JP6152363B2 - 車両の駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力伝達機構などの構成部品を収容してなるケースと、当該ケースの底部に設けられて潤滑油及び作動油として用いられるオイルを貯留するオイルパンとを備える車両の駆動装置に関する。
特許文献1には、エンジン、ジェネレータおよびモータを備えるシリーズ型のハイブリッド自動車の駆動装置が記載されている。この駆動装置は、駆動力を伝達する回転軸、ギヤ、クラッチ等を収納する動力伝達機構ケーシングとジェネレータおよびモータを収納する回転電機ケーシングとを備えている。そして、回転電機ケーシングに収納したジェネレータおよびモータを冷却したオイルを、回転電機ケーシングの底面に形成したスロープを介して動力伝達機構ケーシングの底部に設けたオイルパンに戻すように構成している。
特開2014−43120号公報
特許文献1に記載のケース構造では、オイルパン内のオイルがスロープに向かって移動する車両の右旋回時に、オイルパン内に設けたストレーナの吸入口からオイルを吸い込む際に空気の噛み込み(エアレーション)が起こらないようにするためには、オイルパン内の油面が低くなり過ぎないようにする必要がある。しかしながら、このために必要なオイル量を確保すると、車両が平坦路を走行しているとき、もしくはスロープとは逆向きにオイルが移動する左旋回時にオイルパン内の油面が高くなり過ぎるという問題がある。これにより、動力伝達機構を構成するギヤなどの回転部品がオイルパン内の油面に浸ることで、変速機の動力伝達効率の向上を阻害する一因となる可能性があった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ケース内のオイル量を増加させることなく、オイルパン内の油面を低く抑えながらも、吸入口からオイルを吸入する際に空気の噛み込みを効果的に防止できる車両の駆動装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明にかかる車両の駆動装置は、車両に搭載された駆動装置(1)であって、該駆動装置(1)の構成部品を収容してなるケース(40)と、ケース(40)内の上部に配置されて、駆動源からの回転を伝達する回転軸(13)を有する動力伝達機構(T)と、ケース(40)の底部に設けられて、潤滑油及び作動油として用いられるオイルを貯留するオイルパン(38)と、オイルパン(38)内に配置されて、該オイルパン(38)に貯留されたオイルを吸入してオイルストレーナ(39)に導くオイル吸入部(39a)と、オイルパン(38)に連通しており、該オイルパン(38)から流入したオイルを一時的に溜めておくことが可能なオイル溜め部(51)と、を備え、回転軸(13)の軸方向は車両の幅方向であって、オイル溜め部(51)は、オイルパン(38)に対して回転軸(13)の軸方向におけるいずれか一方の側に偏った位置に配置されており、かつ、オイル溜め部(51)は、オイルパン(38)に対して車両の進行方向の後側に配置されていることを特徴とする。
本発明にかかる車両の駆動装置では、ケースの底部に設けたオイルパンにオイルが貯留されるようになっており、オイルパンに貯留されたオイルを吸入してオイルストレーナに導くようになっている。そして、オイルパンに連通するオイル溜め部が設けられており、このオイル溜め部は、オイルパンに対して軸方向におけるいずれか一方の側に偏った位置、かつ、オイルパンに対して車両の進行方向における後側の位置に配置されていることで、オイル溜め部は、車両の進行方向に対してオイルパンの斜め後方に設置されている。上記のようなオイル溜め部を設けたことで、車両の一方への旋回時や平坦路走行時にオイル溜め部にオイルを溜めることができるので、ケース内のオイルの量が従来と同等であっても、オイルパン内の油面を低く抑えることができる。したがって、動力伝達機構の構成部品がオイルパン内のオイルから受ける抵抗を少なくできるので、動力伝達機構による動力伝達効率を向上を図ることができる。その一方で、車両の他方への旋回時などに変速機ケース内の油面が軸方向の他方側に傾いたときに、オイル溜め部に貯留されているオイルがオイルパンへ排出される(戻される)ので、オイルパン内の油面の急激な低下を防止することができる。これらによって、オイルパン内の油面の高さを低く抑えることで、オイルの攪拌抵抗の低減を図ることができるとともに、オイルパン内の油面の急激な変化を防止することで、オイルストレーナへ吸入されるオイルに空気(エア)の噛みこみが生じることを防止できる。
