JP2001025812A - 冷間圧延鋼板の製造方法 - Google Patents

冷間圧延鋼板の製造方法

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JP2001025812A
JP2001025812A JP11202397A JP20239799A JP2001025812A JP 2001025812 A JP2001025812 A JP 2001025812A JP 11202397 A JP11202397 A JP 11202397A JP 20239799 A JP20239799 A JP 20239799A JP 2001025812 A JP2001025812 A JP 2001025812A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速圧延を行なう場合にも、チャタリングに
よる異常板厚、板破断の発生を未然に防止し、欠陥の無
い冷間圧延鋼板を製造する方法を提供する。 【解決手段】 No.5スタンドにおいては、クーラント
用ヘッダー5がロールバイとより離れた位置に設置され
ている。振動計15により検出したミルハウジング14
の振動を演算器16で処理してチャタリングの発生を検
出し、チャタリングがなくなるまで、クーラント用ヘッ
ダー5に供給するストリップクーラントの流量を増加さ
せる。クーラント用ヘッダー5がロールバイとより離れ
た位置に設置されているので、プレートアウトの転相時
間を確保でき、プレートアウト層を形成しやすくなる。
よって、高速圧延時においても、摩擦係数を小さくでき
ることにより、チャタリングを解消することが可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、循環式圧延油供
給系統を有するタンデム圧延機を用いた冷間圧延鋼板の
製造方法に関するものであり、さらに詳しくは高速圧延
においても、圧延機のチャタリングを防止することによ
り、欠陥の無い冷間圧延鋼板を製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来技術】薄鋼板を高速圧延する冷間圧延機におい
て、安定圧延を阻害する現象の一つにチャタリングと称
する、騒音を伴う異常振動現象がある。このチャタリン
グが発生すると、板厚変動や圧延スタンド間の張力変動
を生じ、著しい場合には鋼板の破断に至ることもある。
その結果、板厚変動による品質・歩留りの低下や、板破
断によるロール原単位の悪化、設備稼働率の低下などが
発生する。
【0003】チャタリング現象は、圧延機のロール系の
自励振動現象であり、従って、その振動数は圧延機の固
有振動数に一致することが知られている。この振動数
は、通常、数十Hzから数百Hzである。
【0004】このチャタリング(自励震動)の発生原因
(トリガー)の1つは、圧延が進むに従って、ワークロ
ール粗度が低下し、ワークロールと圧延材の摩擦係数が
低くなり、その結果、ロールバイト内の潤滑が過多とな
る状態が発生し、それに伴い、先進率が負(すなわち、
中立点がロールバイトの外へ飛び出した状態)となり、
圧延が不安定化することであると言われてきた(例え
ば、鉄と鋼、第73 (1987)第10号、p.1358) 。
【0005】一方、最近のブリキ材の製品動向である硬
質・薄ゲージ化に伴い、生産性向上のために圧延速度の
さらなる高速化が進められており、1800m/minを超える
高速圧延が行われている。そして、このような製品の生
産工程では、潤滑が不足することに起因するチャタリン
グが発生し、高速圧延の阻害要因となっている。以上か
らわかるように、チャタリング現象は圧延潤滑性の影響
を大きく受け、特に高速圧延域では潤滑不足に寄因した
チャタリングの発生が問題となる。
【0006】これまでに、チャタリングを防止する技術
としては、特公平3−50602号公報に記載される技
術が知られている。この技術は、圧延機のハウジングに
振動計を設置してハウジング振動を検出し、チャタリン
グ現象を特徴づける振動数、すなわち圧延機の固有振動
数だけをフィルターにより抽出し、フィルター通過後の
振動速度(ISO2372等に使用されている値)が一
定値を超えた時に、圧延条件を調整することによりチャ
タリング発生に伴う板厚変動および板破断を未然に防止
するものである。圧延条件の具体的な調整方法として
は、圧延速度を減速する方法、タンデム圧延機の圧下ス
ケジュールを変更する方法、およびエマルション圧延油
のスプレー流量を変更する方法が提示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
3−50602号公報に記載されている、圧延条件を調
整する方法のいずれも、高速圧延条件下では十分な効果
を発揮できないという問題があった。すなわち、圧延速
度を減速する方法では、チャタリングを防止できるが、
高速圧延速度を達成できない。また、圧下スケジュール
を変更する方法では、各スタンドのロール周速比を変更
することにより圧下スケジュールを変更することになる
が、高速圧延条件下でのロール周速比の急激な変動は、
スタンド間張力の急激な変動をもたらし、圧延を不安定
化させ、場合によっては板破断発生の原因となる。
【0008】また、エマルション圧延油のスプレー流量
を調整する方法に関しては以下のような問題点があっ
た。すなわち、循環式圧延油供給系統を有する冷間タン
デム圧延機においては、圧延油を冷却水とあらかじめ混
合、攪拌して作ったエマルション圧延油を、潤滑および
冷却の目的で、ロールバイト近傍のワークロール表面に
ノズルからスプレーしている(「板圧延の理論と実
際」、日本鉄鋼協会偏、P.208)。このようなエマルシ
ョン圧延油のスプレー系において、ワークロールに供給
するエマルション圧延油の流量(以下、ロールクーラン
ト流量、と称す)を調整する方法は、最終スタンド出側
の板速度が1800m/minにも達する高速圧延条件下では十
分な効果を得られなかった。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、循環式圧延油供給系統を有する冷間タンデム
圧延機で1800m/minを超える高速圧延を行なう場合に
も、チャタリングによる異常板厚の発生および板破断の
発生を未然に防止し、欠陥の無い冷間圧延鋼板を製造す
る方法を提供することを課題とする。
【0010】
【問題を解決するための手段】前記課題を解決する第1
の手段は、冷間連続圧延機により冷間圧延鋼板を製造す
