JP3582455B2 - 鋼帯の冷間圧延方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被圧延材を高速圧延する冷間圧延方法に関し、特に循環圧延油供給系統と別圧延油供給系統とを備える冷間圧延装置を用いた冷間圧延方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
冷間圧延では、圧延中にストリップとワークロール間の過度の摩擦を減少させるために潤滑油が必要となる。また、摩擦発熱および加工発熱を除去するためにワークロール、バックアップロールおよびストリップの冷却が必要となる。
【0003】
循環式圧延油供給方式(リサーキュレーション方式)は、圧延油と冷却水とがあらかじめ混合乳化されたエマルションを上述した潤滑および冷却のためにワークロールおよびロールバイト近傍のワークロール表面に向けてノズルからスプレーした後、回収し、再びノズルへ供給する一連の供給・回収を循環して行なう方式である(例えば日本鉄鋼協会編「板圧延の理論と実際」、P.208を参照。)。ワークロール表面に衝突した一部のエマルション粒子(油粒)が油膜としてワークロール表面に披着し、さらに鋼板上面側においては、ワークロール表面に付着しなかったエマルションが滞留し、披着する。そして、付着しなかったエマルションは板端から落下する。
【0004】
上述したエマルションが鋼板およびロール表面に付着する現象は、プレートアウトと呼ばれており、このプレートアウト層がロールバイトに導入され、潤滑油として機能する。
【0005】
冷間圧延において、ワークロール組み替え後から圧延が進み、積算圧延長を重ねるにつれてワークロール表面の粗度が低下し、これに伴って摩擦係数も低下するため、タイミングを図ってワークロールを組み替える必要がある。このワークロールの組み替えのタイミングは、積算圧延長により管理される。例えば、図9に示す循環式圧延油供給系統のみを有する全5スタンドのタンデム冷間圧延機を用い、被圧延材としての硬質ブリキ原板を仕上げ厚0.2mmに冷間圧延する場合のワークロール組み替えのタイミング、すなわちワークロール組み替え時の積算圧延長は、図3の(a)、(b)に示す結果に基づき、積算圧延長が370kmの時点でなされる。図3の(a)は積算圧延長(km)と第5スタンドのワークロールの表面粗さRa(μm)との関係につき調べた結果を示し、図3の(b)は積算圧延長(km)と圧延速度1000m/min時の摩擦係数との関係について調べた結果を示している。
【0006】
ところで、薄鋼板を高速圧延する冷間圧延機において、安定圧延を阻害する現象の一つにチャタリングと呼ばれる騒音を伴う異常振動現象がある。このチャタリングが発生すると、板厚変動や圧延スタンド間の張力変動を生じ、これらの変動が著しい場合には鋼板の破断に至ることもある。そのため、板厚変動による品質や歩留りの低下、板破断によるロール原単位の悪化、稼働率の低下などが発生する。このチャタリングは、次に説明する圧延不安定化によって発生すると言われてきた。すなわち、圧延が進むにつれてワークロール粗度が低下し、ワークロールおよび圧延材間の摩擦係数が低くなり、ロールバイト内の潤滑が過多となる状態が発生する。それに伴って、先進率が負(中立点がロールバイトの外へ飛び出した状態)となり圧延が不安定化する(例えば、鉄と鋼、第73(1987)第10号、p.1358を参照。)。
【0007】
一方、最近のブリキ材の製品動向である硬質・薄ゲージ化に伴い、生産性向上のために圧延速度のさらなる高速化が進められており、2000m/minを超える高速圧延速度での圧延技術が必要とされている。しかしながら、循環式圧延油供給方式を備えたタンデム冷間圧延機を用いて上記した高速圧延を行なった場合、特に仕上板厚0.2mm以下に圧延しようとしても、潤滑不足に起因したチャタリングが発生し、安定的な高速冷間圧延を阻害する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、循環式圧延油供給系統を用いる冷間圧延方法において、高速圧延時の潤滑不足を解消し、潤滑不足に起因するチャタリング発生を防止することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、先に循環式圧延油供給方式の高速圧延域における潤滑性改善を意図した冷間圧延方法を発明し、特願平10−264773号として特許出願した。この先願の冷間圧延方法は、循環式圧延油供給系統(第1の圧延油供給系統)とは別の第2の圧延油供給系統を設け、この第2圧延油供給系統から、第1圧延油供給系統のエマルションよりも平均粒径の大きい、プレートアウト性の高いエマルション圧延油を、ロールバイトから上流スタンド側へ所定距離(エマルションがプレートアウトするための時間(転相時間)を確保することができる距離)離れた位置で鋼板表裏面に向けて供給するものである。先願の冷間圧延方法において、上記別圧延油供給系統は、好ましくは後段スタンドに適用される。これは、後段スタンドほど圧延速度が速くかつ板厚が薄くなるので圧延荷重が高くなり、潤滑条件が厳しくなるからである。先願の冷間圧延方法によれば、高速圧延域でも鋼板に披着する油量を大幅に増加させることができるため、高速圧延時に発生する潤滑不足を解消でき、潤滑不足に起因するチャタリングを防止することができる。
