JP2020186765A - 車両用駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の高速走行時等において駆動ケースに貯留されるオイルの油面が低下した場合に、差動歯車機構の潤滑性能が低下することを防止できる車両用駆動装置を提供すること。【解決手段】駆動装置8は、開口部20A、20Bを有し、差動歯車機構21を収容するデフケース20と、減速機構12の上方で、かつファイナルドリブンギヤ19の前方に設けられたキャッチタンク35を備えており、キャッチタンク35は、ファイナルドリブンギヤ19の回転によって掻き上げられたオイルを一時的に貯留するオイル貯留部36と、オイル貯留部36に貯留されたオイルを、開口部20A、20Bを通して差動歯車機構21に供給するオイル供給部38とを有する。【選択図】図6
Description
本発明は、車両用駆動装置に関する。
従来の減速機としては、ファイナルドリブンギヤによって掻き上げられた潤滑油のうち、キャッチタンクに到達した潤滑油をキャッチタンクから被潤滑部位に供給し、キャッチタンクに到達しなかった潤滑油をディファレンャルケースの軸受に誘導するリブが減速機のケースの側壁に設けられたものが知られている。
しかしながら、このような減速機にあっては、ディファレンシャルケースの高回転時にファイナルドリブンギヤが減速機のケースの底面に貯留されたオイルを掻き上げることにより、オイルの油面が低下する。
このため、ディファレンシャルケースの内部に収容されたピニオンギヤとサイドギヤの噛み合い部に供給される潤滑油が不足し、ピニオンギヤとサイドギヤの焼き付けが発生するおそれがある。
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、車両の高速走行時等において駆動ケースに貯留されるオイルの油面が低下した場合に、差動歯車機構の潤滑性能が低下することを防止できる車両用駆動装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、底部にオイルが貯留される駆動ケースと、駆動ケースに収容され、駆動源から伝達された動力を減速して出力する減速機構と、差動歯車機構と、開口部を有し、前記差動歯車機構を収容する差動ケースと、前記減速機構の動力が伝達される回転体を有し、前記減速機構の動力を左右の駆動輪に分配する差動装置と、前記減速機構の上方で、かつ前記回転体の前方に設けられたキャッチタンクとを備え、前記キャッチタンクが、前記回転体の回転によって掻き上げられたオイルを一時的に貯留するオイル貯留部を備え、前記オイル貯留部に貯留されたオイルを、前記開口部を通して前記差動歯車機構に供給するオイル供給部を有することを特徴とする。
このように本発明によれば、車両の高速走行時等において駆動ケースに貯留されるオイルの油面が低下した場合に、差動歯車機構の潤滑性能が低下することを防止できる。
本発明の一実施の形態に係る車両用駆動装置は、底部にオイルが貯留される駆動ケースと、駆動ケースに収容され、駆動源から伝達された動力を減速して出力する減速機構と、差動歯車機構と、開口部を有し、差動歯車機構を収容する差動ケースと、減速機構の動力が伝達される回転体を有し、減速機構の動力を左右の駆動輪に分配する差動装置と、減速機構の上方で、かつ回転体の前方に設けられたキャッチタンクとを備え、キャッチタンクが、回転体の回転によって掻き上げられたオイルを一時的に貯留するオイル貯留部を備え、オイル貯留部に貯留されたオイルを、開口部を通して差動歯車機構に供給するオイル供給部を有する。
これにより、本発明の一実施の形態に係る車両用駆動装置は、車両の高速走行時等において駆動ケースに貯留されるオイルの油面が低下した場合に、差動歯車機構の潤滑性能が低下することを防止できる。
以下、本発明の一実施例に係る車両用駆動装置について、図面を用いて説明する。
図1から図6は、本発明の一実施例に係る車両用駆動装置を示す図である。なお、図1から図8において、上下前後左右方向は、車両用駆動装置が搭載された車両の進行する方向を前、後退する方向を後とした場合に、車両の幅方向が左右方向、車両の高さ方向が上下方向である。
