JP2019138434A - 車両用オイルストレーナ装置 - Google Patents

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池田 暁彦
Akihiko Ikeda
暁彦 池田
正隆 杉山
Masataka Sugiyama
正隆 杉山
友暁 鈴木
Tomoaki Suzuki
友暁 鈴木
加藤 裕
Yutaka Kato
裕 加藤
賢志 宮永
Kenji Miyanaga
賢志 宮永
健治 浅井
Kenji Asai
健治 浅井
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Abstract

【課題】動力伝達装置の潤滑と冷却とに用いられる潤滑油を吐出する車両用オイルポンプと潤滑油を吸入し前記動力伝達装置を収容するケースの底部に備えられるオイルストレーナとの距離が長くなるほど、駆動力源の振動の影響を受けやすく、前記オイルストレーナの厚みを増す等の防振対策が必要となる。【解決手段】ストレーナ装置120は、複数のオイルストレーナ58、60とを含み、濾過部91、92を形成する外壁板83、84を一体に接続することで接続部の強度が増加し、オイルストレーナ83、84の材料の厚みを増加することなく、振動に対する支持剛性の改善が可能となる。【選択図】図7

Description

本発明は、車両用動力伝達装置の潤滑および冷却用の潤滑油を供給する車両用の潤滑装置に用いられる車両用オイルストレーナに関するものである。
駆動力源からの駆動力を駆動輪に伝達する車両用動力伝達装置が収容されるケースの底部に設けられ、外壁板によって形成されるオイルストレーナ濾過部と吸入口とを有し、前記オイルストレーナ濾過部内にフィルタが備えられた複数の車両用オイルストレーナを備えた、車両用動力伝達装置の潤滑装置が知られている。たとえば、特許文献1の車両用動力伝達装置では、ケースの底部にはそれぞれ別個のオイルポンプに接続された2つのオイルストレーナが備えられている。一方のオイルポンプは主に車両用動力伝達装置の潤滑および冷却に用いられ、他方のオイルポンプは、主に潤滑油の攪拌および掻き上げ等によって生じるエネルギー損失を抑制するために、潤滑油のケース底部に停留する潤滑油の液面を減少し、潤滑油の攪拌および掻き上げを減少する、すなわちドライサンプを実施するために用いられている。
特開2017−136964号公報
しかしながら、特許文献1のオイルストレーナにおいて、前記オイルストレーナとオイルポンプとの位置が離れ、配管距離が長くなった場合、ケースに固定された際の前記オイルストレーナの固有振動数が低くなり易い。このため、固有振動数を上げるために、オイルストレーナの部材の厚みや前記オイルストレーナを保持するブラケットの厚みもしくはブラケットの溶接面積を増加させる必要が生じ、部材の軽量化、低コスト化への阻害要因となっている。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、(a)駆動力源からの駆動力を駆動輪に伝達する車両用動力伝達装置が収容されるケースの底部に設けられ、外殻によってそれぞれ形成される相互に独立した複数のオイルストレーナ濾過部を有し、前記複数のオイルストレーナ濾過部内にフィルタがそれぞれ備えられた車両用オイルストレーナ装置であって、(b)前記複数のオイルストレーナ濾過部のそれぞれの外殻は、相互に連結された外壁板によって一体的に構成され、且つ前記複数のオイルストレーナ濾過部は吸入口をそれぞれ有することを特徴とする。
本発明によれば、駆動力源からの駆動力を駆動輪に伝達する車両用動力伝達装置が収容されるケースの底部に設けられ、外殻によってそれぞれ形成される相互に独立した複数のオイルストレーナ濾過部を有し、前記複数のオイルストレーナ濾過部内にフィルタがそれぞれ備えられた車両用オイルストレーナ装置であって、(b)前記複数のオイルストレーナ濾過部のそれぞれの外殻は、相互に連結された外壁板によって一体的に構成され、且つ前記複数のオイルストレーナ濾過部は吸入口をそれぞれ有する。そのため、前記オイルストレーナ濾過部は、前記外壁板によって一体的に構成されることにより剛性が向上することとなり、前記外壁板もしくはブラケットの厚みの増加を伴うことなく、前記オイルストレーナ濾過部を保持するための支持剛性の向上が可能となる。また、前記オイルストレーナ濾過部はそれぞれ独立していて、前記吸入口をそれぞれ有するため、相互干渉がなく2つのオイルポンプの安定な動作が可能となる。
