JP2010220178A - ディレイ発生回路、定電流源回路 - Google Patents

ディレイ発生回路、定電流源回路 Download PDF

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Abstract

【課題】トランジスタのしきい値と電流量のみに依存するディレイ発生回路、ディレイ発生回路を使った定電流源を提供する。
【解決手段】制御電圧をゲート端子から入力し、基準電流を発生するPMOSトランジスタ(PMOSTr)104a、PMOSTr104のドレインにかかる電圧を保持するPMOSTr105h及びオペアンプ106、PMOSTr104aに基準電流と同じ電流Isを供給するPMOSTr105a、PMOSTr105aに流れる電流の比例電流を各々が発生する複数のPMOSTr105b〜105g、PMOSTr105b〜105gとオープンドレイン接続されるNMOSTr104b〜104gを設け、NMOSTr104b〜104gを多段に接続し、NMOSTr104bのゲート端子にはクロック信号を入力させ、2以上の偶数番目のNトランジスタのドレインから遅延信号を出力させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ディレイ発生回路、定電流源回路に関する。
図6は、ディレイ発生回路の従来技術を説明するための図である。図示したディレイ発生回路は、例えば、非特許文献1に記載されている。
図6のディレイ回路は、ディレイ発生部601を備えている。ディレイ発生部601は、30段(図において第5段〜第28段が省略されている)のインバータによって構成されている。インバータは、一対のNMOSトランジスタとPMOSトランジスタとで構成されている。図示したNMOSトランジスタ604b〜604g、PMOSトランジスタ605b〜605gのうち、同じアルファベットが付されたNMOSトランジスタとPMOSトランジスタとが1つのインバータを構成する。
NMOSトランジスタ604b〜604gはすべて同一の構造になるよう設計されており、PMOSトランジスタ605b〜605gもすべて同一の構造になるよう設計されている。
ここで、簡単のため、NMOSトランジスタ604b〜604gは、ゲートにしきい値電圧Vnthよりも大きいゲート電圧が印加され、ドレインの電位が0より大きい場合にオン状態となり、一定の電流Inが流れるものとする。また、ゲート電圧がしきい値Vnthよりも小さい場合にオフ状態となり、ソース・ドレイン間に電流が全く流れないものとする。PMOSトランジスタ605b〜605gは、ゲートにしきい値電圧Vpthよりも小さいゲート電圧が印加され、ドレインの電位がVDDより小さい場合にオン状態となり、一定の電流Ipが流れるものとする。また、ゲート電圧がしきい値Vpthよりも大きい場合にオフ状態となり、ソース・ドレイン間に電流が全く流れないものとする。
NMOSトランジスタ605b〜605gとPMOSトランジスタ605b〜605gは、オン状態で動作するときに3極管領域で動作する。このため、電流Inはしきい値Vnthの増加に対して単調減少する。また、電流Ipは、しきい値Vpthの増加に対して単調増加する。
図7は、図6に示したディレイ発生部601において、入力されるクロック(CLK)とインバータの動作との関係を説明するための図である。図7(a)はNMOSトランジスタ604c、PMOSトランジスタ605cによって構成されるインバータ(以降インバータcとも記す)の動作を示している。図7(b)はNMOSトランジスタ604d、PMOSトランジスタ605dによって構成されるインバータ(以降インバータdとも記す)の動作を示している。図7(c)はNMOSトランジスタ604e、PMOSトランジスタ605eによって構成されるインバータ(以降インバータeとも記す)の動作を示している。
ディレイ発生部601には、参照クロックCLKが入力される。参照クロックCLKの駆動能力が充分に高い場合、CLKの立ち上がりによって直ちにインバータbのトランジスタのゲート電圧が0VからVDDに変化する。CLKの立ち上がりエッジの発生後、速やかにNMOSトランジスタ604bはオンされ、PMOSトランジスタ605bはオフされる。インバータbの後段のインバータcを構成する、NMOSトランジスタ604c、PMOSトランジスタ605cのゲート電圧をVGcとする。ゲート電圧をVGcの変化は、以下の式(1)によって表される。
VGc=∫{In/(Cox・Wp・Lp+Cox・Wn・Ln)}・dt …式(1)
なお、式(1)において、CoxはNMOSトランジスタ604b、PMOSトランジスタ605bのゲート酸化膜の単位面積当たりの容量である。WnはNMOSトランジスタ604b〜604gのゲート幅、LnはNMOSトランジスタ604b〜604gのゲート長、WpはPMOSトランジスタ605b〜605gのゲート幅、LpはPMOSトランジスタ605b〜605gのゲート長を示す。また、t=0はCLKの立ち上がりのタイミングを示している。
初期値条件t=0においてVGc=VDDとすると、
VGc=VDD−{In/(Cox・Wp・Lp+Cox・Wn・Ln)}・t …式(2)
ここで、VGcがVnthになる時刻をT1とすると、式(3)が得られる。
T1={(Cox・Wp・Lp+Cox・Wn・Ln)/In}・(VDD−Vnth)
…式(3)
式(3)、図7(a)によれば、インバータcでは、参照クロックCLKの入力から、PMOSトランジスタだけがオンされるまでの時間に所定の時間の遅延(以下遅延量と記す)T1が生じることが分かる。遅延量T1は、式(3)のように、NMOSトランジスタのしきい値やNMOSトランジスタに流れる電流Inに依存する。また、Cox・Wp・Lpといったプロセスのばらつきによって変化し得るパラメータに依存することが分かる。
ただし、このとき厳密にはt=T1以前にNMOSトランジスタ604c、PMOSトランジスタ605cが共にオン状態になる。しかし、このような状態は微小時間しか持続しないため、貫通電流が流れるノードに接続されたゲート容量の電荷が抜けることはないものとする。
