JP3658876B2 - プランジャ式ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プランジャ式ポンプに関する。より詳細には、車両用のアンチロックブレーキシステムに用いられるアクチュエータの構成要素の一つであるプランジャ式ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプランジャ式ポンプは、特開平7−184344号公報に開示されるように、駆動装置により駆動される偏心駆動軸と、該偏心駆動軸により駆動されるプランジャを備え、前記偏心駆動軸の回動により前記プランジャが駆動されて流体をポンプ室に吸入、及び、ポンプ室から吐出するプランジャ式ポンプにおいて、前記偏心駆動軸は、ベアリングと、該ベアリングの外周側に配設される樹脂材とを介してハウジングの組付穴に挿入され、前記樹脂材は、前記ハウジングの組付穴の内周部に形成された凹部内に組付けられているものである。
【0003】
この従来のプランジャ式ポンプにおいては、偏心駆動軸にベアリングが嵌合され、次いで、ベアリングが組付けられた偏心駆動軸が、その凹部内に樹脂材を備えたハウジングの組付穴に挿入されて、ベアリングが樹脂材により固定され、ひいては偏心駆動軸もハウジングに支持されるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したプランジャ式ポンプにおいては、樹脂材は熱に弱いため、高温時においては樹脂材の剛性力が低下し、偏心駆動軸の回転の際に、樹脂材はベアリングを確実に保持することができなくなる虞れがある。ひいては、高温時には、ベアリングが確実に保持されなくなることからベアリングにがたが生じ、偏心駆動軸の回転による振動も大きくなる虞れがある。
【0005】
本発明は、ベアリングを確実に保持することにより、偏心駆動軸の回転による振動を抑制するプランジャ式ポンプを提供することを、その技術的課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために、駆動装置により駆動される偏心駆動軸と、該偏心駆動軸により駆動されるプランジャを備え、前期偏心駆動軸の回動により前記プランジャが駆動されて流体をポンプ室に吸入、及び、ポンプ室から吐出するプランジャ式ポンプにおいて、前記偏心駆動軸は、該偏心駆動軸の外周に取り付けられるベアリングと該ベアリングの外周側に配設されるスリーブとを介してハウジングの組付穴に配設され、前記スリーブは、金属材から成り、前記ベアリングが圧入される部分と、前記ハウジングの組付穴に圧入される部分とを独立して有しており、前記ハウジングの組付穴は前記スリーブに係合する係合凸部を備えていることを特徴とするプランジャ式ポンプを構成した。
【0008】
好ましくは、前記スリーブは前記係合凸部が係合する係合凹部を備えていることを特徴とするプランジャ式ポンプ望ましい。
【0009】
好ましくは、前記ハウジングと前記スリーブは同一金属材から形成されることを特徴とするプランジャ式ポンプが望ましい。
【0010】
請求項1のプランジャ式ポンプは、スリーブとハウジングとの組付は、偏心駆動軸の組付用の穴にスリーブが挿入されて、スリーブのハウジング圧入部のみが穴に対して圧入状態をとることにより、スリーブが穴に圧入固定されることになる。
【0011】
更に、ベアリングとスリーブとの組付は、スリーブのベアリング圧入部に対してのみベアリングが圧入され、ベアリングがスリーブに固定されることになる。従って、偏心駆動軸は、ベアリングとリテーナのベアリング圧入部のみからなる圧入状態と、リテーナのハウジング圧入部とハウジングのみからなる圧入状態とを介して、即ち、ベアリングと、リテーナのベアリング圧入部と、リテーナのハウジング圧入部とを介してハウジングに支持されることになる。
【0012】
更には、ズリーブがハウジングの偏心駆動軸の組付穴に形成された係合凸部と係合され、ハウジングの組付穴からのスリーブの抜け止めがなされる。
【0013】
請求項2のプランジャ式ポンプは、請求項1のプランジャ式ポンプの作用に加えて、スリーブがハウジングの偏心駆動軸の組付用の穴に形成された係合凸部と係合凹部において係合される。
【0014】
