JP2014189059A - 車両用ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

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Masatoshi Iyatani
正俊 袰谷
Naoki Masuda
直己 増田
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Abstract

【課題】サクション通路の配設の自由度が広く,モジュレータのボディのコンパクト化を図ることができる前記車両用ブレーキ液圧制御装置を提供する。
【解決手段】モジュレータ3のボディ3aの弁取り付け孔44に取り付けられる弁座部材45に,液圧ポンプ8a,8bの吸入ポートに連なる吸入室46と,それに開口する弁座48とを形成し,サクション弁16を,弁座48と,弁体55と,弁ばね56と,弁座部材45に固着されて弁ばね56を保持するリテーナ57とで構成し,このリテーナ57及び弁取り付け孔44間に,サクション通路15a,15bが接続される筒状通路61を画成し,この筒状通路61を弁座部材45内に連通する透孔62をリテーナ57に穿設し,吸入室46をリザーバ9の貯液室34に連通する通孔49に,開弁駆動手段32の作動時,弁体55を開弁方向に押圧する押圧部材51を配設した。
【選択図】 図2

Description

本発明は,自動車等の車両のブレーキ液圧制御装置に関し,特に,車輪ブレーキの余剰ブレーキ液圧を吸収するリザーバと,このリザーバが吸収したブレーキ液を吸入してマスタシリンダに戻す他,マスタシリンダの出力液圧をサクション通路を介して吸入して車輪ブレーキに供給し得る液圧ポンプと,前記サクション通路に設けられる常閉型のサクション弁と,前記液圧ポンプの吸入圧力により作動して前記サクション弁を開弁する開弁駆動手段とを備える,車両用ブレーキ液圧制御装置の改良に関する。
かゝる車両用ブレーキ液圧制御装置は,特許文献1に開示されるように既に知られている。
特開2011−255728号公報
従来のかゝる車両用ブレーキ液圧制御装置では,液圧ポンプを収容するモジュレータのボディに設けられる弁取り付け孔に弁座部材を装着し,この弁座部材に,液圧ポンプの吸入ポートに連なる吸入室と,この弁座部材に,液圧ポンプの吸入ポートに連なる吸入室と,この吸入室に開口する弁座とを形成し,サクション弁を,前記弁座と,この弁座に着座し得る弁体と,吸入室に縮設されてこの弁体を前記弁座との着座方向に付勢する弁ばねとで構成し,弁座部材の一側部に,サクション通路に連なる開口部を設けて,弁体の開弁時,その開口部が吸入室と連通するようにしている。こうしたものでは,サクション通路が弁座部材の一側方に配設せざるを得ず,その配設の自由度が狭く,これがモジュレータのボディの小型化の障害となっている。
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,サクション通路の配設の自由度が広く,モジュレータのボディのコンパクト化を図ることができる前記車両用ブレーキ液圧制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明は,車輪ブレーキの余剰ブレーキ液圧を吸収するリザーバと,このリザーバが吸収したブレーキ液を吸入してマスタシリンダに戻す他,マスタシリンダの出力液圧をサクション通路を介して吸入して車輪ブレーキに供給し得る液圧ポンプと,前記サクション通路に設けられる常閉型のサクション弁と,前記液圧ポンプの吸入圧力により作動して前記サクション弁を開弁する開弁駆動手段とを備える,車両用ブレーキ液圧制御装置において,前記液圧ポンプを収容するモジュレータのボディに設けられる弁取り付け孔に弁座部材を取り付け,この弁座部材に,前記液圧ポンプの吸入ポートに連なる吸入室と,この吸入室に開口する弁座とを形成し,前記サクション弁を,前記弁座と,この弁座に着座し得る弁体と,この弁体を前記弁座との着座方向に付勢する弁ばねと,前記弁座部材に固着されて前記弁ばねを保持するリテーナとで構成し,このリテーナ及び前記弁取り付け孔間に,前記サクション通路が接続される筒状通路を画成し,この筒状通路を前記弁座部材内に連通する透孔を前記リテーナに穿設し,前記吸入室を前記リザーバの貯液室に連通する通孔に,開弁駆動手段の作動時,前記弁体を開弁方向に押圧する押圧部材を配設したことを第1の特徴とする。