JP2002282926A - 圧延制御方法 - Google Patents
圧延制御方法Info
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- JP2002282926A JP2002282926A JP2001090882A JP2001090882A JP2002282926A JP 2002282926 A JP2002282926 A JP 2002282926A JP 2001090882 A JP2001090882 A JP 2001090882A JP 2001090882 A JP2001090882 A JP 2001090882A JP 2002282926 A JP2002282926 A JP 2002282926A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 冷間タンデム圧延等の圧延制御方法に係り、
適正な圧延潤滑状態を維持することができる圧延制御方
法に関する。 【解決手段】 被圧延材を圧延した圧延実績情報に基づ
き、被圧延材への圧延油供給量を制御し、さらに必要に
応じて、前記被圧延材を圧延する圧延ロールへの圧延油
供給量を制御する。
適正な圧延潤滑状態を維持することができる圧延制御方
法に関する。 【解決手段】 被圧延材を圧延した圧延実績情報に基づ
き、被圧延材への圧延油供給量を制御し、さらに必要に
応じて、前記被圧延材を圧延する圧延ロールへの圧延油
供給量を制御する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷間タンデム圧延
等の圧延制御方法に係り、特に、鋼板等の金属帯を被圧
延材として圧延する際の被圧延材への圧延油供給量と、
さらに、必要に応じて、圧延ロールへの圧延油供給量を
制御して適正な圧延潤滑状態を維持することができる圧
延制御方法に関する。
等の圧延制御方法に係り、特に、鋼板等の金属帯を被圧
延材として圧延する際の被圧延材への圧延油供給量と、
さらに、必要に応じて、圧延ロールへの圧延油供給量を
制御して適正な圧延潤滑状態を維持することができる圧
延制御方法に関する。
【0002】なお、圧延ロールで金属帯を圧延する際の
潤滑用の圧延油としては、通常、圧延油と希釈水を混合
した圧延油エマルションが用いられる。ここでは、この
圧延油エマルションのことを単に圧延油と呼ぶ。また、
場合によって、エマルションとも呼ぶ。
潤滑用の圧延油としては、通常、圧延油と希釈水を混合
した圧延油エマルションが用いられる。ここでは、この
圧延油エマルションのことを単に圧延油と呼ぶ。また、
場合によって、エマルションとも呼ぶ。
【0003】
【従来の技術】圧延油は、圧延ロールを用いて被圧延材
である金属帯を圧延する際には不可欠であり、圧延ロー
ルと被圧延材の間の潤滑状態を良好に維持して圧延加工
を容易にし、かつ、被圧延材の表面を美麗に仕上げるこ
とを可能とする。ところが、このように圧延油を用いて
圧延を行う場合、圧延油の供給が適切になされないと、
被圧延材と圧延ロールの間に潤滑不足が生じてヒートス
トリークと呼ばれる焼き付き現象が発生し、圧延時に多
量の金属粉が発生して被圧延材表面に付着し、汚れが発
生することになる。また、逆に、過潤滑が生じた場合に
は、チャタリングと呼ばれるスリップ現象が発生する。
である金属帯を圧延する際には不可欠であり、圧延ロー
ルと被圧延材の間の潤滑状態を良好に維持して圧延加工
を容易にし、かつ、被圧延材の表面を美麗に仕上げるこ
とを可能とする。ところが、このように圧延油を用いて
圧延を行う場合、圧延油の供給が適切になされないと、
被圧延材と圧延ロールの間に潤滑不足が生じてヒートス
トリークと呼ばれる焼き付き現象が発生し、圧延時に多
量の金属粉が発生して被圧延材表面に付着し、汚れが発
生することになる。また、逆に、過潤滑が生じた場合に
は、チャタリングと呼ばれるスリップ現象が発生する。
【0004】そこで、通常の圧延操業においては、これ
らの焼き付き現象やスリップ現象等が発生しないように
圧延油の供給量を制御して、圧延ロールと被圧延材の間
の潤滑状況が良好となるように調整している。しかしな
がら、圧延ロールと被圧延材との潤滑状況は、被圧延材
の変形抵抗、圧下率、板厚、圧延速度、圧延ロール粗度