【0010】
本発明者らは、上記した先願の冷間圧延方法につき、さらに検討を重ねた結果、次に説明する潤滑過多に起因したチャタリングが発生する場合があることが判明した。
【0011】
本発明者らは、図10に示す、先願の冷間圧延方法を行なうための別圧延油供給系統をも有する冷間圧延機を用い、前述した図3で説明したのと同様な被圧延材を冷間圧延した。また、図9に示す循環式圧延油供給系統のみを有する冷間圧延機を用いて上記被圧延材の冷間圧延も行なった。圧延油としての基油は循環式圧延油供給系統、別圧延油供給系統とも牛脂(40℃での粘度;45cSt)を用いた。循環式圧延油供給系統のエマルション条件は温水中の基油濃度3.5体積%、エマルションの平均粒径10μmおよび温度60℃とし、第5スタンドにおけるエマルション供給量を4000リットル/分に制御した。また、別圧延油供給系統のエマルション条件は、温水中の基油濃度10体積%、エマルションの平均粒径20μm、温度60℃とし、エマルション供給量を130リットル/分に制御した。
【0012】
図4は、上述した冷間圧延を行なったときの、圧延速度と摩擦係数との関係を調べた結果を示すグラフ図であって、図4の(a)は積算圧延長が0km(ワークロール組み替え直後)のとき、図4の(b)は積算圧延長が160kmのとき、図4の(c)は積算圧延長が370km(ワークロール組み替え直前)のときと、それぞれ積算圧延長が異なる、すなわちワークロールの表面粗度が異なる条件下での結果を示している。図4の(a)、(b)、(c)はそれぞれ、横軸に圧延速度(m/min)をとり、縦軸に第5スタンドにおけるワークロールおよび被圧延材間の摩擦係数をとっている。図4において、白丸を結んだ曲線A1、A2、A3は、図9に示す冷間圧延機において循環式圧延油供給系統のみを用いた結果を示す特性線であり、黒丸を結んだ曲線B1、B2、B3は、図10に示す冷間圧延機において別圧延油供給系統を圧延開始時から併用した結果を示す特性線である。また、図中における×印は、チャタリングの発生を表わす。
【0013】
図4(a)においてロールの表面粗度が高い条件下で、別圧延油供給系統を併用せずに循環式圧延油供給系統のみを用いる場合、特性線A1から明らかなように、圧延開始時から800m/min程度までの低速領域においてチャタリングの発生しない適正な潤滑状態が得られていることを示しており、この領域では圧延速度の上昇とともに摩擦係数は低下傾向にある。しかし、上記低速域を超えると摩擦係数はそれまでの低下傾向から一転して急激に上昇し、圧延速度1000m/minで潤滑不足に起因したチャタリングが発生することがわかる。また、この特性線A1に対して、図4(b)、(c)の特性線A2、A3は、積算圧延長が160km、370kmとロールの表面粗度が低い条件下のため摩擦係数が低減されることがわかる。このため、潤滑不足に起因したチャタリングの発生時期は特性線A1に示すチャタリング発生時期よりも遅延されるが、いずれも圧延速度約1600m/min(特性線A2参照)、約1700m/min(特性線A3参照)でそれぞれチャタリングが発生している。
【0014】
圧延速度に対して摩擦係数が変化する現象は、エマルション圧延油のプレートアウト性の観点から説明される。すなわち、圧延開始時から800〜1000m/minの低速域においては、圧延速度の上昇とともに鋼帯単位面積当たりのエマルション圧延油供給量が増加し、かつエマルションの転相時間が確保されるので、鋼帯表面に十分なプレートアウト膜を披着させることができる。したがって、流体潤滑理論で説明されるように、ロールバイトへの供給油量が圧延速度の上昇とともに増加し、これに伴い摩擦係数は低下する。一方、上記低速域を超えて圧延速度が上昇すると、鋼帯単位面積当たりのエマルション圧延油の供給量が低下し、かつエマルションの転相時間を確保し難くなるため、鋼帯表面におけるプレートアウト量は減少する。したがって、ロールバイトへの供給油量は圧延速度とともに減少し、これに伴い摩擦係数は上昇する。
【0015】
