JP2010196614A - 油圧モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダブロックに配置されるピストンの摺動部の潤滑性を向上させて焼き付きを防止しモータ効率の低下を抑制できる油圧モータを提供すること。
【解決手段】油が充填されたケース2と、ケース2内に収納された出力軸3と、出力軸3に取り付けられるとともにケース2内に収納されたシリンダブロック4と、シリンダブロック4の軸心まわりに当該シリンダブロック4の軸方向Yに穿設された複数のシリンダ穴4aと、シリンダ穴4aの内壁面に対して摺動自在に配置されたピストン5と、を備える油圧モータ1である。油圧モータ1のピストン5の外周面であってシリンダ穴4aから突出しかつシリンダ穴4aの内壁面と摺動する部分(X)、およびピストン5がシリンダ穴4aから最も突出したときにシリンダ穴4aの開口付近の内壁面と対向するピストン5の外周面(α)に油溜り部6を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のピストンを油圧により往復運動させて出力軸を回転させる形式の油圧モータに関する。
この分野の技術としては、例えば特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1に記載された斜板式ピストンポンプでは、斜板の傾き制御用に外周面に螺旋状の溝が形成されたピストン(制御シリンダガイド11)を用いている。この螺旋状の溝にシリンダ(制御シリンダ10)内の圧油を導入することで、シリンダとピストンとの間の潤滑性を改善している。また、螺旋状の溝端(他端16b、特許文献1の図1参照)は、シリンダ穴の開口端部から露出しないように形成されている。これにより、シリンダとピストンとの摺動間隙に積極的に圧油を導くことができ摺動抵抗を軽減させることが可能になる、と称されている。
特開平7−217531号公報
しかしながら、螺旋状の溝端をシリンダ穴の開口端部から露出させない場合、その先のピストン外周面には油が供給されていないので、この部分がシリンダ穴と接触するときに油膜が形成できずに焼き付き現象を招く恐れがある(例えば、特許文献1の図1の状態から制御シリンダ10が後退するとき、またはその逆のとき)。また、特許文献1の図2に示されているように、制御シリンダ10の開口端において油の圧力分布が急激に下がっている。これは、制御シリンダ10の開口端から圧油が漏れているからであり、この漏れはポンプ効率(油圧モータにおいてはモータ効率)の低下につながる。
一方、特許文献1のシリンダブロック2に配置され回転伝達軸3により駆動される複数のピストン4の動きは、制御シリンダ10の動きよりも早く、かつその往復運動の回数も圧倒的に多い。すなわち、ピストン4のほうが過酷な使用環境下にある(焼き付きが生じやすい)。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、シリンダブロックに配置されるピストンの摺動部の潤滑性を向上させて焼き付きを防止しモータ効率の低下を抑制できる油圧モータを提供することである。
上記目的を達成するために本発明は、油が充填されたケースと、前記ケース内に収納された出力軸と、前記出力軸に取り付けられるとともに前記ケース内に収納されたシリンダブロックと、前記シリンダブロックの軸心まわりに当該シリンダブロックの軸方向に穿設された複数のシリンダ穴と、前記シリンダ穴の内壁面に対して摺動自在に配置されたピストンと、前記ピストンの外周面であって前記シリンダ穴から突出しかつ前記内壁面と摺動する部分に形成された油溜り部と、を備える油圧モータを提供する。
この構成によると、ピストンがシリンダ穴から突出したときに、ピストン外周面に形成された油溜り部にケース内に充填された油が蓄積される。その後、ピストンがシリンダ穴に引き込まれたときに、油溜り部の油によりピストンとシリンダ穴との間に油膜が形成される。これにより、ピストン摺動部の潤滑性が向上し、焼き付きを防止できるとともにモータ効率の低下を抑制できる。また、ケース内の油をピストンの潤滑用として用いるため、この観点からも、モータ効率の低下を抑制できている。
また本発明において、前記油溜り部は、前記ピストンが前記シリンダ穴から最も突出したときに、当該シリンダ穴の開口付近の内壁面と対向する当該ピストンの外周面にも形成されていることが好ましい。
この構成によると、ピストンがシリンダ穴から最も突出したときに、ピストンとシリンダ穴とが強く接する位置にも油溜り部を形成したことから、この位置での潤滑性を強化でき、焼き付きを防止できる。