インバータcの出力信号は、インバータdに入力される。このとき、NMOSトランジスタ604dとPMOSトランジスタ605dのゲート電圧をVGdとすると、その電圧変化は以下の式(4)、図7(b)によって表される。式(4)において、参照クロックCLKの立ち上がりタイミングをt=0とする。
VGd=∫{Ip/(Cox・Wp・Lp+Cox・Wn・Ln)}・dt …式(4)
初期値条件t=T1においてVGd=0であるから、式(4)より、式(5)が得られる。
VGd={Ip/(Cox・Wp・Lp+Cox・Wn・Ln)}・(t―T1)…式(5)
ここで、VGdがVpthになる時刻をT1+T2とすると、(5)式より、T2が得られる。
T2={(Cox・Wp・Lp+Cox・Wn・Ln)/Ip}・Vpth …式(6)
上記した式(6)、図7(c)によれば、インバータdは、参照クロックCLKの入力からPMOSトランジスタだけがオンするまでの間に遅延量T1+T2が生じることが分かる。遅延量T2は、式(6)のように、PMOSトランジスタのしきい値やPMOSトランジスタに流れる電流Ipに依存する。また、Cox・Wp・Lpといったプロセスのばらつきによって変化し得るパラメータに依存することが分かる。
以上のことから、図6に示した端子D<1>には、参照クロックCLKの立ち上がりエッジに対し、遅延量T1+T2の遅延を含む立ち上がりエッジが現れる。遅延量は、NMOSトランジスタのしきい値Vnth、PMOSトランジスタのしきい値Vpthに依存し、NMOSトランジスタに流れる電流In、PMOSトランジスタに流れる電流Ipに依存する。さらに、プロセスのばらつきによって変化し得るパラメータに依存する。
ただし、インバータdにあっては、厳密にはt=T1+T2以前にNMOSトランジスタ604d、PMOSトランジスタ605dが共にオン状態になる。しかし、このような状態は微小時間しか持続しないため、貫通電流が流れるノードに接続されたゲート容量の電荷が抜けることはないものとする。
NMOSトランジスタ604eとPMOSトランジスタ605eのゲート電圧をVGeとすると、その電圧変化は式(7)によって表される。式(7)において、参照クロックCLKの立ち上がりタイミングをt=0とする。
VGe=∫{In/(Cox・Wp・Lp+Cox・Wn・Ln)}・dt …式(7)
初期値条件t=T1+T2においてVGe=VDDとすると、式(7)より、式(8)が得られる。
VGe=VDD
−{In/(Cox・Wp・Lp+Cox・Wn・Ln)}・×{t−(T1+T2)}
…式(8)
式(8)、図7(c)によれば、t=(T1+T2)+T1においてVGe=Vnthとなる。つまり、インバータeには、参照クロックCLKに対し、遅延量2T1+T2の遅延を含む立ち上がりエッジが現れる。遅延量は、NMOSトランジスタのしきい値Vnth、PMOSトランジスタのしきい値Vpthに依存し、NMOSトランジスタに流れる電流In、PMOSトランジスタに流れる電流Ipに依存する。さらに、プロセスのばらつきによって変化し得るパラメータに依存する。
インバータeは、インバータcと同様に動作する。このため、インバータeからは、入力された立ち下がりエッジに対し、PMOSトランジスタの電流Ipやプロセスのばらつきに、さらにPMOSトランジスタのしきい値に依存する遅延量T2の遅延を生じる立ち上がりエッジが出力される。
以上説明したように、図6に示した端子D<2>には参照クロックCLKの立ち上がりエッジから遅延量2(T1+T2)遅延する立ち上がりエッジが現れる。同様に、端子D<3>、D<4>、…D<15>には、参照クロックCLKの立ち上がりエッジから遅延量、3(T1+T2)、4(T1+T2)…15(T1+T2)が遅延する立ち上がりエッジが現れる。
図8は、トランジスタのしきい値電圧のばらつきによる遅延量への影響を補正する従来技術を説明するための図である。図8に示した回路は、ディレイ発生回路を含む定電流源回路であって、非特許文献1に記載されている。
図8に示した回路は、ディレイ検出部802と、電流源電流値調整部803と、図6に示したディレイ発生部601とを備えている。ディレイ検出部802は、インバータ(Inverter)809と、D−FF(D−フリップフロップ)810a〜810cと、論理ゲート(Logic gate)811a〜811cによって構成されている。電流源電流値調整部803は、NMOSトランジスタアレイ(array)812と、PMOSトランジスタ805a及びPMOSトランジスタ805h、オペアンプ(図中にOPAMPと記す)806によって構成されている。
NMOSトランジスタアレイ812は、図示を一部省略しているが、14個のNMOSトランジスタで構成されている。NMOSトランジスタアレイ812の14個のNMOSトランジスタは、そのゲート幅を少しずつ変えて設計されている。
図8において端子S<1>にゲートが接続されているNMOSトランジスタのゲート幅が最も広い。以下、NMOSトランジスタのゲート幅は、接続されている端子S<2>…S<n>、S<14>の順に減少し、端子S<2>に接続されているNMOSトランジスタのゲート幅が最も狭く設計されている。
ディレイ発生部601とディレイ検出部802には参照クロックCLKが入力される。ディレイ発生部601から出力されたD〈1〉〜D〈15〉の立ち上がりエッジ群はディレイ検出部802に入力される。ディレイ検出部802から出力される制御コードS〈1〉〜S〈14〉は、電流源電流値調整部803に入力される。電流源電流値調整部803には、さらに、参照電圧VBGが外部から入力され、バイアス電圧VBが出力される。
前記したように、D〈n〉には遅延量n(T1+T2)の遅延を含んだ立ち上がりエッジが現れる。ディレイ検出部802においては、D−FF810a〜810cをトリガ型のFF回路とし、参照クロックCLKの立ち上がりから立ち下がりまでの時間と、遅延量n(T1+T2)を比較することができる。比較の結果は、論理ゲート811a〜811cによって制御コードS〈n〉に変換される。電流源電流値調整部803では、制御コードS〈n〉に基づいて、NMOSトランジスタアレイ812の電流値を目標電流値に近づける。
