JP2013029072A - 斜板式ピストンポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】
ピストンシューと斜板との摺動部における潤滑能力不足を防止して、斜板式ピストンポンプの信頼性を向上させる。
【解決手段】
斜板式ピストンポンプ50は、回転軸5と、この回転軸に対して傾斜して配置された斜板2と、回転軸に取り付けられ複数のシリンダ9が形成されたシリンダブロックと7、シリンダに移動可能に挿入されるピストン10と、ピストンに摺接し記斜板との間で潤滑部を形成するシュー12とを備えている。そしてこれら部品は、密閉型のケーシング1に収容されている。ケーシングの内周面と斜板の内周面と回転軸の外周面の少なくともいずれかに作動油を潤滑部に移送する流れ案内手段20が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は斜板式ピストンポンプに係り、特に作業機械等に用いて好適な斜板式ピストンポンプに関する。
従来の斜板式機械の例が、特許文献1ないし3に記載されている。特許文献1には、斜板式圧縮機において、安価で安全に斜板を冷却するために、斜板に冷媒と冷媒を含んだオイルを流入口から流入させ、流出口から流出させて冷却する斜板冷却用孔を設けるとともに、斜板冷却用孔の少なくとも一部を、摺動軌跡厚さ方向に投影した範囲内に設けることが記載されている。
特許文献2には、電動機一体型油圧モータで、小型・軽量とするために、斜板式油圧モータと電動機とを同一のケーシング内に設け、このケーシング内に油を充填し、斜板式油圧モータの駆動軸をケーシングの前後端部まで連続して、ケーシング内の前後端部で支持し、この駆動軸に、斜板式油圧モータと電動機の回転子とを直列配置し、電動機の固定子をケーシングの内側に固定することが開示されている。
さらに特許文献3には、斜板式機械の軸受を冷却するために、回転シャフトの支持軸受がケース内中空部の両端に配置されており、回転シャフト内に軸方向に沿った貫通孔を形成し、その一端側開口を、一方の軸受側となる回転シャフト端部に、他端側開口を他方の軸受の外側における回転シャフト外周面に設けることが開示されている。
さらにまた、特許文献4では、斜板式回転機で軸受を冷却して寿命を延ばすために、回転軸の一端側から軸心部に延びる油通路と、この油通路と交差し回転軸の径方向に延びた油通路とを設けている。回転軸が回転すると、径方向の油通路で負圧を発生して軸心部油通路の開口端に形成される油溜り部から油を吸引し、切換弁板とシリンダブロックとの間から漏れ出た油を軸受側に流動させている。
特開2009−74443号公報 特開2009−209725号公報 特開2010−265813号公報 特開平8−28435号公報
上記従来の斜板式機械においては、主として回転軸を回転支持する軸受における潤滑と冷却に着目して、軸受への十分な潤滑油の供給を図っている。回転式斜板機械は回転機械であるから、回転の支障となる軸受の発熱により寿命が低下することは避けなければならないことはもちろんである。
しかしながら、斜板式機械内部の摺動部は他にもあり、特にピストンシューと斜板間の摺動不良は斜板機械の性能低下を引き起こすので絶対に避けなければならない。そこで、特許文献1では、ピストンシューと斜板との摺動特性の劣化を防止するために、斜板の内部に冷却用孔を設け、摺動特性の向上を図っている。しかしながら、この特許文献1では、円板の外周上の2点間を結ぶ孔を形成する必要があり、複雑な加工になっている。また、確実に潤滑油をこの孔に流通させるためには、孔径を大きくせざるを得ず斜板が大型化するおそれがある。特許文献2ないし4では、確かに軸受部の冷却性能を向上させることは期待できるが、ピストンシューと斜板間の発熱については十分には考慮されていない。
