JP2008213023A - 冷間圧延方法および冷間圧延装置 - Google Patents

冷間圧延方法および冷間圧延装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ストリップやロールバイトへの圧延油原液の供給効率に優れ、潤滑不足は勿論のこと、作業環境の悪化を招くことのない冷間圧延方法を提供する。
【解決手段】圧延油原液を圧延スタンド入側に供給するに際し、主ノズルから、圧延油原液をストリップまたはロールバイト入側にミスト状で噴射すると同時に、該主ノズルの外側に設けられた副ノズルから、該ミスト状の圧延油原液を周囲の大気と遮断するための圧縮気体を噴射する。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷間圧延方法および冷間圧延装置に関し、特に冷間圧延の際に、圧延油原液のストリップ(金属帯)またはロールバイトへの供給を好適に行おうとするものである。
一般に、ストリップの冷延圧延時には、圧延性を向上させるためにストリップに圧延油を供給する。その際に使用される一般的な圧延油供給方法としては、水と圧延油を混合したエマルション状態のクーラントを、ノズルからストリップに噴射する方式が採られている。エマルションの作製に際しては、所定量の油を水に添加したのち、撹拌およびポンプによるせん断を加えてエマルション液とする。
なお、冷間圧延におけるエマルション圧延油の供給方式には、直接式圧延油供給方式(ダイレクト方式という)と循環式圧延油供給方式(リサーキュレーション方式)とがある。
直接式圧延油供給方式(ダイレクト方式)は、潤滑の目的で高濃度のエマルション圧延油を鋼板にスプレーすると共に、冷却の目的で水をロールにスプレーするため、潤滑性と冷却性に優れている。しかしながら、循環方式の場合と異なり、エマルション圧延油を循環使用しないために、圧延油の原単位が高い。
一方、循環式圧延油供給方式(リサーキュレーション方式)は、圧延油と冷却水をあらかじめ混合、撹拌して作成した低濃度のエマルション圧延油を、循環させながら潤滑と冷却の目的でストリップおよびロールにスプレーするため、圧延油の原単位は低い。しかしながら、直接式圧延油供給方式に比べると、潤滑性および冷却性に劣る。
そのため、従来の循環方式では、特に仕上板厚が0.2mm以下の薄物材の高速圧延時には潤滑不足となり、チャタリングと呼ばれる圧延機の振動や、ヒートスクラッチと呼ばれる表面庇が発生するため、圧延速度を上げられないという問題があった。
これに対し、エマルション潤滑の潤滑性を改善した従来技術として、特許文献1,2に開示のような、圧延油原液をロールバイトやストリップに供給するいわゆるニート潤滑が開発され、ステンレス鋼板の圧延においてはすでに実用化されている。このニート潤滑でのプレートアウトは、エマルション潤滑の場合と異なり、鋼板付着時の油膜形成時間(転相時間)を必要とせず、またプレートアウトの妨げとなる水の影響がない、といった点で有効な手段である。しかしながら、圧延油原液の比重が水に比べて小さいため、圧延油原液をミスト化すると、霧化した圧延油原液が周囲に飛散し、ノズルから噴射した供給油量に対し、鋼板に到達する油量が少なくなるという問題があった。
この点については、ノズルから鋼板までのスプレー距離を縮めることで鋼板に到達する圧延油量を増加させることはできるが、圧延時にストリップ破断が生じた場合には、スプレーヘッダーが被災する危険性がある。
特開2005−074493号公報(特許請求の範囲、図面等) 特開2005−205432号公報(特許請求の範囲、図面等)
一方で、昨今の冷間圧延機においては、火災防止、作業環境改善を目的として圧延機ミル内のクリーン化が指向されているが、特許文献1,2の技術では、周囲に飛散した圧延油原液が圧延機ミル周りに付着し、ミル汚れの悪化を招く。また、圧延機ミルに付着した圧延油は鉄粉などの異物を抱き込みやすいため、ハウジングからのボタ落ちによってストリップに再付着した場合、ロール噛み込み庇を発生させるおそれがある。