請求項3のプランジャ式ポンプは、請求項1又は2に記載のプランジャ式ポンプの作用に加えて、ハウジングとスリーブとは、互いに同一金属材から形成されていることから、熱膨張率を互いに等しくされている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態により具体的に説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、一例として、本発明のプランジャ式ポンプを用いたアクチュエータを取り付けたアンチロックブレーキシステムに対応する車両用液圧ブレーキ装置の液圧経路の概略を示すものである。
【0017】
図1において、ブレーキペダル10に加えられたブレーキ操作力は負圧式倍力装置11により倍加されてタンデム型のマスタシリンダ12に加えられる。マスタシリンダ12は、周知のように、2つの圧力室を有している。前後左右の4つの車輪ブレーキ13、14、16、17のうち、左前車輪ブレーキ13および右後車輪ブレーキ14はアクチュエータ15を介してマスタシリンダ12の2つの圧力室のうちの一方圧力室に接続され、また右前車輪ブレーキ16および左後車輪ブレーキ17はアクチュエータ18を介してマスタシリンダ12の他方圧力室に接続される。
【0018】
アクチュエータ15は、左前車輪ブレーキ13をマスタシリンダ12の一方圧力室から遮断可能な2ポート2位置の常開型の電磁遮断弁19と、右後車輪ブレーキ14をマスタシリンダ12の一方圧力室から遮断可能な2ポート2位置の常開型の電磁遮断弁20と、電磁遮断弁19および20と並列に配設されていて車輪ブレーキ側からマスタシリンダ側へのブレーキ液の流れのみを許容する逆止弁21および22と、左前車輪ブレーキ13を単一の低圧リザーバ23に接続可能な2ポート2位置の常閉型の電磁遮断弁24と、右前車輪ブレーキ14を低圧リザーバ23に接続可能な2ポート2位置の常閉型の電磁遮断弁25と、低圧リザーバ23内のブレーキ液を一定容積のダンパ室26およびオリフィス27を順次通して電磁遮断弁19、20とマスタシリンダ12との間の液圧経路に圧送する本発明の一構成部分としてのモータ駆動のポンプユニット28とで構成されている。
【0019】
アクチュエータ18は、右前車輪ブレーキ16をマスタシリンダ12の他方圧力室から遮断可能な2ポート2位置の常開型の電磁遮断弁29と、左後車輪ブレーキ17をマスタシリンダ12の他方圧力室から遮断可能な2ポート2位置の常開型の電磁遮断弁30と、電磁遮断弁29および30と並列に配設されていて車輪ブレーキ側からマスタシリンダ側へのブレーキ液の流れのみを許容する逆止弁31および32と、右前車輪ブレーキ16を単一の低圧リザーバ33に接続可能な2ポート2位置の常閉型の電磁遮断弁34と、左後車輪ブレーキ17を低圧リザーバ33に接続可能な2ポート2位置の常閉型の電磁遮断弁35と、低圧リザーバ33内のブレーキ液を一定容積のダンパ室36およびオリフィス37を順次通して電磁遮断弁29、30とマスタシリンダ12との間の液圧経路に圧送する本発明の一構成部分としてのモータ駆動のポンプユニット38とで構成されている。
【0020】
本発明の一構成部分としての単一のモータ39は両ポンプユニット28、38を駆動する。
【0021】
ポンプユニット28、38は同じ構成のものであり、ポンプユニット28、38及びモータ39とを備える本発明のプランジャ式ポンプ40の詳細を、図2、図3に示す。図2は、図1のプランジャ式ポンプ40の断面図であり、図3は、図2のベアリング部分の拡大断面図である。図2において、アルミニウム製ハウジング100の孔、即ち、シリンダ部101の左端にベアリングを介して近接して配置されている偏心駆動軸102はモータ39により駆動回転されるものである。シリンダ部101の右端部には吐出弁103の吐出孔を有するシート部材104が嵌入・固定されている。シート部材104の右端部はダンパ室26に露出しており、シート部材104のテーパ付シート部には球状弁体105がシート部材104に係止されたリテーナと弁体105との間で張設された圧縮コイルスプリングにより押圧されている。シート部材104、弁体105、リテーナ、および圧縮コイルスプリングは吐出弁103を構成するものである。
【0022】
シリンダ部101にはシールリングを装着したプランジャ106が摺動可能に嵌合されている。このプランジャ106とシリンダ部101の内周面とシート部材104との間に形成されたポンプ室107にはプランジャ106の右端面を偏心駆動軸102に向けて押圧する圧縮コイルスプリング108が配置されている。
【0023】
