド車両21の前後方向に対して略直交する方向に延在させるとともに、ハイブリッド車両21の前後方向に沿って設置したので、降坂走行や減速走行状態において、キャッチタンク本体73、74内に貯留された潤滑油が移動するのを仕切り板75、76によって阻止して、キャッチタンク本体73、74内において潤滑油が前方側に偏るのを防止することができ、キャッチタンク本体73、74内で潤滑油が充填されない空間が生じるのを防止することができる。
また、ケーシング49内の潤滑油Oが前方に偏るため、カウンタドリブンギヤ46から導入部73bを通してキャッチタンク本体73に掻き上げられる潤滑油の量が多くなり、デファレンシャルリングギヤ40aから導入部74bを通してキャッチタンク本体74に掻き上げられる潤滑油の量が少なくなる。
このため、キャッチタンク本体74に導入される潤滑油量よりもキャッチタンク本体74からケーシング49内に落下する潤滑油量が多くなる可能性がある。これに対して、本実施の形態では、この潤滑油戻し穴80を潤滑油貯留室78の後方に位置させているため、ケーシング49が前傾したときに潤滑油貯留室78に貯留される潤滑油が仕切り板76に押し付けられて潤滑油貯留室78で前方側に偏る状態になる。
このため、潤滑油戻し穴80から潤滑油Oを落下し難くすることができ、キャッチタンク本体74の潤滑油貯留室78内の潤滑油が急激に減少するのを抑制することができる。この結果、デファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46に与えられる潤滑油の攪拌抵抗が増大するのを防止することができる。
一方、図15に示すように、ハイブリッド車両21の登坂走行時にケーシング49が後傾したときや加速時には、ケーシング49内の潤滑油Oが後方に偏るため、デファレンシャルリングギヤ40aから導入部74bを通してキャッチタンク本体74に掻き上げられる潤滑油の量が多くなる。
そして、登坂走行や加速が継続されると、キャッチタンク本体74内の潤滑油が後方に偏るような事態が発生する。本実施の形態では、このような登坂走行や加速走行状態において、キャッチタンク本体73、74内に貯留された潤滑油の移動を仕切り板75、76によって阻止することができ、キャッチタンク本体73、74内において潤滑油が後方側に偏るのを防止することができる。このため、キャッチタンク本体73、74内で潤滑油が充填されない空間が生じるのを防止することができる。
また、ケーシング49内の潤滑油Oが後方に偏るため、デファレンシャルリングギヤ40aから導入部74bを通してキャッチタンク本体73に掻き上げられる潤滑油の量が多くなり、カウンタドリブンギヤ46から導入部73bを通してキャッチタンク本体73に掻き上げられる潤滑油の量が少なくなる。
このため、キャッチタンク本体73に導入される潤滑油量よりもキャッチタンク73からケーシング49内に落下する潤滑油量が多くなる可能性がある。これに対して、本実施の形態では、この潤滑油戻し穴79を潤滑油貯留室77の前方に位置させているため、ケーシング49が前傾したときに潤滑油貯留室77に貯留される潤滑油が仕切り板75に押し付けられて潤滑油貯留室77で後方側に偏る状態になる。
このため、潤滑油戻し穴79から潤滑油Oを落下し難くすることができ、キャッチタンク本体73の潤滑油貯留室77内の潤滑油が急激に減少するのを抑制することができる。この結果、デファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46に与えられる潤滑油の攪拌抵抗が増大するのを防止することができる。
このように本実施の形態では、登降坂走行や加減速走行状態において、キャッチタンク本体73、74内の潤滑油の充填率が低下するのを防止することができ、デファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46に与えられる潤滑油の攪拌抵抗が増大するのを防止して、動力損失が増大するのを防止することができる。
また、本実施の形態では、キャッチタンク本体51内の潤滑油の充填率が低下するのを防止することができるため、ケーシング49の内周底面49aに貯留される潤滑油量を少なくすることができ、ブリーザ装置56から潤滑油が吹き出し、ブリーザ吹きが生じてしまうのを防止することができる。
また、本実施の形態では、キャッチタンク本体73、74の底部73c、74cに、複数の潤滑油貯留室77、78とケーシング49内を連通する潤滑油戻し穴79、80を形成したので、ハイブリッド車両21の停止時にモータMG3が停止することにより、デファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46が停止してデファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46により潤滑油が掻き上げられなくなると、キャッチタンク本体73、74内の潤滑油を潤滑油戻し穴79、80を通してケーシング49内に流入させることができる。このため、ケーシング49の内周底面49aにおける潤滑油の液面を上昇させることができる。