また、オイル溜め部が車両の進行方向に対してオイルパンの斜め後方に設置されていることで、車両の一方への旋回時もしくは直進走行時に他方への旋回へ挙動が変わった際などに、オイル溜まり部のオイルがオイルパン内の吸入口へ向けて流れることが期待できる。したがって、急激な車両挙動の変化の際にも、吸入口から吸入するオイルに空気が混入することを効果的に防止できるようになる。
さらに、オイル溜め部が車両の進行方向に対してオイルパンの後方に設置されていることで、車両の急加速時などにオイルパン内のオイルが車両の後方へ移動するような場合でも、油溜め室があることでオイルパン内の急激な油面変化が緩和される。したがって、吸入口から吸入するオイルに空気が混入することを効果的に防止できるようになる。
また、本発明にかかる駆動装置では、車両の進行方向におけるオイルパン(38)とオイル溜め部(51)との間には、ケース(40)の底面から上方へ突出する突出部(51a)が設けられているとよい。
この構成によれば、車両の進行方向におけるオイルストレーナとオイル溜め部との間に、ケースの底面から上方へ突出する突出部を設けたことで、この突出部によって、オイルが必要以上にオイル溜め部に流入すること及びオイル溜め部から流出することを制限できる。これにより、オイルパン内の油面高さの急激な変化を抑制することができる。
また、本発明にかかる駆動装置では、オイルパン(38)に隣接して配置され、該オイルパン(38)に向かって下降する傾斜面からなるスロープ部(32a)と、上端がスロープ部(32a)の下端に接続されて、スロープ部(32a)とオイルパン(38)との間に段部(61a)を形成してなる壁面(61)と、を備え、スロープ部(32a)とオイルパン(38)とは、軸方向において段部(61a)を挟み互いが反対側に位置しているとよい。
この構成によれば、軸方向におけるスロープ部とオイルパンとの間に段部を形成したことにより、油面が軸方向の一方側に傾いたときに、当該段部によってオイルがスロープ部を逆流することを防ぐ構造になっている。これにより、油面が軸方向の一方側に傾いたときに、オイル溜め部から排出されるオイルがスロープ側に流出することを防止できるので、吸入部がオイルに浸された状態を保持することができる。したがって、吸入部における空気の噛みこみをより効果的に防止することができる。
また、この場合、スロープ部(32a)とオイル溜め部(51)とは、オイルパン(38)を挟んで互いが軸方向の一方側と他方側にそれぞれ配置されているとよい。
この構成によれば、スロープ部を流下してオイルパンに戻されたオイルの一部がオイル溜め部に流れ込み易くなる。したがって、オイルパンにオイルが戻されたときにも、オイルパンの油面を低く抑えることが可能となる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかる車両の駆動装置によれば、ケース内のオイル量を増加させることなく、オイルパンの油面を低く抑えながらも、吸入口からオイルを吸入する際に空気の噛み込みを効果的に防止できるようになる。
本発明の一実施形態にかかるハイブリッド車両の駆動装置を示すスケルトン図である。 ハイブリッド車両の駆動装置の一部を示す縦断面図である。 駆動装置ケーシングを下面側から見た図である。 駆動装置ケーシングの底部近傍の一部を切断した状態で下面側から見た部分断面図である。 第1ケーシングを合わせ面側から見た図で、図2のX−X矢視図である。 オイルパン内の油面の変化を示す図で、(a)は、車両の直進走行時、(b)は、車両の右旋回時、(c)は、車両の左旋回時を示す図である。 第1ケーシングを合わせ面側から見た図で、図2のX−X矢視図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるハイブリッド車両の駆動装置1を示すスケルトン図である。図1に示すように、シリーズ型のハイブリッド車両の駆動装置1は、エンジンE、ジェネレータ(第1回転電機)Gおよびモータ(第2回転電機)Mを備える。ジェネレータGおよびモータMは、バッテリBを介して相互に電気的に接続される。
