JP2010221233A - エマルション圧延油を使用する冷間圧延方法、冷延金属板の製造方法および冷間タンデム圧延機 - Google Patents

エマルション圧延油を使用する冷間圧延方法、冷延金属板の製造方法および冷間タンデム圧延機 Download PDF

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Abstract

【課題】エマルション圧延油を使用する冷間タンデム圧延において、循環使用されるエマルション圧延油の性状変動を小さくし、難圧延材の圧延に対応できる圧延方法および冷間タンデム圧延機を提供するとともに、表面品質に優れた冷延金属板の製造方法を提供する。
【解決手段】循環使用されるエマルション圧延油の一部を油水分離手段に供給して、高濃度エマルションと低濃度エマルションに分離して、少なくとも1つ以上の圧延スタンドに供給する。油水分離手段は加熱手段によりその油水分離モジュールが加熱され、分離膜の閉塞が防止される。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷間タンデム圧延機の圧延スタンドにエマルション圧延油を供給して金属板を圧延する、金属板の圧延方法、冷延金属板の製造方法および冷間タンデム圧延機に関わる。
鋼板を冷間圧延する際には、圧延中の鋼板とロールとの間に生ずる摩擦を低減させるための潤滑剤として、また、圧延時に生ずる摩擦発熱および加工発熱により高温となったロールならびに鋼板の冷却を行うための冷却剤として潤滑油が用いられる。ここで、通常の冷間圧延においては、前記潤滑油としてエマルション圧延油(以下、単に「エマルション」とも呼ぶ)が用いられる。なお、エマルションとは、圧延油の粒子が水に安定して懸濁した状態の混合液体をいう。エマルションは濃度及び平均粒径で特徴づけられる。エマルションの濃度とは、エマルション全質量中の油分質量の比率である。平均粒径とは、エマルション中の圧延油の平均粒子径である。また、エマルションを作成するためには界面活性剤を添加する。その添加量は圧延油量に対する質量濃度(対油濃度)で所定量添加し、攪拌器及びポンプによるせん断を加えることによりエマルションの平均粒径を調整する。
冷間圧延時における前記エマルション圧延油の供給方式としては、エマルション圧延油を循環使用しない直接給油方式(ダイレクト方式)、エマルション圧延油を循環させながら潤滑と冷却を行う循環給油方式(リサーキュレーション方式)が知られている。
ここで、エマルション圧延油の循環給油方式(循環式圧延油供給方式ともいう)とは、圧延油を濃度1〜5質量%程度に希釈し、界面活性剤を用いて水に油が分散したO/Wエマルションにしたエマルション圧延油を圧延スタンドに供給し、そのエマルション圧延油をオイルパン等に回収して、引き続き循環使用する方式をいう。循環給油方式では、各スタンドのロールバイト入側において潤滑のための圧延油を供給するための供給手段を備えると共に、圧延ロールに冷却用の圧延油を供給するための供給手段を備えるのが通常であり、前記潤滑用と冷却用とを同一のエマルション圧延油によって行うものである。
一方で、近年、地球環境問題の高まりやユーザーニーズの多様化を受け、冷間圧延製品の高強度化、薄物化(ゲージダウン)がますます進行している。これに対応し、冷間圧延機では、軟鋼だけでなく、ハイテン、高炭素鋼、薄物硬質ブリキ材、あるいは、ステンレス鋼など、いわゆる難圧延材を圧延する機会が飛躍的に増えている。
これらの動向に対し、従来の循環式圧延油供給方式では圧下率や圧延速度を上昇させた厳しい圧延条件下では、ヒートスクラッチと呼ばれる焼付き疵が発生することがある。ヒートスクラッチはロールバイト内で油膜が破断し、ワークロールと鋼板が凝着して焼付くことにより生じる。ヒートスクラッチが生じると冷延鋼板としての品質をそこない、製品歩留りの低下を招くだけでなく、ワークロール上にも焼付き痕を残すためロール組替えを強いられ、そのために生産性の低下を招く。
従来、潤滑不足を解消する手段として特許文献1に示すようなハイブリッド方式を採用した冷間圧延方法が知られている。この方法は、循環使用されるエマルション圧延油と比較して、エマルション濃度が高いエマルション圧延油を別系統の圧延油供給手段で供給することにより、圧延負荷を軽減し高強度鋼板の高圧下圧延を可能としたものである。しかし、エマルション圧延油タンク内に流入する油分量が必然的に多くなるため、循環系のエマルション圧延油の濃度上昇が操業に与える影響が無視できないレベルになる。このような圧延油で冷間圧延を行うと、圧延油原単位が上昇して収益性に悪影響を与えるだけでなく、軟質材といった潤滑をそれほど必要としない材料においては、逆に潤滑過多となりスリップの発生を招く可能性があった。
