JP2010203642A - グリルユニット及びこれを備えた加熱調理器 - Google Patents

グリルユニット及びこれを備えた加熱調理器 Download PDF

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Abstract

【課題】プルダウン機構におけるグリル扉の下降速度を抑制することができ、不快な衝突音等の発生を減少させることが可能なグリルユニット及びこれを備えた加熱調理器を得ること。
【解決手段】固定ガイドレール14a、14bが取付けられた箱状のグリル室11と、グリル室の開口部を開閉するグリル扉21と、固定ガイドレールに摺動自在に嵌合された摺動レール23a、23bと、摺動レールの後方端部に回動自在に軸支されて前方端部でグリル扉21を支持するプルダウンアーム31a、31bを有するグリル扉装置20とを備え、摺動レールとプルダウンアームとの間に張架され、グリル扉がグリル室から所定位置に引き出された状態で、プルダウンアームの摺動レールによる軸支部を中心にグリル扉がその自重で下降するときに、グリル扉の自重による下降を所定位置までに規制する弾性部材の巻バネ52を備えてなる。
【選択図】図7

Description

本発明は、電気やガス燃料を熱源とする加熱調理器において、それら熱源により調理を行うグリルユニット及びこのグリルユニットを備えた加熱調理器に関するものである。
従来においては、グリル受け皿がスライドレール手段によってスライドされて引き出し自在に構成され、スライドレール手段はグリルケースの両側に固定されたガイドレールと、このガイドレールに係合し、グリル受け皿の両側に配される被ガイドレールとを備え、被ガイドレールはガイドレールに対してグリル受け皿の後部がグリルケースの開口位置まで引き出し可能となるように構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−261280号公報(第4−5頁、図1−3)
上記のような従来のグリルユニットにおいては、グリル受け皿をグリルケースから引き出した状態で、グリル扉を揺動アームで支持するようになっており、この揺動アームが所定以上下降しないように規制するストッパー(リンク金具)が設けられている。
しかし、このような従来のグリルユニットでは、グリル扉を揺動アームで支持して下降させる構造(以下、「プルダウン構造」という)は、グリル扉の下降速度を規制していないので、グリル扉を引き出した使用者が途中で手を離すと、グリル扉はその自重で勢い良く下降し、最も下降した規制位置では揺動アームが他の構成部材(前記リンク金具など)と衝突して音が発生する。この音はグリルユニットを構成する金属部材同士が衝突したときの鋭い音であり、高級な調理機器と言われているIHクッキングヒータ等のような複合調理器の使用者によってはその高級感を損ない、不快感を感ずるという問題がある。
特に、グリル扉のプルダウン角度を大きくしてグリル皿を取り出し易くすると揺動アームの角度も必然的に大きくなり、グリル扉の下降速度は大きくなる。最近はグリル皿の大形化の傾向にあるが、大形のグリル皿を使用した場合はグリル皿の重量も重くなるため、グリル扉の下降速度を抑制させることが大きな課題になっている。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、プルダウン機構におけるグリル扉の下降速度を抑制できることができ、不快な衝突音等の発生を減少させることが可能となるグリルユニット及びこれを備えた加熱調理器を得ることができる。
本発明に係るグリルユニットは、前面側に前面開口部を有し、両側壁の内面の下部に固定ガイドレールが取付けられた箱状のグリル室と、前記グリル室の開口部を開閉するグリル扉、前記固定ガイドレールに摺動自在に嵌合されて前方の一端部同士を剛性の部材で連結された摺動レール、及び前記摺動レールにその後方端部に回動自在に軸支されて前方端部で前記グリル扉を支持するプルダウンアームを有するグリル扉装置とを備え、前記摺動レールと前記プルダウンアームとの間に張架され、前記グリル扉がグリル室から所定位置に引き出された状態で、前記プルダウンアームの摺動レールによる軸支部を中心に前記グリル扉がその自重で下降するときに、前記グリル扉の自重による下降を所定位置までに規制する弾性部材を備えて構成されている。
