JP2005074493A - 耐ヒートスクラッチ性に優れたニート潤滑冷間圧延方法 - Google Patents

耐ヒートスクラッチ性に優れたニート潤滑冷間圧延方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高生産性・潤滑油原単位向上を実現することのできる耐ヒートスクラッチ性に優れたニート潤滑冷間圧延方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも潤滑不足が生じる圧延条件下で、潤滑ノズル圧力を1MPa以上になるように制御しながら、該潤滑ノズルよりロールバイト部へ向けて圧延潤滑油を直接噴射供給することを特徴とする。また、前記潤滑ノズルの噴射圧力の制御に伴う前記圧延潤滑油の供給量の変化を、各圧延スタンド毎で使用する潤滑ノズル本数の増減により、および/または、ノズル圧力が変化しても供給量一定制御が可能な潤滑ノズルの使用により、相殺するように制御することを特徴とする。また、前記潤滑ノズル圧力を、ストリップの上下面で別々に制御することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐ヒートスクラッチ性に優れたニート潤滑冷間圧延方法に関し、特に、低粘度潤滑油をニートで(油のまま稀釈しないで)用いるステンレス鋼板の圧延に好適な、高生産性と油原単位向上を可能とする、耐ヒートスクラッチ性に優れたニート潤滑冷間圧延方法に関するものである。
ステンレス鋼板の圧延では、低粘度油をニートで供給するのが一般的であるが、圧延速度(ワークロール速度)を増大させたり、圧下率を増大させたりすると、ニート潤滑でもヒートスクラッチが発生しやすくなることが従来から知られている。ヒートスクラッチとは、ロールバイト内のワークロールと圧延材との界面温度が上昇しロールバイト内で油膜破断が生じた結果発生するワークロールと圧延材との金属接触による焼付き疵のことである。このようなヒートスクラッチが発生すると、圧延材に表面欠陥が生じるので歩留が低下するばかりでなく、ヒートスクラッチの生じた圧延機ではワークロール組み替えが必要なため生産性が著しく低下するという問題がある。
このような問題に対し、ヒートスクラッチの原因である潤滑不足を解消することで問題を解決しようとする発明がこれまで種々なされてきた。その中で、ノズルの供給圧力等を制御して潤滑不足を解消しようとする方法としては、以下のようなエマルション潤滑に関する例がある。すなわち、
(1)凝集剤を添加した上でノズル圧力を5kg/cm以上15kg/cm以下(0.5MPa以上1.5MPa以下)と規定した方法(特許文献1参照。)や、
(2)粒径やノズル位置と共にノズル圧力を規定した方法(特許文献2参照。)や、
(3)潤滑用と洗浄用クーラントの圧力を低圧に限定する方法(特許文献3参照。)や、
(4)チャタリングを防止するために低圧に制御する方法(特許文献4参照。)
等がある。いずれの方法もエマルション潤滑における技術である。
特開平07−009021号公報 特開2001−269710号公報 特開平06−339711号公報 特開平04−052003号公報
これら(1)〜(4)のような従来技術は、確かに潤滑性向上やチャタリング防止等に効果を発揮するが、これらはエマルション潤滑に関する技術である。しかし、本発明が対象としているニート潤滑冷間圧延方法に関しては、特に、圧力を制御して潤滑性を向上させる先行技術はない。
そこで、本発明は、圧延潤滑油のロールバイト内への引き込みを有利に促進させて、ステンレス鋼板等の難加工材の高速・高圧下圧延でもヒートスクラッチを生じ難く、高生産性を実現することが可能となるとともに、潤滑油原単位を向上させることが可能となる、耐ヒートスクラッチ性に優れたニート潤滑冷間圧延方法を提供することを目的とするものである。
本発明は上記したような従来法の問題点を解決するためのものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1) 少なくとも潤滑不足が生じる圧延条件下で、潤滑ノズル圧力を1MPa以上になるように制御しながら、該潤滑ノズルよりロールバイト部へ向けて圧延潤滑油を直接噴射供給することを特徴とする、耐ヒートスクラッチ性に優れたニート潤滑冷間圧延方法。
(2) 前記潤滑ノズルの噴射圧力の制御に伴う前記圧延潤滑油の供給量の変化を、各圧延スタンド毎で使用する潤滑ノズル本数の増減により、および/または、ノズル圧力が変化しても供給量一定制御が可能な潤滑ノズルの使用により、相殺するように制御することを特徴とする、上記(1)に記載の耐ヒートスクラッチ性に優れたニート潤滑冷間圧延方法。
