JP7107113B2 - 圧延方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧延潤滑設備及び圧延方法に関する。
電磁鋼板は、変圧器や発電機、電動機の鉄心材料として広く用いられている。近年、特に無方向性電磁鋼板は、自動車の燃費向上のためにハイブリッドカー用のモータ素材として使用され、需要が急速に高まっている。このようなハイブリッドカーに用いられる無方向性電磁鋼板には、品質と価格が求められる。品質としては鉄損が低いこと、価格としては当然ながら廉価であることが求められる。
鉄損の低い電磁鋼板を鉄心材料として使用することにより、鉄心の発熱に起因する電気機器の温度上昇が抑えられ、機器の効率も向上するので、低鉄損材料に対する要望は極めて強い。一般に鉄損は、ヒステリシス損と渦電流損との2つの鉄損成分に分けられる。これらの鉄損成分は、鋼板の結晶粒径、析出物量、集合組織及び鋼板の電気抵抗(固有抵抗)等の冶金的因子により変化することが知られており、鉄損を低減させるために冶金的因子の制御が行われている。
冶金的因子の制御は、焼鈍条件または合金の成分条件等の圧延以外の冶金的因子の制御と圧延における冶金的因子の制御とに大別される。例えば、特許文献1には、温間圧延による冶金的因子の制御技術が開示されており、特許文献1に開示の技術では、冶金的因子の制御を冷間圧延工程での温間圧延により行い得る。特許文献1に記載の冷間圧延工程では、タンデム圧延機の圧延方向の最上流側に配置されたスタンドの入側において、鋼板を200℃以上500℃以下に予備加熱して温間圧延する。これにより、鋼板表層近傍の集合組織を制御し、板厚方向の磁束分布(つまり集合組織)を均一化する。すなわち、鋼板表層の{100}面近傍の集積度を増加させ、板厚方向の磁束分布(つまり集合組織)を均一化することにより、ヒステリシス損を低減している。さらに、特許文献1には、ヒステリシス損の低減効果が最大となる鋼板の温度は300℃程度であることが開示されている。
特開2017-125249号公報 特開2006-272382号公報 特開昭63-160702号公報 特開2005-95928号公報 特開昭59-125202号公報 特開2010-116588号公報
西谷伸、外3名、「塗装下地用電解リン酸塩化成処理技術」、デンソーテクニカルレビューvol.7,No.2、2002年、p35-p38 白石利幸、外3名、「塑性と加工:先進率の負挙動を含む板厚セットアップモデルの開発-高速安定圧延技術の研究」、日本塑性加工学会誌、1995年11月20日、第36巻418号、p.1269-1274
しかしながら、電磁鋼板においては、上記特許文献1に開示されているように300℃以上に加熱した後圧延機にて圧延すると、潤滑不足により電磁鋼板に焼付が生じる場合がある。
電磁鋼板に焼付を生じさせないように圧延時の潤滑性を確保するために、例えば、潤滑剤を循環利用するリサーキュレーション潤滑方式の圧延機を用いて電磁鋼板を圧延することも考えられる。しかし、リサーキュレーション潤滑方式の圧延機では、圧延前に電磁鋼板を加熱しても、潤滑剤の供給によって加熱された電磁鋼板が冷却されたり、加熱されてから圧延される前までに空冷されたりする。このため、ヒステリシス損の低減効果を高めるために電磁鋼板を300℃以上に加熱して圧延する場合には、温度低下分も考慮して、圧延前により高い温度で電磁鋼板を加熱する必要がある。特に、リサーキュレーション潤滑方式の圧延機では、加熱された電磁鋼板に対する潤滑剤の供給による冷却の影響は大きいので、供給された潤滑剤が加熱された電磁鋼板にかからないようにする必要がある。このため、温間圧延する圧延スタンドの潤滑はワークロールに供給された潤滑剤のみとなり、従来のように板に供給された潤滑剤の効果はなくなる。このため、潤滑不足が生じ安い。このような理由から、リサーキュレーション潤滑方式の圧延機で300℃以上に加熱して圧延する際に、電磁鋼板の潤滑性を確保することが求められていた。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、300℃以上に加熱された電磁鋼板が、リサーキュレーション潤滑方式の圧延機にて少なくとも第1スタンドにおいて圧延される際に、該電磁鋼板の潤滑性を確保して、焼付を防止することが可能な、新規かつ改良された圧延潤滑設備及び圧延方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、300℃以上の耐熱性を有する被膜を電磁鋼板の表面に形成する被膜処理装置と、前記被膜が形成された前記電磁鋼板を加熱する加熱装置と、前記加熱装置に対して圧延方向下流側に配置され、潤滑剤を循環利用するリサーキュレーション潤滑方式であって複数スタンドからなる冷間タンデム圧延機と、を有し、前記加熱装置は、前記冷間タンデム圧延機の入側において前記電磁鋼板の板温度が300℃以上500℃以下となるように前記電磁鋼板を加熱し、前記冷間タンデム圧延機は、前記電磁鋼板を少なくとも第1スタンドにおいて圧下率30%以上で圧延する、圧延潤滑設備が提供される。
前記被膜処理装置は、二硫化モリブデンを含む二硫化モリブデン被膜を形成してもよい。
前記被膜処理装置は、被膜厚が0.1μm以上0.5μm以下となるように前記電磁鋼板の表面に前記二硫化モリブデン被膜を形成してもよい。
前記被膜処理装置は、リン酸塩被膜を形成する電解リン酸塩処理装置であってよい。
前記電解リン酸塩処理装置は、被膜厚が0.9μm以上、2.1μm以下となるように前記電磁鋼板の表面に前記リン酸塩被膜を形成してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、被膜処理装置を用いて、電磁鋼板の表面に300℃以上の耐熱性を有する被膜を形成し、前記被膜が形成された前記電磁鋼板を、加熱装置を用いて、300℃以上500℃以下に加熱し、加熱された前記電磁鋼板を、潤滑剤を循環利用するリサーキュレーション潤滑方式であって複数スタンドからなる冷間タンデム圧延機を用いて、少なくとも第1スタンドにおいて圧下率30%以上で圧延する、圧延方法が提供される。