これに対し、循環されるエマルション圧延油を有効利用する方法として、以下のような油水分離装置が知られている。すなわち、
(1)膜ろ過により油分濃度の高い高エマルション濃度のクーラント(高濃度エマルシ
ョン圧延油)と低エマルション濃度のクーラント(低濃度エマルション圧延油)
とに分離して使用する方法(特許文献2参照)や、
(2)ダーティタンク内にてバブリングにより油水分離を行う方法(特許文献3参照)
等がある。
また、膜ろ過に関して、特許文献4には、分離膜の洗浄方法について、逆洗により膜面の堆積物を剥離させ膜モジュール外に排出することが記載されている。
特開2007−144514号公報 特開2004−209531号公報 特開平03−234312号公報 特開2007−209964号公報
上記の特許文献2では膜分離によって油水分離を行っているが、経時使用によりエマルション圧延油中の油分や圧延時に生じる磨耗鉄粉が分離膜を閉塞してしまう。分離膜の閉塞物を除去する方法として特許文献2や特許文献4では濾過膜の透過液側から還流側に液体を加圧流通させる逆洗機構も開示されているが、比較的流動しやすい油分による閉塞は解消できても、スカム(鉄粉が油脂と結合して形成された金属石鹸)が凝集固化し分離膜を閉塞すると、透過液の加圧のみでは除去しきれず、必ずしも十分に連続使用することができなかった。
また、特許文献3はダーティタンク全体から油水分離を行うにはエマルションの処理量が多く、多大な設備コストを要する必要があった。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、エマルション圧延油が供給される冷間タンデム圧延において、循環使用されるエマルション圧延油の性状の変動を小さくすることができ、しかも、高速圧延及び高負荷圧延が求められる難圧延材の圧延にも対応することができる圧延方法および冷間タンデム圧延機を提供することを課題とするものである。そして、ヒートスクラッチの発生を抑制し、表面品質に優れた冷延金属板を製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、前述したような循環式圧延油供給方式に油水分離を適用するのに際し、連続使用の妨げとなるスカムによる閉塞を抑制する技術について鋭意検討した。その結果、スカムの除去を促進するには加圧方式(液体による逆洗)よりも加熱によってスカムの流動性を増加させた方が膜の閉塞を抑制できるという結論に至った。
スカム自体は高粘性であるが、主成分は油分であるため、温度を上昇させることで少なからず粘性は低下していく。
従って、分離膜自体を高温に加熱する加熱手段を設けることで分離膜にスカムが付着しても、流動性が向上したスカムは膜を閉塞することなく、濃縮液の流出圧力により系外に放出される。
そして、エマルション圧延油は、エマルション濃度が高いほど潤滑性がよく、低いほど冷却性能がよいので、エマルション圧延油の油水分離によって発生した透過液(低濃度エマルション圧延油)及び濃縮エマルション(高濃度エマルション圧延油)はその用途に応じて有効に使用することが出来る。
例えば、油水分離したエマルション圧延油の内、油分濃度の高いエマルション圧延油を圧延スタンドに補助的に供給すれば、油分濃度が大きく、潤滑性能が高いため、ハイブリッドシステムとして高速圧延時の潤滑不足に起因したチャタリングと呼ばれる圧延機の振動や、ヒートスクラッチと呼ばれる表面疵の発生を防止できる。
また、薄物圧延のような圧延速度の速い場合では、油水分離にて得られた、冷却性能が高い透過液を鋼板に供給することで、鋼板温度が低下し、鋼板温度上昇に起因したヒートスクラッチを防止できる。従来は冷却用にもエマルション圧延油を鋼板に供給しているが、油水分離にて得られた透過液は油分濃度が低いため、鋼板への熱伝達係数も高く、冷却能も高いのである。
これは、鋼板だけでなくロールに供給した場合でも同様の効果が得られる。高速圧延領域ではロール周速が速い為、単位時間あたりにワークロールに噴射される冷却用エマルション量が減少し、サーマルクラウンと呼ばれる熱膨張に起因した凸クラウンが成長しやすくなる。サーマルクラウン成長によりロールプロフィールが経時変化すると、圧延後の板形状も乱れやすくなるため、冷却能が高い透過液の供給は極めて有効である。
加えて、自動車用鋼板のような鋼板の圧延においても、油水分離にて得られた透過液を鋼板に供給することで、鋼板上に付着した余分な油分を洗い流すことが可能である。通常、自動車用鋼板の圧延の場合、最終スタンドは低圧下率のダル圧延が主であり、潤滑性はそれほど必要としない。従って、最終スタンド入側にて透過液を使用することにより、鋼板が圧延機出側に持ち出す鋼板油分量は減少し、圧延油原単位の向上が可能となる。