尚,前記押圧部材は,後述する本発明の実施形態中の第1弁体51に対応する。
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記通孔に,前記吸入室側から前記貯液室側への液流を阻止するが,それとは反対方向の液流を許容する逆止弁を設け,この逆止弁の弁体で前記押圧部材を構成したことを第2の特徴とする。
さらに本発明は,第2の特徴に加えて,前記弁座部材に,前記逆止弁の弁座を形成したことを第3の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば,前記液圧ポンプを収容するモジュレータのボディに設けられる弁取り付け孔に弁座部材を取り付け,この弁座部材に,前記液圧ポンプの吸入ポートに連なる吸入室と,この吸入室に開口する弁座とを形成し,前記サクション弁を,前記弁座と,この弁座に着座し得る弁体と,この弁体を前記弁座との着座方向に付勢する弁ばねと,前記弁座部材に固着されて前記弁ばねを保持するリテーナとで構成し,このリテーナ及び前記弁取り付け孔間に,前記サクション通路が接続される筒状通路を画成し,この筒状通路を前記弁座部材内に連通する透孔を前記リテーナに穿設したので,サクション通路を筒状通路の何処に接続しても,サクション通路を弁座部材内に連通することができ,サクション通路のレイアウトの自由度を広げることができ,これによりモジュレータのボディのコンパクト化を図ることができる。
また前記吸入室を前記リザーバの貯液室に連通する通孔に,開弁駆動手段の作動時,前記弁体を開弁方向に押圧する押圧部材を配設したので,通孔が押圧部材のガイド孔を兼ねることになり,構造の簡素化と共に,モジュレータのボディのコンパクト化を一層図ることができる。
本発明の第2の特徴によれば,前記通孔に,前記吸入室側から前記貯液室側への液流を阻止するが,それとは反対方向の液流を許容する逆止弁を設け,この逆止弁の弁体で前記押圧部材を構成したので,通常ブレーキ時,万一,サクション弁にマスタシリンダの出力圧力のリークが生じても,そのリークは逆止弁によって阻止され,リザーバに吸収されるような損失は生じない。したがって,常に良好なブレーキ操作フィーリングを操縦者に与えることができる。しかも液圧ポンプがリザーバから貯留液圧を吸入するとき,逆止弁は開弁してその吸入を妨げない。また逆止弁の弁体が前記押圧部材を兼用することになるから,逆止弁の設置による構造の複雑化を抑えることができる。
本発明の第3の特徴によれば,前記弁座部材に,前記逆止弁の弁座を形成したので,単一の弁座部材を逆止弁及びサクション弁に共通に用いることになり,部品点数の削減を図り,構造の簡素化を図ることができる。
本発明の実施形態に係る自動車用ブレーキ装置の液圧回路図。 上記液圧回路中のリザーバ,逆止弁及びサクション弁周りの構造図。 図2中の逆止弁の開弁作用説明図。 図2中の逆止弁及びサクション弁の開弁作用説明図。
本発明の実施の形態を,添付図面に基づいて以下に説明する。
先ず,図1において,マスタシリンダMは,ブレーキペダルPからピストンに加えられる入力応じてブレーキ液圧を出力する前後一対の第1,第2出力ポート1a,1bを備えるタンデム型に構成されており,これら第1,第2出力ポート1a,1bに個別に接続された第1,第2入力通路2a,2bと,左前輪用車輪ブレーキBa,右後輪用車輪ブレーキBb,右前輪用車輪ブレーキBc及び左後輪用車輪ブレーキBdに個別にされた第1〜第4出力通路12a〜12dとの間にモジュレータ3が介裝される。
