JP5992353B2 - 圧延方法及び圧延装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧延方法及び圧延装置に関する。
従来、圧延においては、所望の製品形状、表面品質を得ると共に、潤滑性を向上させるために、圧延油が圧延材やロールに供給される。この圧延潤滑においては、圧延材とロールに生じる発熱を除去するために冷却も必要となるため、通常エマルション型圧延油を用いて潤滑が行われる。
一方、圧延方法としては、圧延油と冷却水とを予め混合した低濃度のエマルジョン型圧延油を循環させながら供給する循環方式が挙げられる。しかし、上記循環方式は、原単位を低くすることができるものの、潤滑及び冷却を同時に行うため、以下の直接給油方式と比べて潤滑性や冷却性が劣るという不都合がある。また、潤滑目的で高濃度のエマルション型圧延油を金属板に直接スプレーし、冷却目的で水をロールに直接スプレーする直接給油方式が挙げられる。しかし、直接給油方式は、循環方式と異なって、圧延油を循環使用しないため、原単位が高くなるという不都合がある。他方、潤滑と冷却とをある程度分離して行う混合給油方式も挙げられるが、状態の異なる圧延油が混在するため、マスバランスやエマルションの性状が不安定になるという不都合がある。
上記不都合に対し、圧延油を水に混合してワークロールにスプレーする潤滑圧延方法において、上記水の温度を変化させることを特徴とする潤滑圧延方法(特開平11−123415号公報参照)や、エマルション型圧延油を循環させて供給するとともに、循環使用する上記エマルション型圧延油と同種の圧延油原油を供給過程で希釈水とともにミキシングすることにより潤滑性を調整し、上記エマルション型圧延油の循環供給路とは別の流路から油水混合圧延油として供給し、上記エマルション型圧延油とともにその油水混合圧延油を回収することを特徴とする潤滑油供給方法(特開2011−640号公報参照)が開発されている。しかし、通常圧延の際に1台の圧延機で使用する圧延油は1種類であるが、要求される潤滑性能は様々な圧延条件により異なる。そのため、必要に応じて潤滑性を変化させることが求められるものの、従来の方法では温度、油分濃度等による制御しかなく、その制御範囲は限られたものであるという不都合がある。
特開平11−123415号公報 特開2011−640号公報
本発明は、上記のような不都合に対してなされたものであり、低コストで圧延条件に応じて圧延界面における潤滑性を容易に制御できる圧延方法の提供を目的とする。
本発明者は、上記不都合を解決するために鋭意検討を重ねた結果、圧延部に圧延油含有組成物を供給する工程と、上記圧延部に水と界面活性剤とを含む冷却水を供給する工程とを備える上述のような圧延方法を見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するためになされた発明は、
圧延油を供給しつつ金属板を圧延する圧延方法であって、
圧延部に圧延油含有組成物を供給する工程と、
上記圧延部に冷却水を供給する工程と
を備え、
上記冷却水が水と界面活性剤とを含むことを特徴とする圧延方法である。
圧延部に圧延油含有組成物を供給することに加えて、水と界面活性剤とを含む冷却水を供給することで、金属板を圧延する際の圧延性を幅広くかつ簡単に制御することができる。特に界面活性剤を用いることで、圧延時の先進率や光沢変化を制御したり、向上させることができる。さらに、油膜除去効果を発現する傾向もある。
上記圧延油供給工程及び冷却水供給工程で、上記金属板表面に上記圧延油が膜状に積層され、その圧延油膜表面に上記冷却水が載置されるように上記圧延油含有組成物及び冷却水の供給位置を決定することが好ましい。このように上記圧延油含有組成物及び冷却水の供給位置を決定することで、潤滑制御をより確実に行うことができる。
