JP2010201688A - 感熱転写記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】感熱転写層と被熱転写体の融着が防止できると共に、また感熱転写記録時のリボン強度が強いためにムラやスジ抜けのない良好な感熱転写記録を行えることができる熱転写記録媒体を提供する。
【解決手段】基材フィルムの一方の面には、少なくともバインダー樹脂と滑剤を有する感熱転写層が、もう一方の面には、少なくともバインダー樹脂と滑剤を有する耐熱滑性層が少なくとも積層されてなる感熱転写記録媒体であって、感熱転写層を構成するバインダー樹脂が、重合度1100以上且つガラス転移温度100℃以上のポリビニルアセタール樹脂と、重合度1100未満且つガラス転移温度100℃未満のポリビニルアセタール樹脂の混合物からなると共に、耐熱滑性層を構成するバインダー樹脂がガラス転移温度70℃以上の熱可塑性樹脂と多価イソシアネートとの反応物からなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、基材フィルムの一方の面に、少なくともバインダー樹脂と滑剤を有する感熱転写層が、基材フィルムのもう一方の面には、少なくともバインダー樹脂と滑剤を有する耐熱滑性層が少なくとも積層されてなる感熱転写記録媒体に関するものである。
従来、コンピュータ、ワープロ、ファクシミリ等からの出力情報をもとに熱転写方式により感熱転写記録を行う際には、基材フィルムの一方の面に熱溶融性のインキからなる感熱転写層あるいは熱昇華性染料を含む感熱転写層を、もう一方の面に耐熱滑性層をそれぞれ設けた感熱転写記録媒体が使用されている。
このような感熱転写記録媒体を用いた感熱転写記録は、感熱転写記録媒体の感熱転写層と被熱転写体を重ね、感熱転写記録媒体の基材フィルムの耐熱滑性層面側からサーマルヘッドにより加熱することによって行われる。
このような感熱転写記録においては、印字・画像形成速度の高速化に伴い、サーマルヘッドによる印加エネルギーが高くなった結果、感熱転写層と被熱転写体が融着したり、サーマルヘッドと感熱転写記録媒体の基材フィルムとが融着し、著しい場合には基材フィルムが破断し、良好な画像形成が行えないという問題が生じるようになってきている。
これらの問題を解決するため、感熱転写層中に、分子量が6〜20万のポリビニルブチラールを90重量%以上含むようにした感熱転写記録媒体(特許文献1)や、耐熱滑性層中のバインダー樹脂として、ポリアミドイミド樹脂を用いた感熱転写記録媒体(特許文献2)等が提案されている。
特開昭60−101087号公報 特開平7−179077号公報
しかしながら前者の感熱転写記録媒体においては、感熱転写層が流動性に乏しいポリビニルブチラールを90重量%以上の割合で含むようにしていることから、塗工性が良好な状態で感熱転写層を形成することが難しく、均一な厚さの感熱転写記録媒体が形成し難くなってしまうため、良好な感熱転写記録がし難いという問題点があった。また後者の感熱転写記録媒体においては、ポリアミドイミド樹脂自体のコストが高く、製造コストが高くなってしまっていた。また、これらの感熱転写記録媒体は、その感熱転写層または耐熱滑性層中の一つのバインダー樹脂のみの成分を特定することにより所期の効果を期待するものであるが、上記のような問題点を完全に解決するまでには至っていない。
本発明は、上記のような問題点を解決すべくなされたものであり、感熱転写記録に際して、感熱転写層と被熱転写体との融着が防止できると共に、感熱転写記録時の所謂リボン強度を強くし、ムラやスジ抜けのない良好な感熱転写記録画が行われるようにした感熱転写記録媒体の提供を目的とするものである。
上記の課題を解決するために成され、請求項1に記載の発明は、基材フィルムの一方の面には、少なくともバインダー樹脂と滑剤を有する感熱転写層が、もう一方の面には、少なくともバインダー樹脂と滑剤を有する耐熱滑性層が少なくとも積層されてなる感熱転写記録媒体において、感熱転写層を構成するバインダー樹脂が、重合度1100以上且つガラス転移温度100℃以上のポリビニルアセタール樹脂と、重合度1100未満且つガラス転移温度100℃未満のポリビニルアセタール樹脂の混合物からなると共に、耐熱滑性層を構成するバインダー樹脂がガラス転移温度70℃以上の熱可塑性樹脂と多価イソシアネートとの反応物からなることを特徴とする感熱転写記録媒体である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の感熱転写記録媒体において、前記感熱転写層には、重合度1100以上且つガラス転移温度100℃以上のポリビニルアセタール樹脂が60重量%以上90重量%以下、重合度1100未満且つガラス転移温度100℃未満のポリビニルアセタール樹脂が10重量%以上40重量%以下の割合でそれぞれ含まれていることを特徴とする。
