JPH0835571A - 弁装置 - Google Patents

弁装置

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JPH0835571A
JPH0835571A JP17286894A JP17286894A JPH0835571A JP H0835571 A JPH0835571 A JP H0835571A JP 17286894 A JP17286894 A JP 17286894A JP 17286894 A JP17286894 A JP 17286894A JP H0835571 A JPH0835571 A JP H0835571A
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JP
Japan
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valve
spring
passage
pressure
check valve
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JP17286894A
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English (en)
Inventor
Takayuki Yamamoto
貴之 山本
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、一方向の流れのみを許容する弁装
置に関し、一方向弁を構成する弁体がストロークエンド
に到達した状態において適切な油路を確保することを目
的とする。 【構成】 ハウジング13内に、所定幅オフセットして
一対の流入通路11と流出通路12とを対抗孔設する。
流入通路11と流出通路12の段差部をスプリングシー
ト17として、流入通路11内にスプリング16を配設
する。流入通路11内に、スプリング16と対抗してバ
ルブシート14を圧入する。スプリング16とバルブシ
ート14との間に、スプリング16の付勢力によってバ
ルブシート14に着座するボール弁15を介装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弁装置に係り、特に一
方向弁を構成する弁体がストロークエンドに到達した状
態において適切な油路を確保する弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、油圧回路、エア回路等におい
て、流体の逆流を防止する弁装置として、ボール弁等の
弁体をスプリングで付勢してなる逆止弁(以下、単に逆
止弁と称す)が知られている。
【0003】かかる逆止弁は、油圧回路等に要求される
種々の機能を実現すべく広く用いられており、例えば特
開昭59−32549号公報には、2つの逆止弁と、所
定ストロークで往復運動するプランジャとを組み合わせ
て、プランジャポンプを構成した例が開示されている。
【0004】すなわち、上記公報に開示されるプランジ
ャポンプは、ポンプ室内に、その内壁に沿って摺動する
プランジャを配設し、かつポンプ室に通じる2本の油路
に、ポンプ室へ向かう流れのみを許容する逆止弁(以
下、吸入側逆止弁と称す)、及びポンプ室から外部へ向
かう流れのみを許容する逆止弁(以下、吐出側逆止弁と
称す)をそれぞれ配設してなる構成である。
【0005】この場合、プランジャの往復作動に対応し
て、ポンプ室の内圧が所定の負圧に到達すると、吸入側
逆止弁のボール弁が開弁し、またポンプ室の内圧が所定
の正圧に到達すると、吐出側逆止弁のボール弁が開弁
し、ポンプ室内において油液の吸入・吐出が繰り返され
ることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
開示される如く、ポンプ室に通じる油路内に、ボール弁
とスプリングとからなる逆止弁を設けてプランジャポン
プを実現する場合、ポンプの圧送効率を確保する意味で
は、逆止弁の開弁圧は小さいことが望ましい。従って、
逆止弁を構成するスプリングのバネ定数は、確実に油液
の逆流を阻止できる範囲で小さいことが好ましい。
【0007】一方、プランジャポンプの小型化の要請を
満たすためには、ポンプ室に通じる油路内に設けられる
逆止弁が小型であることが望ましく、かかる観点によれ
ば、ボール弁のストローク長は可能な限り短いことが好
ましい。
【0008】しかしながら、上記従来の逆止弁の構造で
は、油路内を流通する油液の流れ方向と、油液の流れを
制御するボール弁の動作方向とが同一であることから、