また、本発明に係る加熱調理器は、上記のグリルユニットを備えたものである。
本発明によれば、摺動レールとプルダウンアームとの間に張架され、グリル扉がグリル室から所定位置に引き出された状態で、プルダウンアームの摺動レールによる軸支部を中心にグリル扉がその自重で下降するときに、グリル扉の自重による下降を所定位置までに規制する弾性部材を備えているので、弾性部材がプルダウン機構におけるグリル扉の自重による下降を降下速度を抑制しながら所定位置までに規制するため、プルダウンアームの長孔の後縁にアームリンクのピンが衝突する事態を避けることができ、金属部材同士の鋭い衝突音が発生するのを防止することができるグリルユニット及びこれを備えた加熱調理器を得ることができる。
本発明の実施の形態1のグリルユニットを備えた加熱調理器の斜視図。 同グリルユニットの側断面図。 同グリルユニットのグリル扉装置をグリル室内に収納した状態の断面図。 同グリルユニットの摺動レールをグリル室から引き出した状態の側面図。 図4のA−A線断面図。 同グリルユニットの斜視図。 同グリルユニットのグリル扉装置をグリル室から引き出した状態の斜視図。 同グリルユニットのグリル扉装置をグリル室から引き出した状態の平面図。 同グリルユニットのグリル扉装置をグリル室から引き出した場合の摺動レールとプルダウンアームとの位置関係の変化を示す部分側面図。 同グリルユニットの摺動レールとプルダウンアームとの間に設けられた巻バネの形状を示す説明図。 本発明の実施の形態2のグリルユニットのグリル扉装置をグリル室から引き出した状態の斜視図。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1のグリルユニットを備えた加熱調理器の斜視図、図2は同グリルユニットの側断面図、図3は同グリルユニットのグリル扉装置をグリル室内に収納した状態の断面図、図4は同グリルユニットの摺動レールをグリル室から引き出した状態の側面図、図5は図4のA−A線断面図、図6は同グリルユニットの斜視図、図7は同グリルユニットのグリル扉装置をグリル室から引き出した状態の斜視図、図8は同グリルユニットのグリル扉装置をグリル室から引き出した状態の平面図、図9は同グリルユニットのグリル扉装置をグリル室から引き出した場合の摺動レールとプルダウンアームとの位置関係の変化を示す部分側面図、図10は同グリルユニットの摺動レールとプルダウンアームとの間に設けられた巻バネの形状を示す説明図である。
図1は本実施の形態1に係るグリルユニット10を備えた加熱調理器100で、グリル扉装置20を引き出した状態を示している。なお、後述のプルダウン機構30は図示していない。
図1に示すように、ほぼ箱状の本体ケース1の上面開口部には、例えば耐熱ガラスの如き非磁性材からなり、外周に天板支持枠2が設けられた平板状の天板3が着脱可能に装着されている。そして、天板3の上面には、金属製鍋などの調理容器Nの載置位置を示す複数の載置位置表示部4a〜4c(図には3個の場合が示してあるが、2個以上であればよい)が印刷により設けられている。また、天板支持枠2の後部側には、排気口5が設けられている。
また、本体ケース1の前面側の両側には、加熱調理器100の動作設定などを行う主操作部6a、6bが設けられ、天板支持枠2の前面側に副操作部7が設けられている。
なお、図示してないが、主操作部6a,6bの下面には外気取入口が設けられており、本体ケース1内には、天板3の載置位置表示部4a〜4cの下面に、例えば、誘導加熱コイルやヒータの如き加熱体が設けられており、また、これら加熱体を制御する制御部、外気取入口から取入れた外気により加熱体や制御部等を冷却するための送風機等が設けられている。