上記圧延油含有組成物及び/又は冷却水の供給位置が、ワークロール表面及び/又は金属板表面であることが好ましい。上記圧延油含有組成物の供給位置をワークロール表面とすることで、圧延油によりワークロールを冷却することができる。圧延油含有組成物の供給位置を金属板表面とすることで、圧延油による潤滑効果を向上することができる。また、冷却水の供給位置をワークロール表面及び/又は金属板表面とすることで、上述のように金属板表面の膜状の圧延油膜表面に冷却水が載置された状態を容易かつ確実に得ることができる。
上記圧延油供給工程における圧延油含有組成物としてはエマルション型又は油水混合型が好ましい。このように上記圧延油供給工程における圧延油含有組成物をエマルション型又は油水混合型とすることで、潤滑制御をより均一に行うことができる。なお、エマルション型とは、界面活性剤によって油中に水が分散又は水中に油が分散していることを意味する。油水混合型とは、界面活性剤を用いずに、圧力等によって油と水とが混合されていることを意味する。
上記冷却水供給工程の冷却水における上記界面活性剤の含有量としては0.01質量%以上0.09質量%以下が好ましい。このように上記冷却水における上記界面活性剤の含有量を0.01質量%以上0.09質量%以下とすることで、原単位を低くしつつ、潤滑制御を容易に行うことができる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、
対向配設される少なくとも一対のロールを供える圧延装置であって、
圧延部に圧延油含有組成物を供給する圧延油供給ラインと、
上記圧延部に冷却水を供給する冷却水供給ラインと
を備え、
上記冷却水が水と界面活性剤とを含むことを特徴とする圧延装置である。上記圧延装置を用いることで、潤滑制御を容易かつ確実に行うことができる。
上述のように、当該圧延方法を用いることで、低コストで圧延条件に応じて圧延界面における潤滑性を容易に制御できる。
図1は本発明に係る圧延装置の構成を示す説明図である。 図2は界面活性剤による先進率変化を示すグラフである。 図3は界面活性剤による光沢変化を示すグラフである。
当該圧延方法は、
圧延油を供給しつつ金属板を圧延する圧延方法であって、
圧延部に圧延油含有組成物を供給する工程と、
上記圧延部に冷却水を供給する工程と
を備え、
上記冷却水が水と界面活性剤とを含むことを特徴とする圧延方法である。
また、当該圧延方法は、好適な工程として、
上記金属板を圧延する工程をさらに備える。
他方、本発明に係る圧延装置は、
対向配設される少なくとも一対のロールを供える圧延装置であって、
圧延部に圧延油含有組成物を供給する圧延油供給ラインと、
上記圧延部に冷却水を供給する冷却水供給ラインと
を備え、
上記冷却水が水と界面活性剤とを含むことを特徴とする圧延装置である。
<圧延装置>
以下、本実施形態に係る圧延装置及びそれを用いた圧延方法について図面を参照しつつ説明する。
図1に本発明に係る圧延装置1を示す。ここで、金属板4は対向配置されたワークロール2,3間の圧延部11で圧延されつつ、通過するようになっている。ワークロール2,3はこれらと接触するバックアップロール5,6との摩擦によって回転する。なお、「圧延部」とは、ワークロール内の金属板に接触する部分をいう。
圧延油供給ライン7には、圧延油含有組成物を貯溜した圧延油タンク7aが備えられ、圧延油タンク7a内の圧延油含有組成物はポンプ7b及び流量調整弁7cを介して第1の供給部7d,7eに送り出される。
圧延油含有組成物は圧延油供給ライン7の先端に設けられた第1の供給部7d,7e(ノズルヘッダー等)より射出される。
圧延油含有組成物の射出個所としては、ワークロール2,3、バックアップロール5,6、金属板4、それらの組み合わせ等が挙げられる。圧延油含有組成物の射出個所はいずれであっても、圧延油含有組成物は圧延部11に供給される。