る方法であって、冷間連続圧延機のスタンドのチャタリ
ングが検出されたとき、当該スタンド又は当該スタンド
とその上流側スタンドのロールバイトより離れた上流側
の鋼板に循環式圧延油供給系統のエマルション圧延油を
スプレーし、かつ、その流量を調整することによってチ
ャタリングを防止しながら冷間圧延を行う工程を有して
なることを特徴とする冷間圧延鋼板の製造方法(請求項
1)である。
【0011】本発明者らは、上記の課題達成のために、
タンデム圧延機におけるエマルション圧延油のスプレー
流量の調整によるチャタリング防止方法に関し、鋭意検
討を重ねた。この方法に着目した理由は、チャタリング
の発生が、圧延潤滑性の影響を大きく受けるという事実
から、圧延潤滑性を制御する方法がチャタリング防止に
は最も有効であると考えたためである。
【0012】チャタリングを防止するためには、ハウジ
ングの振動を検知し、圧延機の固有振動数と同じ振動数
だけをフィルターにより抽出し、フィルター通過後の振
動速度が一定値を越えたときに、チャタリングが発生し
たと判断する前述の方法等により、チャタリングの発生
を検出し、エマルション圧延油のスプレー流量の調整に
より圧延潤滑性を大きく制御できることが必要である。
この点を確認するために、ロールクーラント流量と摩擦
係数の関係を調査した。
【0013】図5は全5スタンドのタンデム圧延機にお
ける循環式圧延油供給系統のエマルション・スプレー用
ヘッダーの配置を示す。ロールクーラントは、スタンド
の入側および出側に設置されている。入側ロールクーラ
ントは潤滑と冷却を兼ねており、出側ロールクーラント
はロール冷却のためのものである。
【0014】なお、入側ロールクーラントが潤滑として
機能するメカニズムは、以下の通りである。すなわち、
上側ワークロール表面に直接衝突した一部のエマルショ
ン粒子(油粒)が油膜としてワークロール表面に付着
し、鋼板上面側においては付着しなかったエマルション
圧延油は鋼板面上に滞留し、さらに鋼板板上面側にも油
分が付着する。そして、水分とプレートアウトしなかっ
たエマルション圧延油は板端から落下する。一方、下側
ワークロールにスプレーされたエマルション圧延油のう
ち、直接ロール表面に衝突したエマルション粒子の一部
がロール表面に油膜として付着するだけで、鋼板上に滞
留することなく直ちに落下する。このエマルション圧延
油中の油粒が鋼板およびロール表面に付着する現象は、
プレートアウトと呼ばれている。このワークロールおよ
び鋼板表面のプレートアウト層はロールバイト内に導入
され、潤滑油膜として機能する。
【0015】図6は、図5に示すタンデム圧延機におい
て、最終スタンドの速度1000m/minの低速圧延条件と、1
800m/minの高速圧延条件のときに、チャタリングの発生
頻度の高い最終スタンド(No.5スタンド)を対象と
し、入側ロールクーラント流量と摩擦係数の関係を調査
した結果である。なお、ロールクーラント流量は、上下
スプレーヘッダーの合計流量である。
【0016】これによると、速度1000m/minの場合、ロ
ールクーラント流量を増加させる程、摩擦係数は大きく
低下し、ロールクーラント流量の調整により摩擦係数、
すなわち圧延潤滑性を大きく制御できることがわかる。
一方、速度1800m/minの場合、速度1000m/minよりも摩擦
係数は高く、潤滑状態が悪化することがわかる。また、
速度1800m/minの場合、一定のロールクーラント流量を
超えると摩擦係数の変化がほとんど見られなくなり、ロ
ールクーラント流量の調整では摩擦係数を一定の値より
も低くすることができないこと、すなわち圧延潤滑性を
改善できないことがわかる。このことは、高速圧延条件
下で問題となる潤滑不足に起因したチャタリングを防止
するのに、ロールクーラントの流量調整では、十分な効
果を得られないことを示唆する。
【0017】速度1800m/minの摩擦係数が高くなる理由
の一つとしては、圧延速度が高くなると、スプレー時間
の低下によりエマルション圧延油の鋼板単位面積当りの
供給量が低下し、プレートアウト量が低下することが挙
げられる。もう一つの理由として、以下に詳述するが、
エマルション圧延油のプレートアウトが、鋼板のスプレ
ー面に到達してからの時間に依存する現象の影響が挙げ
られる。
【0018】また、速度1800m/minのときに、一定のロ
ールクーラント流量を超えると、一定の摩擦係数よりも
下げられなくなる現象も、エマルション圧延油のプレー
トアウトが、鋼板のスプレー面に到達してからの時間に
依存する現象と関係している。
【0019】上述した、エマルション圧延油のプレート
アウトが、鋼板のスプレー面に到達してからの時間に依
存する現象について、以下に詳説する。エマルション圧
延油が鋼板およびロールにスプレーされる場合に、油分
が水から分離し油膜(プレートアウト層)を生成する。
これは、水に油滴が分散したいわゆるO/W型(水中に
油滴が分散)のエマルションがW/O型(油中に水滴が
分散)のエマルションあるいは油単層に転相し、油分が
スプレー面に展着する現象である。この過程はスプレー
されると瞬時に起こるのではなく、転相といった遷移過
程(反応)に起因するため、時間依存過程であると考え
られる。それに所要する時間は短時間かもしれないが、
いずれにしてもある時間を必要とすることは言うまでも
ない。発明者らは、このような転相のための時間(以
下、転相時間と称す)が、プレートアウト性に大きな影
響を与えると考えた。
【0020】発明者らは、上記の転相時間がプレートア
ウト性に及ぼす影響を確認するため、図7に示すプレー
トアウト試験方法により、エマルション圧延油のプレー
トアウト性と転相時間の関係を調査した。このプレート
アウト試験方法は、所定の温度に加熱した鋼板サンプル
(試料板)を自由落下により所定の速度を与え、落下途
中の鋼板サンプルの表面にエマルション圧延油をスプレ
ーし、その下方の所定距離だけ離れた位置にエアブロー
ノズルを設け、サンプル上の未転相のエマルションを吹
き飛ばし、鋼板サンプルに転相したプレートアウト層
(油膜)のみを評価する。プレートアウト量は、脱脂前
後の鋼板サンプルの重量を電子天秤等で測定する方法で
計測する。
【0021】図8にプレートアウト試験結果を示す。こ
れによると、プレートアウト量は転相時間に大きく依存
し、転相時間が短くなるとプレートアウト量は低下す
る。この結果は、実際の圧延において、ロール周速およ
び鋼板速度が上昇すると、エマルション圧延油が供給さ
れてからロールバイトに到達するまでの時間、すなわ
ち、転相時間が短くなる効果により、プレートアウト量