また、主操作部6a,6bの間(主操作部が一方の側に設けられている場合はこれと並行して)には、グリルユニット10が設けられている。
グリルユニット10は、本体ケース1内に設置されて前面が開口したほぼ箱状のグリル室11と、グリル皿40が着脱自在に載置されてグリル室11内に挿脱自在に収容される引出し式のグリル扉装置20を備えている。
次に、グリル室11の構成について説明する。
図2〜図4において、グリル室11は、全体が金属製の薄板から一体にプレス成形して形成したり、薄板の端部同時を溶接やネジで固定したりして箱形状に組み立てて形成している。
グリル室11は、本体ケース1の前面側に開口する前面開口部12を有し、後部側に排気口13が設けられている。また、両側壁内面の下部には、前後方向に亘って、断面がほぼコ字状の一対の固定ガイドレール14a,14b(以下、単に14と記すことがある)が、その開口部を対向させるようにして溶接等により取付けられている。固定ガイドレール14a,14bの前端部には、ストッパー15が設けられている。
なお、図示してないが、グリル室11の天井板の下面には、シーズヒータやハロゲンヒータの如き電気加熱体が配設されている。また、底板の上面にもその底板と一定の間隔を保つようにグリル室11の背面から前方方向へ水平に展開したシーズヒータ等の電気加熱体が配設されている。
次に、グリル扉装置20の構成について説明する。
グリル扉装置20は、下端部に取っ手22を有し、中央部に透明のガラス窓21A(図6参照)を設けているグリル扉21と、断面がほぼコ字状で、開口部を外側に向けて一端がグリル扉21の両側に水平に取付けられた金属板製の摺動レール23a,23b(以下、単に23と記すことがある)を備えている。
摺動レール23a,23bの前方端部と後方端部には、それぞれストッパー24a,24bが設けられており、これらは摺動レール23a,23bが前方及び後方への過剰な移動を行うのを阻止するためのものである。
図4、図5において、摺動レール23のウエブは金属製の固定ガイドレール14のウエブより高く形成されており、摺動レール23のウエブと上下のフランジとの間にはリテーナ25が配設されている。リテーナ25は、その上下の長手方向に亘って形成された複数のポケットに回転自在なころ26を保持しており、固定ガイドレール14に沿って長手方向に移動自在となっている。
図7において、摺動レール23a、23bの後端部の内側には、摺動レール23a、23bと溶接等の固定手段によって左右両端部が固定された補強を兼ねる後部皿受板27が設けられている。
この後部皿受板27は、ステンレス鋼板や鉄板等の薄板を加工して形成されている。この後部皿受板27は幅が7cm程度の大きさで、摺動レール23a、23bと固定されている左右両端部は下方にU字形に曲げられて屈曲部28を一体に形成している。
この屈曲部28の上面は、摺動レール23a,23bの上面とほぼ同一水平面になるように揃えてあり、後述するグリル皿40を載せたときにその水平感を損なわないようにしてある。また後部皿受板27の後端縁は上方に直角に折り曲げてストッパー部29を形成してある。このストッパー部29は、グリル室11の前面開口部12からグリル皿40を挿入し、摺動レール23a,23bの上に載せる際に、そのグリル皿40の後端縁が当たり、その後方移動の規制をし、位置決めとなり得る。
また、左右一対の屈曲部28の内部には、図7に示すように後述するプルダウンアーム31a(31b)が一定の微小間隙を置いて位置している。このプルダウンアーム31a(31b)はその後端部31Eがピン32によって摺動レール23a,23bに軸支されており、そのピン32を中心として水平位置から斜め下の方向に自由に傾斜するよう揺動動作が可能となるようにしてある。プルダウンアーム31a(31b)が傾斜した状態は図6、図7及び図9に示している。
次に、グリル扉装置20をグリル室11から引き出す際の構成について説明する。
図1及び図2及び図5は、グリル扉装置20を固定ガイドレール14に沿ってグリル室11から引き出した状態を示す。