本発明は、上述したニート潤滑の問題を有利に解決するもので、ストリップやロールバイトへの圧延油原液の供給効率に優れ、潤滑不足は勿論のこと、作業環境の悪化を招くことのない冷間圧延方法を、その実施に使用して好適な冷間圧延装置と共に提供することを目的とする。
さて、発明者等は、ストリップやロールバイトに供給する圧延油原液の供給効率を向上させるべく鋭意検討を重ねた結果、以下に述べる知見を得た。
(1) 圧延油原液をミスト化する時の供給条件、特に圧縮気体の圧力が高まると、圧縮気体によるせん断効果によって圧延油原液が小径化するため、霧化しやすい状態となり、周囲に飛散してしまう。しかしながら、霧化した圧延油原液が周囲に飛散しないように、ミストノズルの外周に周囲の大気と遮断するための気体噴流(副流)を噴射するようにすれば、この副流が気体壁となるため、圧延油原液の飛散が効果的に抑制され、ミストノズルから供給された圧延油原液を効率よくストリップやロールバイトに供給させることができる。
(2) 高速圧延域では、圧延速度の上昇とともにスプレー時間が短くなり、鋼板の単位面積当たりの供給圧延油量が減少するため、プレートアウト特性の高いニート潤滑を用いることが効果的である。
(3) 圧延油原液の飛散による供給ロスが解消されるため、圧延速度や鋼種、サイズ、圧延サイクルといった圧延条件に応じてスプレー供給条件を変更しても、圧延油原液の供給ロスなしに、目的とする供給油量に設定された圧延油原液をストリップやロールバイトに均一に付着させることができる。
(4) ニート潤滑であるため、従来のエマルション潤滑のようにプレートアウト量を確保するための油膜形成時間、すなわちエマルションが供給されてから送板速度に応じてロールバイトに到達するまでの時間の設定が不要となる。従って、圧延機内でのスプレー位置の制約を受けることなく、潤滑性を向上させることができる。
(5) 圧延油原液が圧延機ミル周りに飛散しないため、作業環境の改善が図れるだけでなく、飛散圧延油による火災発生の危険性を低減することができる。
本発明は上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.冷間圧延において圧延油原液を圧延スタンド入側に供給するに際し、主ノズルから、圧延油原液をストリップまたはロールバイト入側にミスト状で噴射すると同時に、該主ノズルの外周に設けられた副ノズルから、該ミスト状の圧延油原液を周囲の大気と遮断するための圧縮気体を噴射することを特徴とする冷間圧延方法。
2.圧延スタンドの入側に、圧延油を供給する圧延油供給装置をそなえる冷間圧延装置において、該圧延油供給装置が、圧延油原液をミスト状で噴射する主ノズルと、主ノズルの外周に設けられ、主ノズルから噴射されたミスト状の圧延油原液を周囲の大気と遮断するための圧縮気体を噴射する副ノズルとを備えていることを特徴とする冷間圧延装置。
3.前記主ノズルが、ストリップ幅方向に噴射角度を有するノズルからなることを特徴とする上記2記載の冷間圧延装置。
本発明では、圧延油原液を周囲に飛散させることなく、ストリップやロールバイトに供給できるため、圧延油ロスによる原単位の悪化を防止しつつ潤滑不足を解消することができる。また、ニート潤滑であるため、従来のエマルション潤滑のように油膜形成時間の確保が不要となるため、圧延機内でのスプレー位置制約を受けることなく、潤滑性を向上させることができる。さらに、圧延油原液が圧延機ミル周りに飛散しないため、作業環境の改善が図れるだけでなく、飛散圧延油による火災の危険性を低減することができる。
