JP2010221873A - プランジャポンプ及び車両用ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プランジャポンプ1であって、シリンダ孔10を有する基体100(ポンプボディ)と、シリンダ孔10内に摺動自在に装着され、一端はシリンダ孔10内にポンプ室20を区画し、他端は駆動部材に当接しているプランジャ30と、を備え、基体100には、ポンプ室20内に連通する吸入液路D及び吐出液路Eが形成され、吸入液路Dの軸線及び吐出液路Eの軸線が、シリンダ孔10の軸線に対して異なる方向に配置されている。
【選択図】図6
Description
また、吸入液路の軸線と吐出液路の軸線とを直線状に配置する必要がないため、吸入液路及び吐出液路と、ポンプボディ内の他の液路との干渉を避け易くなり、その結果、ポンプボディ内のレイアウトの自由度を高めることができる。
また、本発明の車両用ブレーキ液圧制御装置によれば、基体を三方向において小さくすることができるため、装置全体を小型化することができる。また、基体内のレイアウトの自由度を高めることができる。
図1に示すように、本実施形態の車両用ブレーキ液圧制御装置Uは、自動二輪車、自動三輪車、オールテレーンビークル(ATV)などのバーハンドルタイプの車両に好適に用いられるものである。そして、車両用ブレーキ液圧制御装置Uは、マスタシリンダM1,M2とホイールシリンダB1,B2,B3とを接続する液路A,Bを有するブレーキ系統K1,K2と、ホイールシリンダB1,B2,B3に作用するブレーキ液圧を制御する制御装置300と、を備えている。
車両用ブレーキ液圧制御装置Uでは、前輪ブレーキに装着された第一ホイールシリンダB1及び第三ホイールシリンダB3と、後輪ブレーキに装着された第二ホイールシリンダB2とに付与するブレーキ液圧を適宜制御することによって、各ホイールシリンダB1,B2,B3のアンチロックブレーキ制御が可能になっている。
入口弁2を構成する常開型の電磁弁は、その弁体を駆動させるための電磁コイルが制御装置300と電気的に接続されており、制御装置300からの指令に基づいて電磁コイルが励磁されると閉弁し、電磁コイルが消磁されると開弁する。
出口弁3を構成する常閉型の電磁弁は、その弁体を駆動させるための電磁コイルが制御装置300と電気的に接続されており、制御装置300からの指令に基づいて、電磁コイルを励磁すると開弁し、電磁コイルを消磁すると閉弁する。
図2に示す車両用ブレーキ液圧制御装置Uは、電磁弁、モータ200、プランジャポンプなどが組み付けられる基体100と、車体の挙動を検出して、電磁弁の開閉やモータ200の作動を制御する制御基板を有する制御装置300と、を主に備えている。
基体100内にはブレーキ液路が形成されており、車体の挙動に基づいて、制御装置300の制御基板が電磁弁やモータ200を作動させることで、ブレーキ液路内のブレーキ液圧が変動する。
基体100において、図3の右半分(図3中に示した線Yよりも右側の領域)には、独立ブレーキ系統K1(図1参照)に対応する独立ブレーキ用の液路構成部100Aが形成され、図3の左半分(図3中に示した線Yよりも左側の領域)には、連動ブレーキ系統K2(図1参照)に対応する連動ブレーキ用の液路構成部100Bが形成されている。
三つの入口弁装着穴33・・・は、入口弁が装着される有底の円形断面の穴部であり、基体100の上半分(図3中に示した線Xよりも上側の領域)に、図3の左右方向に並べられている。三つの入口弁装着穴33・・・のうち、一つは図3中に示した線Yよりも右側の液路構成部100Aに形成され、他の二つは図3中に示した線Yよりも左側の液路構成部100Bに形成されている。
三つの出口弁装着穴34・・・は、出口弁が装着される有底の円形断面の穴部であり、基体100の下半分(図3中に示した線Xよりも下側の領域)に、図3の左右方向に並べられている。三つの出口弁装着穴34・・・は、各入口弁装着穴33・・・の下方にそれぞれ並べられている。
二つのリザーバ穴35,35は、リザーバが装着される有底の円形断面の穴部であり、上側の各入口弁装着穴33・・・と下側の各出口弁装着穴34・・・との間に、図3の左右方向に並べられている。一方のリザーバ穴35は図3中に示した線Yよりも右側の液路構成部100Aに形成され、他方のリザーバ穴35は図3中に示した線Yよりも左側の液路構成部100Bに形成されている。
二つのシリンダ孔10,10は、プランジャポンプを構成する各部品が装着される円形断面の孔部である。
