JP2011112301A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】レール手段による軽快なスライド移動を維持しながら、受け皿保持体を調理庫内から容易に除去でき清掃性や取扱い性に優れた加熱調理器を得る。
【解決手段】調理庫15の扉18と連動して出し入れ可能な受け皿19と、該受け皿19を保持すべく一端を開放した受け皿保持体26と、前記受け皿19を出し入れするために設けられた固定レール20b及び可動レール20aからなるレール手段20と、前記可動レール20aの前端部間に連結された連結部材22とを備え、前記連結部材22には前記扉18が着脱可能に連結されるとともに、前記可動レール20aの前端部には前記連結部材22の背面側において前記受け皿保持体26の開放端部が着脱可能に挿入連結される構成とする。
【選択図】図1
【解決手段】調理庫15の扉18と連動して出し入れ可能な受け皿19と、該受け皿19を保持すべく一端を開放した受け皿保持体26と、前記受け皿19を出し入れするために設けられた固定レール20b及び可動レール20aからなるレール手段20と、前記可動レール20aの前端部間に連結された連結部材22とを備え、前記連結部材22には前記扉18が着脱可能に連結されるとともに、前記可動レール20aの前端部には前記連結部材22の背面側において前記受け皿保持体26の開放端部が着脱可能に挿入連結される構成とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、調理庫内の清掃性や取扱い性を良好とする加熱調理器に関する。
従来、この種調理器における調理庫内(以下「庫内」ともいう)の清掃性を良くするために、例えば調理庫を固定された調理庫と、この固定調理庫の内側に着脱可能に設けた可動調理庫とからなる2重構成とし、グリル調理などにより汚れ易い前記可動調理庫を外部に取り出して、洗浄するなど清掃可能とした構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、この特許文献1にも記載されているように、グリル扉(以下「扉」という)とグリル皿(以下「受け皿」という)とは、該受け皿を保持する載置部材(以下「受け皿保持体」という)を介して連動する構成にあり、従って扉を前方へ引き出すことで庫内に位置している受け皿を庫外に取り出すことができるが、その扉の開閉操作の際、つまり受け皿保持体の出し入れ操作を行なうに際し軽快にできるようにレール手段を採用し、摩擦抵抗等の少ないスライド移動を可能としている。
ところが、このレール手段は調理庫の外側に配置する一方、これに連動する受け皿保持体は常に可動調理庫内に配置される構成にある。従って、扉の全開位置でも受け皿保持体の後端部は該調理庫内に残っているため、このままでは可動調理庫を取り外すこともできないし、この状態で庫内を清掃するにも邪魔になる。そこで、上記特許文献1に記載された構成では、受け皿保持体を前端側を基点に回動可能として、その自由端部たる後端部を庫外に退避させ、しかる後、可動調理庫を取り出し可能としている。
しかしながら、この受け皿保持体の回動手段は、前端部において吊下げ状態に垂下しており、且つ受け皿保持体も煙などにより少なからず汚れていることから、該保持体が操作の邪魔になる場合も考えられる。また、受け皿保持体が最も前方に引き出された状態では、その後端部が可動調理庫内に確実に残った安定した状態が求められる一方、庫内から退避すべく回動する際には可動調理庫の開口端部に当接しない寸法(短い方が良い)が求められ、或は調理庫の開口形状の大きさに制約を受けるなど、交錯した事情を含め幾つかの構成上の問題点が誘起される。
本発明は上記問題を解決するために、レール手段による軽快なスライド移動を維持しながら、受け皿保持体を調理庫内から容易に除去でき清掃性や取扱い性に優れた加熱調理器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の加熱調理器は、被調理物を加熱調理する調理庫と、前記調理庫の前面開口部を開閉する扉と、前記調理庫内に収容され前記扉と連動して出し入れ可能な受け皿と、前記受け皿を保持すべく一端を開放した受け皿保持体と、前記受け皿を出し入れするために前記調理庫の左右外側に設けられた固定レール及び可動レールからなるレール手段と、前記可動レールの前端部間に連結された連結部材とを備え、
前記連結部材には前記扉が着脱可能に連結されるとともに、前記可動レールの前端部には前記連結部材の背面側において前記受け皿保持体の開放端部が着脱可能に挿入連結される構成としたことを特徴とする(請求項1の発明)。
