JP2010209135A - 微多孔性フィルム及びその製造方法並びに電池用セパレータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、ポリエチレン樹脂を含有し、剪断粘度ηsに対する伸張粘度ηeの比ηe/ηsが15〜100であるポリエチレン樹脂組成物からなるフィルムを、少なくとも一方向に1.05倍〜2.0倍に冷延伸する冷延伸工程と、前記冷延伸工程において冷延伸されたフィルムを、少なくとも一方向に1.05倍〜5.0倍に熱延伸する熱延伸工程と、を有する微多孔性フィルムの製造方法を提供する。
【選択図】なし
Description
このような事情に対応可能なセパレータとして用いられる微多孔性フィルムを提供することを目的として、例えば、特許文献1や特許文献2には、ポリプロピレンフィルムとポリエチレンフィルムとからなる積層微多孔性フィルムを製造する方法が提案されている。一方、特許文献3で提案された微多孔性フィルムは、その製造工程において微多孔性フィルムの前駆体に含まれる可塑剤を溶剤により抽出することにより、透気性の大幅な向上が図られている。
[1]ポリエチレン樹脂を含有し、剪断粘度ηsに対する伸張粘度ηeの比ηe/ηsが15〜100であるポリエチレン樹脂組成物からなるフィルムを、少なくとも一方向に1.05倍〜2.0倍に冷延伸する冷延伸工程と、前記冷延伸工程において冷延伸されたフィルムを、少なくとも一方向に1.05倍〜5.0倍に熱延伸する熱延伸工程と、を有する微多孔性フィルムの製造方法。
[2]前記冷延伸工程における温度が−20℃以上70℃以下であり、かつ、前記熱延伸工程における温度が90℃以上130℃未満である、[1]の微多孔性フィルムの製造方法。
[3]前記ポリエチレン樹脂の炭素原子10000個当たりの末端ビニル基数が3.0個以下である、[1]又は[2]の微多孔性フィルムの製造方法。
[4][1]〜[3]のいずれか1つの微多孔性フィルムの製造方法により製造された微多孔性フィルム。
[5][4]の微多孔性フィルムを備える電池用セパレータ。
特許文献1や特許文献2には、ポリエチレン樹脂組成物の好ましい融点については開示されているものの、その伸長粘度や溶融粘度についての検討はなされていない。また、特許文献1や特許文献2の実施例に用いられているポリエチレン樹脂組成物の比ηe/ηsを測定してみると、いずれも15よりも小さく、微多孔性フィルムの透気性も不十分であった。
例えば、ポリエチレン樹脂組成物Acは、クロム系触媒を用いて製造されたηe/ηsが100よりも大きいポリエチレン樹脂と、チタン系触媒を用いて製造されたηe/ηsが15よりも小さいポリエチレン樹脂とを含有してもよい。あるいは、ポリエチレン樹脂組成物Acは、比ηe/ηsが15よりも小さいポリエチレン樹脂を有機過酸化物等の架橋剤と共に溶融混練し、適度に架橋させて得られるポリエチレン樹脂を含有してもよい。このようなポリエチレン樹脂組成物Acは、比ηe/ηsを15〜100の範囲に収めることができる。
AlR1 pHq(OR2)x(OSiHR3R4)y (1)
ここで、式(1)中、p、q、x、yは、p≧1、0≦q≦1、x≧0.25、y≧0.15、0.5≦x+y≦1.5かつp+q+x+y=3を満足し、R1、R2、R3、R4は互いに同一であっても異なっていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を示す。
AlR5 3-n(OR6)n (2)
ここで、式(2)中、nは0<n≦1を満足し、R5、R6は互いに同一であっても異なっていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を示す。
また、ポリエチレン樹脂組成物Bcの密度は、好ましくは945〜970kg/m3である。その密度が945kg/m3以上であると、本実施形態のポリエチレン組成物の剛性を高くすることができる。また、ポリエチレン(A)の密度は、より好ましくは955〜970kg/m3であり、更に好ましくは960〜967kg/m3であり、最も好ましくは963〜967kg/m3である。その密度が945kg/m3以上であれば、透気性のより良好な微多孔性フィルムが得られ、970kg/m3以下であれば、延伸する際に膜が破断し難くなる。