前記冷間タンデム圧延機の圧延方向最上流側の第1スタンドにおける圧延荷重、ワークロール速度、及び、出側通板速度の実測値に基づいて、前記第1スタンドのワークロールと前記電磁鋼板との間の摩擦係数を算出し、算出した前記摩擦係数が、予め設定された所定の摩擦係数範囲内に収まるように、前記被膜処理装置により前記電磁鋼板の表面に形成される前記被膜の被膜厚さを制御してもよい。
上記構成により、電磁鋼板の表面上に300℃以上で耐熱性を有する被膜が形成されることで、該電磁鋼板を300℃以上に加熱しても、十分な潤滑性を確保しつつ、圧延機において圧延する際に鋼板に焼付が発生しない効果が得られる。
以上説明したように本発明によれば、300℃以上に加熱された電磁鋼板が、リサーキュレーション潤滑方式の圧延機にて少なくとも第1スタンドにおいて圧延される際に、該電磁鋼板の潤滑性を確保して、焼付を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る鋼板製造プロセスの一例を示す図である。 同実施形態に係る冷間タンデム圧延機の第1スタンドの詳細を示す詳細図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.背景>
(1.1.鉄損の低減)
本発明は、温間圧延された電磁鋼板をリサーキュレーション潤滑方式の圧延機により圧延する技術に関するものである。電磁鋼板、特にハイブリッドカーに用いられる無方向性電磁鋼板には、低鉄損であることが望ましい。一般に鉄損は、ヒステリシス損と渦電流損との2つの鉄損成分に分けられる。これらの鉄損成分は、鋼板の結晶粒系、析出物量、集合組織および鋼板の電気抵抗(固有抵抗)等の冶金的因子により変化する。
結晶粒径は、粒径が大きくなるほどヒステリシス損は減少し、渦電流損は増加する。そのため、鉄損が最小となる適正粒径が存在する。適正粒径は、励磁周波数により変化し、周波数が高くなるほど適正粒径は小さくなることが知られている。よって、使用される励磁周波数に応じて、適正粒径が選定される。所望の適正粒径が得られるように、例えば、仕上げ焼鈍の条件が選定される。
析出物は、磁壁移動の障害となりヒステリシス損を増加させるとともに、仕上げ焼鈍において結晶粒が適正粒径まで成長するのを妨げて、鉄損の増加を引き起こす。このため、硫化物または窒化物等の析出物を形成する要因となる硫黄成分Sまたは窒素成分Nの鋼板製造プロセスへの混入を極力低減させている。
また、電磁鋼板の製造においては、インヒビターと呼ばれる析出物を使用して、最終の仕上げ焼鈍中に好ましい方位の結晶粒を優先的に2次再結晶させる方法が一般的に使用されている。
集合組織に関しては、板面内に磁化容易軸を含む{100}、{110}方位の集積を増やし、磁化容易軸を含まない{111}、{211}方位を減少させることにより、ヒステリシス損を減少させている。
電磁鋼板の固有抵抗の増加は、渦電流損を減少させるので、鉄損の低減にきわめて有効である。一般には、Siの添加により電磁鋼板の固有抵抗を増加させているが、Si添加量が増加すると電磁鋼板の加工性が劣化して、冷間圧延時に破断を起こしやすくなる。また、Alの添加により固有抵抗を増加させる方法もあるが、Siと同様に加工性を劣化させる。
このため、SiとAlとの添加量の合計が3%を超えると、圧延時に板破断が多発して、生産性の低下および製造コストの上昇を引き起こす。
また、上述のような焼鈍条件または合金成分条件以外の冶金的因子の制御として、例えば上記特許文献1に記載のように、冷間圧延工程において温間圧延を行うことによる手法がある。特許文献1では、電磁鋼板を300℃以上に加熱した後に圧延機にて圧延すると、潤滑不足により電磁鋼板に焼付が生じる場合がある。
このように電磁鋼板の特性を向上するために、様々な取り組みが行われている。特に、タンデム圧延機を用いた温間圧延方法は、ゼンジマー圧延機を用いた圧延方法よりも生産性を飛躍的に高めて、製造コストも低減できる。
(1.2.電磁鋼板の温間圧延)
タンデム圧延機で電磁鋼板を圧延する際、電磁鋼板は、脆性材料であるために、通常、ホットバスと呼ばれる浴槽での加熱、もしくは、蒸気による加熱の後、圧延される。いずれの加熱方法でも、加熱された電磁鋼板の温度は100℃未満である。この方法は、脆性対策としては有効であることが公知である。
このようなホットバスまたは蒸気による電磁鋼板の加熱は、脆性対策としては有効である一方で、加熱温度が100℃未満であるために、加熱後の電磁鋼板の温度は、特許文献1に記載されているようなヒステリシス損の低減効果が高まる300℃まで到達しない。よって、鋼板表層の{100}面近傍の集積度を増加させて、板厚方向の磁束分布(つまり集合組織)を均一化して、ヒステリシス損を低減する効果は得られない。
ところで、冷間圧延工程において使用されるタンデム圧延機は、潤滑剤の供給及びワークロールの冷却に関し、ダイレクト潤滑方式とリサーキュレーション潤滑方式との2種類に大きく分類される。
ダイレクト潤滑方式は、いわゆるかけすて方式である。ダイレクト潤滑方式では、圧延機の入側にて、鋼板およびワークロールに対して潤滑油をエマルションにして供給し、圧延機の出側にて、ワークロールに対して冷却水を供給する。これらの潤滑油および冷却水は、回収されて再生利用される。
一方、リサーキュレーション潤滑方式は、圧延潤滑油と水を混合したエマルションをタンクに貯めておき、圧延機の入側にて、鋼板およびワークロールに対してエマルションを供給し、圧延機の出側でも入側と同様に、ワークロールに対してエマルションを供給する。これらのエマルションは、上記タンクに回収されて再び使用される。リサーキュレーション潤滑方式では、圧延潤滑油と水とが混合されたエマルションが、ワークロールと鋼板との潤滑及びワークロールの冷却の役割を担っている。
