JP2012024899A - 円盤状基板の製造方法、研磨装置およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】研磨装置により円盤状基板の研磨を行う際に、研磨時間を抑制しつつ、特にエッジロールオフ(端ダレ)を抑え、円盤状基板をより均等に研磨することができる円盤状基板の製造方法等を提供する。
【解決手段】ガラス基板の主表面を研削する研削工程と、研削工程を経たガラス基板を研磨する研磨工程と、を有し、研磨工程は、ガラス基板の主表面に対する研磨の圧力を最大圧力まで単調増加させた後にこの最大圧力に留めることなく徐々に低下させると共に、研磨開始から研磨の圧力が最大圧力に達するまでの時間を研磨の圧力が最大圧力に達してから研磨終了までの時間より短くなるように設定することを特徴とする円盤状基板の製造方法。
【選択図】図5
【解決手段】ガラス基板の主表面を研削する研削工程と、研削工程を経たガラス基板を研磨する研磨工程と、を有し、研磨工程は、ガラス基板の主表面に対する研磨の圧力を最大圧力まで単調増加させた後にこの最大圧力に留めることなく徐々に低下させると共に、研磨開始から研磨の圧力が最大圧力に達するまでの時間を研磨の圧力が最大圧力に達してから研磨終了までの時間より短くなるように設定することを特徴とする円盤状基板の製造方法。
【選択図】図5
Description
本発明は、例えば磁気記録媒体用ガラス基板などの円盤状基板の製造方法等に関する。
近年、記録メディアとしての需要の高まりを受け、磁気ディスク等の情報記録媒体の製造が活発化している。ここで磁気ディスク用の基板として用いられる円盤状基板としては、アルミ基板とガラス基板とが広く用いられている。このアルミ基板は加工性も高く安価である点に特長があり、一方のガラス基板は強度、表面の平滑性、平坦性に優れている点に特長がある。特に最近ではディスク基板の小型化と高密度化の要求が著しく高くなり、基板の表面の粗さが小さく高密度化を図ることが可能なガラス基板の注目度が高まっている。
特許文献1には、情報記録媒体用ガラス基板は、ガラス基板材料の主表面を粗研磨するラッピング工程と、そのラッピング工程で形成された微細なクラックを取り除くためのポリッシング工程と、ポリッシング工程で取り除くことができなかった微細なクラックを取り除いて仕上げるためのファイナル工程とを経て製造され、ラッピング工程における主表面に対する粗研磨の圧力は、その前期に比べて後期で例えば段階的に低圧となるように設定される情報記録媒体用ガラス基板の製造方法が開示されている。
また特許文献2には、情報記録媒体用ガラス基板の研磨方法は、第1の研磨工程はポリッシュ用パッドによってガラス基板の主表面にかかる荷重(圧力)、主表面とポリッシュ用パッドとの相対回転数、及び砥粒の平均粒径の組合せは一定であって、第2の研磨工程は上記の圧力、相対回転数、及び砥粒の平均粒径の組合せが異なる2段階の工程から構成されている情報記録媒体用ガラス基板の研磨方法が開示されている。
また特許文献2には、情報記録媒体用ガラス基板の研磨方法は、第1の研磨工程はポリッシュ用パッドによってガラス基板の主表面にかかる荷重(圧力)、主表面とポリッシュ用パッドとの相対回転数、及び砥粒の平均粒径の組合せは一定であって、第2の研磨工程は上記の圧力、相対回転数、及び砥粒の平均粒径の組合せが異なる2段階の工程から構成されている情報記録媒体用ガラス基板の研磨方法が開示されている。
ここで研磨装置によりガラス基板等の円盤状基板の研磨を行う際には、圧力を付与しながら行なう。ところが、円盤状基板に作用する応力の分布が不均一であることに起因して円盤状基板に研磨ムラが生じ、例えば、縁部が内周部より大きく研磨されるような場合があった。また研磨ムラを抑制しようとすると研磨時間が長くなり研磨装置に負荷がかかることがあった。
本発明は、研磨装置により円盤状基板の研磨を行う際に、研磨時間を抑制しつつ、研磨ムラも抑制し、円盤状基板をより均等に研磨することができる円盤状基板の製造方法等を提供することを目的とする。
本発明は、研磨装置により円盤状基板の研磨を行う際に、研磨時間を抑制しつつ、研磨ムラも抑制し、円盤状基板をより均等に研磨することができる円盤状基板の製造方法等を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の円盤状基板の製造方法は、円盤状基板の主表面を研削する研削工程と、研削工程を経た円盤状基板を研磨する研磨工程と、を有し、研磨工程は、主表面に対する研磨の圧力を研磨工程で円盤状基板に付与する最大圧力まで単調増加させた後に最大圧力に留めることなく徐々に低下させると共に、研磨開始から研磨の圧力が最大圧力に達するまでの時間を研磨の圧力が最大圧力に達してから研磨終了までの時間より短くなるように設定することを特徴とする。
ここで、最大圧力は、研磨工程において円盤状基板の研磨を行なう時間である設定研磨時間と、設定研磨時間で円盤状基板を研磨したときに生ずるエッジロールオフ量により決定されることが好ましい。
また研磨工程は、円盤状基板の粗研磨を行なう前段研磨工程と円盤状基板の精密研磨を行なう後段研磨工程からなり、前段研磨工程は、主表面に対する研磨の圧力を最大圧力まで単調増加させた後に最大圧力に留めることなく徐々に低下させると共に、研磨開始から研磨の圧力が最大圧力に達するまでの時間を研磨の圧力が最大圧力に達してから研磨終了までの時間より短くなるように設定し、後段研磨工程は、主表面に対する研磨の圧力を予め定められた圧力まで上昇させた後に圧力を予め定められた時間で一定となるように設定することが好ましい。
更に研削工程は、主表面に対する研削の圧力を予め定められた圧力まで上昇させた後に圧力を予め定められた時間で一定となるように設定することが好ましい。
また研磨工程は、円盤状基板の粗研磨を行なう前段研磨工程と円盤状基板の精密研磨を行なう後段研磨工程からなり、前段研磨工程は、主表面に対する研磨の圧力を最大圧力まで単調増加させた後に最大圧力に留めることなく徐々に低下させると共に、研磨開始から研磨の圧力が最大圧力に達するまでの時間を研磨の圧力が最大圧力に達してから研磨終了までの時間より短くなるように設定し、後段研磨工程は、主表面に対する研磨の圧力を予め定められた圧力まで上昇させた後に圧力を予め定められた時間で一定となるように設定することが好ましい。
更に研削工程は、主表面に対する研削の圧力を予め定められた圧力まで上昇させた後に圧力を予め定められた時間で一定となるように設定することが好ましい。