MαMgβR1 pR2 qXrYs (3)
ここで、式(3)中、αは0又は0よりも大きい数、p、q、r、sは0又は0よりも大きい数を示し、p+q+r+s=mα+2βの関係を満足する。Mは周期表第1族、第2族又は第3族に属する金属元素を示し、mはMの原子価を示す。R1、R2は互いに同一でも異なっていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基を示し、X、Yは互いに同一でも異なっていてもよい1価の基であって、ハロゲン原子、−OR3、−OSiR4R5R6、−NR7R8、又は−SR9を示す。R3、R4、R5、R6、R7、R8は水素原子又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を示し、R9は炭素原子数1〜20の炭化水素基を示す。
ここで、炭素数3〜20のα−オレフィンは、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン及び1−エイコセンよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物である。
冷延伸工程では、ポリエチレン樹脂組成物Acからなる原反フィルムAfを、好ましくは−20℃以上70℃以下に保持した状態で、少なくとも一方向に1.05倍〜2.0倍に冷延伸する。
本実施形態においては、冷延伸工程において、原反フィルムAfを、0℃以上70℃以下の温度で、MD方向に1.1倍〜2.0倍に一軸延伸することが好ましい。
本実施形態に係る微多孔性フィルムの製造方法は、冷延伸工程において冷延伸されたフィルムを、90℃以上130℃以下に保持した状態で、少なくとも一方向に1.05倍以上5.0倍以下に熱延伸する熱延伸工程を含む。
本実施形態においては、熱延伸工程において、冷延伸工程を経て冷延伸されたフィルムを、90℃以上130℃以下の温度で、MD方向に2.0倍〜5.0倍に一軸延伸することが好ましい。
なお、微多孔性フィルムの気孔率は、ポリエチレン樹脂組成物Acの組成、各延伸工程における延伸温度、延伸倍率等を適宜設定することにより上述の範囲に調節することができる。例えば、その気孔率を高くするには、ポリエチレン樹脂組成物Acの比ηe/ηsを15〜100にしたり、延伸倍率を高くしたりすればよい。また、微多孔性フィルムの気孔率は、そのフィルムから10cm×10cm角のサンプルを切り出し、そのサンプルの体積V(cm3)及び質量M(g)と、フィルムを構成する樹脂組成物Acの密度d(g/cm3)とから下記式を用いて算出される。
気孔率(%)={(V−M/d)/V}×100
なお、微多孔性フィルムの透気度は、ポリエチレン樹脂組成物Acの組成、各延伸工程における延伸温度、延伸倍率等を適宜設定することにより上述の範囲に調節することができる。例えば、その透気度を高くするには、延伸倍率を高くしたり、熱固定における緩和倍率を低くすればよい。また、微多孔性フィルムの透気度は、JIS P−8117に準拠し、ガーレー式透気度計を用いて測定される。
MFRは、メルトインデックスと同義であり、JIS K7210に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgの条件下でポリエチレン樹脂組成物のMFRを測定した。その単位はg/10分である。
ポリエチレン樹脂組成物の密度をJIS K7112に準拠して測定した。その単位はkg/m3である。
ポリエチレン樹脂組成物における樹脂の分子量分布は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)から求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnの値である。GPC測定は、東ソー社製のGPS装置(商品名「HLC−8121GPC/HT」)を用いて行った。カラムとして東ソー社製の商品名「TSKgel GMHHR−H(20)」(2本)を用い、移動相o−ジクロロベンゼン(o−DCB)、カラム温度155℃、流量1.0mL/分、試料濃度0.5mg/mL(o−DCB)、注入量500μL、試料溶解温度160℃、試料溶解時間3時間の条件で行った。分子量の校正は、ポリスチレンで行い、ポリスチレン換算分子量でMw及びMnを求め、分子量分布を導出した。