次に、図1の液圧回路を主に参照しつつ、連動ブレーキ系統K2のブレーキペダルL2を操作したときに、制御装置300によって実現される通常のブレーキ制御及びアンチロックブレーキ制御について説明する。
前輪及び後輪がロックする可能性のない通常のブレーキ制御では、基体100に取り付けられた複数の電磁弁を駆動させる複数の電磁コイルは、いずれも制御装置300によって消磁させられる。つまり、通常のブレーキ制御においては、各入口弁2,2が開弁状態になり、各出口弁3,3が閉弁状態になっている。
また、ブレーキペダルL2を緩めると、各車輪液路B,Bに流入したブレーキ液が出力液路Aを介してマスタシリンダM2に戻される。
アンチロックブレーキ制御は、車輪がロック状態に陥りそうになったときに実行されるものであり、各ホイールシリンダB2,B3に作用するブレーキ液圧を減圧、増圧、或いは一定に保持する状態を適宜選択することで実現される。なお、減圧、増圧及び保持のいずれを選択するかは、前輪及び後輪の近傍に設けられた車輪速度センサから得られた車輪速度に基づいて、制御装置300によって判断される。
次に、車両用ブレーキ液圧制御装置Uのプランジャポンプ1について詳細に説明する。
プランジャポンプ1は、図5に示すように、シリンダ孔10を有する基体100(ポンプボディ)と、シリンダ孔10内に摺動自在に装着され、一端はシリンダ孔10内にポンプ室20を区画し、他端は偏心カム201(特許請求の範囲における「駆動部材」)に当接しているプランジャ30と、プランジャ30を偏心カム201側に押圧する戻しばね40と、を備え、基体100には、ポンプ室20内に連通する吸入液路D(図6参照)及び吐出液路Eが形成されている。このプランジャポンプ1は、プランジャ30がシリンダ孔10内で軸方向に往復動することで、吸入液路Dからポンプ室20内に吸入したブレーキ液を吐出液路Eに吐出する。
また、キャップ13の外周面には、シール溝13bが全周に亘って形成されている。シール溝13bには、シール部材13cが嵌め込まれており、シール部材13cによって、キャップ13の外周面と、シリンダ孔10の拡径部11の内周面との間が液密にシールされている。
また、シリンダ孔10の拡径部11の内周面において、基体100の側面105の近傍には、係止溝11aが全周に亘って形成されている。係止溝11aには、C形状のクリップ13dが係止されており、キャップ13の外側の面13fの外周縁がクリップ13dに当接することで、シリンダ孔10に対するキャップ13の抜け止めが構成されている。
また、プランジャ30の一端30aには、有底の円筒状の係合部材30eが被せられている。この係合部材30eの開口縁部には、フランジ部30fが全周に亘って形成されており、プランジャ30の一端側の外周面の全周に亘ってフランジ部30fが突設された状態となっている。
この吸入液路Dは、シリンダ孔10から基体100の表側の面101に向けて、図6の左右方向に延ばされており、吸入液路Dの軸線は、シリンダ孔10の軸線に対して垂直に配置されている。
リザーバ5は、リザーバ穴35の開口部を塞ぐようにリザーバ穴35内に内嵌され、底部5bがリザーバ穴35から突出している有底の円筒状の金属部品であるばね受け部材5aと、ばね受け部材5a内に摺動自在に装着された有底の円筒状の金属部品であるピストン5cと、ばね受け部材5aとピストン5cとの間に介設され、ピストン5cをリザーバ穴35の底面35a側に付勢するコイルばね5dと、を備えている。
リザーバ穴35には、開放路C(図1参照)が連通しており、開放路Cを通じてリザーバ穴35内にブレーキ液が流入したときに、ピストン5cがコイルばね5dの付勢力に抗して、ばね受け部材5aの中心穴5eの底面側(基体100の外側)に移動して、リザーバ穴35内にブレーキ液を貯溜する。
吸入弁50は、底部に吸入孔55が貫通している円筒部材54と、吸入孔55のポンプ室20側の開口部を封止する吸入弁体51と、吸入弁体51を収容するように円筒部材54内に内嵌されたリテーナ52と、リテーナ52内に収められたコイルばね53と、を備えている。
吸入弁体51は、円筒部材54内に収められる球状の金属部品であり、吸入孔55の弁座に当接することで吸入孔55の開口部を封止している。
リテーナ52は、有底の円筒状の蓋体であり、開口部側を円筒部材54の底部側に向けた状態で、円筒部材54内に内嵌されており、リテーナ52内に吸入弁体51が収められている。また、リテーナ52には複数の連通孔52a・・・が形成されており、リテーナ52内と吸入液路D内とが連通している。