このときの摺動レール23近傍の動作について、図4を併せて参照しつつ説明する。
グリル扉装置20を引き出すと、摺動レール23は固定ガイドレール14に沿って前方に移動する。そして、最前部まで引き出すと、リテーナ25は、固定ガイドレール14のストッパー15と、摺動レール23の後部側のストッパー24bとの間に挟まれた状態となり、また、摺動レール23の後端部は、ころ26を介して固定ガイドレール14の前端部に支持された状態となる。
次に、グリル扉20をグリル室11に収納する際の構成について説明する。
図3、図6はグリル扉装置20をグリル室11内に収容した状態を示す。
このときの摺動レール23近傍の動作について、図4を併せて参照しつつ説明する。
グリル扉20を収納すると、摺動レール23は固定ガイドレール14に沿って後方に移動する。そして、摺動レール23のストッパー24aが固定ガイドレール14のストッパー15に当って停止し、グリル室11の開口部12はグリル扉21によって閉塞される。
グリル室11の奥行寸法に対してグリル皿40の前後移動範囲が短い場合は、グリル扉装置20を引き出したときに、グリル皿全体がグリル室11から出ず、後部がグリル室内に残っているためグリル皿40の着脱が不便である。
そこで、この実施の形態1では、グリル扉装置20を引き出した際に、グリル皿40のほぼ全体をグリル室11から露出させて着脱性を向上させるように工夫している。
具体的には、グリル扉装置20をグリル室11の前面開口部12に密着させた状態で、摺動レール23a,23bの後部がグリル室11の背面(後面)に形成した開口部16a,16bから背面外側に突出するように、摺動レール23a,23bの長さを設定している(図6参照)。
次に、グリル皿40の構成について説明する。
図2及び図5において、前記グリル皿40は、全体がステンレス鋼板や耐食性の高い皮膜、例えば上面から裏面など全表面に亘ってホーロー皮膜処理を施した鋼板等の金属板によって一体に形成されており、その中央の凹んだ皿部41の上端部外周には、載置部であるフランジ42が一体に折り曲げて設けられている。そして、このグリル皿40のフランジ42が、摺動レール23a,23b上に載置されている。
グリル皿40の前後左右の側縁の内、前方側のフランジ42Bは他の側のものと形状を異ならせてあり、前方側フランジ42Bの左右中央部には横幅100mm程にわたり、盛り上がった逆さU字形部(図示省略)が形成され、その部分が後述する連結アーム46のアーム部46Aを上方から包むような状態で係合するので、グリル皿40はその設置状態ではアーム部46Aによって前後方向に不必要な動きをしないように規制される。
このように、グリル皿40を正しい位置に設置した状態では、そのフランジ42の後方部42Aが後部皿受板27のストッパー部29の真上に位置する。一方、前方側のフランジ42Bは、後述する連結アーム46のアーム部46Aの上に設置された状態となる。
つまり、グリル皿40はその左右のフランジ部42が摺動レール23a,23b上面で、また前方のフランジ部42Bはアーム部46Aの上面で、それぞれ支持された形になる。また、グリル皿40の外部底面とグリル室11の底面との間には所定の空間BS(図5参照)が確保され、この空間内に設けたシーズヒータ等の下部電気発熱体により下方から加熱される構成になっている。
次に、グリル扉装置20のプルダウン機構30の構成について説明する。
図7及び図8において、グリル扉装置20にはプルダウン機構30が設けられている。
プルダウン機構30は、金属板製の一対のプルダウンアーム31a、31b(以下、端に31と記すことがある)を主要構成部品としている。
プルダウンアーム31は、摺動レール23のウエブより幅狭で、長手方向の中央部近傍には長穴33が設けられており、その後端部側が摺動レール23のウエブの後部側にピン32により回動自在に軸支されている。
このプルダウンアーム31a,31bの前方端部には、後述する補強を兼ねる扉支持板47(図7参照)を介してグリル扉21が着脱自在に取り付けられている。