一方、ワークロールの表面粗度が高い条件下で、循環式圧延油供給系統と別圧延油供給系統とを圧延開始時から併用すると、図4(a)の特性線B1から明らかなように、摩擦係数を低減できるとともに、800m/min以上の高速域であっても摩擦係数の急激な上昇を抑制でき、潤滑不足に起因したチャタリングを発生させることなく安定的に2000m/min以上にまで加速できることがわかる。
【0016】
しかし、ワークロールの表面粗度が低い条件下では、別圧延油供給系統を圧延開始時から併用すると、図4の(b)、(c)の特性線B2、B3に示すように、約600〜700m/minの低速域において潤滑過多に起因したチャタリングが発生することが判明した。このように、別圧延油供給系統を併用しても高速圧延を達成できない場合があることが判明した。
【0017】
本発明者らは、別圧延油供給系統を併用する先願の冷間圧延方法について、高速域での潤滑不足に起因したチャタリングの防止とともに上述した低速域における潤滑過多に起因したチャタリングの防止に関して鋭意検討した。その結果、図4(b)、(c)の特性線B2、B3から明らかなように、別圧延油供給系統は圧延開始時から必ずしも併用する必要はなく、圧延開始当初の圧延油の供給は循環式圧延油供給系統からのみでもよいことが判明した。この場合、循環式圧延油供給系統のみを用いたまま圧延速度を増しても、図4(a)、(b)、(c)の特性線A1、A2、A3から明らかなように、高速域で潤滑不足に起因したチャタリングが発生してしまう。このため、このチャタリング発生前に別圧延油供給系統を併用する必要がある。この別圧延油供給系統の併用を開始するタイミングは、図4(a)の特性線A1から、圧延速度の上昇に伴ってロールおよび被圧延材間の摩擦係数が低下傾向から上昇傾向に転ずる時であることが判明した。
【0018】
本発明は、これらの検討結果に基づいてなされたものであって、第1のエマルションをロールおよびロールバイトに向けて供給するための循環式の第1の圧延油供給手段と、前記第1のエマルションの平均粒径より大きい平均粒径を有する第2のエマルションを、ロールバイトから上流スタンド側に所定距離離れた位置で鋼帯の表裏面に向けて供給するための第2の圧延油供給手段とを有する冷間圧延装置を用いた鋼帯の冷間圧延方法において、圧延開始時から第1の圧延油供給手段により所定量の第1のエマルションを供給し、圧延速度を上昇させる第1の供給工程と、前記第1の供給工程における圧延速度の変化量Δυを検出し、鋼帯とロールとの間の摩擦係数の変化量Δμを求め、該Δυに対する該Δμの変化率Δμ/Δυが負から正に転ずる時点で、さらに第2の圧延油供給手段による第2のエマルションの供給を開始する第2の供給工程と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
さらに、前記第2の供給工程において、前記変化率Δμ/Δυが負から正に転ずる時点での摩擦係数μの値に応じて第2の圧延油供給手段による第2のエマルションの供給量を制御することが好ましい。
【0020】
本発明者らは、前述の図4で説明した圧延速度と第5スタンドにおける摩擦係数との関係をさらに詳細に調べた。
【0021】
図5は、横軸に圧延速度(m/min)をとり、縦軸に第5スタンドにおける摩擦係数をとって、チャタリングが発生する領域を低速域から高速域にわたって調べた結果を示す図である。図中の上方の曲線C1は、潤滑不足に起因するチャタリング発生の結果を示す特性線であり、下方の曲線C2は、潤滑過多に起因するチャタリング発生の結果を示す特性線である。図5から明らかなように、チャタリングが発生しない条件は、特性線C1、C2間の領域であることが判明した。このチャタリング未発生領域は、高速域側ほど狭まる傾向にある。ここで、前述した図4の(a)〜(c)において、変化率Δμ/Δυが負から正に転ずる時点での摩擦係数の値は、ワークロールの表面粗度が高い条件下から低い条件下(図4の(a)から(c))となるにしたがって低下している。このため、後の別圧延油供給系統を併用して圧延速度を上昇させる際、摩擦係数の値を図5のチャタリング未発生領域にとどめるように制御する必要がある。
【0022】
本発明者らが鋭意研究した結果、上記変化率Δμ/Δυが負から正に転ずる時点での摩擦係数の値に応じて、別圧延油供給系統からの圧延油供給量を制御することにより、圧延速度の上昇に伴う摩擦係数の値が変化する範囲を上記チャタリング未発生領域内に保つことができ、より安定的な高速圧延が可能となることを見出した。
【0023】
