JP2014101959A - 車両用駆動装置と駆動装置におけるカウンタギヤ列のハウジングへの取付方法 - Google Patents

車両用駆動装置と駆動装置におけるカウンタギヤ列のハウジングへの取付方法 Download PDF

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Abstract

【課題】小型軽量の車両用駆動装置と駆動装置におけるカウンタギヤ列のハウジングへの取付方法の提供。
【解決手段】リヤトランスアクスル1のハウジング2は、4分割され互いに接合されて形成されている。モータカバー21には、電動モータ3の出力軸33の一端が支持されている。モータカバー21に接合されたモータハウジング22には、カウンタギヤ列5のカウンタドリブンギヤ42側が支持されている。カウンタギヤ列5のカウンタドライブギヤ61側は、ギヤカバー24に支持されている。モータハウジング22とギヤカバー24との間に介装されるインタミケース23には、出力軸33の他端を支持する第2出力軸受ホルダ23aと、デファレンシャルケース71の一側を支持する第1ケース軸受ホルダ23bが形成されている。カウンタドリブンギヤ42の外周面は、第2出力軸受ホルダ23aと第1ケース軸受ホルダ23bに対し半径方向にオーバラップしている。
【選択図】図1

Description

本発明は、駆動源の回転を減速して出力する車両用駆動装置と駆動装置におけるカウンタギヤ列のハウジングへの取付方法に関する。
電動モータからの駆動力を減速して出力する電動駆動装置に関する従来技術があった(例えば、特許文献1参照)。この電動駆動装置においては、ハウジング内に、電動モータの出力軸に形成されたギヤ歯と噛み合う大径ギヤを有するギヤ部材を設け、さらに、当該ギヤ部材の小径ギヤと噛合する差動ギヤを形成し、電動モータの回転を2段に減速して左右の駆動輪に出力している。この従来技術によれば、減速比を大きく設定できるとともに、コンパクトな電動駆動装置にすることができる。
特開2010−246180号(第4頁、第5頁および図2) 特開2010−223376号
ここで、図5において、上述した従来技術による電動駆動装置と類似の構成を備えたトランスアクスル装置100を示す。トランスアクスル装置100は、駆動源である電動モータ101と、電動モータ101の回転を減速する第1減速ギヤ対102と、第1減速ギヤ対102によって減速された回転を、さらに減速する第2減速ギヤ対103と、第2減速ギヤ対103による出力を車輪に伝達する差動装置104とを備えている。
トランスアクスル装置100のハウジング105は3分割されており、電動モータ101の出力軸101aの一側を回転可能に支持する第1ケース106と、第1減速ギヤ対102の大径ギヤ102bと第2減速ギヤ対103の小径ギヤ103aとで一体的に形成されたカウンタギヤ列109の一側を回転可能に支持する第2ケース107と、カウンタギヤ列109の他側および差動装置104のケーシング104aの一側を回転可能に支持する第3ケース108とが互いに接合されて形成されている。尚、図5において、上下方向に延びる一対の破線は、各ケース106、107、108間の境界を示している。
図5に示したように、上述した第2ケース107の略中央部には、電動モータ101の出力軸101aの他側を回転可能に支持する第1軸受部107aと、差動装置104のケーシング104aの他側を回転可能に支持する第2軸受部107bとが形成されている。ここで、第1減速ギヤ対102においては、所定の減速比を得るために、小径ギヤ102aに対する大径ギヤ102bの直径を所定の比率に設定している。このため、大径ギヤ102bの外周面が、第1軸受部107aおよび第2軸受部107bに対し回転軸方向に重畳(オーバラップ)している。
図6A乃至図6Cにおいて、上述したトランスアクスル装置100に係る組付工程の一部を示す。図6Aに示したように、第2ケース107に対して、カウンタギヤ列109の一側を取り付ける場合、上述したように、大径ギヤ102bの外周面が第1軸受部107aおよび第2軸受部107bに対しオーバラップしているため、カウンタギヤ列109を、第1軸受部107a等の回転軸方向に対し斜めにして組み付ける必要があった。
そして、カウンタギヤ列109の大径ギヤ102bが、第1軸受部107aおよび第2軸受部107bを乗り越えると、図6Bに示すように、カウンタギヤ列109の姿勢を、第1軸受部107a等の回転軸方向に対しまっすぐ(平行)に直してストロークさせ、大径ギヤ102b側をベアリング支持部107cに嵌入させる。
このように、カウンタギヤ列109は、その姿勢を斜めにして第2ケース107に組み付ける必要があるため、図6Cに示すように、カウンタギヤ列109を第2ケース107に組み付けた後、大径ギヤ102bと第1軸受部107aとの間には、回転軸方向に所定の隙間Dが形成される。この大径ギヤ102bと第1軸受部107aとの間に形成された隙間Dは、トランスアクスル装置100を大型化し、車両等への搭載を困難にしていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型軽量の車両用駆動装置と駆動装置におけるカウンタギヤ列のハウジングへの取付方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、請求項1に係る車両用駆動装置の発明の構成は、ハウジングと、ハウジング内に収容された駆動源と、駆動源の出力軸上に形成され、駆動源により回転される第1ドライブギヤと、第1ドライブギヤと噛合して、第1ドライブギヤとともに第1減速ギヤ対を形成する第1ドリブンギヤと、第1ドリブンギヤに対し同軸上であって、第1ドリブンギヤよりも駆動源から離れるように配置され、第1ドリブンギヤと一体に回転することによりカウンタギヤ列を形成する第2ドライブギヤと、第1ドライブギヤに対して回転軸方向に対向して配置されるとともに、第2ドライブギヤと噛合して、第2ドライブギヤとともに第2減速ギヤ対を形成し、車輪へ駆動力を出力する第2ドリブンギヤと、を備え、ハウジングは、駆動源の出力軸において、第1ドライブギヤが形成されていない側を回転可能に支持する第1ケースと、第1ケースに対し、出力軸の延びる方向であって第1ドライブギヤが形成されている側と接合し、カウンタギヤ列の第1ドリブンギヤ側を回転可能に支持する第2ケースと、第2ケースに対し、第1ケースと接合した側と反対側に接合され、第2ドリブンギヤにおいて、第1ドライブギヤと対向する側を回転可能に支持する第1軸受取付部を有する第3ケースと、第3ケースに対し、第2ケースと接合した側と反対側に接合され、第2ドリブンギヤの第1ドライブギヤと対向していない側を回転可能に支持する第4ケースと、により形成され、出力軸において、第1ドライブギヤが形成されている側を回転可能に支持する第2軸受取付部は、第1ドライブギヤに対し、第1軸受取付部側に位置するように第3ケースに形成されるか、あるいは第1ドライブギヤに対し、駆動源側に位置するように第2ケースに形成されており、第1ドリブンギヤの外周面は、第1軸受取付部または第2軸受取付部に対して半径方向にオーバラップしていることである。
請求項2に係る発明の構成は、請求項1の車両用駆動装置において、ハウジングには、駆動源および第2ドリブンギヤに対して側方に位置し、第2ケースと第3ケースとを貫通して、第1ケースの内壁と第4ケースの内壁とを連結するタンク壁部が形成され、タンク壁部は、ハウジングの側壁と対向することにより、双方の間に、第1ドリブンギヤまたは第2ドリブンギヤの回転により掻き上げられた潤滑油を貯蔵するリザーバタンクが形成され、タンク壁部は、第1ケースの内壁から、駆動源の側方に沿って出力軸方向に延びた第1軸方向壁部と、第4ケースの内壁から、第2ドリブンギヤの外周面に沿って回転軸方向に延びた第2軸方向壁部と、第1軸方向壁部の端部に接続され、駆動源の終端部において出力軸の回転中心に向けて延びた第1径方向壁部と、第2軸方向壁部の端部に接続され、第2ドリブンギヤの第1ドライブギヤ側の端面に沿って、第2ドリブンギヤの回転中心に向けて延びた第2径方向壁部と、第1径方向壁部の内端部と第2径方向壁部の内端部とを接続するように、第1ドライブギヤの外周面に沿って出力軸方向に延びた第3軸方向壁部と、を有し、第1径方向壁部は、第2ケースに形成され、第2径方向壁部は、第3ケースに形成されたことである。
請求項3に係る発明の構成は、請求項2の車両用駆動装置において、第2軸受取付部は、第1ドライブギヤに対し、第1軸受取付部側に位置するように第3ケースに形成され、第3軸方向壁部は、第3ケースにおいて、第1軸受取付部または第2軸受取付部と一体に形成されたことである。
請求項4に係る発明の構成は、請求項1乃至3のうちのいずれかの車両用駆動装置において、第2軸受取付部は、第1ドライブギヤに対し、第1軸受取付部側に位置するように第3ケースに形成され、第3ケースにおいて、第1軸受取付部と第2軸受取付部は互いに一体に形成されたことである。
請求項5に係る発明の構成は、請求項1乃至4のうちのいずれかの車両用駆動装置において、第4ケースは、カウンタギヤ列の第2ドライブギヤ側を回転可能に支持することである。
請求項6に係る駆動装置におけるカウンタギヤ列のハウジングへの取付方法の発明の構成は、駆動装置は、ハウジングと、ハウジング内に収容された駆動源と、駆動源の出力軸上に形成され、駆動源により回転される第1ドライブギヤと、第1ドライブギヤと噛合して、第1ドライブギヤとともに第1減速ギヤ対を形成する第1ドリブンギヤと、第1ドリブンギヤに対し同軸上であって、第1ドリブンギヤよりも駆動源から離れるように配置され、第1ドリブンギヤと一体に回転することによりカウンタギヤ列を形成する第2ドライブギヤと、第1ドライブギヤに対して回転軸方向に対向して配置されるとともに、第2ドライブギヤと噛合して、第2ドライブギヤとともに第2減速ギヤ対を形成し、車輪へ駆動力を出力する第2ドリブンギヤと、を備え、ハウジングは、駆動源の出力軸において、第1ドライブギヤが形成されていない側を回転可能に支持する第1ケースと、第1ケースに対し、出力軸の延びる方向であって第1ドライブギヤが形成されている側と接合し、カウンタギヤ列の第1ドリブンギヤ側を回転可能に支持する第2ケースと、第2ケースに対し、第1ケースと接合した側と反対側に接合され、第2ドリブンギヤにおいて、第1ドライブギヤと対向する側を回転可能に支持する第1軸受取付部を有する第3ケースと、第3ケースに対し、第2ケースと接合した側と反対側に接合され、第2ドリブンギヤの第1ドライブギヤと対向していない側を回転可能に支持する第4ケースと、により形成され、出力軸において、第1ドライブギヤが形成されている側を回転可能に支持する第2軸受取付部は、第1ドライブギヤに対し、第1軸受取付部側に位置するように第3ケースに形成されるか、あるいは第1ドライブギヤに対し、駆動源側に位置するように第2ケースに形成されており、第1ドリブンギヤの外周面は、第1軸受取付部または第2軸受取付部に対して半径方向にオーバラップしており、第2ケースに対して、カウンタギヤ列の第1ドリブンギヤ側を回転可能に取り付けるギヤ列取付ステップと、その後、第2ケースに対して、第3ケースを接合させるケース接合ステップと、を備えたことである。