さらにまた、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の感熱転写記録媒体において、前記感熱転写層中の滑剤が、シリコーン系の滑剤であることを特徴とする。
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の感熱転写記録媒体において、前記耐熱滑性層中の熱可塑性樹脂が、反応性のポリオール基を有していることを特徴とする。
さらにまた、請求項5に記載の発明は、請求項1または4に記載の感熱転写記録媒体において、前記耐熱滑性層中の滑剤が、リン酸エステル系界面活性剤とステアリン酸塩を含有していることを特徴とする。
本発明に係る感熱転写記録媒体は、基材フィルムの一方の面には、少なくともバインダー樹脂と滑剤を有する感熱転写層が、もう一方の面には、少なくともバインダー樹脂と滑剤を有する耐熱滑性層が少なくとも積層されてなる感熱転写記録媒体であって、感熱転写層を構成するバインダー樹脂が、重合度1100以上且つガラス転移温度100℃以上のポリビニルアセタール樹脂と、重合度1100未満且つガラス転移温度100℃未満のポリビニルアセタール樹脂の混合物からなると共に、耐熱滑性層を構成するバインダー樹脂がガラス転移温度70℃以上の熱可塑性樹脂と多価イソシアネートとの反応物からなるので、感熱転写層と被熱転写体の融着が防止でき、また感熱転写記録時の所謂リボン強度が強いので、記録ムラやスジ抜けのない良好な感熱転写記録を行うことができる。
本発明に係る感熱転写記録媒体の概略の断面構成を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図1に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る感熱転写記録媒体の概略の断面構成を示す説明図である。
この感熱転写記録媒体(1)は、図1に示すように、基材フィルム(2)の一方の面には、少なくともバインダー樹脂と滑剤を有する感熱転写層(3)が、基材フィルム(2)のもう一方の面には、少なくともバインダー樹脂と滑剤を有する耐熱滑性層(4)が積層されてなるものである。
そして、感熱転写層(3)を構成するバインダー樹脂は、重合度1100以上且つガラス転移温度100℃以上のポリビニルアセタール樹脂と、重合度1100未満且つガラス転移温度100℃未満のポリビニルアセタール樹脂の混合物からなると共に、耐熱滑性層(4)を構成するバインダー樹脂はガラス転移温度70℃以上の熱可塑性樹脂と多価イソシアネートとの反応物からなっている。
基材フィルム(2)としては、従来公知の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルフォンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム等が挙げられる。また、基材フィルム(2)の厚さは、2.0乃至50μm程度であればよいが、転写適性等を考慮すると、2.0乃至9.0μm程度が好ましい。
このような基材フィルム(2)上に感熱転写層を設けようとするとき、その感熱転写層を構成するバインダー樹脂として、例えば重合度が1100以上のポリビニルアセタール樹脂を単体で用いた場合は、ポリビニルアセタールの分子同士の絡み合いが弱くなり染料の保持力が弱まるので、感熱転写層中に含有する染料は昇華しやすくなり、被熱転写体に記録される転写画像の転写濃度が高くなるという利点がある。また、感熱転写記録の際、感熱転写記録媒体はサーマルヘッドにより短時間ではあるが200℃以上に加熱されるのでバインダー樹脂のガラス転移温度が低いとそれを含む感熱転写層が被熱転写体に融着するおそれが出てくるが、ガラス転移温度が100℃以上のバインダー樹脂を用いるとその危険性を減らすことが可能となる。
一方、バインダー樹脂の重合度が高すぎると流動性が低くなり、そのようなバインダー樹脂を含有する感熱転写記録層形成用の塗工液の塗工性が低下するため、均一な塗工層(感熱記録層)が得られ難くなる。
これに対して本発明の感熱転写記録媒体においては、その感熱転写層を構成するバインダー樹脂として、上述したように、感熱転写層を構成するバインダー樹脂が、重合度1100以上且つガラス転移温度100℃以上のポリビニルアセタール樹脂と、重合度1100未満且つガラス転移温度100℃未満のポリビニルアセタール樹脂の混合物を使用する。