モジュレータ3はブレーキ制御弁手段4を備える。ブレーキ制御弁手段4は,左前輪用車輪ブレーキBa,右後輪用車輪ブレーキBb,右前輪用車輪ブレーキBc及び左後輪用車輪ブレーキBdにそれぞれ個別に対応した第1〜第4入口弁5a〜5dと,前記各車輪ブレーキBa〜Bdにそれぞれ個別に対応した第1〜第4出口弁6a〜6dとからなっており,各入口弁5a〜5dは常開型電磁弁で構成され,また各出口弁6a〜6dは常閉型電磁弁で構成される。そして,第1,第2入口弁5a,5bの入口に第1入力通路2aが,第3,第4入口弁5c,5dの入口に第2入力通路2bがそれぞれ接続される。
第1入口弁5aの出口及び第1出口弁6aの入口に第1出力通路12aが,第2入口弁5bの出口及び第2出口弁6bの入口に第2出力通路12bが,第3入口5cの出口及び第3出口弁6cの入口に第3出力通路12cが,第4入口弁5dの出口及び第4出口弁6dの入口に第4出力通路12dがそれぞれ接続される。
共通の電動モータ17で駆動される第1及び第2液圧ポンプ8a,8bが設けられる。第1及び第2出口弁6a,6bの出口は第1減圧通路7aを介して第1液圧ポンプ8aの吸入ポート41に接続され,第3,第4出口弁6c,6dの出口は第2減圧通路7bを介して第2液圧ポンプ8bの吸入ポート41に接続され,第1及び第2減圧通路7a,7bにはリザーバ9,9がそれぞれ接続される。
第1減圧通路7aには,第1入力通路2aから分岐した第1サクション通路15aが接続され,この第1サクション通路15aに,第1液圧ポンプ8aの作動時開弁する常閉型のサクション弁16が設けられる。また第1減圧通路7aには,第1サクション通路15aの接続点より上流側で逆止弁18が介装される。
また第2減圧通路7bには,第2入力通路2bから分岐した第2サクション通路15bが接続され,この第2サクション通路15bにも第2液圧ポンプ8bの作動時に開弁する常閉型のサクション弁16が設けられる。また第2減圧通路7bにも,第2サクション通路15bの接続点より上流側で逆止弁18が介装される。
第1液圧ポンプ8aの吐出ポート62は,第1還流通路11aを介して第1入力通路2aに接続され,第2液圧ポンプ8bの吐出ポート62は,第2還流通路11bを介して第2入力通路2bに接続される。また第1及び第2還流通路11a,11bには,対応する液圧ポンプ8a,8bの吐出圧の脈動を減衰するオリフィス10及びダンパ13が接続される。
第1,第2入力通路2a,2bには,これに対する第1,第2還流通路11a,11bの接続点より上流側で常開型のレギュレータ弁14,14がそれぞれが介装される。
第1入力通路2a又は第2入力通路2bに,マスタシリンダMの出力液圧を検知して,それに応じた信号を出力する液圧センサ21(マスタシリンダ作動状態検知手段)が接続され,その信号は電子制御ユニット20に入力されるようになっている。この電子制御ユニット20は,液圧センサ21の他に,各車輪の回転速度を検知する車輪速センサ22や,操向ハンドルの舵角を検知する舵角センサ23,車両のヨーレートを検知するヨーレートセンサ24等からの検知信号を入力され,それら信号を演算して,ブレーキ制御弁手段4,4の各部を制御するようになっている。
次に,図2及び図3を参照して,前記リザーバ9,逆止弁18及びサクション弁16について具体的に説明する。
モジュレータ3のボディ3aには,その下端面に開口するリザーバシリンダ孔30が設けられる。前記リザーバ9は,上記リザーバシリンダ孔30と,このリザーバシリンダ孔30にシール部材31を介して摺動自在に嵌装されて,その内部を下方のばね室33及び,上方の貯液室34に仕切るリザーバピストン32と,ばね室33に収容されてリザーバピストン32を貯液室34側に弾発付勢するリザーバばね35とを備える。貯液室34には前記減圧通路7a,7bが接続され,ばね室33には,これに大気を導入するブリーザ孔36が接続される。