エンジンEのクランクシャフト11はダンパー12を介して第1入力軸13に接続され、ジェネレータGの回転軸14は第2入力軸15に接続され、第1入力軸13に固設したジェネレータドライブギヤ16が第2入力軸15に固設したジェネレータドリブンギヤ17に噛合する。第1入力軸13に相対回転自在に支持された第1ドライブギヤ18は出力軸19に固設したドリブンギヤ20に噛合しており、第1ドライブギヤ18はクラッチCを介して第1入力軸13に結合可能である。また、第2入力軸15の外周に嵌合するモータMの回転軸21には第2ドライブギヤ22が固設されており、この第2ドライブギヤ22は出力軸19に固設したドリブンギヤ20に噛合する。
出力軸19に固設したファイナルドライブギヤ24がディファレンシャルギヤDのケースに固設したファイナルドリブンギヤ25に噛合し、ディファレンシャルギヤDから左右に延びるドライブシャフト26,26に左右の駆動輪W,Wが接続される。第1入力軸13に固設したジェネレータドライブギヤ16がオイルポンプPのポンプ軸27に固設したポンプドリブンギヤ28に噛合する。
エンジンE、ジェネレータG、モータM、ディファレンシャルギヤDおよびオイルポンプP間で駆動力を伝達する第1入力軸13、第2入力軸15、出力軸19、クラッチCおよび各ギヤは、動力伝達機構Tを構成する。
エンジンEを駆動すると、その駆動力はクランクシャフト11→ダンパー12→第1入力軸13→ジェネレータドライブギヤ16→ジェネレータドリブンギヤ17→第2入力軸15→回転軸14の経路でジェネレータGに伝達され、ジェネレータGで発電した電力はバッテリBあるいはモータMに供給される。ジェネレータGあるいはバッテリBから供給される電力でモータMが駆動されると、その駆動力は回転軸21→第2ドライブギヤ22→ドリブンギヤ20→出力軸19→ファイナルドライブギヤ24→ファイナルドリブンギヤ25→ディファレンシャルギヤD→ドライブシャフト26,26の経路で駆動輪W,Wに伝達され、車両を前進走行させる。
ジェネレータGあるいはバッテリBから供給される電力でモータMを逆転駆動することで、車両を後進走行させることができる。また、車両の減速時に駆動輪W,Wから逆伝達される駆動力でモータMを回生制動することで、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収してバッテリBを充電することができる。またモータMによる前進走行中に、エンジンEを駆動してクラッチCを係合すると、エンジンEの駆動力をクランクシャフト11→ダンパー12→第1入力軸13→クラッチC→第1ドライブギヤ18→ドリブンギヤ20の経路で出力軸19に伝達し、エンジンEの駆動力でモータMの駆動力をアシストすることができる。
エンジンEが駆動されているとき、その駆動力はクランクシャフト11→ダンパー12→ジェネレータドライブギヤ16→ポンプドリブンギヤ28→ポンプ軸27の経路でオイルポンプPを駆動し、ジェネレータG、モータMおよび動力伝達機構Tの各ギヤ等を冷却・潤滑することができる。尚、上記オイルポンプPの他に電動モータで駆動される不図示の電動オイルポンプが設けられており、エンジンEの停止中は電動オイルポンプが作動することでオイルを供給するようになっている。また、本実施形態では、オイルポンプPがエンジンEにより駆動される機械式のオイルポンプである場合を示したが、これ以外にも、当該オイルポンプPをモータMにより駆動されるオイルポンプとすることも可能である。その場合は、出力軸19などモータMの駆動力で回転するいずれかの回転軸をオイルポンプPの駆動源とするように構成することができる。