が減少し、これに伴いロールバイトへの導入油量が低下
することを示唆している。
【0022】以上のプレートアウト試験の結果に基づ
き、図6に示したロールクーラント流量と摩擦係数の関
係について、転相時間の観点からの解釈を以下に述べ
る。速度1000m/minよりも速度1800m/minで圧延したとき
の摩擦係数の方が全体的に高くなるのは、スプレー時間
の低下によりエマルション圧延油の鋼板単位面積当りの
供給量が低下する効果と、転相時間が短くなる効果によ
りプレートアウト量が低下し、ロールバイトへの導入油
量の低下することが原因である。
【0023】また、ロールクーラント用スプレーヘッダ
ーを用いる場合、1800m/minの高速圧延条件下では、ロ
ール表面にエマルション圧延油がスプレーされてからロ
ールバイトに噛み込まれるまでの時間は非常に短く、エ
マルションの転相時間を十分に確保できないと考えられ
る。このように、十分な転相時間を確保できない状況下
では、プレートアウトしにくなるため、エマルション圧
延油のスプレー流量を増やしても、プレートアウト量の
増加しない現象が発生すると考えられる。
【0024】速度1800m/minにおいて、一定のロールク
ーラント流量を超えると、摩擦係数が変化しなくなるの
は、上述したように十分な転相時間の得られないことが
原因と推定される。これに対し、速度1000m/minのとき
に、ロールクーラント流量を変更し、より低い摩擦係数
まで変更できるのは、低速であるため、転相時間を確保
でき、ロールクーラント流量に応じてプレートアウト量
を変更できるからであると考えられる。
【0025】以上の検討結果は、最終スタンドの速度18
00m/minを越える高速圧延条件下では、チャタリングを
防止するためにロールクーラント流量を変更しても、圧
延潤滑性を制御できないため、十分な効果を得られない
ことを示唆している。
【0026】以上のような知見に基づき、本発明者ら
は、1800m/min以上の高速圧延条件下でも圧延潤滑性を
大きく変更できる方法について鋭意検討した結果、ロー
ルバイト入側より可能な限り離れた上流スタンド側に近
い鋼板位置にクーラントヘッダーを設置し、循環式圧延
油供給系統のエマルション圧延油をスプレーし、その流
量を調整する方法を見出した。この方法について、以下
に詳細に述べる。
【0027】図9は、No.5スタンド(最終スタンド)
のロールクーラント用スプレーヘッダーの設置位置をロ
ールバイト入側より離れた上流スタンド側の位置に移設
し、鋼板表面へ向けてスプレーするようにした場合の、
スプレーヘッダーの配置を示すものである。スプレーヘ
ッダーAは、従来のロールクーラント用のスプレーヘッ
ダーであり、スプレーヘッダーB、C、Dは、ロールバ
イト入側より各々0.5m、1.5m、2.5m離れた位置に設置し
たものである。
【0028】なお、スタンド間距離は4.5mであるが、ス
タンド間にはテンションロールやデフレクターロール
(デフロール)が設置されており、これよりも上流側で
エマルション圧延油をスプレーしても、テンションロー
ルやデフロールにより絞られるため、実際には、ロール
バイト入側より最大限に離れたスプレーヘッダーの位置
は、スタンド間のテンションロールやデフロールの直後
となる。これに相当するのが、図9中のスプレーヘッダ
ーDである。
【0029】図10は、図9に示すタンデム圧延機にお
いて、最終スタンドの速度1800mpmで圧延したときに、
最終スタンド入側で鋼板表面へ向けたスプレー流量(以
下、ストリップクーラント流量と称す)と最終スタンド
の摩擦係数の関係を調査した結果である。スプレーヘッ
ダーの取り付け位置をロールバイトより離し、上流スタ
ンド側に近づけるほど、ストリップクーラント流量の変
更による摩擦係数の変更範囲は広くなり、また、同じス
トリップ・クーラント流量のときの摩擦係数も低くな
る。また、一定のスプレー流量が一定値を越えると一定
の摩擦係数で飽和する現象も解消される傾向にある。
【0030】図11は、圧延材表面の付着油量の調査結
果である。なお、ストリップクーラント流量がゼロのと
きに、鋼板付着油量がある値をもつのは、上流スタンド
で圧延後に、鋼板上に圧延油が残存しているためであ
る。これによると、鋼板付着油量は摩擦係数と対応して
おり、スプレーヘッダーの取り付け位置をロールバイト
より離し上流スタンド側へ近づけるほど多くなる。
【0031】この理由は以下の通りである。すなわち、
速度1800m/minを越える高速圧延条件下においても、鋼
板へエマルション圧延油をスプレーする位置を、ロール
バイトより離れた上流スタンド側に近づけるほど、プレ
ートアウトの転相時間を確保でき、プレートアウト層を
形成しやすくなる。すなわち、同じストリップクーラン
ト流量でも、転相時間を長く取るほどプレートアウト量
は多くなり、従って、ストリップクーラント流量の変更
に対するプレートアウト量の変化も大きくなる。その結
果として摩擦係数の変化も大きくなる。
【0032】なお、上記ストリップ・クーラントの流量
制御を行なう圧延スタンドは、チャタリングの発生した
スタンド、又はチャタリングの発生したスタンドとその
上流側のスタンドとするのが有効であるが、実際には、
発生頻度の高い最終スタンド、もしくは、最終スタンド
とその1つ上流側のスタンドとするのが望ましい。
【0033】また、本手段において、「ロールバイトよ
り離れた上流側」とは、従来のストリップ・クーラント
の位置より上流側であることを示すものであるが、前述
のように、ロールバイトよりの距離が離れれば離れるほ
ど効果が大きくなる。また、「エマルション圧延油の流
量を調整する」とは、チャタリングが発生した場合に、
例えば、チャタリングの程度によりその流量を変更する
(チャタリングが大きければ流量を大きくする)とか、
チャタリングが解消するまで、順次流量を増加させると
か、種々の方法が考えられる。
【0034】また、「当該スタンド又は当該スタンドと
その上流側スタンドのロールバイトより離れた上流側の
鋼板に循環式圧延油供給系統のエマルション圧延油をス
プレーし、」とは、実プロセスにおいては、このような
ことを行う圧延機において、循環式圧延油供給系統のエ
マルション圧延油をスプレーする配管をロールバイト位
置より離れた上流側に設けておき、チャタリングが発生
しない場合にもこの配管よりスプレーを行っておき、チ
ャタリングが発生した場合に、その流量を変化させる方
法をも含むものである。もちろん、チャタリングが発生
しない場合は、ロールバイト近くの配管(従来技術の配