リザーバシリンダ孔30の下方開口端には蓋板37が嵌合してかしめ固定され,この蓋板37に支承されるばね座部材38とリザーバピストン32との間に前記リザーバばね35が所定のセット荷重をもって縮設される。リザーバピストン32は,その中心部から下方に延びてばね座部材38に摺動自在に嵌合するロッド32aを有しており,このロッド32a及びばね座部材38には,互いに係合してリザーバばね35の伸長限界を規制する伸長規制鉤39,40が設けられる。
またリザーバシリンダ孔30の内周面には,蓋板37に隣接して環状溝41が形成され,この環状溝41には,リザーバピストン32の下降限(換言すればリザーバばね35の収縮限界)を規制するストッパリング42が係止される。リザーバピストン32は,リザーバばね35の上記伸縮限界の間を移動する,貯液及び排液のための通常ストロークL1の他に,リザーバばね35の伸長限界からリザーバシリンダ孔30の天井面30aに当接するまで移動する余裕ストロークL2が付与され,リザーバピストン32と天井面30aとの間には,リザーバばね35のセット荷重より小さいセット荷重をもってリザーバピストン32を下方,即ちばね室33側へ付勢する戻しばね43が縮設される。
またモジュレータ3のボディ3aには,リザーバシリンダ孔30と平行に延びてリザーバシリンダ孔30の天井面30aに開口する弁取り付け孔44が設けられ,この弁取り付け孔44には,その上端面に開口するようにサクション通路15a,15bが接続される。また弁取り付け孔44には,単一の円筒状弁座部材45がリザーバシリンダ孔30側から圧入して固定される。
さらにモジュレータ3のボディ3aには,弁取り付け孔44に隣接して液圧ポンプ8a,8bが配設されており,この液圧ポンプ8a,8bの吸入ポートに連なる吸入室46が上記弁座部材45に設けられる。また弁座部材45には,上記吸入室46を上下から挟むように同軸状に並ぶ下方の第1弁座47と上方の第2弁座48とが設けられる。第1及び第2弁座47,48は,何れも大径部を上方に向けた円錐状をなしており,第1弁座47から下方に延びて弁座部材45の下端面に開口する第1通孔49と,第2弁座48から上方に延びて弁座部材45の上端面に開口する第2通孔50とが弁座部材45に設けられる。そして第1弁座47を備える逆止弁18と,第2弁座48を備えるサクション弁16とが弁座部材45に配設される。
即ち,逆止弁18は,第1弁座47と,この第1弁座47に着座し得るポペット型の第1弁体51とで構成される。その第1弁体51は,第1通孔49を貫通する弁杆51aを有しており,この弁杆51aは,前記通常ストロークL1の上限位置を占めるリザーバピストン32の上端面に対向する。この弁杆51aの外周面には,第1通孔49での液流を許容する複数の縦溝52が設けられる。これにより,第1通孔49は,弁杆51aの上下摺動を案内するガイド孔を兼ねることになる。而して,逆止弁18は,貯液室34側から吸入室46側への液流を許容するが,それとは反対に吸入室46側から貯液室34側への液流を阻止するようになっている。尚,第2弁体55には,それを積極的に閉弁方向に付勢する閉じばねを接続することもできる。
サクション弁16は,第2弁座48と,この第2弁座48に着座し得るポペット型の第2弁体55と,この第2弁体55を閉弁方向に付勢する弁ばね56と,弁座部材45の上端部に圧入固定されて弁ばね56を保持するリテーナ57とで構成される。第2弁体55は,その下方に延びる下部弁杆55aと,上方に延びる上部弁杆55bとを有しており,下部弁杆55aは,その第2弁体55が閉弁位置にあるとき,閉弁状態の第1弁体51の上端面に一定の間隙Sを置いて対向する。
上部弁杆55bは,第2弁体55のシール径と同径に形成されており,この上部弁杆55bがOリング58を介して摺動自在に嵌合する,上端を閉じたシリンダ部57aが前記リテーナ57に設けられる。またシリンダ部57aの下端には環状の肩部57bが一体に連設されており,その肩部57bが前記弁座部材45に上端部に圧入して固定される。