図2は、ハイブリッド車両の駆動装置1の一部を示す縦断面図である。なお、以下の説明で前後方向、左右方向(車幅方向)、上下方向とは、車両(自動車)の運転席に着座した乗員を基準として定義される。また、軸方向というときは、動力伝達機構Tが備える第1入力軸13、回転軸14、第2入力軸15などの軸方向を指す。駆動装置1は、第1入力軸13、第2入力軸15および出力軸19の軸方向が車両の車幅方向(左右方向)となるように設置されている。そして、図2に示すように、駆動装置1のケース(以下、「駆動装置ケーシング」という。)40は、エンジンEに結合される側から第1ケーシング31、第2ケーシング32、第3ケーシング33および第4ケーシング34を、第1入力軸13、第2入力軸15(図1参照)および出力軸19(図1参照)の軸方向(左右方向)に積み重ねた状態で一体に結合して構成される。また、第1ケーシング31および第2ケーシング32の一部は、動力伝達機構Tを収納する動力伝達機構ケーシング35を構成し、第2ケーシング32の一部、第3ケーシング33および第4ケーシング34は、ジェネレータGおよびモータMを収納する回転電機ケーシング36を構成する。第2ケーシング32は、第1ケーシング31側に張り出す隔壁37を一体に備えており、この隔壁37によって動力伝達機構ケーシング35の内部空間および回転電機ケーシング36の内部空間が仕切られる。
ジェネレータGは、回転電機ケーシング36に固定されたステータ41と、ステータ41の内部に嵌合して回転軸14(図1参照)に固定されたロータ42とを備え、モータMは、回転電機ケーシング36に固定されたステータ43と、ステータ43の内部に嵌合して回転軸21(図1参照)に固定されたロータ44とを備える。
動力伝達機構ケーシング35の底部には、オイルを貯留するオイルパン38が区画されている。オイルポンプPおよび図示せぬ電動オイルポンプは、オイルパン38に貯留されたオイルをストレーナ39のオイル吸込口39aから汲み上げて、動力伝達機構ケーシング35および回転電機ケーシング36の内部に供給する。動力伝達機構T、ジェネレータGおよびモータMを冷却・潤滑したオイルは、重力で再びオイルパン38に戻される。
隔壁37は、その下部を略水平方向に延びる水平壁部37aと、水平壁部37aの右端から略鉛直方向に起立する鉛直壁部37bとを備えており、水平壁部37aの一部を切欠くことで第1開口37cが形成されるとともに、水平壁部37aおよび鉛直壁部37bの境界部に第1開口37cよりも小さい第2開口37dが形成される。
回転電機ケーシング36の底部は、動力伝達機構ケーシング35の底部よりも一段高い位置にあり、第2ケーシング32には、回転電機ケーシング36の底部から動力伝達機構ケーシング35の底部(オイルパン38)に向かって下り傾斜となる傾斜面からなるスロープ部32aが形成される。
オイルパン38の底部38aは、スロープ部32aの下端32dから更に下方に窪んでいる。そして、上端がスロープ部32aの下端32dに接続されて、スロープ部32aとオイルパン38との間に段部(段差部)61aを形成してなる壁面61が設けられている。壁面61は、垂直方向に立設された垂直壁であって、オイルパン38の左側の側壁を構成している。スロープ部32aとオイルパン38とは、軸方向において段部61aを挟んで互いが反対側に位置している。
オイルパン38内にストレーナ39が配置される。ストレーナ39の下部右側には、オイルパン38の底面に対向するオイル吸込口39aが下向きに開口するとともに、ストレーナ39の上部右側に形成されたオイル排出口39bにオイルポンプPが直接接続される。このオイルポンプPに加えて、不図示の電動オイルポンプがオイルパン38のオイルをストレーナ39を介して汲み上げる。
ストレーナ39の下部右側面から第1バッフルプレート39cが右側に突出し、第1ケーシング31に形成した凹部31aに嵌合してラビリンスを構成する。また、ストレーナ39の上部左側面から第2バッフルプレート39dが左側に突出し、その先端は第2ケーシング32のスロープ部32aの上下方向中間部に対向する。
図3は、駆動装置ケーシング40を下面側から見た図である。また、図4は、駆動装置ケーシング40の底部近傍の一部を切断(水平に切断)した状態で下面側から見た部分断面図であり、図5は、第1ケーシング31を合わせ面31c側から見た図で、図2のX−X矢視図である。図4及び図5に示すように、第1ケーシング31には、該第1ケーシング31の合わせ面31cから軸方向に窪んでいる窪みからなるオイル溜め部51が形成されている。このオイル溜め部51は、オイルパン38に連通しており、オイルパン38から流入したオイルを一時的に溜めておくことが可能な部分である。
