JP2011025305A - 潤滑油供給方法及び潤滑油供給装置 - Google Patents

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【課題】本発明は、薄鋼板の圧延の潤滑油原液をワークロールに噴霧供給するエアーアトマイズ法による潤滑油供給方法において、潤滑油供給端の故障や異常稼動が発生した場合に備えて、修理するまでの間疵発生などがなく安定的な圧延を可能とする技術を提供する。
【解決手段】潤滑油原液を気体で霧状にして圧延機入側で噴射する圧延における潤滑油供給方法において、潤滑油供給端を幅方向に複数本配置し、その最大の間隔の半分以上の長さにミルの幅方向に往復運動させる潤滑油供給方法、またはその装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、鋼板の圧延において潤滑油原液をワークロールに噴霧供給するガスアトマイズ法による潤滑油供給方法及び潤滑油供給装置に関するものである。
鋼板のタンデム圧延、特に冷間タンデム圧延では通常エマルション潤滑が採用されている。エマルション潤滑は水と油の混合液をロールや板に供給する方式であり、供給液がロール冷却の役割も果たすことから供給液をクーラントとも呼ぶ。このようにエマルション潤滑は潤滑と冷却を兼ね備えた潤滑方式として広く普及した。
しかしながら、エマルション潤滑ではロールバイト入口で油水分離・付着し、主に潤滑油がロールバイトで導入される過程で水と一緒に板端から流れ落ちる潤滑油も多く、必ずしも効率の良い潤滑油供給方法とはいえない。
また、油水分離・付着にある程度の時間が必要であるため、高速圧延ではその時間が十分に確保できずにロールバイトに導入される潤滑油が不足し、ロールに焼き付きが生じるというエマルション潤滑特有の原因もある。これらのエマルション潤滑に起因する問題を回避するためにエマルション潤滑以外の潤滑方法が提案されている。
その一つにニート潤滑があり、これは潤滑油原液(以下、単に潤滑油という)を直接ロールや鋼板に供給するものである。しかし、通常潤滑油は粘度が高く、ロールや鋼板表面に広がりにくいため、その供給方法を工夫する必要があった。そこで、潤滑油を空気等の不燃性ガスで霧化して噴射供給する方法(ガスアトマイズ法)が注目されている。特に空気で霧化する方法をエアーアトマイズ法という。(以下、特に断らない限り、ガスアトマイズ法をエアーアトマイズ法も含めたものの総称とする。)
一方、熱間圧延でも、エマルション潤滑やウォーターインジェクション潤滑によりロールに潤滑油を供給することが多いが、ロール冷却水が潤滑油付着の邪魔をして潤滑効率が悪くなることがある。そのため、エマルション潤滑やウォーターインジェクション潤滑のような水との混合液よりも、むしろ潤滑油原液を供給する方が、潤滑効率がよくなると考えられることから、最近ではガスアトマイズ法が注目されている。
特許文献1にはガスアトマイズ法を熱間圧延に適用することを念頭において、ガスアトマイズ法の基本的な構成を開示している。
特許文献2にはガスアトマイズ法を熱延に適用する際に懸念される火災を防止するために、入側ロール表面に薄い水膜を形成し、その上に潤滑油を噴射供給する方法が開示されている。
特許文献3には冷延でガスアトマイズ法を使用することを念頭において、常温で固化している潤滑油を加熱液化して噴霧供給することにより、使用環境温度によらず使用できる技術を開示している。
特許文献4には冷延で複数の潤滑油を、その圧延状況に応じて選択・組合わせてガスアトマイズ法で供給し、さらにロール出側に冷却水の水切り装置を備え潤滑油がロールに付着しやすいようにする技術が開示されている。
特開2003−94104号公報 特開2006−272358号公報 特開2006−263740号公報 特開2006−263741号公報