請求項1に係る車両用駆動装置によれば、ハウジングは、駆動源の出力軸において、第1ドライブギヤが形成されていない側を回転可能に支持する第1ケースと、第1ケースに対し、出力軸の延びる方向であって第1ドライブギヤが形成されている側と接合し、カウンタギヤ列の第1ドリブンギヤ側を回転可能に支持する第2ケースと、第2ケースに対し、第1ケースと接合した側と反対側に接合され、第2ドリブンギヤにおいて、第1ドライブギヤと対向する側を回転可能に支持する第1軸受取付部を有する第3ケースと、第3ケースに対し、第2ケースと接合した側と反対側に接合され、第2ドリブンギヤの第1ドライブギヤと対向していない側を回転可能に支持する第4ケースと、により形成され、出力軸において、第1ドライブギヤが形成されている側を回転可能に支持する第2軸受取付部は、第1ドライブギヤに対し、第1軸受取付部側に位置するように第3ケースに形成されるか、あるいは第1ドライブギヤに対し、駆動源側に位置するように第2ケースに形成されていることにより、第1ドリブンギヤの外周面が、第1軸受取付部または第2軸受取付部に対して半径方向にオーバラップしていても、第2ケースにカウンタギヤ列の第1ドリブンギヤ側を取り付ける場合に、第1軸受取付部および第2軸受取付部がじゃまにならず、カウンタギヤ列を傾かせずに回転軸方向に取り付けることができる。したがって、カウンタギヤ列の第1ドリブンギヤと第1軸受取付部または第2軸受取付部との間の軸方向の隙間を低減することができ、小型軽量の車両用駆動装置にすることができる。
請求項2に係る車両用駆動装置によれば、タンク壁部は、第1ケースの内壁から、駆動源の側方に沿って出力軸方向に延びた第1軸方向壁部と、第4ケースの内壁から、第2ドリブンギヤの外周面に沿って回転軸方向に延びた第2軸方向壁部と、第1軸方向壁部の端部に接続され、駆動源の終端部において出力軸の回転中心に向けて延びた第1径方向壁部と、第2軸方向壁部の端部に接続され、第2ドリブンギヤの第1ドライブギヤ側の端面に沿って、第2ドリブンギヤの回転中心に向けて延びた第2径方向壁部と、第1径方向壁部の内端部と第2径方向壁部の内端部とを接続するように、第1ドライブギヤの外周面に沿って出力軸方向に延びた第3軸方向壁部とを有し、第1径方向壁部は、第2ケースに形成され、第2径方向壁部は、第3ケースに形成されたことにより、第1ドライブギヤの外周面に沿った空間をリザーバタンクの一部にすることができ、リザーバタンクの容量を増大させることができるとともに、ハウジングの成形時において、タンク壁部の型抜きを可能にすることができる。
請求項3に係る車両用駆動装置によれば、第2軸受取付部は、第1ドライブギヤに対し、第1軸受取付部側に位置するように第3ケースに形成され、第3軸方向壁部は、第3ケースにおいて、第1軸受取付部または第2軸受取付部と一体に形成されたことにより、第3軸方向壁部の剛性を向上させることができ、ハウジングの強度を増大させることができる。
請求項4に係る車両用駆動装置によれば、第2軸受取付部は、第1ドライブギヤに対し、第1軸受取付部側に位置するように第3ケースに形成され、第3ケースにおいて、第1軸受取付部と第2軸受取付部は互いに一体に形成されたことにより、第3ケースの剛性を向上させることができるとともに、第1軸受取付部および第2軸受取付部の成形時の型抜きを可能にし、型構造を簡素化することができる。
請求項5に係る車両用駆動装置によれば、第4ケースは、カウンタギヤ列の第2ドライブギヤ側を回転可能に支持することにより、組付性の良好な車両用駆動装置にすることができる。
請求項6に係る駆動装置におけるカウンタギヤ列のハウジングへの取付方法によれば、第2ケースに対して、カウンタギヤ列の第1ドリブンギヤ側を回転可能に取り付けるギヤ列取付ステップと、その後、第2ケースに対して、第3ケースを接合させるケース接合ステップとを備えたことにより、第1ドリブンギヤの外周面が、第1軸受取付部または第2軸受取付部に対して半径方向にオーバラップしていても、第2ケースにカウンタギヤ列の第1ドリブンギヤ側を取り付ける場合に、第1軸受取付部および第2軸受取付部がじゃまにならず、カウンタギヤ列を傾かせずに回転軸方向に取り付けることができる。したがって、カウンタギヤ列の第1ドリブンギヤと第1軸受取付部または第2軸受取付部との間の軸方向の隙間を低減することができ、小型軽量の車両用駆動装置にすることができる。
本発明の一実施形態による車両のリヤトランスアクスルの簡略図 図1に示したリヤトランスアクスルにおいて、モータハウジングにカウンタギヤ列の一側を取り付ける工程を模式的に示した図 モータハウジングにインタミケースを接合させる工程を模式的に示した図 図1に示したリヤトランスアクスルの変形例を表した要部詳細図 ハウジングが3分割されている場合のトランスアクスル装置の簡略図 図5に示したトランスアクスル装置において、第2ケースにカウンタギヤ列を傾かせて取り付ける工程を模式的に示した図 図5に示したトランスアクスル装置において、第2ケースにカウンタギヤ列の一側を嵌入させる工程を模式的に示した図 図5に示したトランスアクスル装置において、第2ケースに対するカウンタギヤ列の取り付けが完了した状態を模式的に示した図
図1乃至図3に基づき、本発明の一実施形態によるリヤトランスアクスル1(車両用駆動装置に該当する)について説明する。図1において、リヤトランスアクスル1は、電気式4輪駆動車両に適用された後輪駆動用のトランスアクスルである。尚、図1において、左右方向がリヤトランスアクスル1が搭載された車両の左右方向に該当し、上方が当該車両の前方に該当するが、本発明の適用はこれに限定されるべきものではない。以下、図1における左右方向をそれぞれリヤトランスアクスル1の左右方向とし、図1における上方をリヤトランスアクスル1の前方として説明する。
リヤトランスアクスル1のハウジング2内には、駆動源としての電動モータ3が収容されている。電動モータ3は、ハウジング2に固定されたステータ31と、ステータ31に対し半径方向内方に対向するようにハウジング2に回転可能に取り付けられたロータ32とを備えている。ロータ32には、一体回転可能に中空状の出力軸33が取り付けられている。
出力軸33の外周面上には、モータドライブギヤ41(第1ドライブギヤに該当する)が形成され、モータドライブギヤ41は電動モータ3により駆動される。モータドライブギヤ41には、カウンタドリブンギヤ42(第1ドリブンギヤに該当する)が噛合しており、カウンタドリブンギヤ42はモータドライブギヤ41の回転により駆動可能に形成されている。カウンタドリブンギヤ42は、モータドライブギヤ41よりも大径に形成され、その外周面には、モータドライブギヤ41よりも多数の歯数が形成されている。互いに噛合するモータドライブギヤ41とカウンタドリブンギヤ42とにより、第1減速ギヤ対4が形成され、電動モータ3の回転が第1減速ギヤ対4により減速される。