いずれの場合も、循環系全体として含有油水分量がほとんど変化しないため、循環系濃度変動に伴う圧延不安定現象も解消できる。
また、油水分離に必要なエマルション量は循環式圧延油供給方式で循環使用されるエマルションよりも少ない量であるため、循環式圧延油供給方式のエマルション供給配管より循環エマルションの一部を分岐させて油水分離を行うことで、設備コストを最小とすることができる。
本発明は、上記知見に基づきなされたものであり、上記課題を解決するために以下の手段を採用する。
[1]冷間タンデム圧延機の各圧延スタンドに、循環使用するエマルション圧延油を供
給して金属板を冷間圧延する金属板の冷間圧延方法において、循環使用するエマ
ルション圧延油の一部は、その外周に油水分離モジュールを加熱する加熱手段を
有する油水分離手段により、高濃度エマルション圧延油と低濃度エマルション圧
延油に分離したのちに、少なくとも1つ以上の圧延スタンドに供給することを特
徴とする、金属板の冷間圧延方法。
[2]前記低濃度エマルション圧延油を冷却手段で冷却したのちに、少なくとも1つ以
上の圧延スタンドに供給することを特徴とする、[1]に記載の金属板の冷間圧
延方法。
[3]前記低濃度エマルション圧延油の一部を前記高濃度エマルション圧延油と混合し
て、少なくとも1つ以上の圧延スタンドに供給することを特徴とする、[1]に
記載の金属板の冷間圧延方法。
[4]前記の高濃度エマルション圧延油と低濃度エマルション圧延油のうち、低濃度エ
マルション圧延油は圧延スタンドに供給しないで、高濃度エマルション圧延油の
みを、少なくとも1つ以上の圧延スタンドに供給することを特徴とする、[1]
に記載の金属板の冷間圧延方法。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の方法で金属板を冷間圧延することを特徴
とする冷延金属板の製造方法。
[6]エマルション圧延油を循環使用する圧延油供給手段を備える冷間タンデム圧延機
であって、該圧延油供給手段は、循環式圧延油供給タンクを共有する第1の圧延
油供給手段および第2の圧延油供給手段を有し、第1の圧延油供給手段は該供給
タンクから供給されるエマルション圧延油を各圧延スタンドに供給する手段を
備え、第2の圧延油供給手段は、その外周に油水分離モジュールを加熱する加熱
手段を有する油水分離手段および該供給タンクから供給されるエマルション圧延
油を、該油水分離手段により分離して得られる高濃度エマルション圧延油と低濃
度エマルション圧延油のいずれか一方又は両方を、少なくとも1つ以上の圧延ス
タンドに供給する手段を備えることを特徴とする、冷間タンデム圧延機。
[7]前記第2の圧延油供給手段は冷却手段を有し、該冷却手段により低濃度エマルシ
ョン圧延油を冷却して、少なくとも1つ以上の圧延スタンドに供給することがで
きることを特徴とする、[6]に記載の冷間タンデム圧延機。
[8]前記第2の圧延油供給手段はミキサーを有し、該ミキサーにより分離後の低濃度
エマルション圧延油の一部と高濃度エマルション圧延油を混合して、少なくとも
1つ以上の圧延スタンドに供給することができることを特徴とする、[6]に記
載の冷間タンデム圧延機。
[9]前記油水分離手段は、その油水分離モジュール内に分離膜として、粗濾過、精密
濾過(MF)膜、限外濾過(UF)膜、ナノ濾過(NF)膜、および逆浸透(RO
)膜の群から選択される少なくとも1つの膜を収容することを特徴とする、[6
]乃至[8]のいずれかに記載の冷間タンデム圧延機。
本発明によれば、エマルション圧延油を潤滑剤として冷間タンデム圧延機のスタンドに供給して金属板を圧延する冷間圧延方法や冷間タンデム圧延機において、循環使用されるエマルション圧延油の一部を、その外周に油水分離モジュールを加熱する加熱手段を有する油水分離手段により、高濃度エマルション圧延油と低濃度エマルション圧延油に分離して、分離後の高濃度エマルション圧延油および低濃度エマルション圧延油を活用することにより、経時変化する循環エマルションの性状を適正に保つことができるとともに、エマルション圧延油が有する潤滑機能と冷却機能のそれぞれを発揮することができる。その結果、高い潤滑性能を要求する難圧延材の圧延にも、被圧延材の金属板の温度上昇やワークロールの温度上昇により、ヒートスクラッチや形状不良が発生しやすい金属板の圧延にも対応できる。
本発明の一実施形態の概略構成を示した図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態の一例を説明する。