(第5の実施の形態)
図16は、本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の第5の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態および第4の実施の形態と同一の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図16において、キャッチタンク本体73の底部73cには潤滑油戻し部としての潤滑油戻し穴83が形成されており、この潤滑油戻し穴83は、ハイブリッド車両21の前方、後方および中央に位置する潤滑油貯留室77A、77Z、77Cとケーシング49を連通するようになっている。
すなわち、潤滑油戻し穴83は、ハイブリッド車両21の前方、後方および中央に位置する潤滑油貯留室77A、77Z、77Cの下方のキャッチタンク本体73の底部73cに形成されており、潤滑油貯留室77A、77Z、77Cに貯留される潤滑油を潤滑油貯留室77A、77Z、77Cからケーシング49内に落下させるようになっている。
また、仕切り板75の下端には連通孔85が形成されており、この連通孔85は、隣接する潤滑油貯留室77を連通するようになっている。したがって、全ての潤滑油貯留室77が連通孔85を通して連通している。
一方、キャッチタンク本体74の底部74cには潤滑油戻し部としての潤滑油戻し穴84が形成されており、この潤滑油戻し穴84は、ハイブリッド車両21の前方、後方および中央に位置する潤滑油貯留室78A、78Z、78Cとケーシング49を連通するようになっている。
すなわち、潤滑油戻し穴84は、ハイブリッド車両21の前方、後方および中央に位置する潤滑油貯留室78A、78Z、78Cの下方のキャッチタンク本体74の底部74cに形成されており、潤滑油貯留室78A、78Z、78Cに貯留される潤滑油を潤滑油貯留室78A、78Z、78Cからケーシング49内に落下させるようになっている。
また、仕切り板76の下端には連通孔86が形成されており、この連通孔86は、隣接する潤滑油貯留室78を連通するようになっている。したがって、全ての潤滑油貯留室78が連通孔86を通して連通している。
このようにすれば、ハイブリッド車両21の停止時にモータMG3が停止することにより、デファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46が停止してデファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46により潤滑油が掻き上げられなくなると、各潤滑油貯留室77、78に充填された潤滑油が連通孔85、86を通して潤滑油貯留室77A、77Z、77C、78A、78Z、78Cに集まり、この潤滑油貯留室77A、77Z、77C、78A、78Z、78Cの潤滑油戻し穴83、84を通ってケーシング49内に落下することになる。このため、ケーシング49の内周底面49aにおける潤滑油の液面を上昇させることができる。
また、本実施の形態では、キャッチタンク本体73、74のそれぞれにおいて、ハイブリッド車両21の前方および後方に位置する潤滑油貯留室77A、77Z、78A、78Zの下方のキャッチタンク本体73、74の底部73c、74cに潤滑油戻し穴83、84を形成したので、ハイブリッド車両21が登坂または降坂で停止してケーシング49と共にキャッチタンク本体51が前傾または後傾した場合であっても、キャッチタンク本体51内に貯留された潤滑油をキャッチタンク本体51からケーシング49内に落下させて、ケーシング49の内周底面49aに貯留することができる。
(第6の実施の形態)
図17〜図19は、本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の第6の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態および第4の実施の形態と同一の構成には同一番号を付して説明を省略する。なお、図18は、図17をE方向から見た第1のキャッチタンク71、第2のキャッチタンク72およびギヤ機構41の概略図であり、サイドギヤ40bやピニオンギヤ40cは図示省略している。
図17、図18において、第1のキャッチタンク71のキャッチタンク本体72には仕切り板91が設けられており、この仕切り板91は、キャッチタンク本体72と共にキャッチタンク本体73内を複数の潤滑油貯留室93に仕切るようになっている。また、仕切り板91は、ハイブリッド車両21の前後方向と略同方向に延在し、ハイブリッド車両21の前後方向と略直交する方向に沿って設置されている。