スプリングのバネ定数を低くし、かつボール弁のストロ
ーク長を短く設定すると、ボール弁がストロークエンド
に到達しやすい状況となる。
【0009】そして、かかる構成の逆止弁においてボー
ル弁がストロークエンドに到達すると、ストロークエン
ドにおいてボール弁が油路を閉塞する事態を生じ、逆止
弁は開弁状態であるにも関わらず、不当に大きな流通抵
抗を発生させる。
【0010】このように、上記従来の構造によっては、
開弁圧が小さく、体格が小さく、かつ開弁時において常
に適切な導通状態を維持し得る逆止弁を実現することが
困難であった。
【0011】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、油路の導通状態を制御する弁体の変位方向と、
開弁時に弁体近傍を流通する油液の流通方向とを異なら
しめることにより、上記の課題を解決する弁装置を提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、ハウジン
グ内に、所定幅オフセットして対抗孔設される一対の油
路と、該一対の油路の段差部をスプリングシートとし
て、一方の油路内に配設されるスプリングと、前記一方
の油路内に、前記スプリングと対抗して設けられるバル
ブシートと、前記スプリングの付勢力によって前記バル
ブシートに着座する弁体とからなる弁装置により達成さ
れる。
【0013】
【作用】本発明に係る弁装置において、前記一方の油路
内には、前記バルブシート、前記スプリング、及び該ス
プリングによって前記バルブシートに向けて付勢される
前記弁体が配設されている。従って、前記バルブシート
側から前記弁体を押圧する外力が存在しない場合は、前
記一方の油路の導通が遮断された状態となる。
【0014】一方、前記バルブシート側に、前記スプリ
ングの付勢力に抗って前記弁体を変位させる得る高圧が
発生すると、前記弁体が前記バルブシートから離座し
て、前記一方の油路が導通状態となる。従ってこの場合
は、前記バルブシート側に生じた圧力が、その後前記一
対の油路を構成する他方の油路に供給されることとな
り、前記油路内に油液が流通する。
【0015】その後、更に前記弁体の変位量が増すと、
やがて前記弁体の変位量が前記スプリングの収縮代と等
しくなり、前記弁体がストロークエンドに到達する。こ
の場合、前記スプリングが、その収縮代がなくなるまで
収縮していることから、該スプリングの外周から内周に
向かって油液が流通するにあたっては、比較的大きな流
通抵抗が伴う。
【0016】ところで、前記一対の油路には所定幅のオ
フセットが付与されている。従って、該一対の油路間を
流通する油液は、オフセットされてなお連通している部
分を通って流通されることになる。
【0017】一方、前記スプリングは、上記オフセット
に伴って前記一対の油路間に形成された段差部をバルブ
シートとして、前記一方の油路内に配設されている。こ
の場合、前記スプリングの一端は前記段差部に当接する
ことになり、前記一対の油路内に形成される油液流通経
路は、前記スプリングの外周に形成されることになる。
【0018】このため、前記弁体がストロークエンドに
到達し、その結果前記スプリングの内外周間に形成され
る流通抵抗が増大しても、前記一対の油路間の流通抵抗
が増大することはなく、前記弁体の開弁時において、常
に適切な導通状態が実現される。
【0019】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である弁装置10
の正面断面図を示す。同図に示す如く、弁装置10は、
内部に流入通路11と流出通路12を備えるハウジング
13、流入通路11内に配設されるバルブシート14、
ボール弁15、及びスプリング16により構成される。
【0020】流入通路11と流出通路12とは、互いに
所定幅のオフセットをもって、かつ側面に適当なオーバ
ーラップ部をもって対抗孔設されている。バルブシート
14は、その中央に油液流通通路14aを備え、流入通
路11内に圧入されている。また、ボール弁15は、ス
プリング16に付勢されることにより油液流通通路14
aの導通を遮断する部材である。
【0021】そして、スプリング16は、オフセットし
て設けられた流入通路11と流出通路12との間に形成
された段差をスプリングシート17として配設されてお
り、ボール弁14に適当な付勢力を付与している。
【0022】かかる構成によれば、流入通路11側に所
定の油圧が加えられると、ボール弁15がスプリング1
6の付勢力に抗って開弁し、流入通路11と流出通路1
2とを、スプリング16の外周において連通する。
【0023】一方、ボール弁15を開弁する程度にまで