また、本発明の研磨装置は、円盤状基板の主表面を研磨する研磨装置であって、円盤状基板を研磨する時間である設定研磨時間と設定研磨時間で円盤状基板を研磨したときに生ずるエッジロールオフ量を取得し、研磨を行なう際の最大圧力を設定研磨時間とエッジロールオフ量により決定する決定部と、主表面に対する研磨の圧力を決定部により決定された最大圧力まで単調増加させた後に最大圧力に留めることなく徐々に低下させると共に、研磨開始から研磨の圧力が最大圧力に達するまでの時間を研磨の圧力が最大圧力に達してから研磨終了までの時間より短くなるように制御する研磨圧力制御部と、を備えることを特徴とする。
そして本発明のプログラムは、円盤状基板の主表面を研磨する研磨装置の制御のために用いられるプログラムであって、円盤状基板を研磨する時間である設定研磨時間と設定研磨時間で円盤状基板を研磨したときに生ずるエッジロールオフ量とから研磨を行なう際の最大圧力を決定する機能と、主表面に対する研磨の圧力を最大圧力まで単調増加させた後に最大圧力に留めることなく徐々に低下させると共に、研磨開始から研磨の圧力が最大圧力に達するまでの時間を研磨の圧力が最大圧力に達してから研磨終了までの時間より短くなるように制御する機能と、を実現するためのプログラムである。
本発明によれば、研磨装置により円盤状基板の研磨を行う際に、研磨時間を抑制しつつ、特にエッジロールオフ(端ダレ)を抑え、円盤状基板をより均等に研磨することができる円盤状基板の製造方法等を提供できる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1−1(a)〜(c)、図1−2(d)〜(f)、図1−3(g)〜(i)は、本実施の形態が適用される円盤状基板の製造工程を示した図である。
図1−1(a)〜(c)、図1−2(d)〜(f)、図1−3(g)〜(i)は、本実施の形態が適用される円盤状基板の製造工程を示した図である。
(1次ラップ工程)
図1−1(a)は1次ラップ工程を示している。この工程でまず、研削機(研削装置、ラッピングマシン)40により1回目の研削(ラッピング)を行い、円盤状基板の一例としてのガラス基板(ワーク)10の表面11を平滑に研削する。
ここで図2は、研削機40の構造を説明した図である。
図2に示した研削機40は、ガラス基板10を載置する下定盤21aと、ガラス基板10を上部から押えつけ研削を行うために必要な圧力を加えるための上定盤21bとを備えている。
ここで、下定盤21aの外周部には歯部42が設けられ、下定盤21aの中央部には太陽歯車44が設けられている。さらに下定盤21aには、研削が行われる際にガラス基板10を位置決めする円盤状の保持具(キャリア)30が設置されている。
保持具30は、図2に示す研削機40では、5個設置されている。保持具30の外周部には歯部32が備えられ、下定盤21aの歯部42および太陽歯車44の双方に噛合している。また下定盤21aおよび上定盤21bには、これらを回転させるための回転軸46a,46bがそれぞれ中心部に設置されている。
図1−1(a)は1次ラップ工程を示している。この工程でまず、研削機(研削装置、ラッピングマシン)40により1回目の研削(ラッピング)を行い、円盤状基板の一例としてのガラス基板(ワーク)10の表面11を平滑に研削する。
ここで図2は、研削機40の構造を説明した図である。
図2に示した研削機40は、ガラス基板10を載置する下定盤21aと、ガラス基板10を上部から押えつけ研削を行うために必要な圧力を加えるための上定盤21bとを備えている。
ここで、下定盤21aの外周部には歯部42が設けられ、下定盤21aの中央部には太陽歯車44が設けられている。さらに下定盤21aには、研削が行われる際にガラス基板10を位置決めする円盤状の保持具(キャリア)30が設置されている。
保持具30は、図2に示す研削機40では、5個設置されている。保持具30の外周部には歯部32が備えられ、下定盤21aの歯部42および太陽歯車44の双方に噛合している。また下定盤21aおよび上定盤21bには、これらを回転させるための回転軸46a,46bがそれぞれ中心部に設置されている。
この1次ラップ工程においては、まず研削機40の下定盤21aに保持具30を利用してガラス基板10の載置を行う。
図3は、保持具30を更に詳しく説明した図である。図3に示した保持具30には、上述の通り、外周部に歯部32が備えられている。また、研削を行う際にガラス基板10が内部に載置される円形形状の孔部34が複数開けられている。この孔部34の直径は、ガラス基板10の直径よりわずかに大きく開けられる。このようにすることで、研削を行う際にガラス基板10の外周端の一部に余分な応力がかかるのを抑制することができるため、ガラス基板10の外周端が損傷しにくくなる。本実施の形態において、孔部34の直径はガラス基板10の直径より、例えば、約1mm大きくなっている。また孔部34は、ほぼ等間隔で並んでおり、本実施の形態の場合、孔部34は、例えば、35個開けられている。
図3は、保持具30を更に詳しく説明した図である。図3に示した保持具30には、上述の通り、外周部に歯部32が備えられている。また、研削を行う際にガラス基板10が内部に載置される円形形状の孔部34が複数開けられている。この孔部34の直径は、ガラス基板10の直径よりわずかに大きく開けられる。このようにすることで、研削を行う際にガラス基板10の外周端の一部に余分な応力がかかるのを抑制することができるため、ガラス基板10の外周端が損傷しにくくなる。本実施の形態において、孔部34の直径はガラス基板10の直径より、例えば、約1mm大きくなっている。また孔部34は、ほぼ等間隔で並んでおり、本実施の形態の場合、孔部34は、例えば、35個開けられている。
保持具30の材料としては、例えば、アラミド繊維やガラス繊維を混入することで強化されたエポキシ樹脂を使用することができる。また保持具30の厚さは、本工程において、研削を行う際に、上定盤21bに接触し、研削を阻害しないために、本工程におけるガラス基板10の仕上げ厚さより薄く作成されている。例えば、ガラス基板10の仕上げ厚さが1mmであるとすると、保持具30の厚さは、それより0.2mm〜0.6mm薄くなっている。
保持具30の孔部34にガラス基板10を載置した後は、上定盤21bをガラス基板10に接触するまで移動させ、研削機40を稼働させる。