このような冷間タンデム圧延機の圧延方向上流側に加熱装置を配備して、鋼板を予備加熱して温間圧延する場合、鋼板にエマルションがかかると鋼板が冷却されてしまう。例えば、タンデム圧延機の圧延方向最上流側にある第1スタンドは、通板速度が他のスタンドよりも遅く、鋼板の温度低下が与える板への影響が大きい。このような鋼板の冷却を防止するために、例えば、特許文献2には、圧延機の上ロールに供給するクーラントが鋼板にかからないように、水切り板を設ける技術が開示されている。
特許文献2に記載されているように水切り板を設けることは板温度低減防止のためには有効であるものの、ワークロールに供給されたエマルションの鋼板へのプレートアウトが確保できないために、潤滑不足が生じやすい。特許文献2には、このような潤滑不足を解消するために、エマルションを高濃度にして鋼板に少量供給することも開示されている。
しかしながら、圧延機入側でエマルションを鋼板に供給すると、鋼板が冷却され、鋼板の温度が低下する。そのため、加熱装置を使用する加熱圧延においては、鋼板の温度低下分を加味した加熱装置の温度制御が必要となる。加熱量の増加に伴い加熱装置の電力も増加するため、製造コストも上昇する。
また、エマルションを高濃度にして鋼板に少量供給する方法では、温間圧延用に高濃度のエマルションを鋼板に少量供給する設備が別途必要となる。さらに、高濃度のエマルションと低濃度のエマルションとは同時に回収されて、同一タンクに送液されるため、タンク内のエマルション濃度が上昇する。このため、鋼板がスリップしないように、タンク内のエマルションを頻繁にダンプアウトしてエマルション濃度を一定に保つ必要があり、製造コストが上昇する。
また、温間圧延用に高濃度のエマルションを鋼板に少量供給することを行わない場合には、ロールバイト内に導入されるエマルションは、ワークロールに供給したエマルションのみとなるため、潤滑不足が生じて鋼板に焼付が発生する。焼付が発生すると、鋼板の表面品位が低下するため、鋼板はスクラップ処理されることになる。
このような潤滑不足による鋼板の焼付を防止するための方法として、例えば特許文献3には、防錆および潤滑性を確保するために圧延機入側のコイル(鋼板)に圧延潤滑油の原液をプレコートする技術が開示されている。しかしながら、プレコートされた鋼板を200℃以上500℃以下に予備加熱した場合、発火の恐れがある。
また、特許文献4には、タンデム圧延機の圧延方向最上流側の第1スタンドでの潤滑を補うために、鋼板の表面にテフロン(登録商標)を含むパウダーを噴霧または塗布する技術が開示されている。しかしながら、この技術では、鋼板の温度が300℃未満では潤滑性が満たされるものの、鋼板の温度が300℃以上では、テフロン(登録商標)が熱分解して潤滑性が確保できない。
さらに、特許文献5には、テフロン(登録商標)を含むパウダーではなく、エマルションにリン酸塩またはシュウ酸塩を混入させて、リン酸塩被膜またはシュウ酸塩被膜を鋼板の表面に形成する技術が開示されている。かかる方法では、インラインで圧延中に被膜を形成する。しかし、この方法では、エマルションの乳化安定性が低下しやすく、頻繁にタンク内のエマルションを頻繁にダンプアウトして交換する必要がある。
また、特許文献6には、タンデム圧延機最上流側の第1スタンドの潤滑を補うためにリン酸塩処理を鋼板に対して行うことが開示されている。かかる方法も有効ではあるが、該リン酸塩処理は、処理工程が多く、多大な処理時間も要するため、インラインに組み込むには非常に長いスペースが必要であり、実用的とは言えない。
このように、タンデム圧延機で電磁鋼板を300℃以上で圧延をする場合には、潤滑不足が課題として存在していた。特に、ダイレクト潤滑方式よりも潤滑剤の濃度の調整が難しいリサーキュレーション潤滑方式のタンデム圧延機は、300℃未満では、テフロン(登録商標)等を用いて、潤滑性の確保が可能であるものの、電磁鋼板を300℃以上で圧延をする場合に、潤滑性を十分確保できる技術が求められていた。
そこで、本発明者らは、リサーキュレーション潤滑方式のタンデム圧延機を有する鋼板製造プロセスにおいて、電磁鋼板を300℃以上に加熱した後圧延しても焼付を防止することが可能な圧延潤滑設備及びこれによる圧延方法を想到した。以下、本発明の一実施形態に係る延潤滑設備及びこれによる圧延方法について説明する。
<2.鋼板製造プロセスの構成>
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る鋼板製造プロセスを説明する。図1は、本実施形態に係る鋼板製造プロセスの一例を示す図である。
鋼板製造プロセス1は、図1に示すように、ホットコイル焼鈍装置30と、酸洗装置40と、予備処理装置100を有する冷間タンデム圧延機50と、連続焼鈍装置60と、を有する。なお、本実施形態では、便宜上、ホットコイル焼鈍装置30の圧延方向上流にて鋼板を処理する熱間圧延装置20を、鋼板製造プロセス1に包含して説明する。
本実施形態においては、無方向性電磁鋼板(以下、単に電磁鋼板Sとも称する。)を製造する設備を例に挙げて説明する。なお、本実施形態において、無方向性電磁鋼板は、質量%で、2.5%≦Si≦5.0%、0.1%≦Al≦2.0%、0.1%≦Mn≦2.0%、P≦0.02%、0.001%≦C≦0.005%、0.001%≦N≦0.005%、S≦0.005%、Cu≦0.1%、Ni≦0.1%を含有し、残部としてFeおよび不純物元素を含有する。ただし、本実施形態に係る無方向性電磁鋼板は、P、S、Cu、Niの各元素を含まない鋼板も含む。また、本実施形態に係る無方向性電磁鋼板は、Si、Al、Mn、P、C、N、S、Cu、およびNiを上記範囲で含有し、かつ残部がFeおよび不純物元素からなる鋼板であることが望ましい。
熱間圧延装置20は、電磁鋼板Sを熱間圧延する圧延装置である。熱間圧延装置20は、鋳造設備により製造された電磁鋼板Sを熱間圧延する。熱間圧延では、粗圧延機および仕上げ圧延機等の複数の圧延機を通過して、所望の板厚に圧延される。熱間圧延された電磁鋼板Sは冷却装置(図示せず。)等により冷却され、巻取機によってコイル状に巻き取られる。