前記シリンダ部57aの内部は,第2弁体55の中心部を貫通する連通孔59を介して吸入室46に連通する圧入キャンセル室60とされ,この圧力キャンセル室60に前記弁ばね56が収容される。
リテーナ57と弁取り付け孔44との間には,サクション通路15a,15bに連なる筒状通路61が画成され,この筒状通路61を前記第2通孔50に連通する複数の透孔62が肩部57bに穿設される。またサクション通路15a,15bの,筒状通路61への開口部には,サクション通路15a,15bを流下するブレーキ液を濾過するフィルタ63が装着される。
次に,この実施形態の作用について説明する。
[通常ブレーキ]
各車輪がロックを生じる可能性のない通常ブレーキ時には,各入口弁5a〜5dが消磁状態にあって開弁しており,また各出口弁6a〜6dも消磁状態にあって閉弁している。いま,ブレーキペダルPを踏み込んでマスタシリンダMを作動すると,第1出力ポート1aからの出力液圧は,第1入力通路2a,レギュレータ弁14,第1,第2入口弁5a,5b 及び第1,第2出力通路12a,12bを経て左前輪用車輪ブレーキBa及び右後輪用車輪ブレーキBbに供給され,それらを作動する。また第2出力ポート1bからの出力液圧は,第2入力通路2b,レギュレータ弁14,第3,第4入口弁5c,5d及び第3,第4出力通路12c,12dを経て右前輪用車輪ブレーキBc及び左後輪用車輪ブレーキBdに供給され,それらを作動する。
このような通常ブレーキ時,マスタシリンダMの出力液圧は,サクション通路15a,15bにも作用するが,サクション通路15a,15bは,図2に示すように,サクション弁16の閉弁により遮断されているので,マスタシリンダMの出力液圧がリザーバ9に吸収されるような損失は生じない。また万一,Oリング58の損傷や,第2弁体55の閉弁不良によりサクション弁16に上記出力液圧のリークが生じても,逆止弁18によって阻止され,この場合もサクション弁16からリークした出力液圧がリザーバ9に吸収されるような損失は生じない。したがって,常に良好なブレーキ操作フィーリングを操縦者に与えることができる。
[アンチロック制御]
上記ブレーキ時,車輪がロック状態に入りそうになると,電子制御ユニット20の作動により,第1〜第4入口弁5a〜5dのうちロック状態になろうとした車輪に対応する入口弁を励磁して閉弁すると共に,第1〜第4出口弁6a〜6dのうち上記車輪に対応する出口弁を励磁して開弁する。すると,上記車輪に対応する車輪ブレーキの余剰ブレーキ液圧が対応する開弁した出口弁6a〜6d及びそれの対応する減圧通路7a,7bを通して対応するリザーバ9に吸収されて,その車輪ブレーキの液圧が減圧されることになる。即ち,図2において,上記余剰ブレーキ液圧は,減圧通路7a,7bから貯液室34に導入され,その導入量の増加に応じてリザーバピストン32が,リザーバばね35を圧縮しながら下降していく。
車輪ブレーキの液圧を一定に保持する場合には,その車輪ブレーキに対応する入口弁5a〜5dを励磁して閉弁すると共に,出口弁6a〜6dを消磁して閉弁状態にすればよく,ブレーキ液圧を増圧する際には,入口弁5a〜5dを消磁して開弁すると共に,出口弁6a〜6dを消磁して閉弁した状態にすればよい。このように制御することにより車輪をロックさせることなく,効率良く制動することができる。
このようなアンチロック制御中,電子制御ユニット20は電動モータ17を作動して第1,第2液圧ポンプ8a,8bを駆動する。而して,図2において,液圧ポンプ8a,8bが作動すると,吸入室46が減圧されるので,吸入室46及び貯液室34間の圧力差(貯液室34の圧力は吸入室46より高い)により逆止弁18の第1弁体51が,サクション弁16の第2弁体55との間の間隙Sの範囲で上昇して開弁し,貯液室34のブレーキ液は,第1通孔49及び吸入室46を通して液圧ポンプ8a,8bに吸入され,そして液圧ポンプ8a,8bから第1,第2還流通路11a,11b(図1参照)に吐出される。各還流油路11a,11bに吐出されたブレーキ液は,還流油路11a,11bの下流側へ,そしてレギュレータ弁14,14を介して第1,第2入力通路2a,2bへと還流する。この還流によって,リザーバ9,9のブレーキ液の吸収によるブレーキペダルPの踏み込み量の増加が抑制される。