等の諸条件によって変化するため、最適な状態を維持す
ることは容易ではない。
らの焼き付き現象やスリップ現象等が発生しないように
圧延油の供給量を制御して、圧延ロールと被圧延材の間
の潤滑状況が良好となるように調整している。しかしな
がら、圧延ロールと被圧延材との潤滑状況は、被圧延材
の変形抵抗、圧下率、板厚、圧延速度、圧延ロール粗度
等の諸条件によって変化するため、最適な状態を維持す
ることは容易ではない。
【0005】多くの冷間圧延機において、圧延油の供給
方式として循環給油方式が採用されている。循環給油方
式は、潤滑と冷却の両機能を有するエマルションを多量
に吹き付ける方式であり、大容量のタンクから低濃度の
エマルションを大量に供給するこの方式では、諸条件の
変化に迅速に対応することは困難である。一方、難圧延
材を圧延する圧延機に多く採用されている方式に、高濃
度のエマルションを被圧延材に供給し、これとは別の系
統、例えば、各スタンドのロールの出側に冷却水を供給
する、いわゆる、直接給油方式がある。この直接給油方
式では、小容量のタンクでエマルションを作るために濃
度変更が比較的容易であるという利点がある。
方式として循環給油方式が採用されている。循環給油方
式は、潤滑と冷却の両機能を有するエマルションを多量
に吹き付ける方式であり、大容量のタンクから低濃度の
エマルションを大量に供給するこの方式では、諸条件の
変化に迅速に対応することは困難である。一方、難圧延
材を圧延する圧延機に多く採用されている方式に、高濃
度のエマルションを被圧延材に供給し、これとは別の系
統、例えば、各スタンドのロールの出側に冷却水を供給
する、いわゆる、直接給油方式がある。この直接給油方
式では、小容量のタンクでエマルションを作るために濃
度変更が比較的容易であるという利点がある。
【0006】ところが、直接給油方式の圧延油供給設備
を用いても、圧延油の濃度変更には、数分から30分程度
を要するため、瞬時の圧延条件の変化に対応することは
困難であった。また、濃度変更や、圧延油供給量変更に
よる調整を行う方式は、圧延油の付着効率の観点から見
ると、きわめて効率が悪い方式と言え、設備制約上も限
界がある。
を用いても、圧延油の濃度変更には、数分から30分程度
を要するため、瞬時の圧延条件の変化に対応することは
困難であった。また、濃度変更や、圧延油供給量変更に
よる調整を行う方式は、圧延油の付着効率の観点から見
ると、きわめて効率が悪い方式と言え、設備制約上も限
界がある。
【0007】また、従来の直接給油方式では、鋼帯(鋼
板)など被圧延材のみに圧延油を供給するため、上記問
題に加え、各スタンドの入側から圧延油を供給するとと
もに各スタンド出側から冷却水を供給する場合、前スタ
ンドで供給された冷却水により圧延油が洗い流されて、
鋼板表面に転相して吸着する圧延油の量が不充分とな
り、ヒートストリークが発生しやすくなるという問題が
あった。
板)など被圧延材のみに圧延油を供給するため、上記問
題に加え、各スタンドの入側から圧延油を供給するとと
もに各スタンド出側から冷却水を供給する場合、前スタ
ンドで供給された冷却水により圧延油が洗い流されて、
鋼板表面に転相して吸着する圧延油の量が不充分とな
り、ヒートストリークが発生しやすくなるという問題が
あった。
【0008】この問題を解決する方法としては、例え
ば、特開平9-141310号公報に開示の方法がある。この方
法は、冷間タンデム圧延においてヒートストリークを防
止して鋼板を高速安定圧延する方法に関するものであ
り、圧延油をワークロールの表面に供給する場合のヒー
トストリーク防止性能が、鋼板に供給する場合のヒート
ストリーク防止性能よりも優れることを見出して発明さ
れた技術である。
ば、特開平9-141310号公報に開示の方法がある。この方
法は、冷間タンデム圧延においてヒートストリークを防
止して鋼板を高速安定圧延する方法に関するものであ
り、圧延油をワークロールの表面に供給する場合のヒー
トストリーク防止性能が、鋼板に供給する場合のヒート
ストリーク防止性能よりも優れることを見出して発明さ
れた技術である。
【0009】特開平9-141310号公報では、鋼板表面に各
スタンドの入側で圧延油エマルションを供給し、更にワ