これらの中では、上記圧延油供給工程で、上記圧延油含有組成物をワークロール表面及び/又は金属板表面に射出することが好ましい。上記圧延油含有組成物の射出位置(供給位置)をワークロール表面とすることで、圧延油を用いてワークロールを冷却することもでき、また、ワークロールの摩耗を低減することもできる。上記圧延油含有組成物の射出位置を金属板表面とすることで、圧延油含有組成物内の油分によって金属板表面に比較的厚い油膜が形成され、潤滑効果が向上する。なお、上記圧延油含有組成物の射出位置をワークロール表面と金属板表面との双方とすることがより好ましい。これにより、所望の冷却効果及び潤滑効果の双方を容易且つ確実に奏することができる。なお、圧延油含有組成物の射出位置を複数設ける場合、射出位置に応じて圧延油含有組成物の種類を異ならしめることも可能である。具体的には、例えば一の供給位置においてエマルション型又は油水混合型の圧延油含有組成物を供給し、他の供給位置において水を含まない圧延油を供給することも可能である。
圧延油は、通常金属板4の両面側に供給されるが、本発明の効果を損なわない範囲で金属板4の片面側のみに圧延油を供給してもよい。
冷却水供給ライン8には、冷却水を貯溜した冷却水タンク8aが備えられ、冷却水タンク8a内の冷却水はポンプ8b及び流量調整弁8cを介して第2の供給部8d,8eに送り出される。
冷却水供給ライン8には界面活性剤供給ライン9が混合比調整弁8fを介して接続されている。界面活性剤供給ライン9には、界面活性剤又は界面活性剤水溶液を貯溜した界面活性剤タンク9aが備えられ、界面活性剤タンク9a内の界面活性剤又は界面活性剤水溶液はポンプ9b及び流量調整弁9cを介し、流量が調整された状態で冷却水供給ライン8に送り出される。
このような構成によれば、圧延条件、即ち金属板4の材質、ワークロール2,3の磨耗度合い、圧延圧力、圧延温度、湿度、圧延速度等に応じて、冷却水と界面活性剤又は界面活性剤水溶液との混合比を容易に調整することができる。また、流量調整弁8c及び/又は流量調整弁9cを用いて混合比の調整が可能な場合、混合比調整弁8fを設置しなくてもよく、混合比調整弁8fを用いて混合比の調整が可能な場合、流量調整弁8c及び/又は流量調整弁9cを設置しなくてもよい。
生成された界面活性剤含有冷却水は、冷却水供給ライン8の先端に設けられた第2の供給部8d,8e(ノズルヘッダー等)より射出される。
界面活性剤含有冷却水の射出位置(供給位置)としては、ワークロール2,3、バックアップロール5,6、金属板4、それらの組み合わせ等が挙げられる。界面活性剤含有冷却水の射出個所はいずれであっても、界面活性剤含有冷却水は圧延部11に供給される。
上記界面活性剤含有供給水の射出位置としては、ワークロール表面及び/又は金属板表面であるとよい。これにより、金属板表面に膜状の圧延油が積層され、この圧延油膜表面に冷却水が載置された状態を容易かつ確実に得ることができ、潤滑制御の確実性が向上する。特に、上記界面活性剤含有供給水の射出位置をワークロール表面とすることで、上記潤滑制御の確実性がさらに向上する。
界面活性剤含有冷却水は、通常金属板4の両面側に供給されるが、本発明の効果を損なわない範囲で金属板4の片面側のみに界面活性剤含有冷却水を供給してもよい。
供給された界面活性剤含有冷却水及び圧延油含有組成物は、回収・排出系10aの回収用オイルパン10bにより回収され、圧延油排出配管10cを通じて排出される。なお、回収用オイルパン10bにより回収した界面活性剤含有冷却水及び圧延油含有組成物を再生してもよい。
ワークロール2,3及びバックアップロール5,6の組み合わせ数は、本発明の効果を損なわない限り、1つであってよく、複数であってもよい。
以下、当該圧延方法に含まれる各工程等について詳説する。
<圧延油供給工程>
本工程では、圧延部に圧延油含有組成物を供給する。圧延部に圧延油含有組成物を供給することで、圧延時の潤滑性を高めることができる。
圧延油含有組成物は少なくとも圧延油を含有する。また、圧延油含有組成物は水、界面活性剤等を任意に含有することもできる。さらに、圧延油含有組成物は本発明の効果を損なわない範囲でその他の圧延用添加剤を含むこともできる。
圧延油含有組成物に含まれる圧延油としては、例えば、
スピンドル油、マシン油、タービン油、シリンダー油等の鉱物油;