カウンタドリブンギヤ42はカウンタ軸51上の一側に形成されており、カウンタドリブンギヤ42の回転により、カウンタ軸51が駆動される。カウンタ軸51上の他側には、カウンタドライブギヤ61(第2ドライブギヤに該当する)が、カウンタドリブンギヤ42に対して同軸上であり、カウンタドリブンギヤ42よりも電動モータ3から離れる位置に配置されている。カウンタドライブギヤ61は、カウンタドリブンギヤ42およびカウンタ軸51と一体に回転し、これらとともにカウンタギヤ列5を形成している。
カウンタドライブギヤ61にはファイナルドリブンギヤ62(第2ドリブンギヤに該当する)が噛合しており、カウンタドライブギヤ61の回転により、ファイナルドリブンギヤ62は駆動可能に形成されている。図1に示すように、ファイナルドリブンギヤ62は、モータドライブギヤ41に対して電動モータ3が設けられていない側において、その回転軸方向に対向している。ファイナルドリブンギヤ62は、カウンタドライブギヤ61よりも大径に形成され、その外周面には、カウンタドライブギヤ61よりも多数の歯数が形成されている。互いに噛合するカウンタドライブギヤ61とファイナルドリブンギヤ62とにより、第2減速ギヤ対6が形成され、カウンタ軸51の回転が第2減速ギヤ対6により減速される。
ファイナルドリブンギヤ62は、差動装置7のデファレンシャルケース71に連結されている。差動装置7は公知の傘歯車式のものであり、デファレンシャルケース71内に収容され、デファレンシャルケース71の回転軸方向に互いに対向する一対のサイドギヤ72と、サイドギヤ72間に位置するようにデファレンシャルケース71に固定され、デファレンシャルケース71の回転軸に対して直交するピニオンシャフト73と、ピニオンシャフト73により回転可能に支持されるとともに、上述した各々のサイドギヤ72と噛み合う一対のピニオンギヤ74とを備えている。
サイドギヤ72は、左右のリヤドライブシャフト75R、75Lに各々連結されており、リヤドライブシャフト75R、75Lには、左右の車輪WR、WLがそれぞれ一体回転可能に取り付けられている。電動モータ3の回転は、第1減速ギヤ対4および第2減速ギヤ対6により減速された後、差動装置7により、左右の車輪WR、WLに伝達される。この時、差動装置7は、左右のリヤドライブシャフト75R、75L間における回転速度差の発生を許容することができる。なお、左方のリヤドライブシャフト75Lは、サイドギヤ72から中空円筒状に形成された出力軸33に挿通された状態で延び、左方の車輪WLに接続されている。
ハウジング2は、鋳造軽合金例えばアルミダイカスト等により形成されており、上述した出力軸33の延びる方向に互いに接合された、モータカバー21(第1ケースに該当する)、モータハウジング22(第2ケースに該当する)、インタミケース23(第3ケースに該当する)およびギヤカバー24(第4ケースに該当する)により形成されている。
モータカバー21は、ハウジング2において最も左方に配置されている。また、モータハウジング22は、モータカバー21に対し、出力軸33の延びる方向であってモータドライブギヤ41が形成されている側と接合している。また、インタミケース23は、モータハウジング22に対し、モータカバー21と接合した側と反対側に接合されている。また、ギヤカバー24は、インタミケース23に対し、モータハウジング22と接合した側と反対側に接合されている。
ハウジング2が4分割されることにより形成された各ピース21、22、23、24は、各々の間にガスケット(図示せず)を介装した上でボルト等により締め付けられ、互いに液密的に接合されている。尚、図1において、上下方向に延びる3本の破線は、各ピース21、22、23、24間の境界を示しており、インタミケース23の部位には、識別のために他のピース21、22、24と異なるハッチングが施してある。
電動モータ3の出力軸33は、モータドライブギヤ41が設けられていない側において第1出力軸受81に挿入されている。第1出力軸受81は、モータカバー21の内壁に形成された第1出力軸受ホルダ21aに嵌入されている。
また、出力軸33のモータドライブギヤ41が設けられた側の端部は、第2出力軸受82に挿入されている。第2出力軸受82は、インタミケース23内部に形成された第2出力軸受ホルダ23a(第2軸受取付部に該当する)に嵌入され、これにより出力軸33はモータハウジング22を貫通し、その両端はモータカバー21とインタミケース23とにより回転可能に支持されている。図1に示すように、電動モータ3は、主にモータカバー21とモータハウジング22内に収容されている。
カウンタギヤ列5のカウンタ軸51は、カウンタドリブンギヤ42が設けられた側において、第1カウンタ軸受83に挿入されている。第1カウンタ軸受83は、モータハウジング22の内壁に形成された第1カウンタ軸受ホルダ22aに嵌入されている。
また、カウンタ軸51のカウンタドライブギヤ61が設けられた側は、第2カウンタ軸受84に挿入されている。第2カウンタ軸受84は、ギヤカバー24の内壁に形成された第2カウンタ軸受ホルダ24aに嵌入され、これによりカウンタ軸51はインタミケース23を貫通し、その両端はモータハウジング22とギヤカバー24とにより回転可能に支持されている。
差動装置7のデファレンシャルケース71は、ファイナルドリブンギヤ62が設けられていない側において、第1ケース軸受85に挿入されている。第1ケース軸受85は、ギヤカバー24の内壁に形成された第1ケース軸受ホルダ24bに嵌入されている。