この際の研削機40の動作を図2を用いて説明する。研削機40を稼働する際には、図の上方の回転軸46bを一方向に回転させ、上定盤21bを、同様な一方向に回転させる。また、図の下方の回転軸46aを、回転軸46bの回転とは逆方向に回転させ、下定盤21aを回転軸46aと同様な方向に回転させる。これにより下定盤21aの歯部42も回転軸46aと同様な方向に回転する。また中央部の太陽歯車44も、回転軸46aと同様な方向に回転する。
このように上定盤21b、下定盤21a、太陽歯車44を回転させることにより、これらの歯車に噛み合う保持具30は自転運動と、公転運動が組み合わされたいわゆる遊星運動を行う。同様に、保持具30にはめ込まれたガラス基板10も遊星運動を行う。このようにすることによりガラス基板10の研削をより精度よく、また迅速に行うことができる。
この際の研削機40の動作を図2を用いて説明する。研削機40を稼働する際には、図の上方の回転軸46bを一方向に回転させ、上定盤21bを、同様な一方向に回転させる。また、図の下方の回転軸46aを、回転軸46bの回転とは逆方向に回転させ、下定盤21aを回転軸46aと同様な方向に回転させる。これにより下定盤21aの歯部42も回転軸46aと同様な方向に回転する。また中央部の太陽歯車44も、回転軸46aと同様な方向に回転する。
このように上定盤21b、下定盤21a、太陽歯車44を回転させることにより、これらの歯車に噛み合う保持具30は自転運動と、公転運動が組み合わされたいわゆる遊星運動を行う。同様に、保持具30にはめ込まれたガラス基板10も遊星運動を行う。このようにすることによりガラス基板10の研削をより精度よく、また迅速に行うことができる。
本実施の形態において、研削は、研削剤を用いて行うことができる。研削剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミナやダイヤモンドからなる研削剤をスラリー化して使用することができる。または、上定盤21bや下定盤21aにこれらの研削剤が分散して含んだ砥石を使用してもよい。
(内外周研削工程)
図1−1(b)は内外周研削工程を示している。この工程では、ガラス基板10の開孔12の内周面および外周13の外周面の荒削りである研削を行う。また本実施の形態では、内周面と外周面の研削を同時に行う。具体的には、ガラス基板10の中心に設けられた開孔12を内周砥石22によって研削し、ガラス基板10の外周13を外周砥石23によって研削する。このとき、内周砥石22と外周砥石23でガラス基板10の内周面と外周面を挟み込んで同時加工する。これにより内径と外径の同心度を確保し易くすることができる。
本実施の形態において、内周砥石22および外周砥石23は、波状の表面を有している。そのため、ガラス基板10の開孔12の内周面および外周13の外周面を研削することができるだけでなく、開孔12および外周13における縁部の面取りを併せて行うことが可能となる。
図1−1(b)は内外周研削工程を示している。この工程では、ガラス基板10の開孔12の内周面および外周13の外周面の荒削りである研削を行う。また本実施の形態では、内周面と外周面の研削を同時に行う。具体的には、ガラス基板10の中心に設けられた開孔12を内周砥石22によって研削し、ガラス基板10の外周13を外周砥石23によって研削する。このとき、内周砥石22と外周砥石23でガラス基板10の内周面と外周面を挟み込んで同時加工する。これにより内径と外径の同心度を確保し易くすることができる。
本実施の形態において、内周砥石22および外周砥石23は、波状の表面を有している。そのため、ガラス基板10の開孔12の内周面および外周13の外周面を研削することができるだけでなく、開孔12および外周13における縁部の面取りを併せて行うことが可能となる。
(内周研磨工程)
図1−1(c)は内周研磨工程を示している。この工程では、図1−1(b)に示した内外周研削工程において、荒削りである研削を行ったガラス基板10の開孔12の内周面を更に平滑にする研磨を行う。
具体的には、まずガラス基板10を積層し、図示しないホルダにセットする。そして、このホルダにセットされたガラス基板10の開孔12の中心にブラシ24を挿入する。そして研磨液をガラス基板10の開孔12に流し込みながら、ブラシ24を高速で回転させることで、ガラス基板10の内周面を研磨する。本実施の形態では、研磨に際してブラシ24を使用しているので、ガラス基板10の内周面を研磨すると共に、上述した内外周研削工程において行った開孔12の縁部の面取りした部分も同様に研磨することができる。なお研磨液としては、例えば酸化セリウム砥粒を水に分散してスラリー化したものを用いることができる。
図1−1(c)は内周研磨工程を示している。この工程では、図1−1(b)に示した内外周研削工程において、荒削りである研削を行ったガラス基板10の開孔12の内周面を更に平滑にする研磨を行う。
具体的には、まずガラス基板10を積層し、図示しないホルダにセットする。そして、このホルダにセットされたガラス基板10の開孔12の中心にブラシ24を挿入する。そして研磨液をガラス基板10の開孔12に流し込みながら、ブラシ24を高速で回転させることで、ガラス基板10の内周面を研磨する。本実施の形態では、研磨に際してブラシ24を使用しているので、ガラス基板10の内周面を研磨すると共に、上述した内外周研削工程において行った開孔12の縁部の面取りした部分も同様に研磨することができる。なお研磨液としては、例えば酸化セリウム砥粒を水に分散してスラリー化したものを用いることができる。
図4は、内周研磨工程において使用するブラシ24の一例を示した図である。このブラシ24は、毛先が螺旋状に配列して形成されるブラシ部241と、このブラシ部241の両端部に連続して形成され、一端と他端とを形成する軸242とを備えている。ガラス基板10の開孔12として例えば0.85インチ等の小径ディスクの内周面を研磨するような場合は、ブラシ24の芯を細くする必要がある。その場合、本実施の形態では、例えば、複数本のワイヤ(材質:例えば、軟鋼線材(SWRM)、硬鋼線材(SWRH)、ステンレス線材(SUSW)、黄銅線(BSW)など、加工性、剛性などから適宜選定できる)の間に、ブラシの毛(材質:例えばナイロン(デュポン社の商品名))を挟み込み、この毛が挟み込まれたワイヤをねじることで、ブラシ部241を形成している。このワイヤをねじってブラシ部241を形成することで、ブラシ部241に形成されるブラシ毛先を螺旋状とすることができ、挿入されているガラス基板10の開孔12にて、研磨液を軸方向に流すことが可能となる。そのため研磨液の搬送を良好に行うことができる。