高圧でない場合、又は流出通路12側が流入通路11側
に比して高圧である場合は、ボール弁15がバルブシー
ト14に着座して、流入通路11と流出通路12とが遮
断状態となる。
【0024】つまり、弁装置10は、流入通路11から
流出通路12へ向かう流れのみを許容する逆止弁であ
り、開弁時において、スプリング16の外周で流入通路
11と流出通路12とを連通する点に特徴を有してい
る。
【0025】この場合、ボール弁15が開弁している限
り、その位置がストロークエンドに到達しているか否か
に関わらず流入通路11と流出通路12との導通状態を
適切に維持することができる。
【0026】従って、流入通路11側に発生する油圧に
対して、ボール弁15がストロークエンドに到達するの
を阻止する必要がなく、開弁時において常に適切な導通
状態を確保することを前提としたうえで、スプリング1
6のバネ定数を十分に小さく、かつボール弁15のスト
ローク長を十分短く設定することができる。
【0027】このため、本実施例の弁装置10は、ボー
ル弁がストロークエンドに到達した状態では適切な導通
状態が維持できない構造の逆止弁に比べて、その全長を
短く、かつボール弁15の開弁圧を小さく設定すること
ができ、体格の小型化と流通損失の低減に有効である。
【0028】ところで、弁装置10の構成においては、
流出通路12側に高圧が生じた際に、流入通路11内の
バルブシート14には抜け方向の力が作用する。そこ
で、本実施例においては、図1に示すように、バルブシ
ート14を流入通路11に圧入した後、流入通路11の
外周においてバルブシート14をかしめることにより、
高い逆耐圧を確保している。
【0029】尚、本実施例においては、流入通路11と
流出通路12とが、前記した一対の油路に、またボール
弁15が、前記した弁体にそれぞれ相当している。
【0030】次に、本実施例の弁装置10を、車両用ア
ンチロックブレーキシステム(以下、ABSと称す)の
構成要素であるプランジャポンプ(以下、ABSポンプ
と称す)20の吸入側逆止弁に適用した実施例について
説明する。
【0031】図2は、ABSポンプ20、及び弁装置1
0を収納するABSアクチュエータ30の要部断面図を
示す。ABSアクチュエータ30は、車載されるブレー
キ装置の油圧を制御するアクチュエータであり、具体的
には、図3中に二点鎖線で囲む各要素から構成される。
以下、図2に示す本実施例の要部構成を説明するに先立
って、ABSアクチュエータ30の構成について概説す
る。
【0032】ところで、本実施例は、ブレーキ系統を前
後輪でクロス配管とし、左後輪RLと右前輪FRについ
て一系統、右後輪RRと左前輪FLについて一系統、そ
れぞれ油圧回路を具備する車両について適用することを
前提としている。
【0033】このため、ABSアクチュエータ30は、
これら2系統の回路を実現する構成要素を具備している
が、それら2系統の回路は、構成上異なるところがない
ため、便宜上図3には左後輪RL及び右前輪FRについ
ての構成要素のみを表し、その構成についてのみ説明を
行う。
【0034】図3においてマスタシリンダ50は、2系
統の油圧回路に対して別個にブレーキ油圧を供給し得る
タンデム式マスタシリンダであり、その一方が左後輪R
L及び右前輪FRについての油圧回路に供給されてい
る。
【0035】ABSアクチュエータ30内には、左後輪
RLに配設されるホイルシリンダ51に供給するブレー
キ油圧を制御する増圧弁31と減圧弁32、及び右前輪
FRに配設されるホイルシリンダ52に供給するブレー
キ油圧を制御する増圧弁33と減圧弁34が、それぞれ
マスタシリンダ50に対して直列に配設されている。
【0036】増圧弁31,33、減圧弁32,34は、
何れも開弁状態と閉弁状態とを切り換える2位置の電磁
弁であり、増圧弁31,33は常時開、減圧弁32,3
4は常時閉とされている。
【0037】ここで、増圧弁31の下流には、減圧弁3
2が連通されると共に、プロポーショニングバルブ(P
V)53を介して左後輪RLのホイルシリンダ51が連
通されている。一方、増圧弁33の下流には、減圧弁3
4が連通されると共に、右前輪FRのホイルシリンダ5
2が連通されている。尚、増圧弁31,33には、その
下流側から上流側への流れのみを許容する逆止弁35,
36がそれぞれ並設されている。
【0038】また、減圧弁32、34の下流には、流出
された油液を一時的に貯留するリザーバタンク37が連
通されると共に、リザーバタンク37内から油液を汲み
上げて、増圧弁31,33上流へ油液を還流させるAB
Sポンプ20、及びその吸入側及び吐出側逆止弁38,
39が連通される。ここで、ABSアクチュエータ30