前記連結部材には前記扉が着脱可能に連結されるとともに、前記可動レールの前端部には前記連結部材の背面側において前記受け皿保持体の開放端部が着脱可能に挿入連結される構成としたことを特徴とする(請求項1の発明)。
上記手段によれば、受け皿保持体を前方に引き出し受け皿を取り出した状態で、該受け皿保持体を取り外すことで庫内から完全に除去することができ、調理庫の前面開口部から庫内を拭き取るなどの清掃が容易にできる。また、受け皿保持体の着脱部位は連結部材の背面側にあって、前方から見て該連結部材で覆われた形態となるため、使用者が触れるなどして受け皿保持体を可動レールから不用意に取り外すようなおそれはないなど、レール手段による軽快なスライド移動を維持しながら、清掃性や取扱い性などの利便性が期待できる加熱調理器を提供できる。
以下、本発明の加熱調理器をビルドインタイプの複合型の調理ユニットに適用した一実施例について、図1ないし図6を参照して説明する。
そのうち、まず図6に基づき全体構成の概要につき説明すると、この図6はシステムキッチンに組込まれた複合型の調理ユニットの外観構成を示す正面斜視図で、該調理ユニット1は、上面が開放された矩形箱状の筐体2と、その上面に装着されたトッププレート3とで全体の外郭を構成している。そして、機能的にはトッププレート3を介して加熱調理を可能とする加熱調理装置4と、この下方に配置されグリル調理を可能とするグリル調理装置5、そしてこれらの動作設定用の操作ユニット6などを主体に構成されている。
そのうち、まず図6に基づき全体構成の概要につき説明すると、この図6はシステムキッチンに組込まれた複合型の調理ユニットの外観構成を示す正面斜視図で、該調理ユニット1は、上面が開放された矩形箱状の筐体2と、その上面に装着されたトッププレート3とで全体の外郭を構成している。そして、機能的にはトッププレート3を介して加熱調理を可能とする加熱調理装置4と、この下方に配置されグリル調理を可能とするグリル調理装置5、そしてこれらの動作設定用の操作ユニット6などを主体に構成されている。
前記加熱調理装置4は、前記トッププレート3の下方にあって前記グリル調理装置5と操作ユニット6の上方部位に設けられた図示しない誘導加熱コイルやラジエントヒータなどの加熱手段と冷却ファンによる空冷手段、及びトッププレート3の後方に設けられ筐体2内と連通した吸排気部7等を具備してなる構成としている。
なお、前記トッププレート3は、例えば平坦状の耐熱強化ガラスから形成され、表面には前記誘導加熱コイルなどの各加熱手段に対応した位置に、鍋などの調理容器(図示せず)の載置部位の指標となる二重の円形枠線8,9,10が3箇所に印刷表示されるなどしている。
なお、前記トッププレート3は、例えば平坦状の耐熱強化ガラスから形成され、表面には前記誘導加熱コイルなどの各加熱手段に対応した位置に、鍋などの調理容器(図示せず)の載置部位の指標となる二重の円形枠線8,9,10が3箇所に印刷表示されるなどしている。
一方、前記グリル調理装置5は、前記加熱調理装置4の下方の左側に配設され、魚やピザなどをヒータなどの加熱手段にて直接焼く加熱調理、所謂グリル調理を行なう加熱調理器として機能するもので、その詳細は後述する。
そして、前記操作ユニット6は上記グリル調理装置5の右側に並設され、電源スイッチ11や、前面の中央上部を押すことで回動する、所謂カンガルーポケット式の操作部12を内蔵しており、該操作部12は前記加熱調理装置4及びグリル調理装置5の各種の調理設定を可能としている。
ここで、前記グリル調理装置5の具体構成につき、特に図1ないし図5を参照して説明する。なお図1は、前記調理ユニット1が有するグリル調理装置5の単独構成を示す一部分解した斜視図、図2は受け皿を前方に引き出した状態を断面して示す側面図、図3は庫内要部の構成を破断して示す正面図、図4は受け皿保持体の取付構成を示す分解斜視図、及び図5は調理庫前端部の要部を拡大して示す斜視図である。
前記調理ユニット1の筐体2内には、グリル本体13や遮熱板ケース14等(図2参照)により囲まれた空間にグリル調理装置5が配置され、被調理物を収容しグリル調理する調理庫15を固定的に設けている。この調理庫15は、前面側を全面開口した矩形筒状に形成され、上壁面側には、加熱手段として例えばシーズ線ヒータからなる上部ヒータ16が配設され、下方にも同様の下部ヒータ17が配設され、いずれも適宜に曲成されて面状をなす如き形態としている。