(2次ラップ工程)
図1−2(d)は2次ラップ工程を示している。この工程では、図1−1(a)に示した1次ラップ工程において、研削を行ったガラス基板10の表面11を再度研削を行うことにより更に平滑に研削する。
2次ラップ工程において、研削を行う装置としては、図1−1(a)に示した研削機40を使用することができる。また研削の方法、条件等は、図1−1(a)で説明した場合と同様に行うことができる。なお本実施の形態において、1次ラップ工程および2次ラップ工程は、ガラス基板10を研削する研削工程として把握することができる。
図1−2(d)は2次ラップ工程を示している。この工程では、図1−1(a)に示した1次ラップ工程において、研削を行ったガラス基板10の表面11を再度研削を行うことにより更に平滑に研削する。
2次ラップ工程において、研削を行う装置としては、図1−1(a)に示した研削機40を使用することができる。また研削の方法、条件等は、図1−1(a)で説明した場合と同様に行うことができる。なお本実施の形態において、1次ラップ工程および2次ラップ工程は、ガラス基板10を研削する研削工程として把握することができる。
(外周研磨工程)
図1−2(e)は外周研磨工程を示している。この工程では、図1−1(b)に示した内外周研削工程において、荒削りである研削を行ったガラス基板10の外周13の外周面を更に平滑にする研磨を行う。
具体的には、まずガラス基板10の開孔12の部分に治具25を通して積層させ、ガラス基板10を治具25にセットする。そして研磨液をガラス基板10の外周13の箇所に流し込みながら、ブラシ26を積層したガラス基板10に接触させ、高速で回転させる。これにより、ガラス基板10の外周面を研磨することができる。本実施の形態では、研磨に際してブラシ26を使用しているので、ガラス基板10の外周面を研磨すると共に、上述した内外周研削工程において行った外周13の縁部の面取りした部分も同様に研磨することができる。なお研磨液としては、内周研磨工程の場合と同様に、例えば酸化セリウム砥粒を水に分散してスラリー化したものを用いることができる。
図1−2(e)は外周研磨工程を示している。この工程では、図1−1(b)に示した内外周研削工程において、荒削りである研削を行ったガラス基板10の外周13の外周面を更に平滑にする研磨を行う。
具体的には、まずガラス基板10の開孔12の部分に治具25を通して積層させ、ガラス基板10を治具25にセットする。そして研磨液をガラス基板10の外周13の箇所に流し込みながら、ブラシ26を積層したガラス基板10に接触させ、高速で回転させる。これにより、ガラス基板10の外周面を研磨することができる。本実施の形態では、研磨に際してブラシ26を使用しているので、ガラス基板10の外周面を研磨すると共に、上述した内外周研削工程において行った外周13の縁部の面取りした部分も同様に研磨することができる。なお研磨液としては、内周研磨工程の場合と同様に、例えば酸化セリウム砥粒を水に分散してスラリー化したものを用いることができる。
(1次ポリッシュ工程)
図1−2(f)は1次ポリッシュ工程を示している。この工程では、図1−2(d)に示した2次ラップ工程において、研削を行ったガラス基板10の表面11を、研磨機(研磨装置、ポリッシングマシン)50を用いて研磨(ポリッシング)を行うことで研磨し、更に平滑度を上げていく。この研磨機50は、上述した研削機40とほぼ同様な構成を有する。即ち、ガラス基板10を載置する下定盤21aと、ガラス基板10を上部から押えつけ研磨を行うために必要な圧力を加えるための上定盤21bとを備えている。そして研磨機50の下定盤21aに保持具30を利用してガラス基板10を載置し、上定盤21b、下定盤21a、および太陽歯車44を回転させることによりガラス基板10の研磨を行なう。ただし、下記に示すように研磨に使用する材料等が一部異なる。
本実施の形態において、研磨を行うに際し、例えばウレタンにより形成された硬質研磨布を用い、酸化セリウム砥粒等を水に分散してスラリー化した研磨液を使用して行なうことができる。
図1−2(f)は1次ポリッシュ工程を示している。この工程では、図1−2(d)に示した2次ラップ工程において、研削を行ったガラス基板10の表面11を、研磨機(研磨装置、ポリッシングマシン)50を用いて研磨(ポリッシング)を行うことで研磨し、更に平滑度を上げていく。この研磨機50は、上述した研削機40とほぼ同様な構成を有する。即ち、ガラス基板10を載置する下定盤21aと、ガラス基板10を上部から押えつけ研磨を行うために必要な圧力を加えるための上定盤21bとを備えている。そして研磨機50の下定盤21aに保持具30を利用してガラス基板10を載置し、上定盤21b、下定盤21a、および太陽歯車44を回転させることによりガラス基板10の研磨を行なう。ただし、下記に示すように研磨に使用する材料等が一部異なる。
本実施の形態において、研磨を行うに際し、例えばウレタンにより形成された硬質研磨布を用い、酸化セリウム砥粒等を水に分散してスラリー化した研磨液を使用して行なうことができる。
(2次ポリッシュ工程)
図1−3(g)は2次ポリッシュ工程を示している。この工程では、図1−2(f)に示した1次ポリッシュ工程において、研磨を行ったガラス基板10の表面11を、精密研磨を行うことで更に研磨し、表面11の最終的な仕上げを行う。
本実施の形態において、この研磨を行うに際し、例えばスエード状の軟質研磨布を用い、酸化セリウム砥粒若しくはコロイダルシリカ等を水等の分散媒に分散してスラリー化した研磨液を使用して行なうことができる。なお本実施の形態において、1次ポリッシュ工程および2次ポリッシュ工程は、研削工程を経たガラス基板10を研磨液を用いて研磨する研磨工程として把握することができる。また本実施の形態において、1次ポリッシュ工程は、ガラス基板10の粗研磨を行なう前段研磨工程として、更に2次ポリッシュ工程は、ガラス基板10の精密研磨を行なう後段研磨工程として把握することができる。
図1−3(g)は2次ポリッシュ工程を示している。この工程では、図1−2(f)に示した1次ポリッシュ工程において、研磨を行ったガラス基板10の表面11を、精密研磨を行うことで更に研磨し、表面11の最終的な仕上げを行う。