本実施形態では、オイルパン38は第2ケーシング32の底部に設けられており、オイル溜め部51は、第1ケーシング31の底部に設けられている。これにより、オイル溜め部51は、オイルパン38に対して軸方向(車両の幅方向)における右側に偏った位置に配置されている。また、オイル溜め部51は、オイルパン38に対して車両の進行方向の後側に配置されている。これらによって、図4に示すように、オイル溜め部51は、車両の進行方向に対してオイルパン38の斜め後方に設置されている。また、オイル溜め部51よりもさらに車両の進行方向の後側には、ディファレンシャルギヤD及びファイナルドリブンギヤ25を収容してなるディファレンシャル室55が設けられている。したがって、オイル溜め部51は、車両の進行方向においてオイルパン38とディファレンシャル室55との間に配置されている。
また、図5などに示すように、オイル溜め部51に対して車両の進行方向における前側の位置には、第1ケーシング31の底面から上方へ突出する突出部51aが設けられている。この突出部51aは、車両の進行方向におけるオイルパン38とオイル溜め部51との間に設けられており、オイルパン38とオイル溜め部51との間のオイルの流通を制限するための仕切り部として機能する。なお、図5に示す突出部51aは、第1ケーシング31を第2ケーシング32に締結固定するためのボルト(図示せず)用の穴31dの周囲に設けたボス部である。
また、スロープ部32aとオイル溜め部51は、オイルパン38及びストレーナ39のオイル吸入口39aを挟んで互いが軸方向の左側(一方側)と右側(他方側)にそれぞれ配置されている。
次に、上記構成を備えた駆動装置1における駆動装置ケーシング40内のオイルの流れについて説明する。エンジンEの運転中は、オイルポンプPがオイルパン38から汲み上げたオイルが、またエンジンEの停止中は、図示せぬ電動オイルポンプがオイルパン38から汲み上げたオイルが動力伝達機構ケーシング35および回転電機ケーシング36の内部に供給され、そこに収納された動力伝達機構T、ジェネレータGおよびモータMを冷却・潤滑する。
動力伝達機構ケーシング35の内部で動力伝達機構Tを冷却・潤滑したオイルは重力で流下し、その下方に位置するオイルパン38に戻される。一方、回転電機ケーシング36の底面33a,34aはオイルパン38よりも一段高くなっているが、ジェネレータGおよびモータMを冷却・潤滑したオイルは、回転電機ケーシング36の底面33a,34aからスロープ部32aを介して重力で流下してオイルパン38に戻される。
車両が直線走行しているとき、動力伝達機構ケーシング35および回転電機ケーシング36のオイルはオイルパン38にスムーズに戻されるが、車両の旋回時に横加速度が作用するとオイルの油面が傾斜するために、回転電機ケーシング36からオイルパン38へのオイルの戻りが阻害される場合がある。この点、本実施形態では、回転電機ケーシング36の底部とオイルパン38との間にスロープ部32aを設けていることで、回転電機ケーシング36の底部に溜まったオイルがこのスロープ部32aを流下してオイルパン38へスムーズに戻されるようになる。
図6は、オイルパン内の油面の変化を示す図で、(a)は、車両の直進走行時、(b)は、車両の右旋回時、(c)は、車両の左旋回時を示す図である。車両が左右に傾斜していない路面を直進走行しているときは、図6(a)に示すように、オイルパン38内の油面Lが左右に傾かずに水平(左右方向が水平)状態となる。また、車両が左旋回すると、図6(b)に示すように、オイルパン38内のオイルは遠心力で旋回方向外側(右側)に偏り、オイルの油面Lは右上がりに傾斜する。これに対して、本実施形態では、車両の進行方向に対してオイルパン38の右斜め後方に設置されたオイル溜め部51を設けたことで、車両の平坦路走行時や左旋回時にオイルパン38内のオイルの一部がオイル溜め部51に導かれるので、オイル溜め部51にオイルを(一時的に)溜めることができる。これにより、駆動装置ケーシング40内のオイルの量が従来と同等であっても、オイルパン38内の油面Lをより低く抑えることができる。したがって、動力伝達機構Tの構成部品がオイルパン38内のオイルから受ける抵抗を少なくできるので、動力伝達機構Tによる動力伝達効率の向上を図ることができる。