そして、調理庫15の前面開口部には、これを開閉する扉18が、前方に引き出し可能に設けられており、つまり扉18は、前後方向の往復移動を開閉動作とするものである。この扉18は、受け皿19、及びレール手段20の各前端部において着脱可能に連結されている(詳細は後述する)。なお、特に図示しないが調理庫15の後方の壁面には適宜の開口部が形成され、庫内で発生した臭気、煙等を外部に排気する排気ダクト等を経て調理ユニット1の吸排気部7(図6参照)から外部に排出可能としている。
しかるに、上記レール手段20は、受け皿19などを扉18と一体的に軽い操作力で出し入れできる軽快なスライド移動を可能としており、特に図3に示すように調理庫15下部の両外側部のコーナーを、内方に突出することにより外方側に形成された窪み部15aに配設されている。つまり、庫内では煙成分や油成分等で汚れスライド性が損なわれるおそれがあるため、庫外に配置されている。
このように配置されたレール手段20は、固定的に設けられた固定レール20b内を可動レール20aが前後方向にスライド可能に組み合わせた構成からなっている。なお、固定レール20bは、グリル本体13或は調理庫15などの適宜の静止部位に取付固定すればよく、また可動レール20aを前後方向にスライド移動するガイドとして機能すればよいことから、その形状及び構成等は比較的自由に設定可能である。
斯かるレール手段20は、その左右両側部の前端部間を連結部材22にて連結され、一体的な構成としている。具体的には、特には図4(及び図1参照)に示すように直線状に延びる可動レール20aの前端部に対し、連結部材22の両端部を後方に直角に折り曲げて可動レール20aと重なる重複部分22aを形成している。そして、この重複部分22aと可動レール20aとを2本のネジ23にて締結固定している(溶接固定手段でも可)。なお、この重複部分22aの中心位置には、可動レール20aと共に貫通した通し穴24を設けている(図4参照)。
また、連結部材22の可動レール20a間を連結した主体部には、中央部に後方へ退避して前方に凹空間を形成する後方退避部22bを折曲加工し、その左右両側の前面には上方へ突出した係合片22cを形成している。詳細は後述するが、前者の後方退避部22bは、受け皿19と扉18との係合解除操作に必要な空間を形成するためであり、後者の係合片22cは扉18と着脱可能に係合するためのものである。
斯くして上記連結部材22の連結により、可動レール20aが前方へ大きく引き出された場合においても、撓み変形することなく安定した形態に保持できる。また、前記したように前記扉18は、レール手段20と連結(詳細は後述する)されると述べたが、直接的には可動レール20a間に介在された当該連結部材22と着脱可能に連結され、扉18と共に一体的にスライド移動可能としている。
次いで、前記受け皿19の具体構成につき説明すると、これは矩形の浅皿容器状をなし、特に図3の断面図に示すように、上部の外周囲には外方に延びるフランジ部19aを有し、また内底部のコーナーには内方に突出成形した凸段部19bを形成している。この凸段部19bは、前方(扉18側)を除く周囲三方に形成されている(後述する図7参照)。この凸段部19b上には、焼き網部材25を載置支持するようにしている(図2、3参照)。この焼き網部材25は、被調理物たる魚などを直接載置して加熱調理するためのもので、この扁平なコ字状をなす内部空隙部分に前記下部ヒータ17が配置される構成としており、被調理物に対し下方から加熱できるようにしている。
更に、前記受け皿19や焼き網部材25等の重量の大半を支持する受け皿保持体として、折曲加工された金属製のワイヤー部材26を設けている。このワイヤー部材26は、円形棒状をなし、全体形状としては図4に示すように一端たる前方を開放した矩形のコ字状をなすように折曲形成され、その開放端側である前端部側は、一旦略垂直な下方向に折曲された後、その先端部を夫々左右外側に指向して折り曲げられ、以って左右外側に位置し前後方向に延びる前記レール手段20(可動レール20a)に対し、直交する方向に形成された挿入端部26aを形成している。なお、この挿入端部26aの左右側方に延びる途中には、例えば一部圧潰により外方に突出した規制突部27を形成している。この規制突部27は、詳細は後述するが可動レール20aの通し穴24より径大な形状としている。
上記開放端側の反対側である後端部側の一辺にあっては、上下方向に凹凸をなす折曲加工され、真上から見ると直線状に見える後方受け部26cと、その両側に摺動部26dを連続形成している。そのうち後方受け部26cは、特に図4に示すように中央部に位置して上方に延びるように折り曲げられ、また摺動部26dは後方受け部26cの両側に位置して下方に延びるように折り曲げられている。