ポリエチレン樹脂組成物の伸長粘度ηe及び剪断粘度ηsは、流入圧力損失法を用い、Cogswellの理論[Polymer Engineering Science、12、64(1972)]にしたがって測定を行うことにより得られた。測定装置として、ロザンド社製のツインキャピラリーレオメーターを用い、オリフィスは、以下に示すロングダイ及びショートダイを、用い、180℃で測定を行った。伸長粘度ηeとして、伸長歪み速度10s-1のときの値を用い、剪断粘度ηsとして、剪断歪み速度100s-1のときの値を用いた。
ロングダイ:長さ16mm、直径1mm、流入角180°
ショートダイ:長さ0.25mm、直径1mm、流入角180°
ポリエチレン樹脂組成物におけるポリエチレン樹脂の炭素原子10000個当たりの末端ビニル基数は、日本分光社製のフーリエ変換赤外分光光度計を用いて求めた。詳細には、加熱プレスして無孔化されたシート状のポリエチレン樹脂組成物をサンプルとして、上記分光光度計により測定したIRスペクトルの吸収波長909cm-1付近の吸光度を求めた。この吸収波長は、ポリエチレン樹脂における末端ビニル基に起因する波長である。得られた吸光度から、下記式により炭素原子10000個当たりの末端ビニル基数を求めた。
(炭素原子10000個当たりの末端ビニル基数)=11.4×吸光度/((サンプルの真密度)×(サンプルの厚み))
ここで、サンプルの真密度の単位はg/cm3であり、サンプルの厚みの単位はmmである。
微多孔性フィルムの膜厚は、ダイヤルゲージ(尾崎製作所社製、商品名「PEACOCK No.25」)を用いて測定した。
微多孔性フィルムの気孔率は、微多孔性フィルムから10cm×10cm角のサンプルを切り出し、そのサンプルの体積V(cm3)及び質量M(g)と、フィルムを構成する樹脂組成物の密度d(g/cm3)とから下記式を用いて算出した。
気孔率(%)={(V−M/d)/V}×100
微多孔性フィルムの透気度は、JIS P−8117に準拠したガーレー式透気度計にて測定した。なお、微多孔性フィルムの膜厚を20μmとした場合の値に換算した値を、その微多孔性フィルムの透気度とした。
原反フィルムのフィッシュアイの個数は下記のようにして測定した。まず、原反フィルムから30cm×30cm角のサンプルを切り出し、下側から蛍光灯を照射した透明板の上にサンプルを載置した。透明板を経由した蛍光灯からの透過光がサンプルをも透過することをサンプルの上方から目視にて確認した。この際、フィッシュアイに起因するサンプルの厚みの差異により、光の透過度合いが異なっていたので、その差異を目視により観察し、0.1mm以上の直径を有する透過度合いが弱い部分をフィッシュアイとして、その部分の個数を測定した。切り取ったサンプル3枚におけるフィッシュアイの個数の相加平均値を、原反フィルム10g当たりの個数に換算して、原反フィルムのフィッシュアイの個数とした。
原反フィルムを、大気中、130℃で1時間アニールした後、幅15mm、長さ2インチ(5.08cm)の短冊状に切り出して試験片を得た。その試験片を引張試験機の所定位置にセットし、25°C、65%相対湿度の条件下、2インチ/分の速度で長さ方向に50%まで、すなわち、3インチの長さになるまで伸長した。次いで、1分間、その伸長状態で試験片を保持し、その後、同速度(2インチ/分)で試験片を弛緩させて荷重がゼロになった時の試験片の長さを測定した。そして、下記式(4)に基づいて、原反フィルムAfの「熱処理後の弾性回復率」を導出した。式中、それぞれの長さの単位は互いに同じ単位である。
熱処理後の弾性回復率(%)=((50%伸張時の試験片の長さ)−(弛緩させて荷重がゼロになった時の試験片の長さ))/((50%伸張時の試験片の長さ)−(伸張前の試験片の長さ))×100 (4)