図1は、本発明の一実施形態における、複数スタンドを有する循環式圧延油供給方式の冷間タンデム圧延機の概略構成の一例を示した図である。なお、図1は、被圧延材の金属板(例えば鋼板)1の入側から順に第1圧延スタンド〜第5圧延スタンド(#1STD〜#5STD)の5スタンドの圧延機を有する冷間タンデム圧延機の場合を示している。また、この冷間タンデム圧延機において、隣り合うスタンド間には図示しないテンションロールおよびデフロールが設置されている。
本発明の圧延油供給手段は、第1の圧延油供給手段と第2の圧延油供給手段を有している。
図1において、第1の圧延油供給手段は、循環式圧延油供給タンク(以下「供給タンク」と呼ぶことがある)5を有し、この供給タンク5から供給されるエマルション圧延油を各スタンドに供給する手段として、各圧延スタンドの入側に潤滑用クーラントヘッダー3を、各スタンド出側に冷却用クーラントヘッダー4をそれぞれ有している。それぞれのヘッダー3,4に設けられたスプレーノズルからエマルション圧延油がワークロールの鋼板入側および出側のロールバイト近傍に向けて噴射される。スプレーノズルから噴射されたエマルション圧延油は回収オイルパン8に回収されて供給タンク5に戻り、再び各圧延スタンドに供給されて循環使用される。なお、この実施形態では第5圧延スタンドでは、潤滑油クーラントヘッダー3は設けているが、後述する第2の圧延油供給手段の冷却ノズルヘッダー25があるため、冷却用クーラントヘッダー4は設けていない。両冷却ノズルヘッダー4および25を共に設けることもできる。
この循環使用されるエマルション圧延油17は、循環式圧延油供給タンク5から循環系統の圧延油供給ライン7の途中に設けられたポンプ6により圧送され圧延油供給ライン7を通じて各スタンドに配置されたクーラントヘッダー3、4に供給される。なお、エマルション圧延油17の各クーラントヘッダー3、4への供給は、圧延開始時から行うことが好ましい。
循環式圧延油供給タンク5内には温水(希釈水)と圧延油原液が収容され、そこで両者が混合される。この収容されて混合される温水と圧延油原液は、攪拌機10の攪拌羽の回転数を調整することにより、所望の平均粒径を有するエマルション圧延油17とされる。
ここで、エマルション圧延油17を構成する圧延油としては、通常の冷間圧延に用いられるものとして、天然油脂、脂肪酸エステル、炭化水素系合成潤滑油のいずれかを基油としたものを用いることができる。さらに、これらの圧延油には、油性向上剤、極圧添加剤、酸化防止剤などの通常の冷間圧延油に用いられる添加剤を加えても良い。
また、圧延油に添加される界面活性剤としては、イオン系、非イオン系のいずれを用いても良く、通常の循環式クーラントシステム(循環式圧延油供給方式)で使用されるものを用いればよい。
そして、エマルション圧延油17としては、前述したような圧延油を、好ましくは濃度1〜5質量%程度、より好ましくは濃度1.2〜3.0質量%程度に希釈し、前述したような界面活性剤を用いて水に油が分散したO/Wエマルションにしたものが用いられる。なお、その平均粒径としては、好ましくは15μm以下、より好ましくは7〜10μm程度とする。
循環式圧延油供給タンク5内からポンプ6により圧延油供給ライン7内を圧送されたエマルション圧延油17は、各スタンドに配置された潤滑用クーラントヘッダー3からロールバイトに向けて供給されるとともに、スタンドの鋼板出側において冷却用クーラントヘッダー4からワークロールに向けて供給される。ヘッダー3、4から噴射されたエマルション圧延油17は、鋼板1によって系外に持ち出されたり、蒸発によって失われたりしたものを除いて、回収オイルパン8で回収され、戻り配管9により循環式圧延油供給タンク5内に戻される。
このように、第1の圧延油供給手段は、循環式圧延油供給タンク5、ポンプ6、圧延油供給ライン7、潤滑用クーラントヘッダー3、冷却用クーラントヘッダー4、回収オイルパン8、戻り配管9によって、供給されたエマルション圧延油17を回収し循環させるための循環系統を構成している。
その上で、本発明では、循環使用されるエマルション圧延油17の一部は第2の圧延油供給手段により圧延スタンドに供給される。
この第2の圧延油供給手段は、油水分離手段15を備え、供給タンク5と油水分離手段15をつなぐ分離装置供給ライン14を介してポンプ13により供給タンク5内のエマルション圧延油の一部を油水分離手段15に通過させたのちに、圧延スタンドに供給するようになっている。
なお、図1においては作図の都合上、分離装置供給ライン14を循環式圧延油供給タンク5から分岐させているが、分岐箇所はこれに限定されず、圧延油供給ライン7から分岐させても良い。
油水分離手段15では、その油水分離モジュール内に設けられた油水分離フィルター(分離膜)によって、油分濃度が低くなった透過液(低濃度エマルション圧延油18)と油分濃度が高くなった濃縮液(高濃度エマルション圧延油19)に分離する。以下において、低濃度エマルション圧延油を「低濃度エマルション」、高濃度エマルション圧延油を「高濃度エマルション」と呼ぶことがある。