第2のキャッチタンク72のキャッチタンク本体74には仕切り板92が設けられており、この仕切り板92は、キャッチタンク本体74と共にキャッチタンク本体74内を複数の潤滑油貯留室94に仕切るようになっている。また、仕切り板94は、ハイブリッド車両21の前後方向と略同方向に延在し、ハイブリッド車両21の前後方向と略直交する方向に沿って設置されている。
また、キャッチタンク本体73の底部73cには潤滑油戻し部としての潤滑油戻し穴95が形成されており、この潤滑油戻し穴95は、複数の潤滑油貯留室93とケーシング49内を連通している。また、仕切り板91の上端部とケーシング49の内周上面49bとの間には隙間97が形成されており、各潤滑油貯留室93は、隙間97を介して連通している。
また、キャッチタンク本体74の底部74cには潤滑油戻し部としての潤滑油戻し穴96が形成されており、この潤滑油戻し穴96は、複数の潤滑油貯留室94とケーシング49内を連通している。また、仕切り板92の上端部とケーシング49の内周上面49bとの間には隙間98が形成されており、各潤滑油貯留室94は、隙間98を介して連通している。
次に、潤滑機構の作用を説明する。
ハイブリッド車両21が平坦な道を一定速度で走行しているときにはモータMG3によって後輪23a、23bが駆動され、これに伴ってカウンタドライブギヤ44やカウンタドリブンギヤ46、デファレンシャルリングギヤ40aが回転する。
これにより、ケーシング49の内周底面49aに貯留されている潤滑油がデファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46によって掻き上げられて導入部73b、74bを介してキャッチタンク本体73、74に導入される。
このため、ケーシング49の内周底面49aに貯留される潤滑油の液面が下降するため、デファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46に与えられる潤滑油の攪拌抵抗が低減し、無用な動力損失の発生を防止することができる。
また、ハイブリッド車両21が停止すると、モータMG3が停止するため、これに伴ってカウンタドライブギヤ44やカウンタドリブンギヤ46、 デファレンシャルリングギヤ40aが停止する。
これにより、カウンタドリブンギヤ46およびデファレンシャルリングギヤ40aによってケーシング49の内周底面49aに貯留される潤滑油が掻き上げられなくなる。このとき、キャッチタンク本体73、74の底部73c、74cに形成された潤滑油戻し穴95、96を通して潤滑油貯留室93、94に貯留される潤滑油が落下してケーシング49内に流入するため、ケーシング49の内周底面49aにおける潤滑油の液面が上昇する。
一方、ハイブリッド車両21の右旋回走行時あるいは左旋回走行時にハイブリッド車両21に右方向または左方向に横Gが加わり、右旋回走行または左旋回走行が継続されると、キャッチタンク本体73、74内の潤滑油が遠心力によって旋回方向と反対方向に偏るような事態が発生する。
本実施の形態では、キャッチタンク本体73、74内に、キャッチタンク本体73、74と共にキャッチタンク本体73、74内を複数の潤滑油貯留室93、94に仕切る複数の仕切り板91、92を設け、この仕切り板91、92をハイブリッド車両21の前後方向と同方向に延在させるとともに、ハイブリッド車両21の前後方向と略直交する方向に沿って設置したので、旋回走行状態において、キャッチタンク本体73、74内に貯留された潤滑油の移動を仕切り板91、92によって阻止することができ、キャッチタンク本体73、74内において潤滑油が車幅方向の一方側に偏るのを防止することができる。
このため、キャッチタンク本体73、74内で潤滑油が充填されない空間が生じるのを防止することができ、キャッチタンク本体73、74内の潤滑油の充填率が低下するのを防止することができる。この結果、デファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46に与えられる潤滑油の攪拌抵抗が増大するのを防止して、動力損失が増大するのを防止することができる。
なお、本実施の形態では、全ての潤滑油貯留室93、94に対応するように潤滑油戻し穴95、96をキャッチタンク本体73、74の底部73c、74cに形成しているが、これに限らず、例えば、図19に示すように、右方、左方および中央に位置する潤滑油貯留室93A、93Z、93C、94A、94Z、94Cとケーシング49を連通する潤滑油戻し穴99、100をキャッチタンク本体73、74の底部73c、74cに形成し、仕切り板91、92の下端に隣接する潤滑油貯留室93、94を連通する連通孔101、102を形成してもよい。