(1)酸化クロム触媒(I)の合成
三酸化クロム4モルを蒸留水80リットルに溶解して溶液を得、この溶液中にシリカ(W.Rグレースアンドカンパニー社製、グレード952)20kgを浸漬し、室温にて1時間攪拌してスラリーを得た。その後、このスラリーを加熱して水を留去し、続いて120℃にて10時間減圧乾燥を行った後、600℃にて5時間乾燥空気を流通させて焼成した。こうして、クロムを1.0質量%含有する酸化クロム触媒(I)を得た。
トリエチルアルミニウム100モルと、メチルヒドロポリシロキサン(30℃における粘度:30センチストークス)50モル(Si基準)と、n−ヘキサン150リットルとを窒素雰囲気下にて耐圧容器に秤取し、攪拌下50℃で24時間反応させて、組成式Al(C2H5)2.5(OSi・H・CH3・C2H5)0.5で表される有機アルミニウム化合物のヘキサン溶液を調製した。次に、このヘキサン溶液100モル(Al基準)を窒素雰囲気下で600リットルの反応器に移し、反応器内のヘキサン溶液を撹拌しながら、エタノール50リットルとn−ヘキサン50リットルとの混合溶液を−10℃にて添加した。混合溶液を添加後、反応器内を50℃まで昇温し、この温度で1時間反応させて、組成式Al(C2H5)2.0(OC2H5)0.5(OSi・H・CH3・C2H5)0.5で表される、アルコキシ基及びヒドロシロキシ基の両方を有する有機アルミニウム化合物(II)のヘキサン溶液を調製した。
単段重合プロセスにおいて、容積230Lの重合器内でポリエチレン樹脂組成物(Bc−1)を重合した。重合温度は78℃、重合圧力は0.98MPaに設定した。詳細には、まず、上記重合器に上記酸化クロム触媒(I)50gを収容した後、上記有機アルミニウム化合物(II)5ミリモル(Al基準)を添加して、それらを室温で1時間反応させて固体触媒を得た。それとは別に、2g/時間の速度で、エタノールとトリヘキシルアルミニウムとをモル比0.98:1で反応させることによりアルコキシ基を有する有機アルミニウム化合物(III)を得た。その有機アルミニウム化合物(III)を、上記固体触媒を収容した重合器にその濃度(反応器中の有機アルミニウム化合物(II)のヘキサン溶液基準)が0.08ミリモル/リットルになるよう供給した。それと共に、精製n−ヘキサンを60L/時間の速度で重合器に供給し、また、モノマーであるエチレンを12kg/時間の速度で、分子量調節剤として水素を気相濃度が20モル%になるように、同時に重合器に供給して重合を行った。得られた重合器内のポリマーを乾燥して、パウダー状のポリエチレン樹脂組成物(Bc−1)を得た。そのポリエチレン樹脂組成物(Bc−1)のMFRは1.8g/10分、密度は966kg/m3であった。
(1)チタン触媒(IV)の合成
充分に窒素置換された15リットルの反応器に、トリクロルシランを濃度2モル/リットルのn−ヘプタン溶液として3リットル仕込み、攪拌しながら65℃に保持した。そこに、組成式AlMg6(C2H5)3(n−C4H9)6.4(On−C4H9)5.6で表される有機マグネシウム成分のn−ヘプタン溶液7リットル(マグネシウム換算で5モル)を、1時間かけて添加し、更に65℃にて1時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応生成物から上澄み液を除去し、n−ヘキサン7リットルで4回洗浄し、固体を含むスラリーを得た。この固体を含むスラリーを分離・乾燥して分析した結果、固体1グラム当たり、Mg7.45ミリモルを含有していた。