その一方で、車両が右旋回すると、図6(c)に示すように、オイルパン38内のオイルは遠心力で旋回方向外側(左側)に偏り、オイルの油面Lは左上がりに傾斜する。このとき、オイルパン38内のオイルが減少することで、オイルパン38内の油面Lが低下するが、本実施形態では、オイル溜め部51に貯留されているオイルがオイルパン38へ排出される(戻される)ので、オイルパン38内の油面Lの急激な低下を防止することができる。これにより、ストレーナ39のオイル吸入口39aから吸入されるオイルに空気(エア)の噛みこみが生じることを効果的に防止できる。
これらによって、オイルパン38内の油面Lの高さを低く抑えることで、オイルの攪拌抵抗の低減を図ることができるとともに、オイルパン38内の油面Lの急激な変化を防止することで、ストレーナ39へ吸入されるオイルに空気(エア)の噛みこみが生じることを防止できる。
また、オイル溜め部51が車両の進行方向に対してオイルパン38の斜め後方に設置されていることで、車両の左旋回時もしくは直進走行時に右旋回へ挙動が変わった際などに、図4に矢印Yで示すように、オイル溜め部51のオイルがオイルパン38内のオイル吸入口39aへ向けて流れることが期待できる。したがって、急激な車両挙動の変化の際にも、オイル吸入口39aがオイルの油面Lから露出し難くなるので、オイル吸入口39aから吸入するオイルに空気が混入することを効果的に防止できるようになる。
さらに、オイル溜め部51が車両の進行方向に対してオイルパン38の後方に設置されていることで、車両の急加速時などにオイルパン38内のオイルが車両の後方に配置したディファレンシャル室55側へ移動するような場合でも、油溜め部51があることで、オイルパン38内の急激な油面Lの変化が緩和される。したがって、そのような場合にも、ストレーナ39のオイル吸入口39aから吸入するオイルに空気が混入することを効果的に防止できるようになる。
また、本実施形態では、車両の進行方向におけるストレーナ39とオイル溜め部51との間に、第1ケーシング31の底面から上方へ突出する突出部51aを設けたことで、この突出部51aによって、オイルが必要以上にオイル溜め部51に流入すること、及び必要以上にオイル溜め部51から流出することを制限できる。これにより、オイルパン38内の油面Lの高さの急激な変化を抑えることができる。
また、本実施形態では、上端がスロープ部32aの下端に接続されてスロープ部32aとオイルパン38との間に段部61aを形成してなる壁面61を備えている。そして、スロープ部32aとオイルパン38とは、軸方向においてこの段部61aを挟んで互いが反対側に位置している。
この構成によれば、軸方向におけるスロープ部32aとオイルパン38との間に段部61aを形成したことにより、オイルパン38内の油面Lが軸方向の左側に傾いたときに、当該段部61aによってオイルがスロープ部32aを逆流することを防ぐ構造になっている。これにより、油面Lが軸方向の左側に傾いたときに、オイル溜め部51から排出されてオイルパン38に戻されたオイルがスロープ部32a側に流出することを抑制できるので、ストレーナ39のオイル吸入口39aがオイルパン38内のオイルに浸された状態を保持することができる。したがって、オイル吸入口39aから吸入されるオイルに空気が混入することをより効果的に防止できる。
また、本実施形態では、スロープ部32aとオイル溜め部51は、オイルパン38及びストレーナ39のオイル吸入口39aを挟んで互いが軸方向の左側(一方側)と右側(他方側)とにそれぞれ配置されている。
この構成により、スロープ部32aを流下してオイルパン38に戻されたオイルの一部がオイル溜め部51に流れ込み易くなる。したがって、オイルパン38にオイルが戻されたときにも、オイルパン38の油面Lを低く抑えることが可能となる。