油水分離手段を通過後にエマルション圧延油が分離されて得られた低濃度エマルション圧延油および高濃度エマルション圧延油は少なくとも1つ以上の圧延スタンドに供給されるようになっており、図1では低濃度エマルション圧延油を最終スタンドの第5スタンドのワークロールに鋼板出側から供給するとともに、高濃度エマルション19を第5スタンドのワークロールの入側に供給するようにしている。また、高濃度エマルションは、後記するように、低濃度エマルションにより希釈して濃度を調節できるようになっている。
油水分離手段15の油水分離膜(油水分離フィルター)では、クロスフロー分離によってエマルション圧延油17の膜ろ過が行われる。クロスフロー分離においては、エマルション圧延油17が通路を貫通するようにされ、斯かる通路壁が多孔質媒体を含んだ素材で構成されている。前記エマルション圧延油17の一部(即ち、高濃度エマルション19)が多孔質膜に沿って接線方向に通過する一方でエマルション圧延油17の残りの部分(即ち、低濃度エマルション18)が多孔質膜を通過して分離が行われる。
本発明の油水分離手段15は、その周囲に油水分離モジュール内の油水分離フィルターを加熱する加熱装置16を有している。加熱装置16は油水分離フィルターを覆うように設置され、エマルション圧延油に含まれるスカムが多孔質膜を閉塞しないように適宜油水分離フィルターを直接または間接的に高温に加熱して保持する。ここで、多孔質ろ過膜の素材は加熱による耐性を有するという点から、有機高分子化合物よりも無機セラミックのほうが好ましい。
油水分離フィルターの恒温保持温度は400℃を超えると、油水分離フィルターを構成する付帯部品(配管・シール部等)が劣化する恐れがあるため、400℃以下の範囲で高温に保持することが望ましい。一方、100℃未満ではエマルション圧延油17に含まれるスカムの流動性向上効果が期待できないため、100℃以上の範囲で高温に保持することが望ましい。
また、油水分離フィルターの加熱温度の調整は、エマルション圧延油17の性状(温度、油分濃度、鉄粉量、油溶鉄、酸価、けん化価等)に応じて行う。このとき、油水分離フィルターの加熱温度は、調整コントローラー24からの指令によって制御される。なお、ダンプアウト直後など、エマルション圧延油17中のスカム量が少なくなっている場合は油水分離フィルターの加熱を停止しても良い。
油水分離フィルターが加熱されることで多孔質ろ過膜にスカムが付着しても、ろ過膜からの入熱によりスカムの流動性が向上する。流動性が向上したスカム分は多孔質ろ過膜に沿って接線方向に通過する高濃度エマルション19の流出圧力によって生じるせん断力によって多孔質ろ過膜から離脱し、高濃度エマルション19と共に油水分離手段15の系外に放出される。
多孔質ろ過膜の孔径は各スタンドに供給されて循環使用されるエマルション圧延油17の粒径に応じて設定され、粗濾過、精密濾過(MF)膜、限外濾過(UF)膜、ナノ濾過(NF)膜、および逆浸透(RO)膜の群から選択される少なくとも1つの膜を収容することが好ましい。
そして、前述したように、所定の濃度に調整された低濃度エマルション18と所定の濃度に調整された高濃度エマルション19とを作成し、最終圧延スタンドである第5スタンド(#5STD)の出側に設けた低濃度エマルション圧延油供給手段(以下、「低濃度エマルション供給手段」ということがある)11により低濃度エマルション18を供給し、第5スタンドの入側に設けた高濃度エマルション圧延油供給手段(以下、「高濃度エマルション供給手段」ということがある)12により高濃度エマルション19を供給している。
以上のように、第2の圧延油供給手段は、低濃度エマルション供給手段11と高濃度エマルション供給手段12とを有するが、以下にこれらの手段について詳細に説明する。
まず、低濃度エマルション供給手段11は、図1に示すように、低濃度エマルション18をワークロール表面に供給するための冷却ノズルヘッダー25と、この冷却ノズルヘッダー25に所定温度の低濃度エマルション18を供給するための供給ポンプ20及び供給ライン21及び冷却装置23と、低濃度エマルション18の流量を制御する流量制御弁22とにより構成することができる。なお、後記するように、低濃度エマルション圧延油の一部は高濃度エマルション圧延油供給手段に供給することができる。このため供給ライン21は分岐して供給ライン32を介して高濃度エマルション圧延油供給手段のミキサーにもつながっている。