最初に1段目の重合で反応容積300リットルのステンレス製重合器1を用い、重合温度83℃、重合圧力1MPaの条件で重合し、低分子量ポリマー成分を得た。触媒として、上記チタン触媒(IV)をTi原子換算で1.4ミリモル/時間、トリイソブチルアルミニウムをAl原子換算で20ミリモル/時間の速度で重合器1に供給した。また、n−ヘキサンを40リットル/時間の速度で反応器1に導入した。分子量調整剤として水素を用い、モノマーであるエチレンと水素とを、水素の気相濃度が38モル%になるように供給して重合を行った。得られた重合器1内の低分子量ポリマー成分を含むポリマースラリー溶液を、圧力0.1MPa、温度75℃のフラッシュドラムに導き、未反応のエチレン、水素を分離した後、反応容積250リットルの重合器2にスラリーポンプで昇圧して導入した。その重合器2では、温度83℃、圧力0.5MPaの条件下で、トリイソブチルアルミニウムを7.5ミリモル/時間、n−ヘキサンを40リットル/時間の速度で導入した。これに、モノマーであるエチレンと、分子量調整剤である水素とブテン−1とを、水素の気相濃度が6.8モル%、ブテンの気相濃度が1.0モル%になるように導入した。こうして、重合器1で生成した低分子量ポリマー成分に対する、重合器2で生成した高分子量ポリマー成分の質量比(高分子量ポリマー成分)/(低分子量ポリマー成分)が、50/50となるように高分子量ポリマー成分を重合し、更に乾燥して、MFRが1.3g/10分、密度が962kg/m3のパウダー状のポリエチレン樹脂組成物(Cc−1)を製造した。なお、重合器1で生成した低分子量ポリマー成分のMFRは、30g/10分、密度は967kg/m3であった。
上記の如くして製造したポリエチレン樹脂組成物(Bc−1)及びポリエチレン樹脂組成物(Cc−1)のパウダーをそれらの質量基準で、(Bc−1)/(Cc−1)=50/50の混合比で混合し、次いで、この混合物にステアリン酸カルシウムを60ppmの濃度になるよう添加し、混合機で攪拌混合した。得られた混合物を、シリンダー径44mmの二軸押出機(日本製鋼所社製、商品名「TEX44HCT−49PW−7V」)を用い、シリンダー温度180℃、押出量45kg/時間の条件で混練しながら押し出し、ポリエチレン樹脂組成物(Ac−1)を得た。得られたポリエチレン樹脂組成物(Ac−1)について、MFR、密度、ηe/ηs、Mw/Mnを測定した。その結果を表1に示す。
得られた微多孔性フィルムについて、膜厚、気孔率、透気度を測定した。その結果を表1に示す。
ポリエチレン樹脂組成物(Bc−1)とポリエチレン樹脂組成物(Cc−1)との混合比を(Bc−1)/(Cc−1)=50/50から80/20に変更した以外は実施例1と同様にして、原反フィルム(Af−2)を得た。次いで、原反フィルム(Af−1)に代えて原反フィルム(Af−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、微多孔性フィルムを得た。
得られた原反フィルム(Af−2)について、フィッシュアイ個数と熱処理後の弾性回復率を、微多孔性フィルムについて、膜厚、気孔率、透気度を測定した。その結果を表1に示す。
ポリエチレン樹脂組成物(Bc−1)とポリエチレン樹脂組成物(Cc−1)との混合比を(Bc−1)/(Cc−1)=50/50から10/90に変更した以外は実施例1と同様にして、原反フィルム(Af−3)を得た。次いで、原反フィルム(Af−1)に代えて原反フィルム(Af−3)を用いた以外は実施例1と同様にして、微多孔性フィルムを得た。
得られた原反フィルム(Af−3)について、フィッシュアイ個数と熱処理後の弾性回復率を、微多孔性フィルムについて、膜厚、気孔率、透気度を測定した。その結果を表1に示す。
ポリエチレン樹脂組成物(Ac−1)に代えて市販のポリエチレン樹脂組成物(Ac−4)を用いた以外は実施例1と同様にして、原反フィルム(Af−4)を得た。なお、ポリエチレン樹脂組成物(Ac−4)として、MFRが0.3g/10分、密度が961kg/m3、ηe/ηsが47であるポリエチレン樹脂組成物を用いた。次いで、原反フィルム(Af−1)に代えて原反フィルム(Af−4)を用いた以外は実施例1と同様にして、微多孔性フィルムを得た。
得られた原反フィルム(Af−4)について、フィッシュアイ個数と熱処理後の弾性回復率を、微多孔性フィルムについて、膜厚、気孔率、透気度を測定した。その結果を表1に示す。