そして、摺動レール23のウエブの前側には、アームリンク34a、34b(以下、端に34と記すことがある)がピン35により回動自在に軸支されている。アームリンク34の他端にはピン36が設けられており、このピン36はプルダウンアーム31の長孔33に摺動自在に嵌入されている。
補強を兼ねる扉支持板47は、図7の斜視図に示すように、全体がステンレスや耐食性のある鋼板等の薄板(板厚1mm程度)からプレス成形で一体に形成されており、その左右両側にはそれぞれ接続片48、48が形成されている。この接続片48、48はプルダウンアーム31a,31bの前方端部の内側に密着状態で重ね合され、かつ溶接やネジ止めによりそれと強固に固定されている。
49は扉支持板47の左右端縁から上方に一体に形成された垂直な一対の切り起し片で、この一対の切り起し片49にグリル扉21を着脱自在に取り付けている。
また、扉支持板47の中央部の内側には、後述する連結アーム46を支持するアーム支持板50が一体に設けられている。
次に、プルダウン機構30及び摺動レール23に関して、剛性を確保するための構成を中心に説明する。
図7において、摺動レール23a,23bの前方端部には、金属で形成された連結アーム46が溶接によって固定されている。この連結アーム46により、摺動レール23a,23bの前端部同士が強固に一体的に連結され、外部からのねじり力等に対して十分な剛性が確保される。
その連結アーム46のアーム部46Aは、摺動レール23a,23bと固定された状態ではその上面から所定寸法Eだけ高くなるような寸法関係になっている。
そして、このアーム部46Aに対し、前記プルダウン機構30の一対のプルダウンアーム31a,31bの前方端部に固定された扉支持板47はその中央部内側にアーム支持板50を設けているので、グリル扉装置20を閉じる場合に、プルダウンアーム31a,31bが取っ手22を介して使用者により上方に持ち上げられたとき、そのプルダウンアーム31a,31bの前方端部に固定された扉支持板47のアーム支持板50がアーム部46Aの下面の所定位置に当たり、連結アーム46を持ち上げる。
これにより、結果的にプルダウン機構30と摺動レール23a,23bとは一体的になって使用者により水平状態になり、そのまま後方、すなわちグリル室11の方向へ移動させることができる。
次に、グリル扉装置20の下降に伴う衝撃を緩和するための構成について説明する。
図7〜図9において、摺動レール23の内側に横方向に突設するバネ嵌込用ピン51に巻バネ52のリング部53が嵌め付けられている。その巻バネ52の一端側の直線部54は後部皿受板27の下面側に位置し、巻バネ52の他端側の略V字状の鉤部55はプルダウンアーム31の外側に横方向に突設するバネ係止用ピン56に係止されている。
図9の(a)に示すように、グリル扉21が最も前方に引き出されているが、摺動レール24とプルダウンアーム31とが水平状態にあるとき(プルダウンアーム31の長孔33の前縁にピン36が当接したとき)には、巻バネ52の一端側の直線部54は後部皿受板27の下面側に位置し、巻バネ52の他端側の略V字状の鉤部55の幅広部分にプルダウンアーム31のバネ係止用ピン56が位置しており、巻バネ52は、張力は働かないように設定されている。
そして、グリル扉21が最も前方に引き出されてから、図9の(b)に示すように、グリル扉21がその自重で下方に下がるとき(プルダウンアーム31が下方に揺動するとき)、巻バネ52にバネ力が働く、即ち巻バネ52の一端側の直線部54が後部皿受板27の下面側に当接状態に係止され、巻バネ52の他端側の略V字状の鉤部55がプルダウンアーム31の下方の揺動に伴い巻バネ52を巻くように強制的に曲げられるため、その元に戻ろうとするバネ力がプルダウンアーム31の下方の揺動が大きくなるに伴い次第に大きくなる。
これにより、グリル扉21がその自重で下方に下がるときの速度は、巻バネ52のバネ力によって抑制される。従って、グリル扉21の下降に伴う衝撃力を緩和することができる。