図6は、前述した図4で説明したのと同様に、横軸に圧延速度(m/min)をとり、縦軸に第5スタンドにおける摩擦係数μをとって、前述した変化率Δμ/Δυが負から正に転ずる時点で併用した別圧延油供給系統からのエマルションの供給流量を種々変化させたときの圧延速度と摩擦係数との関係につき調べた結果を示すグラフ図である。図6の(a)は積算圧延長が0km(ワークロール組み替え直後)のとき、図6の(b)は積算圧延長が160kmのとき、図6の(c)は積算圧延長が370km(ワークロール組み替え直前)のときと、それぞれ積算圧延長が異なる、すなわちワークロールの表面粗度が異なる条件下での結果を示している。図中の×印はチャタリングの発生を表わす。なお、図中には、参考として別圧延油供給系統を併用せずに循環式圧延油供給系統のみを用いた場合の結果も示す。
【0024】
図6から明らかなように、別圧延油供給系統の併用以降も継続して摩擦係数を上記チャタリング未発生領域内に保持するためには、変化率Δμ/Δυが負から正に転ずる時点での摩擦係数値に応じて別圧延油供給系統の供給流量を制御する必要があることが判明した。
【0025】
図6の(a)では、変化率Δμ/Δυが負から正に転ずる時点での摩擦係数値は約0.01(この時点での圧延速度は約800m/min)であり、この値での別圧延油供給系統の供給流量は100リットル/分以上とすることが好ましく、140リットル/分ではチャタリングを生じなくなることが判明した。また、図6の(b)では、変化率Δμ/Δυが負から正に転ずる時点での摩擦係数値は約0.008(この時点での圧延速度は約750m/min)と上記摩擦係数値よりも低下しており、この値での別圧延油供給系統の供給流量は20〜100リットル/分の範囲とすることが好ましく、60リットル/分ではチャタリングを生じなくなることが判明した。この場合に、供給流量を140リットル/分と高くすると、別圧延油供給系統併用直後の圧延速度約1000m/minでチャタリングが発生し、逆効果であった。さらに、図6の(c)では、変化率Δμ/Δυが負から正に転ずる時点での摩擦係数値は約0.007とさらに低下しており、この値での別圧延油供給系統からの供給量は10〜40リットル/分の範囲とすることが好ましく、20リットル/分ではチャタリングを生じなくなることが判明した。この場合に供給流量を60リットル/分と高くすると、別圧延油供給系統併用直後の圧延速度約1250m/minでチャタリングが発生し、逆効果であった。
【0026】
図6に示した結果に基づいて、変化率Δμ/Δυが負から正に転ずる時点での摩擦係数μの値と、2000m/min以上の高速圧延を達成できた別圧延油供給系統の好ましい供給流量Qとの関係について調べた結果を図7に示す。図7から明らかなように、供給流量Qと摩擦係数μとはほぼ正比例の関係にあり、変化率Δμ/Δυが負から正に転ずる時点での摩擦係数μの値が高い場合には別圧延油供給系統の供給流量Qを増加させることが好ましく、変化率Δμ/Δυが負から正に転ずる時点での摩擦係数μの値が低い場合には逆に別圧延油供給系統の供給流量Qを絞ることが好ましい。
【0027】
以上説明したように、圧延開始時から第2圧延供給手段としての別圧延供給系統を併用することなく循環式の第1の圧延油供給手段としての循環式圧延油供給系統のみを用いることにより、圧延初期の低速域での潤滑過多に起因したチャタリングの発生を回避することができる。また、循環式圧延油供給系統によるエマルション圧延油を供給しながら圧延速度を上昇させる過程で、圧延速度の変化量Δυに対する鋼帯およびロール間の摩擦係数の変化量Δμの変化率Δμ/Δυを監視し、この変化率Δμ/Δυが負から正に転ずる時点で、高プレートアウト性の得られる大粒径エマルション(第2のエマルション)を転相時間を確保できる上流スタンド側の鋼板表裏面にスプレーする別圧延油供給系統を併用すれば、圧延速度の上昇に伴うプレートアウト量の低下を防止できる。このため、潤滑不足に起因するチャタリングを発生させることなく安定的に高速圧延を行なうことが可能となる。また、前記変化率Δμ/Δυが負から正に転ずる時点での摩擦係数値に応じて、別圧延油供給系統の流量を制御することにより、より安定的に高速圧延を行なうことが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について説明する。
【0029】
図1は、本発明を実施する設備の一例であり、別圧延油供給系統を最終スタンドに適用した場合である。図1は、No.1〜No.5(#1STD〜#5STD)のスタンドを有するタンデム冷間圧延機の配置例を示し、1はワークロール、2はバックアップロール、3はストリップである。この冷間圧延機において、隣り合うスタンド間には図示しないテンションロールおよびデフロールが設置されている。
【0030】
