JP2000334514A - 鋼板の冷却方法及び装置 - Google Patents

鋼板の冷却方法及び装置

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JP2000334514A
JP2000334514A JP2000080149A JP2000080149A JP2000334514A JP 2000334514 A JP2000334514 A JP 2000334514A JP 2000080149 A JP2000080149 A JP 2000080149A JP 2000080149 A JP2000080149 A JP 2000080149A JP 2000334514 A JP2000334514 A JP 2000334514A
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water
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Yoshihiro Serizawa
良洋 芹澤
Shigefumi Nishio
茂文 西尾
Hidetoshi Okubo
英敏 大久保
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼板形状の平坦度の向上と材質の均一化を図
ることが出来る鋼板の冷却方法及び装置を提供するこ
と。 【解決手段】 鋼板の冷却方法において、仕上圧延後、
制御冷却を行なうに際し、界面活性剤を添加した冷却水
を用いることを特徴とする鋼板の冷却方法。または、鋼
板の冷却方法において、仕上圧延後、制御冷却を行なう
に際し、冷却水の供給系統を2以上に分け、冷却の初期
には界面活性剤を添加した冷却水を用いることを特徴と
する鋼板の冷却方法及びそれらの装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板の冷却に際
し、冷却速度を制御する方法及び装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼板の冷却方法としては、冷却の
均一性を向上させるためには、例えば特開平6−328
118号公報、特開平6−330155号公報および特
開平7−256331号公報、特許第259555号等
が知られている。この特開平6−328118号公報
は、鋼板を制御冷却装置により圧延後冷却して高張力鋼
を製造する際、圧延中または圧延前に、デスケーリング
デバイスあるいはその他の装置を活用して、鋼板幅方向
のスケール除去範囲を制御し、さらにはスケール残存厚
を制御することにより、鋼板表面の幅方向熱伝達係数を
変化させて、冷却後の鋼板形状と材質を均一化する方法
である。
【0003】また、特開平6−330155号公報は、
鋼板の制御冷却において、圧延機に付帯するスケール除
去装置の高圧水の圧力を調節することによって鋼板上の
スケール厚さを制御して、鋼板表面の熱伝達係数を制御
することにより、鋼板長手方向の機械的性質を均一にす
る方法。さらに特開平7−256331号公報は、板幅
方向で均一な材質と良好な鋼板平坦度を得る鋼板の制御
冷却方法で、熱間圧延中に鋼板表面上のスケール厚分布
を測定し、その測定値が該鋼板表面上のスケール厚分布
の目標値と一致するように、スケール除去装置の水噴射
位置及び噴射水量を制御した後に冷却する方法が開示さ
れている。特許第259555号は、金属帯の連続熱処
理において、所定量のアルコ−ル類を含有する水を冷却
媒体として使用することにより、冷却時の沸騰状態を膜
沸騰状態に安定させ、冷却終点温度を制御することによ
り、均一化を図ろうとする方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開平6−328118号公報、特開平6−3301
55号公報および特開平7−256331号公報の特許