上記したようにニート潤滑は、潤滑油を直接ロールや鋼板に供給するため、圧延時の摩擦係数を低減する効果は高い反面、その高い粘度のため、ロールや鋼板表面に広がりにくい。それを補うため、ガスアトマイズ法により、ロールや鋼板表面に広範囲に噴霧し、適正な潤滑効果を得ている。
しかし、一旦設備トラブル等が発生すると、ニート潤滑の欠点が露呈し、潤滑効果が十分得られず品質上の重大な問題を生じることがある。例えば圧延ロールの幅方向に複数本配置されている潤滑油供給ノズルのうち1本でも詰まると、修理するまで一時的に使用できない潤滑油供給ノズルが生じることがある。そのような場合、潤滑油不足なく圧延を継続できなければ、ノズルを修理するまでの間に部分的にヒートスクラッチが発生したり、圧延後の鋼板形状が乱れたりするなどの問題が発生する。故障したノズルだけを修理することを考えると、予定外のミルの休止を行わなければならなくなるため生産性が低下したり、歩留まりが悪化したりする。また、潤滑油供給ノズルのトラブルに気付かず、そのトラブルに気づいた時には不良な鋼板が大量に圧延されていることも想定される。
そこで、上記問題点に鑑み、本発明は、鋼板圧延において潤滑油原液をワークロールに複数のノズルで噴霧供給するガスアトマイズ法による潤滑油供給方法において、潤滑油供給端の故障等で正常な潤滑油供給ができなくなった場合に備えて、疵発生などがなく安定的な圧延を可能とする技術を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明者らは、鋭意検討した結果、ニート潤滑のように潤滑油原液で潤滑する場合、その潤滑性能が高いので、圧延中にロールと鋼板表面の界面に潤滑油切れを起こさなければ、鋼板圧延を継続させることができ、品質上の重大な問題を生じることもないことを見出し、本発明を成すに至った。そして本発明の要旨は以下に示すとおりである。
(1)潤滑油原液を気体で霧化し、圧延機入側でワークロール又は/及び鋼板に噴射する鋼板圧延における潤滑油供給方法において、圧延機の入側に複数個の潤滑油供給端を鋼板の幅方向に配置し、それぞれの潤滑油供給端からワークロール又は/及び鋼板への潤滑油噴射付着範囲が隣接潤滑油供給端からの潤滑油噴射付着範囲と重複するように、前記複数個の潤滑油供給端を鋼板の幅方向に往復運動させることを特徴とする潤滑油供給方法。
(2)前記潤滑油供給端の往復運動が、隣接する潤滑油供給端の最大間隔の半分以上の長さを片振幅とすることを特徴とする(1)に記載の潤滑油供給方法。
(3)前記潤滑油供給端からの潤滑油の供給の有無を監視し、潤滑油が供給されていない潤滑油供給端が有る場合は、当該潤滑油供給端がないものとして前記隣接する潤滑油供給端の最大間隔を決めることを特徴とする(2)に記載の潤滑油供給方法。
(4)前記潤滑油供給端の往復運動を、圧延開始から圧延終了まで行うことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の潤滑油供給方法。
(5)前記潤滑油供給端からの潤滑油の供給の有無を監視し、潤滑油が供給されていない潤滑油供給端が有る場合に、前記潤滑油供給端の往復運動を開始し、圧延終了まで行うことを特徴とする(3)に記載の潤滑油供給方法。
(6)潤滑油原液を気体で霧化し、圧延機入側でワークロール又は/及び鋼板に噴射する鋼板圧延における潤滑油供給装置において、圧延機の入側で鋼板の幅方向に配置した複数個の潤滑油供給端と、それぞれの潤滑油供給端からワークロール又は/及び鋼板への潤滑油噴射範囲が重複するように前記複数個の潤滑油供給端を鋼板の幅方向に往復運動させる供給端往復運動手段を有することを特徴とする潤滑油供給装置。
(7)前記潤滑油供給端からの潤滑油の供給の有無を監視する監視手段と、当該監視手段による潤滑油供給が無いことを示す検知信号に従って前期潤滑油供給端の往復運動を開始する制御手段とを有することを特徴とする(6)に記載の潤滑油供給装置。