図9は、図8に示したディレイ検出部802が、入力されたD〈1〉〜D〈15〉を制御コードS〈1〉〜S〈14〉に変換する処理を説明するための図である。図9(a)は、参照クロックCLKの時間変化を表したものであり、(b)はD〈k〉及びS〈k〉(k:15以下の自然数)の状態を表した表である。ここで、D〈k〉=1であるということは、D−FFの動作クロック、すなわち参照クロックCLKの立ち下がりエッジが入力される時刻においてD〈k〉がVDD=Hであることを表す。また、D〈k〉=0であるということは、D−FFの動作クロック、すなわち参照クロックCLKの立ち下がりエッジが入力される時刻においてD〈k〉が0V=Lであることを表す。
図9では、例として、出力信号はD〈n―1〉まで1であり、D〈n〉以降は0である場合について示してある。この場合、論理ゲートによってS〈n〉がH、すなわちVDDが出力され、S〈n〉以外の制御コードは全てL、すなわち0Vが出力されることになる。
1つのS〈n〉により、図8に示した電流源電流値調整部803のNMOSトランジスタアレイ812のNMOSトランジスタが1つオンされ、他のNMOSトランジスタは全てオフされる。このとき、例えば電流源電流値が目標電流値より大きく、遅延量T1+T2が小さく、S〈14〉がHになった場合、NMOSトランジスタアレイ812の中の最もゲート幅の狭いNMOSトランジスタがオンされる。このため、電流源電流値が小さくなるように制御される。
また、反対に、電流源電流値が目標電流値より小さく、遅延量T1+T2が大きく、S〈1〉がHになった場合には、NMOSトランジスタアレイ812中最もゲート幅の広いNMOSトランジスタがオンされる。このため、電流源電流値が大きくなるように制御される。
このような構成により、従来技術では、プロセスによるNMOSトランジスタのしきい値のばらつきを補正し、電流源電流値を安定化させていた。
ASSCC2008 P65-68 1-7 「10-Bit100MS/s CMOSトランジスタ Pipelined A/D Converter with 0.59pJ/Conversion-Step」
しかしながら、インバータを構成するNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタは、そのしきい値電圧、電流値、ゲート酸化膜容量、ゲート幅、ゲート長に各々ばらつきを生じている。このようなばらつきは、主にプロセスの過程で加わった温度やフォトリソグラフィ工程において発生する。
しかし、ディレイ発生回路で発生する遅延量のT1+T2の成分は、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタ両方のばらつきに依存する。このため、電流値の大小と遅延量の多寡が必ずしも一致するとは限らない。以下、図10、図11を用い、電流値と遅延量の不一致について説明する。
図10は、図7に示したVpthよりもPMOSトランジスタのVpthが低い場合のインバータb、インバータc、インバータdにかかるゲート電圧の変化を説明するための図である。トランジスタに流れる電流In、Ipは、図7で説明した電流と同じ値である。式(6)によれば、図10に示すVpthの低下により、図7に示したT2が、より短い時間T’2となることが分かる。
また、図11は、図7に示したVnthよりも、NMOSトランジスタのVnthが大きい場合のインバータb、インバータc、インバータdにかかるゲート電圧の変化を説明するための図である。トランジスタに流れる電流In、Ipは、図7で説明した電流と同じ値である。式(3)によれば、図10に示すVpthの増大により、図7に示したT1が、より短い時間T’1となることが分かる。
上述したディレイ従来技術では、ディレイ発生回路で生じた遅延の量をディレイ検出部802で検出し、遅延量に基づくフィードバック制御を行っている。このような従来技術では、例えば、Vpthが大きく、Vnthも大きくなった場合には、電流Ipが小さく、Inが大きくなる。このとき、目標電流値に対して電流源電流値が大きくなるので、NMOSトランジスタアレイ812では、ゲート幅の小さいNMOSトランジスタが選択されるべきである。
しかし、Vpthが大きく、Vnthも大きくなった場合には、図10、図11で説明したように、遅延量T1が大きく、遅延量T2は小さくなるから、T1+T2の値が必ずしも小さくはならない。したがって、このような場合、目標電流値に対して電流源電流値が大きいにも関わらず、NMOSトランジスタアレイ812において、ゲート幅の小さいNMOSトランジスタが選択されない場合が生じる。
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、ある1つの導電型を有するMOSトランジスタのしきい値と電流量のみ、すなわち、NMOSトランジスタのしきい値と電流量のみ、または、PMOSトランジスタのしきい値と電流量のみに依存するディレイ発生回路を提供することを第1の目的とする。また、このようなディレイ発生回路を含み、MOSトランジスタ電流源の電流量をフィードバック制御することで、高い精度で電流源電流値を目標電流値に近づけることができる定電流源回路を提供することを第2の目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明の請求項1に記載のディレイ発生回路は、制御電圧が入力されるゲート端子と、当該ゲート端子に入力された制御電圧に応じた基準電流を発生する第1MOSトランジスタ(例えば図1に示したPMOSトランジスタ104a)と、前記第1MOSトランジスタのドレインにかかる電圧を基準電圧として保持する電圧保持回路(例えば図1に示したPMOSトランジスタ105h、オペアンプ106)と、前記第1MOSトランジスタに対し、前記基準電流と同じ値の電流を供給する第1電流源(例えば図1に示したPMOSトランジスタ105a)と、前記第1の電流源に流れる電流に比例する比例電流を各々が発生する