以下、本発明を図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は、本発明に係る圧延油供給装置の好適例の構成概要図であり、全5スタンドの循環式圧延油供給タンデムミルの各スタンド間に圧延油原液ミストの供給を適用した場合である。この例で、圧延油原液ミストの供給を各スタンド間としたのは、従来設備の能力不足を安価な改造で改善する目的ならびに高強度鋼板等の難圧延材対策としてスポット的に使用する目的で、本発明を従来の冷間圧延方法に適用する場合を想定したからである。
なお、本発明において、圧延油原液ミストの供給を適用する圧延機スタンドは、単スタンドの場合にはそのスタンドに、また複数スタンドの場合は、全部のスタンドまたは任意のスタンドのいずれでもよい。
図1において、符号1はワークロール、2はバックアップロール、3はストリップ、4aは潤滑用クーラントヘッダー、4bは冷却用クーラントヘッダーである。また、5は循環式圧延油供給タンク、6はエマルション供給用ポンプ、7は圧延油供給ライン、8,9は流量制御弁、10は回収オイルパン、11は戻り配管、12は攪拌機である、さらに、13は圧延油原液タンク、14は圧延油原液用ギアポンプ、15は圧延油原液供給ライン、16は供給条件調整用コントローラー、17は速度計、18は気体供給ライン、19はコンプレッサー、そして20がミストノズルヘッダーである。
さて、図1に示したとおり、冷間圧延機の圧延油供給装置は、潤滑用クーラントヘッダー4a、冷却用クーラントヘッダー4bおよび循環式圧延油供給タンク5を備えている。このタンク5は、潤滑用エマルション圧延油を貯蔵するタンクであり、撹拌機12が設けられている。タンク5は、圧延油供給ライン7を通してNo.1〜5の各スタンドのクーラントヘッダー4a,4bと連通し、このライン7にはポンプ6が介在している。
循環式圧延油供給タンク5内には、温水および圧延油原液が収容され、混合される。収容された混合物は、撹拌機12の撹拌羽の回転数を調整することにより所望の平均粒径を有するエマルション圧延油とされる。エマルション圧延油は、エマルション供給用ポンプ6によりポンプ圧送され、ライン7を経由してNo.1〜5の各スタンドに供給され、各スタンド入側の潤滑用スプレーヘッダー4aおよび各スタンド出側の冷却用スプレーヘッダー4bからそれぞれロールバイトおよびワークロールに向けてスプレー供給される。供給されたエマルション圧延油のうち、ストリップ3から落下した分は、回収オイルパン10で回収され、戻り配管11を経由してタンク5内に戻される。このエマルション圧延油のスプレー供給は、圧延開始時から行われる。
圧延油原液タンク13に接続された圧延油原液供給ライン15には、圧延油原液用ギアポンプ14、流量制御弁9が介装されていて、吐出する圧延油の供給流量を高応答で制御可能となっている。上記流量制御弁9は、供給条件調整用コントローラー16からの指令によって吐出流量を調整する。
流量制御弁9で所定流量に調整された圧延油原液は、ミストノズルヘッダー20に送られる。ミストノズルヘッダー20で使用される気体は、コンプレッサー19を介して気体供給ライン18により圧送され、ミストノズルヘッダー20に供給される。ミストノズルヘッダー20は、ストリップ3の上方および下方の両方に位置するように分岐して配置されており、供給されてきた所定流量の圧延油原液をストリップ3の表面に向けて単独または複数のノズルから噴射可能となっている。ここで、圧縮気体としては、N2ガス、H2ガス、エアー、Arガス、Heガス等の単体または混合気体が有利に適合する。
上記のミストノズルヘッダー20は、図2に断面図を拡大して示すように、ノズル先端部は断面中心部に圧延油原液と圧縮気体を混合した圧延油原液ミスト24を送り出す主ノズル21と、この主ノズル21の外周に圧縮気体のみで構成された副噴流25を送り出す副ノズル22と、主ノズル21および副ノズル22との間を仕切る仕切り管23を有している。そして、ミストノズルヘッダー20によってミスト状となった圧延油原液が周囲に飛散することなしに、ストリップ3またはロールバイトに送り出されるようになっている。