本発明の車両用動力伝達装置の潤滑装置が適用される車両の概略構成を説明する骨子図である。 図1の車両用動力伝達装置に備えられる複数の軸の位置関係を示す断面図である。 図1の車両用動力伝達装置の潤滑装置を説明する油圧回路図である。 図2の車両用動力伝達装置を収容するケース内において、従来の2つのオイルストレーナの配置を示す図である。 図4の従来の2つのストレーナにおいて、より配管が長いオイルストレーナをケースへの固定に用いられる固定部とともに示した平面図である。 図5の従来のオイルストレーナの断面図である。 図4の2つのオイルストレーナを一体にした一例を示す平面図である。 図7のオイルストレーナの断面図である。 図7のオイルストレーナの側面図である。
本発明の一実施形態において、前記複数の前記オイルストレーナ濾過部の外壁板が接続された接続部の一部を含む位置に、前記オイルストレーナ装置を固定するためのブラケットが突設される。このようにすれば、接続された複数の前記オイルストレーナ濾過部の中央付近から前記ブラケットが突設されることによって、剛性の改善と前記オイルストレーナ装置の強度の確保とがさらに可能となる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用されるハイブリッド車両10の車両用動力伝達装置(以下、動力伝達装置という)12を説明する骨子図で、その動力伝達装置12を構成している複数の軸が共通の平面内に位置するように展開して示した展開図である。図2は、その複数の軸の位置関係を示した断面図である。動力伝達装置12は、複数の軸が車両幅方向に沿って配置されるFF車両等の横置き型のハイブリッド車両用トランスアクスルで、図2に示されるケース14内に収容されている。ケース14は、必要に応じて複数の部材にて構成される。
動力伝達装置12は、車両幅方向と略平行な第1軸線S1〜第4軸線S4を備えており、第1軸線S1上には、駆動力源であるエンジン20に連結された入力軸22が設けられているとともに、その第1軸線S1と同心にシングルピニオン型の遊星歯車装置24および第1電動機すなわち第1モータジェネレータMG1が配設されている。遊星歯車装置24および第1モータジェネレータMG1は電動式差動部26として機能するもので、差動機構である遊星歯車装置24のキャリア24cに入力軸22が連結され、サンギヤ24sに第1モータジェネレータMG1が連結され、リングギヤ24rに出力歯車Geが設けられている。キャリア24cは第1回転要素で、サンギヤ24sは第2回転要素で、リングギヤ24rは第3回転要素であり、第1モータジェネレータMG1は差動制御用回転機に相当する。第1モータジェネレータMG1は電動モータおよび発電機として択一的に用いられるもので、発電機として機能する回生制御などでサンギヤ24sの回転速度が連続的に制御されることにより、エンジン20の回転速度が連続的に変化させられて出力歯車Geから出力される。また、第1モータジェネレータMG1のトルクが0とされてサンギヤ24sが空転させられることにより、エンジン20の連れ廻りが防止される。エンジン20は、燃料の燃焼によって動力を発生する内燃機関である。
第2軸線S2上には、シャフト28の両端に減速大歯車Gr1および減速小歯車Gr2が設けられた減速歯車装置30が配設されており、減速大歯車Gr1は出力歯車Geと噛み合わされている。減速大歯車Gr1はまた、第3軸線S3上に配設された第2電動機すなわち第2モータジェネレータMG2のモータ出力歯車Gmと噛み合わされている。第2モータジェネレータMG2は電動モータおよび発電機として択一的に用いられるもので、電動モータとして機能するように力行制御されることにより、ハイブリッド車両10の走行用(駆動用)駆動力源として用いられる。この第2モータジェネレータMG2は走行用電動機に相当する。