(3) 前記潤滑ノズル圧力を、ストリップの上下面で別々に制御することを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の耐ヒートスクラッチ性に優れたニート潤滑冷間圧延方法。
本発明によれば、圧延速度を高速にし、また、高圧下圧延を行ってもヒートスクラッチの発生を抑えることが可能であり、その結果、高生産性を実現できると共に、潤滑油原単位向上を図ることができるため、産業上の効果は計り知れない。
難加工材として代表的なステンレス鋼板の圧延では、低粘度油をニート潤滑でロールや圧延材に向けてノズルで供給する方法が主流である。ロールバイト直近に至った潤滑油は、ロールバイト入側でロールと鋼板によって形成されるくさび効果によってロールバイトへ導入される(図1)。
本発明者らは、本発明を成す前の予備的な実験として、40℃で8cStの鉱油を用いた圧延実験を行って、圧延機出側の油膜厚を測定した。その結果、油供給量が一定であっても従来使用されている噴射圧力(0.1MPa程度)より高圧では、噴射圧力の増加と共に油膜厚が増加することを実験的に知見した(図2)。なお、ここでは、潤滑油はロールバイトへ直接供給する方法を採用した。
従来より、潤滑油は高圧下では粘度が増加することが知られており、粘度が増加すると引き込み効果によりロールバイトへの導入油量が増加すると考えられている。このような従来知見も踏まえ、ノズル圧力を増加させることにより圧延機出側油膜厚が増加した原因を推定するために、本発明者らは、以下の解析を行った。
まず、圧延機出側の油膜厚をhoutとし、圧下率rから下記式で図1の導入油膜厚hを推定した。
=1/(1−r)×hout ・・・(式1)
油膜厚hが実現される場所で材料が変形し始めるとして、その時の圧力は材料の降伏応力と判断した。更に、市販のEHL(弾性流体潤滑)解析ソフトを用いて入側で油膜厚hが実現される時の油溜まり開始部の圧力を計算した。本EHL解析ソフトでは油溜まり部の長さを仮定しなければならないため、油溜まり長を接触半幅bの2倍とした。図1のように−b部分の圧力が材料の降伏応力で、−2b部の圧力はEHLによって解けた時、その間の圧力分布を2次式と仮定すると、その時の積分平均圧力pを計算できる。そこで、種々の圧延条件・圧延潤滑油を用いて実験・解析した結果、積分平均圧力pと導入油膜厚hの間に相関があり、積分平均圧力が増加すると入口油膜厚hが増加することが判明した。
以上のことから、ノズル圧力を増加させたことにより油溜まり入口部の圧力が増加し、更には油溜まり部全体の圧力が増加したことによって潤滑油の粘度が増加し、圧延機出側の油膜厚が増加したと考えられる。しかし、ノズル圧力が1MPa未満では油溜まり入口部の圧力を十分に確保することが困難であったと予想される。1MPa以上では圧力が高いので、ロールバイト入口であたかも蓋をしたような状態になり、潤滑油の粘度が増加したと考えられる。このように蓋をしたような効果が得られなければ潤滑ノズルをいくら高圧にしてもこのような現象は得られないので、ノズルをロールバイトを狙って供給することは必須である。なお、図2の低圧域では蓋の効果が得られないため、多少ノズル圧力が変化しても導入される油膜厚には大きな影響はないと思われる。また、図2で圧力が高い方が油膜厚は増加するが、設備的に負荷が高くなるので、15MPa以下にする方が現状では望ましい。
本発明は、以上のような予備実験により、ノズル圧力を増加させることによって油膜厚が増加することを確認し、さらに、それを実機で実現する方法を鋭意検討して完成させたものである。すなわち、低速域で必要最低限度の油膜厚を確保できる程度に潤滑油の供給量とノズル圧力を設定する必要があり、また、高速や高圧下圧延を実施する際には導入油膜厚を増加させて潤滑不足を生じないようにしなければならないが、上述のようにノズル圧力が1MPa以上の時には圧力の増加と共に油膜厚は増加するので、その特性を利用して潤滑不足を回避しようとするものである。