鯨油、牛脂、豚油、ナタネ油、ヒマシ油、ヌカ油、パーム油、ヤシ油等の動植物油脂; 牛脂、ヒマシ油、ヤシ油等から得られる脂肪酸及び合成脂肪酸と炭素原子数1以上22以下の脂肪族1価アルコールとのモノエステル;
上記脂肪酸及び合成脂肪酸とエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとのジ、トリ、テトラエステルである合成エステル;
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸等が挙げられる。
圧延油含有組成物に任意に含まれる界面活性剤としては、例えば、
脂肪酸塩、モノアルキル硫酸塩、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、モノアルキルリン酸塩等のアニオン系界面活性剤;
アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤;
アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタイン等の両性界面活性剤;
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、肪酸ソルビタンエステル、ルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテル等のノニオン系界面活性剤等が挙げられる。
圧延油含有組成物の使用形態としては、本発明の効果を損なわない限り圧延油単独で用いてもよく、エマルション型、油水混合型等として用いてもよい。このように、エマルション型又は油水混合型を用いることで、潤滑制御の均一性に優れる。このなかで、圧延油及び水の分散安定性に優れるエマルション型が特に好ましい。なお、油水混合型は分散安定性が劣るものの油膜が形成されやすいため、潤滑性向上を図りたい場合、好適に採用できる。ただし、エマルション型を採用することで、上述のように分散安定性に優れ、均一な油膜を形成しやすく、このため潤滑制御の均一性がさらに向上できる。また、エマルション型の圧延油含有組成物としては、水中油滴エマルション又は油中水滴エマルションを用いることができるが、潤滑性及び冷却性のバランスを容易かつ確実に向上させる観点から、水中油滴エマルションが好適に用いられる。
圧延油含有組成物の供給方法としては、公知の供給方法が挙げられる。例えばノズルヘッダー等を用いて射出する方法等が挙げられる。
上記圧延油供給工程における上記圧延油含有組成物の射出位置をワークロール表面及び/又は金属板表面とすることが好ましい。圧延油含有組成物の射出位置をワークロール表面とすることで、冷却効果を向上でき、また上記射出位置を金属板表面とすることで、潤滑効果を向上することができる。
圧延油含有組成物の供給割合としては、用いるワークロール、射出位置等によっても異なるが、通常2mL/分以上20000mL/分以下であり、好ましくは20mL/分以上3000mL/分以下である。
<冷却水供給工程>
本工程では、圧延部に水と界面活性剤とを含む冷却水を供給する。上記圧延油含有組成物に加えて、界面活性剤含有冷却水を圧延部にさらに供給することで、以後の圧延工程において、潤滑性を確保しつつ金属板を十分に圧延し、冷却することができる。また、圧延条件に応じて、冷却水と界面活性剤との混合比を調整しつつ界面活性剤含有冷却水を供給することで、従来の圧延方法と比べて、低コストで金属板を圧延する際の圧延性をより幅広くかつ簡単に制御することができる。さらに、圧延状態が変化した場合であっても、高潤滑状態で圧延を行うことができる。
上述の圧延条件としては、圧延対象である金属板の変更に限られず、ワークロールの磨耗度合い、圧延圧力、圧延温度、湿度、圧延速度等が挙げられる。
冷却水に含まれる界面活性剤としては、例えば上述のような界面活性剤が挙げられる。
これらの中では、同様にノニオン系界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテルがより好ましい。