図1から図6は、本発明の一実施例に係る車両用駆動装置を示す図である。なお、図1から図8において、上下前後左右方向は、車両用駆動装置が搭載された車両の進行する方向を前、後退する方向を後とした場合に、車両の幅方向が左右方向、車両の高さ方向が上下方向である。
まず、構成を説明する。
図1において、車両1は、左側サイドメンバ2L、右側サイドメンバ2Rおよびサブフレーム3を備えている。
図1において、車両1は、左側サイドメンバ2L、右側サイドメンバ2Rおよびサブフレーム3を備えている。
左側サイドメンバ2Lおよび右側サイドメンバ2Rは、車両1の幅方向(左右方向)に離隔して、車両1の前後方向に延びている。以下、車両1の幅方向を車幅方向という。サブフレーム3は、車幅方向に延びている。
車両1は、パワートレイン6を有する。パワートレイン6は、車両1の前部のモータルーム5に設置されており、サブフレーム3の下方に位置している。パワートレイン6は、モータ7と、モータ7の車幅方向左端部に連結された駆動装置8とを備えている。本実施例の駆動装置8は、本発明の車両用駆動装置を構成する。
モータ7は、本発明の駆動源を構成しており、図示しないバッテリから供給される電力によって駆動される。
駆動装置8は、駆動ケース9を備えており、駆動ケース9は、レフトケース10と、レフトケース10にボルト50Aによって締結されたライトケース11とを有する。
図1、図2において、レフトケース10は、上下方向に延びる前壁10Aと、湾曲形状を有する後壁10Bと、前壁10Aの下部と後壁10Bの下部とを連結する下壁10Cと、前壁10Aの上部と後壁10Bの上部とを連結する上壁10Dとを有する。
レフトケース10は、前壁10A、後壁10B、下壁10Cおよび上壁10Dを連結する側壁部10Eを有する。上壁10Dは、後壁10Bから前壁10Aに向かって上方に傾斜している。
図1、図3において、ライトケース11は、上下方向に延びる前壁11Aと、湾曲形状を有する後壁11Bと、前壁11Aの下部と後壁11Bの下部とを連結する下壁11Cと、前壁11Aの上部と後壁11Bの上部とを連結する上壁11Dを有する。
ライトケース11は、前壁11A、後壁11B、下壁11Cおよび上壁11Dを連結する側壁部11Eを有する。上壁11Dは、後壁11Bから前壁11Aに向かって上方に傾斜している。
図1において、レフトケース10の右端部にはフランジ部10Mが設けられている。ライトケース11の左端部にはフランジ部11Mが設けられており、レフトケース10とライトケース11は、フランジ部10Mとフランジ部11Mがボルト50Aによって締結されることにより、一体化されている。
図3に示すように、駆動ケース9には減速機構12と差動装置13が収容されている。図3では、レフトケース10を図示省略している。
図5、図6において、減速機構12は、モータ7から動力が伝達される入力軸14と、入力軸14に設けられ、入力軸14と一体で回転する入力ギヤ15と、入力ギヤ15に噛み合う出力ギヤ16を有し、出力ギヤ16と一体で回転する出力軸17とを有する。入力軸14と出力軸17は、車幅方向に平行に設置されている。
減速機構12は、出力軸17に設けられ、出力軸17と一体で回転するファイナルドライブギヤ18を有する。入力ギヤ15は、出力ギヤ16よりも小径に形成されており、出力ギヤ16は、ファイナルドライブギヤ18よりも大径に形成されている。
減速機構12は、モータ7の動力を入力軸14、入力ギヤ15、出力ギヤ16を介して出力軸17に伝達することにより、モータ7の動力を減速してファイナルドライブギヤ18から出力する。
差動装置13は、ファイナルドライブギヤ18に噛み合うファイナルドリブンギヤ19と、外周部にファイナルドリブンギヤ19が取付けられ、ファイナルドリブンギヤ19と一体で回転するデフケース20と、デフケース20に収容された差動歯車機構21とを有する。
デフケース20は、出力ギヤ16の後方、かつデフケース20よりも低い位置に設置されている。具体的には、図3、図6に示すように、デフケース20の上端20mは、出力ギヤ16の上端16mよりも下方に位置し、デフケース20の下端20nは、出力ギヤ16の下端16nよりも下方に位置している。