減速小歯車Gr2は、第4軸線S4上に配設されたディファレンシャル装置32のデフリングギヤGdと噛み合わされており、エンジン20および第2モータジェネレータMG2からの駆動力がディファレンシャル装置32を介して左右のドライブシャフト36に分配され、左右の駆動輪38に伝達される。また、遊星歯車装置24、出力歯車Ge、減速大歯車Gr1、減速小歯車Gr2、デフリングギヤGd等によってギヤ機構が構成されている。第4軸線S4は、図2から明らかなように、第1軸線S1〜S4の中で最も車両下方側位置に定められており、第2軸線S2および第3軸線S3は第4軸線S4の上方位置に定められており、第1軸線S1は第4軸線S4よりも車両前側の斜め上方位置に定められている。
図2に示すように、ケース14内の上部にはキャッチタンク70が設けられている。キャッチタンク70は、図2に示すように、車両上方側が開口するように形成されており、たとえばデフリングギヤGdの回転に伴って掻き上げられた潤滑油が開口から流入してキャッチタンク70の内部に貯留される。本実施例では、キャッチタンク70によって第3オイル貯留部72が形成されている。キャッチタンク70は、第1モータジェネレータMG1の車両上方側に設けられている。ここで、キャッチタンク70は、本実施例では第1モータジェネレータMG1の車両上方側に設けられているが、たとえば第2モータジェネレータMG2の車両上方側に設けられていてもよい。
このようなハイブリッド車両10においては、EV(Electric Vehicle)走行モードおよびHV(Hybrid Vehicle)走行モードが実行可能である。具体的には、EV走行モードは、エンジン20を回転停止させた状態で第2モータジェネレータMG2を力行制御することにより駆動力源として用いて走行するもので、低要求駆動力すなわち低負荷の領域で選択される。HV走行モードは、第1モータジェネレータMG1に回生制御によって反力を発生させつつ、エンジン20を駆動力源として用いて走行するもので、EV走行モードよりも高要求駆動力すなわち高負荷の領域で選択される。なお、HV走行モードの代わりに、或いはHV走行モードに加えて、常にエンジン20のみを駆動力源として用いて走行するエンジン走行モード等が設けられてもよい。
図3は、本実施例のハイブリッド車両10が備えている潤滑装置40を説明する油圧回路図である。図3に示すように、潤滑装置40は、吸入装置として第1オイルポンプP1および第2オイルポンプP2を備えており、それぞれ異なる独立の第1供給経路42、第2供給経路44に接続されて動力伝達装置12の各部を分担して潤滑するようになっている。第1オイルポンプP1は、入力軸22に連結されてエンジン20により機械的に回転駆動される機械式オイルポンプである。第2オイルポンプP2は、図1に示すように、デフリングギヤGdと噛み合わされたポンプ駆動歯車Gpを介してディファレンシャル装置32によって機械的に回転駆動される機械式オイルポンプであり、第2オイルポンプP2は、デフリングギヤGdに連動して回転する減速大歯車Gr1や減速小歯車Gr2等にポンプ駆動歯車Gpを噛み合わせて回転駆動されるようにすることも可能である。
第1オイルポンプP1および第2オイルポンプP2は、ケース14の底部に設けられたオイル貯留部46から潤滑油を吸入して、供給経路42、44へ出力する。オイル貯留部46は、ケース14そのものによって構成されているとともに、隔壁52によって車両前後方向における前方側部分に区分けされた第1オイル貯留部50と車両前後方向における後方側部分に区分けされた第2オイル貯留部56と、を備えている。第1オイル貯留部50は、遊星歯車装置24等が配置された第1軸線S1の下方に位置する部分である。第2オイル貯留部56は、ディファレンシャル装置32の下方に位置する部分である。第1オイル貯留部50内には、第1オイルポンプP1の吸入口である第1オイルストレーナ58が配置されており、第2オイル貯留部56内には、第2オイルポンプP2の吸入口である第2オイルストレーナ60が配置されている。第1オイルストレーナ58および第2オイルストレーナ60は、それぞれ独立に設けられた別々の吸入油路を介してオイルポンプP1、P2に接続されている。