図1の冷間圧延機の循環式圧延油供給系統は、潤滑用スプレーヘッダ4a、冷却用スプレーヘッダ4b、タンク6を備えている。
【0031】
タンク6は第1のエマルションを貯蔵するタンクであり、分室6aと分室6bとに区分されている。両分室6a,6bにはアジテータ13a,13bがそれぞれ設けられている。
【0032】
タンク6はライン8を通してNo.1〜5の各スタンドのスプレーヘッダ4a,4bと連通し、このライン8にはポンプ7が介在されている。スプレーヘッダ4aは各スタンドの入側に一対ずつ設けられ、ストリップ3の上方および下方に位置するように分岐して配置されている。スプレーヘッダ4bは各スタンドの出側に一対ずつ設けられ、ストリップ3の上方および下方に位置するように分岐して配置されている。ライン8において、No.5スタンドの入側および出側に分岐する部分とスプレーヘッダ4aとの間のライン8部分には流量制御弁27が介在されている。
【0033】
タンク6の分室6a内には温水、圧延油原油および界面活性剤が収容され、混合される。収容にあたっては、温水中の圧延油原油が所定の油分濃度、界面活性剤が所定の対油濃度となるように配合される。収容された内容物は、アジテータ13a、13bの攪拌羽の回転数を調整することにより所望の平均粒径を有する第1エマルションとされる。この第1エマルションは、例えば、基油を牛脂として温水中に混合し、これに乳化分散剤としてカチオン系分散型の界面活性剤を対油濃度で0.6%添加したものとする場合には、上記回転数を調整することによりその平均粒径を約9〜10μmとすることができる。代わりに、合成エステル油と乳化型界面活性剤とを組み合わせた場合には、平均粒径が9μm以下となる場合もある。
【0034】
第1エマルションはポンプ7によりポンプ圧送され、ライン8を経由してNo.1〜No.5の各スタンドに供給され、各スタンド入側のスプレーヘッダ4aおよび各スタンド出側のスプレーヘッダ4bからそれぞれロールバイトおよびワークロールに向けてスプレー供給される。供給された第1エマルションのうち、ストリップ3から落下した分の第1エマルションは、回収オイルパン11で回収され、ライン12を経由して分室6b内に流入される。この第1エマルションのスプレー供給は、圧延開始時から行なわれる。
【0035】
図1の冷間圧延機の別圧延油供給系統は、潤滑用スプレーヘッダ5、流量制御弁9、タンク14を備えている。
【0036】
タンク14内にはアジテータ20が設けられている。このタンク14は前記第1のエマルションよりも大きな平均粒径を有する第2のエマルションを貯蔵するタンクである。タンク15、16、17内に貯蔵された温水、圧延油原油、界面活性剤は、ポンプ18a、18b、18cにより流量調整弁19a、19b、19cを介してそれぞれタンク14内へ送給され、混合される。タンク14内の温水中の圧延油濃度、界面活性剤の対油濃度およびタンク14の内容物の温度の各条件は、タンク6内の第1エマルションの条件とそれぞれ同一とすることが好ましい。タンク14内の第2エマルションは、アジテータ20の攪拌羽の回転数を調整することにより平均粒径20μm以上に調整される。
【0037】
タンク14はライン22を通して一対のスプレーヘッダ5と連通している。スプレーヘッダ5は、ストリップ3の上方および下方の両方に位置するように分岐して配置されている。スプレーヘッダ5は、No.4,5スタンド間に設けられた前述の図示しないテンションロールおよびデフロールの直後に位置するように配置されている。上記位置は、No.5スタンドのロールバイトから上流側に所定距離L離れている。この距離Lは、例えば先願の特願平10−264773号に記載された以下の式を満たす距離とされる。
【0038】
L≧Vin・tmin
(ただし、Vinは入側ストリップ速度(m/s)、tminは必要な最小転相時間(s)を表わす。)
スプレーヘッダ5は上記した位置に設けられているため、供給した油量がテンションロールやデフロールで絞られるのを回避し、十分なプレートアウト量が得られる。また、O/W型エマルション(水に油滴が分散した状態のエマルション)からW/O型エマルション(油中に水滴が分散した状態のエマルション)への転相か、或いはO/W型エマルションから油単相への転相か、いずれか一方の転相時間を確保することができる。
【0039】
タンク14内の第2エマルションは、ポンプ21によりポンプ圧送され、ライン22を通過し、流量制御弁9を介してスプレーヘッダ5からストリップ3の表裏面に向けてスプレー供給される。この供給時にストリップ3にプレートアウトせずに落下した第2エマルションは、前述した第1エマルションと同様に回収オイルパン11で回収され、ライン12を経由して分室6b内に流入する。流入後、分室6b内のアジテータ13bの攪拌羽により攪拌され、第1エマルションとほぼ同じ粒径まで細分化され、タイトなエマルションとなる。