本実施例のデフケース20は、本発明の差動ケースを構成し、ファイナルドリブンギヤ19は、本発明の回転体を構成する。
デフケース20には開口部20A、20Bが形成されており、差動歯車機構21は、開口部20A、20Bを通してデフケース20の内部に収容されている。開口部20A、20Bは、デフケース20の径方向に貫通されており、出力ギヤ16の径方向と同方向に開口している。
図5において、差動歯車機構21は、デフケース20に固定されるピニオンシャフト21Aと、 ピニオンシャフト21Aに回転自在に支持される一対のピニオンギヤ21B、21Cとを有する。
差動歯車機構21は、ピニオンギヤ21B、21Cに噛み合い、ピニオンギヤ21B、21Cから伝達される動力を左右の駆動輪22L、22Rに分配する図示しないサイドギヤおよびサイドギヤ21Dを有する。図示しないサイドギヤおよびサイドギヤ21Dには左右の駆動輪22L、22Rに連結されるドライブシャフト23L、23Rがスプライン嵌合されている。
モータ7から減速機構12を介してデフケース20に伝達された動力は、ピニオンギヤ21B、21Cを介して図示しないサイドギヤおよびサイドギヤ21Dに伝達され、図示しないサイドギヤおよびサイドギヤ21Dからドライブシャフト23L、23Rを介して駆動輪22L、22Rに分配される。
レフトケース10の後壁10Bとライトケース11の後壁11Bは、ファイナルドリブンギヤ19の円形の外周形状に沿って湾曲している。
図1に示すように、左側サイドメンバ2Lおよび右側サイドメンバ2Rには左側支持部材24Lと右側支持部材24Rを介してサブフレーム3が連結されている。
モータ7は、右側マウント部材41Rによってサブフレーム3の右端部に弾性的に支持されており、駆動装置8のレフトケース10は、左側マウント部材41Lによってサブフレーム3の左端部に弾性的に支持されている。ライトケース11の後部は、後マウント部材41Bによってサブフレーム3に弾性的に支持されている。
これにより、パワートレイン6は、サブフレーム3に吊り下げられるようにして、左側マウント部材41L、右側マウント部材41Rおよび後マウント部材41Bによってサブフレーム3に弾性的に支持されている。なお、ライトケース11の下部は、図示しないトルクロッドによって図示しないロアクロスメンバに弾性的に支持されている。
図2において、レフトケース10の側壁部10Eには軸受保持部10F、10G、10Hが設けられている。図4において、ライトケース11の側壁部11Eには軸受保持部11F、11G、11Hが設けられている。
軸受保持部10Fにはデフケース20の左端部20a(図5参照)が軸受28Aを介して回転自在に支持されている。軸受保持部11Fにはデフケース20の右端部20b(図5参照)が軸受28Bを介して回転自在に支持されている。
軸受保持部10Hには入力軸14の左端部14a(図5参照)が軸受28Cを介して回転自在に支持されている。軸受保持部11Hには入力軸14の右端部14b側(図5参照)が軸受28Dを介して回転自在に支持されている。本実施例の右端部14bは、本発明の入力軸の一端部を構成する。
軸受保持部10G、11Gは、軸受保持部10H、11Hに対して軸受保持部10F、11F側、すなわち、差動装置13側に位置している。
軸受保持部10Gには出力軸17の左端部17a(図5参照)が軸受28Eを介して回転自在に支持されている。軸受保持部11Gには出力軸17の右端部17b(図5参照)が軸受28Fを介して回転自在に支持されている。本実施例の右端部17bは、本発明の出力軸の一端部を構成する。
軸受保持部11G、11Hは、側壁部11Eからレフトケース10側(すなわち、左方)に筒状に突出している。
レフトケース10およびライトケース11の底部には潤滑用のオイルO(図3、図4参照)が貯留されており、ファイナルドリブンギヤ19の下部とデフケース20の下部は、オイルOに浸かっている。
デフケース20とファイナルドリブンギヤ19は、レフトケース10の側壁部10Eとライトケース11の側壁部11Eの後壁10B、11B側に設置されている。