複数の第2電流源として機能する複数の第2MOSトランジスタ(例えば図1に示したPMOSトランジスタ105b〜105g)と、前記第1MOSトランジスタと同じ導電型を有し、前記第2MOSトランジスタの各々とオープンドレイン接続されて前記比例電流の供給を受ける複数の第3MOSトランジスタ(例えば図1に示したNMOSトランジスタ104b〜104g)と、を備え、前記第3MOSトランジスタは、前段の前記第3MOSトランジスタのソース端子と接続されるゲート端子と、後段の前記第3MOSトランジスタのゲート端子と接続されるソース端子とを備えて多段に接続され、最前の前記第3MOSトランジスタのゲート端子にはクロック信号が入力され、k番目(kは2以上の偶数)の前記第3MOSトランジスタのドレインから前記クロック信号よりも所定時間遅延する遅延信号が出力されることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載のディレイ発生回路は、請求項1に記載の発明において、前記電圧保持回路が、ドレインが前記第1MOSトランジスタのドレインに接続され、ソースが前記第1の電流源に接続される第4MOSトランジスタ(例えば図1に示したPMOSトランジスタ105h)と、一方の入力端子に基準電圧が供給され、他方の入力端子が前記第3MOSトランジスタのドレインに接続され、出力端子が前記第4MOSトランジスタのゲートに接続される増幅器(例えば図1に示したオペアンプ106)と、を備えることを特徴とする。
請求項3に記載のディレイ発生回路は、請求項1または2に記載の発明において、前記第1電流源が前記第2MOSトランジスタと同じ導電型を有する第5MOSトランジスタ(例えば図1に示したPMOSトランジスタ105a)を含み、前記第5MOSトランジスタのゲート幅をW1とした場合、前記第2MOSトランジスは各々W1/mのゲート幅を有して前記基準電流の1/m倍の電流値の電流を生成し(mは2以上の整の定数)、前記第1MOSトランジスタのゲート幅をW2とした場合、前記第3MOSトランジスは各々W1/nのゲート幅を有し(nは1以上の整の定数)、mとnとの間には、m>nの関係があることを特徴とする。
請求項4に記載の定電流源回路は、制御電圧が入力されるゲート端子と、当該ゲート端子に入力された制御電圧に応じた基準電流を発生する第1MOSトランジスタと、前記第1MOSトランジスタのドレインにかかる電圧を基準電圧として保持する電圧保持回路と、前記第1MOSトランジスタに対し、前記基準電流と同じ値の電流を供給する第1電流源と、前記第1の電流源に流れる電流に比例する比例電流を各々が発生する複数の第2電流源として機能する複数の第2MOSトランジスタと、前記第1MOSトランジスタと同じ導電型を有し、前記第2MOSトランジスタの各々とオープンドレイン接続されて前記比例電流の供給を受ける複数の第3MOSトランジスタと、を備え、前記第3MOSトランジスタは、前段の前記第3MOSトランジスタのソース端子と接続されるゲート端子と、後段の前記第3MOSトランジスタのゲート端子と接続されるソース端子とを備えて多段に接続され、最前の前記第3MOSトランジスタのゲート端子にはクロック信号が入力され、k番目(kは2以上の偶数)の前記第3MOSトランジスタのドレインから前記クロック信号よりも所定時間遅延する遅延信号が出力されるディレイ発生回路と、前記クロック信号と前記遅延信号の各々に基づいて、前記クロック信号に対する遅延量をデジタルコード化して出力するディレイ検出部(例えば図5に示したディレイ検出部502)と、前記デジタルコードに基づいて、前記第1MOSトランジスタのゲートに供給される制御電圧を生成する電源電流調整部(例えば図5に示した電流源電流調整部503)と、含むことを特徴とする。
請求項1に記載のディレイ発生回路によれば、第2電流源が第2MOSトランジスタのしきい値電圧によらず基準電流に比例する電流を第3MOSトランジスタに供給することができる。このため、第3MOSトランジスタのしきい値電圧や流れる電流にのみ依存して遅延時間が変動するから、第3MOSトランジスタに流れる電流の量の変動の方向に対応して遅延量が変動する遅延信号を生成することができる。
本発明の請求項2に記載のディレイ発生回路は、電圧保持回路を比較的簡易でありながら適正な電圧保持回路を構成することが可能になる。
請求項3に記載のディレイ発生回路は、第2MOSトランジスタ、第3MOSトランジスタのゲート幅を小さくすることにより、クロックの遅延信号を出力するのに必要な電流量を確保して回路の低消費電流化を図ることができる。
請求項4に記載の定電流源回路は、第3MOSトランジスタに流れる電流の量の変動の方向に対応して遅延量が変動する遅延信号に基づいて、適正に補正され、安定化した電源電流値を供給することができる。
本発明の実施形態1のディレイ発生回路を説明するための図である。 図1に示したディレイ発生回路のうち、プルアップ接続回路に含まれるNMOSトランジスタのゲート電圧の変化を説明するための図である。 図1に示したPMOSトランジスタが、図2に示したVpthよりも低いVpth’を有する場合のゲート電圧の変化を説明するための図である。 図1に示したNMOSトランジスタが、図2に示したVnthよりも低いVnth’を有する場合のゲート電圧の変化を説明するための図である。 実施形態2の定電流源回路を説明するための回路図である。 ディレイ発生回路の従来技術を説明するための図である。 図6に示したディレイ発生部において、入力されるクロックとインバータの動作との関係を説明するための図である。 トランジスタのしきい値電圧のばらつきによる遅延量への影響を補正する従来技術を説明するための図である。 図8に示したディレイ検出部が遅延クロックを制御コードに変換する処理を説明するための図である。 図7に示したVpthよりもPMOSトランジスタのVpthが低い場合のインバータにかかるゲート電圧の変化を説明するための図である。 図7に示したVnthよりも、NMOSトランジスタのVnthが大きい場合のインバータにかかるゲート電圧の変化を説明するための図である。