また、デファレンシャルケース71のファイナルドリブンギヤ62が設けられた側は、第2ケース軸受86に挿入されている。第2ケース軸受86は、インタミケース23内部に形成された第1ケース軸受ホルダ23b(第1軸受取付部に該当する)に嵌入され、これによりデファレンシャルケース71の両端は、ギヤカバー24とインタミケース23とにより回転可能に支持されている。図1に示したように、差動装置7は、ギヤカバー24内に収容されている。また、上述した第2出力軸受ホルダ23aと第1ケース軸受ホルダ23bとは、インタミケース23上において一体に形成されている。
上述したように、第1減速ギヤ対4においては所定の減速比に設定するために、カウンタドリブンギヤ42はモータドライブギヤ41よりも大径に形成され、モータドライブギヤ41の歯数に対して、カウンタドリブンギヤ42の歯数は所定の比率で多く設定されている。したがって、図1に示したように、カウンタドリブンギヤ42の外周面は、第2出力軸受ホルダ23aおよび第1ケース軸受ホルダ23bに対して半径方向にオーバラップしている。
また、右方のリヤドライブシャフト75Rのサイドギヤ72に連結されていない側の端部は、第1シャフト軸受87に挿入されている。第1シャフト軸受87は、ギヤカバー24の内壁に形成された第1シャフト軸受ホルダ24cに嵌入されている。
また、左方のリヤドライブシャフト75Lはインタミケース23およびモータハウジング22を貫通し、そのサイドギヤ72に連結されていない側の端部は、第2シャフト軸受88に挿入されている。第2シャフト軸受88は、モータカバー21の内壁に形成された第2シャフト軸受ホルダ21bに嵌入され、これにより左右のリヤドライブシャフト75R、75Lの端部は、それぞれモータカバー21とギヤカバー24とにより回転可能に支持されている。
ところで、本実施形態によるリヤトランスアクスル1における潤滑油の供給方法には、掻き上げ潤滑方式が採用されており、カウンタドリブンギヤ42とファイナルドリブンギヤ62が、その回転によりハウジング2の底部に貯蔵された潤滑油を掻き上げて各潤滑部位に供給している。掻き上げられた潤滑油は、例えば第1減速ギヤ対4および第2減速ギヤ対6の噛合部、または差動装置7のギヤ噛合部や回転摺動部、もしくは各軸受81〜88などに供給される。
また、ハウジング2には、潤滑油の一部を貯蔵するためのキャッチタンク25(リザーバタンクに該当する)が設けられている。キャッチタンク25は、車両速度の上昇によってカウンタドリブンギヤ42あるいはファイナルドリブンギヤ62の回転速度が上昇し、これに伴う潤滑油に対する攪拌抵抗の増大を抑制することを目的として、ハウジング2の底部に貯蔵された潤滑油の油面位置を下げるために設けられている。このキャッチタンク25は、ハウジング2の底部の油面位置よりも高い位置で潤滑油を貯留できるように、モータハウジング22およびインタミケース23を貫通し、モータカバー21とギヤカバー24を連結するように形成されている。
図1に示すように、キャッチタンク25は、車両後方に位置するハウジング2の後方壁27(ハウジングの側壁に該当する)と、後方壁27に対して対向するタンク壁部26との間に形成される。タンク壁部26は、電動モータ3、出力軸33およびファイナルドリブンギヤ62に対して側方に位置し、モータハウジング22およびインタミケース23を貫通して、モータカバー21の内壁とギヤカバー24の内壁を接続している。
タンク壁部26は、モータカバー21に一体に形成され、モータカバー21の左方の内壁から、電動モータ3の後方に沿って出力軸33方向に延びた第1左右壁21cを有している。
また、タンク壁部26は、モータハウジング22に一体に形成され、電動モータ3の後方に沿って出力軸33方向に延びた第2左右壁22bを有している。第2左右壁22bの左端部は、モータカバー21にモータハウジング22を接合した状態で、第1左右壁21cの右端部に液密的に接続される。第1左右壁21cと第2左右壁22bとを包括した構成が、第1軸方向壁部に該当する。
また、タンク壁部26は、第2左右壁22bの右端部に接続されるように、モータハウジング22に一体に形成され、電動モータ3の右端部の側方において出力軸33の回転中心に向けて延びた第1前後壁22c(第1径方向壁部に該当する)を有している。
また、タンク壁部26は、第1前後壁22cの内端部に接続されるように、モータハウジング22に一体に形成され、モータドライブギヤ41の外周面に沿って出力軸33方向に延びた第3左右壁22dを有している。
また、タンク壁部26は、ギヤカバー24に一体に形成され、ギヤカバー24の右方の内壁から、ファイナルドリブンギヤ62の後方において、その外周面に沿ってファイナルドリブンギヤ62の回転軸方向に延びた第4左右壁24dを有している。
また、タンク壁部26は、インタミケース23に一体に形成され、ファイナルドリブンギヤ62の後方において、その外周面に沿ってファイナルドリブンギヤ62の回転軸方向に延びた第5左右壁23cを有している。第5左右壁23cの右端部は、ギヤカバー24にインタミケース23を接合した状態で、第4左右壁24dの左端部に液密的に接続される。第4左右壁24dと第5左右壁23cとを包括した構成が、第2軸方向壁部に該当する。
また、タンク壁部26は、第5左右壁23cの左端部に接続されるように、インタミケース23に一体に形成され、ファイナルドリブンギヤ62のモータドライブギヤ41側の端面に沿って、ファイナルドリブンギヤ62の回転中心に向けて延びた第2前後壁23d(第2径方向壁部に該当する)を有している。
また、タンク壁部26は、第2前後壁23dの内端部に接続されるように、インタミケース23に一体に形成され、ファイナルドリブンギヤ62の回転軸方向に延びた第6左右壁23eを有している。第6左右壁23eの左端部は、モータハウジング22にインタミケース23を接合した状態で、第3左右壁22dの右端部に液密的に接続される。図1に示したように、第6左右壁23eはインタミケース23上において、第2出力軸受ホルダ23aおよび第1ケース軸受ホルダ23bと一体に形成されている。第3左右壁22dと第6左右壁23eとを包括した構成が第3軸方向壁部に該当し、当該構成は、第1前後壁22cの内端部と第2前後壁23dの内端部とを接続している。