ークロール表面に、各スタンドの入側から圧延油エマル
ションを供給するとともに、各スタンドの出側から冷却
水を供給するに際し、ロールバイトに引き込まれる圧延
油の油膜を厚くすべく、鋼板表面に供給する圧延油エマ
ルションとワークロール表面に供給する圧延油エマルシ
ョンとの供給条件を、ワークロール表面に対する圧延油
エマルションの供給条件の方が、鋼板表面に対する圧延
油エマルションの供給条件に比較して圧延油の付着量が
大きくなるように異ならしめて圧延するもの、である。
スタンドの入側で圧延油エマルションを供給し、更にワ
ークロール表面に、各スタンドの入側から圧延油エマル
ションを供給するとともに、各スタンドの出側から冷却
水を供給するに際し、ロールバイトに引き込まれる圧延
油の油膜を厚くすべく、鋼板表面に供給する圧延油エマ
ルションとワークロール表面に供給する圧延油エマルシ
ョンとの供給条件を、ワークロール表面に対する圧延油
エマルションの供給条件の方が、鋼板表面に対する圧延
油エマルションの供給条件に比較して圧延油の付着量が
大きくなるように異ならしめて圧延するもの、である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ワーク
ロール表面に対する圧延油エマルションの供給条件の方
が、鋼板表面に対する圧延油エマルションの供給条件に
比較して、圧延油の付着量が大きくなるようにするため
には、例えば両者で圧延油エマルションの濃度を変更し
たり、温度を変更したりする必要がある。ここで、前者
の場合には、ワークロールへの圧延油エマルション用ミ
キシングタンクが新たに必要となり、また、後者の場合
には、ワークロール用圧延油エマルションと被圧延材用
エマルションで異なる温度とするための装置が新たに必
要となり、生産コストが上昇するという問題があった。
ロール表面に対する圧延油エマルションの供給条件の方
が、鋼板表面に対する圧延油エマルションの供給条件に
比較して、圧延油の付着量が大きくなるようにするため
には、例えば両者で圧延油エマルションの濃度を変更し
たり、温度を変更したりする必要がある。ここで、前者
の場合には、ワークロールへの圧延油エマルション用ミ
キシングタンクが新たに必要となり、また、後者の場合
には、ワークロール用圧延油エマルションと被圧延材用
エマルションで異なる温度とするための装置が新たに必
要となり、生産コストが上昇するという問題があった。
【0011】このような問題を解決する方式としては、
被圧延材を供給する圧延油エマルションと被圧延材に供
給する圧延油エマルションとを同じミキシングタンクか
ら供給し、ワークロール表面に供給する圧延油エマルシ
ョンの量を多くするということが考えられる。ところ
が、この場合、圧延ロールに圧延油エマルションを塗布
することにより、圧延ロールの摩耗が著しくなり、圧延
ロールの寿命が低下するという問題が発生することが判
明した。
被圧延材を供給する圧延油エマルションと被圧延材に供
給する圧延油エマルションとを同じミキシングタンクか
ら供給し、ワークロール表面に供給する圧延油エマルシ
ョンの量を多くするということが考えられる。ところ
が、この場合、圧延ロールに圧延油エマルションを塗布
することにより、圧延ロールの摩耗が著しくなり、圧延
ロールの寿命が低下するという問題が発生することが判
明した。
【0012】本発明は上記問題を解決して、圧延ロール
の寿命を大きく低下させることなく、適正な潤滑状態を
維持して被圧延材を圧延する圧延制御方法を提供するこ
とを目的とする。
の寿命を大きく低下させることなく、適正な潤滑状態を
維持して被圧延材を圧延する圧延制御方法を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧延油を供給
しながら被圧延材の金属帯を圧延する圧延制御方法であ
って、前記被圧延材の圧延実績情報に基づき、被圧延材
への圧延油供給量を制御し、さらに必要に応じて、前記
被圧延材を圧延する圧延ロールへの圧延油供給量を制御
することを特徴とする金属帯の圧延制御方法によって上
記課題を解決した。
しながら被圧延材の金属帯を圧延する圧延制御方法であ
って、前記被圧延材の圧延実績情報に基づき、被圧延材
への圧延油供給量を制御し、さらに必要に応じて、前記
被圧延材を圧延する圧延ロールへの圧延油供給量を制御