管)よりエマルション圧延油のスプレーを行い、チャタ
リングが発生したときのみ、ロールバイト位置から離れ
たスプレーからエマルション圧延油を切り換えて、又は
重複してスプレーするようにしてもよいが、設備的、制
御の安定性からは、同一配管からスプレーする方が好ま
しい。
【0035】前記課題を解決するための第2の手段は、
冷間連続圧延機により冷間圧延鋼板を製造する方法であ
って、循環式圧延油供給系統とは別に圧延油供給系統を
設け、冷間連続圧延機のスタンドのチャタリングが検出
されたとき、循環式圧延油供給系統よりも大きな平均粒
径となるように調整したエマルション圧延油を、前記別
圧延油供給系統より、当該スタンド又は当該スタンドと
その上流側スタンドのロールバイトより離れた上流側の
鋼板にスプレーし、かつ、その流量を調整することによ
ってチャタリングを防止しながら冷間圧延を行う工程を
有してなることを特徴とする冷間圧延鋼板の製造方法
(請求項2)である。
【0036】また、前記課題を解決するための第3の手
段は、前記第2の手段であって、エマルション圧延油の
平均粒径が20μm以上であることを特徴とするもの
(請求項3)である。
【0037】2500m/minを越える超高速圧延の場合、ス
トリップ・クーラント用スプレーヘッダーの取り付け位
置をロールバイト入側から上流スタンド側へ最大限に近
づけても、十分な転相時間の確保が困難となり、前記第
1の手段による循環系統のエマルション圧延油のストリ
ップ・クーラントの流量制御では、十分な効果の得られ
ない場合がある。
【0038】発明者らは、十分な転相時間の確保が困難
となる2500m/min以上の超高速圧延条件下でも、ストリ
ップ・クーラント流量の調整により圧延潤滑性を大きく
変更できる方法について鋭意検討した結果、循環式圧延
油供給系統よりも大きな平均粒径となるように調整した
エマルション圧延油を、ロールバイトから離れた上流ス
タンド側の鋼板位置でスプレーし、その流量を調整する
方法を見出した。この方法について、以下に詳述する。
【0039】一般的に、循環式圧延油供給系統で用いら
れるエマルション圧延油は循環使用されるため、乳化分
散性が重視され、平均粒径の小さいエマルション圧延油
が用いられる。この理由は、平均粒径の大きいエマルシ
ョン圧延油を用いると、圧延により発生する摩耗粉や鋼
板が持ち込む鉄粉などの混入により、エマルション粒子
は容易に崩壊し、乳化分散性が経時的に変化しやすくな
り、それに伴い、圧延の不安定化、鋼板表面の光沢性の
変化などの発生が問題となるためである。
【0040】これに対し、図12は、牛脂系圧延油にカ
チオン系界面活性剤を添加し、循環系統のエマルション
圧延油の平均粒径が10μmである場合に、これよりも平
均粒径の大きい20μmのエマルションを図9に示すスプ
レーヘッダーDより鋼板表面にスプレーした場合の、圧
延速度2500m/minにおけるストリップ・クーラント流量
とNo.5スタンドの摩擦係数の関係を示す。比較として
循環系統と同じ平均粒径10μmのエマルション圧延油を
スプレーした場合の摩擦係数も示す。
【0041】図12を見ると分かるように、平均粒径20
μmの方が摩擦係数は低くなっている。また、平均粒径1
0μmの場合には、一定のストリップ・クーラント流量以
上で摩擦係数が飽和する現象が見られるが、平均粒径20
μmの場合には、この現象は見られなくなる。また、図
13は圧延材表面の付着油量の測定結果を示すものであ
るが、平均粒径20μmのエマルションの方が付着油量は
多く、摩擦係数と対応している。
【0042】図14は、圧延速度2500m/minにおいて、
エマルション圧延油の平均粒径を5〜30μmの範囲で変
更し、流量を0〜4000L/minの範囲で変更したときの、摩
擦係数の変化量とエマルション平均粒径の関係を示すも
のである。これによると、平均粒径の増加とともに摩擦
係数の変化量は増加し、特に、平均粒径が20μm以上で
摩擦係数の変化量が急激に拡大する。
【0043】上述した結果は、エマルション圧延油の平
均粒径が大きくなると、プレートアウト量が増加するた
め、エマルションの供給量の変更に対する摩擦係数の変
化が大きくなるためである。
【0044】以上より、循環系統よりも平均粒径の大き
いエマルション圧延油を、ロールバイトより離れた上流
スタンド側の鋼板位置でスプレーし、その流量を調整す
ることで、圧延速度2500m/minでも圧延潤滑性を制御で
きることがわかる。また、前述のように、スプレーする
エマルション圧延油の平均粒径を20μm以上とすること
で、高速圧延における摩擦係数を急激に低減することが
できる。
【0045】なお、平均粒径の大きいエマルション圧延
油は循環式圧延油供給系統のエマルション圧延油には適
さないので、循環式圧延油供給系統よりも大きな平均粒
径となるように調整したエマルション圧延油を、前記別
圧延油供給系統より、スプレーする場合でも、こうした
操作を行わない上流側スタンド(例えば全5スタンドの
圧延機の場合No.1〜No.3スタンド)においては、通常
(従来の)循環式圧延油供給系統から、従来と同様の平
均粒径のエマルション圧延油を供給するようにしてい
る。
【0046】また、「当該スタンド又は当該スタンドと
その上流側スタンドのロールバイトより離れた上流側の
鋼板にスプレーし、」とは、実プロセスにおいては、こ
のようなことを行う圧延機において、チャタリングが発
生しない場合にも別圧延油供給系統よりこの配管より循
環式圧延油供給系統よりも大きな平均粒径となるように
調整したエマルション圧延油のスプレーを行っておき、
チャタリングが発生した場合に、その流量を変化させる
方法をも含むものである。
【0047】もちろん、このようなスタンドにおいて
も、従来の循環式圧延油供給系統の圧延油をロールバイ
ト近くに設け、チャタリングが発生しない場合は、ロー
ルバイト近くの配管(従来技術の配管)より循環式圧延
油供給系統のエマルション圧延油のスプレーを行い、チ
ャタリングが発生したときのみ、別圧延油供給系統のス
プレーから大きな平均粒径のエマルション圧延油を切り
換えて、又は循環式圧延油供給系統からスプレーされる
エマルション圧延油に重複してスプレーするようにして
もよいが、設備的、制御の安定性からは、チャタリング
が発生しない場合でも、別圧延油供給系統の配管より循
環式圧延油供給系統よりも大きな平均粒径となるように
調整したエマルション圧延油のスプレーを行う方が方が
好ましい。
【0048】前記課題を解決するための第4の手段は、
前記第2の手段又は第3の手段であって、循環式圧延油