車両の走行により、カウンタドリブンギヤ42およびファイナルドリブンギヤ62が駆動されると、ハウジング2の底部に貯蔵された潤滑油が掻き上げられて、図示しない油路を介して、キャッチタンク25内に一時的に貯留される。その後、キャッチタンク25内の潤滑油は、徐々に外部に流出して各部位に供給される。この掻き上げ潤滑方式によるリヤトランスアクスル1内における潤滑油の供給方法およびキャッチタンク25の構成については、公開特許公報である特開2010−223376号等に記載されているため、詳細な説明は省略する。
次に、図2および図3に基づき、リヤトランスアクスル1の組付方法について、モータハウジング22に対してカウンタギヤ列5およびインタミケース23を取り付ける工程を中心に説明する。最初に、カウンタギヤ列5の両端部を、それぞれ第1カウンタ軸受83および第2カウンタ軸受84に挿入する。次に、カウンタギヤ列5と一体化した第1カウンタ軸受83を、モータハウジング22の第1カウンタ軸受ホルダ22aに嵌入させる(図2示、ギヤ列取付ステップに該当する)。この時、モータハウジング22において、第2出力軸受ホルダ23aおよび第1ケース軸受ホルダ23bが形成されていないため、カウンタドリブンギヤ42が干渉することがない。したがって、第1カウンタ軸受ホルダ22aに対してカウンタギヤ列5をまっすぐ(回転軸方向)に挿入することが可能である。
カウンタギヤ列5のモータハウジング22への取り付けが完了すると、モータハウジング22に対し、第2出力軸受82と第2ケース軸受86が取り付けられたインタミケース23を接合させる(図3示、ケース接合ステップに該当する)。その後、差動装置7が取り付けられたギヤカバー24を、インタミケース23に接合させる。この時、カウンタギヤ列5に取り付けられた第2カウンタ軸受84を、第2カウンタ軸受ホルダ24aに嵌入させるとともに、デファレンシャルケース71を第2ケース軸受86に挿入する。
最後に、モータハウジング22の内部に電動モータ3を収容するとともに、モータハウジング22にモータカバー21を接合し、リヤトランスアクスル1の組付けを完了する。
モータハウジング22の内部に電動モータ3を収容する場合、電動モータ3の出力軸33を第2出力軸受82に挿入する。また、モータハウジング22にモータカバー21を接合する際、電動モータ3の出力軸33に取り付けられた第1出力軸受81を、モータカバー21の第1出力軸受ホルダ21aに嵌入させるとともに、左方のリヤドライブシャフト75Lに取り付けられた第2シャフト軸受88を、第2シャフト軸受ホルダ21bに嵌入させる。
本実施形態によれば、ハウジング2は、電動モータ3の出力軸33において、モータドライブギヤ41が形成されていない側を回転可能に支持するモータカバー21と、モータカバー21に対し、出力軸33の延びる方向であってモータドライブギヤ41が形成されている側と接合し、カウンタギヤ列5のカウンタドリブンギヤ42側を回転可能に支持するモータハウジング22と、モータハウジング22に対し、モータカバー21と接合した側と反対側に接合され、出力軸33において、モータドライブギヤ41が形成されている側の端部を回転可能に支持する第2出力軸受ホルダ23aと、ファイナルドリブンギヤ62において、モータドライブギヤ41と対向する側を回転可能に支持する第1ケース軸受ホルダ23bとを有するインタミケース23と、インタミケース23に対し、モータハウジング22と接合した側と反対側に接合され、ファイナルドリブンギヤ62のモータドライブギヤ41と対向していない側を回転可能に支持するギヤカバー24とにより形成されていることにより、カウンタドリブンギヤ42の外周面が、第2出力軸受ホルダ23aまたは第1ケース軸受ホルダ23bに対して半径方向にオーバラップしていても、モータハウジング22にカウンタギヤ列5のカウンタドリブンギヤ42側を取り付ける場合に、第2出力軸受ホルダ23aおよび第1ケース軸受ホルダ23bがじゃまにならず、カウンタギヤ列5を回転軸方向(まっすぐ)に取り付けることができる。したがって、カウンタギヤ列5のカウンタドリブンギヤ42と第2出力軸受ホルダ23aとの間の軸方向の隙間d(図3示)を低減することができ、小型軽量のリヤトランスアクスル1にすることができる。
また、タンク壁部26は、モータカバー21の内壁から、電動モータ3の側方に沿って出力軸33方向に延びた第1左右壁21cおよび第2左右壁22bと、ギヤカバー24の内壁から、ファイナルドリブンギヤ62の外周面に沿って、その回転軸方向に延びた第4左右壁24dおよび第5左右壁23cと、第2左右壁22bの端部に接続され、電動モータ3の終端部において出力軸33の回転中心に向けて延びた第1前後壁22cと、第5左右壁23cの端部に接続され、ファイナルドリブンギヤ62のモータドライブギヤ41側の端面に沿って、ファイナルドリブンギヤ62の回転中心に向けて延びた第2前後壁23dと、第1前後壁22cの内端部と第2前後壁23dの内端部とを接続するように、モータドライブギヤ41の外周面に沿って出力軸33方向に延びた第3左右壁22dおよび第6左右壁23eを有していることにより、モータドライブギヤ41の外周面に沿った空間をキャッチタンク25の一部にすることができる。
すなわち、図5に示したトランスアクスル装置100においては、第1減速ギヤ対102を形成する小径ギヤ102aの外周側部位に、デッドスペースSが存在している。したがって、所定容量のキャッチタンク110を設けるためにトランスアクスル装置100が大型化して、車両への搭載性が悪化していた。
一方、トランスアクスル装置100を小型化しようとすれば、キャッチタンク110が小型化して容量不足となり、車両走行時に潤滑油を掻き上げるための撹拌抵抗が増大する。これにより、トランスアクスル装置100における発熱が増大して、ブリーザからの油吹きが発生する虞があった。