但し、通常のノズル使用状況のままでは、圧力を増加させた場合には油の供給量も増加して油原単位が悪化してしまい、コストアップに繋がるので、油の供給量を一定に保つために潤滑ノズルの使用本数を減少させる方法をとると良い(図3)。この場合、ノズルの本数は限られているので段階的な制御しかできないが、現状の設備のままで設備改造の必要が無いので、低コストで実現することができる。また、公知の高機能を付加したノズルを導入する設備投資を行って、圧力を変化させて導入油膜厚を変化させたときにも油の供給量を一定に保つようにすることが可能である。この場合、ノズル圧力と供給量はノズル吐出口径によって決定されるので、ノズル吐出口径をオンラインで自在に制御可能なノズルを使用することにより、上述の効果を得ることができる。
また、潤滑油はロールバイトに直接供給しているとはいえ、ストリップ下面ではロールからの流れ落ちもあり、潤滑状態が上下等しくはないので、上下面別々に圧力を制御する方が、上下面で同等の効果を得るうえで好ましい実施の形態といえる。
以上のように、本発明では、潤滑不足が生じやすい場合にも、高圧でロールバイトに潤滑油を供給することが可能となり、十分な油膜厚が確保できるので圧延トラブルもなく高生産性と油原単位向上が達成される。
本発明の効果を確認するために、ノズル圧力を変化させてコイル圧延実験を行った。主な実験条件は次のとおりである。すなわち、実験に用いた圧延機は、図4で示すようなラボ圧延機であり、1a、1bはワークロール、2a、2bは中間ロール、3a、3bはバックアップロールである。4は圧延材で、板幅300mmのステンレス鋼で圧下率が11%(入側板厚0.25mm、出側板厚0.22mm)になるように設定した。5は潤滑油供給ノズルで、ここでは圧力を変化させたときに吐出口径を変化させることが可能な供給量一定ノズルを使用した。ワークロール径300mm、中間ロール径360mm、バックアップロール径600mmである。潤滑油はタンクで40℃に加熱したパラフィン系鉱油を用い、潤滑油供給量は5リットル/minとした。圧延速度を増加させていき、最高圧延速度600m/minで終了した。
まず、ノズル圧力を1.1MPa(圧延速度30m/min時)から1.8MPa(圧延速度600m/min時)まで速度に応じて線形に変化させた本発明範囲内の実施例では、圧延後にコイルを巻き解いて表面を観察したが、潤滑不足で生じるヒートスクラッチは生じていなかった。
次に、比較例として、圧延速度の低速域で設定したノズル圧力0.2MPa(圧延速度30m/min時)・潤滑油供給量を、高速域までそのまま変化させずに、同様の圧延実験を行ったところ、圧延速度400m/minの時にヒートスクラッチを生じていた。
圧力を変化させる際に供給量を一定に保つために使用するノズル本数を減少させることによる潤滑油供給法(図3(a)参照)によって圧延を行った。条件はノズル以外は上述の本発明の実施例の条件と一致させた。予めノズル圧力と供給量の関係を調査しておき、ノズル圧力を増加させたときには、図3のように板幅方向の左右均等にノズルからの供給を停止させた。この場合も上述の実験と同様にヒートスクラッチは生じなかった。
ロールバイト近傍の油溜まりの模式図と圧力分布を示す図である。 ノズル圧力と圧延機出側油膜厚の関係を示す図である。 本発明の圧延方法を現状設備で実現するための方法の例を示す図である。 本発明の実施例で使用したラボ圧延機を模式的に示す図である。
符号の説明
1a、1b:ワークロール
2a、2b:中間ロール
3a、3b:バックアップロール
4 :圧延材
5 :潤滑ノズル

Claims (3)

  1. 少なくとも潤滑不足が生じる圧延条件下で、潤滑ノズル圧力を1MPa以上になるように制御しながら、該潤滑ノズルよりロールバイト部へ向けて圧延潤滑油を直接噴射供給することを特徴とする、耐ヒートスクラッチ性に優れたニート潤滑冷間圧延方法。
  2. 前記潤滑ノズルの噴射圧力の制御に伴う前記圧延潤滑油の供給量の変化を、各圧延スタンド毎で使用する潤滑ノズル本数の増減により、および/または、ノズル圧力が変化しても供給量一定制御が可能な潤滑ノズルの使用により、相殺するように制御することを特徴とする、請求項1に記載の耐ヒートスクラッチ性に優れたニート潤滑冷間圧延方法。
  3. 前記潤滑ノズル圧力を、ストリップの上下面で別々に制御することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の耐ヒートスクラッチ性に優れたニート潤滑冷間圧延方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008213023A (ja) * 2007-03-07 2008-09-18 Jfe Steel Kk 冷間圧延方法および冷間圧延装置

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