隔壁52は、第1オイル貯留部50と第2オイル貯留部56との相互間で潤滑油が流通することを許容しつつ油面高さの均衡を制限する流通制限部として機能する。車両停車時には、第1オイルポンプP1および第2オイルポンプP2の作動が何れも停止し、油面高さの流動が停止する静的状態における潤滑油の静止時油面高さLstは、動力伝達装置12の各部に供給された潤滑油がオイル貯留部46へ流下して戻ることにより、図2および図3の二点鎖線で示すように、隔壁52を越えて第1オイル貯留部50と第2オイル貯留部56における油面高さは同じになる。すなわち、静止時油面高さLstは、第1オイル貯留部50および第2オイル貯留部56の最大油面高さとなる。一方、車両走行時や第1オイルポンプP1および第2オイルポンプP2の作動時には、動力伝達装置12の各部に潤滑油が供給されてオイル貯留部46内の潤滑油量が減少することにより油面高さが隔壁52の上端よりも低くなって、図2および図3の実線で示すように、隔壁52による流通制限によって第1オイル貯留部50および第2オイル貯留部56における油面高さが個別に変化する。このように、静的状態では油面高さが隔壁52を上回る一方、潤滑油が動力伝達装置12の各部に供給された場合には、潤滑部位からの潤滑油の戻りに拘らず油面高さが隔壁52の上端位置よりも低くなるように、隔壁52の高さ寸法、第1オイルポンプP1および第2オイルポンプP2の吸入性能およびオイル貯留部46の容積などが定められている。なお、隔壁52の底面に、オリフィスとして機能する開口部54をもっており、第1オイル貯留部50の油面高さが隔壁を超えない場合においても、所定量の潤滑油を第2オイル貯留部56に流通させている。
隔壁52の高さ位置すなわち上端位置はディファレンシャル装置32の下端位置よりも高く、油面高さが隔壁52を上回る静的状態ではディファレンシャル装置32の一部すなわちデフリングギヤGdの一部が潤滑油に浸漬される。車両発進時にデフリングギヤGd等によって潤滑油が掻き上げられることにより動力伝達装置12の各部に潤滑油が散布され、第1オイルポンプP1によって十分な量の潤滑油を供給することが難しい車両発進時においても良好な潤滑状態を確保できる。車両発進時には、通常、EV走行モードでエンジン20が回転停止しており、第1オイルポンプP1も作動停止している。
車両走行中の第1オイルポンプP1および第2オイルポンプP2の作動時には、車速Vに応じて回転するデフリングギヤGd等による掻き上げや第1オイルポンプP1および第2オイルポンプP2による吸入によって油面高さが低下し、隔壁52の上端位置よりも低くなる。第1オイル貯留部50では、第1オイルポンプP1により吸入される潤滑油量と戻り潤滑油量とのバランスによって油面高さが定まる。第2オイル貯留部56では、デフリングギヤGd等により掻き上げられる潤滑油量および第2オイルポンプP2により吸入される潤滑油量と、戻り潤滑油量とのバランス(釣り合い)によって油面高さが定まる。本実施例では、第2オイル貯留部50の油面高さが優先的に低下し、油面の高さが図2および図3の実線で示すデフリングギヤGdの下端付近となるように潤滑油量や第1オイル貯留部50の容積すなわち隔壁52の位置、隔壁52の形状などが定められている。このように、第1オイル貯留部50の油面高さが優先的に低下させられると、ディファレンシャル装置32の回転による潤滑油の掻上げ抵抗の発生が抑制されてエネルギー損失が低減され、燃費が向上する。油面高さが隔壁52の上端位置以下になるまでは、デフリングギヤGd等による掻き上げおよび少なくとも第2オイルポンプP2による吸入の両方で潤滑油が供給され、油面高さが速やかに低下させられるため、ディファレンシャル装置32の回転による潤滑油の掻上げ抵抗に起因するエネルギー損失が適切に低減される。このように、第2オイルポンプP2は、ディファレンシャル装置32の一部が浸漬される潤滑油の液面を低下させる、ドライサンプ用ポンプである。