することを特徴とする金属帯の圧延制御方法によって上
記課題を解決した。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明においては、被圧延材の圧
延時の圧延実績情報に基づき、被圧延材への圧延油供給
装置と、あるいはさらに、圧延ロールへの圧延油供給装
置を用い、圧延潤滑状態を適正値に維持するように被圧
延材への圧延油供給量を制御し、さらに必要に応じ、圧
延ロールへの圧延油供給量を制御することにより、圧延
ロールの寿命を大きく低下させることなく、適正な圧延
潤滑状態を維持することを可能とし、焼き付き現象等の
潤滑不足、スリップ現象等の過潤滑状態を発生させるこ
となく、生産性の向上と品質の向上を図ることが可能と
なる。
延時の圧延実績情報に基づき、被圧延材への圧延油供給
装置と、あるいはさらに、圧延ロールへの圧延油供給装
置を用い、圧延潤滑状態を適正値に維持するように被圧
延材への圧延油供給量を制御し、さらに必要に応じ、圧
延ロールへの圧延油供給量を制御することにより、圧延
ロールの寿命を大きく低下させることなく、適正な圧延
潤滑状態を維持することを可能とし、焼き付き現象等の
潤滑不足、スリップ現象等の過潤滑状態を発生させるこ
となく、生産性の向上と品質の向上を図ることが可能と
なる。
【0015】以下、図面を参照し、金属帯を鋼帯(鋼板
ともいう)とし、冷間圧延に本発明の圧延制御方法を適
用した場合について説明する。本発明の好適な実施の形
態は、図1に示すように、圧延ロールへ噴射する圧延油
スプレーヘッダー4a、4bと、鋼板へ噴射する圧延油スプ
レーヘッダー5a、5bを、圧延スタンド2の入側に有し、
圧延スタンド2出側に設置されたロールクーラント噴射
スプレーヘッダー6a、6bにより冷却水(冷却用のクーラ
ント)を供給して圧延ロール3aを冷却する圧延機におい
て、圧延時の実績圧延データをもとに圧延潤滑状態を判
定し、後述する方法にしたがって圧延油の供給量を調整
する場合の制御例である。
ともいう)とし、冷間圧延に本発明の圧延制御方法を適
用した場合について説明する。本発明の好適な実施の形
態は、図1に示すように、圧延ロールへ噴射する圧延油
スプレーヘッダー4a、4bと、鋼板へ噴射する圧延油スプ
レーヘッダー5a、5bを、圧延スタンド2の入側に有し、
圧延スタンド2出側に設置されたロールクーラント噴射
スプレーヘッダー6a、6bにより冷却水(冷却用のクーラ
ント)を供給して圧延ロール3aを冷却する圧延機におい
て、圧延時の実績圧延データをもとに圧延潤滑状態を判
定し、後述する方法にしたがって圧延油の供給量を調整
する場合の制御例である。
【0016】上記の冷間圧延機では、圧延ロールへ噴射
する圧延油スプレーヘッダー4a、4bと、鋼板へ噴射する
圧延油スプレーヘッダー5a、5bに、圧延油ミキシングタ
ンク7から圧延油を供給するようになっている。圧延油
ミキシングタンク7では、圧延油と水を混合させ、圧延
油エマルション7aとなる。前述の圧延ロールの磨耗を防
止するために、通常の圧延状態では、鋼板へ噴射する圧
延油の供給ポンプ10のみを用い、鋼板へ噴射する圧延油
配管11を経由して鋼板1へ圧延油をスプレーする。被圧
延材の圧延実績情報である実績圧延データから圧延潤滑
状態が適正か否かを判定する。なお、圧延実績情報とし
ては、圧延スタンドにおける摩擦係数や圧延荷重などを
用いればよい。圧延潤滑状態が、適正範囲でない場合に
は、その値に応じて圧延油の供給量を増減する。また、
鋼板へ噴射する圧延油供給量の変更量は、設備能力、あ
るいは、経済効率の観点から、予め許容できる上限値を
設けておき、その値に達しても潤滑不足の状態である場
合には、圧延ロールに噴射する圧延油ポンプ12を起動さ
せ、あるいは、あらかじめポンプを起動させておき、三
方弁16を圧延油スプレーヘッダー4a、4b側に開にするこ
とにより、圧延ロールへ噴射する圧延油配管13を経由し
て圧延ロールにスプレーを行う。なお、圧延ロールへ噴
射する圧延油は、過量に供給するとスリップ現象が発生
するため、上限値が存在し、この上限値に達しても潤滑
不足の状態が解消されない場合、圧延速度やパススケジ
ュール等の圧延条件の見直しを行う。以上の本発明の圧
延制御方法を、図2のフローチャートにまとめて示す。