ポリエチレン樹脂組成物(Ac−1)に代えて市販のポリエチレン樹脂組成物(Ac−5)を用いた以外は実施例1と同様にして、原反フィルム(Af−5)を得た。なお、ポリエチレン樹脂組成物(Ac−5)として、MFRが1.3g/10分、密度が964kg/m3、ηe/ηsが37であるポリエチレン樹脂組成物を用いた。次いで、原反フィルム(Af−1)に代えて原反フィルム(Af−5)を用いた以外は実施例1と同様にして、微多孔性フィルムを得た。
得られた原反フィルム(Af−5)について、フィッシュアイ個数と熱処理後の弾性回復率を、微多孔性フィルムについて、膜厚、気孔率、透気度を測定した。その結果を表1に示す。
ポリエチレン樹脂組成物(Bc−1)とポリエチレン樹脂組成物(Cc−1)との混合比を(Bc−1)/(Cc−1)=50/50から0/100に変更した以外は実施例1と同様にして、原反フィルム(Af−6)を得た。次いで、原反フィルム(Af−1)に代えて原反フィルム(Af−6)を用いた以外は実施例1と同様にして、微多孔性フィルムを得た。
得られた原反フィルム(Af−6)について、フィッシュアイ個数と熱処理後の弾性回復率を、微多孔性フィルムについて、膜厚、気孔率、透気度を測定した。その結果を表1に示す。
ポリエチレン樹脂組成物(Bc−1)とポリエチレン樹脂組成物(Cc−1)との混合比を(Bc−1)/(Cc−1)=50/50から100/0に変更した以外は実施例1と同様にして、微多孔性フィルムの製造を試みた。しかしながら、溶融樹脂が破断しやすく、原反フィルムの成形ができなかった。
ポリエチレン樹脂組成物(Ac−1)に代えて市販のポリエチレン樹脂組成物(Ac−8)を用いた以外は実施例1と同様にして、原反フィルム(Af−8)を得た。なお、ポリエチレン樹脂組成物(Ac−8)として、MFRが1.0g/10分、密度が961kg/m3、ηe/ηsが13であるポリエチレン樹脂組成物を用いた。次いで、原反フィルム(Af−1)に代えて原反フィルム(Af−8)を用いた以外は実施例1と同様にして、微多孔性フィルムを得た。
得られた原反フィルム(Af−8)について、フィッシュアイ個数と熱処理後の弾性回復率を、微多孔性フィルムについて、膜厚、気孔率、透気度を測定した。その結果を表1に示す。
ポリエチレン樹脂組成物(Ac−1)に代えて特許文献2に例示されているポリエチレン樹脂組成物(プライムポリマー製、商品名「ハイゼックス2208J」)を用いた以外は実施例1と同様にして、原反フィルム(Af−9)を得た。次いで、原反フィルム(Af−1)に代えて原反フィルム(Af−9)を用いた以外は実施例1と同様にして、微多孔性フィルムを得た。
得られた原反フィルム(Af−9)について、フィッシュアイ個数と熱処理後の弾性回復率を、微多孔性フィルムについて、膜厚、気孔率、透気度を測定した。その結果を表1に示す。
これに対し、比ηe/ηsが15よりも小さいポリエチレン樹脂組成物を用いた比較例1、比較例3は透気性が不十分であった。また、比ηe/ηsが100を超える比較例2は、原反フィルムの成形が困難であり、微多孔性フィルムを得ることができなかった。
Claims (5)
- ポリエチレン樹脂を含有し、剪断粘度ηsに対する伸張粘度ηeの比ηe/ηsが15〜100であるポリエチレン樹脂組成物からなるフィルムを、少なくとも一方向に1.05倍〜2.0倍に冷延伸する冷延伸工程と、
前記冷延伸工程において冷延伸されたフィルムを、少なくとも一方向に1.05倍〜5.0倍に熱延伸する熱延伸工程と、
を有する微多孔性フィルムの製造方法。 - 前記冷延伸工程における温度が−20℃以上70℃以下であり、かつ、前記熱延伸工程における温度が90℃以上130℃未満である、請求項1に記載の微多孔性フィルムの製造方法。
- 前記ポリエチレン樹脂の炭素原子10000個当たりの末端ビニル基数が3.0個以下である、請求項1又は2に記載の微多孔性フィルムの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の微多孔性フィルムの製造方法により製造された微多孔性フィルム。
- 請求項4に記載の微多孔性フィルムを備える電池用セパレータ。
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