これにより感熱転写層が被熱転写体に融着せず、且つこのバインダー樹脂を含有する感熱転写記録層形成用の塗工液は塗工性が良好であるので、均一な塗布膜が得られるので、均一な厚みの感熱転写層が得られ、延いては良好な感熱転写記録が行われるようになる。
また、上記した2種類のバインダー樹脂の混合割合は、重合度1100以上且つガラス転移温度100℃以上のポリビニルアセタール樹脂が60重量%以上90重量%以下で、重合度1100未満且つガラス転移温度100℃未満のポリビニルアセタール樹脂が10重量%以上40重量%以下であることが好ましい。
一方、感熱転写層(3)には滑剤を含有させるが、滑剤を含有させることで感熱転写記録時に感熱転写層と被熱転写体との間の貼り付きがより確実に防止できるようになる。滑剤としては、例えば、シリコーン系、フッ素系、リン酸エステル系、といった各種オイルや界面活性剤が挙げられるが、特に、シリコーン系のオイルや界面活性剤が好ましい。
より具体的には、シリコーン系として、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等のストレートシリコーンオイル、アミノ変性、エポキシ変性、カルビノール変性、メルカプト変性、カルボキシル変性、メタクリル変性、ポリエーテル変性、フェノール変性、片末端反応性・異種官能基変性等の反応性変性シリコーンオイル、さらには、ポリエーテル変性、アラルキル変性、フロロアルキル変性、長鎖アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、フェニル変性等の非反応性変性シリコーンオイル等が挙げられる。
このような滑剤は感熱転写層(3)に対して、0.1以下程度の重量比で含有させておくことが好ましい。0.003乃至0.05程度の範囲で含有させておけばより好ましい。重量比が0.003より小さい場合、感熱転写記録時に感熱転写層と被熱転写体とが貼り付き易くなってしまい、貼り付いた場合にはより熱シワが発生してしまうため、結果として転写ムラが生じることになる。一方、重量比が0.05より大きい場合、被熱転写体に対する滑り性は向上するものの、染料の昇華を阻害し、転写ムラや所望の濃度の感熱転写記録が行われない場合がでてくる。
上記したバインダー樹脂と滑剤を有する感熱転写層(3)は、そこに含まれる成分が、熱転写記録媒体の感熱転写層の反対側の面からのサーマルヘッドによる加熱により被熱転写体上に転写され、そこに文字や画像を形成するための熱昇華性染料等の色料を含んでいる。
色料として熱昇華性染料を含む感熱転写層は、例えば、熱昇華性染料、バインダー樹脂、溶剤等を配合して調製された感熱転写層形成用の塗布液の薄膜を基材フィルムの上に塗布し、しかる後に乾燥することにより得ることができる。この感熱転写層形成用塗布液の塗布量は、乾燥膜厚で1.0μm程度となるように調整することが好ましい。
前記した昇華性染料としては主に昇華性分散染料が好ましく用いられる。例えば、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメタン系、キサンテン系、アキサジン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、アゾ系、スピロジピラン系、イソドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンダクタム系、アントラキノン系等の昇華性染料を挙げることができる。
より具体的には、イエロー成分のものとしては、C.I.ソルベントイエロー14、16、29、30、33、56、93等や、C.I.ディスパースイエロー7、33、60、141、201、231等が、マゼンタ成分のものとしては、C.I.ソルベントレッド18、19、27、143、182、C.I.ディスパースレッド60、73、135、167、C.I.ディスパースバイオレット13、26、31、56等が、そして、シアン成分のものとしては、C.I.ソルベントブルー11、36、63、105、C.I.ディスパースブルー24、72、154、354等がそれぞれ挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。また、これらの染料は単体で使用しても、複数を組み合わせて使用してもよい。
また、前記した染料とバインダー樹脂との重量比(染料/バインダー樹脂)は、0.1〜3.0程度が好ましく、0.5〜1.5程度であればより好ましい。0.1より小さい場合、染料の濃度が低くなるため、発色感度が不十分となり良好な熱転写画像が得られ難くなる。一方、染料の濃度が3.0より高い場合、バインダー樹脂に対する染料の溶解性が極端に低下するため、感熱転写層の保存安定性が低下し染料が析出し易くなるために好ましくない。