は、ABSポンプ20の吸入側逆止弁38として本実施
例の弁装置10を用いている。
【0039】かかる構成において、増圧弁31,33が
開弁、減圧弁32,34が閉弁した状態で運転者が制動
操作を行うと、マスタシリンダ50で発生したブレーキ
油圧は、増圧弁31,33を通ってそれぞれ左後輪RL
のホイルシリンダ51、及び右前輪FRのホイルシリン
ダ52とに供給される。以下、この状態を増圧モードと
称す。
【0040】これに対して、減圧弁32,34を閉弁状
態に維持したまま増圧弁31,33を閉弁とすると、ホ
イルシリンダ51,52に供給されているブレーキ油圧
は、その後保持されることになる。以下、この状態を保
持モードと称す。
【0041】更に、その後減圧弁32,34を開弁する
と、ホイルシリンダ51,52内に貯留されていたブレ
ーキフルードがリザーバタンク37に向けて流出し、ブ
レーキ油圧が減圧されることになる。以下、この状態を
減圧モードと称す。
【0042】このように、ABSアクチュエータ30の
構成によれば、増圧弁31,33、及び減圧弁32,3
4の状態を適宜制御することで、運転者による制動操作
中に、ホイルシリンダ51,52に供給されるブレーキ
油圧を、適宜増圧、保持、減圧させることが可能であ
る。
【0043】従って、制動操作中に何れかの車輪にロッ
クが生じた場合に、その車輪に対して設けられた増圧弁
31,33、及び減圧弁32,34を適宜増圧モード、
保持モード、減圧モードとすれば、車輪のロック状態を
解除しつつ、適切な制動力を得ることが可能である。す
なわち、本実施例においては、車輪ロックを検出し、そ
の状況に応じて増圧モード、保持モード、減圧モードを
切り換えることで、所望のABS機能を実現している。
【0044】尚、増圧弁31,33、減圧弁32,34
の状態に関わらず、運転者による制動操作が停止された
場合は、マスタシリンダ50内のブレーキ油圧が減圧さ
れるのに伴って、少なくとも逆止弁35、36を介して
ホイルシリンダ51,52内のブレーキ油圧がホイルシ
リンダ50側へ開放され、その後速やかに制動力が消滅
する。
【0045】ところで、上記の如き構成によりABSの
機能を実現する場合、ABSの作動が継続すると、減圧
弁32,34の下流に相当量のブレーキフルードが流出
し、単にそのブレーキフルードをリザーバタンク37に
貯留することとしたのでは、マスタシリンダ50内のブ
レーキフルードが不足する事態を招く。
【0046】そこで、本実施例においては、上述の如く
リザーバタンク37に連通してABSポンプ20を設
け、減圧弁32,34の下流に流出されたブレーキフル
ードを、増圧弁31,33の上流側へ還流せしめること
として、マスタシリンダ50内のブレーキフルードが不
足するのを防止している。
【0047】尚、本実施例は、ABSポンプ20周辺に
おける圧力損失の低減、及びABSポンプ20周辺にお
ける体格の小型化を目的として、その吸入側逆止弁38
を本実施例の弁装置10で構成する点に特徴を有してい
る。以下、図2を参照して、本実施例の要部について説
明する。
【0048】図2に示す如く、ABSポンプ20、リザ
ーバタンク37、吸入側逆止弁38、吐出側逆止弁39
は、ABSアクチュエータ30のハウジング40内に設
けられている。
【0049】ABSポンプ20は、ハウジング40内を
摺動するプランジャ21、プランジャ21にリフトを与
えるカム22、ハウジング40内の空間を遮蔽するプラ
グ23、及びプラグ23とプランジャ21との間に介在
して、プランジャ21をカム22側へ付勢するスプリン
グ24から構成される。
【0050】ここで、プランジャ21は、Dリング25
とバックアップリング26とを組み合わせて構成した摺
動部材、及びテフロンリング27からなる摺動部材によ
って2点支持される構成であり、ハウジング40との間
に金属接触を生ずることなく摺動可能に配設されてい
る。
【0051】従って、カム22が回転すると、その回転
に伴ってプランジャ21がその軸方向に往復運動し、プ
ランジャ21とプラグ23との間に形成される空間(以
下、ポンプ室と称す)28の体積が、周期的に拡大・縮
小されることになる。
【0052】一方、ポンプ室28には、リザーバタンク
37からポンプ室28へ向かう流れのみを許容する吸入
側逆止弁38、及びポンプ室28からの流出のみを許容
する吐出側逆止弁39が連通されており、ポンプ室28
の体積が拡大・縮小を切り返すと、その動作と同期して
ブレーキフルードの吸入・吐出が行われることになる。
【0053】この場合、ABSアクチュエータ30の小
型化、駆動に要するエネルギの省力化等を考慮すると、
吸入側逆止弁38、及び吐出側逆止弁39には、逆止弁