これに対して、本実施形態の構成によれば、デッドスペースSをキャッチタンク25の容量として有効活用することができる。したがって、キャッチタンク25の容量を減少させることなくリヤトランスアクスル1を小型化することができ、その車両搭載性を向上させることができる。
また、リヤトランスアクスル1を大型化せずに、キャッチタンク25の容量を増大させることができるため、潤滑油の撹拌抵抗を低減することができる。したがって、リヤトランスアクスル1において発熱を低減して、ブリーザからの油吹きを防ぐことができる。
また、これとともに、タンク壁部26のうち、第1前後壁22cはモータハウジング22に形成され、第2前後壁23dはインタミケース23に形成されたことにより、モータハウジング22およびインタミケース23の成形時において、それぞれタンク壁部26の型抜きを可能にすることができる。したがって、ハウジング2の成形型を簡素化することができ、低コストのリヤトランスアクスル1にすることができる。
また、第2前後壁23d、第2出力軸受ホルダ23aおよび第1ケース軸受ホルダ23bはインタミケース23に形成されたことにより、差動装置7のギヤカバー24への組み付けを容易にすることができ、低コストのリヤトランスアクスル1にすることができる。
また、インタミケース23において、第6左右壁23eは第2出力軸受ホルダ23aおよび第1ケース軸受ホルダ23bと一体に形成されたことにより、第6左右壁23eの剛性を向上させることができ、ハウジング2の強度を増大させることができる。
また、インタミケース23において、第2出力軸受ホルダ23aと第1ケース軸受ホルダ23bは互いに一体に形成されたことにより、インタミケース23の剛性を向上させることができるとともに、第1ケース軸受ホルダ23bおよび第2出力軸受ホルダ23aの成形時の型抜きを可能にし、型構造を簡素化することができる。
また、ギヤカバー24は、カウンタギヤ列5のカウンタドライブギヤ61側を回転可能に支持することにより、組付性の良好なリヤトランスアクスル1にすることができる。
<他の実施形態>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
インタミケース23の成形時において、第2出力軸受ホルダ23aまたは第1ケース軸受ホルダ23bを一体的に形成せずに、第2出力軸受ホルダ23aまたは第1ケース軸受ホルダ23bを別体で形成し、成形後のインタミケース23にボルト等により取り付けるようにしてもよい。
また、デファレンシャルケース71のファイナルドリブンギヤ62が設けられた側を支持する第1ケース軸受ホルダ23bを、インタミケース23に形成し、特開2010−246180号に開示された電動駆動装置のように、出力軸33のモータドライブギヤ41側を支持する第2出力軸受ホルダ23aを、モータドライブギヤ41よりも電動モータ3側に位置するようにモータハウジング22に形成してもよい(図4示)。
また、図1において、リヤトランスアクスル1は模式的に示されており、タンク壁部26を含んだハウジング2の細部形状は、必ずしも図1において示された形状でなければならないわけではなく、あらゆる変更が可能である。
また、リヤトランスアクスル1において、電動モータ3の代わりに、油圧モータ、空気圧モータ等のあらゆる駆動源が使用可能である。
また、本発明はリヤトランスアクスルのみに適用されるべきものではなく、前輪駆動装置に適用してもよい。さらに、本発明は、4輪駆動車両のみではなく、前輪駆動車両あるいは後輪駆動車両に適用してもよい。
図面中、1はリヤトランスアクスル(車両用駆動装置)、2はハウジング、3は電動モータ(駆動源)、4は第1減速ギヤ対、5はカウンタギヤ列、6は第2減速ギヤ対、21はモータカバー(第1ケース)、21cは第1左右壁(第1軸方向壁部)、22はモータハウジング(第2ケース)、22bは第2左右壁(第1軸方向壁部)、22cは第1前後壁(第1径方向壁部)、22dは第3左右壁(第3軸方向壁部)、23はインタミケース(第3ケース)、23aは第2出力軸受ホルダ(第2軸受取付部)、23bは第1ケース軸受ホルダ(第1軸受取付部)、23cは第5左右壁(第2軸方向壁部)、23dは第2前後壁(第2径方向壁部)、23eは第6左右壁(第3軸方向壁部)、24はギヤカバー(第4ケース)、24dは第4左右壁(第2軸方向壁部)、25はキャッチタンク(リザーバタンク)、26はタンク壁部、27は後方壁(ハウジングの側壁)、33は出力軸、41はモータドライブギヤ(第1ドライブギヤ)、42はカウンタドリブンギヤ(第1ドリブンギヤ)、61はカウンタドライブギヤ(第2ドライブギヤ)、62はファイナルドリブンギヤ(第2ドリブンギヤ)、WR,WLは車輪を示している。

Claims (6)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジング内に収容された駆動源と、
    前記駆動源の出力軸上に形成され、前記駆動源により回転される第1ドライブギヤと、
    前記第1ドライブギヤと噛合して、前記第1ドライブギヤとともに第1減速ギヤ対を形成する第1ドリブンギヤと、
    前記第1ドリブンギヤに対し同軸上であって、前記第1ドリブンギヤよりも前記駆動源から離れるように配置され、前記第1ドリブンギヤと一体に回転することによりカウンタギヤ列を形成する第2ドライブギヤと、
    前記第1ドライブギヤに対して回転軸方向に対向して配置されるとともに、前記第2ドライブギヤと噛合して、前記第2ドライブギヤとともに第2減速ギヤ対を形成し、車輪へ駆動力を出力する第2ドリブンギヤと、
    を備え、
    前記ハウジングは、
    前記駆動源の前記出力軸において、前記第1ドライブギヤが形成されていない側を回転可能に支持する第1ケースと、
    前記第1ケースに対し、前記出力軸の延びる方向であって前記第1ドライブギヤが形成されている側と接合し、前記カウンタギヤ列の前記第1ドリブンギヤ側を回転可能に支持する第2ケースと、