このようにすれば、ハイブリッド車両21の停止時にモータMG3が停止することにより、デファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46が停止してデファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46により潤滑油が掻き上げられなくなると、各潤滑油貯留室93、94に充填された潤滑油が連通孔101、102を通して潤滑油貯留室93A、93Z、93C、94A、94Z、94Cに集まり、潤滑油貯留室93A、93Z、93C、94A、94Z、94Cの潤滑油戻し穴99、100を通ってケーシング49内に落下することになる。このため、ケーシング49の内周底面49aにおける潤滑油の液面を上昇させることができる。
なお、上記各実施の形態にあっては、動力伝達装置をハイブリッド車両21に適用しているが、これに限らず、手動変速機、自動変速機、CVT(Continuously Variable Transmission)を有する動力伝達装置を備えた車両に適用してもよい。
また、上記各実施の形態では、デファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46によって掻き上げられた潤滑油をキャッチタンクに貯留しているが、デファレンシャルリングギヤ40aおよびカウンタドリブンギヤ46の何れか一方から掻き上げられた潤滑油をキャッチタンクに貯留するような構成であってもよい。
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以上のように、本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造は、車両の走行状態に応じてキャッチタンク本体内の潤滑油の充填率が低下するのを防止することができ、歯車に与えられる潤滑油の攪拌抵抗が増大して動力損失が増大するのを防止することができるという効果を有し、駆動源に連結される歯車の回転に伴い、歯車によって掻き上げられた潤滑油を貯留するキャッチタンクを有する車両用動力伝達装置の潤滑構造等として有用である。
本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の第1の実施の形態を示す図であり、ハイブリッド自動車の概略構成図である。 本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の第1の実施の形態を示す図であり、後輪駆動系の概略図を示す図である。 図2をB方向から見たキャッチタンクおよびギヤ機構の概略図である。 本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の第1の実施の形態を示す図であり、平坦路を定常走行するときの潤滑油の状態を示す図である。 本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の第1の実施の形態を示す図であり、降坂走行状態または減速状態にあるときの潤滑油の状態を示す図である。 本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の第1の実施の形態を示す図であり、登坂走行状態または加速状態にあるときの潤滑油の状態を示す図である。 本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の第2の実施の形態を示す図であり、後輪駆動系の概略図を示す図である。 本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の第3の実施の形態を示す図であり、後輪駆動系の概略図を示す図である。 図8をC方向から見たキャッチタンクおよびギヤ機構の概略図である。 図8をC方向から見たときの他の形状のキャッチタンクおよびギヤ機構の概略図である。 本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の第4の実施の形態を示す図であり、後輪駆動系の概略図を示す図である。 図8をC方向から見たキャッチタンクおよびギヤ機構の概略図である。 本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の第4の実施の形態を示す図であり、平坦路を定常走行するときの潤滑油の状態を示す図である。 本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の第4の実施の形態を示す図であり、降坂走行状態または減速状態にあるときの潤滑油の状態を示す図である。 本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の第4の実施の形態を示す図であり、登坂走行状態または加速状態にあるときの潤滑油の状態を示す図である。 本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の第5の実施の形態を示す図であり、後輪駆動系を上方から見たキャッチタンクおよびギヤ機構の概略図である。 本発明に係る車両用動力伝達装置の潤滑構造の第5の実施の形態を示す図であり、後輪駆動系の概略図を示す図である。 図17をE方向から見た方向から見たキャッチタンクおよびギヤ機構の概略図である。 図17をE方向から見たときの他の形状のキャッチタンクおよびギヤ機構の概略図である。