ここで、潤滑油供給端とは、潤滑油原液を気体で霧状に(ガスアトマイズ)するものであり、潤滑油供給ノズルと気体ノズルで構成されている場合が多い。潤滑油供給ノズルは潤滑油を供給するためのノズルを、気体ノズルはアトマイズに用いる気体を供給するノズルを意味する。潤滑油供給ノズルとエアーノズルが一体構造となっている潤滑油供給端の場合もある。 潤滑油は、鋼板の圧延で使用しているものであれば特に限定しない。また、アトマイズするための気体も特に限定しないが、安全上の観点から、通常空気や不燃性ガスが用いられる。以下、特にことわらない限り、気体は空気を例とし、エアーアトマイズ法にて説明する。
本発明によれば、潤滑油原液を気体で霧状(アトマイズ)にして圧延機入側で噴射する圧延における潤滑油供給方法において、潤滑油供給端が鋼板の幅方向に複数本配置されているとき、そのうちの1本もしくは複数本の潤滑油供給端が故障して正常な潤滑油供給ができなくなった際にも、圧延している鋼板にヒートスクラッチ等の疵発生がなく、安定した圧延を行うことが可能となる。
潤滑油供給端配置のイメージと全ノズルが通常通りの機能を発揮してエアーアトマイズ法にてワークロールに潤滑油を供給しているところを示す図である。 潤滑油供給端の内1本が機能停止に陥ってしまった場合の潤滑油供給位置を示す図である。 潤滑油供給端の内1本が機能停止に陥ってしまった場合に本発明にてその機能を補完することを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、エアーアトマイズ法による例を、図面を参照して説明する。もちろん、アトマイズに用いる気体は、空気及び不燃性ガスであれば、特に限定されるものでない。
図1〜3は、圧延機入側から見た圧延中のワークロール、潤滑油供給端および潤滑油供給端から潤滑油がワークロールに供給されている所を示す。図1〜3には、上ワークロール11と被圧延材である鋼板10が示されており、下ワークロール、上下バックアップロールや上下中間ロール(6Hiミルの場合)は省略されている。また、エアーアトマイズ法の場合、潤滑油配管12とは別にエアー配管が設置されるが、図1〜3にはエアー配管やエアー供給ノズルは示していない。前述したように、潤滑油供給端1〜6は、通常潤滑油供給ノズルとエアー供給ノズルで構成されるが、ここでは簡略化し、潤滑油供給端のみを示している。更に図1〜3には潤滑油供給端は6本示しているが、本数は特に限定されない。噴霧する面積と鋼板幅(若しくはロール幅)から、潤滑油供給端の本数は決定されるものである。ワークロール上に示している楕円は潤滑油がワークロールに供給される部分をイメージしている。全潤滑油供給端は等間隔に配置されているが、例えばロール胴端近くの間隔を狭めたり、その逆であったりしても構わない。また、潤滑油は、ワークロールではなく、鋼板に供給してもよい。もちろん、ワークロールと鋼板の界面をめがけて噴霧してもよい。ここでは、ワークロール上に潤滑油を噴霧することを例として説明する。
図1では全潤滑油供給端がそれらの持つ機能を十分に発揮しているところを示している。隣同士の潤滑油供給端によって供給される潤滑油が噴射付着する部分13(以下、供給部という)はワークロール上で若干の重複している(図1参照)。エマルションで供給する場合は潤滑油の粘度はほぼ水と等しいので、ロールバイト入口部で幅方向に満遍なく広がるため、隣接する潤滑油供給端からの供給部が重ならなくてもほとんど問題ない。しかし、ニート潤滑のように潤滑油原液をエアーアトマイズ法で供給する場合、供給位置同士が離れているとロールバイト入口部でも幅方向に均一に潤滑油が広がらない可能性があるので、重なり部分を若干つくるのが好ましい。重なり部分の長さは潤滑過多にならず、且つ潤滑油の歩留まりが悪化しない程度に決定する必要があるが、それは潤滑油供給ノズル形状や供給部での潤滑油量、圧延材等によっても変わるので本発明を使用するミルで独自に決定するのが良い。