第1供給経路42は、第1オイルポンプP1の吐出側に接続されて動力伝達装置12の各部に潤滑油を供給する。第1供給経路42は、第1オイル貯留部50の上方に位置する入力軸22や遊星歯車装置24、第1モータジェネレータMG1に潤滑油を供給して潤滑、冷却する。また、この第1供給経路42には熱交換器66が設けられており、潤滑油を冷却して第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2に供給することにより、それ等を冷却して過熱を防止する。熱交換器66は、たとえば空冷や水冷による熱交換で潤滑油を冷却するオイルクーラである。第1オイルポンプP1を回転駆動するエンジン20は、停車時においても駆動することができるため、停車時を含めて車速Vに依存しない吸入量で潤滑油を吸入して潤滑部位へ供給することができる。
第2オイルポンプP2の吐出側に接続された、第2供給経路44は、動力伝達装置12の各部のベアリング62やギヤ機構64(Ge、Gr1、Gr2、Gd、Gm、Gpなど)等へ潤滑油を供給するとともに、第3オイル貯留部72へ潤滑油を供給するように構成されている。第2オイルポンプP2はディファレンシャル装置32に連結されて回転駆動されるため、エンジン20が回転停止させられるEV走行モード時にも、回転駆動され、車速Vに応じた吸入量で潤滑油を吸入して各部に潤滑油を供給することができる。ディファレンシャル装置32は、デフリングギヤGd等による潤滑油の掻き上げによって潤滑されるが、第2供給経路44から潤滑油を供給して潤滑することも可能である。
第2オイルポンプP2により潤滑油が供給される第3オイル貯留部72は、隔壁52よりも車両上方側に位置する静止時油面高さLstよりも車両上方側に設けられており、第1オイル貯留部50および第2オイル貯留部56よりも車両上方側に設けられている。第3オイル貯留部72は、潤滑油が予め設定されている所定量を超えて貯留されると、第2オイル貯留部56に向けて潤滑油を自重によって流出させる第1流出口74を有しており、第3オイル貯留部72内の潤滑油が予め設定された所定量を超えた場合すなわち第3オイル貯留部72に貯留された潤滑油の油面高さが第1流出口74に到達して第1流出口74から潤滑油が溢れ出すオーバーフローの状態になった場合に、第1流出口74から溢れ出た潤滑油が第2オイル貯留部56に向けて自重によって流出させられる。第1流出口74から流出させられた潤滑油は、第1流出経路76により第1オイル貯留部50を経由することなく第2オイル貯留部56に戻される。
第3オイル貯留部72は、第1流出口74よりも車両下方側に第2流出口80を有している。第2流出口80は、第3オイル貯留部72に貯留される潤滑油が予め設定された所定量以下の場合すなわち予め設定された所定量を超えていない場合であっても、第1オイル貯留部50を経由することなく第2オイル貯留部56に向けて潤滑油を自重によって連続的に流出させる。第2流出口80から流出可能な潤滑油流量は、第1流出口74から流出可能な潤滑油流量よりも少なくなるように予め設定されている。
図4は、動力伝達装置12が収容されるケース14の一部が示された従来の部分図であり、図中の矢印の上方向が車両10の上方側であり、右方向が車両10の前方側である。左上には、ディファレンシャル装置32が配設されている第4軸線S4上の軸が示されており、図4の上部中央にはエンジン20に連結された入力軸22が配設されている第1軸線S1上の軸が示されている。ケース14は、フランジ18の開口に設けられたボルト114によって締結されている。図4の中央には、第1オイルストレーナ58および第2オイルストレーナ60が設置されている箇所が部分図として示されている。第1オイルストレーナ58は、第1オイルポンプP1が第1オイルストレーナ58の奥側、すなわち車両10の前進方向に対して左側に設置されているため、長い配管、第1配管100を有している。