コイルばね53は、リテーナ52の底部の内面と吸入弁体51との間に圧縮状態で配設されており、吸入弁体51を吸入孔55側に押圧している。
この吐出液路Eは、シリンダ孔10から基体100の上面103に向けて図6の上下方向に延ばされており、吐出液路Eの軸線は、シリンダ孔10の軸線に対して垂直に配置されている。また、吐出液路Eの軸線は、吸入液路Dの軸線に対しても垂直に配置されている。
吐出弁60は、底部に吐出孔65が貫通している円筒部材64と、吐出孔65の出力液路A側の開口部を封止する吐出弁体61と、吐出弁体61を収容するように円筒部材64内に内嵌されたリテーナ62と、リテーナ62内に収められたコイルばね63と、を備えている。
吐出弁体61は、円筒部材64内に収められる球状の金属部品であり、吐出孔65の弁座に当接することで吐出孔65の開口部を封止している。
リテーナ62は、有底の円筒状の蓋体であり、開口部側を円筒部材64の底部側に向けた状態で、円筒部材64内に内嵌されており、リテーナ62内に吐出弁体61が収められている。また、リテーナ62には複数の連通孔62a・・・が形成されており、リテーナ62内と吐出液路E内とが連通している。
コイルばね63は、リテーナ62の底部の内面と吐出弁体61との間に圧縮状態で配設されており、吐出弁体61を吐出孔65側に押圧している。
図5に示すように、ポンプ室20内にブレーキ液が満たされた状態で、回転する偏心カム201に押されて、プランジャ30が一端側(キャップ13側)に向けて軸方向に往動作したときには、ポンプ室20の容積が減少し、ポンプ室20内のブレーキ液の液圧が上昇する。これにより、吐出弁60が開弁して、ポンプ室20内のブレーキ液が吐出液路Eに流入する。
ポンプ室20の容積が増大することで、ポンプ室20内は負圧状態となり、図6に示す吸入弁50が開弁して、リザーバ5に貯溜されたブレーキ液が、吸入液路Dを介してポンプ室20内に流入する。
このように、プランジャポンプ1は、プランジャ30がシリンダ孔10内で軸方向に往復動することで、吸入液路Dからポンプ室20に吸入したブレーキ液を吐出液路Eに吐出する。
本実施形態のプランジャポンプ1によれば、図5及び図6に示すように、吸入弁50及び吐出弁60をシリンダ孔10の外に配置するとともに、吸入液路Dの軸線及び吐出液路Eの軸線をシリンダ孔10の軸線に対してそれぞれ異なる方向に配置することで、基体100(ポンプボディ)が一方向に大きくなるのを防ぐことができるため、プランジャポンプ1を小型化することができる。
特に、本実施形態のプランジャポンプ1では、シリンダ孔10の軸線、吸入液路Dの軸線及び吐出液路Eの軸線が各軸線に対してそれぞれ垂直に配置されているため、基体100を前後方向、左右幅方向、高さ方向の三方向において小さくすることができる。
また、本実施形態のプランジャポンプ1では、図5に示すように、ポンプ室20内に収容された戻しばね40の他端42がプランジャ30の外周面に係合されており、ポンプ室20内のスペースを有効に利用して戻しばね40を配設しているため、ポンプ室20を小さくすることができ、基体100を小さくすることができる。
また、本実施形態のプランジャポンプ1では、プランジャ30の外周面とシリンダ孔10の内周面との間を液密にシールするためのシール部材30dを、ポンプ室20の外側に配設しているため、ポンプ室20内を小さくすることができ、基体100を小さくすることができる。
したがって、図3に示すように、三つの入口弁装着穴33・・・を基体100の左右幅方向に並べるとともに、各入口弁装着穴33・・・の下方に三つの出口弁装着穴34・・・を並べて配置し、各入口弁装着穴33・・・と各出口弁装着穴34・・・との間に、軸受穴36、二つのリザーバ穴35,35及び二つのシリンダ孔10,10を配置することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
例えば、本実施形態のプランジャポンプ1では、図6に示すように、シリンダ孔10の軸線、吸入液路Dの軸線及び吐出液路Eの軸線を各軸線に対してそれぞれ垂直に配置しているが、各軸線の相対角度は限定されるものではなく、基体100内の他の液路の配置を考慮して、適宜に設定されるものである。
2 入口弁
3 出口弁
5 リザーバ
10 シリンダ孔
13 キャップ
20 ポンプ室
21 入口ポート(独立ブレーキ系統)
22 出口ポート(独立ブレーキ系統)