は、冷却される鋼材側の表面性状、特にスケール厚みを
制御することにより、冷却制御を行うものである。この
制御においては、鋼板側の表面性状を制御するために、
圧延から冷却の間に成長するスケール量の変化を無視し
ており、また、この間の搬送途中での鋼板面でのテーブ
ルローラーとの接触による圧延機後に成長したスケール
の剥離発生など、制御冷却装置前では、意図したような
スケール厚を制御できない。また、圧延後に矯正を行っ
てから制御冷却を行なう場合、矯正機でのスケール剥離
発生もあり、スケール厚分布がばらつく傾向にあり、均
一制御は困難である。また、もともと、スケール厚みが
薄く、均一である場合には効果を発揮し得ない。
【0005】また、特許第259555号のように、金
属帯の連続熱処理において、所定量のアルコ−ル類を含
有する水を冷却媒体として使用する場合、効果を発揮す
る混入率が10%以上と混入量が多く、経済的コストが
高いという問題が生じる。また、該特許に記載のアルコ
ールはメタノール、エタノールであるが、これらのアル
コールは比熱、蒸発潜熱が水に比べて小さいために水に
比べて冷却能力が低く、10%程度のアルコールを混入
すると冷却能力の低下を招く。したがって、冷却設備の
長さも大きくなるため、設備コストも高くなる。本発明
はこのような課題を解決しようとするもので鋼板冷却の
均一化を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述したような問題を解
消するための本発明の方法は、鋼板の冷却方法におい
て、冷媒として水に界面活性剤を混入したものを用いる
ことを特徴とする鋼板の冷却方法であり、また、鋼板の
冷却方法において、冷媒の供給系統を2以上に分け、冷
却の後期には水に界面活性剤を混入したものを用いるこ
とを特徴とする鋼板の冷却方法である。
【0007】さらに、上記の鋼板の冷却方法において、
鋼板の仕上圧延後、冷却を行なうことを特徴とする鋼板
の冷却方法、連続焼鈍設備における冷却に用いることを
特徴とする鋼板の冷却方法、溶融亜鉛めっき後の冷却に
用いることを特徴とする鋼板の冷却方法の各冷却方法で
ある。また、鋼板の制御冷却装置において、冷却水の供
給系統に、界面活性剤タンクと界面活性剤の供給量制御
装置と、冷却水の界面活性剤濃度及び、又は冷却水の表
面張力測定装置を備えたことを特徴とする制御冷却装置
である。
【発明の実施の形態】
【0008】以下、本発明について図面に従って詳細に
説明する。図1は、本発明の方法を説明する概略図であ
る。鋼板1を冷却装置5に入れるに際して、冷却水の循
環系9、あるいは水の供給系8に界面活性剤を添加する
ための界面活性剤投入タンク6と界面活性剤の供給量制
御装置7を設け、該界面活性剤投入タンク6から界面活
性剤が冷却水中に投入される。なお、図1においては、
界面活性剤を供給系8の配管系に連続的に投入するよう
になっているが、これに代わり供給系の開始部分の貯水
槽のようなところで、間欠的に投入してもよい。
【0009】一方、冷却水として使用された水は冷却水
循環系9を介して冷却水循環槽10に回収され、鋼板冷
却時の蒸発などにより減少するため適宜補充される。な
お、界面活性剤タンク6の設置位置は、冷却水が図1の
ように循環利用される場合は、たとえば、冷却水循環槽
10の前、あるいは冷却水循環槽内など、冷却水循環系
9の任意の位置に設置可能である。界面活性剤の供給量
は、界面活性剤濃度測定装置11及び、または表面張力
測定装置12によって、常に界面活性剤の濃度を一定に
保った状態、及び、または冷却水の表面張力を一定に保
つように制御される。また、冷却装置5によって圧延材
の温度を制御するには、冷却装置での冷却ノズル本数、
圧延材速度、冷却水量など、これらのいずれか若しくは
それらを組合わせた選択操作を行う。
【0010】図1のような装置を用いて鋼板を冷却した
際の、界面活性剤の添加効果について以下に説明する。