また、第1オイルストレーナ58は、公知のパーキングロック機構の下に設置されており、第1オイルストレーナ58の上部にはエンジン20および電動機MG1、MG2からディファレンシャル装置32への回転伝達を阻止するパーキングポール110とパーキングロック機構のテーパ部材が連結されているロッド112等とが示されている。第1オイルストレーナ58は、溶接または接着等によって第1オイルストレーナ58に固接された固定用ブラケット96がボルト115によってケース14に固定されるとともに、第1配管100の図5に示される第1固定部102においてケース14に固定されている。また、第2オイルストレーナ60は、第1軸線S1と第4軸線S4との間に配置されており、第2オイルストレーナ60の近傍に設置されている固定部材99によって第1オイルストレーナ58とは独立にケース14に固定されている。
図5は、第1オイルストレーナ58の平面図であり、図中の上方向の矢印は車両10の左方側を示し、右方向の矢印は車両10の前方側を示している。第1オイルストレーナ58は、第1配管100と外壁板82とからなり、固定用ブラケット96が外壁板82に固接されている。第1配管100は、第1固定部102において、図示されていない固定部材によって、ケース14に固定され、固定用ブラケット96は、固定用ブラケット96の開口である第2固定部104においてボルト115によってケース14に固定される。第1オイルストレーナ58が接続されている第1オイルポンプP1は車両10の左側に設置されており、第1オイルストレーナ58までの第1配管100の配管経路が第2オイルストレーナ60の配管経路と比較して長くなるとともに、第1オイルストレーナ58の重量の多くを有する外壁板との距離が長くなる。このため、第1オイルストレーナ58をケース14に固定した場合、第1オイルストレーナ58の固有振動数が低くなりやすく、エンジン20から生じる振動の周波数、すなわちエンジン20の使用周波数域まで低下すると、第1オイルストレーナ58のエンジン20の振動による共振によって破損等の原因につながる可能性が生じる。この場合、たとえば外壁板82の厚みの増加、もしくは、固定用ブラケット96の外壁板82への接合面積を増加させる等の必要が生じる。
図6には、第1オイルストレーナ58の断面、すなわち図5において一点鎖線で示されている外壁板82の中央線CLをA側から見た図が示されている。図中の上方向の矢印が車両10の上方側を示し、右方向の矢印が車両10の前方側を示している。第1オイルストレーナ58は、外壁板82および配管100からなり、濾過部82の外殻を構成する外壁板82には、潤滑油を吸入するための開口である吸入口86が開口されている。外壁板の内部、すなわち濾過部82の内部には、たとえば網状のフィルタ94を2点鎖線で示される位置に有し、フィルタ94によって第1オイルストレーナ58に吸引される潤滑油に混入した、所定以上の大きさの異物の進入が妨げられる。
図7は、第1オイルストレーナ58の外壁板83と第2オイルストレーナ60の外壁板84とが一体に接続された本発明の一例のオイルストレーナ装置120を示す平面図である。図中の上方向の矢印は車両10の左方側を示し、右方向の矢印は車両10の前方側を示している。第1オイルストレーナ58の外壁板83と第2オイルストレーナ60の外壁板83とは、隣接した部分において一体に接続されている。その上部には、固定用ブラケット116(ブラケットに対応する)が第1オイルストレーナ58および第2オイルストレーナ60の接続箇所の上部に溶接等で接合されている。一体化された第1オイルストレーナ58および第2オイルストレーナ60は、第1配管100の第1固定部102、固定用ブラケット116にもうけられたボルト締結用の開口である第2固定部104、および第2オイルストレーナの第2配管106の第3固定部108によって、固定されている。第1オイルストレーナ58と第2オイルストレーナ60とが図8に示す接続部118によって接続されているため、それぞれ別個に使用する場合と比較して、特に接続部118において剛性が改善される。