以下、図を参照して本発明のディレイ発生回路及び定電流源回路の実施形態1、2を説明する。実施形態1はディレイ発生回路に関する実施形態であり、実施形態2は定電流源回路に関する実施形態である。
(実施形態1)
ディレイ発生回路
1構成
図1は、本発明の実施形態1のディレイ発生回路を説明するための図である。図示したディレイ発生回路は、ディレイ発生部101を備えている。ディレイ発生部101は、一対となってインバータを構成する30個のPMOSトランジスタと、30個のNMOSトランジスタとを備えている。NMOSトランジスタ、PMOSトランジスタのいずれにおいても、30個のうちの一部の図示を省略し、第1番目から第4番目のトランジスタと、第29番目及び第30番目のトランジスタのみ図示している。なお、実施形態1では、NMOSトランジスタ、PMOSトランジスタによって構成されるインバータを、プルアップ接続回路と記すものとする。
また、図1において、第1番目から第4番目のNMOSトランジスタには104b〜104eの符号を付し、第29番目及び第30番目のNMOSトランジスタには104f、104gの符号を付す。第1番目から第4番目のPMOSトランジスタには105b〜105eの符号を付し、第29番目及び第30番目のPMOSトランジスタには105f、105gの符号を付す。
以上のNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタは、互いに同一のアルファベットが付されたトランジスタと接続され、プルアップ接続回路を構成する。実施形態1では、例えば、PMOSトランジスタ105c、NMOSトランジスタ104cによって構成されるプルアップ接続回路を、プルアップ接続回路c等とも記すものとする。
1つのプルアップ接続回路に含まれる一対のNMOSトランジスタ、PMOSトランジスタの接続は、オープンドレイン接続と呼ばれている。なお、NMOSトランジスタ、PMOSトランジスタを、オープンドレイン接続の意味を逸脱しない範囲で他の方法により接続することも可能である。
また、ディレイ発生部101は、オペアンプ(図中OPAMPと記す)106、PMOSトランジスタ105a、105h、NMOSトランジスタ104aを備えている。オペアンプ106の2つの入力端子のうち、一方には一定の参照電圧VBGが入力され、他方はPMOSトランジスタ105hのドレインに接続されている。NMOSトランジスタ104aは電流源電流Isを生成し、そのゲートはVDDを供給する電圧源(図示せず)に接続されている。実施形態1では、電圧VDDを基準電圧とする。
オペアンプ106の出力端子はPMOSトランジスタ105hのゲートに接続され、定電流源となるNMOSトランジスタ104aのドレイン電圧をリファレンス電圧VBGと等しくするフィードバックループを形成している。電流源となるPMOSトランジスタ105aにはキルヒホッフの電流則により、NMOSトランジスタ104aと同じ電流値Isの電流が流れる。
PMOSトランジスタ105aとカレントミラー接続されたPMOSトランジスタ105b〜105gは、ドレイン電圧による2次効果を無視すると、各々(1/m)Isの電流を流す電流源として動作する。なお、mは、正の定数である。PMOSトランジスタ105b〜105gのドレインは、NMOSトランジスタ104b〜104gのドレインノードにプルアップ接続されている。
NMOSトランジスタ104b〜104gにおいて、初段のNMOSトランジスタ104bのゲートには参照クロックCLKが入力されている。NMOSトランジスタ104bのドレインノードは後段のNMOSトランジスタ104cのゲートに接続されている。さらに、NMOSトランジスタ104cのドレインノードは後段のNMOSトランジスタ104dのゲートに接続されている。以下、同様に、NMOSトランジスタのドレインノードは、直後のNMOSトランジスタのゲートに接続されている。
また、プルアップ接続回路を構成するNMOSトランジスタ104bのゲートには参照クロックCLKが入力される。NMOSトランジスタ104d、104e、…104gからは、参照クロックCLKに、NMOSトランジスタのしきい値と電流量に依存する遅延量が付加されたディレイクロックd〈1〉、d〈2〉、・・・、d〈15〉が出力されている。ディレイクロックd〈1〉、d〈2〉、・・・、d〈15〉を一括してディレイクロック群とも記す。
図示した各トランジスタのサイズは、以下のように設計されている。
Wn:NMOSトランジスタ104aのゲート幅
Ln:NMOSトランジスタ104a〜104gのゲート長
Wp:PMOSトランジスタ105a、105hのゲート幅
Lp:PMOSトランジスタ105a〜105g、105h、のゲート長
Wn(1/n):NMOSトランジスタ104b〜104gのゲート幅
Wp(1/m):PMOSトランジスタ105b〜105gのゲート幅
なお、mは2以上の正の定数であり、nは1以上の正の定数であって、mとnとには、m>nの関係がある。また、VnthはNMOSトランジスタ104a〜104gのしきい値を意味し、VpthはPMOSトランジスタ105a〜105hのしきい値を示す。
2動作
次に、図1に示したディレイ発生回路の動作について説明する。説明の簡単のため、NMOSトランジスタ104b〜104gは、Vnthより大きいゲート電圧が印加され、ドレイン電位が0より大きいときにオン状態となって一定の電流Is(1/n)を流すものとする。また、ゲート電圧がVnthより小さいときはオフ状態となり、電流を全く流さないものとする。一方PMOSトランジスタ105b〜105gは、ドレイン電位がVDDより小さいときはオン状態となって一定の電流Is(1/m)を流す。また、ドレイン電位がVDDのときはオフ状態となって電流を全く流さないものとする。
ここで、NMOSトランジスタ104aは3極管領域で動作するため、次式が成り立つ。
Is=Vds・μn・Cox・(Wn/Ln)・(VDD−Vnth) …式(9)
式(9)において、μnは電子の移動度、VdsはNMOSトランジスタ104aのドレインノードの電圧を意味する。また、オペアンプ106とPMOSトランジスタ105hで形成されるフィードバックループによってVds=VBG(=一定)に固定されている。