ファイナルドライブギヤ18によってファイナルドリブンギヤ19が回転されると、オイルOがファイナルドリブンギヤ19によって掻き上げられ、上壁10D、11Dに沿って前壁10A、11Aに向かって飛散される。
図4において、減速機構12の前方にはブリーザ室27が設けられている。ブリーザ室27は、側壁部11Eからレフトケース10側に(左側)に突出する周壁部29によって囲まれている。
周壁部29には空気導入孔29a、29bが設けられている。ブリーザ室27の内部において側壁部11Eには空気排出孔29cが設けられている。
周壁部29にはボルト50Bによってブリーザプレート30が固定されており(図3参照)、ブリーザ室27は、周壁部29とブリーザプレート30によって囲まれている。
駆動ケース9の内部の圧力が上昇すると、空気導入孔29a、29bを通してブリーザ室27に空気が導入され、ブリーザ室27の内部で空気とオイルが分離される。オイルから分離された空気は、空気排出孔29cを通して駆動ケース9の外部に排出される。これにより、駆動ケース9の内部の圧力が上昇することを防止できる。
図3において、ライトケース11にはキャッチタンク35が設けられている。キャッチタンク35は、箱型形状のオイル貯留部36と、オイル貯留部36から後方に延びるオイル案内部37と、樋形状のオイル供給部38とを備えている。
図5、図6において、オイル貯留部36は、底壁36Aと、ブリーザ室27側に位置して底壁36Aから上方に延びる前壁36Bと、前壁36Bに対して後側に位置するようにして底壁36Aから上方に延びる後壁36Cとを有する。前壁36Bの上端36mは、後壁36Cの上端36nよりも高い位置に位置しており、前壁36Bと後壁36Cは、上下方向で異なる高さに形成されている。
このため、オイル貯留部36に一時的に貯留されるオイルは、その油面が前壁36Bの上端36mに到達する前に後壁36Cから後方に溢れる。
オイル貯留部36は、前壁36Bの左端部36rから後方に延びる左側壁36Dと、前壁36Bの右端部36sと後壁36Cの右端部36tを連結する右側壁36Eとを有する。
オイル案内部37は、オイル貯留部36の底壁36Aから後方に延びる底壁37Aと、オイル貯留部36の左側壁36Dから後方に延び、かつ、底壁37Aから上方に延びる左側壁37Bと、オイル貯留部36の後壁36Cの左端部から後方に延び、かつ、底壁37Aから上方に延びる右側壁37Cとを有する。
オイル案内部37は、オイル貯留部36からファイナルドリブンギヤ19の上方に向かって延びている。
本実施例のオイル貯留部36の底壁36Aは、本発明の貯留部側底壁を構成する。オイル貯留部36の前壁36Bは、本発明の貯留部側前壁を構成し、オイル貯留部36の後壁36Cは、本発明の貯留部側後壁を構成する。
図3に示すように、車両1の高速走行時等にはファイナルドリブンギヤ19の回転速度が速いので、ファイナルドリブンギヤ19によって掻き上げられ、ライトケース11の上壁に沿って前壁11A側に飛散するオイルの飛散量は、増加する(図3のオイルO1、O2参照)。
上壁11Dに沿って前壁11A側に飛散したオイルO2は、オイル案内部37を通してオイル貯留部36に貯留される。これにより、オイルOの油面が大きく低下し、ファイナルドリブンギヤ19の攪拌抵抗が低減される。
一方、車両1の低速走行時等には車両1の高速走行時等に比べてファイナルドリブンギヤ19の回転速度が遅いので、ファイナルドリブンギヤ19によって掻き上げられるオイルの飛散量は、車両1の高速走行時等に比べて少なくなる。
これにより、オイル案内部37を通してオイル貯留部36に一時的に貯留されるオイル量は、車両1の高速走行時等よりも少ない。
図5、図6において、オイル供給部38は、オイル貯留部36の後壁36Cの上端36nよりも低い高さ位置に底面を有する底壁38Aと、底壁38Aの右端部と左端部から上方、すなわち、底壁38Aの車幅方向の両側から上方に延びる左側壁38Bおよび右側壁38Cを有する。
オイル供給部38は、オイル貯留部36の後壁36Cからデフケース20の上方まで延びており、オイル貯留部36に貯留されたオイルを、デフケース20の開口部20A、20Bを通して差動歯車機構21に供給する。