【0040】
前記流量制御弁9は、制御装置10と電気的に接続されている。この流量制御弁9は圧延開始の時点では全閉状態であるが、後述するように制御装置10から弁開度を制御する信号が送られたときに初めて開動作するようになっている。すなわち、上述した第2エマルションのストリップ3へのスプレー供給は、この流量制御弁9が開いた時点で開始される。なお、この場合、No.5スタンドのスプレーヘッダ4aに供給される第1エマルションの流量を調整する流量制御弁27は、その弁開度を圧延開始時からの状態のまま保持してもよいが、弁開度を小さくして第1エマルションの流量を絞ってもよく、全閉にしてNo.5スタンド入側のスプレーヘッダ4aからの第1エマルションの供給を停止してもよい。流量制御弁27を全閉した場合、図10に示す先願の冷間圧延機の循環式圧延油供給系統のように、No.5スタンド入側のスプレーヘッダ4aがない構成と実質上同じ状態となる。上述した流量制御弁27の弁開度を小さくしたり、全閉したりしてもよい理由は、スプレーヘッダ5から供給される第2エマルションの方がストリップ3におけるプレートアウトにおいて支配的であり、スプレーヘッダ4aから供給される第1エマルションのプレートアウトの影響は少ないことが判明しているからである。
【0041】
前記制御装置10は、ロール速度計23、板速度計24およびロードセル25とそれぞれ電気的に接続されている。ロール速度計23、ロードセル25はNo.5スタンドに設けられており、板速度計24はNo.5スタンド出側のストリップ3の直上に位置するように設けられている。ロール速度計23、板速度計24およびロードセル25は、ワークロール1の回転速度、ストリップ3の速度、ストリップ3の圧延荷重をそれぞれ一定のサンプリング周期tsで計測するようになっている。制御装置10は、上記のロール回転速度、ストリップ速度および圧延荷重の各計測データを図2に示す制御フローにしたがって処理し、この処理結果に基づき流量制御弁9を制御する。
【0042】
図2に示す制御フローにおいて、まず、No.5スタンドにおける先進率の値を計算する。この先進率値は、ロール速度計23により計測されたワークロール1の回転速度値および板速度計24により計測されたストリップ3の速度値を下記の式(1)に代入して求めることができる。
【0043】
【数1】
【0044】
上記の式(1)において、fs(%)は先進率、Vs(m/min)は板速度、D(m)はワークロールの直径、n(rpm)はワークロールの回転速度を表わす。
【0045】
次に、この先進率fsの値とロードセル25により計測された圧延荷重の値とからNo.5スタンドにおけるワークロール1とストリップ3との間の摩擦係数の値を計算する。この摩擦係数の値は、下記の式(2)および式(4)に示す圧延理論式により求めることができる。式(2)は、Bland&Fordの先進率式と呼ばれる、先進率fsと摩擦係数μとの関係式である。式(4)は、Hillの圧延荷重式と呼ばれる、圧延荷重Pと摩擦係数μとの関係式である。摩擦係数μの値は、式(2)に上記先進率fsの値を代入し、式(4)に圧延荷重の値を代入し、両式(2)、(4)を連立させて求める。
【0046】
【数2】
【0047】
上記の式(2)において、μは圧延中の被圧延材とワークロールとの間の摩擦係数、km(kg/mm2)は被圧延材の平均変形抵抗、H(mm)は入側板厚、h(mm)は出側板厚、σb(kg/mm2)は圧延中の前方ユニット張力、σf(kg/mm2)は圧延中の後方ユニット張力、R’(mm)はワークロールの偏平半径を表わし、Hnは下記の式(3)を表わす。
【0048】
【数3】
【0049】
【数4】
【0050】
上記の式(4)において、P(t)は圧延中の圧延荷重、W(mm)は板幅を表わす。
【0051】
次いで、摩擦係数の圧延速度に対する変化率{μ(t2)−μ(t1)}/{υ(t2)−υ(t1)}を計算する。t1は、圧延開始時からある時間経過したときの、ロール速度計23、板速度計24およびロードセル25により計測が行われた時刻、t2は時刻t1からサンプリング周期ts経過後の時刻(すなわち、t2=t1+ts)、υ(t1),υ(t2)は板速度計24により時刻t1,t2で計測されたストリップ3の速度、μ(t1),μ(t2)は時刻t1,t2での摩擦係数値をそれぞれ表わす。
【0052】
上記した摩擦係数の圧延速度に対する変化率が正となる場合、上記摩擦係数値μ(t2)に応じて第2エマルションの供給流量の値を決定する。そして、この流量値に応じた弁開度を決定し、流量制御弁9に弁開度信号を送る。