従って、これら後方受け部26c及び2箇所の摺動部26dは、互に相反する一辺(上辺と下辺)を開放した台形状をなし、受け皿保持体として調理庫15内に収容された略水平な状態にあるとき、左右の側辺部26bが略水平状態を保つのに対し、後方受け部26cはそれより高く、また2箇所の摺動部26dはそれより低く形成されている。
このワイヤー部材26の組み込み構成などについては後述するが、グリル調理装置5として組み込まれた状態では、図2、3に示すように後方受け部26cは、受け皿19の後方側のフランジ部19aを下面側から宛がい該受け皿19を保持するように機能し、及び2箇所の摺動部26dは常に調理庫15の底面上に摺接状態に支持され摺動可能な構成となしている。この場合、受け皿19の凸段部19bの外部下面側に形成される凹部を利用してワイヤー部材26の側辺部26bが配置されるが、受け皿19を支持する構成とはしていない(特に図3参照)。
このようにコ字状に形成されたワイヤー部材26は、レール手段20に対し着脱可能に連結される。具体的には、前記可動レール20aの前端部に設けた通し穴24に、ワイヤー部材26の開放端部である側方に指向した挿入端部26aを挿入する。この場合、左右の挿入端部26aは、左右の可動レール20a間より大きな間隔を有する形状を自然形態とするもので、つまり両側辺部26bが前端部側に向かって拡開した形状にあり(図4中に、一部二点鎖線で示す)、従ってワイヤー部材26の弾力性を利用して内方側(図4中の実線矢印方向)に撓ませて開放端部間を縮小することで、挿入端部26aを左右の通し穴24に挿入することができる。
この通し穴24は、挿入端部26aより径大にあって、該挿入端部26aは挿脱可能とする所謂着脱可能で、且つ回動可能な取付構成としている。しかるに、挿入端部26aを有する前端部は開放端側にあって挿入するに必要な弾性変形を十分に得られる。しかるに前記規制突部27は、その弾性変形による弾性力が蓄勢された状態で通し穴24への挿入位置を規制する位置決め手段として機能し、所定位置で簡単に自由動しない状態で取り付けられる。また、通し穴24は、前記の如く連結部材22の重複部分22aと共に貫通して設けており、可動レール20aの通し穴24周辺の機械的強度を高めている。
なお、図5において調理庫15の構成として、その開口周縁に例えば耐熱樹脂等による別体の前枠部21が取着されていて、庫内形状と面一とする開口形状としている。その左右下部のコーナーには、レール手段20が配置された窪み部15aに対向してレール出入口靴28aが形成され、可動レール20aが出没可能としている。そして、ワイヤー部材26の挿入端部26aに対応するレール出入口靴28aの開口周縁部に、水平方向に延び直線溝状をなす逃げ凹部28bを形成している。この逃げ凹部28bは、扉18を閉鎖して可動レール20aが最も収縮された状態、つまり窪み部15aに最も収納された状態にあるとき、この逃げ凹部28b内に挿入端部26aの一部が当接しないように収容される構成としている。
このことは、例えば逃げ凹部28bがない状態では挿入端部26aが前枠部15の前方に位置し、可動レール20a及び挿入端部26a(の径寸法分)が前方へ若干突出した状態となり、このままでは調理庫15の前面開口と扉18との間に隙間ができるので、例えば扉18の厚みを増したり、可動レール20aや挿入端部26aの突出分を扉18側で吸収できる構成等が要求されることになり、更には前面側に配置される連結部材22(図4参照)も含めて複雑な構成となるからである。
なお、前枠部21は別体に設けたが、これに限らず金属製の調理庫15と一体に開口フランジ部を形成し、該フランジ部の前面側に逃げ凹部28b相当の溝状凹部を形成してもよい。また、レール出入口靴28aも穴形状とすることなく、一部外側の周縁部を開放した溝状であってもよい。
ここで、図7、8を参照して主に受け皿19と扉18との着脱可能な連結構造につき述べる。そのうち図7は、具体的には扉18に対し、受け皿19、及びレール手段20を分解した状態の斜視図を示し、また図8は扉18と受け皿19とを一体的に連結した要部の破断した側面図を示している。しかして、受け皿19の前壁面の略中央部に、扉18に係脱可能に係合させるための連結具33が溶接されている。この連結具33の前端部には、屈曲して上方に延びる上部係合爪33aが左右2箇所に突設され、また下部中央には、下方に突出した下部係合爪33bが1箇所一体に形成されている。
これら、上,下部係合爪33a及び33bは、特に図7に示すように、扉18の背面側の対応する箇所に夫々形成された上部係合孔18aと下部係合孔18bに、夫々挿入され着脱可能に係合する。但し、下部係合孔18bは、扉18の背面から一体的に突設された弾性を有する支え板29に形成され、図8に示す係合状態では該支え板29上に連結具33が弾性的に接合した状態に支持可能としている。この結果、支え板29の操作などの作用説明は後述するが上記係合状態、すなわち着脱可能な係合状態のもとに受け皿19と扉18とは一体的に連結され、且つその係合状態に保持可能としている。