さらに本発明において、前記油溜り部は、前記ピストンの外周面であって前記シリンダ穴の内壁面と摺動する部分全域に形成されていることが好ましい。
この構成によると、ピストンの往復運動に供されるシリンダ穴の圧油を油溜り部に導入しやすくなり、油膜切れの恐れをより低減できる。
さらに本発明において、前記油溜り部は、相互に独立した複数の凹部であり、当該凹部は、直径が2μm以上1mm以下の半球状に形成されていることが好ましい。
この構成によると、凹部が相互に独立しているため、シリンダ穴内部とシリンダ穴外部との連通を防止でき、ピストンの往復運動に供されるシリンダ穴の圧油の漏れを低減できる。また、半球状とすることで凹部を比較的大きく形成でき、油を多く溜めることが可能となるので油膜切れの恐れを低減できる。
さらに本発明において、前記油溜り部は、アヤメ状に形成された溝であり、当該溝の深さが1μm以上3μm以下であって、かつ当該溝の間隔が3μm以上0.1mm以下であることが好ましい。
この構成によると、アヤメ状に形成して溝の間隔を狭めることで油を多く溜めることができ油膜切れの恐れを低減できる。また、溝の深さを1μm以上3μm以下、かつ溝の間隔を3μm以上0.1mm以下とすることでピストンの往復運動に供されるシリンダ穴の圧油の漏れを低減できる。
本発明によれば、本発明の構成要件、特に、ピストンの外周面であってシリンダ穴から突出しかつシリンダ穴の内壁面と摺動する部分に形成された油溜り部により、ピストンとシリンダ穴との間に油膜が形成され、その結果、ピストン摺動部の潤滑性が向上し焼き付きを防止できるとともにモータ効率の低下を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る油圧モータのシリンダブロックまわりの断面図、およびピストンの拡大図である。 油溜り部の一部詳細図である。 ピストンの動きを説明するための図である。 ピストンの他の実施形態を示す図である。 ピストンの他の実施形態を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。本発明に係る油圧モータは、例えば油圧ショベルなどの建設車両における走行装置などの駆動源として用いられる油圧モータである。なお、建設車両用の用途に限定されるものではない。
(油圧モータの構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る油圧モータ1のシリンダブロック4まわりの断面図、およびピストン5の拡大図である。図1(a)に示すように、油圧モータ1は、ケース2、出力軸3、シリンダブロック4、ピストン5、斜板8、傾転シリンダ7などを備えている。
(ケース)
ケース2は、出力軸3、シリンダブロック4、およびピストン5などを収納するためのものである。図1(a)中に油面レベルを示したように、ケース2内には、シリンダブロック4の7割程度が浸かるように油が充填されている。
(出力軸およびシリンダブロック)
出力軸3は、油圧ポンプ(不図示)から供給される圧油により回転させられるものであり、ケース2に対して回転自在に保持されている。
シリンダブロック4は、出力軸3に対して例えばスプライン結合され、出力軸3の軸方向Yには移動可能に、出力軸3の回転方向には出力軸3とともに回転するように出力軸3に取り付けられている。なお、出力軸3およびシリンダブロック4の軸方向は同一であり、その軸方向を軸方向Yとしている。シリンダブロック4には、その軸心まわりであってシリンダブロック4の軸方向Yに複数のシリンダ穴4aが穿設されている。これらのシリンダ穴4aは、同一円周上に等間隔で配置されている。シリンダ穴4aは、その長手方向が軸方向Yと平行になるようにシリンダブロック4に形成されている。
(ピストン)
ピストン5は、複数備えられており、シリンダ穴4aの各々にシリンダ穴4aの内壁面に対して摺動自在に挿入されている。油圧ポンプ(不図示)からの圧油が各シリンダ穴4aに供給されて排出されることで、各シリンダ穴4aに挿入されている各ピストン5が往復動するようになっている。
(斜板)
斜板8は、斜面8aを有し、この斜面8aに複数のピストン5の先端(頭部)が当接するようになっている。なお、ピストン5の先端側における斜板8への当接箇所には、ピストン5に対して揺動可能に取り付けられて斜面8aに摺接する摺動部材10が取り付けられている。シリンダブロック4の各シリンダ穴4aに圧油が給排されることで、ピストン5がその摺動部材10で斜面8aに摺接しながらシリンダ穴4aに対して往復運動し、これにともない、複数のピストン5とともにシリンダブロック4が回転し、シリンダブロック4とともに出力軸3が回転するようになっている。