一方、高濃度エマルション供給手段12は、図1に示すように、高濃度エマルション19を鋼板表面に供給するための潤滑ノズルヘッダー31と、この潤滑ノズルヘッダー31に供給する所定濃度の高濃度エマルション19を生成するミキサー30a(鋼板上方噴射用)およびミキサー30b(鋼板下方噴射用)と、このミキサー30a、30bに所定量の高濃度エマルション19を供給するための供給ポンプ27、供給ライン28および高濃度エマルションの流量を制御する流量制御弁29と、前記ミキサー30a、30bに所定量の低濃度エマルション18を供給するための供給ポンプ20、供給ライン32および低濃度エマルションの流量を制御する流量制御弁22とにより構成することができる。ここで、供給ライン28及び供給ライン32は、ミキサー30a及びミキサー30b毎に設けることが好ましい。それぞれに供給するエマルションの流量制御を応答性良く且つ正確に行うためである。
そして、冷却ノズルヘッダー25には、低濃度エマルション18をワークロール表面に噴射するためのスプレーノズルが備えられている。図1に示す例では、冷却ノズルヘッダー25は、ワークロールに対して、その上方および下方の両方に位置するように配置されており、供給されてきた所定温度の低濃度エマルション18を鋼板1の搬送方向から見てワークロールの後方外周面に向けて複数列のスプレーノズルから噴射可能な構成となっている。低濃度エマルション18は、ワークロールの後方外周面に直接接触して水膜流を形成し、ワークロールの表面から熱を奪う。
また、供給ライン21に供給された低濃度エマルション18は冷却装置23を通じて冷却され、冷却ノズルヘッダー25に所定温度の低濃度エマルション18が供給される。なお、ワークロールにおけるサーマルクラウンの抑制が成行きのエマルション温度で達成できる場合には、冷却装置23による低濃度エマルション18の温度制御を行わなくとも良く、場合によっては、低濃度エマルション18の供給そのものを停止しても良い。
ちなみに、冷却装置23では、第1の圧延油供給手段から供給されるエマルション圧延油17よりも低温になるように低濃度エマルション18が作成されるが、その冷却方法としては、比較的効率の高い熱交換による冷却が好ましいが、これに限定されず、気体冷却といった方法でも良い。
ここで、低濃度エマルション18の目標温度は、鋼板やワークロールの冷却用として使用する場合は、できるだけ低温が好ましいが、含有する圧延油分の流動点との兼ね合いがあるため、当該範囲を越えると圧延油分の固化が発生する懸念がある下限温度を予め実験および操業データなどから求めておき、目標温度を設定する。
また、低濃度エマルション18の吐出流量及び吐出面積の調整は、圧延速度やロール状態、鋼板サイズに応じて行う。このとき、低濃度エマルション18の吐出流量は、調整コントローラー24からの指令によって制御される。
ここで、上ワークロール表面の水膜流が鋼板1上に漏れるのを防止するため、上ワークロールの下端に非接触型の水切りシール26を設け、冷却後の低濃度エマルション18が上ワークロールの上端あるいは側面より排出する構造としている。一方、鋼板1への漏れが無い下ワークロールでは、冷却後の低濃度エマルション18が下ワークロールの下端より排出される。
なお、鋼板1への水膜流の漏れが完全に防止できない場合は、低濃度エマルション供給手段11を設置したスタンド(ここでは、第5スタンド)の出側にエアパージ装置(図示しない)を設置して鋼板1の水切りを行ってもよい。
一方、潤滑ノズルヘッダー31には、高濃度エマルション19を鋼板1表面に噴射するためのスプレーノズルが備えられている。図1に示す例では、潤滑ノズルヘッダー31は、鋼板1に対して、その上方および下方の両方に位置するように配置されており、供給されてきた所定濃度の高濃度エマルション19を鋼板1の表裏面に向けて複数のスプレーノズルから噴射可能な構成となっている。
前述したように、ミキサー30a、30bでは、供給される高濃度エマルション19と低濃度エマルション18とを撹拌、混合し、潤滑ノズルヘッダー31に供給するための所定濃度の高濃度エマルション圧延油を生成させる。なお、分離後の高濃度エマルション19のみで目標濃度が達成される場合には低濃度エマルション18のミキサー30a、30bへの供給を停止しても良い。
図1に例示する構成において、第2の圧延油供給手段とにより、鋼板1表面及びワークロールに噴射された低濃度エマルション18および高濃度エマルション19は、循環系統を構成する圧延油回収循環手段としての回収オイルパン8に集められ、各圧延スタンドに供給されるエマルション圧延油17と共に回収され、戻り配管9を経由して循環式圧延油供給タンク5内に戻される。回収されたエマルション圧延油17、低濃度エマルション18および高濃度エマルション19は、循環式圧延油供給タンク5内の攪拌器10により攪拌された後、ポンプ6および潤滑用クーラントヘッダー3のスプレーノズル部と冷却用クーラントヘッダー4のスプレーノズル部での強いせん断を繰り返し受け、第1の圧延油供給手段により各スタンドに供給されるエマルション圧延油17に適した粒径まで細分化される。