図2は、図1に示したディレイ発生回路のうち、プルアップ接続回路に含まれるNMOSトランジスタのゲート電圧の変化を説明するための図である。図2(a)はPMOSトランジスタ105c、NMOSトランジスタ104cによって構成されるプルアップ接続回路c、図2(b)はPMOSトランジスタ105c、NMOSトランジスタ104dによって構成されるプルアップ接続回路d、図2(c)はPMOSトランジスタ105e、NMOSトランジスタ104eによって構成されるプルアップ接続回路eについてのゲート電圧の変化を示している。
ディレイ発生部101には、参照クロックCLKが入力される。参照クロックCLKの駆動能力が十分に高いものとすると、NMOSトランジスタ104bでは、ゲート電圧VGbが直ちに0VからVDDに変化してオン状態になる。このとき、プルアップ接続回路bの出力はNMOSトランジスタ104cのゲートに入力され、NMOSトランジスタ104cのゲート電圧がVGcとなる。ゲート電圧VGcの変化は、次式で表される。なお、時間tは、参照クロックCLKの立ち上がり時をt=0として定められている。
VGc=VDD−∫[{(1/n)−(1/m)}・Vds・μn・Cox・(Wn/Ln)
・(VDD−Vnth)・(n/Cox・Ln・Wn)]dt …式(10)
初期条件を、t=0においてVGc=VDDとすると、式(10)は式(11)のようになる。
VGc=VDD−{1−(n/m)}・Vds・μn・Ln-2・(VDD−Vnth)・t
…式(11)
式(11)において、VGc=Vnthとなる時刻をT1とすると、T1は、以下の式(12)によって表される。
T1=[{1−(n/m)}・Vds・μn・Ln-2]-1∝Ln2 …式(12)
式(12)より、NMOSトランジスタ104a〜104gのLnを十分に大きく、かつプロセスによるばらつきを十分に小さくすることにより、NMOSトランジスタ104cのゲート電圧がVnth以下となる時刻T1を定数とすることが可能であることが分かる。すなわち、NMOSトランジスタ104bとPMOSトランジスタ105bとで構成されるプルアップ接続回路は、入力された参照クロックCLKの立ち上がりエッジに対し、後段に一定の遅延量T1が付加された立ち下がりエッジを出力する。立ち下がりエッジが入力されたことにより、NMOSトランジスタ104cはオフ状態になる。
また、NMOSトランジスタ104dのゲート電圧をVGdとする。電圧VGdの変化はCLKの立ち上がりをt=0とした場合、以下の式(13)によって表される。
VGd=∫{(1/m)・Vds・μn・Cox・(Wn/Ln)・(VDD−Vnth)
・(n/Cox・Ln・Wn)}dt …式(13)
式(13)において、nはmより十分に小さいとすると、初期値条件がt=T1においてVGd=0であることから、以下の式によってVGdを求めることができる。
VGd=(n/m)・Vds・μn・Ln-2・(VDD−Vnth)・(t―T1)
…式(14)
VGd=Vnthとなる時刻をT1+T2とすると、
T2=(m・Ln2・Vnth)/{(n・Vds・μn)・(VDD−Vnth)}
…式(15)
また、式(9)と式(15)から、次式が得られる
T2=(m/n)・(Ln・Vnth/Is) …式(16)
式(16)により、NMOSトランジスタ104a〜104gのLnを十分に大きく、かつプロセスばらつきを十分に小さくすることにより、NMOSトランジスタ104dのゲート電圧がVnth以上となる時刻T2がVnth/Isの一次関数になることが分かる。ここで、(9)式より、IsはVnthの増加に対して単調減少し、Vnthの減少に対して単調増加するため、Vnth/IsはVnthの増加に対して単調増加し、Vnthの減少に対して単調減少する。
すなわち、T2は、Vnthの増加に対して単調増加し、Vnthの減少に対して単調減少する。このため、NMOSトランジスタ104cとPMOSトランジスタ105cで構成されるプルアップ接続回路は、入力された立ち下がりエッジに対し、Vnthの増加に対して単調増加し、Vnthの減少に対して単調減少する遅延量T2が付加された立ち上がりエッジを後段のプルアップ接続回路に出力する。そして、ディレイクロックd〈1〉には、参照クロックCLKの立ち上がりエッジに対し、Vnthの増加に対して単調増加し、Vnthの減少に対して単調減少する遅延量(T1+T2)が付加された立ち上がりエッジが現れることになる。
また、t=T1+T2において、NMOSトランジスタ104dはオン状態となる。NMOSトランジスタ104eとPMOSトランジスタ105eのゲート電圧をVGeとすると、その電圧変化は以下の式(17)によって表される。なお、式(17)においても、時間tは参照クロックCLKの立ち上がり時をt=0として定められるものとする。
VGe=VDD−∫[{(1/n)−(1/m)}・Vds・μn・Cox・(Wn/Ln)
・(VDD−Vnth)・(n/Cox・Ln・Wn)]dt …式(17)
初期条件はt=T1+T2においてVGe=VDDであるから、式(17)は式(18)のようになる。
VGe=VDD−{1−(n/m)}・Vds・μn・Ln-2・(VDD−Vnth)
・{t−(T1+T2)} …式(18)
式(18)により、VGe=Vnthとなる時刻はt=(T1+T2)+T1となる。NMOSトランジスタ104dとPMOSトランジスタ105dで構成されるプルアップ接続回路は、入力された立ち上がりエッジに対し、一定の遅延量T1が付加された立ち下がりエッジを後段に出力する。
また、プルアップ接続回路eは、プルアップ接続回路cと同様に動作する。このため、プルアップ接続回路eも、入力された立ち下がりエッジに対し、Vnthの増加に対して単調増加し、Vnthの減少に対して単調減少する遅延量T2が付加された立ち上がりエッジを後段に出力する。