また、第1固定部102、第2固定部104、および第3固定部106は、第1オイルストレーナ58と第2オイルストレーナ60とを取囲む位置に配置されており、特に長い第1配管100を有する第1オイルストレーナ58が第2オイルストレーナ60と一体に接続されず、単独で用いられた場合、すなわち図5の形状において、第1オイルストレーナ58が第1固定部102と第2固定部104との2箇所で固定された場合と比較して、たとえばエンジン20から生じる振動による第1オイルストレーナ58の振動が効果的に抑制される。なお、固定用ブラケット116の位置は、特に接続部118の上側、すなわち第1オイルストレーナ58と第2オイルストレーナ60との間である必要はなく、たとえば第2オイルストレーナ60の第3固定部108と中央線CLを挟んで反対側の位置に固定用ブラケット116を設け、第1固定部102、第2固定部104、および第3固定部106によってケース14に固定する等、エンジン20よって生じる第1オイルストレーナ58および第2オイルストレーナ60の振動を3つの固定部により効果的に抑制できる固定用ブラケット116の位置であれば良い。
図8は、図7において一点鎖線で示されている第1オイルストレーナ58の外壁板83および第2オイルストレーナ60の外壁板84の中央線CLをB側から見た図が示されている。図中の上方向の矢印が車両10の上方側を示し、右方向の矢印が車両10の前方側を示している。第1オイルストレーナ58は、外壁板83および配管100からなり、オイルストレーナ濾過部91の外殻を構成する外壁板83には、潤滑油を吸入するための吸入口87が開口されている。第2オイルストレーナ60は、外壁板84および、第2配管106からなり、オイルストレーナ濾過部92の外殻を構成する外壁板84には、潤滑油を吸入するための吸入口88が開口されている。第1オイルストレーナ58の外壁板83および第2オイルストレーナ60の外壁板84とは、接続部118によって一体に接続されており、接続部118の上部に設置された固定用ブラケット116は、溶接等によって接続部118に固接されている。固定用ブラケット116は、接続部118近傍の第1オイルストレーナ58の外壁板83および第2オイルストレーナ60の外壁板84の形状に沿うように曲げ加工が施されている。接続部118の下側には、下部接続部材98が第1オイルストレーナ58および第2オイルストレーナ60に溶接もしくは接着等によって固接されている。一体化された第1オイルストレーナ83と第2オイルストレーナ60とは、点線でしめされるオイル貯留部46の隔壁52の下部にある開口部54に設置されている。2点鎖線で示される位置には、フィルタ94が設置される。
図9においては、図7および図8で示される一体に接続された第1オイルストレーナ58と第2オイルストレーナ60とを、第2オイルストレーナ60側から見た図が示されており、図中の上方向の矢印が車両10の上方側を示し、右方向の矢印が車両10の右方側を示している。一体に接続された第1オイルストレーナ58および第2オイルストレーナ60は、第1配管100の第1固定部102、固定用ブラケット116にもうけられたボルト締結用の開口である第2固定部104、および第2オイルストレーナの第2配管106の第3固定部108によって、固定される。なお、ブラケット116は、破線において車両前方側に、また実線において車両後方側に曲げ加工が行なわれている。