なお、図7に示す支え板29の下部に突設された第1の板状部材30は、使用者が扉18を下方から支えることができるようにしたもので、且つ前記した連結部材22の後方退避部22b(図4参照)の形状は、これら支え板29などの操作スペースを確保している。また、支え板29の両側に設けられた第2の板状部材31は、扉18が調理庫15の前面開口部を閉鎖した際に、該調理庫15の外底面に接触させて安定させるためのものである。
次いで、扉18とレール手段20とを着脱可能に連結する構造につき、特には図7、図9を参照して述べる。なお、図9は、扉18とレール手段20の連結構造を示す要部の破断した側面図である。しかして、左右一対に設けたレール手段20は、既述の如く図1や図3等にて開示したように可動レール20aと固定レール20bとから構成されている。その可動レール20aの各前端部間には金属製の連結部材22で一体的に連結され補強した構成としている。この連結部材22の左右に突設された係合片22cが、扉18と着脱可能に連結され、結果としてレール手段20と扉18とを着脱可能に連結している。
具体的に述べると、この左右に配置された係合片22cは、図7、図9に示すように前記した扉18の左右の対応する位置に設けられた係合孔18cに挿入され、着脱可能に係合する。この係合状態を保持し、また解除するために本実施例では係合孔18cの下方に板ばね32を具備している。
この板ばね32は、図9に示すように基端部が扉18に保持された状態で後方斜め上方に傾斜して突出するとともに、その先端は下方に傾斜した曲げ形状をなしている。この板ばね32の中間部には、孔部32aが形成されており、その孔部32aが、連結部材22に設けられた凸部22dに付勢状態で弾性係合することにより、該連結部材22が扉18と係合する方向に付勢され、結果、係合孔18cと係合片22cとの係合状態は確実に保持される。
逆に、この係合状態を解除する場合は、板ばね32の先端を押下げると、板ばね32による凸部22dに対する係合が解除され、そして係合片22cによる係合状態は弛緩した自由状態となり、扉18を上方に持ち上げながら前方に引き出すことが可能となる。このように、連結部材22とル扉18とは着脱可能に連結され、つまりレール手段20と扉18とが着脱可能に連結される。
次に、加熱調理器としての上記構成のグリル調理装置5の作用につき説明する。
例えば、通常の調理メニュー「焼き魚」に設定して被調理物をグリル調理する場合は、周知のように扉18を前方に引っ張り操作し、例えば図2に示すように全開位置まで引き出す。この場合、当然扉18は、該扉18と連結されたレール手段20の可動レール20aを介して、固定レール20bにガイドされて前方へ最大限引き出される。
例えば、通常の調理メニュー「焼き魚」に設定して被調理物をグリル調理する場合は、周知のように扉18を前方に引っ張り操作し、例えば図2に示すように全開位置まで引き出す。この場合、当然扉18は、該扉18と連結されたレール手段20の可動レール20aを介して、固定レール20bにガイドされて前方へ最大限引き出される。
結果、扉18と連結された受け皿19、焼き網部材25や、受け皿19を支持し可動レール20aに連結された受け皿保持体としてのワイヤー部材26も、一体的に同時に前方へ引き出される。但し、ワイヤー部材26の後端部である摺動部26dは調理庫15内に残った状態で停止するよう適宜の位置決め手段(図示せず)を介して、所定位置まで引き出され、その状態に保持される。
そして、焼き網部材25上に被調理物たる魚をセットし、また必要に応じ受け皿19内に予め水を供給しておく。その後、扉18を押し戻すことで、受け皿19等は調理庫15内に収容され、該扉18の背面は調理庫15(前枠部21)の前面開口部を閉鎖する。これら、扉18の開閉操作に連動して受け皿19等は出し入れされるが、レール手段20を介して軽快にスライド移動する。
このレール手段20に着脱可能に連結されたコ字状のワイヤー部材26は、受け皿19を収容した状態に保持するのであるが、具体的には受け皿19の前部にあっては図8にて開示したように扉18に連結支持され、受け皿19の後部においてフランジ部19aが後方受け部26c(図2,3,4等参照)に載置支持される。そして、ワイヤー部材26の摺動部26dが調理庫15底面と摺接した状態で受け皿19等の重量を支え、以って該受け皿19を庫内で略水平状態に収容保持する。