以上説明したように、d〈2〉にはCLKの立ち上がりエッジに対し、Vnthの増加に対して単調増加し、Vnthの減少に対して単調減少する遅延量2(T1+T2)が付加された立ち上がりエッジが現れることになる。同様に、d〈3〉、d〈4〉…d〈15〉には、CLKの立ち上がりエッジに対し、Vnthの増加に対して単調増加し、Vnthの減少に対して単調減少する遅延量{3・(T1+T2)}、{4・(T1+T2)}…{15・(T1+T2)}が付加された立ち上がりエッジが現れる。
3効果
図3は、PMOSトランジスタが、図2に示したVpthよりも低いVpth’を有する場合のゲート電圧の変化を説明するための図である。図2と同様に、図3(a)はプルアップ接続回路a、図3(b)はプルアップ接続回路b、図3(c)はプルアップ接続回路cについてのゲート電圧変化を示している。
図3(b)に示したように、実施形態1のディレイ発生回路の遅延量T2は、NMOSトランジスタがオンするタイミングによってのみ決定する。このため式(12)に示したように、遅延量T2はVpthの低下に依存せず一定の値となる。
図4は、NMOSトランジスタが、図2に示したVnthよりも低いVnth’を有する場合のゲート電圧の変化を説明するための図である。図2と同様に、図4(a)はプルアップ接続回路a、図3(b)はプルアップ接続回路b、図3(c)はプルアップ接続回路cについてのゲート電圧変化を示している。
図4(a)、(c)及び式(16)に示したように、実施形態1のディレイ発生回路の遅延量T1’は、Vnthの増大によって増大している(T’1>T1となっている)。図2のタイミングチャートにおいて、そのVnthが大きい場合のタイミングチャートである。(16)式より、図4に示す通り、Vnthの増大により、T1が増大し、T’1(T’1>T1)となっている。
以上のように、実施形態1は、ディレイ発生部において付加される遅延量T1+T2がVnthの増加に対して単調増加し、Vnthの減少に対して単調減少するため、NMOSトランジスタのしきい値と電流量のみに依存するディレイ発生回路を提供することが可能となった。
なお、実施形態1は、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタで構成されるプルアップ接続回路を30段備える例について説明したが、実施形態1はこのような構成に限定されるものでなく、任意の数のプルアップ接続回路を備えるように構成できることは言うまでもない。また、実施形態1は、NMOSトランジスタのしきい値と電流量のみに依存するディレイ発生回路について説明したが、PMOSトランジスタのしきい値と電流量のみに依存するディレイ発生回路を提供することもできる。このようなディレイ発生回路は、図1においてPMOSトランジスタをNMOSトランジスタに、NMOSトランジスタをPMOSトランジスタに置き換え、VDDをVSS=0Vに、VSS=0VをVDDに置き換え、MOSトランジスタサイズを適切に変更することによって構成することができる。
(実施形態2)
定電流源回路
1構成
図5は、実施形態2の定電流源回路を説明するための回路図である。図示した定電流源回路は、実施形態1で説明したディレイ発生回路を含んでいる。そして、NMOSトランジスタ電流源の電流量をフィードバック制御することにより、電流源電流値を目標電流値に高い精度で近づけることを可能にしている。
このような構成を実現するため、実施形態2の定電流源回路は、ディレイ発生部101と、ディレイ検出部502と、電流源電流調整部503と、を有している。ディレイ発生部101は、前記した実施形態1で説明した構成と同様である。また、ディレイ検出部502は、図8に示したディレイ検出部802と同様の構成である。
電流源電流調整部503は、抵抗素子(Resistor)507と、抵抗素子508から構成されている。そして、ディレイ検出部から入力された制御コードs〈l〉によって、抵抗素子507の抵抗値を変化させ、定電流源のゲート電圧を離散的に調整し、定電流源の電流量を目標電流値に高精度で近づける。
2動作
次に、図5に示した実施形態2の定電流源回路の動作について説明する。
ディレイ発生部101には、参照クロックCLKが入力される。ディレイ発生部101からは、参照クロックCLKに対し、NMOSトランジスタのしきい値と電流量にのみ依存する遅延量が付加されたディレイクロック群d〈1〉、d〈2〉…d〈15〉が出力される。
ディレイ検出部502は、ディレイ発生部101から入力されたディレイクロック群d〈1〉、d〈2〉、…d〈15〉をD−FF(D−フリップフロップ)510a、510b…510cを含むD−FF群によって入力する。そして、入力された遅延量を参照クロックCLKの立ち下がりエッジ入力時刻と比較し、コード化して制御コードs〈l〉(l:1〜14までの自然数)を出力する。
電流源電流調整部503はディレイ検出部502から入力された制御コードs〈l〉により、定電流源のゲート電圧を離散的に調整し、定電流源の電流量を目標電流量に近づける。
3効果
次に、実施形態2の定電流源回路によって得られる効果について説明する。
実施形態1で述べたように、ディレイ発生部101は、NMOSトランジスタのしきい値電圧と電流量のみに依存する遅延量の遅延を参照クロックCLKの立ち上がりに付加する。定電流源回路は付加された遅延量を検出し、NMOSトランジスタ104aのゲート電圧を制御し、NMOSトランジスタ104aを流れるIsが目標電流値に近づくようにネガティブフィードバックをかける。
すなわち、例えば、NMOSトランジスタ104aの電流値Isが目標電流値と等しいとき、制御コードs〈l〉のうちs〈7〉のみがHとなり、抵抗素子507と抵抗素子508の抵抗値が等しくなるよう設定してあるものとする。Vnthが変動し、NMOSトランジスタ104aの電流値が目標電流値より大きくなった場合、制御s〈α〉(α:7<α<14の自然数)がHとなり、その制御コードに応じて抵抗素子507の値が大きくなる。このとき、NMOSトランジスタ104aのゲート電圧が下がり、ソース、ドレインを流れる電流値Isが目標電流値に近づく。また、Vnthが変動し、NMOSトランジスタ104aの電流値が目標電流値より小さくなった場合、制御s〈β〉(β:1<α<7の自然数)がHとなり、その制御コードに応じて抵抗素子507の値が小さくなる。このとき、NMOSトランジスタ104aのゲート電圧が上がり、NMOSトランジスタ104aの電流値Isが目標電流値に近づく。