(ホットコイル焼鈍装置)
ホットコイル焼鈍装置30は、熱間圧延装置20にてコイル状に巻き取られた電磁鋼板Sを、板状に払い出して焼鈍することにより、電磁鋼板Sに所望の性質を与える。電磁鋼板Sは、ホットコイル焼鈍装置30にて処理された後にコイル状に巻き取られ、酸洗装置40にてコイル状の電磁鋼板Sが払い出されることにより、不連続にホットコイル焼鈍装置30から酸洗装置40へ搬送されてもよい。あるいは、電磁鋼板Sは連続的にホットコイル焼鈍装置30から酸洗装置40へ送り出されてもよい。
(酸洗装置)
酸洗装置40は、電磁鋼板Sに形成されたスケールを溶削除去する。酸洗装置40の酸洗槽には酸洗液が収容されている。酸洗液は、例えば塩酸または硫酸等の水溶液であり、スケールを溶削可能な酸洗液である。酸洗装置では、電磁鋼板Sを酸洗槽にて酸洗液に浸漬しながら搬送することにより、電磁鋼板Sの表面に形成されたスケールを溶削する。なお、酸洗の溶削効率を上昇させるために、鋼板製造プロセスの酸洗装置の上流には、電磁鋼板Sの表面に形成されるスケールにクラックを付与する圧延機、レベラー装置、テンションレベラー、乾式または湿式のショットブラスト、またはグラインダー等を備えてもよい。酸洗装置40にて酸洗された電磁鋼板Sは、酸洗処理後にコイル状に巻き取られ、冷間タンデム圧延機50にてコイル状の電磁鋼板Sが払い出されることにより、不連続に酸洗装置40から冷間タンデム圧延機50へ搬送されてもよい。あるいは、電磁鋼板Sは連続的に酸洗装置40から冷間タンデム圧延機50へ送り出されてもよい。ここで、電磁鋼板Sは冷間タンデム圧延機50が有する予備処理装置100へ、まず送り出される。
(冷間タンデム圧延機)
冷間タンデム圧延機50は、予備処理装置100と、複数のスタンド51~スタンド56を有する圧延機と、制御部と、を有する圧延機である。冷間タンデム圧延機50は、制御部に制御された予備処理装置100により予備処理された電磁鋼板Sを、圧延する。冷間タンデム圧延機50は、電磁鋼板Sを複数のスタンドを連続的に通過させて、所望の板厚に圧延する。予備処理装置100を説明する前に、まずは冷間タンデム圧延機50に関して説明する。
冷間タンデム圧延機50は、例えば、図1に示すような6つのスタンド51~56を有してもよい。例えば、最上流側の第1スタンド51と、第2スタンド52と、第3スタンド53と、第4スタンド54と、第5スタンド55とは、4重圧延機であってもよく、第6スタンド56は、6重圧延機であってもよい。冷間タンデム圧延機50では、例えば入側板厚3mmの電磁鋼板Sが0.3mmまで圧延される。後述する予備処理を行った電磁鋼板Sを板温度が300℃以上500℃以下となるように加熱し、冷間タンデム圧延機では、電磁鋼板Sを少なくとも第1スタンドにおいて圧下率30%以上で圧延することにより、電磁鋼板Sの鋼板表面近傍の{100}面を増加させ、磁束密度向上による鉄損低減ができる。
4重圧延機のワークロール径は、例えば、500mm~799mmであり、バックアップロール径は1300mm~1600mmであり、胴長はいずれも2000mmであってもよい。6重圧延機のワークロール径は450mm~500mmであり、中間ワークロール径は500mm~650mmであり、バックアップロール径は1300mm~1500mmであり、胴長はいずれも2000mmであってもよい。
冷間タンデム圧延機50は、リサーキュレーション潤滑方式のタンデム圧延機である。図2を参照して、リサーキュレーション潤滑方式の冷間タンデム圧延機の詳細を説明する。図2は、リサーキュレーション潤滑方式の冷間タンデム圧延機の構成の一例を示した図である。図2では、最上流側に設けられる第1スタンド51を例示しているが、他のスタンドについても同様に構成し得る。
リサーキュレーション潤滑方式では、各スタンドの入側と出側にて、圧延潤滑油を水に混入させたエマルションが鋼板およびワークロールに対して供給されている。供給されたエマルションは、タンクに回収されて、再び、各スタンドに供給される。
図2を参照して詳しく説明すると、第1スタンド51は、上ワークロール51aおよび下ワークロール51bと、上ワークロール51a及び下ワークロール51bを支持する上バックアップロール51cおよび下バックアップロール51dとを有している。
第1スタンド51の入側には、上ワークロール51aおよび下ワークロール51bに対してエマルションを供給する入側上エマルション供給ノズル511および入側下エマルション供給ノズル512が配備されている。入側上エマルション供給ノズル511および入側下エマルション供給ノズル512は、上ワークロール51aおよび下ワークロール51bに対してエマルションを供給して、ワークロールにプレートアウトさせて上ワークロール51aおよび下ワークロール51bと電磁鋼板Sとの間の潤滑性を確保する。また、潤滑性の確保と共に、上ワークロール51aおよび下ワークロール51bの冷却も行う。
エマルションは、例えば、合成エステル(ヒンダードコンプレックスエステル)をベース油とした圧延潤滑油であってもよい。かかるエマルションは、例えば濃度2%、温度60℃で、各スタンドに供給される。各スタンドでは、入側と出側の供給量として、エマルションを1~3m/min程度供給している。これにより、圧延潤滑およびワークロールの冷却が行われる。
第1スタンド51の入側には、さらに、上水切り板515および下水切り板516が配備される。上水切り板515は、電磁鋼板Sと入側上エマルション供給ノズル511との間に配備され、下水切り板516は、電磁鋼板Sと入側下エマルション供給ノズル512との間に配備される。上水切り板515および下水切り板516を配備することにより、入側上エマルション供給ノズル511および入側下エマルション供給ノズル512から供給されたエマルションが電磁鋼板Sにかかり板温度の低下を引き起こすことを防止でき、さらに、板の冷却により板幅方向に生じる温度むらを抑制できる。温度むらが抑制されることにより、タンデム圧延機50にて形状不良が発生して、絞りによる板破断または蛇行等を誘発することを抑制できる。また、例えば、鉄損等の最終製品の品質に生じるバラツキを抑制できる。