ところで、モータ駆動の斜板式ピストンポンプでは、斜板やピストンをケーシングで密封し、内部に潤滑油を充満させる構造となっているため、ケーシング内部の空間で潤滑油が停滞し部分的な温度上昇が生じる場合がある。この潤滑油の滞留がピストンシューと斜板の近傍で発生すると、潤滑油の温度上昇により潤滑油の粘度が低下し、潤滑油膜を介した斜板のピストンシュー支持能力が低下する。
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、ピストンシューと斜板との摺動部における潤滑能力不足を防止して、斜板式ピストンポンプの信頼性を向上させることにある。本発明の他の目的は、ピストンシューと斜板との摺動部における潤滑油の滞留を防止して、この摺動部における潤滑油の負荷能力の低下を防止することにある。
上記目的を達成するため、本発明の斜板式ピストンポンプは、回転軸と、この回転軸に対して傾斜して配置された斜板と、前記回転軸に取り付けられ複数のシリンダが形成されたシリンダブロックと、前記シリンダに移動可能に挿入されるピストンと、このピストンに摺接し前記斜板との間で潤滑部を形成するシューと、前記回転軸と前記斜板と前記ピストンと前記シューと前記シリンダブロックを収容する密閉型のケーシングとを備えており、ケーシング内部に作動油が供給される。そして、ケーシングの内周面と前記斜板の内周面と前記回転軸の外周面の少なくともいずれかに前記作動油を前記潤滑部に移送する流れ案内手段が設けられていることを特徴とする。
そしてこの特徴において、前記流れ案内手段はらせん状に形成した溝とらせん状に形成した突起と羽根のいずれかであることが望ましく、前記斜板の前記回転軸に対する傾転角を変える可変手段を有するものであってもよい。また、前記らせん状に形成した溝またはらせん状に形成した突起のねじれ方向が、前記回転軸の回転方向が前記シューから前記斜板方向に見て時計回りのときに右ネジであり、反時計回りのときには左ネジとするのがよく、前記斜板の内周側の形状は、この斜板が最大傾いたときに前記回転軸との間に最小隙間が形成される形状であることが望ましい。
本発明によれば、ケーシング内を潤滑油で充満する斜板式ピストンポンプにおいて、ピストンシューと斜板との摺動部にある潤滑油を強制的に排除する流れを形成する手段を回転軸またはケーシング内面、斜板内面に形成したので、ピストンシューと斜板との摺動部における潤滑能力不足を防止し、斜板式ピストンポンプの信頼性が向上する。また、ピストンシューと斜板との摺動部における潤滑油の滞留が防止され、この摺動部における潤滑油の負荷能力の低下を防止できる。
本発明に係る斜板式ピストンポンプの一実施例の縦断面図である。 摺動部の流れを説明するための図である。 斜板式ピストンポンプの内部における潤滑油の流れを説明する図であり、同図(a)は従来の場合であり、同図(b)は本発明の場合である。 本発明に係る流れ案内手段の作用を説明する図である。 本発明に係る斜板式ピストンポンプの他の実施例の縦断面図である。 本発明に係る斜板式ピストンポンプのさらに他の実施例の縦断面図である。 本発明に係る斜板式ピストンポンプのさらに他の実施例の縦断面図である。
以下、本発明に係る斜板式ピストンポンプのいくつかの実施例を、図面を用いて説明する。図1は、斜板式ピストンポンプ50の一実施例の縦断面図である。斜板式ピストンポンプ50では、有底筒状に形成されたケーシング本体1Aと、このケーシング本体1Aと組合されてケーシング1を構成する円板状のリアケーシング1A内に、回転軸5が保持されている。
回転軸5の一端側は、リアケーシング1Bの中央部に形成した窪み内に保持された軸受17で回転可能に保持されている。回転軸5の他端側は、ケーシング本体1Aの中央部に形成された貫通孔に保持された軸受16で保持されている。回転軸5の他端側の先端部は、図示しない電動機等の駆動手段に接続される。