図2に配管詰まり等、なんらかの原因により左から2番目の潤滑油供給端2が使用できなくなった場合を示す。エマルション潤滑の場合は、上記したようにエマルションの粘度が小さいので、機能停止の供給端が生じても、ロールバイト入口部では潤滑油が幅方向に移動してきて供給されるために実質的に問題ない。しかし、エアーアトマイズの場合、このままだと隣接する潤滑油供給端からの供給部も重複しないので、機能停止した潤滑油供給端2が潤滑油を噴射供給すべき部分に潤滑油が供給されない(図2参照)。ロールバイト入口部で潤滑油供給端1および潤滑油供給端3の供給部から多少の潤滑油の流入はあると思われるが、潤滑油が供給されない部分が発生して、潤滑不足によって被圧延材である鋼板表面に焼き付き疵等が発生する可能性が高くなる。
そのような状況下でも、安定して鋼板の幅方向全体に、ロールの幅方向全体に潤滑油が供給されるように、本発明の実施形態の例として複数の潤滑油供給端全体を鋼板の幅方向に往復運動しているところを、図3に示している。隣接する潤滑油供給端間の最大距離の半分の長さ以上を片振幅(以後、特にことわらない限り、単に振幅という。)として圧延機の幅方向に動かすことにより、1つの潤滑油供給端が機能停止になった場合でも、隣接する潤滑油供給端により潤滑油の供給部13が重複し、潤滑油が供給されるので、潤滑不足による疵発生等がなく安定した圧延を行うことができる。往復運動が遅いと機能停止に陥っている供給端部分の潤滑油供給が不十分となってしまうこともあるので、鋼板幅方向に局所的に潤滑油不足が生じない程度に往復運動の周波数(往復動の速さと同義)と潤滑油の供給量を設定する必要がある。また、振幅の上限は特に限定されないが、ロール幅以上の振幅は必要ない。現実的には、複数の潤滑油供給端が全て同時に故障することはないと思われるので、故障リスクとの兼ね合いで振幅上限を決めればよい。例えば、隣り合う数本の潤滑油供給端が同時に故障したときを想定し、この故障した潤滑油供給端がないものと考え、残った潤滑油供給端のうち、隣接間隔が最大のところの半分以上の振幅を設定できるようにしておけばよい。また、振幅を可変にしておいて、適宜設定することもできる。
全潤滑油供給端が機能を発揮している場合はこのような往復運動機能を付与する必要はないが、潤滑油供給端の機能停止がいつ発生するかは不明なので、常時往復運動させておけば、局所的な潤滑不足を生じることはない。また、潤滑油供給端の機能停止を監視しておいて、機能停止になった潤滑油供給端が一つでも発生したときにだけ往復運動させてもよい。この場合は常時往復運動をさせる場合と比較して、往復させるための電力量も減少するため、消費電力は小さいながらもコスト削減につながる。
しかし、潤滑油供給端が一つでも機能停止したまま長時間圧延することは好ましくないので、適当なタイミングで修理しなければならない。本発明によれば、その修理するまでの間でもトラブル無く圧延することは可能となる。
本発明の効果を確認するために圧延実験を行った。圧延機はワークロール径400mmの4Hi圧延機を使用した。この圧延機には、出側にワークロール冷却水を供給する装置を設置してあり、3mm厚×400mm幅の圧延材を30%圧下した。ワークサイド側の板端(0mm点と定義)に潤滑油供給端1を設置し、100mm間隔でドライブサイド側の板端(400mm点)に潤滑油供給端5を設置した。1本の潤滑油供給端からワークロール上に潤滑油の供給部は、鋼板板幅方向で長さ120mm程度あり、隣接潤滑油供給端からの供給部との重なりは20mm程度あった。