【0053】
一方、上記した摩擦係数の圧延速度に対する変化率が負となる場合、前述したNo.5スタンドの先進率の計算に戻って、再度、上述した一連の処理を繰り返す。
【0054】
上記供給流量の値の決定は次のようになされる。すなわち、制御装置10はメモリ部を内蔵しており、このメモリ部に摩擦係数μの値とこの摩擦係数μの値に応じた流量値Qとの相関を示すデータがテーブル値としてあらかじめ格納されている。このテーブル値は、例えば前述の図7で説明したのと同様な摩擦係数μと別圧延油供給系統の供給流量Qとの関係を調べた結果から得ることができる。そして、この格納されたテーブル値を呼び出し、これに基づき第2エマルションの供給流量を決定する。
【0055】
なお、上述した実施形態では、No.4スタンドと最終のNo.5スタンドとの間に別圧延油供給系統のスプレーヘッダ5を配置するものとして説明したが、本発明はこれのみに限られるものではなく、これとは別のスタンド間に配置するようにしてもよい。
【0056】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例および参考例とともに説明する。
【0057】
(実施例1)
前述した構成の図1に示す全5スタンドのタンデム冷間圧延機により、以下に説明する第1エマルションおよび第2エマルションを用い、母材厚2.3mm、板幅900mmの硬質ブリキ原板を仕上げ厚0.200mmまで、目標圧延速度2400m/minとして、上記冷間圧延機のワークロール1の組み替え直後から組み替え直前まで冷間圧延を行なった。この冷間圧延において圧延開始時から供給する第1エマルションの供給流量は、3000リットル/分とした。本実施例1においては、流量制御弁9を、前述した図2に示す処理の流れに従う制御を可能な状態にし、圧延開始時から圧延終了時にわたって制御させた。
【0058】
圧延油として牛脂(40℃における動粘度;43cSt)を用い、温水中の油分濃度を4体積%、カチオン系分散型の界面活性剤を対油分濃度で0.6質量%となるように、温水、圧延油および界面活性剤をタンク6の分室6a内にそれぞれ収容した。また、分室6a内に収容された内容物をアジテータ13aの攪拌羽の回転数を調整して十分に攪拌することにより、平均粒径9μmの第1エマルション(温度60℃)とした。
【0059】
一方、上記したのと同様の圧延油および界面活性剤と、温水とをタンク15、16、17からタンク14内に移送した。このとき、温水中の圧延油濃度、界面活性剤の対油分濃度が上述したのとほぼ同一となるようにそれぞれの供給量を調整した。次いで、タンク14内に収容された内容物をアジテータ20の攪拌羽の回転数を調整して攪拌し、平均粒径20μmの第2エマルション(温度60℃)とした。
【0060】
(比較例1)
圧延開始時から圧延終了時にわたり、流量制御弁9を全閉状態に保持して第1エマルションのみを供給した以外、実施例1と同様にして冷間圧延を行なった。
【0061】
(参考例1)
圧延開始時から圧延終了時にわたり、第2エマルションの供給流量が140リットル/分となるように流量制御弁9の弁開度を調整し、この弁開度に保持して圧延開始時から第2エマルションを供給した以外、実施例1と同様にして冷間圧延を行なった。
【0062】
上記の実施例1、比較例1および参考例1で得られた結果から、図8に示す特性線図を得た。図8は、横軸に積算圧延長(km)をとり、縦軸に到達した圧延速度(m/min)をとって、積算圧延長と到達圧延速度との関係について調べた結果を示す特性線図である。この図において、三角印を結んだ曲線は上記の実施例1の結果を示す特性線、白丸を結んだ曲線は上記の比較例1の結果を示す特性線、黒丸を結んだ曲線は上記の参考例1の結果を示す特性線である。この図から、実施例1の場合では、積算圧延長0kmから約370kmにわたり、すなわちワークロールの組み替え直後から組み替え直前にわたって、潤滑過多および潤滑不足に起因したチャタリングが発生することなく、目標圧延速度である2400m/minに到達できることが判明した。これに対し、比較例1の場合では、積算圧延長0kmから約370kmにわたり上記目標圧延速度を大幅に下回り、最高速度も積算圧延長320kmにおいて1600m/minにとどまり、目標圧延速度である2400m/minへの到達は困難であることが判明した。これは圧延の加速過程において潤滑不足に起因したチャタリングが発生したためである。他方、参考例1の場合では、積算圧延長が0〜100kmの間は、潤滑過多および潤滑不足に起因したチャタリングが発生することなく、目標圧延速度である2400m/minに到達できることが判明した。