回転軸5の軸方向中間部には、スプライン8が形成されている。そして、このスプライン8に係止するスプラインが内周面に形成されたシリンダブロック7が、回転軸5にスプライン結合で取り付けられている。軸方向に、シリンダブロック7とリアケーシング1B間に弁板3が配置されており、この弁板3はリアケーシング1Bに保持されている。弁板3には、軸対称に一対、円弧形状の吸排ポート4A、4Bが形成されている。弁板3は、さらにシリンダブロック7と対向する面が凸形状の円錐面に形成されており、凹形状の円錐面であるシリンダブロック7の端面との間で摺動面を形成する。リアケーシング1Bには、吸排ポート4A、4Bに連通する流路4C、4Dが形成されている。
シリンダブロック7では、同一円周上の周方向複数個所、通常4〜9個のシリンダ(シリンダボア)9が等間隔に形成されている。このシリンダ9に、ピストン10が軸方向に往復動可能に収容されている。シリンダ9の先端部には、シリンダブロック7が回転したときに弁板3に形成した吸排ポート4A、4Bに連通するシリンダポート9Aが形成されている。ピストン10は円柱状をしており、軸心部には軸方向に延びる孔10Aが形成されている。この孔10Aは、シリンダポート9A側の径が反対側よりも大きい。
ピストン10の反シリンダポート9A側端部は、凹んだ球面になっており、この凹面に先端部が凸球面をしたシュー12が挿嵌されている。シュー12の軸方向中間部はくびれた形状になっており、環状に形成されたリテーナ12に周方向ほぼ等間隔に形成された円形の穴に嵌合している。すなわち、リテーナ12は、複数のシュー12の周方向位置決めに用いられている。シュー12の軸心部には小径の貫通孔が形成されており、ピストン10に形成した孔10Aを経た潤滑油が、このシュー12の孔を流通可能になっている。シュー12の反ピストン側端面は、平面となっており、ケーシング本体1Aに軸受保持部材16Aを介して保持された斜板2に当接している。
斜板2は、シュー12に当接する面が平面であり、その反対面は円板を斜めにそぎ落とした形状になっている。そして、この斜めにそぎ落とした面が軸受保持部材16Aの軸方向端面に当接することで、斜板2のシュー12への当接面を、回転軸に対して傾斜した面に保持している。この斜板2の傾斜面の角度が傾転角θであり、図示を省略した傾転制御ピストンによりその角度を制御される。傾転制御ピストンはケーシング本体1Aに保持され、斜板2がシュー12に当接する面とは反対面側に当接する。斜板2の内周側には、回転軸5が貫通するための孔が形成されている。一方、回転軸5は、この斜板2を貫通する部分に、軸受16側から徐々に縮径する傾斜部を有している。
回転軸5の縮径部からスプライン8が形成される部分までに、本発明の特徴的構成である流れ案内手段20が形成されている。流れ案内手段20は、1条または複数条に形成された螺旋ネジ形状であり、僅かな突起または僅かな溝形状となっている。この流れ案内手段20としての突起または溝の周方向幅は、突起高さまたは溝深さとほぼ同程度である。
このように構成した斜板式ピストンポンプ50では、図示しない駆動機により回転軸5を回転18させると、この回転軸5にスプライン結合されたシリンダブロック7も回転する。シリンダブロック7には、複数のピストン10が摺動可能に挿嵌されており、回転軸5の回転に伴ってその周方向位置を変える。ピストン10が周方向位置を変えると、ピストン12に摺接するシュー12は、背面側に配置されている斜板2の端面に軸方向の移動を規制される。つまり、シュー12は、斜板2の傾斜している面を滑りながら移動する。ここで、シュー12のピストン10との摺接部が球面であるので、この移動の際には、シュー12はピストン10に対しほとんど摩擦を生じることなくその姿勢を変えることができる。