全潤滑油供給端が機能する場合(条件1)と、潤滑油供給端2だけを潤滑油供給を途中から停止した場合(条件2)と、条件2に加えて潤滑油供給端に往復運動を振幅50mmで与える場合(条件3)で圧延した。圧延速度は100m/minとした。潤滑油供給量は、潤滑油供給端1本あたり5cc/minとした。潤滑油供給端1と潤滑油供給端5は板端にセットしてあるので、潤滑油として寄与しているのは実質的には半分しかないので、圧延材には潤滑油0.5cc/m2が供給されることになる。
条件1では10分間圧延を行ったが、何の問題も発生しなかった。
条件2では圧延開始から1分後に潤滑油供給端2からの供給を停止したが、その7分後に潤滑油供給端2の供給部近傍で疵が発生したので、圧延を中止した。圧延後に鋼板表面を観察したところ、供給停止後約4分後から潤滑油供給端2の供給部近傍で小さな焼きつき疵が発生し始めていたことが確認された。
条件3では圧延開始から連続的に往復運動を与えておき、条件2と同様に圧延開始1分後に潤滑油供給端2を停止して圧延した。15分圧延したが疵発生は見られなかった。
以上により、潤滑油供給端が機能停止に陥った場合でも、潤滑油供給端の往復運動によりワークロール表面で潤滑油切れが生じないようにすれば、圧延における潤滑油の効果が得られ、品質上の問題を生じることなく圧延ができることが確認された。
実施例1で往復運動の効果が確認できたので、実生産ラインでも効果を確認した。使用した圧延機は冷間タンデム圧延機の第一スタンドで、上下ワークロール径427.0mm、426.8mm、上下中間ロール径554mm、551mm、上下バックアップロール径1086mm、1094mmの6Hiミルである。ここで行った圧延および潤滑油供給条件を表1にまとめる。
圧延材は3.2mm厚から4.5mm厚まであり、圧下率はすべて約25%、板幅は930mmから1122mmまであった。潤滑油供給端の間隔は100mmと200mmの2組を準備し、最大板幅(1122mm)に合わせてそれぞれ潤滑油供給端12本、および6本を設置した。往復運動の振幅は潤滑油供給端間隔の半分とした。
条件1は実施例1で確認した条件と同じであり、これを標準条件とした。実施例1より圧延速度が速いので潤滑油供給端1個からの潤滑油供給量は増加させている。但し単位面積当たりの供給量は同じである。
条件2では、前述した間隔200mmのものを設置し、条件1に対して潤滑油供給端の間隔を倍にした。
条件3では条件1に対して潤滑油供給量を4割減少させた。
条件4では条件1に対して往復運動の周波数を100分の1にした。
条件5では条件1に対して往復運動の周波数を条件1の5倍にした。
条件6では潤滑油供給量を増加させた。
条件5は条件1と比較して潤滑条件が厳しく、条件6は条件1と比較して潤滑条件が緩やかな方向にある。
条件7では条件1に対して往復運動の周波数を2倍にして、供給量を半分にした。全条件ともワークサイド側の板端から3つ目の潤滑油供給端の供給を停止して実験した。
各条件において、鋼板のコイル3本ずつ圧延した。条件1、2は、圧延中、特に問題もなかった。圧延後に表面観察を行ったが、表面状態も問題なかった。条件3では潤滑油量が少ないために焼き付く可能性があると考えて、過去の圧延条件の先進率と荷重から推定する摩擦係数推定簡易モデルを作成しておいたので、当該モデルから出力される摩擦係数を監視していた。トップスピードでは摩擦係数が上昇したが、圧延後の表面観察でも疵等は見られなかった。条件4でも圧延中・圧延後ともに問題は無かった。潤滑油供給端の往復運動の周波数をかなり低くしてもロールに残存している油や、多少の幅方向の油の移動で潤滑はまかなうことができることが確認できた。
条件4で、途中で往復運動を止め、その部分の表面観察を圧延後に行ったところ、往復運動停止後5分後くらいに小さな疵が発生し始め、だんだん疵が大きくなるのが確認できた。