供給系統よりも大きな平均粒径となるように調整された
エマルジョン圧延油が、循環式圧延油供給系統と同一種
類・同一の対油分濃度とされており、鋼板表面に付着し
なかった別圧延油供給系統のエマルション圧延油を、循
環式圧延油供給系統のエマルション圧延油に合流させる
ことを特徴とするもの(請求項4)である。
【0049】また、前記課題を解決するための第5の手
段は、前記第4の手段であって、エマルション圧延油を
循環式圧延油供給系統よりも大きな平均粒径となるよう
に調整する方法が、循環式圧延油供給系統と同一種類・
同一の対油分濃度の圧延油に、循環式圧延油供給系統と
同一種類・同一の対油分濃度の界面活性剤を添加して攪
拌器の回転数を調整する方法であることを特徴とするも
の(請求項5)である。
【0050】前述のように、平均粒径の大きいエマルジ
ョン圧延油をスプレーすることは、高速圧延における摩
擦係数の低下に効果があるのであるが、一方、前述した
ように、平均粒径の大きいエマルション圧延油は循環式
圧延油供給系統のエマルション圧延油には適さないとい
う問題がある。これに対し、循環式圧延油供給系統とは
別に圧延油供給系統を設け、圧延油原油、界面活性剤、
および希釈水を新たに調合し、平均粒径の大きいエマル
ション圧延油を作成して鋼板表面にスプレーする方法も
考えられる。しかし、鋼板表面にスプレーされた後、鋼
板表面にプレートアウトしない分は、循環系統のエマル
ション圧延油と合流されるため、循環系統のエマルショ
ン圧延油の乳化分散性への影響を最小化する必要があ
る。
【0051】上述した課題について鋭意検討した結果、
別圧延油供給系統のエマルション圧延油に添加する乳化
分散のための界面活性剤を循環式圧延油供給系統と同一
種類・同一の対油濃度とすればよいことを見出し、さら
に、平均粒径の調整をタンクに設置された攪拌器の回転
数による機械的攪拌条件の調整により行なうことを見出
した。
【0052】図15は、攪拌機における攪拌回転数と平
均粒径の関係を示すものであるが、これによると、別系
統のエマルション・タンクの攪拌器の回転数の調整によ
り平均粒径の大きいエマルション圧延油を建浴できるこ
とがわかる。
【0053】また、別圧延油供給系統から鋼板表面に供
給されるエマルション圧延油のうち、鋼板表面にプレー
トアウトしなかったエマルション圧延油は循環式圧延油
供給タンクに合流するが、循環式圧延油供給系統のエマ
ルション・タンク内での強攪拌、および循環系統内のポ
ンプおよびノズルでの強いせん断を繰り返し受けると、
循環系統のエマルション圧延油と同じ平均粒径の小さい
エマルションになる。このため、循環式圧延油供給系統
の乳化分散安定性を維持することができる。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を
図を用いて説明する。図1は、全5スタンドのタンデム
圧延機において、本発明を実施する場合の設備の1例で
ある。図1は、請求項1に係る発明をチャタリング発生
頻度の高い最終スタンドに適用した場合の実施の形態で
ある。
【0055】以下の図において、1はワークロール、2
はバックアップロール、3はストリップ、4aは従来の
潤滑用クーラントヘッダー、4bは冷却用クーラントヘ
ッダー、5は本発明における潤滑用クーラントヘッダ
ー、6は循環式圧延油供給タンク、7はエマルジョン供
給用ポンプ、8は圧延油供給ライン、9a、9bは流量
制御弁、10は流量制御弁、11は回収オイルパン、1
2は戻り配管、13はアジテータ、14はミルハウジン
グ、15は振動計、16は演算器、17はストリップ・
クーラント流量制御装置、18は平均粒径の大きいエマ
ルション圧延油の貯蔵タンク、19は温水タンク、20
は圧延油原油タンク、21は界面活性剤タンク、22
a、22b、22cはポンプ、23a、23b、23c
はバルブ、24はアジテータ、25はエマルション供給
用ポンプ、26は圧延油供給ラインを示す。圧延機の構
造、ストリップ・クーラントシステムの構成等に付いて
は、周知のものであるので、説明を省略する。
【0056】本発明によれば、No.5スタンド入側のス
トリップ・クーラント用のスプレーヘッダーの設置位置
は、No.4スタンドの出側ロールバイトの直後とすると
エマルションの転相時間を最も長くできる。しかし、ス
タンド間には、テンションロールやデフロールが設置さ
れており、これよりも上流側でエマルション圧延油をス
プレーしてもテンションロールやデフロールにより絞ら
れるため、十分なプレートアウト量を得られなくなる。
これを回避するために、本実施の形態においては、潤滑
用クーラントヘッダー5を、スタンド間のテンションロ
ール及びデフロールの直後に設置している。ロールバイ
トからの位置は、L=2.6m程度である。
【0057】装置6は、循環式圧延油供給系統のエマル
ション圧延油の貯蔵タンクである。エマルション圧延油
は、攪拌器16の回転数の調整により、所望の平均粒径
に調整される。例えば、カチオン系界面活性剤を用いた
場合、平均粒径9〜15μmであったが、それ以外の乳化
型界面活性剤の場合、9μm以下になる場合もある。そ
して、ポンプ7により、圧延油供給ライン8を経由して
各スタンドに供給され、No.5スタンド入側のストリッ
プ・クーラント用のスプレーヘッダー5、No.1〜4ス
タンドの入側のロール・クーラント用のスプレーヘッダ
ー4a、No.1〜5スタンド出側に設置されたロール冷
却用のロール・クーラント用のスプレーヘッダー4bに
供給される。各スタンドでは、流量制御弁9a、9bに
よりエマルション供給量を制御するが、No.5スタンド
入側のストリップ・クーラント用のスプレーヘッダー5
については、流量調整弁10を設置してある。各スタン
ドに供給されたエマルション圧延油は、回収オイルパン
11により回収され、戻り配管12を経由してタンク6
に戻され、循環使用される。
【0058】最終スタンドのハウジング14には、振動
計15が設置されている。この振動計15から出力され
る信号は、演算器16に入力され、圧延機の固有振動数
と同じ振動数だけがフィルターにより抽出され、フィル
ター通過後の振動速度が計算される。そして、一定の振
動速度をチャタリング発生の閾値とし、実際の振動速度
との比較演算がなされ、閾値を超えたときにストリップ
・クーラント流量制御装置17に制御信号を出力する。
【0059】この制御信号を受けると、ストリップ・ク
ーラント流量制御装置17は、ストリップ・クーラント
流量を一定量だけ増加させるするように、流量調整弁1
0の開度を制御する。この工程は、振動速度が、チャタ