ポンプ室107に連通するようにボデー100に形成された孔109内には、吸入孔を有するボデー100に固定のシート部材110、このシート部材110に係止されたリテーナ、このリテーナとの間に張設された圧縮コイルスプリングによりシート部材110のテーパ付シート部に押圧される球状弁体111とによる吸入弁112が配設されている。
【0024】
ジョイント部材118は、直交する二つの一文字状の係合口118a、118bを有し、モータ39のモータ軸391は、ジョイント部材118の係合口118aに係合する係合部391aを有し、偏心駆動軸102は、ジョイント部材118の係合口118bに係合する係合部102aを有している。
【0025】
係合部391aと係合部102aとが十字状に噛み合うように、モータ軸391の係合部391aがジョイント部118の係合口118aに挿入され、偏心駆動軸102の係合部102aがジョイント部118の係合口118bに挿入される。従って、モータ軸391と偏心駆動軸102とはジョイント部材118を介して結合される。
【0026】
モータ軸391はベアリングを介してモータハウジング392に支持されている。
【0027】
低圧リザーバ23は、ボデー100に形成されたシリンダ内に液密で且つ摺動可能に嵌合されてシリンダの上端との間に吸入弁112の入口に連通するブレーキ液圧室113を形成するピストン114と、このピストン114をブレーキ液圧室容積の減少する方向へ付勢する圧縮コイルスプリング115と、圧縮コイルスプリング115を支持するプラグ116とにより構成されている。
【0028】
図3に示すように、偏心駆動軸102は、ベアリング120、121、122と、アルミニウム材から成るスリーブ123とを介して、ハウジング100に設けられた偏心駆動軸102の組付用の穴100aに挿入されている。
【0029】
穴100aは、底部側の小径部100aaと、大径部100abと、開口端部に係合凸部100acとを有している。
【0030】
スリーブ123は、ハウジング100の穴100aの大径部100abとのみ接触する第2ハウジング圧入部123bと、小径部100aaとのみ接触する第1ハウジング圧入部123aと、ベアリング120、122とのみ接触するベアリング圧入部123cとから成り、プランジャ106、106’が挿入される穴123dを備えている。
【0031】
即ち、スリーブ123においては、第1ハウジング圧入部123aと第2ハウジング圧入部123bとが、ハウジング100に圧入される部分となり、ベアリング圧入部123cがベアリング120、122が圧入される部分となる。
【0032】
偏心駆動軸102の、ハウジング100の穴100aへの組付けとしては、先ず、ベアリング120、121、122が取り付けられた偏心駆動軸102が穴100aに挿入される。
【0033】
次いで、穴100aにスリーブ123が挿入されて、スリーブ123の第1ハウジング圧入部123aが穴100aの小径部100aaに圧入され、スリーブ123の第2ハウジング圧入部123bが穴100aの大径部100abに圧入され、更に、スリーブ123の第2ハウジング圧入部123bの穴100aの開口端部側が係合凸部100acと係合されて、スリーブ123が穴100aに圧入固定される。
【0034】
第1ハウジング圧入部123aの小径部100aaへの圧入及び第2ハウジング圧入部123bの大径部100abへの圧入に際しては、ハウジング100の熱膨張も考慮された圧入がなされている。
【0035】
スリーブ123が穴100aに圧入されることにより、ベアリン 120、122がスリーブ123内に収納される。即ち、スリーブ123のベアリング圧入部123cに対してベアリング120、122が圧入されている状態となる。
【0036】
スリーブ123は、ハウジング圧入部123a、123bと、ベアリング圧入部123cを独立して有していることから、ベアリング120、122がスリーブ123のベアリング圧入部123cに対して圧入される状態をとっても、穴100aの大径部100abの内周とベアリング嵌合部123cの外周との間にはクリアランス130が存在することになる。
【0037】
又、偏心駆動軸102の偏心駆動カム部102bとプランジャ106、106’との間にベアリング121が介在されることになる。
【0038】
従って、偏心駆動軸102は、ベアリング120、122と、リテーナ123のベアリング圧入部123cと、リテーナ123のハウジング圧入部123a、123bとを介してハウジング100に支持されることになる。
【0039】