オイル供給部38の底壁38Aは、本発明の供給部側底壁を構成し、左側壁38Bと右側壁38Cは、本発明の一対の供給部側側壁を構成する。
図4において、ライトケース11の側壁部11Eには凹部11Iとボルト締結用のボス部11Jが設けられており、凹部11Iとボス部11Jは、軸受保持部11Hの上方に設けられている。
凹部11Iは、オイル貯留部36の右側壁36Eを取り囲むようにして右側壁36Eを収容している(図3参照)。
凹部11Iは、底面11iを有し、オイル貯留部36の底壁36Aと底面11iの間には上下方向の隙間が形成されている。
すなわち、凹部11Iの底面11iは、オイル貯留部36の底壁36Aとの間に上下方向の隙間を介して対向している。この状態でキャッチタンク35は、オイル貯留部36がボルト50Cを通してボス部11Jに締結されることにより、ライトケース11の上部に固定されている。
図5において、オイル貯留部36の底壁36Aにはオイル送出孔36a、36b、36cが形成されている。オイル案内部37の底壁37Aにはオイル送出孔37aが形成されている。
図4において、軸受保持部11Gにはオイル供給溝11gが形成されており、オイル供給溝11gは、凹部11Iの底面11iと軸受保持部11Gを連通している。軸受保持部11Hにはオイル供給溝11hが形成されており、オイル供給溝11hは、凹部11Iの底面11iと軸受保持部11Hを連通している。
オイル送出孔36bは、オイル供給溝11hの上方に位置するように底壁36Aに設けられている。オイル貯留部36に貯留されるオイルは、オイル送出孔36bからオイル供給溝11hを通して軸受保持部11Hの内部に導入される(図3のオイルO3参照)。これにより、軸受保持部11Hに設けられた軸受28Dが潤滑される。
オイル送出孔36aは、オイル送出孔36bに対して後側に位置し、かつ、オイル供給溝11gの上方に位置するようにして底壁36Aに設けられている。オイル貯留部36に貯留されるオイルは、オイル送出孔36aからオイル供給溝11gを通して軸受保持部11Gの内部に導入される(図3のオイルO4参照)。これにより、軸受保持部11Gに設けられた軸受28Fが潤滑される。
オイル送出孔36cは、オイル送出孔36bに対して左方に位置するように底壁36Aに設けられており、入力ギヤ15と出力ギヤ16の噛み合い部の上方に位置している。オイル貯留部36に貯留されるオイルは、オイル送出孔36cから入力ギヤ15と出力ギヤ16の噛み合い部に供給されることにより(図3のオイルO5参照)、入力ギヤ15と出力ギヤ16の噛み合い部が潤滑される。
オイル送出孔37aは、オイル送出孔36aよりも後方に位置するようにオイル案内部37の底壁37Aに設けられており、ファイナルドライブギヤ18とファイナルドリブンギヤ19の噛み合い部の上方に位置している。
オイル貯留部36に貯留されるオイルは、オイル送出孔37aからファイナルドライブギヤ18とファイナルドリブンギヤ19の噛み合い部に供給されることにより(図3のオイルO6参照)、ファイナルドライブギヤ18とファイナルドリブンギヤ19の噛み合い部が潤滑される。本実施例のオイル送出孔36a、36b、36cは、本発明のオイル送出孔を構成する。
次に、本実施例の駆動装置8の効果を説明する。
本実施例の駆動装置8は、開口部20A、20Bを有し、差動歯車機構21を収容するデフケース20と、減速機構12の上方で、かつファイナルドリブンギヤ19の前方に設けられたキャッチタンク35を備えている。
本実施例の駆動装置8は、開口部20A、20Bを有し、差動歯車機構21を収容するデフケース20と、減速機構12の上方で、かつファイナルドリブンギヤ19の前方に設けられたキャッチタンク35を備えている。
さらに、キャッチタンク35は、ファイナルドリブンギヤ19の回転によって掻き上げられたオイルを一時的に貯留するオイル貯留部36を備えている。
これにより、車両1の高速走行時等に高速回転するファイナルドリブンギヤ19によって多量のオイルがオイル貯留部36に掻き上げられてライトケース11に貯留されるオイルOの油面が低下すると、デフケース20付近のオイルOの油面が低下する。このため、差動歯車機構21をライトケース11に貯留されたオイルOで潤滑できないおそれがある。