本実施の形態において、この研磨を行うに際し、例えばスエード状の軟質研磨布を用い、酸化セリウム砥粒若しくはコロイダルシリカ等を水等の分散媒に分散してスラリー化した研磨液を使用して行なうことができる。なお本実施の形態において、1次ポリッシュ工程および2次ポリッシュ工程は、研削工程を経たガラス基板10を研磨液を用いて研磨する研磨工程として把握することができる。また本実施の形態において、1次ポリッシュ工程は、ガラス基板10の粗研磨を行なう前段研磨工程として、更に2次ポリッシュ工程は、ガラス基板10の精密研磨を行なう後段研磨工程として把握することができる。
(最終洗浄・検査工程)
図1−3(h)は最終洗浄・検査工程を示している。最終洗浄では、上述した一連の工程において、使用した研磨剤等の汚れの除去を行う。洗浄には超音波を併用した洗剤(薬品)による化学的洗浄などの方法を用いることができる。
また、検査工程においては、例えばレーザを用いた光学式検査器により、ガラス基板10の表面の傷やひずみの有無等の検査が行われる。
図1−3(h)は最終洗浄・検査工程を示している。最終洗浄では、上述した一連の工程において、使用した研磨剤等の汚れの除去を行う。洗浄には超音波を併用した洗剤(薬品)による化学的洗浄などの方法を用いることができる。
また、検査工程においては、例えばレーザを用いた光学式検査器により、ガラス基板10の表面の傷やひずみの有無等の検査が行われる。
(梱包工程)
図1−3(i)は梱包工程を示している。梱包工程では、上記の検査工程において予め定められた品質基準に合格したガラス基板10の梱包が行なわれ、ガラス基板10の梱包体90となる。そして梱包体90は、磁気記録媒体(磁気ディスク)を製造する箇所まで輸送される。この梱包は、輸送の際にガラス基板10への塵埃等の異物の付着や表面の状態変化を抑制するために行なわれる。
図1−3(i)は梱包工程を示している。梱包工程では、上記の検査工程において予め定められた品質基準に合格したガラス基板10の梱包が行なわれ、ガラス基板10の梱包体90となる。そして梱包体90は、磁気記録媒体(磁気ディスク)を製造する箇所まで輸送される。この梱包は、輸送の際にガラス基板10への塵埃等の異物の付着や表面の状態変化を抑制するために行なわれる。
次に、研磨工程においてガラス基板10の主表面に対する研磨の圧力について更に説明を行なう。
図5(a)は、1次ポリッシュ工程における研磨の圧力の第1の例について説明した図である。また図5(b)は、2次ポリッシュ工程における研磨の圧力について説明した図である。ここで図5(a)、図5(b)の双方とも、横軸は、時間であり、縦軸は研磨の圧力を意味し、時間の経過に対する研磨の圧力パターンを示している。なお図5(a)において、説明の便宜のため図5(b)の研磨の圧力パターンを一点鎖線により重ねて示した。
図5(a)は、1次ポリッシュ工程における研磨の圧力の第1の例について説明した図である。また図5(b)は、2次ポリッシュ工程における研磨の圧力について説明した図である。ここで図5(a)、図5(b)の双方とも、横軸は、時間であり、縦軸は研磨の圧力を意味し、時間の経過に対する研磨の圧力パターンを示している。なお図5(a)において、説明の便宜のため図5(b)の研磨の圧力パターンを一点鎖線により重ねて示した。
図5(a)に示したように、1次ポリッシュ工程では、研磨作業を開始してから時間t1まで、研磨の圧力は0から上昇する。そして時間t1において、最大圧力である圧力P1に達する。そして時間t1後は、圧力P1に留めることなく、研磨の圧力は下降し、時間t2において、予め定められた圧力P2になる。そして時間t2後は、圧力の下降の勾配を大きくして更に研磨の圧力は下降し、時間t3において、研磨の圧力が0になった時点で研磨作業が終了する。つまり1次ポリッシュ工程では、ガラス基板10の主表面に対する研磨の圧力を、最大圧力まで単調増加させた後にこの最大圧力に留めることなく徐々に低下させるように設定する。更に本実施の形態では、研磨開始から研磨の圧力が最大圧力に達するまでの時間を研磨の圧力が最大圧力に達してから研磨終了までの時間より短くなるようにする。つまりt1<(t3−t1)とする。
以上の1次ポリッシュ工程において、圧力P1は、110g/cm2であり、圧力P2は、100g/cm2とすることができる。また時間t1は3分とすることができる。更に時間t2は54分とすることができ、時間t3は、60分とすることができる。
以上の1次ポリッシュ工程において、圧力P1は、110g/cm2であり、圧力P2は、100g/cm2とすることができる。また時間t1は3分とすることができる。更に時間t2は54分とすることができ、時間t3は、60分とすることができる。
一方、図5(b)に示したように、2次ポリッシュ工程では、研磨作業を開始してから時間t4まで、研磨の圧力は0から上昇する。そして時間t4において、予め定められた圧力である圧力P2に達する。このとき圧力P2は圧力P1よりも小さい(P2<P1)。そしてその後は、時間t5まで研磨の圧力P2は一定に維持される。そして時間t5後は、研磨の圧力は下降し、時間t3において、研磨の圧力が0になった時点で研磨作業が終了する。つまり2次ポリッシュ工程では、ガラス基板10の主表面に対する研磨の圧力を、予め定められた圧力まで上昇させた後に、この圧力を予め定められた時間で一定になるように設定する。なお図5(a)、図5(b)の双方において、研磨を行なう総時間である設定研磨時間は、同じ時間である時間t3に設定される。
図5(a)に示した研磨の圧力パターンを採ることで、より安定した研磨が行ないやすい。つまり研磨によりガラス基板10の表面が削られる研磨量である取り代が、一定になりやすい。一方、図5(b)に示した研磨の圧力パターンでは、研磨ムラが生じやすく、特にエッジロールオフ(端ダレ)が問題となる。
図6は、ガラス基板10を研磨した際に生じるエッジロールオフについて説明した図である。図6では、ガラス基板10の縁部10a付近を図示している。ここで、縁部10aにおいて面10bは、上述した内外周研削工程において面取りされた部分である。
エッジロールオフとは、ガラス基板10の主表面を研磨することで、この主表面の縁部10aが内周部より、より多く削られる現象である。そして図6に示すように、内周部に対し縁部10aの箇所で余分に削られた量をエッジロールオフ量として定義することができる。なお図6においては、ガラス基板10の縁部10aで実線で示した場合がエッジロールオフが生じている場合を示し、点線で示した場合がエッジロールオフが生じない場合を示している。