23 入口ポート(連動ブレーキ系統)
24 出口ポート(連動ブレーキ系統)
30 プランジャ
30c シール溝
30d シール部材
33 入口弁装着穴
34 出口弁装着穴
35 リザーバ穴
36 軸受穴
50 吸入弁
51 吸入弁体
52 リテーナ
54 円筒部材
60 吐出弁
61 吐出弁体
62 リテーナ
64 円筒部材
100 基体
100A 液路構成部
100B 液路構成部
101 基体の表側の面(一面)
102 基体の裏側の面
103 基体の上面(一面及び第一の側面に繋がる側面)
105 基体の側面(一面に繋がる第一の側面)
200 電動モータ
201 偏心カム
202 カム面
300 制御装置
A 出力液路
B 車輪液路
C 開放路
D 吸入液路
E 吐出液路
K1 独立ブレーキ系統
K2 連動ブレーキ系統
B1 第一ホイールシリンダ
B2 第二ホイールシリンダ
B3 第三ホイールシリンダ
L1 ブレーキレバー
L2 ブレーキペダル
M1 マスタシリンダ
M2 マスタシリンダ
U 車両用ブレーキ液圧制御装置
Claims (5)
- シリンダ孔を有するポンプボディと、
前記シリンダ孔内に摺動自在に装着され、一端は前記シリンダ孔内にポンプ室を区画し、他端は駆動部材に当接しているプランジャと、を備え、
前記ポンプボディには、前記ポンプ室内に連通する吸入液路及び吐出液路が形成され、
前記吸入液路には、前記ポンプ室内への液体の吸入のみを許容する吸入弁が内挿され、前記吐出液路には、前記ポンプ室内からの液体の吐出のみを許容する吐出弁が内挿されており、
前記吸入液路の軸線及び前記吐出液路の軸線が、前記シリンダ孔の軸線に対して異なる方向に配置され、
前記プランジャが前記シリンダ孔内で軸方向に往復動することで、前記吸入液路から前記ポンプ室内に吸入した液体を、前記吐出液路に吐出することを特徴とするプランジャポンプ。 - 前記吸入液路の軸線及び前記吐出液路の軸線は、前記シリンダ孔の軸線に対して垂直に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のプランジャポンプ。
- 前記吸入液路の軸線は、前記吐出液路の軸線に対して垂直に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプランジャポンプ。
- 前記吸入液路において、前記吸入弁が内挿される位置における内径が、前記吐出液路において、前記吐出弁が内挿される位置における内径と同一であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプランジャポンプ。
- 車輪ブレーキに作用するブレーキ液圧を制御する車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
ブレーキ液を一時的に貯溜するリザーバと、
前記リザーバに貯溜されたブレーキ液を吸引する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載されたプランジャポンプと、
前記プランジャポンプの動力源であり、前記駆動部材を有するモータと、
マスタシリンダと車輪ブレーキとを接続する液路が内部に形成され、前記ポンプボディを構成する基体と、を備え、
前記基体は、
一面に開口して形成され、前記リザーバが装着されるリザーバ穴と、
前記一面に繋がる第一の側面に開口して形成された前記シリンダ孔と、を備え、
前記シリンダ孔の少なくとも一部が前記一面側から見て前記リザーバ穴に重なって配置されており、
前記吸入液路は、前記シリンダ孔から前記リザーバ穴の底部に向けて形成され、
前記吐出液路は、前記シリンダ孔から前記一面及び第一の側面と繋がる第二の側面に向けて形成されていることを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009071824A JP2010221873A (ja) | 2009-03-24 | 2009-03-24 | プランジャポンプ及び車両用ブレーキ液圧制御装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2009
- 2009-03-24 JP JP2009071824A patent/JP2010221873A/ja active Pending
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