但し、本発明において、ノズルの先端形状および内部構造は、この例に限定されるものではない。すなわち、副ノズル22は、図2に示したように、主ノズル21の外周を取り巻いていることが好ましいが、ミストノズルヘッダー20の配置によっては、ストリップ3の幅方向あるいは長手方向に対して副ノズル22が主ノズル21の両側のみに配置される構造としてもよい。
副噴流25の噴射方向は、圧延油原液ミスト24の広がりを抑制できるように、圧延油原液ミスト24の広がり角に対して平行な流れになるように噴射することが好ましい。というのは、副噴流25の噴射方向が、圧延油原液ミスト24の広がり角より狭くなってしまうと、圧延油原液ミスト24に対する副噴流25の衝突による干渉が発生し、エネルギー損失が大きくなるからである。
上記構成のミストノズルヘッダー20では、圧延油原液ミスト24が周囲に飛散しないように、ミストノズルの外周に周囲の大気と遮断するための副噴流25を噴射するため、圧延油原液ミスト24が飛散することがなく、ミストノズルヘッダー20から供給された圧延油原液は効率よくストリップやロールバイトに供給される。
供給条件調整用コントローラー16には、ワークロールの回転速度および出側板速度を検出する速度計17からの速度信号や鋼種、サイズデータが入力されると共に、予め設定されるストリップ3に対応した目標供給流量が入力される。この供給条件調整用コントローラー16は、ワークロールの回転速度および出側板速度から算出される先進率や鋼種、サイズ、サイクル条件といった圧延条件に応じて目標供給流量を変更して噴射圧延油原液量を求め、その噴射圧延油原液量となるように圧延油原液用ギアポンプ14の吐出流量や流量制御弁9を制御する。すなわち、供給条件調整用コントローラー16は、ミストノズルヘッダー20から供給される圧延油原液の供給流量を算出し、圧延油原液用ギアポンプ14および流量制御弁9に当該供給流量となる吐出流量の指令を送る。なお、圧延油原液の供給流量は、圧延ロールの表面粗度や圧下率、鋼種サイズ、先進率などによって決定される。このとき、圧延油が供給過多となりやすい低速圧延部やロール組み替え直前時および軟質材の場合には、ミストノズルヘッダー20からの噴射を中止し、それ以外の場合のみ、目標流量を設定するように調整しても良い。供給条件調整用コントローラー16で所定分量に調整された圧延油原液は、ミストノズルヘッダー20にて空気と混合され、ストリップ3の表面に向けてスプレー供給される 。
また、ストリップ面に均一に圧延油原液ミスト24を供給するには、主ノズルとして、ストリップの幅方向に噴射角度を有するノズルを用いることは有利である。
以上、述べたような方法によれば、圧延油原液の飛散による供給ロスが解消され、常に目標とする供給流量の圧延油原液を供給することができる、つまり従来のようにミストノズルヘッダー20から供給する圧延油の供給流量を高めに設定する必要がないので、圧延油原単位を抑えることができる。
また、圧延油原液の飛散が解消されることで圧延機ミル周りに付着する圧延油原液が低減し、作業環境が改善されるだけでなく、火災発生の危険性を軽減することができる。
さらに、副噴流を備えたミストノズルにより、所定流量の圧延油原液を広範囲かつ目標角度で噴射することが可能になるため、ストリップ3表面でのプレートアウトは均一となり、安定した潤滑性を得ることができる。
またさらに、ニート潤滑であるため、従来のエマルション潤滑のようにプレートアウト量を確保するための油膜形成時間、すなわちエマルションが供給されてから送板速度に応じてロールバイトに到達するまでの時間が、不要となる。従って、圧延機内でのスプレー位置の制約を受けることなく、潤滑性を向上させることができる。