さらに、感熱転写層(3)には耐熱性を向上させる目的で架橋剤を含有させておいてもよい。架橋剤を含有させることで耐熱性が向上し、感熱記録時に感熱転写記録媒体の変形を防止することができる。架橋剤としてはポリイソシアネートが一例として挙げられ、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系のポリオール樹脂やセルロース系樹脂、アセタール樹脂等との組合せで用いることができる。
一方、耐熱滑性層(4)を構成するガラス転移温度70℃以上の熱可塑性樹脂と多価イソシアネートとの反応物としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂とジイソシアネートとの反応物、ポリエステル樹脂とポリイソシアネートとの反応物、酢酸セルロースとポリイソシアネートとの反応物、アクリルポリオールとポリイソシアネートとの反応物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応物、ウレタンポリオールとポリイソシアネートとの反応物等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂としては、多価イソシアネートとの反応性や相溶性の観点から、特に反応性のポリオール基を持つ樹脂が挙げられる。
耐熱滑性層(4)に含有させておく滑剤は、サーマルヘッドからの加熱時に耐熱滑性層(4)に滑性を与える働きをしており、バインダー樹脂中に分子状に溶解した状態で存在している。そのため、固体状の滑剤を添加した場合と比較して、感熱転写記録部におけるざらつき感が生じ難くなる。
このような滑剤としては、ステアリン酸塩およびリン酸エステル系界面活性剤が好ましく用いられる。ステアリン酸塩およびリン酸エステル系界面活性剤の存在により、反応性のポリオール基を持つ熱可塑性樹脂と多価イソシアネートの反応性が高まり、その結果、感熱転写層の耐熱滑性層への転移が起こり難くなる。
ステアリン酸塩としては、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。この中では、特にステアリン酸亜鉛がより好適に用いられる。
また、リン酸エステル系界面活性剤としては、長鎖アルキルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルまたは、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のリン酸エステルが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
このような構成の耐熱滑性層(4)にはさらに耐熱性を向上させる目的で、微粒子を含有させるようにしてもよい。特に比重3.0×10kg/m以上の無機粒子を用いると、無機粒子が耐熱滑性層中に沈み込み、その脱落が抑えられるようになるので好ましい。
上記したような構成の感熱転写記録媒体を使用して感熱転写記録を行うための被熱転写体は、基本的には、支持体上に受容層が積層されてなるものである。支持体としては、熱転写記録媒体の基材フィルムとして使用されているものと同等なものを使用することができ、機械的強度、柔軟性、耐熱性等を有するものが好ましく用いられる。
具体的には、ポリエチレンテフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルや、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリサルファン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド等からなるプラスチックフィルムや、上質紙、コート紙、合成紙等の紙基材等が挙げられる。支持体の厚みには特に限定はないが、一般的には25〜250μm程度、より好ましくは75〜200μm程度であればよい。
また、受容層の構成材料としては、感熱転写記録媒体の感熱転写層中に昇華性染料が含有されている場合には、例えば、その染料に対して染着性を有するブチラール樹脂、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリビニルアセタール、エポキシ、ケトン、或いはこれらの変性樹脂やブレンド品などの熱可塑性樹脂や、これらの架橋生成物、等を使用することができる。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