以上述べたように、実施形態2は、電流源電流値をフィードバック制御することにより、電流源電流値を目標電流値と等しくすることができる。なお、さらに精度を高めるためには、D−FFのゲート容量を小さくし、NMOSトランジスタ104b〜104gのゲート容量は大きくすることが好ましい。
また、実施形態2は、以上述べた構成に限定されるものでなく、図5においてPMOSトランジスタをNMOSトランジスタに、NMOSトランジスタをPMOSトランジスタに、VDDをVSS=0Vに、VSS=0VをVDDに置き換え、そのMOSトランジスタサイズを適切に変更することによってNMOSトランジスタ電流源の電流量を目標電流値に高精度で近づけることが可能である。
また、実施形態2では、ディレイ検出部502において、d〈1〉、d〈2〉…d〈15〉と比較する参照タイミングを参照クロックCLKの立ち下がり時刻としている。しかし、参照タイミングは参照クロックCLKの立ち下がり時刻に限定されるものでなく、任意の基準時間にしてもよい。任意の基準時間として、例えばCLKを2分周したクロックの立ち上がり時刻などを用いても良い。
本発明のディレイ発生回路は、トランジスタのしきい値の変動に対応する遅延信号を発生することができる。また、本発明の定電流源回路は、このような遅延信号に基づいて、安定した電源電流値を供給することができる。したがって、本発明のディレイ発生回路及び定電流源は、回路に使用されるMOSトランジスタのプロセス等によるばらつきによらず安定した電流の供給を受けることが望ましい機器であれば、どのような構成に適用しても効果を奏する。
101、601 ディレイ発生部
104a〜104g NMOSトランジスタ
105a〜105h PMOSトランジスタ
106 オペアンプ
502 ディレイ検出部
503 電流源電流調整部
507、508 抵抗素子

Claims (4)

  1. 制御電圧が入力されるゲート端子と、当該ゲート端子に入力された制御電圧に応じた基準電流を発生する第1MOSトランジスタと、
    前記第1MOSトランジスタのドレインにかかる電圧を基準電圧として保持する電圧保持回路と、
    前記第1MOSトランジスタに対し、前記基準電流と同じ値の電流を供給する第1電流源と、
    前記第1の電流源に流れる電流に比例する比例電流を各々が発生する複数の第2電流源として機能する複数の第2MOSトランジスタと、
    前記第1MOSトランジスタと同じ導電型を有し、前記第2MOSトランジスタの各々とオープンドレイン接続されて前記比例電流の供給を受ける複数の第3MOSトランジスタと、を備え、
    前記第3MOSトランジスタは、
    前段の前記第3MOSトランジスタのソース端子と接続されるゲート端子と、後段の前記第3MOSトランジスタのゲート端子と接続されるソース端子とを備えて多段に接続され、最前の前記第3MOSトランジスタのゲート端子にはクロック信号が入力され、k番目(kは2以上の偶数)の前記第3MOSトランジスタのドレインから前記クロック信号よりも所定時間遅延する遅延信号が出力されることを特徴とするディレイ発生回路。
  2. 前記電圧保持回路は、
    ドレインが前記第1MOSトランジスタのドレインに接続され、ソースが前記第1の電流源に接続される第4MOSトランジスタと、
    一方の入力端子に基準電圧が供給され、他方の入力端子が前記第3MOSトランジスタのドレインに接続され、出力端子が前記第4MOSトランジスタのゲートに接続される増幅器と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のディレイ発生回路。
  3. 前記第1電流源が前記第2MOSトランジスタと同じ導電型を有する第5MOSトランジスタを含み、
    前記第5MOSトランジスタのゲート幅をW1とした場合、前記第2MOSトランジスは各々W1/mのゲート幅を有して前記基準電流の1/m倍の電流値の電流を生成し(mは2以上の整の定数)、前記第1MOSトランジスタのゲート幅をW2とした場合、前記第3MOSトランジスは各々W1/nのゲート幅を有し(nは1以上の整の定数)、mとnとの間には、m>nの関係があることを特徴とする請求項1または2に記載のディレイ発生回路。
  4. 制御電圧が入力されるゲート端子と、当該ゲート端子に入力された制御電圧に応じた基準電流を発生する第1MOSトランジスタと、前記第1MOSトランジスタのドレインにかかる電圧を基準電圧として保持する電圧保持回路と、前記第1MOSトランジスタに対し、前記基準電流と同じ値の電流を供給する第1電流源と、前記第1の電流源に流れる電流に比例する比例電流を各々が発生する複数の第2電流源として機能する複数の第2MOSトランジスタと、前記第1MOSトランジスタと同じ導電型を有し、前記第2MOSトランジスタの各々とオープンドレイン接続されて前記比例電流の供給を受ける複数の第3MOSトランジスタと、を備え、前記第3MOSトランジスタは、前段の前記第3MOSトランジスタのソース端子と接続されるゲート端子と、後段の前記第3MOSトランジスタのゲート端子と接続されるソース端子とを備えて多段に接続され、最前の前記第3MOSトランジスタのゲート端子にはクロック信号が入力され、k番目(kは2以上の偶数)の前記第3MOSトランジスタのドレインから前記クロック信号よりも所定時間遅延する遅延信号が出力されるディレイ発生回路と、
    前記クロック信号と前記遅延信号の各々に基づいて、前記クロック信号に対する遅延量をデジタルコード化して出力するディレイ検出部と、
    前記デジタルコードに基づいて、前記第1MOSトランジスタのゲートに供給される制御電圧を生成する電源電流調整部と、
    含むことを特徴とする定電流源回路。
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