図1において、電磁遮断弁19、20、24、25、29、30、34、35はブレーキ液圧制御弁手段を構成する。
【0040】
電磁遮断弁19、20、24、25、29、30、34、35とモータ39は図示しない電子制御装置により車両制動中の車輪の挙動に応じて車輪のロックを回避するように電気的に操作されるものである。周知のように、電子制御装置は各車輪に装備された回転センサからの信号により各車輪の挙動を検出し各車輪のブレーキのブレーキ液圧の減圧、増圧の必要性を判定して電磁遮断弁およびモータを操作する。モータ39はアンチロック制御の開始から終了までの間中通電されてポンプユニット28、38を駆動する。車両制動中において、例えば電磁遮断弁19、29および電磁遮断弁24、34が作動された場合には、車輪ブレーキ13、16内のブレーキ液が定圧リザーバ23、33へ流出して車輪ブレーキ13、16内のブレーキ液圧が減圧され、電磁遮断弁19、29の作動が維持されつつ電磁遮断弁24、34の作動が解除された場合には、車輪ブレーキ13、16から低圧リザーバ23、33へのブレーキ液の流出が停止されて車輪ブレーキ13、16内のブレーキ液圧が保持され、電磁遮断弁19、29および電磁遮断弁24、34の作動が共に解除された場合には、マスタシリンダ12からブレーキ液が車輪ブレーキ13、16に圧送されて車輪ブレーキ13、16のブレーキ液圧が増圧される。低圧リザーバ23、33に流入したブレーキ液はポンプユニット28、38によりダンパ室26、36とオリフィス27、37を通してマスタシリンダ12側へ戻される。
【0041】
プランジャ式ポンプ40の駆動において、図2、図3に示すように、モータ39が駆動されてモータ軸391が回転し、モータ軸391の回転により係合部391aの側面がこの側面に対向する係合口118aの壁面を押してジョイント部材118もまた回転し、ジョイント部材118が回転することにより係合口118bの壁面がこの壁面に対向する係合部102aの側面を押して偏心駆動軸102が駆動回転する。
【0042】
偏心駆動軸102が駆動回転されてポンプユニット28のプランジャ106はシリンダ部101内部を往復摺動し、プランジャ106がシリンダ部101の偏心駆動軸102側に移動してポンプ室107が減圧され、ブレーキ液が、吸入弁112の弁体111を圧縮コイルスプリングの付勢力に打ち勝って押し、ポンプ室107内へと流入する。プランジャ106が吐出弁103側に移動してポンプ室107が増圧され、ブレーキ液が、吐出弁103の弁体105を圧縮コイルスプリングの付勢力に打ち勝って押し、ダンパ室26へと流出する。ポンプユニット38もまた同様に作動する。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態のプランジャ式ポンプ40によれば、偏心駆動軸102は、ベアリング120、123と、アルミニウム製スリーブ123と介してハウジンウグ100の穴100aに挿入されており、特に、スリーブ123はハウジング100に対して、スリーブ123の第1ハウジング圧入部123aと穴100aの小径部100aaと、スリーブ123の第2ハウジング圧入部123bと穴100aの大径部100abとにおいてのみ夫々圧入状態をとることで、圧入されており、ベアリング120、122はスリーブ123に対して、スリーブ123のベアリング圧入部123cとベアリング120、122とにおいてのみ圧入状態をとることによって、圧入されている。つまり、スリーブ123のベアリング圧入部123bは穴100aの大径部100ab、ひいてはハウジング100と圧入状態をとっておらず、ベアリング圧入部123bと大径部100abとの間にはクリアランス130が存在しているものである。
【0044】
従って、高温時において、スリーブ123は金属材から形成されているので剛性が低下する虞れがなく、偏心駆動軸102の回転の際に、ベアリング120、122を確実に保持することができなくなる虞れもない。ひいては、高温時に、ベアリング120、122にがたが生じ、偏心駆動軸102の回転による振動が大きくなるといった虞れも生じない。
【0045】
更に、高温時において、ハウジング100が熱膨張した場合においても、スリーブ123のハウジング圧入部123a、123bが穴100aに対して圧入されていることから、ハウンジング100の穴100aの例えば径方向(図3中左右方向)への膨張に際しても、ハウジング圧入部123a、123bが追従可能となる。よって、ハウジング100とスリーブ123とにがたつきが生じる虞れはない。