エッジロールオフとは、ガラス基板10の主表面を研磨することで、この主表面の縁部10aが内周部より、より多く削られる現象である。そして図6に示すように、内周部に対し縁部10aの箇所で余分に削られた量をエッジロールオフ量として定義することができる。なお図6においては、ガラス基板10の縁部10aで実線で示した場合がエッジロールオフが生じている場合を示し、点線で示した場合がエッジロールオフが生じない場合を示している。
このようなエッジロールオフが生ずる一因として、研磨を行なう際の研磨布が比較的柔らかい材料からなるため、ガラス基板10の縁部10aにおいて研磨布が、食い込む形になることが挙げられる。そのため研磨を行なう際に、ガラス基板10に対し、研磨機50から均一に研磨の圧力を付与したとしても、ガラス基板10の内周部より縁部10aにおいて、研磨布によって、より大きな応力が作用し、そのためエッジロールオフが生じると考えられる。
図5(a)に示した研磨の圧力パターンで研磨を行なうと、図5(b)に示した研磨の圧力パターンに比べ上述したエッジロールオフが生じにくい。つまり、設定研磨時間が同じであっても、図5(a)における最大圧力である圧力P1が、図5(b)における予め定められた圧力P2より大きい。そのため図5(a)の研磨の圧力パターンで研磨作業を行なうと、この研磨作業の初期において、より多くの研磨を行なうことができるため、研磨作業の終期において研磨圧力が減少しても総研磨量としてはほぼ同じとなる。ただし研磨作業の初期の時点で、エッジロールオフが生じていると考えられる。一方、最大圧力P1は維持されることなく研磨の圧力は徐々に一貫して低下するため、研磨作業の終期である時間t2後では、研磨の圧力は、図5(b)のパターンに対し、むしろ小さくなる。そしてこの間には、ガラス基板10の主表面の縁部10aに働く応力は、エッジロールオフが生じているために、内周部よりかえって縁部10aにおいて、より小さくなる。そのため、研磨の初期に生じていると考えられるエッジロールオフが解消するような研磨が行なわれる。そして研磨作業終了時には、図5(a)の研磨の圧力パターンで研磨した方が、図5(b)の研磨の圧力パターンで研磨した場合よりエッジロールオフ量が小さくなるものと考えられる。
なお2次ポリッシュ工程で、図5(b)の研磨の圧力パターンを採用するのは、このエッジロールオフが問題になりにくいからである。つまり、2次ポリッシュ工程は、ガラス基板10表面の最終的な仕上げを行なう工程であり、研磨量としてはわずかである。そのため研磨を行なうことによるガラス基板10の形状はほとんど変化しない。そのためエッジロールオフが1次ポリッシュ工程より生じにくい。
また切削工程である1次ラップ工程および2次ラップ工程においても図5(b)に示した形状の圧力パターンで行なう。なお切削工程において、切削を行なう圧力や総切削時間等の条件(圧力P2の値、時間t3,t4,t5の値等)は、図5(b)の圧力パターンとは異なることがある。1次ポリッシュ工程においては、研磨を行なう際に、上述したウレタンにより形成された研磨布等を使用し、これが比較的柔らかい材料であるためガラス基板10の内周部より縁部10aに、より大きな応力が作用する。これに対し、研削工程では、研磨布等は使用しないため、縁部10aにより大きな応力が作用するような現象が生じにくい。そのためエッジロールオフが生じにくい。そのため図5(b)の圧力パターンが採用される。
また切削工程である1次ラップ工程および2次ラップ工程においても図5(b)に示した形状の圧力パターンで行なう。なお切削工程において、切削を行なう圧力や総切削時間等の条件(圧力P2の値、時間t3,t4,t5の値等)は、図5(b)の圧力パターンとは異なることがある。1次ポリッシュ工程においては、研磨を行なう際に、上述したウレタンにより形成された研磨布等を使用し、これが比較的柔らかい材料であるためガラス基板10の内周部より縁部10aに、より大きな応力が作用する。これに対し、研削工程では、研磨布等は使用しないため、縁部10aにより大きな応力が作用するような現象が生じにくい。そのためエッジロールオフが生じにくい。そのため図5(b)の圧力パターンが採用される。
また図5(a)で挙げた例は、設定研磨時間を図5(b)と同じとしてエッジロールオフ量を小さくする場合を示したが、研磨の圧力パターンはこれに限られるものではない。
図7は、1次ポリッシュ工程における研磨の圧力の第2の例について説明した図である。
なお説明の便宜上、図5(a)に挙げた研磨の圧力パターンを一点鎖線で示している。
図7に挙げた研磨の圧力パターンは、研磨作業を開始してから時間t6まで、研磨の圧力は0から上昇する。そして時間t6において、最大圧力である圧力P3に達する。ここで圧力P3は、圧力P1より大きい(P3>P1)。そして時間t6後は、圧力P3に留めることなく、研磨の圧力は下降し、時間t7において、予め定められた圧力P2になる。そして時間t7後は、圧力の下降の勾配を大きくして更に研磨の圧力は下降し、時間t8において、研磨の圧力が0になった時点で研磨作業が終了する。ここで時間t8は、時間t3より小さい(t8<t3)。つまり、図5(a)に挙げた研磨の圧力パターンより設定研磨時間は短い。なお本実施の形態でも、研磨開始から研磨の圧力が最大圧力に達するまでの時間を研磨の圧力が最大圧力に達してから研磨終了までの時間より短くなるようにする。つまりt6<(t8−t6)とする。
以上の1次ポリッシュ工程において、圧力P3は、例えば、120g/cm2とすることができる。また時間t6は3.5分とすることができる。更に時間t7は49分とすることができ、時間t8は、55分とすることができる。
図7は、1次ポリッシュ工程における研磨の圧力の第2の例について説明した図である。
なお説明の便宜上、図5(a)に挙げた研磨の圧力パターンを一点鎖線で示している。
図7に挙げた研磨の圧力パターンは、研磨作業を開始してから時間t6まで、研磨の圧力は0から上昇する。そして時間t6において、最大圧力である圧力P3に達する。ここで圧力P3は、圧力P1より大きい(P3>P1)。そして時間t6後は、圧力P3に留めることなく、研磨の圧力は下降し、時間t7において、予め定められた圧力P2になる。そして時間t7後は、圧力の下降の勾配を大きくして更に研磨の圧力は下降し、時間t8において、研磨の圧力が0になった時点で研磨作業が終了する。ここで時間t8は、時間t3より小さい(t8<t3)。つまり、図5(a)に挙げた研磨の圧力パターンより設定研磨時間は短い。なお本実施の形態でも、研磨開始から研磨の圧力が最大圧力に達するまでの時間を研磨の圧力が最大圧力に達してから研磨終了までの時間より短くなるようにする。つまりt6<(t8−t6)とする。