本来の機能を十分に満たし得ると共に、小型、かつ低開
弁圧であることが要請される。
【0054】これに対して、上記図1に示す弁装置10
が、かかる要求を満たす逆止弁であることは前記した通
りであり、そのため、本実施例においては、ABSポン
プ20の吸入側逆止弁38として、弁装置10を用いる
こととしたものである。
【0055】この場合、吸入側逆止弁38を構成するボ
ール弁38aがスプリング38bの抗力に抗ってストロ
ークエンドに達した状態においても、ボール弁38aの
側方、すなわちスプリング38bの外周において適当な
流通経路を確保することができるため、スプリング38
bのバネ定数を小さく、かつボール弁38aのストロー
クを小さく設定することができ吸入側逆止弁38に要求
される特性を適切に実現することができる。
【0056】この意味で、本実施例の弁装置10は、プ
ランジャポンプ等と組み合わせて用いることで、圧力損
失の少ないポンプを実現することができるという利点と
有している。また、特にABSポンプ20の如く、搭載
スペース等の関係で小型化が要求されるものに適用した
場合には、逆止弁としての機能を確保しつつ、圧力損失
が少なく、かつ体格の小さなポンプの実現を可能とする
という効果を有している。
【0057】尚、本実施例においては、特に吸入側逆止
弁38について弁装置10を用いる構成としているが、
吐出側逆止弁39として本実施例の弁装置10を用いる
こととしてもよい。
【0058】すなわち、吐出側逆止弁39には、ABS
ポンプ20から吐出される比較的高圧の油圧が供給され
るため、特にボール弁39aがストロークした際の流通
経路の確保について考慮する必要がある。従って、ボー
ル弁39aのストロークが十分に確保できない場合、又
はスプリング39bのバネ定数として十分な値が確保で
きない場合には、吐出側逆止弁39について本実施例の
弁装置10を用いることも有効である。
【0059】ここで、本実施例においては、ABSアク
チュエータ30のハウジング40内にリザーバタンク3
7に通じる流入通路41と、ポンプ室28を貫通して流
通通路41の側面に連通する流出通路42とを設け、流
入通路41と流出通路42との段差部をバルブシートと
してスプリング38bを配設し、更にボール弁38aを
介装してバルブシート38aを流入通路41内に圧入
し、かつその外周をかしめることで、ハウジング40内
に上記図1に示す弁装置10と同一構成の吸入側逆止弁
38を実現することとしている。
【0060】尚、吐出側逆止弁39については、先ず流
出通路42内にバルブシート39cを圧入し、ボール弁
39a、スプリング39b、バルブシート43を順次組
み込むことで構成することができる。
【0061】ところで、本実施例における流出通路42
を現実に設ける場合、その通路は、ハウジング40の側
面に開口する通路として設けざるを得ない。また流出通
路42と、上記図3に示す増圧弁31、33の上流とを
連通する還流通路44についても、現実にはハウジング
40の側面に開口する通路として設けることになる。従
って、ABSアクチュエータ30において、適切な油路
を形成するためには、最終的に流出通路42及び還流通
路44等の開口部をシールする必要がある。
【0062】これに対して、本実施例においては、流出
通路42、及び還流通路44の端部に、図2に示す如く
所定径のボール弁45,46を圧入し、更にその外周を
かしめる加工を行うこととしている。かかる構成によれ
ば、簡単かつ確実にそのシール性を確保することがで
き、ABSアクチュエータ30の低コスト化に有利であ
る。
【0063】尚、本実施例においては、吸入側逆止弁3
8のバルブシート38c、及び吐出側逆止弁39のバル
ブシート39cを共通部品とすることで、更なる低コス
ト化を実現している。
【0064】ところで、本実施例においては、ポンプ室
28を閉塞するプラグ23にも十分なシール性が要求さ
れる。また、ポンプ室28の内圧が昇圧すると、プラグ
23には抜け方向の推力が働くため、その固定には、か
かる推力に対して十分な保持力を確保する必要もある。
【0065】そこで、本実施例においては、プラグ23
をハウジング40に比して高硬度の材質で形成し、かつ
プラグ23がハウジング40と当接する部分をテーパ面
23aとすると共に、プラグ23をハウジング40内に
圧入し、更に圧入したプラグ23の外周を、図2及びそ
の拡大図である図4,40aに示す如くかしめることと
している。
【0066】この場合、プラグ23を圧入する際に、ハ
ウジング40がプラグ23のテーパ面23aに倣って変
形し、両者間に十分なシール性が確保できると共に、抜