上記準備を終えたら操作部12により調理条件等を設定した後、スタートスイッチをON操作すると、図示しない制御手段が上部ヒータ16及び下部ヒータ17を所定電力で通電制御し、これら各ヒータ16,17からの輻射熱により「焼き魚」とするグリル調理が実行される。
そして、「焼き魚」としてのグリル調理が終了したときは、扉18を再び前方に全開位置まで引き出す。すると、扉18に係合された受け皿19等は可動レール20aと共にレール手段20を介して一体的に前方に引き出され、よって焼き網部材25に載置された焼き上がった被調理物たる「焼き魚」を取り出すことができる。
このような扉18や受け皿19などの前後方向の往復動は、その荷重の一部を担ったレール手段20にて軽快に行われる上に、受け皿19を載置支持するワイヤー部材26は、その後端部の摺動部26dの調理庫15内底面との接触部分が少ないので、摩擦抵抗も少なくスムーズにスライド移動し不快な摩擦音なども軽減できる。
さて、上述のようにして「焼き魚」のグリル調理が終了したときには、受け皿19が調理中に魚から落下した油分等で汚れるので、受け皿19を洗浄する必要があり、それ以外にも適宜の使用期間を置いて調理庫15内の周囲に飛散した油分や、煙及び臭気等で汚れた部分を拭いたりして清掃したい場合がある。この場合、まず図1及び図2に示すように扉18の全開位置で焼き網部材25を取り出した後、扉18と受け皿19を連結された状態(図1参照)のまま一体的に取り出す(勿論、個々に分解した状態でもよい)。このとき、レール手段20も最大限前方に引き出された状態にある。
具体的に説明すると、上記の如く全開位置まで引き出された扉18の裏側に手を差し込み、図9に示すように連結部材22に設けられた凸部22dを下方から付勢状態で支持している板ばね32の先端を押し下げる。これにより、板ばね32による凸部22dに対する弾性係合が解除され、該板ばね32の付勢作用が完全に無効化された状態のもとで、扉18を上方に持ち上げながら前方に引き出すようにする。
すると、扉18の最も左右に配置された係合孔18c(図7参照)に対する連結部材22の係合片22cとの係合状態が解除され、扉18を連結部材22、従ってレール手段20から完全に取り外すことができる。なお、この係合解除状態は、扉18の上方から視認することができるので、係合状態を容易に確認することができる。この結果、図1に示すように扉18を取り出すことにより、これと連結状態にある受け皿19(図8参照)を一体的に取り出すことができる。これにより、例えば未だ受け皿19の温度が高い状態であったり、油分等で汚れがひどい場合でも、受け皿19に触れることなく該受け皿19を調理庫15から取り出すことができる。
なお、この状態から受け皿19全体を清掃したい場合は、図8に示すように、まず扉18の裏側下方から突出した支え板29を、その弾性変形を利用して下方に押し下げる。これにより、該支え板29の下部係合孔18bから連結具33の下部係合爪33bが抜け出ることにより係合が解除される。この状態で、受け皿19に対して扉18を上方に持ち上げるように前方に引き出すと、図8にも示すように該受け皿19側の連結具33の上部係合爪33aと、扉18側の上部係合孔18aとの係合も解除されるので、後はワイヤー部材26に載置支持された状態の受け皿19を取り外すことができる。よって、扉18から取り外した単体の受け皿19は、適宜シンク等で洗浄したり汚れを拭き取るなど清掃すればよい。
次いで、調理庫15内面を清掃したい場合につき説明すると、図1に示すように扉18と受け皿19を取り出した状態にあっても、ワイヤー部材26の後端部は調理庫15内に位置しており、つまり摺動部26dが庫内底面に接触した状態にある。従って、この状態のままではワイヤー部材26の特に後端部が邪魔となり、調理庫15内の拭き取り清掃は容易でない。
そこで、ワイヤー部材26をレール手段20から取り外す。すなわち、ワイヤー部材26は図4にて開示したように、左右の側辺部26bが開放方向に拡開した形状(図中二点鎖線で示す)を自然形態としていて、これを図中実線矢印方向に弾性的に撓ませ、これを解除して破線矢印で示す方向の弾性を利用して可動レール20aに着脱可能に挿入されているので、この状態から再び実線矢印方向に撓ませることで通し穴24から抜き取り、容易に取り外すことができる。
斯くして、庫内開口部の入り口付近は完全に開放され、該開口部から庫内の拭き取り清掃等が容易にできる。なお、上下部ヒータ16,17が庫内に突出している点で若干清掃作業がし辛い点はあるが、ワイヤー部材26を庫内から完全に除去し得ることによる清掃性は頗る良好で簡易な清掃手段として有効である。