シュー12の背面が斜板2の端面を移動するときは、斜板2の傾きによりシュー12の回転方向への移動量(角度)に応じてシュー12の軸方向位置が変化し、それによりピストン10が軸方向、図1では左右方向に移動する。図1で、ピストン10が左方向に移動すれば、シリンダ9内部の潤滑油を吐き出すことになり、ピストン10が右方向に移動すれば、シリンダ9内部へ潤滑油を吸引することになる。したがって、駆動機が回転軸5を連続的に回転駆動すると、吸排ポート4A、4Bを通して、潤滑油が加圧されて送液される。
次に、本発明の斜板式ピストンポンプ50が備える流れ案内手段20の動作を、図2および図3を用いて説明する。図2は、摺動部位の流れの様子を説明するための図であり、図3は従来の斜板式ピストンポンプと本発明に係る斜板式ピストンポンプ内部の流れの様子を模式的に示した図である。
斜板式ピストンポンプ50では、ケーシング本体1Aとリアケーシングと1Bで構成されるケーシング1の内部には潤滑油が充満されている。そして、軸受16、17の内部や、弁板3とシリンダブロック7の端面間、ピストン9の軸方向端面とシュー2の間、シュー12の背面と斜板12の間等の各摺動面に、ケーシング1内の潤滑油が供給されて低摩擦での運動を実現する。
この様子を、図2(a)に示した平行平板の模擬により説明する。流れ方向の平行平板の長さをL(m)、平行平板の幅をb(m)、平行平板間の距離である潤滑油膜の厚さをh(m)とする。流入する流体Fの圧力がP(Pa)、流量Q(m/s)、粘度μ(Pa・s)のとき、潤滑油の膜厚さhは、流体力学でよく知られているように、
h=(12μLQP/b)
である。つまり、潤滑油の膜厚さは、潤滑油の粘度に一次的に比例し、粘度が低下すると潤滑油膜厚さが減少することが分かる。
ところで上記各摺動部では、摺動抵抗から生じる摩擦熱に起因して、構成材料の温度が上昇する。この熱は摺動部にある潤滑油に伝達されて、潤滑油の温度上昇を結果として引き起こす。潤滑油の温度が上昇すると潤滑油の粘度が低下し、上記結果から知られるように、潤滑油膜厚の減少という事態が生じる。
潤滑部のような狭い隙間における流れは、図2(b)に示すクエット流として近似することができる。クエット流では、静止面と静止面に対向する移動面との間での速度分布が、一次関数的な速度分布となる。そして、この場合に生じる剪断力τは、移動面の移動速度をu(m/s)とすると、
τ=μu/h
である。この式から分かるように、摺動部の隙間が減少すると、摩擦力である剪断力が増加する。これら2つの式を考慮すると、摺動部の温度が増加すればするほど、摺動部における摩擦力が増大し、斜板式ピストンポンプの性能が低下することが分かる。
そこで、摺動部の温度を低下させることが重要な課題になる。この課題を解決するためには、常に摺動部に冷たい潤滑油を供給することが必要となる。従来の斜板式ピストンポンプ50aでは、図3(a)に示すように回転軸5aの回転18に伴い、潤滑油の粘性により回転軸5a近傍の潤滑油が回転軸5aと共回りする。回転軸5aは、軸受16側に円錐上の異径部を有しているので、この異径部で軸受16側の外径側に向かう流れ21bが生じる。一方、シリンダブロック7側では、ピストン10とシュー12の軸方向往復動と斜板2が回転軸5aに対して斜めに存在するので、シリンダブロック7の端面側で外径側に向かう流れ21aが生じる。これら2つの流れ21a、21bは向かい合う方向の流れであるから衝突し、流れのよどみが形成されやすい。
これに対して、本発明に係る斜板式ピストンポンプ50では、図3(b)に示すように、回転軸5の異径部に起因する流れの発生を抑制し、全て斜板に起因する流れの方向21cに一致するように、潤滑油の流れを回転軸5に形成した案内手段20aが案内している。すなわち、案内手段20aの螺旋の向きを、シュー12から斜板2の方向に見たときに、回転軸5が時計回りに回転するときは、右ネジの方向としている。これにより、斜板2からシュー12に向かう流れが形成される。
