JP2010214808A - 真偽判定可能な記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材2の一方の面に、少なくともコレステリック液晶層4、透明蒸着層5、ホログラム形成層6、感熱破壊層7を、この順に積層した真偽判定可能な記録媒体1において、該コレステリック液晶層4と基材2との間に、あるいは該基材2の他方の面に、黒色層3を設けた構成とすることにより、コレステリック液晶層4、ホログラム形成層6、感熱破壊層7及び黒色層3、透明蒸着層5の各々の層の機能を組み合わせて発揮させることができ、優れた偽造防止性を有するものであり、上記課題を解決できた。
【選択図】 図1
Description
(基材)
本発明における真偽判定可能な記録媒体で使用する基材2としては、シート状、フィルム状あるいは板状の材質からなり、材料としては特に制限されるものではなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、セルロースジアセテート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどのプラスチック、銅、アルミニウムなどの金属、紙、含浸紙などを単独あるいは組み合わせて、積層したりして用いることができる。基材の厚さは0.005〜5mm程度が適当である。但し、図2、4に示した記録媒体のように、基材2の一方の面に、コレステリック液晶層4、透明蒸着層5、ホログラム形成層6、感熱破壊層7を設け、該基材2の他方の面に黒色層3を設けた構成の場合は、感熱破壊層の記録部で、基材を透過して下に位置する黒色層が観察できるように、使用する基材は透過性、つまり透明性を有したものとなる。
本発明の真偽判定可能な記録媒体で使用する黒色層3は、バインダー中にカーボンブラックのような黒色の色材を含有した層とすることができる。黒色の色材としては、例えばカーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなど)、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト(非磁性フェライト、磁性フェライトなど)、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などが挙げられる。これらの色材は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の真偽判定可能な記録媒体で使用するコレステリック液晶層4は、上記に挙げた基材(黒色層)上に、コレステリック液晶をインキ化して、グラビア印刷等の凹版印刷、オフセット方式などの平版印刷、凸版印刷、スクリーン印刷等で形成することができる。この形成されるコレステリック液晶層の厚さは、1μm〜20μm程度が望ましい。単位面積当たりの質量では、乾燥時で約1〜20g/m2程度である。その厚さが少なすぎると、コレステリック液晶特有の円偏光選択性と選択反射性の2つの特性を充分に発揮できなくなり、また厚すぎると液晶の配向が低下し、さらにコスト的にも不利である。コレステリック液晶層は単層で設けるだけでなく、2層以上を積層することも可能である。尚、上記のコレステリック液晶の材料をインキ化したものは、例えばワッカーケミー社のコレステリック液晶「HELICONE(登録商標)」等で、市販されているものを使用することができる。
λS=nm・P ・・・(1)
Δλ=Δn・P/nm ・・・(2)
本発明の真偽判定可能な記録媒体で使用する透明蒸着層5は、所定のレリーフ構造を設けたホログラム形成層のレリーフ面へ、蒸着層として設けることにより、レリーフの反射及び/又は回折効果を高めるもので、ホログラム形成層の反射率より高く又は低ければ、特に限定されるものではない。透明蒸着層としては、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率がホログラム形成層のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムなどの光輝性を視認できるから、透明なホログラムを作製することができる。
本発明の真偽判定可能な記録媒体で使用するホログラム形成層6としては、公知のホログラム形成層を用いることができるが、感熱破壊層の記録部を背景として、コレステリック液晶層及び黒色層が見られるように、またホログラムの色調変化を活かすためにも、可視光透過性を有するものが好ましい。例えば、ホログラム形成層は、透明な樹脂素材からなる層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することにより作製することができる。ホログラム形成層を構成するための透明な樹脂材料としては、各種の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化樹脂等の各種樹脂材料が選択可能である。例えば、熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独、または2種類以上の共重合体として使用することができる。また、これらの樹脂は単独、または2種類以上を各種イソシアネート樹脂や、ネフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等の金属石鹸ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルスルフィド等の熱または紫外線硬化剤を配合してもよい。また、電離放射線硬化型樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等が挙げられる。このような電離放射線硬化型樹脂に架橋構造、粘度調整等を目的として、他の単官能または多官能モノマー、オリゴマー等を抱合させることができる。
本発明の真偽判定可能な記録媒体で使用する感熱破壊層7は、サーマルヘッド等の加熱手段で破壊することによって印字されるものである。感熱破壊層は、具体的には、Fe,Co,Ni,Te,Sn,In,Al,Bi,Pb,Zn,Cu,Cr,Ti等の金属、合金または化合物あるいはこれらの混合物を、真空蒸着法、スパッタ法、メッキ法等によって、成膜して形成することができる。感熱破壊層の厚さは、100Å〜1μ、好ましくは500〜1000Å程度である。