図2は、制御冷却用冷却水中での界面活性剤の添加有無
による制御冷却装置出側の表面温度状況を示す図であ
る。図2(a)は、界面活性剤を添加しない場合の制御
冷却装置出側での表面温度を示すもので、この鋼板表面
温度分布によれば、鋼板の幅方向において大きな温度変
化のあることが判る。これに対して、図2(b)に示
す、本発明に係る界面活性剤を添加した場合の鋼板表面
温度分布は、鋼板の幅方向での温度分布差が殆ど見られ
ない、均一な温度分布を示していることが判る。この理
由は冷却水中に界面活性剤を添加することにより、冷却
時の沸騰状態において、膜沸騰から遷移沸騰への移行が
遅延したためと考えられる。
【0011】この点に関して、さらに説明を行う。図3
は冷却時間と鋼板温度との関係を示す図である。すなわ
ち、制御冷却装置内の冷却においては、冷却初期から終
了までの鋼板温度と時間との関係は図3のようになって
いる。この図において、A部である冷却速度の遅い部分
は、鋼板の温度が高いために、冷却水と鋼板の接触が殆
ど行われない膜沸騰冷却領域である。B点の冷却速度が
変わる部分の近傍から、鋼板と冷却水の接触頻度が多く
なる遷移沸騰冷却領域に入る。従って、B点近傍から冷
却速度は極めて大きくなる。
【0012】図4は、界面活性剤の鋼材冷却に及ぼす影
響について示す図である。本発明者は冷却実験を行うこ
とにより、以下の現象を見出した。図4に示すように、
冷却水中に界面活性剤を添加すると、上述した冷却曲線
の変曲点Bが低温側に移動する。このように界面活性剤
を添加することにより、B点が低温側に移行し、これに
より冷却速度のB点からの急激な増加を抑制し、冷却速
度の局所的な速度偏差を抑制することができるために鋼
板の温度の均一性が向上するものである。
【0013】図5に一例を挙げる。図5(a)におい
て、鋼板の端部が中心部より速く冷えることは良く知ら
れているが、中央部を代表温度とする冷却終点温度がB
点よりわずかに高い場合に、端部の温度は中心部より先
にB点以下になり、B点以下の冷却速度が大きいために
中心部より急激に冷却されることになる。このため、中
心部はB点以上になったとしても、端部は、B点以下で
しかも中心部との温度差が大きいことになる。一方、図
5(b)において、B点が界面活性剤により低温側に移
行した場合、端部がB点以下に低下しない場合、端部と
中心部の温度差は、図5(a)に比較し小さく、温度差
を均一な方向に近づけることが可能となる。
【0014】上記のように、界面活性剤の添加により、
冷却時に発生する沸騰の状況が界面活性効果、すなわ
ち、表面張力の低減により変化することが見い出され
た。このため、図1に示す本発明の装置においては、界
面活性剤濃度測定装置11及び、または表面張力測定装
置12を備えている。これらの使用法は以下のようにな
る。界面活性剤の界面活性効果、すなわち、表面張力の
低減効果は冷却水の性状、たとえばpH、無機物の量な
どにより大きく影響を受ける。このため、冷却水の性状
が余り変化しない場合は、あらかじめ図11のように、
界面活性剤の濃度と表面張力の関係を定量化し、界面活
性剤の濃度を管理すればよい。一方、冷却水の性状が変
化する場合は、冷却水の表面張力がある値、たとえば、
通常冷却水の50%にまで低減するまで界面活性剤を添
加する制御が可能となるように、冷却水の表面張力測定
装置を設置する。なお、冷却水の変化の速度により、界
面活性剤濃度測定装置と表面張力測定装置を併設あるい
は、一方を設置すればよい。
【0015】図6は、冷媒の供給系統を2以上に分けて
冷却する場合の概略図である。鋼板1を冷却装置5に入
れるに際して、冷却水の供給系を2以上に分け、冷却の
後半に相当する供給系に界面活性剤を添加するための界
面活性剤投入タンク6と界面活性剤の供給量制御装置7
を設け、該界面活性剤投入タンク6から界面活性剤が冷
却水中に投入される。ここで、冷却の後期とは、鋼板の
温度が前期図3に示すB点の直上の温度、たとえば(B