その間,液圧ポンプ8a,8bの吐出圧力脈動は,ダンパ13及びオリフィス10によって減衰される。
[自動ブレーキ制御1(ブレーキアシスト)]
ブレーキペダルPの踏み込みによるマスタシリンダMの作動時,液圧センサ21がマスタシリンダ出力液圧を検知して,それに応じた信号を電子制御ユニット20に出力すると,電子制御ユニット20では,その信号からマスタシリンダMの出力昇圧速度を演算し,その昇圧速度が規定の閾値を超えたとき,急ブレーキ操作時と判定して,電動モータ17を作動して,第1,第2液圧ポンプ8a,8bを駆動すると共に,レギュレータ弁14を励磁して閉弁する。
第1,第2液圧ポンプ8a,8bの作動によれば,図3に示すように,吸入室46の減圧により吸入室46及び貯液室34間に圧力差が発生し,その圧力差により逆止弁18の第1弁体51が開弁し,貯液室34も減圧される。その結果,図4に示すように,減圧した貯液室34と,大気圧のばね室33との間の圧力差によりリザーバピストン32は,戻しばね43のセット荷重に抗してばね座部材38を伴なって余裕ストロークL2分,上昇する。その間,リザーバピストン32は,余裕ストロークL2の前半で第1弁体51を強制的に開弁し,その後半で,開弁状態の第1弁体51を介してサクション弁16の第2弁体55を弁ばね56のセット荷重に抗して押し上げ,開弁する。第2弁体55が開弁すると,マスタシリンダMの出力液圧がサクション通路15a,15bを通して吸入室46に作用するため,吸入室46及び貯液室34の減圧が解消し,その結果,リザーバピストン32は下降し,逆止弁18及びサクション弁16は,共に閉弁状態に戻る。すると,液圧ポンプ8a,8bの継続した作動により,再びリザーバピストン32が余裕ストロークL2分,上昇して逆止弁18を介してサクション弁16を開弁する。
液圧ポンプ8a,8bの作動中,このようなサクション弁16の開閉の繰り返しにより,第1,第2入力通路2a,2b中のマスタシリンダMの出力液圧の一部は,サクション通路15a,15b,筒状通路61,透孔62,第2通孔50,第2弁座48,吸入室46を順次経て液圧ポンプ8a,8bにより吸入され,マスタシリンダMの出力液圧以上に昇圧されて,還流通路11a,11bへと吐出され,そして開弁状態の入口弁4a〜4dを経て各車輪ブレーキBa〜Bdに供給されるので,それらを強力に作動できて,急ブレーキ操作に対応することができる。
[自動ブレーキ制御2(トラクション制御)]
例えば自動車の発進時,駆動輪たる前輪が空転しそうになると,電子制御ユニット20は,各車輪の車輪速センサ22から送られてくる信号から前輪及び後輪の回転差を演算し,その回転差が規定の閾値を超えると空転状態と判定して,レギュレータ弁14,第2入口弁5b及び第4入口弁5dを励磁して閉弁すると共に,電動モータ17を作動して第1,第2液圧ポンプ8a,8bを駆動する。これら第1,第2液圧ポンプ8a,8bの作動によれば,前記自動ブレーキ制御1(ブレーキアシスト)の場合と同様の作用によりサクション弁16が開弁することにより(但し,この場合はマスタシリンダMは作動されていないから,マスタシリンダMの出力液圧によるサクション弁16の閉弁は生じない。),マスタシリンダMの作動液は,第1,第2出力ポート1a,1bからサクション通路15a,15b及びサクション弁16を通して液圧ポンプ8a,8bに吸入,昇圧されて,第1,第2還流通路11a,11b,第1,第3入口弁5a,5cを通して左右の前輪用車輪ブレーキBa,Bcに供給すると共に,その供給液圧をレギュレータ弁14により調整することで,左右の前輪用車輪ブレーキBa,Bcを適正に作動して,前輪の空転を効率良く防ぐことができる。