以上の1次ポリッシュ工程において、圧力P3は、例えば、120g/cm2とすることができる。また時間t6は3.5分とすることができる。更に時間t7は49分とすることができ、時間t8は、55分とすることができる。
図7に挙げた研磨の圧力パターンは、図5(a)に挙げた研磨の圧力パターンでは、エッジロールオフ量の許容限界までまだ余裕があり、設定研磨時間を短くしたい場合に使用できる。即ち、図7に挙げた研磨の圧力パターンは、最大圧力がより大きいためエッジロールオフがより生じやすい。ただし研磨量としては、大きくなるため、設定研磨時間は短くて済む。そのため、エッジロールオフの量を問題ない範囲内に抑えつつ設定研磨時間を短くしたい場合により有効である。このように本実施の形態では、エッジロールオフ量と設定研磨時間とのかねあいにより、研磨の圧力パターンにおける最大圧力を決定することができる。言い換えれば、研磨の圧力パターンにおける最大圧力は、ガラス基板10に生ずるエッジロールオフ量と研磨工程において研磨を行なう時間である設定研磨時間により決定される。
なお図5(a)および図7に挙げた研磨の圧力パターンは、研磨の圧力の下降の勾配を途中で変更していたが、これに限られるものではなく、途中で変更せずに最大圧力から研磨作業の終了まで、一定の勾配で研磨の圧力を下降させてもよい。
次に上述した図5(a)および図7に挙げた研磨の圧力パターンで研磨を行なう研磨機50について更に詳しく説明を行なう。
図8は、本実施の形態の研磨機50を制御面から見た場合の構造の一例を説明した図である。
図8に示した研磨機50は、1次ポリッシュ工程においてガラス基板10の研磨を行なう時間である設定研磨時間と研磨において許容されるエッジロールオフ量を取得する研磨条件取得部501と、設定研磨時間、エッジロールオフ量、および最大圧力との関係を記憶する記憶部502と、最大圧力を、設定研磨時間と、設定研磨時間でガラス基板10を研磨したときに生ずるエッジロールオフ量により決定する決定部503と、ガラス基板10の主表面に対する研磨の圧力を制御する研磨圧力制御部の一例としての制御部504と、制御部504により制御され研磨機50を駆動する駆動部505とを備える。
図8は、本実施の形態の研磨機50を制御面から見た場合の構造の一例を説明した図である。
図8に示した研磨機50は、1次ポリッシュ工程においてガラス基板10の研磨を行なう時間である設定研磨時間と研磨において許容されるエッジロールオフ量を取得する研磨条件取得部501と、設定研磨時間、エッジロールオフ量、および最大圧力との関係を記憶する記憶部502と、最大圧力を、設定研磨時間と、設定研磨時間でガラス基板10を研磨したときに生ずるエッジロールオフ量により決定する決定部503と、ガラス基板10の主表面に対する研磨の圧力を制御する研磨圧力制御部の一例としての制御部504と、制御部504により制御され研磨機50を駆動する駆動部505とを備える。
また図9は、図8に示した研磨機50の動作について説明したフローチャートである。以下、図8および図9を使用して研磨機50の動作の概略について説明を行なう。
まず研磨条件取得部501が、設定研磨時間および許容されるエッジロールオフ量である許容エッジロールオフ量を取得し(ステップ101)、決定部503に出力する(ステップ102)。この設定研磨時間および許容エッジロールオフ量は、例えば、研磨機50を操作する作業者等が図示しない入力装置を使用して入力する。
まず研磨条件取得部501が、設定研磨時間および許容されるエッジロールオフ量である許容エッジロールオフ量を取得し(ステップ101)、決定部503に出力する(ステップ102)。この設定研磨時間および許容エッジロールオフ量は、例えば、研磨機50を操作する作業者等が図示しない入力装置を使用して入力する。
決定部503は、研磨条件取得部501から設定研磨時間を取得すると、設定研磨時間でガラス基板10を研磨したときに生ずるエッジロールオフ量を記憶部502から取得する(ステップ103)。上述した通り、記憶部502には、設定研磨時間、エッジロールオフ量、および最大圧力の関係が記憶されており、記憶部502は、これらの関係が複数記憶されていた場合は、これらの関係を複数組決定部503に出力する。
そして決定部503は、設定研磨時間、エッジロールオフ量、および最大圧力の関係を参照し、設定研磨時間に対応するエッジロールオフ量が、許容エッジロールオフ量の範囲内に収まるような最大圧力が存在するか否かの判定を行なう(ステップ104)。ここでこのような最大圧力が存在しなかったとき、即ち入力された設定研磨時間に対応するエッジロールオフ量が許容エッジロールオフ量の範囲内に収まらず、研磨を行えない場合は、研磨機50を操作する作業者等にその旨を伝達するメッセージを出力する(ステップ105)。
またエッジロールオフ量が許容エッジロールオフ量の範囲内に収まるような最大圧力が存在した場合は、決定部503は、研磨を行なう際の最大圧力を設定研磨時間とエッジロールオフ量により決定し(ステップ106)、設定研磨時間および最大圧力を制御部504に出力する(ステップ107)。ここで設定研磨時間、エッジロールオフ量、および最大圧力の関係が複数存在した場合に、具体的な最大圧力の決定方法としては、設定研磨時間に対するエッジロールオフ量が最小になるような最大圧力を選択する。
制御部504は、決定部503より設定研磨時間および最大圧力を取得する(ステップ108)。そして制御部504は、ガラス基板10の主表面に対する研磨の圧力を決定部503により決定された最大圧力まで単調増加させた後に最大圧力に留めることなく徐々に低下させるように駆動部505を制御する(ステップ109)。この際、研磨開始から研磨の圧力が最大圧力に達するまでの時間を研磨の圧力が最大圧力に達してから研磨終了までの時間より短くなるようにする。具体的には、図5(a)および図7に挙げた研磨の圧力パターンにより駆動部505の制御を行なう。そしてこの研磨作業は、設定研磨時間で行なわれる。