する圧延油スプレーヘッダー4a、4bと、鋼板へ噴射する
圧延油スプレーヘッダー5a、5bに、圧延油ミキシングタ
ンク7から圧延油を供給するようになっている。圧延油
ミキシングタンク7では、圧延油と水を混合させ、圧延
油エマルション7aとなる。前述の圧延ロールの磨耗を防
止するために、通常の圧延状態では、鋼板へ噴射する圧
延油の供給ポンプ10のみを用い、鋼板へ噴射する圧延油
配管11を経由して鋼板1へ圧延油をスプレーする。被圧
延材の圧延実績情報である実績圧延データから圧延潤滑
状態が適正か否かを判定する。なお、圧延実績情報とし
ては、圧延スタンドにおける摩擦係数や圧延荷重などを
用いればよい。圧延潤滑状態が、適正範囲でない場合に
は、その値に応じて圧延油の供給量を増減する。また、
鋼板へ噴射する圧延油供給量の変更量は、設備能力、あ
るいは、経済効率の観点から、予め許容できる上限値を
設けておき、その値に達しても潤滑不足の状態である場
合には、圧延ロールに噴射する圧延油ポンプ12を起動さ
せ、あるいは、あらかじめポンプを起動させておき、三
方弁16を圧延油スプレーヘッダー4a、4b側に開にするこ
とにより、圧延ロールへ噴射する圧延油配管13を経由し
て圧延ロールにスプレーを行う。なお、圧延ロールへ噴
射する圧延油は、過量に供給するとスリップ現象が発生
するため、上限値が存在し、この上限値に達しても潤滑
不足の状態が解消されない場合、圧延速度やパススケジ
ュール等の圧延条件の見直しを行う。以上の本発明の圧
延制御方法を、図2のフローチャートにまとめて示す。
【0017】以上で説明したように、本発明では、必要
なときにのみ圧延ロールへ圧延油をスプレーすること
で、圧延ロールの著しい磨耗を抑制しながら、効率よく
圧延ロールバイト内に圧延油を供給することが可能とな
る。また、広範囲に圧延潤滑状態を制御することができ
るため、軟質材から硬質材、低圧下率材から高圧下率
材、圧延ロールの初期粗度の高い状態から圧延ロール交
換前のロール粗度が低下した状態まで圧延潤滑状態を安
定に保つことが可能となる。
なときにのみ圧延ロールへ圧延油をスプレーすること
で、圧延ロールの著しい磨耗を抑制しながら、効率よく
圧延ロールバイト内に圧延油を供給することが可能とな
る。また、広範囲に圧延潤滑状態を制御することができ
るため、軟質材から硬質材、低圧下率材から高圧下率
材、圧延ロールの初期粗度の高い状態から圧延ロール交
換前のロール粗度が低下した状態まで圧延潤滑状態を安
定に保つことが可能となる。
【0018】
【実施例】被圧延材を鋼帯とし、6スタンドの直接給油
方式の冷間タンデム圧延において、圧延の最終スタンド
(第6スタンド)を図1に示す構成とし、圧延実績情報
として摩擦係数を採用して本発明の制御方法を適用し圧
延を行った。また、同様の冷間タンデム圧延において、
全6スタンドについて、圧延ロールに圧延油エマルショ
ンを供給しない従来の直接給油方式を適用して圧延を行
い、本発明方法と比較検討した。目標摩擦係数に対する
両者のばらつきを図3に比較して示す。
方式の冷間タンデム圧延において、圧延の最終スタンド
(第6スタンド)を図1に示す構成とし、圧延実績情報
として摩擦係数を採用して本発明の制御方法を適用し圧
延を行った。また、同様の冷間タンデム圧延において、
全6スタンドについて、圧延ロールに圧延油エマルショ
ンを供給しない従来の直接給油方式を適用して圧延を行
い、本発明方法と比較検討した。目標摩擦係数に対する
両者のばらつきを図3に比較して示す。
【0019】本発明例では、目標摩擦係数に対するばら
つきが従来例に比べて小さく、圧延潤滑状態を適正範囲
とできていることが明らかであり、本発明の方法で、焼
き付き現象等の潤滑不足、スリップ現象などの過潤滑状
態を発生させることなく、適正な圧延潤滑状態を維持す
ることができることが明らかでる。また、両者の生産能
率を図4に、圧延油原単位を図5に、それぞれ比較して
示す。
つきが従来例に比べて小さく、圧延潤滑状態を適正範囲
とできていることが明らかであり、本発明の方法で、焼
き付き現象等の潤滑不足、スリップ現象などの過潤滑状
態を発生させることなく、適正な圧延潤滑状態を維持す
ることができることが明らかでる。また、両者の生産能
率を図4に、圧延油原単位を図5に、それぞれ比較して