なお、ミストノズルヘッダー20内では、圧縮気体量の調整によって圧延油原液の液滴径を調整することができる。この液滴径の平均は、100μm以下に調整することが好ましい。この場合には、供給条件調整用コントローラー16は、圧縮気体量調整手段を兼ねる。また、圧延油原液タンク13内での温度は、循環式圧延油供給系統と同じ温度とすることが好ましい。
また、ミストノズルヘッダー20から供給される圧延油原液の供給量が、10000mg/m2を超えると潤滑過多となり、安定した圧延操業が不可能となるため、10000mg/m2以下の範囲で供給するのが望ましい。とはいえ、圧延油原液の供給量が300mg/m2未満では、ミストノズルヘッダー20から圧延油原液を供給する効果が得られないため、300mg/m2以上の範囲で供給することが望ましい。なお、ミストノズルヘッダー20からの圧延油原液の供給油量は、ロール使用量や圧延材のサイズ、鋼種、先進率に応じて随時調整する。
ミストノズルヘッダー20から供給される副噴流25の吐出圧力は、圧延油原液ミスト24の吐出圧力と同等かまたはそれ以上とすることが望ましい。というのは、副噴流25の吐出圧力が低いと、圧延油原液ミスト24が周囲に飛散し、付着効率が低下するからである。
なお、図示していないが、スタンド間にはテンションロールやデフロールが設置されており、これよりも上流側で圧延油原液ミストをスプレーしてもテンションロールやデフロールにより絞られるため、十分なプレートアウト量を得ることができない。これを回避するために、この例では、スタンド間のテンションロールおよびデフロールの下流側にミストノズルヘッダー20を設置したのである。
ストリップ3へのスプレーの後、ストリップ3にプレートアウトしない圧延油原液ミストは、圧延油回収手段としての回収オイルパン10に集められ、従来設備の潤滑用クーラントと共に回収され、戻り配管11を経由して循環式圧延油供給タンク5内に戻される。回収されたクーラントは、タンク5内の撹拌器12により撹拌された後、ポンプ6ならびに潤滑用および冷却用クーラントヘッダー4a,4bのノズル部で強いせん断を繰り返し受け、循環系エマルションと同じ粒径まで細分化され、タイトなエマルションとなる。また、循環式圧延油供給タンク5に回収される圧延油原液ミストの量が、冷間圧延工程での圧延油ロス量よりも少ない場合は、必要に応じて循環式圧延油供給タンク5に圧延油原液を補給しても良い。
なお、本発明の適用時には、従来の冷間圧延方法の潤滑用クーラントヘッダー4aからの流量は、特に調整する必要はない。その理由は、本発明の2流体ノズルヘッダー(ミストノズルヘッダー20)からのニート圧延油によるプレートアウトが油膜形成に対して支配的であり、潤滑用クーラントヘッダー4aからのプレートアウトの影響は少ないからである。
ミストノズルヘッダー20からの吹き付けは、金属帯に対しては金属帯の表裏面に行うことが望ましいが、潤滑不良が片面のみで特徴的である場合には、表面のみまたは裏面のみの片面だけに行っても良い。また、圧延油が供給過多となりやすい低速圧延部やロール組み替え直前時および軟質材の場合については、ミストノズルヘッダー20からの噴射を中止しても良い。
また、上記圧延油原液タンク13は、通常、従来の冷間圧延方法でクーラントの補給に用いられる圧延油原液タンクと同一であるので、本発明では新たなタンクを設置する必要はない。
なお、上記の例では、5スタンドのスタンド間に適用する場合について主に説明したが、圧延油原液ミストの供給は、圧延機の単スタンドのみに適用しても良いし、複数スタンドのうちの全部または任意の複数のスタンドに適用しても良い。また、ミル形式についても、リバースミルまたはクラスターミル等などの形式の圧延機および調質圧延機でも適用可能である。さらに、ストリップとしては、金属製であれば特に制限はなく、鋼帯、ステンレス帯、アルミニウム帯および銅帯等などのストリップいずれにも適合する。