本実施例の駆動装置8によれば、キャッチタンク35は、オイル貯留部36に貯留されたオイルを、開口部20A、20Bを通して差動歯車機構21に供給するオイル供給部38を有する。
これにより、車両1の高速走行時等にライトケース11に貯留されたオイルOの油面が低下した場合であっても、オイル供給部38によって差動歯車機構21にオイルを供給でき、差動歯車機構21の潤滑性能が低下することを防止できる。このため、ピニオンギヤ21B、21Cと図示しないサイドギヤおよびサイドギヤ21Dに焼き付けが発生することを防止できる。
また、本実施例の駆動装置8によれば、オイル貯留部36は、底壁36Aと、底壁36Aから上方に延びる前壁36Bと、前壁36Bに対して後側に位置するようにして底壁36Aから上方に延びる後壁36Cとを有する。
オイル貯留部36の底壁36Aは、オイル貯留部36に貯留されたオイルを減速機構12に供給するオイル送出孔36a、36b、36cを備えている。
これに加えて、オイル供給部38は、オイル貯留部36の後壁36Cの上端36nよりも低い高さ位置に底面を有する底壁38Aと、底壁38Aの左右両側から上方に延びる左側壁38Bおよび右側壁38Cとを有し、オイル貯留部36の後壁36Cからデフケース20の開口部20A、20Bの上方に向かって延びている。
これにより、車両1の高速走行時等に、ファイナルドリブンギヤ19によって掻き上げられるオイル量が増大すると、オイル貯留部36に貯留されるオイルの油面が上昇する。
そして、図6のオイルO7に示すように、オイルO7の油面がオイル貯留部36の後壁36Cの上端36nまで到達すると、オイル貯留部36に貯留されたオイルがオイル供給部38に導入される。
このため、オイルがオイル供給部38に沿ってデフケース20に導かれ、開口部20A、20Bを通して差動歯車機構21に供給される(オイルO8参照)。この結果、差動歯車機構21の潤滑性能をより効果的に向上できる。
一方、車両1の低速走行時等にはファイナルドリブンギヤ19の回転速度が低いので、ライトケース11に貯留されるオイルOの量が多く、オイルOの油面が高い。この場合には、ライトケース11に貯留されるオイルOをデフケース20の開口部20A、20Bを通して差動歯車機構21に供給し、差動歯車機構21を潤滑できる。
また、ファイナルドリブンギヤ19の回転速度が低い場合には、ファイナルドリブンギヤ19によって掻き上げられるオイル量も少なく、オイル貯留部36に貯留されるオイルの油面も低くなる。
これに加えて、オイル貯留部36に貯留されるオイルは、オイル送出孔36a、36b、36cから減速機構12に供給されることにより、オイル貯留部36に貯留されるオイルは、後壁36Cの上端36nまで到達しない。
このため、車両1の低速走行時等にオイル供給部38から差動歯車機構21に過度にオイルが供給されることを防止でき、差動歯車機構21の攪拌抵抗が増大することを防止できる。
このように、本実施例の駆動装置は、車両1の高速走行時等に差動歯車機構21の潤滑性能を向上でき、車両1の低速走行時等には必要以上のオイルを差動歯車機構21に供給しないようにして差動歯車機構21の攪拌抵抗を低減できる。
なお、本実施例のオイル供給部38は、オイル貯留部36から後方に延びる樋形状に形成されているが、これに限定されるものではない。
例えば、図7、図8に示すように、ライトケース11の側壁部11Eに形成された溝39からオイル供給部を構成してもよい。溝39は、凹部11Iからデフケース20を回転自在に支持する軸受保持部11Fの上方まで延びている。
このようにしても、車両1の高速走行時等にオイル貯留部36の後壁36Cから溢れたオイルO9を溝39によって開口部20A、20Bに供給でき、差動歯車機構21の潤滑性能を向上できる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1...車両、7...モータ(駆動源)、8...駆動装置(車両用駆動装置)、9...駆動ケース、10...レフトケース(駆動ケース)、11...ライトケース(駆動ケース)、12...減速機構、13...差動装置、19...ファイナルドリブンギヤ(回転体)、20...デフケース(差動ケース)、20A,20B...開口部、21...差動歯車機構、22L,22R...駆動輪、35...キャッチタンク、36...オイル貯留部、36A...底壁(貯留部側底壁)、36B...前壁(貯留部側前壁)、36C...後壁(貯留部側後壁)、36a,36b,36c...オイル送出孔、37...オイル案内部、38...オイル供給部、38A...底壁(供給部側底壁)、38B...左側壁(一対の供給部側側壁)、38C...右側壁(一対の供給部側側壁)、39...溝(オイル供給部)