示す。
【0020】ここで、生産能率は、従来と比べ6%向上
した。また、圧延油原単位は、従来と比べ、4%の削減
が可能となった。本発明を採用することにより、圧延ロ
ールに圧延油エマルションを供給しない従来の圧延に比
べ、生産能率、圧延油原単位とも良好とすることができ
た。上記のように、本発明により、生産性の向上と品質
の向上を図ることができることが明らかとなった。
した。また、圧延油原単位は、従来と比べ、4%の削減
が可能となった。本発明を採用することにより、圧延ロ
ールに圧延油エマルションを供給しない従来の圧延に比
べ、生産能率、圧延油原単位とも良好とすることができ
た。上記のように、本発明により、生産性の向上と品質
の向上を図ることができることが明らかとなった。
【0021】また、上記冷間タンデム圧延において、ワ
ークロール表面に供給する圧延油エマルションの量が、
鋼帯に供給する圧延油エマルションの量を常に上回る条
件となるようにして圧延する場合について実験し、本発
明の方法と比較した。ワークロール表面に供給する圧延
油エマルションの量を、鋼帯に供給する圧延油エマルシ
ョンの量を常に上回る条件で圧延する場合のロール寿命
に比べ、本発明の圧延ロールの寿命は、約2倍程度を確
保でき、またワークロール表面に圧延油エマルションを
供給しない従来の圧延に比べてロール寿命は、平均で14
%程度の寿命低下ですむため、圧延ロールの寿命を大き
く低下させることなく、適正な潤滑状態を維持して被圧
延材である鋼帯を圧延できることを確認した。
ークロール表面に供給する圧延油エマルションの量が、
鋼帯に供給する圧延油エマルションの量を常に上回る条
件となるようにして圧延する場合について実験し、本発
明の方法と比較した。ワークロール表面に供給する圧延
油エマルションの量を、鋼帯に供給する圧延油エマルシ
ョンの量を常に上回る条件で圧延する場合のロール寿命
に比べ、本発明の圧延ロールの寿命は、約2倍程度を確
保でき、またワークロール表面に圧延油エマルションを
供給しない従来の圧延に比べてロール寿命は、平均で14
%程度の寿命低下ですむため、圧延ロールの寿命を大き
く低下させることなく、適正な潤滑状態を維持して被圧
延材である鋼帯を圧延できることを確認した。
【0022】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、上記実施例に限定されるものでないこと
は言うまでもない。例えば、ロールクーラントシステ
ム、圧延油供給システムは、図1記載に限定されるもの
ではない。また、圧延ロールへ噴射する圧延油ポンプ12
は、通常時も操業停止とせず、金属帯へ噴射する圧延油
よりも少量で、かつ、ロール磨耗に大きな影響の出ない
量の噴射を常時行うようにしておいてもよい。
が、本発明は、上記実施例に限定されるものでないこと
は言うまでもない。例えば、ロールクーラントシステ
ム、圧延油供給システムは、図1記載に限定されるもの
ではない。また、圧延ロールへ噴射する圧延油ポンプ12
は、通常時も操業停止とせず、金属帯へ噴射する圧延油
よりも少量で、かつ、ロール磨耗に大きな影響の出ない
量の噴射を常時行うようにしておいてもよい。
【0023】さらに、圧延スタンドの数も1つに限定さ
れるものではない。冷間タンデム圧延のように、複数の
スタンドを有する場合にも、本発明の圧延制御方法を1
つ以上の任意の数のスタンドに対し適用することができ
る。また、全スタンドに適用してもよい。ただし、潤滑
条件の最も厳しい圧延最終スタンドを含む1つ以上のス
タンドに適用することが好適である。
れるものではない。冷間タンデム圧延のように、複数の
スタンドを有する場合にも、本発明の圧延制御方法を1
つ以上の任意の数のスタンドに対し適用することができ
る。また、全スタンドに適用してもよい。ただし、潤滑
条件の最も厳しい圧延最終スタンドを含む1つ以上のス
タンドに適用することが好適である。
【0024】
【発明の効果】本発明により、適正な圧延状態を常に維
持することが可能となり、焼き付き現象等の潤滑不足、
スリップ現象等の過潤滑状態を発生させることがなくな
り、生産性向上と品質向上を達成することができた。
持することが可能となり、焼き付き現象等の潤滑不足、
スリップ現象等の過潤滑状態を発生させることがなくな