より具体的に説明すると、回転軸5が回転すると、回転軸5近傍の潤滑油は、回転軸5に形成した流れ案内手段20に沿って斜板2からシュー12の方向に流れる。そして、シュー12およびピストン10、シリンダブロック7の回転に伴い、ケーシング1の内壁面に向かう流れを形成する。ケーシング1の内壁面に到達した潤滑油の流れは、後続の流れにより回転軸5側へ押し出され、再び回転軸5の流れ案内手段20へ流れ込む。以下、この流れ21cを繰り返す。これにより、ケーシング1の内部、特にシュー12の背面と斜板2間の潤滑部近傍に形成されやすかった流れの滞留を解消できる。流れの滞留を防止できるので、シュー12近傍での異常な発熱を防止でき、斜板2が冷却される。なお、回転軸5の回転方向が逆の場合には、案内手段20aの向きは左ネジとする。
図4に、本発明に係る流れ案内手段20、20xによる回転軸5a、5b周りの流れの様子を模式的に示す。図4(a)は、案内手段20の螺旋角β1が小さい場合であり、多条ネジになった場合である。図4(b)は、案内手段20xの螺旋角β2が大きい場合であり、1条ネジの場合である。図4(c)は、図4(a)に示した回転軸5aと案内手段20の組み合わせにおいて、斜板2の傾転角θを図4(a)のθからθに変更した場合である。
図4(a)、(b)では、斜板の傾転角θ1が大きいので、回転軸5a、5bと斜板2の内径部間に形成される隙間δ1は軸方向にほぼ均等であり、かつ小さい。これにより、回転軸5a、5bが回転すると、案内手段20、20x部において、潤滑油がこの案内手段20、20に沿って流れて容積移動する。その結果、流れ21c、21dが回転軸20、20xの近傍で発生する。この流れが、図3(b)に示すように斜板2とシュー12との間の潤滑部に対して、冷却流れとして寄与する。特に図4(a)の場合には、図4(b)の場合に比べて、螺旋角βがβより小さいので、潤滑油の移動量が多い。したがって、より冷却効果が高い。図4(b)の場合には、回転軸回りの潤滑油の流動が少なくなるので、潤滑油の流動抵抗が減少する。それほど冷却を必要としない場合に有効となる。
本発明に係る斜板式ピストンポンプ50は、斜板2の傾転角θが可変となっている。斜板2の傾転角θを変更すると、ピストン10のストロークが変化するので、ポンプの容量が変化する。つまり、本実施例に示した斜板式ピストンポンプ50は、容量可変ポンプとなっている。そのため、斜板2の内径部は、斜板2の傾転角θが変化したときに回転軸5a、5bと干渉しないような形状に孔加工されている。その結果、図4(a)に示した最大傾転角θの場合に、回転軸5aと斜板2の内径部との間の隙間δが最小になる。一方、最小傾転角θとなる図4(c)の場合には、回転軸5aの全周でほぼ均等な隙間δが形成されるが、隙間δそのものはδよりはるかに大きくなる。
斜板式ピストンポンプ50では、上述したように傾転角θが大きいときがピストン10のストロークが大になるときであり、高負荷状態である。図4(a)の状態は高負荷状態であり、回転軸5aと斜板2の隙間δが最小となる部分が形成されるので、流れの案内手段20により移送される潤滑油の量が多くなる。これに対して図4(c)の場合には低負荷状態であり、回転軸5aと斜板2間に形成される隙間δは全周にわたって広いので、流れの案内手段20により移送される潤滑油の量は少ない。したがって、冷却効果も図4(a)の場合に比べて小さい。潤滑油の移送量が少ないので、流体摩擦損失が減少し、機械的効率の低下を防止できる効果がある。このように、本実施例に示す流れの案内手段を回転軸に設けると、容量可変形のポンプでは特に各容量に応じた潤滑油量が移送されるので、冷却効果が増大するとともに、機械損失による効率低減を抑制できる。