符号の説明
21 ハイブリッド車両(車両)
40a デファレンシャルリングギヤ(歯車、第2の歯車)
46 カウンタドリブンギヤ(歯車、第1の歯車)
47 デファレンシャルピニオンギヤ(歯車)
49 ケーシング
50 キャッチタンク
51、73、74 キャッチタンク本体
51a 73a、74a 開口部
51b、51c、73b、74b 導入部
51d、73c、74c 底部
52、61、75、76、91、92 仕切り板
53、62、77、78、93、94 潤滑油貯留室
54、57、63、79、80、83、84、95、96、99、100 潤滑油戻し穴(潤滑油戻し部)
55、64、81、82、97、98 隙間
56 ブリーサ装置
58、85、86、101、102 連通孔
71 第1のキャッチタンク
72 第2のキャッチタンク

Claims (7)

  1. 内周底面に潤滑油が貯留されるケーシングと、前記ケーシングに収納され、駆動源に連結される複数の歯車と、前記複数の歯車の上方に位置するようにケーシングの上部に設けられ、前記複数の歯車のうちの少なくとも1つの歯車によって掻き上げられる潤滑油を捕捉することにより、潤滑油を貯留するキャッチタンクとを備えた車両用動力伝達装置の潤滑構造において、
    前記キャッチタンクが、上端に開口部を有するとともに、潤滑油の導入部を有するキャッチタンク本体と、前記キャッチタンク本体内に設けられ、前記キャッチタンク本体と共に前記キャッチタンク本体内を複数の潤滑油貯留室に仕切る複数の仕切り板と、前記キャッチタンク本体に設けられ、前記複数の潤滑油貯留室から潤滑油を落下させる潤滑油戻し部とを備え、
    前記仕切り板の上端部と前記ケーシングの内周上面との間に隙間を形成することにより、前記隙間を介して前記複数の潤滑油貯留室が連通することを特徴とする車両用動力伝達装置の潤滑構造。
  2. 前記仕切り板が、車両の前後方向に対して略直交する方向に延在し、車両の前後方向に沿って設置されることを特徴とする請求項1に記載の車両用動力伝達装置の潤滑構造。
  3. 前記仕切り板が、車両の前後方向と略同方向に延在し、車両の前後方向と略直交する方向に沿って設置されることを特徴とする請求項1に記載の車両用動力伝達装置の潤滑構造。
  4. 前記潤滑油戻し部が、前記複数の潤滑油貯留室と前記ケーシング内を連通するように前記キャッチタンク本体の底部に形成される潤滑油戻し穴から構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1の請求項に記載の車両用動力伝達装置の潤滑構造。
  5. 前記潤滑油戻し部が、少なくとも1つ以上の潤滑油貯留室と前記ケーシング内を連通するように前記キャッチタンク本体の底部に形成される潤滑油戻し穴と、隣接する前記潤滑油貯留室を連通するように前記仕切り板の下端に形成された連通孔とから構成され、
    全ての潤滑油貯留室が前記連通孔を通して連通することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1の請求項に記載の車両用動力伝達装置の潤滑構造。
  6. 前記キャッチタンクが、車両の前方に位置する第1のキャッチタンクおよび前記第1のキャッチタンクに対して車両の後方に位置する第2のキャッチタンクを備えるとともに、前記歯車が、前記第1のキャッチタンクの下方に位置する第1の歯車と前記第2のキャッチタンクの下方に位置する第2の歯車とを備え、
    前記第1の歯車によって掻き上げられた潤滑油が前記第1のキャッチタンクに貯留されるとともに前記第2の歯車によって掻き上げられた潤滑油が前記第2のキャッチタンクに貯留されることを特徴とする特徴する請求項1ないし請求項5の何れか1の請求項に記載の車両用動力伝達装置の潤滑構造。
  7. 前記第1のキャッチタンクの前記潤滑油戻し穴が、前記潤滑油貯留室の前方に位置するように前記キャッチタンク本体の底部に形成され、前記第2のキャッチタンクの前記潤滑油戻し穴が、前記潤滑油貯留室の後方に位置するように前記キャッチタンク本体の底部に形成されることを特徴とする請求項6に記載の車両用動力伝達装置の潤滑構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020153438A (ja) * 2019-03-20 2020-09-24 株式会社Subaru キャッチタンク

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