しかし、積算圧延長が100kmを超えると低速域における潤滑過多に起因したチャタリングが発生し、目標圧延速度を達成できないことが判明した。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の冷間圧延方法によれば、加速過程の低速域で発生する潤滑過多に起因したチャタリングおよび高速域で発生する潤滑不足に起因したチャタリングのいずれも防止できる。そのため、2000m/min以上の高速圧延を行なうことができる。したがって、板破断による歩留り低下や板厚変動に伴う鋼帯の品質劣化を大幅に低減させることができ、生産性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するためのタンデム冷間圧延機を一例として概略的に示す構成図。
【図2】図1の冷間圧延機における制御装置10の制御フローを示す図。
【図3】(a)は積算圧延長とワークロールの表面粗度との関係につき調べた結果を示すグラフ図、(b)は積算圧延長と摩擦係数との関係につき調べた結果を示すグラフ図。
【図4】循環式圧延油供給系統のみを用いた場合および別圧延油供給系統を併用した場合における、圧延速度と摩擦係数との関係につき調べた結果を示す特性線図であって、(a)は積算圧延長0km(ワークロール組み替え直後)のときの特性線図、(b)は積算圧延長160kmのときの特性線図、(c)は積算圧延長370km(ワークロール組み替え直前)のときの特性線図。
【図5】チャタリング発生の圧延速度と摩擦係数との関係につき調べた結果を示す特性線図。
【図6】変化率Δμ/Δυが負から正に転ずる時点で併用した別圧延油供給系統からのエマルションの供給流量を種々変化させたときの圧延速度と摩擦係数との関係につき調べた結果を示す特性線図であって、(a)は積算圧延長0km(ワークロール組み替え直後)のときの特性線図、(b)は積算圧延長160kmのときの特性線図、(c)は積算圧延長370km(ワークロール組み替え直前)のときの特性線図。
【図7】変化率Δμ/Δυが負から正に転ずる時点での摩擦係数μと別圧延油供給系統の供給流量Qとの関係につき調べた結果を示す特性線図。
【図8】実施例において積算圧延長と到達圧延速度との関係につき調べた結果を示す特性線図。
【図9】循環式圧延油供給系統のみを有するタンデム冷間圧延機を概略的に示す構成図。
【図10】循環式圧延油供給系統と別圧延油供給系統とを有する冷間圧延機の一例を概略的に示す図。
【符号の説明】
1…ワークロール、
2…バックアップロール、
3…ストリップ、
4a…循環式圧延油供給系統の潤滑用スプレーヘッダ、
4b…循環式圧延油供給系統の冷却用スプレーヘッダ、
5…別圧延油供給系統の潤滑用スプレーヘッダ、
6,14…タンク、
7,18a,18b,18c,21…ポンプ、
8,12,22…ライン、
9…流量制御弁、
10…制御装置、
11…回収オイルパン、
13a,13b,20…アジテータ、
15…温水貯蔵タンク、
16…圧延油原油貯蔵タンク、
17…界面活性剤貯蔵タンク、
19a,19b,19c…流量調整弁、
23…ロール速度計、
24…板速度計、
25…ロードセル、
27…流量制御弁。
Claims (3)
- 第1のエマルションをロールおよびロールバイトに向けて供給するための循環式の第1の圧延油供給手段と、前記第1のエマルションの平均粒径より大きい平均粒径を有する第2のエマルションを、ロールバイトから上流スタンド側に所定距離離れた位置で鋼帯の表裏面に向けて供給するための第2の圧延油供給手段とを有する冷間圧延装置を用いた鋼帯の冷間圧延方法において、圧延開始時から第1の圧延油供給手段により所定量の第1のエマルションを供給し、圧延速度を上昇させる第1の供給工程と、
前記第1の供給工程における圧延速度の変化量Δυを検出し、鋼帯とロールとの間の摩擦係数の変化量Δμを求め、該Δυに対する該Δμの変化率Δμ/Δυが負から正に転ずる時点で、さらに第2の圧延油供給手段による第2のエマルションの供給を開始する第2の供給工程と、
を備えたことを特徴とする鋼帯の冷間圧延方法。 - 前記第2の供給工程において、さらに、前記変化率Δμ/Δυが負から正に転ずる時点での摩擦係数μの値に応じて第2の圧延油供給手段による第2のエマルションの供給量を制御することを特徴とする請求項1に記載の鋼帯の冷間圧延方法。
- 前記摩擦係数μの値は、前記変化率Δμ/Δυが負から正に転ずる時点での、先進率の値と圧延荷重の値とを用いて圧延理論式により求められることを特徴とする請求項1または2に記載の鋼帯の冷間圧延方法。
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