【0046】
更に、ハウジング100とスリーブ123とは、互いにアルミニウムから形成されていることで、高温時における熱膨張率を互いに等しくされていることから、ハウンジング100の穴100aの例えば径方向(図3中左右方向)への膨張に際しても、ハウジング圧入部123a、123bがより追従可能とできる。
【0047】
更に、ベアリング圧入部123bと大径部100abとの間にはクリアランス130が存在していることから、ハウジング圧入部123a、123bの穴100への圧入の影響をベアリング圧入部123bが受けることはない。よってベアリング120、122がスリーブ123を介してハウジング100から押圧力を受けることがないため、ベアリング120、122の機能低下の虞れもない。
【0048】
加えて、クリアランス130の存在により、低温時におけるハウンジング100の収縮をクリアランス130により吸収可能とされていることから、ハウジング100の収縮によりベアリング120、122がスリーブ123を介してハウジング100から押圧力を受けることがないため、ベアリング120、122の内部クリアランスを小さく設定できる。ひいては、偏心駆動軸102の振動を抑制することが可能とされている。
【0049】
更に、スリーブ123は、係合凸部100acと係合していることにより、スリーブ123の穴100aからの抜け止めがなされている。
【0050】
従って、ベアリングを確実に保持することにより、偏心駆動軸の回転による振動を抑制するプランジャ式ポンプを提供することを可能としている。
【0051】
本実施の形態においては、スリーブ123は単体として構成されているが、特にこの形状に限定するものではなく、例えば、スリーブ123を穴123dを境にして二分割されたスリーブを用いいた本発明のプランジャ式ポンプにおいても同様の作用効果が得られることは言うまでもない。
【0052】
又、本実施の形態においては、偏心駆動軸102とスリーブ123との間には二つのベアリング120、122が介在されているが、特にこの構成に限定するものでないことは言うまでもない。
【0053】
又、本実施の形態においては、プランジャ式ポンプ40は、二つの対向するプランジャ106、106’を備えているが、特にこの構成に限定するものでないことは言うまでもない。
【0054】
(実施の形態2)
図4は、本実施の形態のプランジャ式ポンプの偏心駆動軸部分の拡大断面図である。実施の形態1と同様の部材には同符号が付してある。リテーナの形状以外は実施の形態1と同様なので説明は省略する。
【0055】
図4に示すように、リテーナ123は、その先端側に第1ハウジング圧入部123aを、その中間部にベアリング圧入部を、その後端側に第2ハウジング圧入部123bを備えている。
【0056】
第2ハウジング圧入部123bには、ハウジング100の穴100aの開口部分に形成された係合凸部100acが係合する係合凹部としてのスリット123eが形成されている。
【0057】
スリーブ123のハウジング100の穴100aへの組付けとしては、穴100aにスリーブ123が挿入されて、スリーブ123の第1ハウジング圧入部123aが穴100aの小径部100aaに圧入され、スリーブ123の第2ハウジング圧入部123bが穴100aの大径部100abに圧入され、更に、スリーブ123の第2ハウジング圧入部123bの溝123eに係合凸部100acが係合されて、スリーブ123が穴100aに圧入固定される。
【0058】
従って、溝123eに係合凸部100acが係合されることにより、スリーブ123の抜け止めをするとともに、スリーブ123の穴100a内での回転が規制されることになる。よって万が一にもスリーブ123が穴100a内でがたつく虞れはない。
【0059】
その他の作用効果は、実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
【0060】
本実施の形態においては、スリーブ123には、係合凸部100acが係合するスリット100eが設けられているが、特にこの構成に限定するものでないことは言うまでもない。
【0061】
以上、本発明を上記実施の形態に即して説明したが、本発明は上記態様にのみ限定されるものではなく、本発明の原理に準ずる各種態様を含むものである。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、高温時において、スリーブは金属材から形成されているので剛性が低下する虞れがなく、偏心駆動軸の回転の際に、ベアリングを確実に保持することができなくなる虞れもない。ひいては、高温時に、ベアリングにがたが生じ、偏心駆動軸の回転による振動が大きくなるといった虞れも生じない。