なお、上水切り板515および下水切り板516が配備されず、エマルションにより板温度が低下する場合には、加熱装置120にて、エマルションによる温度低下分を考慮して、板温度をさらに加熱する必要がある。
第1スタンド51の出側には、上ワークロール51aおよび下ワークロール51bに対してエマルションを供給する出側上エマルション供給ノズル513および出側下エマルション供給ノズル514が入側と同様に配備されている。出側上エマルション供給ノズル513および出側下エマルション供給ノズル514からエマルションが供給されることで、上ワークロール51aおよび下ワークロール51bの冷却が行われている。また、第2スタンドでも温間圧延を行う場合には第1スタンドの入側と同様に電磁鋼板Sにエマルションがかからないように水切り板を設けても良い。
第1スタンド51の入側および出側にて、上ワークロール51aおよび下ワークロール51bに供給されたエマルションは、当該スタンド下に設置されたパン517により回収される。回収されたエマルションは、配管を通り、エマルション回収タンク(図示せず。)へ回収される。エマルション回収タンクへ回収されたエマルションは、再び、エマルションとして、冷間タンデム圧延機50の各スタンドに供給される。
なお、図2に示す冷間タンデム圧延機50の第1スタンド51では、入側および出側にて、ワークロールに対して、エマルションを供給する構成を示したが、本実施形態はかかる例に限定されない。例えば、第1スタンド51の入側および出側にて、バックアップロール51c、51dに対してエマルションを供給するエマルション供給ノズルがさらに配備されてもよい。
冷間タンデム圧延機50のうち少なくとも第1スタンド51は、圧延荷重を測定する荷重測定装置(図示せず。)を備え、後述する制御部に測定した圧延荷重を出力する。また。冷間タンデム圧延機50のうち少なくとも第1スタンド51では、ワークロールの回転速度(ワークロール速度)が測定される。測定されたワークロール速度の実測値は、後述する制御部に出力される。さらに、冷間タンデム圧延機50の少なくとも第1スタンド51の出側には、板速度を計測する板速度計が設置され得る。実測された板速度も後述する制御部に出力される。
((予備処理装置))
予備処理装置100は、被膜処理装置110と、加熱装置120と、を有する。
[被膜処理装置]
被膜処理装置110は、電磁鋼板Sの表面に、300℃以上の耐熱性を有する被膜を形成する。被膜処理装置110により電磁鋼板Sの表面に被膜を形成することで、冷間タンデム圧延機50での第1スタンドでの焼付を防止することができる。被膜処理装置110は、例えば、二硫化モリブデン被膜、リン酸塩被膜等の被膜を電磁鋼板Sの表面に形成する。
[[二硫化モリブデン被膜]]
例えば被膜処理装置110は、二硫化モリブデン被膜を形成する被膜処理装置であってもよい。被膜処理装置110は、例えば二硫化モリブデンを含む潤滑剤をスプレー塗布する装置であって、電磁鋼板Sの上面及び下面と対向するように上下に設置される。被膜処理装置110は、該潤滑剤のスプレー塗布量を変更することにより電磁鋼板Sの表面に形成される被膜の被膜厚さを変化させることが可能である。これにより、潤滑性を変化させることができる。スプレー塗布方法として、エアスプレー、エアレススプレー、静電スプレー等の公知の方法が使用される。
二硫化モリブデン被膜を形成するための潤滑剤としては、例えば、二硫化モリブデンを主成分とする成分を、樹脂バインダーに分散させた乾燥被膜潤滑剤が用いられる。また、潤滑剤には、グラファイトが混入されていてもよい。
被膜処理装置110により、二硫化モリブデン被膜を形成する場合には、該被膜の厚さは、0.1μm以上0.5μm以下とするのが好ましい。被膜厚さが0.1μm以上であれば、潤滑効果を十分に得ることができる。また、被膜厚さが0.5μm以下であれば、潤滑効果は飽和していないため、過剰に潤滑剤を用いることがなく経済的である。
[[リン酸塩被膜]]
あるいは、被膜処理装置110は、電解リン酸塩処理を用いたリン酸塩被膜を形成する被膜処理装置であってもよい。被膜処理装置110は、例えば、処理液が収容された被膜処理槽を有する。被膜処理装置110は、被膜処理槽の処理液に電磁鋼板Sを浸漬させて電解リン酸塩処理を施すことで、電磁鋼板Sの表面にリン酸塩被膜を形成する。電磁鋼板Sの表面に形成される被膜の被膜厚さは、被膜処理槽にて通電される電気量を制御することにより、変化させることができる。被膜処理装置110は、例えば、非特許文献1に記載される公知の電解リン酸塩化成処理技術を適用してもよい。
被膜処理装置110により、電解リン酸塩処理を用いて被膜を形成する場合には、該被膜の厚さは、0.9μm以上2.1μm以下とするのが好ましい。被膜厚さが0.9μm以上であれば、潤滑効果を十分に得ることができる。また、被膜厚さが2.1μm以下であれば、潤滑効果は飽和していないため、過剰に潤滑剤を用いることがなく経済的である。
[加熱装置]
加熱装置120は、被膜処理装置110により被膜が形成された電磁鋼板Sを加熱する。加熱装置120は、冷間タンデム圧延機50の入側の板温度が、300℃以上500℃以下になるように電磁鋼板Sを加熱する。この温度範囲となるように電磁鋼板Sを加熱することで、電磁鋼板Sのヒステリシス損の低減効果を高めることができる。加熱装置120の出側であって、かつ、冷間タンデム圧延機50の入側には、加熱装置120により加熱された電磁鋼板Sの温度を得るために、板温度計121が設置される。加熱装置120は、板温度計121により測定される電磁鋼板Sの温度が300℃以上500℃以下になるように制御する。本実施形態では、加熱温度を300℃以上500℃以下としたが、加熱装置120は、300℃より低い温度に加熱してもよい。