図1に示した全5スタンドの冷間タンデム圧延機を用い、各コイル毎の圧延油の使用量変化について検証した。圧延油としては、合成エステル油(40℃における動粘度:43 cSt)を用い、循環式圧延油供給手段のエマルション圧延油は、油分濃度:3%として、乳化型の界面活性剤を添加してタンク内にて十分な撹拌を加えた後、平均粒径:9μm、温度:60℃のエマルションとした。また、ミストノズルヘッダー20から供給される圧延油原液の温度は循環系統と同一とした。
本実施例では、ミストノズルヘッダー20からの圧延油原液供給は、供給条件調整用コントローラー16により圧延条件に応じた供給油量制御が可能な状態とし、各コイルについて、ミストノズルヘッダー20から供給される圧延油原液量を制御した。
なお、比較例では、本実施例と同じ圧延サイクルを組み、ミストノズルヘッダー20からの副噴流25はOFFとした上で、実施例1と同等の圧延荷重、摩擦係数となるようにミストノズルヘッダー20からの供給油量を制御する以外は、実施例1と同様にして冷間圧延を行った。
以上のような圧延油供給を行って、各コイル毎の圧延油原液の使用量を評価した。調査結果を図3に示す。
図3に示したように、本発明を適用した場合には、所定の圧延条件に達するまでの圧延油原液の使用量が比較例よりも少なくて済み、圧延油原単位の向上を図ることができた。なお、比較例で圧延油原液の使用量が多くなったのは、周囲に飛散してしまう圧延油原液ミストのロス分が含まれているためである。
次に、図4に、ミル汚れについて調べた結果を示す。実験は、圧延機内にサンプルを吊り下げ、圧延後に取り出した際の付着油分量を重量法により測定することにより行った。
図4から明らかなように、比較例に比べると、実施例1の油分付着量は少なく、ミル周りに圧延油が飛散していないことが確認された。
かくして、本発明によれば、圧延油原単位と潤滑性とを両立させた上で、作業環境にも優れた冷間圧延を実施できることが分かる。
本発明に係る圧延油供給装置の好適例の構成概要図である。 本発明に係るミストノズルヘッダーの断面図である。 実際の冷間圧延時におけるコイル毎の圧延油使用量を、実施例と比較例で比較して示したグラフである。 実際の冷間圧延時におけるミル汚れ性を、実施例と比較例で比較して示したグラフである。
符号の説明
1 ワークロール
2 バックアップロール
3 ストリップ
4a 潤滑用クーラントヘッダー
4b 冷却用クーラントヘッダー
5 循環式圧延油供給タンク
6 エマルション供給用ポンプ
7 圧延油供給ライン
8 流量制御弁
9 流量制御弁
10 回収オイルパン
11 戻り配管
12 アジテ一夕
13 圧延油原液タンク
14 圧延油原液用ギアポンプ
15 圧延油原液供給ライン
16 供給条件調整用コントローラー
17 速度計
18 気体供給ライン
19 コンプレッサー
20 ミストノズルヘッダー
21 主ノズル
22 副ノズル
23 仕切り管
24 圧延油原液ミスト
25 副噴流

Claims (3)

  1. 冷間圧延において圧延油原液を圧延スタンド入側に供給するに際し、主ノズルから、圧延油原液をストリップまたはロールバイト入側にミスト状で噴射すると同時に、該主ノズルの外周に設けられた副ノズルから、該ミスト状の圧延油原液を周囲の大気と遮断するための圧縮気体を噴射することを特徴とする冷間圧延方法。
  2. 圧延スタンドの入側に、圧延油を供給する圧延油供給装置をそなえる冷間圧延装置において、該圧延油供給装置が、圧延油原液をミスト状で噴射する主ノズルと、主ノズルの外周に設けられ、主ノズルから噴射されたミスト状の圧延油原液を周囲の大気と遮断するための圧縮気体を噴射する副ノズルとを備えていることを特徴とする冷間圧延装置。
  3. 前記主ノズルが、ストリップ幅方向に噴射角度を有するノズルからなることを特徴とする請求項2記載の冷間圧延装置。
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