そして、図1においては、低濃度エマルション圧延油供給手段11を最終圧延スタンドの出側にのみ設けた場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1スタンド〜第5スタンドのいずれか1箇所または2箇所以上の圧延スタンドの出側に設けることで本発明の目的を達成することができる。また、高濃度エマルション圧延油供給手段12の設置箇所及び設置数も同様に限定されない。
例えば、薄物材では後段スタンドほど圧延速度が速く、冷却時間が短くなるため、後段スタンド出側に低濃度エマルション圧延油供給手段11を設けることが望ましい。
以上のように、本発明では、循環式圧延油供給方式で循環使用されるエマルション圧延油の一部を油水分離手段により分離して得られた、高濃度エマルション圧延油と低濃度エマルション圧延油の特性を生かして、難圧延材等の圧延に対応することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
図1に示す実施形態の全5スタンドの冷間タンデム圧延機を用い、母材厚2.3mm、板幅850〜950mmの硬質ブリキ原板を仕上げ厚0.200mmまで、目標速度2200m/minとして20コイル圧延した。圧延油は合成エステル油をベースに植物油脂が添加された基油に対して、油性剤、酸化防止剤がそれぞれ1質量%ずつ添加され、界面活性剤としてノニオン系界面活性剤が対油濃度で3質量%添加されているものを使用した。第1の圧延油供給手段により各スタンドに供給され、循環使用されるエマルション圧延油17を、圧延油の濃度3.0質量%、平均粒径9μm、温度53℃のエマルション圧延油とした。循環式圧延油供給タンク5内のエマルション圧延油量は10万Lとした。
一方、油水分離手段15の油水分離フィルターとして、孔径0.2μmの精密濾過(MF)用セラミック膜を用い、濃縮側となる高濃度エマルション19の油分濃度が初期条件にて10%となるように分離装置供給ライン14を流れるエマルション圧延油17の流量を固定した(エマルション圧延油17の流量は分離装置供給ライン14へのおよそ300L/minであった)。高濃度エマルション圧延油供給手段12により供給される高濃度エマルション19の温度は循環使用されるエマルション圧延油17とほぼ同一であった。また、低濃度エマルション圧延油供給手段11により供給される低濃度エマルション18は高濃度エマルション圧延油供給手段12には供給せず、全量を冷却装置23により35℃まで冷却した後、ロールクーラントとして供給した(低濃度エマルション18の油分濃度はおよそ0.1%であった)。
本実施例では、加熱装置16により油水分離手段15の油水分離フィルター15を300℃に恒温保持した状態で、油水分離を行い、低濃度エマルション18及び高濃度エマルション19を最終圧延スタンドである第5スタンドに供給した。高濃度エマルション圧延油は第5スタンドの入側で鋼板に、低濃度エマルション圧延油は同じく第5スタンドの出側でワークロールに、それぞれ供給した。
なお、比較例1としてフィルターを加熱する加熱装置16を使用しなかった場合を行い、前記以外の条件は本実施例と同様にして冷間圧延を行った。
また、比較例2として特許文献2及び4に記載の透過液の逆洗機構を設けて、1コイル毎に透過液を膜内部に加圧流通させた場合を実施し、上記以外は本実施例と同様にして冷間圧延を行った。なお、比較例2における透過液の逆洗条件は、加圧0.4MPa、逆洗時間1minにて行った。
以上のような圧延油供給を行って、所定数のコイル圧延後の高濃度エマルション圧延油供給手段12でのエマルション油分濃度(初期設定濃度10%)及びヒートスクラッチの発生状況を表1に示す。ここで、「実績濃度」とは高濃度エマルション圧延油のエマルション濃度を指している。
Figure 2010221233
本実施例では、油水分離フィルター15が高温に保持されていることでろ過膜へのスカムの閉塞が抑制され、ほぼ初期設定濃度に近い高濃度エマルション19を得ることができていた。そのため、ハイブリッドシステムによる鋼板への潤滑性確保により、いずれの圧延後もヒートスクラッチは発生しなかった。
一方、油水分離フィルターが所定の温度域に加熱されていない比較例1や比較例2では、経時使用するにつれて、スカムによる膜の閉塞が発生し、徐々に濃縮できる油分量が減少した。高濃度エマルション19の濃度が低下したことで、鋼板には十分な潤滑性が確保されず、比較例1では10コイル目の圧延で軽度のヒートスクラッチが発生し、20コイル目の圧延で鋼板およびワークロールに重度のヒートスクラッチが発生した。