け方向の推力に対して十分な保持力を確保することがで
きる。尚、プラグ23をかしめにより固定することとし
たため、例えばネジ溝を設けてプラグ23をハウジング
40に螺着する構成等に比べて構成が簡単であり、部品
コストの低減、組み付け作業性等の面でも有利である。
【0067】ところで、図4に示す如く、本実施例にお
けるプラグ23には、細径部23bが設けられている。
この細径部23bは、スプリング24の位置を規制する
と共に、ポンプ室28の有効体積を減少させる目的で設
けられたものである。
【0068】つまり、ABSポンプ20の如きプランジ
ャポンプにおいては、プランジャ21のストロークに基
づくポンプ室21の体積変化率が大きいほど高い圧送効
率を得ることができ、その意味では、ポンプ室28の有
効体積は小さいことが望まい。これに対して、本実施例
の如くプラグ23が細径部23bを備える構成によれ
ば、ポンプ室28の全幅を余裕をもって形成し、かつ高
い圧送効率を得ることが可能である。
【0069】尚、図5は、プランジャ25側に細径部2
5aを形成した構成を例示したものであるが、かかる構
成とした場合、必ずしもポンプ室28の閉塞にプラグ2
3を用いる必要はなく、同図の如くボール弁47で代用
することができる。この場合、ボール弁47はプラグ2
3に比して安価であり、かつプラグ23と同様に、圧入
・かしめ40b、によって固定することができ、より一
層の低コスト化を実現することができる。
【0070】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、一対の油
路間にオフセットを与えることにより両者間に段差を形
成し、その段差をスプリングシートとして弁体を付勢す
るスプリングを配設していることから、弁体がストロー
クエンドに到達した状態でも、スプリングの外周におい
て適切に油液流通経路を確保することができる。
【0071】このため、本発明に係る弁装置において
は、弁体の開弁時において常に適切な導通状態を確保す
ることを前提としてうえで、スプリングのバネ定数を十
分に小さく設定し、かつ弁体のストローク長を十分短く
設定することができる。
【0072】従って本発明によれば、流通損失が小さ
く、体格が小さく、かつ開弁時において適当な流通抵抗
を維持し得る弁装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である弁装置の正面断面図で
ある。
【図2】本実施例の弁装置を適用したABSアクチュエ
ータの要部断面図である。
【図3】本実施例のABSアクチュエータの油圧回路図
である。
【図4】本実施例のABSアクチュエータにおけるかし
め構造の一例を表す拡大図である。
【図5】本実施例のABSアクチュエータにおけるかし
め構造の他の例を表す拡大図である。
【符号の説明】
10 弁装置 11,41 流入通路 12,42 流出通路 13,40 ハウジング 14,38c,39c バルブシート 15,38a,39a ボール弁 16,38b,39b スプリング 17 バルブシート 20 ABSポンプ 38 吸入側逆止弁 39 吐出側逆止弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に、所定幅オフセットして
    対抗孔設される一対の油路と、 該一対の油路の段差部をスプリングシートとして、一方
    の油路内に配設されるスプリングと、 前記一方の油路内に、前記スプリングと対抗して設けら
    れるバルブシートと、 前記スプリングの付勢力によって前記バルブシートに着
    座する弁体とからなることを特徴とする弁装置。
JP17286894A 1994-07-25 1994-07-25 弁装置 Pending JPH0835571A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008285163A (ja) * 2008-09-01 2008-11-27 Hitachi Ltd ブレーキ制御ユニット
JP2010064675A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Hitachi Automotive Systems Ltd 液圧ユニット及びバーハンドル車用液圧ユニット
JP2010221873A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Nissin Kogyo Co Ltd プランジャポンプ及び車両用ブレーキ液圧制御装置

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