加熱装置120において設定される加熱温度は、加熱装置120と冷間タンデム圧延機50との距離等に基づき決定されてもよい。例えば、加熱装置120と冷間タンデム圧延機50との距離が10mである場合、通板速度が150m/minでは、約50℃程度の板温度の低下が生じる。この場合、加熱装置120は、該板温度の低下を考慮して、350℃に電磁鋼板Sを加熱してもよい。このように加熱装置120は、加熱装置120と冷間タンデム圧延機50との間において低下する板温度を考慮して、加熱温度を決定してもよい。
加熱装置120として、例えば、誘導加熱装置を用いてもよい。なお、加熱装置120は、電磁鋼板Sを加熱できれば、加熱形態は特に限定されない。加熱装置120にて加熱された電磁鋼板Sは、冷間タンデム圧延機50に送り出される。
((制御部))
冷間タンデム圧延機50には、上述した予備処理装置100を制御する制御部が、さらに備えられる。制御部は、具体的には、被膜処理装置110と、加熱装置120と、を制御する。制御部が被膜処理装置110を制御する場合、制御部では、冷間タンデム圧延機50の最上流側の第1スタンド51における圧延荷重と、ワークロール速度と、スタンド51の出側の電磁鋼板Sの板速度の実測値を取得する。制御部は、これらの実測値に基づいて、最上流側のスタンド51におけるワークロールと電磁鋼板Sとの間の摩擦係数を算出する。
制御部は、具体的には、先進率、または、先進率および圧延荷重から第1スタンドの摩擦係数を算出する。なお、先進率は、実測されるワークロール周速とスタンド51の出側の板速度に基づいて算出される。
制御部は、例えば、非特許文献2に開示されるBland&Fordの簡易先進率式から、摩擦係数を求めてもよい。また、制御部は、上記Bland&Fordの簡易先進率式から求めた摩擦係数と、先進率と、の回帰式を作成し、該回帰式を用いて、実測から求められた先進率を代入して摩擦係数を求めてもよい。
制御部は、上述のように、摩擦係数を算出して、摩擦係数が予め設定された所定の摩擦係数範囲内に収まるように、被膜処理装置110を用いて形成される被膜量を制御する。例えば、所定の摩擦係数範囲として、0.07~0.09の範囲が好ましい。摩擦係数は、0.09以下であることにより、潤滑剤の原単位の上昇を回避できる。一方、摩擦係数が、0.07以上であることにより、潤滑性を確保し、焼付を防止できる。
以上までで、予備処理装置100を有する冷間タンデム圧延機50の説明を行った。冷間タンデム圧延機50にて圧延された電磁鋼板Sは連続焼鈍装置60に送り出される。
(連続焼鈍装置)
連続焼鈍装置60は、冷間タンデム圧延機50にて圧延された電磁鋼板Sを焼鈍して、圧延などの加工により生じたひずみ等を除去する。
以上、本実施形態の鋼板製造プロセス1の一構成例に関して説明を行った。
(その他の構成)
図1に示した鋼板製造プロセス1は、ホットコイル焼鈍装置30と、酸洗装置40と、冷間タンデム圧延機50と、連続焼鈍装置60と、により電磁鋼板Sの処理を連続的に行う場合に、図1に示した構成に加えて、以下の構成が追加され得る。
((コイル払い出し機))
熱間圧延装置20と、ホットコイル焼鈍装置30との間には、コイル払い出し機が、配備されてよい。コイル払い出し機は、2以上のコイル払い出し機を有してよく、コイル状に巻き取られている電磁鋼板Sを、コイル毎に順次圧延方向下流に送り出す。コイル状の電磁鋼板Sの一つのコイルの払い出しが終了すると、他のコイルの電磁鋼板Sが順次圧延方向下流に送り出される。
((溶接機))
コイル払い出し機の圧延方向下流には、溶接機(図示せず。)が配備される。溶接機では、コイル払い出し機により払い出された先行コイルの尾端と後行コイルの先端とが溶接されて、連続化された電磁鋼板Sが形成される。
((ルーパー))
溶接機の圧延方向下流には、さらにルーパー(図示せず。)が配備されてもよい。ルーパーは、複数のローラーを有しており、ローラーの位置が変化することで、ルーパーを介した電磁鋼板Sの搬送方向長さが可変となる。ルーパーでは、ローラーの位置が変化することで、電磁鋼板Sの搬送方向長さを変えて、圧延方向下流の工程で電磁鋼板Sの供給に停滞が発生しないように制御する。つまり、溶接機にて先行コイルと後行コイルの接合中にコイルの払い出しが滞り、電磁鋼板Sの送り出しが停止している時でも、ルーパーの位置が変化することにより、電磁鋼板Sを送り出すために、鋼板製造プロセス1では、下流工程で連続して電磁鋼板Sを処理できる。
上述したコイル払い出し機と、溶接機と、ルーパーとにより、鋼板製造プロセス1で連続的な電磁鋼板Sの処理が可能となる。つまり、コイル状に巻き取られていた不連続な電磁鋼板Sが、コイル払い出し機により順次送り出され、溶接機により各コイル状であった電磁鋼板Sが連続化する。溶接機にて各コイルが連続化される際には、溶接に所定の時間を要するため、ルーパーにより、電磁鋼板Sの搬送方向長さを変えて、ルーパーよりも圧延方向下流の工程に対して、一定量の電磁鋼板Sを供給できるようにしている。
((切断機))
また、連続焼鈍装置60の圧延方向下流には、連続化した電磁鋼板Sを切断する切断機(図示せず。)が配置されている。これにより、連続的に処理した電磁鋼板Sを切断分割して、コイル状に巻き取って搬出等することができる。切断機の圧延方向下流には、電磁鋼板Sを巻き取るカローゼルリール(図示せず。)が配置されている。カローゼルリールにて巻き取られたコイル状の電磁鋼板Sは、ロールから払い出されて、コンベア等に積載されて次工程へ搬出される。
<4.処理工程>
以下、図1に示した鋼板製造プロセス1により行われる各工程を説明する。
まず、熱間圧延装置20にて熱間圧延された電磁鋼板Sは、ホットコイル焼鈍装置30にて、焼鈍され、所望の電磁特性が付与される。
次に、ホットコイル焼鈍装置30にて焼鈍された電磁鋼板Sは、酸洗装置40にて酸洗され、電磁鋼板Sの表面のスケールが除去される。