また、比較例2では、透過液の加圧逆洗によって、膜閉塞の改善が見られたものの、スカムによる閉塞を完全には除去しきれずに濃度低下が進行し、20コイル圧延後には軽度のヒートスクラッチが発生した。
上記実施例より、本発明に係る冷間圧延方法を用いることで、循環式圧延油供給方式を用いた難圧延材の圧延においても、経時変化する循環エマルションの性状を適正に保ちつつ、必要とされる良好な潤滑性を確保し続けることが可能であり、安定して良好な表面品質、表面形状を有する鋼板を得ることができることが確認された。
1:金属板(例えば鋼板)
2:圧延油供給手段(第1の圧延油供給手段)
3:潤滑用クーラントヘッダー
4:冷却用クーラントヘッダー
5:循環式圧延油供給タンク
6:ポンプ
7:圧延油供給ライン
8:回収オイルパン
9:戻り配管
10:攪拌機
11:低濃度エマルション圧延油供給手段
12:高濃度エマルション圧延油供給手段
13:分離装置供給ポンプ
14:分離装置供給ライン
15:油水分離手段
16:加熱装置
17:エマルション圧延油
18:エマルション圧延油(低濃度)
19:エマルション圧延油(高濃度)
20:供給ポンプ
21:供給ライン
22:流量制御弁
23:冷却装置
24:調整コントローラー
25:冷却ノズルヘッダー
26:非接触型水切りシール
27:供給ポンプ
28:供給ライン
29:流量制御弁
30:ミキサー
31:潤滑ノズルヘッダー
32:供給ライン

Claims (9)

  1. 冷間タンデム圧延機の各圧延スタンドに、循環使用するエマルション圧延油を供給して金属板を冷間圧延する金属板の冷間圧延方法において、循環使用するエマルション圧延油の一部は、その外周に油水分離モジュールを加熱する加熱手段を有する油水分離手段により、高濃度エマルション圧延油と低濃度エマルション圧延油に分離したのちに、少なくとも1つ以上の圧延スタンドに供給することを特徴とする、金属板の冷間圧延方法。
  2. 前記低濃度エマルション圧延油を冷却手段で冷却したのちに、少なくとも1つ以上の圧延スタンドに供給することを特徴とする、請求項1に記載の金属板の冷間圧延方法。
  3. 前記低濃度エマルション圧延油の一部を前記高濃度エマルション圧延油と混合して、少なくとも1つ以上の圧延スタンドに供給することを特徴とする、請求項1に記載の金属板の冷間圧延方法。
  4. 前記の高濃度エマルション圧延油と低濃度エマルション圧延油のうち、低濃度エマルション圧延油は圧延スタンドに供給しないで、高濃度エマルション圧延油のみを、少なくとも1つ以上の圧延スタンドに供給することを特徴とする、請求項1に記載の金属板の冷間圧延方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法で金属板を冷間圧延することを特徴とする冷延金属板の製造方法。
  6. エマルション圧延油を循環使用する圧延油供給手段を備える冷間タンデム圧延機であって、該圧延油供給手段は、循環式圧延油供給タンクを共有する第1の圧延油供給手段および第2の圧延油供給手段を有し、第1の圧延油供給手段は該供給タンクから供給されるエマルション圧延油を各圧延スタンドに供給する手段を備え、第2の圧延油供給手段は、その外周に油水分離モジュールを加熱する加熱手段を有する油水分離手段および該供給タンクから供給されるエマルション圧延油を、該油水分離手段により分離して得られる高濃度エマルション圧延油と低濃度エマルション圧延油のいずれか一方又は両方を、少なくとも1つ以上の圧延スタンドに供給する手段を備えることを特徴とする、冷間タンデム圧延機。
  7. 前記第2の圧延油供給手段は冷却手段を有し、該冷却手段により低濃度エマルション圧延油を冷却して、少なくとも1つ以上の圧延スタンドに供給することができることを特徴とする、請求項6に記載の冷間タンデム圧延機。
  8. 前記第2の圧延油供給手段はミキサーを有し、該ミキサーにより分離後の低濃度エマルション圧延油の一部と高濃度エマルション圧延油を混合して、少なくとも1つ以上の圧延スタンドに供給することができることを特徴とする、請求項6に記載の冷間タンデム圧延機。
  9. 前記油水分離手段は、その油水分離モジュール内に分離膜として、粗濾過、精密濾過(MF)膜、限外濾過(UF)膜、ナノ濾過(NF)膜、および逆浸透(RO)膜の群から選択される少なくとも1つの膜を収容することを特徴とする、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の冷間タンデム圧延機。
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