JP2010221304A - 円盤状基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】キャリア30に対してキャリアアダプタ50を装着することにより、キャリア30の表面がキャリアアダプタ50により覆われる。その後、キャリアアダプタ50の孔部54を介して(通じて)キャリア30の孔部34にワークをセットする。そしてワークのセットが完了後、リング部59bを引っ張り上げることでキャリアアダプタ50を取り外す。その後は、上定盤をワークに接触するまで移動させ、ラッピングマシンを稼働させる。
【選択図】図7
Description
ところでこの研削工程については種々の改良が提案されており、公報記載の従来技術として、例えば、キャリアプレートに設けられた収納孔の内壁部に環状の溝を設け、この溝に軟質の樹脂を充填する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、例えば、キャリアのワーク保持穴の内周面全周にガラス基板の材質よりも軟質の樹脂材等よりなるリング状の緩衝部材を嵌め込み、この緩衝部材に囲まれた空間内にワークを位置させる技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、円盤状基板のセットに際して生じる傷などの低減を図ることを目的とする。
図1−1(a)〜(d)、図1−2(e)〜(h)は、本実施の形態が適用される円盤状基板(ディスク基板)の製造工程を示した図である。
図1−1(a)は1次ラップ工程を示している。この工程でまず、ラッピングマシン40により1回目のラッピングを行い、円盤状基板の原材料であるワーク10の表面11を平滑に研削する。なおラッピングマシン40は、ワーク10が載置される下定盤21aと、ワーク10を上部から押えつけワーク10に対しラッピングを行うための圧力を加える上定盤21bとを備えている。
なお、本実施の形態におけるラッピングは、研削剤を用いて行うことができる。研削剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミナやダイヤモンドからなる研削剤をスラリー化して使用することができる。また、上定盤21bや下定盤21aに、これらの研削剤が分散して含まれた砥石を設けてもよい。
図1−1(b)は内外周研削工程を示している。この工程では、ワーク10の開孔12の内周面、およびワーク10の外周13の外周面の荒削りである研削を行う。また本実施の形態では、内周面と外周面の研削を同時に行う。具体的には、ワーク10の中心に設けられた開孔12を内周砥石22によって研削し、ワーク10の外周13を外周砥石23によって研削する。このとき、内周砥石22と外周砥石23とでワーク10を挟み込んで同時加工する。これによりワーク10の内径と外径の同心度を確保し易くなる。
図1−1(c)は内周研磨工程を示している。この工程では、図1−1(b)に示した内外周研削工程にて研削を行ったワーク10の内周面を更に平滑にする研磨を行う。
具体的には、まずワーク10を積層し、図示しないホルダにセットする。そして、このホルダにセットされたワーク10の開孔12にブラシ24を挿入する。そして研磨液をワーク10の開孔12に流し込みながら、ブラシ24を高速で回転させる。これによりワーク10の内周面がブラシ24により研磨される。本実施形態では、このようにブラシ24を使用しているので、ワーク10の内周面の研磨が可能となると共に、上記内外周研削工程において面取りされた部分の研磨も可能となる。なお研磨液としては、例えば酸化セリウム砥粒を水に分散してスラリー化したものを用いることができる。
図1−1(d)は2次ラップ工程を示している。この工程では、図1−1(a)に示した1次ラップ工程においてラッピングを行ったワーク10の表面11に対し再度ラッピングを行うことにより更に平滑に研削する。より具体的には、ワーク10が載置される下定盤21aと、ワーク10を上部から押えつけワーク10に対しラッピングを行うための圧力を加える上定盤21bと、を有したラッピングマシン40により、ワーク10の表面11に対し再度ラッピングを行う。