【0063】
更に、高温時において、ハウジングが熱膨張した場合においても、スリーブのハウジング圧入部が偏心駆動軸組付用の穴に対して圧入されていることから、ハウンジングの穴の例えば径方向への膨張に際しても、ハウジング圧入部が追従可能となる。よって、ハウジングとスリーブとにがたつきが生じる虞れはない。
【0064】
更に、スリーブのベアリング圧入部と偏心駆動軸組付用の穴とは圧入状態を呈していない、即ち、ベアリング圧入部と偏心駆動軸組付用の穴の間にはクリアランスが存在することから、ハウジング圧入部の偏心駆動軸組付用の穴への圧入の影響をベアリング圧入部が受けることはない。よってベアリングがスリーブを介してハウジングから押圧力を受けることがないため、ベアリングの機能低下の虞れもない。
【0065】
加えて、クリアランスの存在により、低温時におけるハウンジングの収縮をクリアランスにより吸収可能とされていることから、ハウジングの収縮によりベアリングがスリーブを介してハウジングから押圧力を受けることがないため、ベアリングの内部クリアランスを小さく設定できる。ひいては、偏心駆動軸の振動を抑制することが可能とされている。
【0066】
従って、ベアリングを確実に保持することにより、偏心駆動軸の回転による振動を抑制するプランジャ式ポンプと提供することを可能としている。
【0067】
そして、ハウジングの偏心駆動軸組付用の穴がスリーブに係合する係合凸部を備えていることにより、スリーブの偏心軸組付用の穴からの抜け止めを可能としている。
【0068】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、スリーブの偏心駆動軸組付用の穴に対する回転を規制し、ひいては、がたつきを抑制している。
【0069】
請求項3の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、ハウジングとスリーブとの熱膨張率を互いに等しくされていることから、ハウジングの偏心駆動軸組付用の穴の例えば径方向への膨張に際しても、ハウジング圧入部がより追従可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の液圧経路図。
【図2】図1のプランジャ式ポンプ40の断面図。
【図3】図2の一部拡大断面図。
【図4】実施の形態2のプランジャ式ポンプの一部拡大断面図。
【符号の説明】
39 モータ
40 プランジャ式ポンプ
100 ハウジング
100a 穴
100ac 係合凸部
102 偏心駆動軸
106、106’ プランジャ
107、107’ ポンプ室
120、123 ベアリング
123 リテーナ
123a、123b ハウジング圧入部
123c ベアリング圧入部
123e スリット
Claims (3)
- 駆動装置により駆動される偏心駆動軸と、該偏心駆動軸により駆動されるプランジャを備え、前期偏心駆動軸の回動により前記プランジャが駆動されて流体をポンプ室に吸入、及び、ポンプ室から吐出するプランジャ式ポンプにおいて、前記偏心駆動軸は、該偏心駆動軸の外周に取り付けられるベアリングと該ベアリングの外周側に配設されるスリーブとを介してハウジングの組付穴に配設され、前記スリーブは、金属材から成り、前記ベアリングが圧入される部分と、前記ハウジングの組付穴に圧入される部分とを独立して有しており、前記ハウジングの組付穴は前記スリーブに係合する係合凸部を備えていることを特徴とするプランジャ式ポンプ。
- 前記スリーブは前記係合凸部が係合する係合凹部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のプランジャ式ポンプ。
- 前記ハウジングと前記スリーブは同一金属材から形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプランジャ式ポンプ。
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JPH1037855A JPH1037855A (ja) | 1998-02-13 |
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