リング発生の閾値を下回るまで繰り返し実施され、スト
リップ・クーラント流量は適正値に修正される。なお、
一回の工程で変更されるストリップ・クーラント流量
は、流量変更に伴う板振動の発生が問題にならない最大
流量とし、あらかじめ調査により決定しておく。
【0060】なお、上記実施の形態は、最終スタンドに
本発明を適用するとして説明したが、本発明はこれに限
るものではなく、図2に示すように、最終スタンドおよ
びその上流側スタンドに適用してもよい。また、チャタ
リングが検出されたスタンド(例えばNo.5スタンド)
だけでなく、その前方のスタンド(例えばNo.4スタン
ド)においても、ロールバイトから離れた位置に設けら
れた潤滑用クーラントヘッダー5からのストリップ・ク
ーラントの流量を調整するようにしてもよい。
【0061】図3は、本発明の実施の形態の他の例を実
施する設備の1例であり、全5スタンドのタンデム圧延
機の最終スタンドに適用した場合である。スプレーヘッ
ダーの配置、循環式圧延油供給系統、振動計およびスト
リップ・クーラント制御装置などに関しては、図1に示
された設備と同じである。
【0062】図3中の装置18は循環式圧延油供給系統
よりも平均粒径の大きなエマルション圧延油を貯蔵する
タンクである。温水、圧延油原油、界面活性剤は、各タ
ンク19、20、21より供給ポンプ22a、22b、
22cを経由し、所定の油分濃度、界面活性剤の対油濃
度となるように流量調整弁23a、23b、23cで補
給量を調整され、エマルション貯蔵タンク18へ供給さ
れる。タンク内のエマルション濃度、界面活性剤の対油
濃度、およびエマルション温度は、循環式圧延油供給系
統と同一とする。タンク内の平均粒径は、攪拌器24の
回転数の調整により循環式圧延油供給系統よりも平均粒
径の大きなエマルションとする。
【0063】例えば、基油を牛脂とし、乳化分散剤にカ
チオン系分散型の界面活性剤を対油濃度0.6%添加する
場合、循環式圧延油供給系統のタンク6内で建浴される
エマルションの平均粒径は約9〜10μmとなる。これ以
外の乳化型界面活性剤の場合は、循環系統で9μm以下
となる場合もある。これに対し、別系統のタンク18内
の平均粒径は30μmとなるように調整される。
【0064】この平均粒径の大きいエマルション圧延油
は、ポンプ25により、圧延油供給ライン26を経由し
てスプレーヘッダー5よりストリップの上下面に供給さ
れる。ストリップ・クーラント流量は、ハウジング14
に設置された振動計出力に基づき、演算器16、ストリ
ップ・クーラント流量制御装置17を経由し、振動速度
が、チャタリング発生の閾値を下回るように制御され
る。
【0065】鋼板へのスプレー後、鋼板にプレートアウ
トしないエマルション圧延油は、回収オイルパン11に
て、循環系エマルションとともに回収され、戻りライン
12を経由して循環式圧延油供給タンク6内に混入す
る。混入後、タンク内の攪拌器13により攪拌され、さ
らに循環系統内のポンプ7およびスプレーヘッダーのノ
ズル部での強いせん断を繰り返し受け、循環系エマルシ
ョンと同じ粒径まで細分化され、タイトなエマルション
となる。
【0066】上記実施の形態は、最終スタンドに本発明
を適用するとして説明したが、本発明はこれに限るもの
ではなく、図4に示すように、最終スタンドおよびその
上流側スタンドに適用してもよい。また、チャタリング
が検出されたスタンド(例えばNo.5スタンド)だけで
なく、その前方のスタンド(例えばNo.4スタンド)に
おいても、ロールバイトから離れた位置に設けられた潤
滑用クーラントヘッダー5からのストリップ・クーラン
トの流量を調整するようにしてもよい。
【0067】
【実施例】(実施例1)図1に示す全5スタンドの冷間
タンデム圧延機を用い、母材厚1.8mm、板幅900mmの硬質
ブリキ原板を仕上げ厚0.183mmまで、目標速度1850m/min
で圧延した。比較例として、No.5スタンド入側でロー
ルクーラントをスプレーする従来方式でも同じ材料を圧
延した。圧延油は合成エステル系(40℃における動粘度
53cSt)を用い、濃度3.5%とした。また、乳化型界面
活性剤を対油分濃度0.3wt%添加し、タンク内にて十分
な攪拌を加えた後、平均粒径7μm、温度60℃のエマル
ションとした。
【0068】圧延機の固有振動数は220Hzである。圧延
機の固有振動数と同じ振動数だけをフィルターにより抽
出した後の振動速度が0.4mm/sを越えると板厚変動が生
じ、さらに0.5mm/sを越えるとミル振動が可聴域に達
し、板破断等が発生する。そこで、チャタリング発生の
振動速度の閾値を0.3mm/sと定めた。
【0069】図16は、チャタリング発生時に従来方式
の最終スタンド入側のロール・クーラント流量を制御し
た場合の、圧延速度、振動速度、ロール・クーラント流
量、および摩擦係数の関係を示す。最終スタンドの速度
が1500m/minを越えたあたりで、振動速度が0.3mm/sを超
えた。このときの摩擦係数も、速度上昇に伴い急激に上
昇している。振動速度0.3mm/sを超えた後、ロールクー
ラント流量は増加されたが、No.5スタンドの摩擦係数
に変化はみられず、振動速度も0.3mm/s以下にすること
ができなかった。このため、以降の圧延は、振動速度を
0.3mm/s以下にするために圧延速度を1350m/minまで落と
して行われた。
【0070】これに対し、図17は、本発明(請求項
1)を最終スタンドに適用した場合の、圧延速度、振動
速度、摩擦係数、およびストリップ・クーラント流量の
関係を示す。本発明を適用した場合の方が摩擦係数は低
くなっている。これは、本発明に従って、ストリップ・
クーラント用のスプレー・ヘッダーをロールバイトから
上流側に離れた位置とすることで、エマルションの転相
時間を確保でき、従来のロールクーラントを用いるより
もプレートアウト量が上昇するためである。速度1700m/
minを越えた辺りで振動速度が0.3mm/sを越えたが、スト
リップ・クーラント流量は段階的に増加され、これに伴
い振動速度は徐々に低下した。このとき、摩擦係数も低
下しているのがわかる。ストリップ・クーラント流量
は、振動速度が0.3mm/sを下回るまで増加された。以
降、圧延速度は徐々に上げられ、速度1850m/minまで加
速できた。
【0071】以上の結果が示すように、本発明(請求項
1)を用いることにより、速度1800m/minの高速圧延条
件下でもストリップ・クーラント流量の変更により圧延
潤滑性を制御できるため、振動速度をチャタリングによ
る板厚変動および板破断の発生しないレベルに保持した