[自動ブレーキ制御3(車両の走行姿勢制御)]
車両が,例えば左旋回中,舵角センサ23及びヨーレートセンサ24の出力信号が互いに対応せず,それらの信号から電子制御ユニット20が,車両が例えば過剰に左旋回しそうとしていると判定すると,電子制御ユニット20は,その向きを修正すべく,電動モータ17を作動して,第1,第2液圧ポンプ8a,8bを駆動すると共に,レギュレータ弁14,第1入口弁5a及び第4入口弁5dを励磁して閉弁する。その結果,第1,第2液圧ポンプ8a,8bがマスタシリンダMの作動液を第1,第2出力ポート1a,1b から第1サクション通路15a,及び前述のように開弁するサクション弁16を通して吸入,昇圧し,そして還流通路11a,11b,第2,第3入口弁5b,5cを通して右前輪用車輪ブレーキBc及び右後輪用車輪ブレーキBbのみに供給すると共に,その供給液圧をレギュレータ弁14により調整するので,右前輪用車輪ブレーキBc及び右後輪用車輪ブレーキBbのみが適正に作動して,車両の走行姿勢を舵角に対応させるよう,右側に修正することになる。
また車両の向きを左側に修正するには,上記とは反対に第2入口弁5b及び第3入口弁5cを励磁して閉弁して,第1,第2液圧ポンプ8a,8bの吐出液圧を第1,第4入口弁5a,5dを通して左前輪用車輪ブレーキBa及び左後輪用車輪ブレーキBdのみに供給して,それらを作動する。
ところで,本発明の車両用ブレーキ液圧制御装置では,単一の弁座部材45に,液圧ポンプ8a,8bの吸入側に連なる吸入室46と,この吸入室46を挟んで同軸状に並ぶ第1及び第2弁座47,48とを設け,その第1弁座47を介して第1通孔49を吸入室46に連通し,また第2弁座48を介してサクション通路15a,15bを吸入室46に連通し,逆止弁18を,第1弁座47と,この第1弁座47に着座し得る第1弁体51とで構成し,サクション弁16を,第2弁座48と,この第2弁座48に着座し得る第2弁体55と,この第2弁体55を,第2弁座48との着座方向に付勢する弁ばね56とで構成し,第1及び第2弁体51,55を,第2弁体55の閉弁時,第1弁体51の単独の開閉動作を可能する間隙Sを置いて相互に対向配置し,リザーバピストン32が余裕ストロークL2を移動するときは,その前半ストロークで第1弁体51を開弁し,その後半ストロークで開弁状態の第1弁体51を介して第2弁体55を開弁するようにしたので,単一の弁座部材45を逆止弁18及びサクション弁16に共通に用いることになり,部品点数の削減を図り,その上,サクション弁16の開弁に,リザーバピストン32及び逆止弁18を有効に利用することで,構造の簡素化及びコンパクト化を図ることができる。
またモジュレータ3のボディ3aに設けられる弁取り付け孔44に,弁座部材45を嵌合,固定すると共に,この弁座部材45の一端部に連結されて弁ばね56を収容,保持するハット状のリテーナ57を収容し,このリテーナ57及び弁取り付け孔44間に,サクション通路15a,15bが接続される筒状通路61を画成する一方,この筒状通路61を弁座部材45の第2通孔50に連通する透孔62をリテーナ57に穿設したので,サクション通路15a,15bを筒状通路61の何処に接続しても,サクション通路15a,15bを弁座部材45内に連通することができ,サクション通路15a,15bのレイアウトの自由度を広げることができ,これによりモジュレータ3のボディ3aのコンパクト化を図ることができる。
また吸入室46を貯液室34に連通する第1通孔49に,第1弁体51の弁杆51aを摺動自在に嵌挿し,この弁杆51aの外周面には,第1通孔49での液流を許容する複数の縦溝52を設けたので,第1通孔49は,弁杆51aの上下摺動を案内するガイド孔を兼ねることで,構造の簡素化と共に,モジュレータ3のボディ3aのコンパクト化を一層図ることができる。