また、グリル扉21がその自重で下方に下がり、それに伴いプルダウンアーム31が下方に揺動するに従い、プルダウンアーム31のバネ係止用ピン56が巻バネ52の略V字状の鉤部55の幅広部分から幅の狭い先端部に移動し、それに伴ってバネ係止用ピン56を巻バネ52の略V字状の鉤部55の幅の狭い先端部が絞めつけるため、この点からもグリル扉21がその自重で下方に下がるときの速度が抑制される。
また、グリル扉21がその自重で下方に下がり、プルダウンアーム31が下方に揺動する場合に、アームリンク34のピン36がプルダウンアーム31の長孔33の後縁の手前で止まるように、巻バネ52のバネ力が設定されている。
従って、このアームリンク34は、巻バネ52がへたったり、壊れた場合に、グリル扉21がその自重で下方に下がり、どこまでも下がるのを防止するために設けられているものである。
また、プルダウンアーム31a、31bが取っ手22を介して使用者により上方に持ち上げられたとき、そのプルダウンアーム31a、31bを連結する扉支持板47のアーム支持板50は連結アーム46のアーム部46Aの下面位置に当たって連結アーム46が持ち上げられ、プルダウン機構30と摺動レール23a、23bとは一体的になって移動する状態になる。
このとき、扉支持板47のアーム支持板50と連結アーム46のアーム部46Aの下面とは金属同士の衝突音が発生しうる。この衝突音を抑制するため、扉支持板47のアーム支持板50と連結アーム46のアーム部46Aの下面の互いに接する位置に、耐熱性ゴム等の緩衝材を取り付ける構成としてもよい。
このようにすることで、衝突音を抑制してより使用者の使い勝手を向上させることができる。
上記のように構成したグリルユニット10を備えた加熱調理器100を使用する際の動作について説明する。
図5に示すように、摺動レール23a,23b上にフランジ42が設けられたグリル皿40を載置し、皿部41を摺動レール23a,23bの間に位置させる。そして、皿部41に被調理物を載置して、グリル皿40と共にグリル扉装置20をグリル室11内に収容した状態では、グリル扉21がグリル室11の前面開口部12を閉塞する。
グリル皿40が上記のようにグリル室11の内部に収容された状態では、その上方の空間には電気加熱体があり、また下方空間にはグリル室11の下部空間BS(図5参照)に設けた電気加熱体があるので、これら電気加熱体に通電するとグリル室11内部は高温雰囲気になり、グリル皿40も高温度に熱せられて被調理物は加熱され、調理される。なお、図示していないが実際の調理では、グリル皿40の皿部41には金属製の焼網が着脱自在に置かれ、この焼網の上に被調理物が置かれることが多い。
調理が終ったときは、グリル扉装置20をグリル室11から引き出し、被調理物又は被調理物が載置されたグリル皿40を取り出して、再びグリル扉装置20をグリル室11内に収容する。
次に、グリル扉装置20をグリル室11から引き出す場合の動作について説明する。
グリル扉21を前方に引くと、摺動レール23a,23bは前方に引き出される。そして、図7に示すように、グリル扉21の自重によりプルダウンアーム31はピン32を支点にして下方向に回動し、これに伴ってアームリンク34もピン35を支点に下方向に回動し、ピン36が長穴33の後端部に当接して停止する。
前記摺動レール23a,23bが図7に示す位置に停止するのは、摺動レール23a,23bが前方に移動して、リテーナ25が固定ガイドレール14のストッパー15と、摺動レール23a,23bのストッパー24bとの間に挟まれて停止するからである。
つまり、図7の位置に摺動レール23a,23bが安定するのは、グリル扉装置20や補強板60の重さも含めた摺動レール23a,23bの重さで摺動レール23a,23bが前方に引かれるが、固定ガイドレール14のストッパー15でリテーナ25の動きが規制されるからである。
また、この状態で使用者がグリル皿40を持ち上げて取り出しても、摺動レール23a,23bが勝手に移動することはない。つまりその位置で安定している。