図1−2(e)は外周研磨工程を示している。この工程では、図1−1(b)に示した内外周研削工程において研削を行ったワーク10の外周面を更に平滑にする研磨を行う。
具体的には、まずワーク10の開孔12の部分に治具25を通してワーク10を積層させ、ワーク10を治具25にセットする。そして研磨液をワーク10の外周13の箇所に流し込みながら、積層したワーク10にブラシ26を接触させ、高速で回転させる。これにより、ワーク10の外周面を研磨することができる。
この際、研磨するのにブラシ26を使用しているので、ワーク10の外周面の研磨が可能となると共に、上記内外周研削工程において面取りされた部分の研磨も可能となる。なお研磨液としては、内周研磨工程の場合と同様に、例えば酸化セリウム砥粒を水に分散してスラリー化したものを用いることができる。
図1−2(f)は、1次ポリッシュ工程を示している。この工程では、図1−1(d)に示した2次ラップ工程においてラッピングを行ったワーク10の表面11を、ポリッシングマシン60を用い、ポリッシングを行うことで更に研磨し平滑度を上げていく。このポリッシングマシン60は、上述したラッピングマシン40とほぼ同様な構成を有するが、下記に示すように研磨に使用する材料等が一部異なる。
この1次ポリッシュ工程では、例えばウレタンにより形成された硬質研磨布を用いる。また、この1次ポリッシュ工程では、酸化セリウム砥粒を水に分散してスラリー化したものを研磨材として用いることができる。
図1−2(g)は、2次ポリッシュ工程を示している。この工程では、図1−2(f)に示した1次ポリッシュ工程においてポリッシングを行ったワーク10の表面11を、ポリッシングマシン60を用い、精密ポリッシングを行うことで更に研磨し表面11の最終的な仕上げを行う。
この2次ポリッシュ工程では、例えばスエード状の軟質研磨布を用いる。また、この2次ポリッシュ工程では、酸化セリウム砥粒若しくはコロイダルシリカを水等の溶媒に分散してスラリー化したものを研磨材として用いることができる。
図1−2(h)は、最終洗浄・検査工程を示している。最終洗浄では、上述した一連の工程において使用した研磨剤等の除去を行う。洗浄には超音波を併用した洗剤(薬品)による化学的洗浄などの方法を用いることができる。
また、検査工程においては、例えばレーザを用いた光学式検査器により、ワーク10の表面の傷やひずみの有無等の検査が行われる。
ここで図3は、ポリッシングマシン60の構造を示した図である。
同図に示すようにポリッシングマシン60は、ワーク10が載置される下定盤(研削定盤、下研磨定盤)21aと、ワーク10を上部から押えつけワーク10に対し圧力を加える上定盤(研削定盤)21bと、を備える。
キャリア30は、図3に示すポリッシングマシン60では5個設置されている。このキャリア30の外周部には歯部32が設けられ、キャリア30は、この歯部32を介して下定盤21aの歯部42および太陽歯車44の双方に噛合している。また下定盤21aおよび上定盤21bの中心部には、これらを回転させるための回転軸46a,46bがそれぞれ設けられている。
図4は、キャリア30を拡大して示した図である。同図に示すキャリア30には、上記の通り、外周部に歯部32が設けられている。また、キャリア30には、ラッピングを行う際にワーク10が内部に載置(セット)される円形形状の孔部(開口)34が複数開けられている。この孔部34の直径は、ワーク10の直径よりわずかに大きくなっている。このような形態とすることで、ラッピングを行う際に、ワーク10の外周端の一部に余分な応力がかかるのを抑制することができる。
キャリア30の材料としては、特に限定されないが、例えば、アラミド繊維やガラス繊維を混入することで強化されたエポキシ樹脂を使用することができる。
この際のポリッシングマシン60の動作を図3を参照して説明する。ポリッシングマシン60が稼働する際には、図の上方の回転軸46bを一方向に回転させ、上定盤21bを、同様な一方向に回転させる。また、図の下方の回転軸46aを、回転軸46bの回転とは逆方向に回転させ、下定盤21aを回転軸46aと同様な方向に回転させる。これにより下定盤21aの歯部42も回転軸46aと同様な方向に回転する。また中央部の太陽歯車44も、回転軸46aと同様な方向に回転する。