上記清掃後の組み込み作業では、上述した手順と逆の手順を実行することにより容易に行なえる。すなわち、詳細な説明は省略するが、まずワイヤー部材26を、その後端部が庫内に位置した状態で、既述の如く側辺部26bを図4中に示す実線及び破線矢印で示す方向に弾性を利用して変位させることで、可動レール20aに容易に取り付けることができる。
次いで、例えば予め扉18と受け皿19とを係合して一体的に連結状態にしておき(図1,8参照)、このユニット形態を組み込むことで、受け皿19はワイヤー部材26の後方受け部26cに載置支持される。後は、扉18とレール手段20側の連結部材22とを係合させるだけでよい(図9参照)。これにより、扉18を閉鎖する方向に押す戻すことで、レール手段20を介して軽快にスライド移動でき、扉18は調理庫15の前面開口部を閉鎖するとともに、受け皿19を調理庫15内に収納してグリル調理が実行できる待機状態とすることができる。
以上説明したように、上記実施例によれば次のような効果を有する。
左右一対のレール手段20を用いて、扉18や受け皿19等を出し入れするスライド操作が軽快にできることはもとより、レール手段20の可動レール20aに対し、受け皿保持体としてのワイヤー部材26を弾性変形を利用して容易に着脱できる。これにより、ワイヤー部材26が完全に取り除かれた調理庫15内を拭き取り清掃するなど手軽に清掃できるとともに、その着脱構成は頗る簡単な構成にて提供できる。
左右一対のレール手段20を用いて、扉18や受け皿19等を出し入れするスライド操作が軽快にできることはもとより、レール手段20の可動レール20aに対し、受け皿保持体としてのワイヤー部材26を弾性変形を利用して容易に着脱できる。これにより、ワイヤー部材26が完全に取り除かれた調理庫15内を拭き取り清掃するなど手軽に清掃できるとともに、その着脱構成は頗る簡単な構成にて提供できる。
また、受け皿保持体の着脱部位は連結部材22の背面側にあって、前方から見て該連結部材22で覆われた形態となるため、前方に位置する使用者が触れるなどして受け皿保持体を可動レール20aから不用意に取り外すようなおそれはないなど、レール手段20による軽快なスライド移動を維持しながら、上記清掃性や取扱い性などの利便性が期待できる加熱調理器を提供できる。
しかも、ワイヤー部材26を着脱する際に、該ワイヤー部材26を動かすための特別な作業スペースを必要とすることなく行えるとともに、取り外すことでワイヤー部材26自体の清掃も容易に行なえる。また、調理庫15を本実施例の如く単体の固定した構成、及び従来例で述べた着脱可能な2重構成とする何れの構成にも適用できるなど、取扱い性や実用的に有効な利点を有する。
また、受け皿保持体として金属製のワイヤー部材26を採用したので、その後端部における受け皿19を支持する後方受け部26c、及び庫内底面と摺接する摺動部26dの加工が容易にできる。更には、一端を開放し全体にコ字状に形成し、その開放端部側をレール手段20に連結する構成であるので、大きな弾性変形が得られ着脱による作業性や安定した連結状態を得るのに有効である。
(変形例)
上記実施例に対し、図10は変形例を示すもので、以下上記実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分につき説明する。
この図10は、レール手段と受け皿保持体との連結要部の拡大斜視図を示しており、この変形例は上記実施例とは、可動レール20aに対し弾性的に挿入するワイヤー部材26の位置決め手段が異なるものである。
上記実施例に対し、図10は変形例を示すもので、以下上記実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分につき説明する。
この図10は、レール手段と受け皿保持体との連結要部の拡大斜視図を示しており、この変形例は上記実施例とは、可動レール20aに対し弾性的に挿入するワイヤー部材26の位置決め手段が異なるものである。
すなわち、上記実施例では挿入端部26aに規制突部27を設けて、ワイヤー部材26の所定の取付位置を得る構成としていたが(図4参照)、この変形例では図10から明らかなように、側方に位置する可動レール20aに対し略直交する方向に延びた挿入端部26f(上記実施例の挿入端部26aに相当)において、その途中部位にそれ以上の挿入を規制する規制曲げ部34を設けた構成を特徴としている。
この規制曲げ部34の具体形状は、挿入端部26fの途中部位を略直角に折り曲げるとともに、後方に延出して水平な部分を形成したものである。従って、ワイヤー部材26の挿入端部26fを上記実施例と同様に弾性変形を利用して可動レール20aの通し穴24に挿入した場合、規制曲げ部34が可動レール20aの内側壁に当接して(上記実施例構成では連結部材22の重複部分22aに当接する)、これ以上の挿入を規制されることで所定位置に着脱可能に連結される。