図7に示すように、グリル扉装置20をグリル室11から最大限引き出した状態では、グリル扉21はその上端部の位置が下方に下がっており、グリル皿40を前方に取り出すにあたり、邪魔になることは殆んどない。
使用者がグリル扉21を最も前方まで引き出した状態でそのまま手を離すと、グリル扉21はその自重で下降する。
この実施の形態1では、グリル扉21の自然落下のような急速な下降を防止するために巻バネ52を設置している。
即ち、摺動レール23の内側に横方向に突設するバネ嵌込用ピン51に巻バネ52のリング部53が嵌め付けられており、その巻バネ52の一端側の直線部54は後部皿受板27の下面側に当接され、巻バネ52の他端側の略V字状の鉤部55はプルダウンアーム31の外側に横方向に突設するバネ係止用ピン56に係止されている。
そのため、グリル扉21が最も前方に引き出された状態からプルダウンアーム31の長孔33の後縁にピン36が当接するまでの過程においては、グリル扉21がその自重で下方に下がるとき(プルダウンアーム31が下方に揺動するとき)、巻バネ52にバネ力が働く、即ち巻バネ52の一端側の直線部54が後部皿受板27の下面側に当接し、巻バネ52の他端側の略U字状の鉤部55がプルダウンアーム31の下方の揺動に伴い、巻バネ52を巻くように強制的に曲げられるため、その元に戻ろうとするバネ力がプルダウンアーム31の下方の揺動が大きくなるに伴い次第に大きくなる。
これにより、グリル扉21がその自重で下方に下がるときの速度は、巻バネ52のバネ力によって抑制されるので、グリル扉21の下降に伴う衝撃力を緩和することができる。
また、グリル扉21がその自重で下方に下がり、プルダウンアーム31が下方に揺動する場合に、アームリンク34のピン36がプルダウンアーム31の長孔33の後縁の手前で止まるように、巻バネ52のバネ力が設定されているので、最終的にプルダウンアーム31が最も下方位置で停止するときに、プルダウンアーム31の長孔33の後縁にピン36が勢いよく衝突する事態を避けることができ、グリル扉装置20が勢いよく下降して金属部材同士の鋭い衝突音が発生するのを防ぐことができる。
従って、このアームリンク34は巻バネ52がへたったり、壊れた場合に、グリル扉21がその自重で下方に下がり、どこまでも下がるのを防止するために有用である。
しかも、巻バネ52はそのリング部53が摺動レール23のバネ嵌込用ピン51に嵌め付けられ、その一端側の直線部54は後部皿受板27の下面側に当接され、巻バネ52の他端側の略V字状の鉤部55はプルダウンアーム31のバネ係止用ピン56に係止されている状態で設けられているため、グリル扉21の下降速度をプルダウンアーム31によって簡単な構成で効果的に規制できる。
また、その巻バネ52はグリル扉21がグリル室11の開口部12を閉塞するような場合などの摺動レール24とプルダウンアーム31とが水平状態にあるときには、巻バネ52の一端側の直線部54は後部皿受板27の下面側に位置し、巻バネ52の他端側の略V字状の鉤部55の幅広部分にプルダウンアーム31のバネ係止用ピン56が位置しており、巻バネ52はバネ力は働かないように設定され、使用者がグリル扉21を最も前方まで引き出し、グリル扉21がその自重で下降してプルダウンアーム31が下方に揺動する場合にだけバネ力が働くようになっているので、巻バネ52がへたったり、壊れたりすることが少なくなる。
次に、グリル扉装置20をグリル室11の内側へ移動させる場合の動作について説明する。
グリル扉装置20を後方に押し、グリル室11内側へ移動させると、プルダウンアーム31がグリル室11の開口部12の下縁に押されて、ピン32を支点として時計周り方向に回動し(上方へ押し上げられ)、これに伴ってアームリンク34もピン35を支点に時計周り方向に回転してピン36が長穴33の前部側に移動する。これにより、プルダウンアーム31とアームリンク34が摺動レール23とほぼ平行になって重なりあった状態になり、そのままグリル室11側に押していけば、グリル室11内に収容されてその開口部12をグリル扉21が閉塞する。
実施の形態2.