まま、高速圧延を達成できる。
【0072】図18は、請求項1の発明を適用した場合
のチャタリング発生による板破断および板厚変動等の発
生頻度の例をまとめた結果である。図に見られるよう
に、本発明の適用により、チャタリングによる異常板厚
の発生および板破断を大きく低減できた。
【0073】また、図19は、本発明(請求項1)の実
施例と従来方式の、平均圧延速度の分布を示すものであ
るが、本発明を用いることにより、平均圧延速度は従来
方式の1320m/minから1810m/minに改善できた。
【0074】(実施例2)図3に示す全5スタンドの冷
間タンデム圧延機を用い、母材厚2.3mm、板幅900mmの硬
質ブリキ原板を仕上げ厚0.200mmまで、目標速度2550m/m
inで圧延した。比較例として、No.5スタンド入側でロ
ールクーラントをスプレーする従来方式でも同じ材料を
圧延した。圧延油は牛脂(40℃における動粘度43cSt)
を用い、濃度3.5%とした。また、カチオン系分散型の
界面活性剤を対油分濃度0.6wt%添加し、タンク内にて
十分な攪拌を加えた後、平均粒径9μm、温度60℃のエ
マルションとした。また、本発明(請求項5)により、
別圧延油供給系統のエマルション圧延油の濃度、添加す
る界面活性剤の対油分濃度、および温度は循環系統と同
一とし、平均粒径はタンク内の攪拌回転数の調整により
20μmとされた。圧延機の固有振動数は実施例1と同様
に220Hzであり、チャタリング発生の振動速度の閾値も
実施例1と同一とした。
【0075】図20は、従来方式の場合の、圧延速度、
振動速度、ロールクーラント流量、および摩擦係数の関
係を示す。最終スタンドの速度1650m/minを越えたあた
りで、振動速度が0.3mm/sを超えた。この時の摩擦係数
も速度上昇に伴い、急激に上昇している。これに対し、
ロールクーラント流量は振動速度0.3mm/sを越えた後に
増加されたが、摩擦係数に変化はみられず、振動速度も
0.3mm/s以下にすることができなかった。このため、振
動速度を0.3mm/s以下にするために、以降の圧延は、速
度1550m/minまで落として行われた。
【0076】これに対し、図21は、本発明(請求項
5)を最終スタンドに適用した場合の、圧延速度、振動
速度、ストリップ・クーラント流量、および摩擦係数の
関係の例を示す。従来方式の場合と比較すると、本実施
例におけるストリップ・クーラント流量の方が低い。こ
れは、本発明のストリップ・クーラント用のスプレー・
ヘッダーの位置の方が転相時間を確保でき、さらに平均
粒径の大きいエマルション圧延油を用いているため、従
来のロールクーラントを用いるよりもプレートアウト量
が上昇するためである。
【0077】最終スタンドの速度2000m/minを越えたあ
たりで、振動速度が0.3mm/sを越えたが、ストリップ・
クーラント流量は段階的に増加され、これに伴い振動速
度は徐々に低下した。そして、振動速度が0.3mm/sを下
回るまでストリップ・クーラント流量は増加された。ま
た、ストリップ・クーラント流量の増加と共に、摩擦係
数も低下しているのがわかる。以降、圧延速度が徐々に
上げられ、速度2350m/minでも振動速度が0.3mm/secを越
えたが、同様なストリップ・クーラント流量の制御が行
なわれ、最終的には速度2550m/minまで加速できた。
【0078】図22は、本実施例を行ったときの、循環
系統タンク6のエマルション圧延油の粒径分布を調査し
た結果である。比較として、従来方式を用いた場合の粒
径分布も示す。これによると、両者はほぼ一致してい
る。これより、請求項5の発明によれば、循環系統より
も平均粒径の大きいエマルション圧延油を用いても、循
環系統タンク6内のエマルション圧延油の乳化分散性を
保持できることがわかる。
【0079】以上の結果が示すように、請求項5の発明
を用いることにより、速度2500m/min以上の超高速圧延
条件下でもクーラント流量の変更により圧延潤滑性を制
御できるため、振動速度をチャタリングによる板厚変動
および板破断の発生しないレベルに保持したまま、高速
圧延を達成できる。また、平均粒径の大きいエマルショ
ン圧延油を用いても、循環系統タンクの乳化分散性を安
定に保持できる。
【0080】図23は、チャタリング発生による板破断
および板厚変動等の発生頻度をまとめた結果である。こ
れより、本発明の適用により、チャタリングによる異常
板厚の発生および板破断を大きく低減できることが分か
る。また、図24は、請求項5の発明の実施例と従来方
式の、平均圧延速度の分布を示すものであるが、これを
見るとわかるように、本発明を用いることにより、平均
圧延速度は、従来方式の1510m/minから2520m/minに改善
できた。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1に係る発明によれば、高速圧延状態においても、チ
ャタリングが発生したとき、ストリップ・クーラント流
量を調整することにより、摩擦係数を変化させることが
でき、これによってチャタリングを解消することができ
る。よって、安定した状態で、高速圧延により冷延鋼板
を製造することができる。
【0082】請求項2に係る発明においては、さらに高
速の圧延速度領域で、チャタリングが発生したとき、エ
マルション圧延油流量を調整することにより、摩擦係数
を変化させることができ、これによってチャタリングを
解消することができる。よって、安定した状態で、さら
に高速な圧延により冷延鋼板を製造することができる。
【0083】請求項3に係る発明においては、さらに確
実に摩擦係数を低減することができ、高速な圧延によ
り、安定した状態で、冷延鋼板を製造することができ
る。
【0084】請求項4に係る発明、請求項5に係る発明
においては、循環系統のエマルション圧延油の乳化分散
性への影響を最小化することができる。
【0085】いずれの発明においても、チャタリングの
防止により、板破断、板厚変動に伴う品質欠陥を大幅に
減少させることが可能となる。また、高速圧延が可能と
なり、生産性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための圧延機の構成の第1の
例を示す図である。
【図2】本発明を実施するための圧延機の構成の第2の
例を示す図である。
【図3】本発明を実施するための圧延機の構成の第3の
例を示す図である。
【図4】本発明を実施するための圧延機の構成の第4の
例を示す図である。
【図5】従来のスプレーヘッダーの配置位置を示す図で
ある。