(傾転シリンダ)
傾転シリンダ7は、斜板8の傾きを制御するためのものである。ここで、前記の斜板8は、傾転シリンダ7が作動することにより、低速姿勢と高速姿勢との間で姿勢の切換が行われる。図1(a)に示したように斜板8が低速姿勢の状態であるときは、シリンダブロック4のシリンダ穴4aからピストン5が最も突出した位置(突出量はX)においてシリンダ穴4a内に導入される圧油の油量が高速姿勢の場合よりも多いため(ピストン5の移動距離が高速姿勢の場合よりも大きい)、油圧ポンプ(不図示)から供給される所定流量の圧油により出力軸3は低速・高トルク(低速モード)で回転することになる。一方、図1(a)に示した状態から斜板8の傾きが傾転シリンダ7により切り換えられて出力軸3に対して少し直角に近づく方向に向かって変化すると、斜板8の姿勢は高速姿勢に切り換えられることになる。この高速姿勢の状態では、シリンダブロック4のシリンダ穴4aからピストン5が最も突出した位置においてシリンダ穴4a内に導入される圧油の油量は低速姿勢の場合よりも少ないため(ピストン5の移動距離が高速姿勢の場合よりも小さい)、油圧ポンプ(不図示)から供給される所定流量の圧油により出力軸3は高速・低トルク(高速モード)で回転することになる。ピストン5の往復運動は、斜板8が低速姿勢にあるとき、高速姿勢にあるときよりも遅く、斜板8が高速姿勢にあるときは、低速姿勢にあるときよりも速い。このように、油圧モータ1は可変容量形の2速油圧モータである。
(ピストン外周面の詳細)
図1(b)は、図1(a)に示すピストン5の拡大図である。図1(a)および図1(b)に示したように、ピストン5の外周面であってシリンダ穴4aから突出しかつシリンダ穴4aの内壁面と摺動する部分X(ピストン5の外周面X)、およびピストン5がシリンダ穴4aから最も突出したときにシリンダ穴4aの開口付近の内壁面と対向する部分α(ピストン5の外周面α)には、ピストン5の全周にわたって油溜り部6が形成されている。すなわち、ピストン5の外周面X+αの範囲に全周にわたって油溜り部6が形成されている。
ここで、ピストン5の外周面Xは、斜板8が低速姿勢にあるときに、ピストン5がシリンダ穴4aから最も突出したときの突出部(シリンダ穴4aの内壁面と摺動しない先端(頭部)は含まれない)である。同様に、ピストン5の外周面αは、斜板8が低速姿勢にあるときに、ピストン5がシリンダ穴4aから最も突出したときにシリンダ穴4aの開口付近の内壁面と対向する部分である。なお、Xの範囲とαの範囲とは接する(Xの範囲とαの範囲とは隙間なく連続する)。
また、ピストン5の外周面X+αに対して、ピストン5の先端(頭部)とは反対側のピストン5の後端側には、当該ピストン5の外周面に溝9が形成されている。溝9は、軸方向Yに対して直交する方向に連続して形成された環状の溝である。この潤滑用の溝9も油溜り部の一部をなすものである。なお、溝9は必ずしも必要なものではなく、なくてもよい。
図2(a)は、ピストン5の外周面X+αの範囲に形成された油溜り部6の一部詳細図である。図2(a)に示したように、この油溜り部6は、相互に独立した複数の凹部6aを有する。複数の凹部6aは、軸方向Yおよびその直交する方向に、すなわち格子状に、等しい間隔L(ピッチP)で配置され、かつ、これらの格子状に配置された各々4つの凹部6a同士の中心にも配置されている。換言すれば、複数の凹部6aは、軸方向Yに向かって等しい間隔L(ピッチP)で配置されたn列目の凹部6a、n列目の各凹部6aに対して軸方向Yおよびその直交する方向に向かって1/2ピッチ(1/2P)ずらして配置されたn+1列目の凹部6a、n+1列目の各凹部6aに対して軸方向Yおよびその直交する方向に向かって1/2ピッチ(1/2P)ずらして配置されたn+2列目の凹部6a、・・・(n+3列目以降も同様)というようにピストン5の全周にわたって配置されている。なお、各々の凹部6aは、その直径Dが2μm以上1mm以下の半球状に形成されている。
複数の凹部6aを相互に独立して形成する(配置する)ことにより、シリンダ穴4a内部とシリンダ穴4a外部との連通を防止でき、ピストン5の往復運動に供されるシリンダ穴4aの圧油の漏れを低減することができる。また、各々の凹部6aを半球状とすることで凹部6aを比較的大きく形成することができ、油を多く溜めることができる。また、隣り合う列の各凹部6aの配置を、上記しように、軸方向Yおよびその直交する方向に相互に1/2ピッチずらして配置することで、独立した複数の凹部6aの密度を高めることができ、すなわち、油を多く溜めることができる。さらに、凹部6aの直径Dを2μm以上1mm以下とすることで、シリンダ穴4a内の圧油による漏れ低減と、油溜り部6の油の蓄積によるピストン5の摺動による焼付き防止を両立させることができる。なお、凹部6aの直径Dを2μm以上0.1mm以下とすることがより好ましい。シリンダ穴4a内の圧油の漏れ低減効果と、油溜り部6の油の蓄積によるピストン5の摺動による焼付き防止効果とをより高めることができる。
なお、凹部6aの配置としては、その軸方向Yの間隔Lを、軸方向Yに直交する方向の間隔Lよりも大きくすることが好ましい。ピストン5は軸方向Yに往復運動するので、油の漏れは、軸方向Yに直交する方向の間隔Lよりも軸方向Yの間隔Lのほうにより影響を受ける。したがって、軸方向Yの間隔Lを、その直交する方向の間隔Lよりも大きくすることで、シリンダ穴4aの圧油の漏れをより低減することができる。一方、軸方向Yに直交する方向の間隔Lは、軸方向Yの間隔Lよりも小さいので、複数の凹部6aの密度を高めることができ、油溜り部6に油を多く溜めることができることになる。
図2(b)は、他の実施形態に係る油溜り部26の一部詳細図である。図2(b)に示したように、複数の凹部6aを、軸方向Yおよびその直交する方向に、すなわち格子状に、間隔L1(ピッチP1)で配置するだけでもよい。図2(a)に示した油溜り部6と同様に、複数の凹部6aを相互に独立して形成する(配置する)ことにより、シリンダ穴4a内部とシリンダ穴4a外部との連通を防止でき、ピストン5の往復運動に供されるシリンダ穴4aの圧油の漏れを低減することができる。
さらには、凹部6aの配置は格子状に限られることはなく、凹部6aはランダムに配置されてもよい。なお、隣り合う凹部6a同士の連結は可能な限り避けることが好ましい。
(ピストンの動き)
図3は、ピストン5の動きを説明するための図である。前記したように、ピストン5は、シリンダブロック4の各シリンダ穴4aに圧油が給排されることで、摺動部材10で斜板8の斜面8aに摺接しながらシリンダ穴4aに対して往復運動する。ここで、ピストン5の往復運動の際、図3に示したように、ピストン5は少し傾いた状態となる。このため、ピストン5は、シリンダ穴4aの開口付近Zでシリンダ穴4aと強く接触しようとする。
しかしながら、本実施形態のピストン5によると、ピストン5がシリンダ穴4aから突出したときに、ピストン外周面に形成された油溜り部6にケース2内に充填された油が蓄積される。その後、ピストン5がシリンダ穴4aに引き込まれたときに、油溜り部6の油によりピストン5とシリンダ穴4aとの間に油膜が形成される。これにより、ピストン摺動部の潤滑性が向上し、焼き付きを防止できるとともにモータ効率の低下を抑制できる。また、ケース2内の油をピストン5の潤滑用として用いるため、ピストン5の往復運動に供されるシリンダ穴4aの圧油の漏れ(ケース2内への漏れ)を抑制でき、この観点からも、モータ効率の低下を抑えることができている。また、シリンダ穴4a内に圧力が発生していないとき、すなわち、ピストン5がシリンダ穴4aから突出した位置から挿入されるときにもケース2内に充填された油で油膜が形成され、ピストン5の焼き付きを防止できる。
なお、上記効果は、ピストンの外周面Xに形成された複数の凹部6aにより十分得られるものである。本実施形態では、さらに、ピストンの外周面αにも、すなわちピストンの外周面X+αの範囲に複数の凹部6aを形成しているので、ピストン5とシリンダ穴4aとが強く接する位置(開口付近Z)での潤滑性を強化できている。さらには、ピストン5の外周面に形成された溝9により、ピストン5の往復運動に供されるシリンダ穴4aの圧油が導入されやすくなり、ピストン摺動部の潤滑性がより向上する。
なお、ピストン5の外周面Xは、斜板8が低速姿勢の状態にあるときの、シリンダ穴4aから最も突出しかつシリンダ穴4aの内壁面と摺動する部分Xである。すなわち、ピストン5の外周面Xは、斜板8が高速姿勢の状態にあるときの、シリンダ穴4aから突出し(最も突出し)かつシリンダ穴4aの内壁面と摺動する部分よりも広い範囲となっている。このため、本実施形態のピストン5の外周面Xは、斜板8が高速姿勢の状態にあるときの、ピストン5がシリンダ穴4aから最も突出したときに、当該シリンダ穴4aの開口付近の内壁面と対向するピストン5の外周面をも含んでいることになる。したがって、斜板8が高速姿勢の状態にあるときには、ピストン5の外周面Xに形成された油溜り部6により、ピストン5とシリンダ穴4aとが強く接する位置(開口付近Z)での潤滑性をも強化できている。