受像層の層厚は、薄すぎるとそこに記録された感熱転写記録画像の反射濃度が低下し、十分な濃度を確保することが困難になる。一方、厚すぎると色のにじみ等の画像品位の低下が生じ易くなる。従って、一般的には1〜30μm程度、より好ましくは3〜10μm程度の層厚とすればよい。また、この受像層には、画像形成時の感熱転写記録媒体への熱融着を防止する目的で、種々の離型剤を含有させることが好ましい。このような離型剤としては、公知の離型剤を適宜選択して使用することができる。例えば、シリコーン系、フッ素系、リン酸エステル系等の各種オイルや、界面活性剤や、金属酸化物、シリカ等の各種フィラー等が使用できる。中でも、シリコーンオイルを使用することが好ましい。また、その添加量は、受像層の構成条件により異なるが、一般的には、1〜30重量%程度とすることが好ましい。
以下、実施例について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
下記組成の耐熱滑性層形成用塗布液−1を調製し、基材フィルムである厚み4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面にその薄膜を塗布し、乾燥させた後、50℃で24時間加熱することで硬化処理を行い、膜厚1.0μmの耐熱滑性層を形成した。
[耐熱滑性層形成用塗布液−1]
ポリエステル樹脂(Tg=70℃) 15重量部
リン酸エステル系界面活性剤 3.0重量部
トリレンジイソシアネート 5.0重量部
トルエン 53重量部
メチルエチルケトン 24重量部
また、下記組成の感熱昇華転写層形成用塗布液−1を調製し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(基材フィルム)の耐熱滑性層を形成した面とは反対の面に、その薄膜を塗布し、乾燥させ、膜厚1.0μmの感熱転写層を形成し、実施例1の感熱転写記録媒体を得た。
[感熱昇華転写層形成用塗布液−1]
アセタール樹脂(平均重合度約2100、Tg約110℃) 2.5重量部
アセタール樹脂(平均重合度約約600、Tg約75℃) 2.5重量部
C.I.ソルベントブルー63 5.0重量部
リン酸エステル系界面活性剤 0.04重量部
トルエン 45重量部
メチルエチルケトン 45重量部
次に、発泡ポリプロピレンフィルム(厚み:50μm)からなる基材シート/接着樹脂層/コート紙(塗布量:108g/m2 )/接着樹脂層/発泡ポリプロピレンフィルム(厚み:50μm)の積層構成になる積層シートを用い、その片方の面に下記組成の受像層用インキの薄膜を乾燥後の膜厚が4μmとなるように塗布し、しかる後に乾燥させ、その後45℃で1週間エージングを行うことにより、受像層付きの被熱転写体を得た。
〔受像層用インキ〕
・塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体 50重量部
・シリコーンオイル 2重量部
・メチルエチルケトン 25重量部
・トルエン 25重量部
<実施例2>
前記感熱昇華転写層形成用塗布液−1中の2種類のアセタール樹脂を、平均重合度約2100、Tg約110℃のアセタール樹脂の4.0重量部と、平均重合度約約600、Tg約75℃のアセタール樹脂の1.0重量部に代えて感熱昇華転写層形成用塗布液−2を調製した以外は実施例1と同様にして、実施例2の感熱転写記録媒体を得た。
<実施例3>
前記感熱昇華転写層形成用塗布液−2中のリン酸エステル系界面活性剤をシリコーンオイルに代えて感熱昇華転写層形成用塗布液−3を調製した以外は実施例2と同様にして、実施例3の感熱転写記録媒体を得た。
<実施例4>
前記耐熱滑性層形成用塗布液−1中のポリエステル樹脂に代えてTg=72℃のアクリルポリオール樹脂を使用して耐熱滑性層形成用塗布液−2を調製した以外は実施例3と同様にして、実施例4の感熱転写記録媒体を得た。
<実施例5>
前記耐熱滑性層形成用塗布液−2中のリン酸エステル系界面活性剤3.0重量部に代え、リン酸エステル系界面活性剤2.5重量部と、ステアリン酸塩0.5重量部とを添加して耐熱滑性層形成用塗布液−3を調製した以外は実施例4と同様にして、実施例5の感熱転写記録媒体を得た。
<比較例1>
前記感熱昇華転写層形成用塗布液−1中の2種のアセタール樹脂を、平均重合度約2100、Tg約110℃のアセタール樹脂のみとし、その含有割合を5.0重量部として感熱昇華転写層形成用塗布液を調製した以外は実施例5と同様にして、比較例1の感熱転写記録媒体を得た。
<比較例2>