本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,第1弁体51の弁杆51a外周の縦溝52に代えて,第1通孔49の内周面に縦溝を形成することもできる。また本発明は後輪駆動車にも適用することができる。また本発明では,前記ダンパ13,前記一方向弁19及び前記オリフィス10を省略することもできる。また本発明は,前記自動ブレーキ制御1(ブレーキアシスト),前記自動ブレーキ制御2(トラクション制御)及び前記自動ブレーキ制御3(車両の走行姿勢制御)のうちの少なくとも一つの制御を実行する車両用ブレーキ液圧制御装置であれば適用可能である。
Ba〜Bd・・・車輪ブレーキ
M・・・・マスタシリンダ
8a,8b・・・液圧ポンプ
9・・・・リザーバ
15a,15b・・・サクション通路
18・・・逆止弁
32・・・開弁駆動手段(リザーバピストン)
34・・・貯液室
44・・・弁取り付け孔
45・・・弁座部材
46・・・吸入室
47・・・逆止弁の弁座(第1弁座)
48・・・サクション弁の弁座(第2弁座)
49・・・通孔(第1通孔)
51・・・逆止弁の弁体(第1弁体)
55・・・サクション弁の弁体(第2弁体)
56・・・弁ばね
57・・・リテーナ
61・・・筒状通路
62・・・透孔

Claims (3)

  1. 車輪ブレーキ(Ba〜Bd)の余剰ブレーキ液圧を吸収するリザーバ(9)と,このリザーバ(9)が吸収したブレーキ液を吸入してマスタシリンダ(M)に戻す他,マスタシリンダ(M)の出力液圧をサクション通路(15a,15b)を介して吸入して車輪ブレーキ(Ba〜Bd)に供給し得る液圧ポンプ(8a,8b)と,前記サクション通路(15a,15b)に設けられる常閉型のサクション弁(16)と,前記液圧ポンプ(8a,8b)の吸入圧力により作動して前記サクション弁(16)を開弁する開弁駆動手段(32)とを備える,車両用ブレーキ液圧制御装置において,
    前記液圧ポンプ(8a,8b)を収容するモジュレータ(3)のボディ(3a)に設けられる弁取り付け孔(44)に弁座部材(45)を取り付け,この弁座部材(45)に,前記液圧ポンプ(8a,8b)の吸入ポートに連なる吸入室(46)と,この吸入室(46)に開口する弁座(48)とを形成し,前記サクション弁(16)を,前記弁座(48)と,この弁座(48)に着座し得る弁体(55)と,この弁体(55)を前記弁座(48)との着座方向に付勢する弁ばね(56)と,前記弁座部材(45)に固着されて前記弁ばね(56)を保持するリテーナ(57)とで構成し,このリテーナ(57)及び前記弁取り付け孔(44)間に,前記サクション通路(15a,15b)が接続される筒状通路(61)を画成し,この筒状通路(61)を前記弁座部材(45)内に連通する透孔(62)を前記リテーナ(57)に穿設し,前記吸入室(46)を前記リザーバ(9)の貯液室(34)に連通する通孔(49)に,開弁駆動手段(32)の作動時,前記弁体(55)を開弁方向に押圧する押圧部材(51)を配設したことを特徴とする,車両用ブレーキ液圧制御装置。
  2. 請求項1記載の車両用ブレーキ液圧制御装置において,
    前記通孔(49)に,前記吸入室(46)側から前記貯液室(34)側への液流を阻止するが,それとは反対方向の液流を許容する逆止弁(18)を設け,この逆止弁(18)の弁体(51)で前記押圧部材を構成したことを特徴とする,車両用ブレーキ液圧制御装置。
  3. 請求項2記載の車両用ブレーキ液圧制御装置において,
    前記弁座部材(45)に,前記逆止弁(18)の弁座(47)を形成したことを特徴とする,車両用ブレーキ液圧制御装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017087060A (ja) * 2017-02-27 2017-05-25 株式会社三洋物産 遊技機

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