なお以上説明した研磨機50の動作について、最大圧力は、設定研磨時間およびエッジロールオフ量に基づいて決定されていたが、これに限られるものではなく、他の研磨条件を更に加えて決定してもよい。具体的には、研磨機50の動作回転数、研磨布の種類、研磨材の種類、ガラス基板10の種類等である。この場合、これらの研磨条件が数値化されて記憶部502に更に記憶されている。つまり設定研磨時間、エッジロールオフ量、および数値化されたこれらの研磨条件と最大圧力との関係が記憶部502に記憶され、決定部503がこれらに基づいて最大圧力を決定する。
これらの機能は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。即ち、研磨機50に設けられた制御用コンピュータ内部の図示しないCPUが、研磨条件取得部501、記憶部502、決定部503、制御部504の各機能を実現するプログラムを実行し、駆動部505の制御を行なうことで、これらの各機能を実現させる。
よって本実施の形態は、ガラス基板10の主表面を研磨する研磨機50の制御のために用いられるプログラムであって、ガラス基板10を研磨する時間である設定研磨時間と、設定研磨時間でガラス基板10を研磨したときに生ずるエッジロールオフ量とから研磨を行なう際の最大圧力を決定する機能と、主表面に対する研磨の圧力を最大圧力まで単調増加させた後に最大圧力に留めることなく徐々に低下させると共に、研磨開始から研磨の圧力が最大圧力に達するまでの時間を研磨の圧力が最大圧力に達してから研磨終了までの時間より短くなるように制御する機能と、を実現するためのプログラムとしても捉えることもできる。
よって本実施の形態は、ガラス基板10の主表面を研磨する研磨機50の制御のために用いられるプログラムであって、ガラス基板10を研磨する時間である設定研磨時間と、設定研磨時間でガラス基板10を研磨したときに生ずるエッジロールオフ量とから研磨を行なう際の最大圧力を決定する機能と、主表面に対する研磨の圧力を最大圧力まで単調増加させた後に最大圧力に留めることなく徐々に低下させると共に、研磨開始から研磨の圧力が最大圧力に達するまでの時間を研磨の圧力が最大圧力に達してから研磨終了までの時間より短くなるように制御する機能と、を実現するためのプログラムとしても捉えることもできる。
10…ガラス基板、40…研削機、50…研磨機、501…研磨条件取得部、503…決定部、504…制御部
Claims (6)
- 円盤状基板の主表面を研削する研削工程と、
前記研削工程を経た前記円盤状基板を研磨する研磨工程と、を有し、
前記研磨工程は、前記主表面に対する研磨の圧力を当該研磨工程で前記円盤状基板に付与する最大圧力まで単調増加させた後に当該最大圧力に留めることなく徐々に低下させると共に、研磨開始から研磨の圧力が当該最大圧力に達するまでの時間を研磨の圧力が当該最大圧力に達してから研磨終了までの時間より短くなるように設定することを特徴とする円盤状基板の製造方法。 - 前記最大圧力は、前記研磨工程において前記円盤状基板の研磨を行なう時間である設定研磨時間と、当該設定研磨時間で当該円盤状基板を研磨したときに生ずるエッジロールオフ量により決定されることを特徴とする請求項1に記載の円盤状基板の製造方法。
- 前記研磨工程は、前記円盤状基板の粗研磨を行なう前段研磨工程と当該円盤状基板の精密研磨を行なう後段研磨工程からなり、
前記前段研磨工程は、前記主表面に対する研磨の圧力を最大圧力まで単調増加させた後に当該最大圧力に留めることなく徐々に低下させると共に、研磨開始から研磨の圧力が当該最大圧力に達するまでの時間を研磨の圧力が当該最大圧力に達してから研磨終了までの時間より短くなるように設定し、
前記後段研磨工程は、前記主表面に対する研磨の圧力を予め定められた圧力まで上昇させた後に当該圧力を予め定められた時間で一定となるように設定することを特徴とする請求項1または2に記載の円盤状基板の製造方法。 - 前記研削工程は、前記主表面に対する研削の圧力を予め定められた圧力まで上昇させた後に当該圧力を予め定められた時間で一定となるように設定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の円盤状基板の製造方法。
- 円盤状基板の主表面を研磨する研磨装置であって、
前記円盤状基板を研磨する時間である設定研磨時間と当該設定研磨時間で前記円盤状基板を研磨したときに生ずるエッジロールオフ量を取得し、研磨を行なう際の最大圧力を当該設定研磨時間と当該エッジロールオフ量により決定する決定部と、
前記主表面に対する研磨の圧力を前記決定部により決定された前記最大圧力まで単調増加させた後に当該最大圧力に留めることなく徐々に低下させると共に、研磨開始から研磨の圧力が当該最大圧力に達するまでの時間を研磨の圧力が当該最大圧力に達してから研磨終了までの時間より短くなるように制御する研磨圧力制御部と、
を備えることを特徴とする研磨装置。 - 円盤状基板の主表面を研磨する研磨装置の制御のために用いられるプログラムであって、
前記円盤状基板を研磨する時間である設定研磨時間と当該設定研磨時間で当該円盤状基板を研磨したときに生ずるエッジロールオフ量とから研磨を行なう際の最大圧力を決定する機能と、
前記主表面に対する研磨の圧力を前記最大圧力まで単調増加させた後に当該最大圧力に留めることなく徐々に低下させると共に、研磨開始から研磨の圧力が当該最大圧力に達するまでの時間を研磨の圧力が当該最大圧力に達してから研磨終了までの時間より短くなるように制御する機能と、
を実現するためのプログラム。
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Cited By (1)
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WO2015099177A1 (ja) * | 2013-12-27 | 2015-07-02 | Hoya株式会社 | 磁気ディスク用基板および磁気ディスク |
-
2010
- 2010-07-26 JP JP2010167579A patent/JP2012024899A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20120615 |
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A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20120615 |