酸洗装置40により酸洗された電磁鋼板Sは、冷間タンデム圧延機50による圧延前に、予備処理装置100にて処理される。
ここではまず、被膜処理装置110により電磁鋼板Sの表面に被膜が形成される。この際に電磁鋼板Sの表面には、300℃以上の耐熱性を有する物質が被膜として形成される。例えば、被膜として、二硫化モリブデン被膜もしくは電解リン酸塩被膜が電磁鋼板Sの表面に形成される。
被膜処理装置110により電磁鋼板Sの表面に被膜を形成する際には、冷間タンデム圧延機50に設けられる制御部が、冷間タンデム圧延機50の最上流側の第1スタンド51の圧延荷重と、ワークロール速度と、最上流側の第1スタンド51の出側の電磁鋼板Sの板速度と、の実測値に基づいて、摩擦係数を算出する。
制御部は、上述した実測値から、最上流側の第1スタンド51におけるワークロールと電磁鋼板Sとの間の摩擦係数を算出し、摩擦係数が、予め設定された所定の摩擦係数範囲内に収まるように、被膜処理装置110を用いて、電磁鋼板Sの表面に形成される被膜厚さを制御する。所定の摩擦係数範囲は、例えば0.07以上0.09以下の範囲であってもよい。制御部は、算出された摩擦係数が0.07よりも低下すると、被膜厚さを薄くするように、被膜処理装置110による被膜の量を制御してもよく、0.09よりも上昇すると、被膜厚さを厚くするように、被膜処理装置110による被膜の量を制御してよい。
例えば、被膜処理装置110が、二硫化モリブデンを含む二硫化モリブデン被膜を形成する場合には、制御部は被膜の塗布量を変更制御し、被膜処理装置110が、電解リン酸塩処理装置である場合には、制御部は被膜処理槽にて通電される電気量を変更制御して被膜の厚さを制御する。
次いで、被膜処理された電磁鋼板Sは、加熱装置120にて加熱される。加熱装置120は、制御部により、冷間タンデム圧延機50の最上流側の第1スタンド51の入側に設けられた板温度計121により測定された板温度に基づいて制御される。制御部は、板温度計121により測定される板温度が300℃以上500℃以下となるように加熱装置120を制御する。
加熱装置120により加熱された電磁鋼板Sは、冷間タンデム圧延機50にて圧延される。冷間タンデム圧延機50は、潤滑剤を循環利用するリサーキュレーション潤滑方式で複数スタンドからなる冷間タンデム圧延機であり、該冷間タンデム圧延機50にて、第1スタンドでは圧下率30%以上圧延され、他のスタンドの圧延も合わせて電磁鋼板Sは所望の板厚まで圧延される。
圧延された電磁鋼板Sは、その後、連続焼鈍装置60にて連続焼鈍され、ひずみ等が除去されて次工程へ搬出される。
以上、本実施形態における鋼板製造プロセスの詳細に関して説明を行った。本実施形態にて説明したリサーキュレーション潤滑方式の冷間タンデム圧延機を有する鋼板製造プロセスにおいて、該冷間タンデム圧延機の圧延方向上流に、被膜処理装置および加熱装置を含む予備処理装置を配備し、電磁鋼板の表面に被膜処理を行い、該冷間タンデム圧延機にて300℃以上500℃以下で圧延を行うことで、電磁鋼板の板温度が300℃以上であっても、該冷間タンデム圧延機にて焼付を生じさせずに圧延を行うことができる。さらには、板温度が300℃以上にて、所望の電磁特性が得られるため、鉄損の低い電磁鋼板を製造することができる。
本実施例では、本発明の効果を確認するために、図1に示した鋼板製造プロセスを用いて、電磁鋼板を圧延した。本実施例では、板厚2.3mm、板幅1200mmの無方向性電磁鋼板を冷間タンデム圧延機にて板厚0.3mmまで圧延した。
冷間タンデム圧延機の第1スタンド入側での板温度は300℃とし、冷間タンデム圧延機では圧下率38%で電磁鋼板を圧延した。なお、加熱装置を通過後、冷間タンデム圧延機にて圧延されるまでの間に電磁鋼板が冷却されることを考慮して、加熱装置における加熱温度は350℃に設定した。
圧延速度は、コイル切り替え時の最終スタンドの圧延速度が250m/min、最終スタンドの最高圧延速度が1100m/minとした。また、下記表1に示すように、各スタンド間における張力は20~350MPaとした。
Figure 0007107113000001
エマルションは、合成エステル(ヒンダードコンプレックスエステル)をベース油とした圧延潤滑油であり、濃度2%、温度60℃で、各スタンドのワークロールに対して供給された。各スタンドでは、入側と出側の供給量として、エマルションを1~3m/min程度供給した。
実施例1~3の冷間タンデム圧延機の第1スタンドは、図2に示した冷間タンデム圧延機の第1スタンド51と同様の構成を有する。第1スタンドには、1~3m/minのエマルションが供給され、圧延潤滑とワークロール冷却が行われた。
実施例1の鋼板製造プロセスでは、被膜処理装置にて潤滑剤の塗布が行われ、潤滑剤として二硫化モリブデンが用いられた。塗布量は、被膜厚さ平均0.2μmとなるように制御された。
実施例2の鋼板製造プロセスでは、被膜処理装置にて電解リン酸塩処理を用いた被膜の形成が行われた。鋼板表面に形成されたリン酸塩被膜は、被膜厚さ平均1.1μmとなるように制御された。
実施例3の鋼板製造プロセスでは、被膜処理装置にて潤滑剤の塗布が行われ、潤滑剤として二硫化モリブデンが用いられた。被膜処理装置では、圧延時に実測されるワークロール速度および出側の板速度と上述したBland&Fordの簡易先進率式とから、摩擦係数をリアルタイムで算出した。実施例3の被膜処理装置では、算出された摩擦係数が、0.07~0.09の範囲となるように、被膜量を制御した。
比較例1は、鋼板製造プロセスの全体構成が図1に示したように実施例1~3と同様であるが、被膜処理装置による被膜の形成は行わなかった。また、冷間タンデム圧延機の第1スタンドにおいて、実施例1~3と同様に、ワークロールに対して1~3m/minのエマルションが供給され、圧延潤滑とワークロール冷却が行われた。比較例1と実施例1~3との構成の違いは、比較例1では図2に図示された上水切り板515および下水切り板516を取り外した構成としていることである。