上記冷却水供給工程の冷却水における上記界面活性剤の含有量としては0.01質量%以上0.09質量%以下が好ましく、0.02質量%以上0.08質量%以下がより好ましい。このように上記冷却水における上記界面活性剤の含有量を上記範囲とすることで、原単位を低くしつつ、潤滑制御を容易に行うことができる。上記界面活性剤濃度が上記上限を超えると、原単位が上がり、製造コストの上昇を招くおそれがある。上記界面活性剤濃度が上記下限未満であると、圧延性や冷却性が低下するおそれがある。
界面活性剤種にもよるが、本発明を損なわない範囲で界面活性剤及び界面活性剤水溶液のいずれを冷却水に供給してもよい。
これらの中では、供給がより容易となることから、界面活性剤水溶液を用いることが好ましい。
界面活性剤水溶液の供給方法としても、同様に公知の供給方法が挙げられる。
界面活性剤含有冷却水の供給割合としては、通常0.01L/分以上100L/分以下であり、好ましくは0.1L/分以上10L/分以下である。
本発明の効果を損なわない範囲で、圧延油供給工程及び冷却水供給工程のいずれの工程を先に行ってもよいが、冷却水供給工程の前に圧延油供給工程を行うことが好ましい。より具体的には、上記圧延油供給工程及び冷却水供給工程で、上記金属板表面に上記圧延油が膜状に積層され、その圧延油膜表面に上記冷却水が載置されるように上記圧延油含有組成物及び冷却水の供給位置を決定することが好ましい。このように上記圧延油含有組成物及び冷却水の供給位置を決定することで、潤滑制御をより確実に行うことができる。
<圧延工程>
本工程では、当該圧延方法を用いた後、上記金属板を圧延する。このように上記金属板を圧延することで、所望の厚さ等の特性を有する金属板を得ることができる。
金属板の材料としては、例えば鋼、ステンレス、チタン、アルミニウム、マグネシウム、銅、それらを含む合金等が挙げられる。
当該圧延方法においては、界面活性剤を様々に用いることで、圧延時の先進率を制御したり、向上させることができる。具体的には、界面活性剤を用いない場合と比べて、先進率を高めることができる。
一方、圧延時の光沢変化を制御したり、向上させることもできる。光沢変化は一般にユーザーによって指定されるものであって多様であるが、当該圧延方法を用いることで光沢変化を容易に制御することもできる。
また、本工程では、界面活性剤の分散効果を利用して油膜除去効果を発現できる傾向もある。
圧延方法としては、金属の再結晶温度以上で加工する熱間圧延法を適用してもよく、金属の再結晶温度未満で加工する冷間圧延法を適用してもよい。
圧延速度としては、通常10mpm以上3000mpm以下であり、50mpm以上2500mpm以下が好ましい。
<その他>
各工程における温度、圧力、時間、設備等のその他の工程条件は使用原料等に従って適宜設定される。各工程の段階数も、1段階で行ってもよく、多段階で行ってもよい。使用する原料は、単独で用いてもよく、複数種の原料を組み合わせて使用してもよい。
上述のとおり、当該圧延方法を用いることで、低コストで圧延条件に応じて圧延界面における潤滑性を容易に制御することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、測定は下記の方法により行った。
<先進率>
先進率(%)は、ワークロール表面に160mmの間隔でポンチをつけ、圧延後の金属板表面に転写されたポンチ間隔から先進率を測定した。
<光沢変化>
光沢変化は、圧延後の板表面をアセトンで脱脂した後、測定角60°における光沢度を、光沢計を用いて測定し、その値の変化を評価した。
(実施例1)
小型圧延機に2系統の界面活性剤含有冷却水の供給ノズルを設置し、圧延速度を変化させて以下の圧延条件に従って金属板の圧延を行った。圧延対象である金属板として、表面にバーコータ#4を用いて塗布した板厚2.0mmのアルミ板(A1050)を用い、圧下率は20%とした。なお、圧下率とは、圧延前に対する圧延後の金属板の厚さの縮小率である。
<圧延条件>