Claims (2)
- 底部にオイルが貯留される駆動ケースと、
前記駆動ケースに収容され、駆動源から伝達された動力を減速して出力する減速機構と、
差動歯車機構と、開口部を有し、前記差動歯車機構を収容する差動ケースと、
前記減速機構の動力が伝達される回転体を有し、前記減速機構の動力を左右の駆動輪に分配する差動装置と、
前記減速機構の上方で、かつ前記回転体の前方に設けられたキャッチタンクとを備え、
前記キャッチタンクが、前記回転体の回転によって掻き上げられたオイルを一時的に貯留するオイル貯留部を備え、
前記オイル貯留部に貯留されたオイルを、前記開口部を通して前記差動歯車機構に供給するオイル供給部を有することを特徴とする車両用駆動装置。 - 前記オイル貯留部は、貯留部側底壁と、前記貯留部側底壁から上方に延びる貯留部側前壁と、前記貯留部側前壁に対して後側に位置するようにして前記貯留部側底壁から上方に延びる貯留部側後壁とを有し、
前記貯留部側底壁は、前記オイル貯留部に貯留されたオイルを前記減速機構に供給するオイル送出孔を備えており、
前記オイル供給部は、前記貯留部側後壁の上端よりも低い高さ位置に底面を有する供給部側底壁と、前記供給部側底壁の車両の幅方向の両側から上方に延びる一対の供給部側側壁とを有し、前記貯留部側後壁から前記開口部の上方に向かって延びていることを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019091041A JP2020186765A (ja) | 2019-05-14 | 2019-05-14 | 車両用駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019091041A JP2020186765A (ja) | 2019-05-14 | 2019-05-14 | 車両用駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020186765A true JP2020186765A (ja) | 2020-11-19 |
Family
ID=73222769
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019091041A Pending JP2020186765A (ja) | 2019-05-14 | 2019-05-14 | 車両用駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020186765A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023188618A1 (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | ニデック株式会社 | 駆動装置 |
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2019
- 2019-05-14 JP JP2019091041A patent/JP2020186765A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023188618A1 (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | ニデック株式会社 | 駆動装置 |
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