点温度+30℃)以下を指す。なお、この冷却の後期を
監視するためには、冷却装置5内の温度計を適宜使用す
ることにより、界面活性剤を投入する系統を決めてやれ
ばよい。このようにすることにより、前記図3に示すA
部の初期では、界面活性剤の添加有無により冷却速度の
差は少ないので、界面活性剤の添加をやめ、B点近傍で
界面活性剤を添加して冷却することにより、界面活性剤
の使用量を抑制することができ、経済的に安価となる。
【0016】図7は鋼板を圧延後、制御冷却するに際し
ての装置列を示す概略図である。図7に示すように、粗
圧延機で圧延された鋼板1は、仕上圧延機2によって仕
上圧延され、その後熱間矯正機3によって熱間矯正さ
れ、冷却装置5に送られる前に、温度計4にて測定す
る。そして鋼板の冷却目標温度値と一致するように、冷
却装置5の制御によって冷却する。なお、冷却装置の前
での熱間矯正は必ずしも行なわなくても良い。この場合
に冷却装置の冷却水の供給系8に界面活性剤を添加する
ための添加剤投入タンク6と界面活性剤の供給量制御装
置7を設け、該添加剤投入タンク6から界面活性剤が投
入される。一方、冷却水として使用された水は冷却水循
環系9を介して冷却水循環槽10に回収され、界面活性
剤濃度測定装置11及び、または表面張力測定装置12
によって、常に界面活性剤の濃度を一定に保った状態、
及び、または冷却水の表面張力を一定に保つように制御
されて再度循環使用される。このように仕上げ圧延後の
冷却において界面活性剤を混入した水を用いて冷却する
と、鋼板の温度分布が従来より均一化されるため、材質
の均一化、鋼板形状の改善という作用がある。
【0017】図8は、水を用いて鋼板を冷却する連続焼
鈍設備における装置列を示す概略図である。ペイオフリ
ール17から巻き戻された鋼板1は、加熱帯19、均熱
帯20、一次冷却帯21、復熱帯22、過時効処理帯2
3、二次冷却帯24、後処理設備25を経てテンション
リール26で巻きとられる。このような熱処理設備の図
9のような一次冷却帯、二次冷却帯において、水を用い
て鋼板を冷却するに際して、鋼板1は、冷却帯の前に、
温度計4にて測定する。そして鋼板の冷却目標温度値と
一致するように、冷却装置5の制御によって冷却する。
この場合に制御冷却装置の冷却水の供給系8に界面活性
剤を添加するための添加剤投入タンク6と界面活性剤の
供給量制御装置7を設け、該添加剤投入タンク6から界
面活性剤が投入される。このように連続焼鈍設備の冷却
において界面活性剤を混入した水を用いて冷却すると、
鋼板の温度分布が従来より均一化されるため、材質の均
一化、鋼板形状の改善という作用がある。
【0018】図10は、水を用いて鋼板を冷却する溶融
亜鉛めっき後における冷却装置列を示す概略図である。
鋼板1は、亜鉛めっき浴の後に、亜鉛層の合金化などが
行われた後に、鋼板進行方向変換のためのロールを経る
までの間に微粒化された水で冷却される。このような設
備の冷却帯において、水を用いて鋼板を冷却するに際し
て、冷却水の供給系8に界面活性剤を添加するための添
加剤投入タンク6と界面活性剤の供給量制御装置7を設
け、該添加剤投入タンク6から界面活性剤が投入され
る。この際の界面活性剤の効果としては、界面活性剤を
添加しない場合に比べて、膜沸騰から遷移沸騰への移行
温度を低下させる効果を有しており、これは水の粒と鋼
板が接触し始める温度が低下する作用がある。また、図
5に示したように鋼板の温度分布が従来より均一化され
るため、材質の均一化、鋼板形状の改善という作用と、
鋼板が冷却水と接触しがたい為に鋼板の冷却水による汚
れの減少など、外観が向上するという作用がある。
【0019】次に、本発明に係る界面活性剤としては、
陰イオン性界面活性剤として脂肪酸塩、アルキル硫酸エ
ステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキル
ナフタレンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸
塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、ア
ルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エス
テル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリル硫酸エステ
ル塩、カルボン酸型界面活性剤、アルカンスルホン酸ナ
トリウムなどがある。非イオン性の各種界面活性剤とし
てはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシアルキレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソル
ビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪
酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルア
ミン、アルキルアルカノールアミドなどがある。その
他、両性あるいは陽イオン性界面活性剤としては、アル
キルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルベタイ
ン、アミンオキサイドなどがある。あるいはその組み合
わせたものを掲げることができる。そして、使用する冷
却水のpHなどの性状に応じて、表面張力を低下させる
効果を発揮できるように組み合わせると良い。
【0020】これら界面活性剤の添加量としては、使用
している冷却水と界面活性剤を組み合わせた際に、冷却
水の表面張力を界面活性剤を添加しない場合の80%以
下にまで低下させる量とした。その理由は、表面張力が
通常冷却水の80%を越えると、界面活性効果が小さ
く、冷却時の効果が小さくなるためである。なお、界面
活性剤の添加量は、冷却水性状と界面活性剤の適合性に
よるが、おおよそ0.001〜1%程度である。
【0021】
【実施例】板厚30mm、板幅3000mmの鋼板を仕
上圧延機で圧延した後、熱間矯正機通過後、温度計で鋼
板を測定し、800℃から目標とする500℃までの制
御冷却を行った。この場合の制御冷却のための冷却水中
に界面活性剤であるポリオキシエチレン ノニルフェニ
ルエーテルを添加した。なお、界面活性剤添加時の表面
張力は、界面活性剤の添加量により、図11のように変
化していたので、冷却水中に0.1%添加した。その時
の噴射条件は、上:1.3m3 /m2 ・分、下:2.8
3 /m2 ・分にて行った。その結果、冷却水の表面張
力を低下させることで、冷却後温度の均一化が可能とな
り、スケールによる冷却速度の変動が緩和され鋼板の幅
方向での温度分布の均一化により、図12に示すように
材質不良を従来の10%から3%にまで低減することが
出来た。
【0022】また、連続焼鈍炉の一次冷却において、板
厚0.7mm、板幅900mmの鋼板を670℃から2
70℃まで冷却する際に、図11をもとに、ポリオキシ
エチレン ノニルフェニルエーテル硫酸エステル塩を最
終冷却ユニットのスプレー冷却水に0.08%添加し
た。冷却水は気水ノズルで供給し、水量片面で0.3m
3 /m2 ・分、スプレーのガス量は、1500m3 /分
とした。その結果、冷却水の表面張力を低下させること
で、冷却後温度の均一化が可能となり、冷却速度の変動
による鋼板の幅方向での温度分布の均一化により、図1
3に示すように鋼板の幅方向の温度偏差により生じる熱
応力が原因となっている鋼板の折れ状疵を従来の5%か
ら2%にまで低減することが出来た。
【0023】次に、溶融亜鉛めっきの亜鉛めっき浴後の
冷却において、板厚0.2mm、板幅1200mmの鋼
板を450℃から270℃まで冷却する際に、図12を
もとに、ポリオキシエチレン ノニルフェニルエーテル
硫酸エステル塩を冷却ユニットのスプレー冷却水に0.