【図6】従来の入側ロールクーラント流量と摩擦係数の
関係を示すグラフである。
【図7】プレートアウト試験装置の概要を示す図であ
る。
【図8】プレートアウト試験結果(転相時間とプレート
アウト量の関係)を示すグラフである。
【図9】第5スタンド入側のストリップ・クーラント用
のスプレーヘッダーの取り付け位置を示す図である。
【図10】ストリップ・クーラント流量と摩擦係数の関
係を示すグラフである。
【図11】ストリップ・クーラント流量と鋼板付着油量
の関係を示すグラフである。
【図12】ストリップ・クーラント流量と摩擦係数の関
係を示すグラフである。
【図13】ストリップ・クーラント流量と鋼板付着油量
の関係を示すグラフである。
【図14】エマルション平均粒径と摩擦係数の変更範囲
の関係を示すグラフである。
【図15】攪拌回転数と平均粒径の関係を示すグラフで
ある。
【図16】従来方式によるチャタリング防止効果を示す
図である。(実施例1の比較例)
【図17】実施例1によるチャタリング防止効果を示す
図である。
【図18】請求項1に係る発明の実施例と従来方式の圧
延における板厚変動および板破断の発生頻度を比較して
示した図である。
【図19】請求項1に係る発明の実施例と従来方式の圧
延方法における最高圧延速度を比較して示した図であ
る。
【図20】従来方式によるチャタリング防止効果を示す
図である(実施例2の比較例)
【図21】実施例2によるチャタリング防止効果を示す
図である。
【図22】実施例2における循環系統タンク内の粒径分
布を示す図である。
【図23】請求項5に係る発明の実施例と従来方式の圧
延における板厚変動および板破断の発生頻度を比較して
示した図である。
【図24】請求項5に係る発明の実施例と従来方式の圧
延方法における最高圧延速度を比較して示した図であ
る。
【符号の説明】
1…ワークロール、2…バックアップロール、3…スト
リップ、4a…従来の潤滑用クーラントヘッダー、4b
…冷却用クーラントヘッダー、5…本発明における潤滑
用クーラントヘッダー、6…循環式圧延油供給タンク、
7…エマルジョン供給用ポンプ、8…圧延油供給ライ
ン、9a、9b…流量制御弁、10…流量制御弁、11
…回収オイルパン、12…戻り配管、13…アジテー
タ、14…ミルハウジング、15…振動計、16…演算
器、17…ストリップ・クーラント流量制御装置、18
…平均粒径の大きいエマルション圧延油の貯蔵タンク、
19…温水タンク、20…圧延油原油タンク、21…界
面活性剤タンク、22a、22b、22c…ポンプ、2
3a、23b、23c…バルブ、24…アジテータ、2
5…エマルション供給用ポンプ、26…圧延油供給ライ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 幸雄 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4E002 AD05 BA01 BC02 BC08 CA08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷間連続圧延機により冷間圧延鋼板を製
    造する方法であって、冷間連続圧延機のスタンドのチャ
    タリングが検出されたとき、当該スタンド又は当該スタ
    ンドとその上流側スタンドのロールバイトより離れた上
    流側の鋼板に循環式圧延油供給系統のエマルション圧延
    油をスプレーし、かつ、その流量を調整することによっ
    てチャタリングを防止しながら冷間圧延を行う工程を有
    してなることを特徴とする冷間圧延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 冷間連続圧延機により冷間圧延鋼板を製
    造する方法であって、循環式圧延油供給系統とは別に圧
    延油供給系統を設け、冷間連続圧延機のスタンドのチャ
    タリングが検出されたとき、循環式圧延油供給系統より
    も大きな平均粒径となるように調整したエマルション圧
    延油を、前記別圧延油供給系統より、当該スタンド又は
    当該スタンドとその上流側スタンドのロールバイトより
    離れた上流側の鋼板にスプレーし、かつ、その流量を調
    整することによってチャタリングを防止しながら冷間圧
    延を行う工程を有してなることを特徴とする冷間圧延鋼
    板の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の冷間圧延鋼板の製造方
    法であって、エマルション圧延油の平均粒径が20μm
    以上であることを特徴とする冷間圧延鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3に記載の冷間圧延
    鋼板の製造方法であって、循環式圧延油供給系統よりも
    大きな平均粒径となるように調整されたエマルジョン圧
    延油が、循環式圧延油供給系統と同一種類・同一の対油
    分濃度とされており、鋼板表面に付着しなかった別圧延
    油供給系統のエマルション圧延油を、循環式圧延油供給
    系統のエマルション圧延油に合流させることを特徴とす
    る冷間圧延鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の冷間圧延鋼板の製造方
    法であって、エマルション圧延油を循環式圧延油供給系
    統よりも大きな平均粒径となるように調整する方法が、
    循環式圧延油供給系統と同一種類・同一の対油分濃度の
    圧延油に、循環式圧延油供給系統と同一種類・同一の対
    油分濃度の界面活性剤を添加して攪拌器の回転数を調整
    する方法であることを特徴とする冷間圧延鋼板の製造方
    法。
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WO2011064834A1 (ja) 2009-11-24 2011-06-03 三菱電機株式会社 永久磁石型回転電機及びこれを用いた電動パワーステアリング装置
CN102451836A (zh) * 2010-10-29 2012-05-16 株式会社日立制作所 轧制控制装置和轧制控制方法
CN104550264A (zh) * 2014-12-24 2015-04-29 中冶南方(武汉)威仕工业炉有限公司 用于测量气体冷却段带钢振动情况的系统和方法

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