り、生産性向上と品質向上を達成することができた。
【図1】本発明の圧延制御方法を説明するための模式図
である。
である。
【図2】本発明の圧延制御方法のフローチャートであ
る。
る。
【図3】本発明例と従来例の目標摩擦係数のばらつきを
比較するグラフである。
比較するグラフである。
【図4】本発明例と従来例の生産能率を比較するグラフ
である。
である。
【図5】本発明例と従来例の圧延油原単位を比較するグ
ラフである。
ラフである。
1 金属帯(鋼板) 2 圧延スタンド(圧延機) 3a 圧延ロール(ワークロール) 3b 補強ロール(バックアップロール) 4a、4b、5a、5b 圧延油スプレーヘッダー 6a、6b ロールクーラント噴射スプレーヘッダー 7 圧延油ミキシングタンク 7a 圧延油(圧延油エマルション) 8 圧延油循環ポンプ 9 圧延油循環配管 10、12 圧延油ポンプ 11、13 圧延油配管 14 ロールクーラントポンプ 16 三方弁 15 ロールクーラント配管 20 制御装置 21 (金属帯への圧延油供給量変更指令の)信号線 22 (圧延ロールへの圧延油供給量変更指令の)信号
線
線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4E002 AD05 BA01 BC08
Claims (1)
- 【請求項1】 圧延油を供給しながら被圧延材の金属帯
を圧延する圧延制御方法であって、前記被圧延材の圧延
実績情報に基づき、被圧延材への圧延油供給量を制御
し、さらに必要に応じて、前記被圧延材を圧延する圧延
ロールへの圧延油供給量を制御することを特徴とする金
属帯の圧延制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001090882A JP2002282926A (ja) | 2001-03-27 | 2001-03-27 | 圧延制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001090882A JP2002282926A (ja) | 2001-03-27 | 2001-03-27 | 圧延制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002282926A true JP2002282926A (ja) | 2002-10-02 |
Family
ID=18945607
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001090882A Pending JP2002282926A (ja) | 2001-03-27 | 2001-03-27 | 圧延制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002282926A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018089651A (ja) * | 2016-12-02 | 2018-06-14 | 新日鐵住金株式会社 | 圧延油供給設備及び圧延油供給方法 |
JP2019514693A (ja) * | 2016-04-29 | 2019-06-06 | プライメタルズ・テクノロジーズ・オーストリア・ゲーエムベーハー | 圧延すべき製品を圧延するための方法 |
-
2001
- 2001-03-27 JP JP2001090882A patent/JP2002282926A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019514693A (ja) * | 2016-04-29 | 2019-06-06 | プライメタルズ・テクノロジーズ・オーストリア・ゲーエムベーハー | 圧延すべき製品を圧延するための方法 |
US11161161B2 (en) | 2016-04-29 | 2021-11-02 | Primetals Technologies Austria GmbH | Method for rolling a product to be rolled |
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