図7は、第1ケーシング31の底部に設けた突出部の他の構成例を示す図で、第1ケーシング31を合わせ面31c側から見た図で、図2のX−X矢視図である。同図に示すように、突出部51aは、先の図5に示すように、第1ケーシング31を第2ケーシング32に締結固定するためのボルト(図示せず)用の穴31dの周囲に設けたボス部とする以外にも、図7に示すように、ボス部とは別に設けた突起状の部分とすることもできる。この場合、突出部51aの突出寸法(第1ケーシング31の底部からの突出寸法)や形状は、任意に設定することが可能となるので、オイルパン38と油溜め部51との間でオイルを流通させるために必要な寸法及び形状に設定するとよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態に示す油溜め部51の具体的な形状等は一例であり、本発明にかかる油溜め部は、他の形状等にすることも可能である。
1 駆動装置
11 クランクシャフト
12 ダンパー
13 第1入力軸
14 回転軸
15 第2入力軸
16 ジェネレータドライブギヤ
17 ジェネレータドリブンギヤ
18 ドライブギヤ
19 出力軸
20 ドリブンギヤ
21 回転軸
22 ドライブギヤ
24 ファイナルドライブギヤ
25 ファイナルドリブンギヤ
26,26 ドライブシャフト
27 ポンプ軸
28 ポンプドリブンギヤ
31 第1ケーシング
31a 凹部
31c 合わせ面
32 第2ケーシング
32a スロープ部
33 第3ケーシング
33a 底面
34 ケーシング
34a 底面
35 動力伝達機構ケーシング
36 回転電機ケーシング
37 隔壁
38 オイルパン
38a 底部
39 ストレーナ
39a オイル吸込口
39b オイル排出口
39c バッフルプレート
39d バッフルプレート
40 駆動装置ケーシング(ケース)
51 オイル溜め部
51a 突出部
61 壁面
61a 段部
41 ステータ
42 ロータ
43 ステータ
44 ロータ
B バッテリ
C クラッチ
D ディファレンシャルギヤ
E エンジン
G ジェネレータ(第1回転電機)
M モータ(第2回転電機)
P オイルポンプ
T 動力伝達機構
W,W 駆動輪

Claims (4)

  1. 車両に搭載された駆動装置であって、
    該駆動装置の構成部品を収容してなるケースと、
    前記ケース内の上部に配置されて、駆動源からの回転を伝達する回転軸を有する動力伝達機構と、
    前記ケースの底部に設けられて、潤滑油及び作動油として用いられるオイルを貯留するオイルパンと、
    前記オイルパン内に配置されて、該オイルパンに貯留された前記オイルを吸入してオイルストレーナに導くオイル吸入部と、
    前記オイルパンに連通しており、該オイルパンから流入したオイルを一時的に溜めておくことが可能なオイル溜め部と、を備え、
    前記回転軸の軸方向は車両の幅方向であって、
    前記オイル溜め部は、前記オイルパンに対して前記回転軸の軸方向におけるいずれか一方の側に偏った位置に配置されており、かつ、
    前記オイル溜め部は、前記オイルパンに対して車両の進行方向の後側に配置されている
    ことを特徴とする車両の駆動装置。
  2. 前記車両の進行方向における前記オイルパンと前記オイル溜め部との間には、前記ケースの底面から上方へ突出する突出部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動装置。
  3. 前記オイルパンに隣接して配置され、該オイルパンに向かって下降する傾斜面からなるスロープ部と、
    上端が前記スロープ部の下端に接続されて、前記スロープ部と前記オイルパンとの間に段部を形成してなる壁面と、
    を備え、
    前記スロープ部と前記オイルパンとは、前記軸方向において前記段部を挟み互いが反対側に位置している
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の駆動装置
  4. 前記スロープ部と前記オイル溜め部とは、前記オイルパンを挟んで互いが前記軸方向の一方側と他方側にそれぞれ配置されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両の駆動装置。
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