比較例2の鋼板製造プロセスの全体構成は図1に示した実施例1~3と同様である。冷間タンデム圧延機の第1スタンドは、図2に示した冷間タンデム圧延機の第1スタンド51と同様の構成を有する。第1スタンドには、ワークロールに対して1~3m/minのエマルションが供給され、圧延潤滑とワークロール冷却が行われた。比較例2の鋼板製造プロセスでは、被膜処理装置により鋼板の表面に潤滑剤を塗布した。実施例1~3との違いとして、潤滑剤としてテフロン(登録商標)を含むパウダーを用いた。潤滑剤の塗布量は、コーティング膜厚平均が0.2μmとなるように制御された。
実施例1~3と比較例1および比較例2との構成の差異と結果は、下記表2にまとめた。表2では、第1スタンドの入側に水切り板が設置された場合には○、水切り板を設置していない場合には×を記した。電磁鋼板の表面に被膜を形成しない場合も×を記した。また、製造された鋼板に対する評価は、電磁特性の評価と板の形状および焼付に関する評価の2種類行った。なお、電磁特性の評価は、ヒステリシス損に関する評価である。以下、実施例1~3と比較例1および比較例2との結果を説明する。
実施例1および実施例2の鋼板製造プロセスでは、電磁鋼板に焼付は発生せず、第1スタンド出側の板形状も良好であった。圧延速度も1100m/minであり、高速に圧延することができた。
実施例3の鋼板製造プロセスは、実施例1および実施例2と同様に焼付は発生せず、第1スタンド出側の板形状は良好であり、圧延速度1100m/minで圧延できた上、塗布量を摩擦係数に基づいて制御することで、塗布量を実施例1の73%に低減できた。
比較例1では、加熱装置にて消費される電力が実施例1の2倍となった。これは、水切り板がないことにより、鋼板にエマルションがかかり鋼板が冷却され、冷間タンデム圧延機の入側にて板温度を300℃とするために、消費電力が増加したことが要因と考えられる。また、比較例1の第1スタンド入側での鋼板の板温度は、板中央部では300℃±10℃であったが、板端部では300℃±50℃であり、鋼板の板幅方向に温度のバラつきが生じた。このため、第1スタンド出側の板形状は中伸び形状となり、絞りが発生して、安定した圧延ができなかった。このため圧延速度は平均530m/minとなり、低速での圧延となった。
比較例2では、第1スタンドの出側の板形状は良好であった一方で、加熱装置により350℃まで鋼板を加熱したことにより、潤滑剤として塗布したテフロン(登録商標)を含むパウダーが熱分解した。このため、十分な潤滑効果が得られず、焼付が発生した。
さらに、実施例1~実施例3の鋼板製造プロセスにて製造された無方向性電磁鋼板について、電磁特性の評価を行った。電磁特性の評価では、55mm角磁気測定試験と実施し、5000A/mにおける磁束密度B50と、200Hz、1.5Tにおける鉄損W15/200と、400Hz、1.5Tにおける鉄損15/400と、を測定した。磁束密度B50、鉄損W15/200、鉄損W15/400は、L方向(圧延方向)およびC方向(圧延方向に直交する方向)の平均値として求めた結果、鋼板を加熱せずに圧延する場合に比べて、ヒステリシス損は13%程度低減した。
Figure 0007107113000002
以上のことから、本発明のリサーキュレーション潤滑方式の冷間タンデム圧延機を有する鋼板製造プロセスを用いて電磁鋼板を圧延する際に、電磁鋼板の表面に、300℃以上の耐熱性を有する被膜を電磁鋼板の表面に形成し、冷間タンデム圧延機の第1スタンドの入側で板温度が300℃以上500℃以下に加熱し、少なくとも第1スタンドにおいて圧下率30%以上で圧延することで、電磁鋼板の特性を満足した上で、生産性の向上と焼付を防止と、を可能とすることが確認された。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、電磁鋼板を対象としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、ハイテン鋼を対象としてもよい。鋼板製造プロセスによりハイテン鋼を温間圧延することで、圧延時の荷重を低減することができ、板破断を防止することができる。
20 熱間圧延装置
30 ホットコイル焼鈍装置
40 酸洗装置
50 冷間タンデム圧延機
51 第1スタンド
51a 上ワークロール
51b 下ワークロール
51c 上バックアップロール
51d 下バックアップロール
511 入側上エマルション供給ノズル
512 入側下エマルション供給ノズル
513 出側上エマルション供給ノズル
514 出側下エマルション供給ノズル
515 上水切り板
516 下水切り板
517 パン
60 連続焼鈍装置
100 予備処理装置
110 被膜処理装置
120 加熱装置

Claims (1)

  1. 被膜処理装置を用いて、電磁鋼板の表面に300℃以上の耐熱性を有する被膜を形成し、
    前記被膜が形成された前記電磁鋼板を、加熱装置を用いて、300℃以上500℃以下に加熱し、
    加熱された前記電磁鋼板を、潤滑剤を循環利用するリサーキュレーション潤滑方式であって複数スタンドからなる冷間タンデム圧延機を用いて、少なくとも第1スタンドにおいて圧下率30%以上で圧延する、 圧延方法であって、
    前記電磁鋼板の表面に被膜を形成する際に、
    前記冷間タンデム圧延機の圧延方向最上流側の第1スタンドにおける圧延荷重、ワークロール速度、及び、出側通板速度の実測値に基づいて、前記第1スタンドのワークロールと前記電磁鋼板との間の摩擦係数を算出し、
    算出した前記摩擦係数が、予め設定された所定の摩擦係数範囲内に収まるように、前記被膜処理装置により前記電磁鋼板の表面に形成される前記被膜の被膜厚さを制御する、 圧延方法。
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