08%添加した。冷却水としては、水量片面で0.05
3 /m2 ・分、スプレーのガス量は、300m3 /分
とした。その結果、鋼板の表面へのミストの接触が減少
し、図14のように、冷却後温度の均一化による形状不
良が4%から1%に減少し、汚れなどの表面外観不良が
2%から0.5%に低減することが可能となった。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による鋼板の
冷却方法および装置を採用することにより、冷却後の鋼
板温度の均一化を図ることが出来、それに伴う鋼板形状
の形状の向上と材質の均一化、表面外観の改善を図るこ
とが出来る優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷却装置を示す概略図である。
【図2】図1の装置を用いて冷却した際の結果である鋼
板温度分布を示す概略図である。
【図3】冷却時間と鋼板温度の関係を示す図である。
【図4】冷却用冷却水中での界面活性剤の添加有無によ
る鋼板温度の時間変化への影響を示す図である。
【図5】界面張力の鋼材冷却に及ぼす影響を実例を用い
て示す図である。
【図6】本発明に係わる冷却装置のうち、冷媒の供給系
統を分けた場合の図である。
【図7】鋼板を圧延後制御冷却する際の装置列を示す図
である。
【図8】鋼板を連続焼鈍後冷却する際の装置列を示す図
である。
【図9】連続焼鈍の冷却帯の概要を示す図である。
【図10】鋼板を溶融めっき後冷却する場合の概要を示
す図である。
【図11】冷却水に界面活性剤を添加した際の表面張力
の変化を示す図である。
【図12】本発明を用いて、鋼板を圧延後制御冷却した
際の効果として材質不良の発生率の変化を示した図であ
る。
【図13】本発明を用いて、鋼板を連続焼鈍した際の効
果として鋼板の折れ状疵の発生率の変化を示した図であ
る。
【図14】本発明を用いて、鋼板を溶融亜鉛めっき後冷
却した際の効果として鋼板の形状及び外観の不良率の変
化を示した図である。
【符号の説明】
1 鋼板 2 仕上圧延機 3 熱間矯正機 4 温度計 5 冷却装置 6 界面活性剤投入タンク 7 界面活性剤供給量制御装置 8 冷却水供給系 9 冷却水循環系 10 冷却水循環槽 11 界面活性剤濃度測定装置 12 冷却水表面張力測定装置 13 界面活性剤を添加した冷却水を用いる冷却ゾーン 14 界面活性剤を添加しない冷却水を用いる冷却ゾー
ン 15 界面活性剤を添加した冷却水循環槽 16 界面活性剤を添加しない冷却水循環槽 17 ペイオフリール 18 ルーパー 19 加熱帯 20 均熱帯 21 一次冷却帯 22 復熱帯 23 過時効処理帯 24 二次冷却帯 25 後処理設備 26 テンションリール 27 ロール 28 冷却水スプレー箱 29 合金化炉 30 ワイピングノズル 31 亜鉛めっき浴

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の冷却方法において、冷媒として水
    に界面活性剤を混入したものを用いることを特徴とする
    鋼板の冷却方法。
  2. 【請求項2】 鋼板の冷却方法において、冷媒の供給系
    統を2以上に分け、冷却の後期には水に界面活性剤を混
    入したものを用いることを特徴とする鋼板の冷却方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の鋼板の冷却方法にお
    いて、鋼板の仕上圧延後、冷却を行なうことを特徴とす
    る鋼板の冷却方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2の鋼板の冷却方法にお
    いて、連続焼鈍設備における冷却に用いることを特徴と
    する鋼板の冷却方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2の鋼板の冷却方法にお
    いて、溶融亜鉛めっき後の冷却に用いることを特徴とす
    る鋼板の冷却方法。
  6. 【請求項6】 鋼板の制御冷却装置において、冷却水の
    供給系統に、界面活性剤タンクと界面活性剤の供給量制
    御装置と、冷却水の界面活性剤濃度測定装置及び、又は
    冷却水の表面張力測定装置を備えたことを特徴とする制
    御冷却装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120174606A1 (en) * 2011-01-12 2012-07-12 Lothar Budike Building heat load reduction method and apparatus
JP2012177145A (ja) * 2011-02-25 2012-09-13 Jfe Steel Corp 高強度冷延鋼板の製造方法及び製造装置
JP2014184441A (ja) * 2013-03-21 2014-10-02 Kobe Steel Ltd 圧延方法及び圧延装置
JP2014214374A (ja) * 2013-04-30 2014-11-17 株式会社神戸製鋼所 熱延鋼板の製造方法及び熱延鋼板

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