このように、変形例ではワイヤー部材26の挿入端部26fにおける位置決め手段たる規制曲げ部34は、簡単は折り曲げ加工にて形成できるとともに、弾性変形を利用した着脱可能な取付手段など上記実施例と同様の作用効果が期待できる。また、この規制曲げ部34は後方に延びる水平な部分としたので、例えば上記実施例で開示した調理庫15前面に設けた逃げ凹部28b(図5参照)に相当する凹部を形成するとき、ワイヤー一本分を収容する直線状の溝状凹部であればよく、簡易な構成にて提供できる利点を有する。この場合、逆方向の前方に水平に延びる構成としても略同様のことがいえる。
なお、本発明は上記し且つ図面に示した実施例に限定されるものではなく、例えば扉と受け皿や連結部材、或は扉とレール手段との着脱可能な係合による連結手段は種々な構成や形状が考えられ種々展開可能である。その他、本発明は複合型の調理ユニットでなく単独のグリル調理装置に適用できることはもとより、加熱手段もシーズヒータに限らず、或は該ヒータを着脱可能とするなど、実施に際して本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施可能である。
図面中、1は調理ユニット、2は筐体、5はグリル調理装置(加熱調理器)、15は調理庫、16は上部ヒータ、17は下部ヒータ、18は扉、19は受け皿、19aはフランジ部、20はレール手段、20aは可動レール、20bは固定レール、22は連結部材、22aは重複部分、24は通し穴、25は焼き網部材、26はワイヤー部材(受け皿保持体)、26a,26fは挿入端部(開放端部)、26cは後方受け部、26dは摺動部、27は規制突部(位置決め手段)、28bは逃げ凹部、及び34は規制曲げ部(位置決め手段)を示す。
Claims (5)
- 被調理物を加熱調理する調理庫と、前記調理庫の前面開口部を開閉する扉と、前記調理庫内に収容され前記扉と連動して出し入れ可能な受け皿と、前記受け皿を保持すべく一端を開放した受け皿保持体と、前記受け皿を出し入れするために前記調理庫の左右外側に設けられた固定レール及び可動レールからなるレール手段と、前記可動レールの前端部間に連結された連結部材とを備え、
前記連結部材には前記扉が着脱可能に連結されるとともに、前記可動レールの前端部には前記連結部材の背面側において前記受け皿保持体の開放端部が着脱可能に挿入連結される構成としたことを特徴とする加熱調理器。 - 受け皿保持体は、折曲加工されたワイヤー部材から構成され、前端部である開放端部を可動レールに対し直交する方向に弾性変形を利用して挿入されるとともに、後端部には受け皿を載置保持する後方受け部と、調理庫底面上を部分的に摺接する摺動部を備えたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
- 可動レールと連結部材との連結は、連結部材の左右両端部を折曲形成して可動レールの前端部と重複した構成とし、この重複部分を一体的に連結固定するとともに、該重複部分にワイヤー部材を挿入する通し穴を設けたことを特徴とする請求項2記載の加熱調理器。
- 調理庫外に位置する可動レールに対し、庫内に配置され前記可動レールと直交する方向に挿入されたワイヤー部材の開放端部側の一部を収納可能な逃げ凹部を、調理庫の前面開口縁部に形成したことを特徴とする請求項2又は3記載の加熱調理器。
- ワイヤー部材の開放端部には、可動レールに直交する方向への所定以上の挿入を規制する前方又は後方に水平に延びる規制曲げ部を設けたことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の加熱調理器。
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Cited By (4)
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WO2022153942A1 (ja) * | 2021-01-12 | 2022-07-21 | シャープ株式会社 | 加熱調理器 |
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2009
- 2009-11-27 JP JP2009270022A patent/JP2011112301A/ja active Pending
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