・金属板:A1050(L960mm×80mm×T2.0mm)
・圧延油含有組成物:基油(タービン32(ジャパンエナジー社製))99質量%、オレイン酸1質量%
・界面活性剤含有冷却水:ノニオン系界面活性剤(花王株式会社製、製品名エマルゲン109P)水溶液
・界面活性剤濃度:0.02質量%
・圧延速度:100mpm、1000mpm
・界面活性剤水溶液供給量:1L/分(各ワークロール)
(実施例2)
界面活性剤濃度を0.04質量%に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例3)
界面活性剤濃度を0.08質量%に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。
(比較例1)
界面活性剤濃度を0質量%に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。
図2に示すように、界面活性剤濃度を変化させて圧延を行うことで容易に先進率を変化させられることが分かる。この値が大きいと圧延ロールと金属板との間の摩擦が大きいこととなるが、界面活性剤濃度を変化させることで摩擦を容易に低減することもできる。なお、図2中、横軸は界面活性剤濃度(Emulsifying agent concentration)(%)を、縦軸は先進率(Forward srip rate)(%)を示す。
図3に示すように、界面活性剤濃度を変化させて圧延を行うことで容易に光沢変化を変化させられることが分かる。光沢変化は一般にユーザーによって指定されるものであって多様であるが、界面活性剤濃度を変化させることで容易にこれらを変化させることができる。なお、図3中、横軸は界面活性剤濃度(%)を、縦軸は測定角60°(gloss 60°)における光沢度を示す。
上述のとおり、当該圧延方法を用いることで、低コストで圧延条件に応じて圧延界面における潤滑性を容易に制御することができる。
1 圧延装置
2,3 ワークロール
4 金属板
5,6 バックアップロール
7 圧延油供給ライン
7a 圧延油タンク
7b ポンプ
7c 流量調整弁
7d,7e 第1の供給部
8 冷却水供給ライン
8a 冷却水タンク
8b ポンプ
8c 流量調整弁
8d,8e 第2の供給部
8f 混合比調整弁
9 界面活性剤供給ライン
9a 界面活性剤タンク
9b ポンプ
9c 流量調整弁
10a 回収・排出系
10b 回収用オイルパン
10c 圧延油排出配管
11 圧延部

Claims (6)

  1. 圧延油を供給しつつ金属板を圧延する圧延方法であって、
    圧延部に圧延油含有組成物を供給する工程と、
    上記圧延部に冷却水を供給する工程と
    を備え、
    上記冷却水が水と界面活性剤とを含むことを特徴とする圧延方法。
  2. 上記圧延油供給工程及び冷却水供給工程で、上記金属板表面に上記圧延油が膜状に積層され、その圧延油膜表面に上記冷却水が載置されるように上記圧延油含有組成物及び冷却水の供給位置を決定する請求項1に記載の圧延方法。
  3. 上記圧延油含有組成物及び/又は冷却水の供給位置が、ワークロール表面及び/又は金属板表面である請求項2に記載の圧延方法。
  4. 上記圧延油供給工程における圧延油含有組成物がエマルション型又は油水混合型である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の圧延方法。
  5. 上記冷却水供給工程の冷却水における上記界面活性剤の含有量が0.01質量%以上0.09質量%以下である請求項1に記載の圧延方法。
  6. 対向配設される少なくとも一対のロールを供える圧延装置であって、
    圧延部に圧延油含有組成物を供給する圧延油供給ラインと、
    上記圧延部に冷却水を供給する冷却水供給ラインと
    を備え、
    上記冷却水が水と界面活性剤とを含むことを特徴とする圧延装置。
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