本発明の真偽判定可能な記録媒体では、感熱破壊層に隣接した位置に、感熱増感層8を設けることにより、サーマルヘッドや、レーザー照射等の加熱手段により、感熱破壊層の熱破壊が容易に生じて、加熱による情報記録の感度を高めることができ、鮮明な記録が行なえる。感熱増感層は、具体的には、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂を主成分として構成する。また、記録媒体の耐久性向上のため、上記の樹脂に可塑剤を加えたり、イソシアネート硬化剤を加えたりすることができる。
本発明の真偽判定可能な記録媒体では、感熱破壊層、黒色層、感熱増感層等の上に、すなわち、記録媒体の表層に、記録媒体の表面に傷が生じる、あるいは取扱い上で、問題が生じないように、保護層9を設けることができる。保護層は、一般的に保護層を形成するために知られたものが使用できる。インキもしくは塗料中のバインダー樹脂として使用される熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂のほか、紫外線硬化性樹脂もしくは電子線硬化性樹脂等の電離放射線硬化性樹脂を用いて構成することができる。
本発明の真偽判定可能な記録媒体では、コレステリック液晶層4と黒色層3との間に、あるいはコレステリック液晶層4と透明蒸着層5との間に、あるいはコレステリック液晶層4と基材2との間に、つまりコレステリック液晶層4と隣接した位置に、配向膜を設けることにより、コレステリック液晶層をより鮮やかに観察でき、結果的に記録部の輝度、色度、およびコントラストを高くすることができる。配向膜は、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリイミド樹脂等の一般に配向膜として使用し得るものであれば、いずれを用いて構成したものでもよい。配向膜は、これらの樹脂の溶剤溶液を、プラスチックフィルム等の基材表面に適宜な塗布方法により塗布し、乾燥させた後に、布、ブラシ等を用いて摩擦するラビングを行なって形成することができる。
本発明では、上記に説明した真偽判定可能な記録媒体において、サーマルヘッドによる加熱や、レーザー光を照射による加熱を行なって、感熱破壊層を破壊、除去して、情報が記録される。その記録される情報は、一定の固定情報や一つ一つの記録媒体で異なる情報である可変情報が挙げられる。本発明では、偽造防止性を高めるために、可変情報の記録を行なうことが好ましい。この可変情報としては、製造日、製品名称、氏名、住所等、その記録媒体が付与される対象品(高額商品や、身分証明カード、クレジットカード、預貯金用カード、プリペイドカード、定期券、トラベラーズチェック、金券類等)の種類、あるいは記録媒体そのものの種類を特定する個別のデータが挙げられる。
厚さ16μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とし、該基材の一方の面に、下記組成の黒色層インキを用いて、グラビアコーティング法により、乾燥時で厚さ5g/m2の黒色層を形成し、さらに黒色層の上に、下記組成のコレステリック液晶層インキを用いて、スクリーン印刷法により印刷し、印刷直後に紫外線を照射して、乾燥時で厚さ10g/m2のコレステリック液晶層を形成した。
(黒色層インキ)
カーボンブラック 12部
ポリアミド系樹脂 88部
メチルエチルケトン 20部
トルエン 20部
コレステリック液晶顔料(ワッカーケミー社製、HELICONE(登録商標)HCXL) 30部
メジウムインキ(ザ・インクテック(株)製、UVカード用) 70部
厚さ16μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とし、該基材の一方の面に、実施例1で使用した黒色層インキを用いて、グラビアコーティング法により、乾燥時で厚さ5g/m2の黒色層を形成した。その基材の黒色層の形成された面と反対側に、実施例1で使用したコレステリック液晶層インキを用いて、スクリーン印刷法により印刷し、印刷直後に紫外線を照射して、乾燥時で厚さ10g/m2のコレステリック液晶層を形成して積層体を用意した。
実施例1で作製した真偽判定可能な記録媒体における感熱破壊層の上に、下記組成の感熱増感層インキを用いて、グラビアコーティング法により、乾燥時で厚さ1g/m2の感熱増感層を形成し、図3に示すような構成の実施例3の真偽判定可能な記録媒体を作製した。
(感熱増感層インキ)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイド社製、VAGH) 20部
アクリル樹脂(DIC(株)製、アクリディックA−136−55) 10部
メチルエチルケトン 20部
トルエン 30部
ブチルアルコール 20部
実施例2で作製した真偽判定可能な記録媒体における感熱破壊層の上に、実施例3で使用した感熱増感層インキを用いて、グラビアコーティング法により、乾燥時で厚さ1g/m2の感熱増感層を形成し、さらに上記の作製された記録媒体の黒色層の上に、グラビア印刷により、ウレタン樹脂系の保護層を乾燥時の厚さ2g/m2で形成して、図4に示すような構成の実施例4の真偽判定可能な記録媒体を作製した。
2 基材
3 黒色層
4 コレステリック液晶層
5 透明蒸着層
6 ホログラム形成層
7 感熱破壊層
8 感熱増感層
9 保護層
10 記録部
11 非記録部
Claims (2)
- 基材の一方の面に、少なくともコレステリック液晶層、透明蒸着層、ホログラム形成層、感熱破壊層を、この順に積層した真偽判定可能な記録媒体において、該コレステリック液晶層と基材との間に、あるいは該基材の他方の面に、黒色層を設けたことを特徴とする真偽判定可能な記録媒体。
- 請求項1に記載する真偽判定可能な記録媒体において、感熱破壊層に隣接した位置に感熱増感層を設けたことを特徴とする真偽判定可能な記録媒体。
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