(油溜り部の形成範囲)
図4は、ピストンの他の実施形態を示す図である。まず、図4(a)に示すように、外周面Xの範囲にのみ油溜り部6を形成したピストン25としてもよい。なお、Xの範囲は、ピストンがシリンダ穴4aから突出しかつシリンダ穴4aの内壁面と摺動する部分であればよく、斜板8が低速姿勢の状態にあるときのものでも、斜板8が高速姿勢の状態にあるときのものでもよい。なぜなら、ピストン25がシリンダ穴4aから突出したときに、ケース2内に充填された油が油溜り部6に蓄積され、その後、ピストン25がシリンダ穴4aに引き込まれることで、油溜り部6の油によりピストン25とシリンダ穴4aとの間に油膜が形成されるからである。なお、前記したαの範囲も同様に、斜板8が高速姿勢の状態にあるときのピストンの突出量(突出範囲)を基準に決めてもよい。
次に、図4(b)に示すように、油溜り部6は、ピストン35の外周面であってシリンダ穴4aの内壁面と摺動する部分全域に形成されていてもよい。これにより、ピストン35の往復運動に供されるシリンダ穴4aの圧油を当該油溜り部6に導入しやすくなり、油膜切れの恐れをより低減することができる。
(油溜り部の他の形態)
図5は、ピストンの他の実施形態を示す図である。図5(a)はピストン45の全体図であり、図5(b)は、油溜り部36の拡大断面図である。
図5に示したように、アヤメ状の複数の溝36aをローレット加工や砥石による研磨加工などによりピストン45の外周面に形成して油溜り部36としてもよい。油溜り部36の形成範囲は、本実施形態のように、ピストン45の外周面であってシリンダ穴4aの内壁面と摺動する部分全域でもよいし、前記したようにピストンの外周面Xや外周面X+α(図1(b)・図4(a)を参照)など、ピストン45の外周面の一部であってもよい。油溜り部36をアヤメ状に形成して溝36aの間隔を狭めることで油を多く溜めることができ油膜切れの恐れを低減できる。また、溝の深さを1μm以上3μm以下、かつ溝の間隔を3μm以上0.1mm以下とすることでピストンの往復運動に供されるシリンダ穴の圧油の漏れを低減できる。
ここで、溝36aの深さHは1μm以上3μm以下であって、かつ溝36aの間隔Wは3μm以上0.1mm以下であることが好ましい。このような寸法の溝36aとすることでピストン45の往復運動に供されるシリンダ穴4aの圧油の漏れを低減できるとともに、油膜形成のための油を油溜り部36に十分に蓄積させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
1:油圧モータ
2:ケース
3:出力軸
4:シリンダブロック
4a:シリンダ穴
5:ピストン
6:油溜め部

Claims (5)

  1. 油が充填されたケースと、
    前記ケース内に収納された出力軸と、
    前記出力軸に取り付けられるとともに前記ケース内に収納されたシリンダブロックと、
    前記シリンダブロックの軸心まわりに当該シリンダブロックの軸方向に穿設された複数のシリンダ穴と、
    前記シリンダ穴の内壁面に対して摺動自在に配置されたピストンと、
    前記ピストンの外周面であって前記シリンダ穴から突出しかつ前記内壁面と摺動する部分に形成された油溜り部と、
    を備える油圧モータ。
  2. 請求項1に記載の油圧モータにおいて、
    前記油溜り部は、前記ピストンが前記シリンダ穴から最も突出したときに、当該シリンダ穴の開口付近の内壁面と対向する当該ピストンの外周面にも形成されていることを特徴とする、油圧モータ。
  3. 請求項2に記載の油圧モータにおいて、
    前記油溜り部は、前記ピストンの外周面であって前記シリンダ穴の内壁面と摺動する部分全域に形成されていることを特徴とする、油圧モータ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の油圧モータにおいて、
    前記油溜り部は、相互に独立した複数の凹部であり、当該凹部は、直径が2μm以上1mm以下の半球状に形成されていることを特徴とする、油圧モータ。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の油圧モータにおいて、
    前記油溜り部は、アヤメ状に形成された溝であり、当該溝の深さが1μm以上3μm以下であって、かつ当該溝の間隔が3μm以上0.1mm以下であることを特徴とする、油圧モータ。
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