図11は本発明の実施の形態2のグリルユニットのグリル扉装置をグリル室から引き出した状態の斜視図である。
この実施の形態2は、実施の形態1で示した後部皿受板27の形状が異なるものである。即ち、この実施の形態2の後部皿受板27は前後方向の幅を大きくし、左右両端の屈曲部28の前後方向の長さを、巻バネ52が隠れるような寸法にしたものである。
このように、後部皿受板27の左右両端の屈曲部28の前後方向の長さを、巻バネ52が隠れるような寸法にしたので、見栄えが良く、また巻バネ52に調理物がかかるおそれをなくしたものである。
上記実施の形態1、2はいずれも摺動レール23とプルダウンアーム31との間に張架された弾性部材として巻バネ52を用いているが、引っ張りバネであってもよいことは勿論である。
また、上記実施の形態1、2の説明では、電力で駆動する加熱体を有する加熱調理器について説明したが、ガスを加熱源とする加熱調理器においても、本発明に係るグリルユニット10を用いることができる。
本発明は、電力加熱体やガス燃焼熱源等を有する加熱調理器に用いられるグリルユニットの機構部分に広く用いることができる。
1 加熱調理器の本体ケース、10 グリルユニット、11 グリル室、12 開口部、14a,14b 固定ガイドレール、16 後部開口部、20 グリル扉装置、21 グリル扉、23a,23b 摺動レール、25 リテーナ、26 ころ、27 後部皿受板、28 屈曲部、29 ストッパー部、30 プルダウン機構、31 プルダウンアーム、32 ピン、33 長穴、34a、34b アームリンク、35 ピン、36 ピン、40 グリル皿、42 フランジ、46 連結アーム、40A アーム部、47 扉支持板、50 アーム支持板、51 バネ嵌込用ピン、52 巻バネ、53 リング部、54 直線部、55 鉤状部、56 バネ係止用ピン。

Claims (6)

  1. 前面側に前面開口部を有し、両側壁の内面の下部に固定ガイドレールが取付けられた箱状のグリル室と、
    前記グリル室の開口部を開閉するグリル扉、前記固定ガイドレールに摺動自在に嵌合されて前方の一端部同士を剛性の部材で連結された摺動レール、及び前記摺動レールの後方端部に回動自在に軸支されて前方端部で前記グリル扉を支持するプルダウンアームを有するグリル扉装置とを備え、
    前記摺動レールと前記プルダウンアームとの間に張架され、前記グリル扉がグリル室から所定位置に引き出された状態で、前記プルダウンアームの摺動レールによる軸支部を中心に前記グリル扉がその自重で下降するときに、前記グリル扉の自重による下降を所定位置までに規制する弾性部材を備えた
    ことを特徴とするグリルユニット。
  2. 前記弾性体は、前記摺動レールとプルダウンアームとの間に張架された引っ張りバネで構成されていることを特徴とする請求項1記載のグリルユニット。
  3. 前記弾性体は、コイル部が前記摺動レールに設けたバネ嵌込用ピンに嵌め込まれ、一端側の直線部が前記摺動レールに設けた係止部に係止され、他端側の略V字状の鉤部が前記プルダウンアームに設けた係止部に係止された巻バネであることを特徴とする請求項1記載のグリルユニット。
  4. 前記摺動レールに設けた係止部は前記一対の摺動レールの後端側を連結した後部皿受板の屈曲部であり、前記プルダウンアームに設けた係止部は該プルダウンアームに設けたバネ係止用ピンであることを特徴とする請求項3記載のグリルユニット。
  5. 前記プルダウンアームに長穴を設け、一端が前記摺動レールに回動自在に軸支されたアームリンクの他端に設けたピンを、前記プルダウンアームの長穴に摺動自在に嵌入したことを特徴とする請求項1〜4記載のグリルユニット。
  6. 請求項1〜5のいずれかのグリルユニットを備えたことを特徴とする加熱調理器。
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