本実施例によれば、エンジン20、第1モータジェネレータMG1、および第2モータジェネレータMG2からの駆動力を駆動輪38に伝達する動力伝達装置12が収容されるケース14の底部に設けられ、ストレーナ濾過部91、92の外殻によってそれぞれ構成される相互に独立した複数のオイルストレーナ濾過部91、92を有し、複数のオイルストレーナ濾過部91、92内にフィルタ94がそれぞれ備えられた車両用オイルストレーナ装置120であって、複数のオイルストレーナ濾過部91、92のそれぞれの外殻は、相互に連結された外壁板83、84によって一体的に構成され、且つ複数のオイルストレーナ濾過部91、92は、吸入口87、88をそれぞれ有する。そのため、オイルストレーナ濾過部91、92は、外壁板83、84によって一体的に構成されることにより剛性が向上することとなり、外壁板83、84もしくはブラケット116の厚みの増加を伴うことなく、オイルストレーナ濾過部91、92を保持するための支持剛性の向上が可能となる。また、オイルストレーナ濾過部91、92はそれぞれ独立していて、吸入口87、88をそれぞれ有するため、相互干渉がなく2つのオイルポンプP1、P2の安定な動作が可能となる。
また、本実施例によれば、複数のオイルストレーナ濾過部91、92の外壁板83、84が接続された接続部118の一部を含む位置に、オイルストレーナ装置120を固定するためのブラケット116が突設される。このようにすれば、接続された複数のオイルストレーナ濾過部91、92の中央付近からブラケット116が突設されることによって、剛性の改善とオイルストレーナ装置120の強度の確保とがさらに可能となる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
前述の実施例においては、2つの第1オイルストレーナ58と第2オイルストレーナ60とを外壁板83、84とにおいて一体に接続したものであったが、特にこれに限らず、3つ以上のオイルストレーナを接続するものであっても良い。また、前述の実施例においては、第1オイルストレーナ58と第2オイルストレーナ60とは、それぞれ隔壁52によって分離された第1オイル貯留部50と第2オイル貯留部56とに開口部54を介して設置されるものであったが、特にこれに限らず、たとえば第1オイルストレーナ58および第2オイルストレーナ60が同一のオイル貯留部である第1オイル貯留部50もしくは第2オイル貯留部56に設置されるものであっても良い。
また、前述の実施例では、エンジン20と2つのモータジェネレータMG1、MG2とを駆動力源として備えるとともに、ドライサンプ用の第2オイルポンプP2を設置した車両10であったが、特にこれに限らず、例えばエンジン20と1つのモータジェネレータMG、エンジン20のみを有する車両、もしくはモータジェネレータMGのみを有する車両に、潤滑および冷却用の第1オイルポンプP1に加えて、ドライサンプ用の第2オイルポンプP2を搭載する場合においても適用できる。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
12:動力伝達装置
14:ケース
20:エンジン
38:駆動輪
83、84:外壁板
87、88:吸入口
91、92:オイルストレーナ濾過部
94:フィルタ
120:車両用オイルストレーナ装置
MG1:第1モータジェネレータ
MG2:第2モータジェネレータ

Claims (1)

  1. 駆動力源からの駆動力を駆動輪に伝達する車両用動力伝達装置が収容されるケースの底部に設けられ、外殻によってそれぞれ形成される相互に独立した複数のオイルストレーナ濾過部を有し、前記複数のオイルストレーナ濾過部内にフィルタがそれぞれ備えられた車両用オイルストレーナ装置であって、
    前記複数のオイルストレーナ濾過部のそれぞれの外殻は、相互に連結された外壁板によって一体的に構成され、且つ前記複数のオイルストレーナ濾過部は吸入口をそれぞれ有する
    ことを特徴とする車両用オイルストレーナ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102021123071A1 (de) 2021-09-07 2023-03-09 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Trockensumpfabsaugeinheit für ein elektrisches Achssystem sowie elektrisches Achssystem

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