    前記第2ケースに対し、前記第1ケースと接合した側と反対側に接合され、前記第2ドリブンギヤにおいて、前記第1ドライブギヤと対向する側を回転可能に支持する第1軸受取付部を有する第3ケースと、
    前記第3ケースに対し、前記第2ケースと接合した側と反対側に接合され、前記第2ドリブンギヤの前記第1ドライブギヤと対向していない側を回転可能に支持する第4ケースと、
    により形成され、
    前記出力軸において、前記第1ドライブギヤが形成されている側を回転可能に支持する第2軸受取付部は、
    前記第1ドライブギヤに対し、前記第1軸受取付部側に位置するように前記第3ケースに形成されるか、あるいは前記第1ドライブギヤに対し、前記駆動源側に位置するように前記第2ケースに形成されており、
    前記第1ドリブンギヤの外周面は、前記第1軸受取付部または前記第2軸受取付部に対して半径方向にオーバラップしている車両用駆動装置。
  2. 前記ハウジングには、前記駆動源および前記第2ドリブンギヤに対して側方に位置し、前記第2ケースと前記第3ケースとを貫通して、前記第1ケースの内壁と前記第4ケースの内壁とを連結するタンク壁部が形成され、前記タンク壁部は、前記ハウジングの側壁と対向することにより、双方の間に、前記第1ドリブンギヤまたは前記第2ドリブンギヤの回転により掻き上げられた潤滑油を貯蔵するリザーバタンクが形成され、
    前記タンク壁部は、
    前記第1ケースの内壁から、前記駆動源の側方に沿って前記出力軸方向に延びた第1軸方向壁部と、
    前記第4ケースの内壁から、前記第2ドリブンギヤの外周面に沿って回転軸方向に延びた第2軸方向壁部と、
    前記第1軸方向壁部の端部に接続され、前記駆動源の終端部において前記出力軸の回転中心に向けて延びた第1径方向壁部と、
    前記第2軸方向壁部の端部に接続され、前記第2ドリブンギヤの前記第1ドライブギヤ側の端面に沿って、前記第2ドリブンギヤの回転中心に向けて延びた第2径方向壁部と、
    前記第1径方向壁部の内端部と前記第2径方向壁部の内端部とを接続するように、前記第1ドライブギヤの外周面に沿って前記出力軸方向に延びた第3軸方向壁部と、
    を有し、
    前記第1径方向壁部は、前記第2ケースに形成され、
    前記第2径方向壁部は、前記第3ケースに形成された請求項1記載の車両用駆動装置。
  3. 前記第2軸受取付部は、
    前記第1ドライブギヤに対し、前記第1軸受取付部側に位置するように前記第3ケースに形成され、
    前記第3軸方向壁部は、前記第3ケースにおいて、前記第1軸受取付部または前記第2軸受取付部と一体に形成された請求項2記載の車両用駆動装置。
  4. 前記第2軸受取付部は、
    前記第1ドライブギヤに対し、前記第1軸受取付部側に位置するように前記第3ケースに形成され、
    前記第3ケースにおいて、前記第1軸受取付部と前記第2軸受取付部は互いに一体に形成された請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  5. 前記第4ケースは、前記カウンタギヤ列の前記第2ドライブギヤ側を回転可能に支持する請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  6. 駆動装置は、
    ハウジングと、
    前記ハウジング内に収容された駆動源と、
    前記駆動源の出力軸上に形成され、前記駆動源により回転される第1ドライブギヤと、
    前記第1ドライブギヤと噛合して、前記第1ドライブギヤとともに第1減速ギヤ対を形成する第1ドリブンギヤと、
    前記第1ドリブンギヤに対し同軸上であって、前記第1ドリブンギヤよりも前記駆動源から離れるように配置され、前記第1ドリブンギヤと一体に回転することによりカウンタギヤ列を形成する第2ドライブギヤと、
    前記第1ドライブギヤに対して回転軸方向に対向して配置されるとともに、前記第2ドライブギヤと噛合して、前記第2ドライブギヤとともに第2減速ギヤ対を形成し、車輪へ駆動力を出力する第2ドリブンギヤと、
    を備え、
    前記ハウジングは、
    前記駆動源の前記出力軸において、前記第1ドライブギヤが形成されていない側を回転可能に支持する第1ケースと、
    前記第1ケースに対し、前記出力軸の延びる方向であって前記第1ドライブギヤが形成されている側と接合し、前記カウンタギヤ列の前記第1ドリブンギヤ側を回転可能に支持する第2ケースと、
    前記第2ケースに対し、前記第1ケースと接合した側と反対側に接合され、前記第2ドリブンギヤにおいて、前記第1ドライブギヤと対向する側を回転可能に支持する第1軸受取付部を有する第3ケースと、
    前記第3ケースに対し、前記第2ケースと接合した側と反対側に接合され、前記第2ドリブンギヤの前記第1ドライブギヤと対向していない側を回転可能に支持する第4ケースと、
    により形成され、
    前記出力軸において、前記第1ドライブギヤが形成されている側を回転可能に支持する第2軸受取付部は、
    前記第1ドライブギヤに対し、前記第1軸受取付部側に位置するように前記第3ケースに形成されるか、あるいは前記第1ドライブギヤに対し、前記駆動源側に位置するように前記第2ケースに形成されており、
    前記第1ドリブンギヤの外周面は、前記第1軸受取付部または前記第2軸受取付部に対して半径方向にオーバラップしており、
    前記第2ケースに対して、前記カウンタギヤ列の前記第1ドリブンギヤ側を回転可能に取り付けるギヤ列取付ステップと、
    その後、前記第2ケースに対して、前記第3ケースを接合させるケース接合ステップと、
    を備えた駆動装置におけるカウンタギヤ列のハウジングへの取付方法。
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