ここで図5(ワーク10をセットする際の状態図)を用いて詳細に説明すると、同図(A)に示すように、ワーク10をキャリア30の孔部34にセットする際、ワーク10の外周部がキャリア30の表面に接触し、キャリア30の表面やワーク10の外周部等に傷などが発生するおそれがある。また、同図(B)に示すように、ワーク10をキャリア30の表面に沿ってスライドさせてセットする場合にも、キャリア30の表面、ワーク10の表面に傷などが付くおそれがある。
このため、本実施形態における2次ポリッシュ工程では、ワーク10のセットを開始する前に、キャリア30の表面を被覆するシート状のキャリアアダプタ(被覆部材の一例)を、キャリア30の上に置くこととしている。
同図に示すキャリアアダプタ50は、キャリア30とほぼ同形状にて、円盤状に形成されている。また、キャリアアダプタ50は、複数の孔部(開口)54を備えている。ここで、この複数の孔部54は、キャリア30に設けられた孔部34(図4参照)の配置関係と同じ配置関係を有している。即ち、キャリアアダプタ50では、キャリア30の孔部34に対応して孔部54が設けられている。
一方、上記では説明を省略したが、図4に示すように、キャリア30の表面且つ外周部近傍には、キャリア30の本体部とは異なる色を有した三角形のマーク38が付されている。このマーク38は、キャリアアダプタ50における第2孔部58よりもひとまわり小さく形成されている。
なお、本実施形態では、第2孔部58は、キャリアアダプタ50の外周部側に設けられ、また、マーク38もキャリア30の外周部側に設けられている。このように第2孔部58およびマーク38を外周部側に設けた場合、中心部側に設ける場合に比べ、キャリア30とキャリアアダプタ50との位置決めをより簡易に行うことができる。なお、第2孔部58およびマーク38は、キャリア30とキャリアアダプタ50との位置決めを行う際の指標となる指標部として捉えることができる。
また、本実施形態では、キャリア30の被覆を複数の孔部54が設けられた1枚のキャリアアダプタ50により行ったが、例えば複数枚のシート状部材を、孔部34に重ならないように置くことでキャリア30の被覆を行ってもよい。
Claims (6)
- 上下一対の研削定盤の下研磨定盤にキャリアを載置し当該キャリアの開口に円盤状基板をセットして当該円盤状基板の表裏面を当該一対の研削定盤にて研削するようになした円盤状基板の製造方法であって、
前記キャリア上に、当該キャリアの前記開口に対応して開口が形成され当該キャリアに比べて柔軟性の高いキャリアアダプタを置き、当該キャリアアダプタの開口を介して前記円盤状基板を当該キャリアの開口にセットするようにしたことを特徴とする円盤状基板の製造方法。 - 前記キャリアアダプタは、当該キャリアアダプタの前記開口と前記キャリアの前記開口とが重なるように位置決めされ当該キャリア上に置かれることを特徴とする請求項1記載の円盤状基板の製造方法。
- 前記キャリアアダプタおよび前記キャリアは、前記位置決めの際の指標となる指標部を有していることを特徴とする請求項2記載の円盤状基板の製造方法。
- 前記キャリアの前記指標部は、円盤状に形成された当該キャリアの外周部側に設けられ、
前記キャリアアダプタの前記指標部は、円盤状に形成された当該キャリアアダプタの外周部側に設けられていることを特徴とする請求項3記載の円盤状基板の製造方法。 - 上下一対の研削定盤の下研磨定盤にキャリアを載置し当該キャリアの開口に円盤状基板をセットして当該円盤状基板の表裏面を当該一対の研削定盤にて研削するようになした円盤状基板の製造方法であって、
前記キャリアの表面を当該キャリアに対して着脱可能な被覆部材で被覆した後、当該キャリアの前記開口に前記円盤状基板をセットするようにしたことを特徴とする円盤状基板の製造方法。 - 前記被覆部材には、ユーザによって当該被覆部材が前記キャリアから取り外される際に当該ユーザの指が挿入可能なリング状部材が取り付けられていることを特徴とする請求項5記載の円盤状基板の製造方法。
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