前記感熱昇華転写層形成用塗布液−1中の2種のアセタール樹脂を、平均重合度600、Tg約75℃のアセタール樹脂のみとし、その含有割合を5.0重量部として感熱昇華転写層形成用塗布液を調製した以外は実施例5と同様にして、比較例2の感熱転写記録媒体を得た。
<比較例3>
シリコーンオイルを添加しなかったこと以外は実施例5と同様にして、比較例3の感熱転写記録媒体を得た。
<比較例4>
前記耐熱滑性層形成用塗布液−3中のTg=72℃のアクリルポリオール樹脂の代わりに、Tg=69℃のアクリルポリオール樹脂を使用して耐熱滑性層形成用塗布液を調製した以外は実施例5と同様にして、比較例4の感熱転写記録媒体を得た。
<比較例5>
リン酸エステル系界面活性剤とステアリン酸塩を添加しないで耐熱滑性層形成用塗布液を調製した以外は実施例5と同様にして、比較例5の感熱転写記録媒体を得た。
得られた熱転写記録媒体の熱転写層面と前記した被熱転写体の受容層面とを重ね、サーマルヘッドを用いて染料を転写させ、感熱転写記録を行った。
得られた感熱転写画像に対して以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(評価基準)
[基材フィルムの状態]
◎:ちぎれ、裂けなし
○:ちぎれ、裂けが2%未満(以後の印画に影響なし)
×:ちぎれ、裂けが2%以上(以後の印画に影響あり)
[感熱転写層と被転写体の融着]
◎:融着なし(印画時の剥離音なし)
○:融着なし(印画時の剥離音あり)
×:融着がひどく、印画停止(以後の印画に影響あり)
[印画物の状態]
◎:欠陥なく、良好
×:ムラ、スジ抜けあり
Figure 2010201688
以上の結果の通り、本発明の感熱転写記録媒体は、感熱転写層及び耐熱滑性層中のバインダー樹脂が前記したようなものであるので、感熱転写層と被熱転写体の融着が防止できると共に、感熱転写記録時におけるリボン強度が強いために、ムラやスジ抜けのない良好な感熱転写記録を行うことができる。
これに対して、比較例1の感熱転写記録媒体は平均重合度の大きい樹脂のみを使用しているので、印画物に地汚れが発生した。また、比較例2の感熱転写記録媒体は、平均重合度の低い樹脂のみを使用しているので、感熱転写層と被熱転写体との間で融着が起こった。さらにまた、比較例3の感熱転写記録媒体は、シリコーンオイルを添加していないので、印画物に抜け等の外観不良が発生した。さらにまた、比較例4の感熱転写記録媒体は、Tgの低い熱可塑性樹脂を使用しているために基材フィルムのちぎれや裂けが発生し、それに伴い印画物にムラやスジ抜けが確認された。そして、比較例5の感熱転写記録媒体は、リン酸エステル系界面活性剤とステアリン酸塩を添加していないので、基材フィルムのちぎれや裂けが発生し、それに伴い印画物にムラやスジ抜けが確認された。
1・・・感熱転写記録媒体
2・・・基材フィルム
3・・・感熱転写層
4・・・耐熱滑性層

Claims (5)

  1. 基材フィルムの一方の面には、少なくともバインダー樹脂と滑剤を有する感熱転写層が、もう一方の面には、少なくともバインダー樹脂と滑剤を有する耐熱滑性層が少なくとも積層されてなる感熱転写記録媒体において、感熱転写層を構成するバインダー樹脂が、重合度1100以上且つガラス転移温度100℃以上のポリビニルアセタール樹脂と、重合度1100未満且つガラス転移温度100℃未満のポリビニルアセタール樹脂の混合物からなると共に、耐熱滑性層を構成するバインダー樹脂がガラス転移温度70℃以上の熱可塑性樹脂と多価イソシアネートとの反応物からなることを特徴とする感熱転写記録媒体。
  2. 前記感熱転写層には、重合度1100以上且つガラス転移温度100℃以上のポリビニルアセタール樹脂が60重量%以上90重量%以下、重合度1100未満且つガラス転移温度100℃未満のポリビニルアセタール樹脂が10重量%以上40重量%以下の割合でそれぞれ含まれていることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写記録媒体。
  3. 前記感熱転写層中の滑剤が、シリコーン系の滑剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の感熱転写記録媒体。
  4. 前記耐熱滑性層中の熱可塑性樹脂が、反応性のポリオール基を有していることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写記録媒体。
  5. 前記耐熱滑性層中の滑剤が、リン酸エステル系界面活性剤とステアリン酸塩を含有していることを特徴とする請求項1または4に記載の感熱転写記録媒体。
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