条件4で焼きつきが生じたので、条件5〜7は組み替えたワークロールを使用した。往復運動の周波数を高くした条件5でもなんの問題も生じなかった。もっと早く動かしても問題ない可能性もある。条件6では油の量が多い分潤滑過多になることを危惧したが、この条件では問題なかった。もっと多い量でも問題ない可能性もある。条件7では供給しない潤滑油供給端の供給部に潤滑油が噴射しない時間間隔が短縮されるよう往復運動周波数を2倍にして潤滑供給量を半分にしたが、問題は無かった。この条件が組み合わせのベストであるとはいいきれず、もっと往復運動の周波数(ヘルツ数)を大きくして供給量を減少させることもできる可能性がある。
Figure 2011025305
以上のように、種々の潤滑油供給条件下において、潤滑油供給端が機能停止に陥った場合でも、潤滑油供給端の往復運動によりワークロール表面で潤滑油切れが生じなければ、圧延において潤滑油の効果が得られ、品質上の問題を生じることなく圧延できることが、実機生産ラインでも確認された。
本発明は、空気等の不燃性ガスで潤滑油を霧化・噴射するエアーアトマイズ法による鋼板圧延のニート潤滑に利用することができる。本発明により、潤滑供給端の不測の故障による潤滑油供給が不能となっても、被圧延材である鋼板の品質を損なうことなく、圧延を継続することが可能となり、鋼板品質歩留や圧延生産性の向上に大きく貢献するものと確信する。
1〜6 潤滑油供給端1〜6
1’〜6’ 往復運動した時の潤滑油供給端1〜6
10 被圧延材(鋼板)
11 上ワークロール
12 潤滑油配管
13 潤滑油噴霧部(供給部)

Claims (7)

  1. 潤滑油原液を気体で霧化し、圧延機入側でワークロール又は/及び鋼板に噴射する鋼板圧延における潤滑油供給方法において、圧延機の入側に複数個の潤滑油供給端を鋼板の幅方向に配置し、それぞれの潤滑油供給端からワークロール又は/及び鋼板への潤滑油噴射付着範囲が隣接潤滑油供給端からの潤滑油噴射付着範囲と重複するように、前記複数個の潤滑油供給端を鋼板の幅方向に往復運動させることを特徴とする潤滑油供給方法。
  2. 前記潤滑油供給端の往復運動が、隣接する潤滑油供給端の最大間隔の半分以上の長さを片振幅とすることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油供給方法。
  3. 前記潤滑油供給端からの潤滑油の供給の有無を監視し、潤滑油が供給されていない潤滑油供給端が有る場合は、当該潤滑油供給端がないものとして前記隣接する潤滑油供給端の最大間隔を決めることを特徴とする請求項2に記載の潤滑油供給方法。
  4. 前記潤滑油供給端の往復運動を、圧延開始から圧延終了まで行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の潤滑油供給方法。
  5. 前記潤滑油供給端からの潤滑油の供給の有無を監視し、潤滑油が供給されていない潤滑油供給端が有る場合に、前記潤滑油供給端の往復運動を開始し、圧延終了まで行うことを特徴とする請求項3に記載の潤滑油供給方法。
  6. 潤滑油原液を気体で霧化し、圧延機入側でワークロール又は/及び鋼板に噴射する鋼板圧延における潤滑油供給装置において、圧延機の入側で鋼板の幅方向に配置した複数個の潤滑油供給端と、それぞれの潤滑油供給端からワークロール又は/及び鋼板への潤滑油噴射範囲が重複するように前記複数個の潤滑油供給端を鋼板の幅方向に往復運動させる供給端往復運動手段を有することを特徴とする潤滑油供給装置。
  7. 前記潤滑油供給端からの潤滑油の供給の有無を監視する監視手段と、当該監視手段による潤滑油供給が無いことを示す検知信号に従って前期潤滑油供給端の往復運動を開始する制御手段とを有することを特徴とする請求項6に記載の潤滑油供給装置。
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