本発明に係る斜板式ピストンポンプの他の実施例を、図5を用いて説明する。図5は、斜板式ピストンポンプ50bの縦断面図である。本斜板式ピストンポンプ50bが、上記実施例のポンプと異なるのは、流れ案内手段20cを回転軸5ではなく、斜板2aの内周面に形成したことにある。回転軸5cには、従来用いられている回転軸と同様のものを用いている。本実施例によっても、流れ案内手段20cにより潤滑油が一方向に導かれるので、シュー12と斜板2との潤滑部へ効果的に新鮮な潤滑油を供給でき、潤滑油の滞留を防止できる。本実施例の場合は斜板の内周部の加工であるので、回転軸の加工に比べて加工が容易になる。
本発明に係る斜板式ピストンポンプの他の実施例を、図6を用いて説明する。図6は、斜板式ピストンポンプ50bの縦断面図である。本斜板式ピストンポンプ50cが上記各実施例に示したポンプと異なるのは、回転軸5や斜板2aの内周部ではなく、ケーシング本体1Aの内周面に流れ案内手段20dを設けたことにある。ケーシング本体1Aに形成する流れ案内手段20dは、回転軸5cの回転方向がリアケーシング1Bからケーシング本体1Aの方向に見て時計回りであれば左ネジとし、回転軸5cの回転方向が同方向から見て反時計回りであれば右ネジとする。これにより、回転軸5cを回転させたときに、リアケーシング1Bからケーシング本体1A方向への潤滑油の流れを形成することができ、シュー12と斜板2間の潤滑部へ新鮮な潤滑油を供給することが可能となり、潤滑油の滞留を防止できる。
本発明に係る斜板式ピストンポンプのさらに他の実施例を、図7に示す。図7は斜板式ピストンポンプ50dの縦断面図である。本斜板式ピストンポンプ50cが上記各実施例に示したポンプと異なるのは、回転軸5および斜板2aの内周部、ケーシング本体1Aの内周面のすべてに流れ案内手段20、20c、20dを設けたことにある。本実施例によれば、回転軸5の近傍では軸方向に軸受16側からシリンダブロック7へ向かう流れが流れ案内手段20、20cにより形成されるとともに、ケーシング本体1Aの内周側ではリアケーシング1Bから軸受16側へ向かう流れが流れ案内手段20dにより形成されるので、ケーシング1内で確実に循環流を形成でき、潤滑油の滞留を防止できる。
以上、本発明の各実施例によれば、斜板式ピストンポンプのケーシング内部に潤滑油の循環流路を形成できるので、潤滑油の滞留を防止でき、潤滑部位の異常な温度上昇による潤滑性能の低下を防止できる。特に、シューと斜板間に形成される潤滑部位付近での潤滑油の滞留を防止でき、潤滑不良等の発生を防止できる。
上記各実施例の図面では、流れ案内手段を螺旋状の突起としているが、流れ案内手段はらせん状の突起に限るものではなく、螺旋状の溝や羽根形状であってもよく、軸方向に整然と潤滑油を移送できる手段であればよい。また、上記実施例では容量可変形のポンプを例として取り上げているが、必ずしも容量可変形のポンプである必要は無く、定容量型でも本発明の効果は得られる。
1 ケーシング
1A、1C ケーシング本体
1B リアケーシング
2、2a 斜板
3 弁板
4A、4B 吸排ポート
4C、4D 流路
5 回転軸
5A 回転軸の一端
6 シール手段
7 シリンダブロック
8 スプライン
9 シリンダ
9A シリンダポート
10 ピストン
12 シュー
15 リテーナ
16、17 軸受
16A 軸受保持手段
18 回転方向
20〜20d、20x 流れ案内手段
21〜21d 流れ
50〜50d 斜板式ピストンポンプ

Claims (5)

  1. 回転軸と、この回転軸に対して傾斜して配置された斜板と、前記回転軸に取り付けられ複数のシリンダが形成されたシリンダブロックと、前記シリンダに移動可能に挿入されるピストンと、このピストンに摺接し前記斜板との間で潤滑部を形成するシューと、前記回転軸と前記斜板と前記ピストンと前記シューと前記シリンダブロックを収容する密閉型のケーシングとを備え、このケーシング内部に作動油が供給される斜板式ピストンポンプにおいて、
    前記ケーシングの内周面と前記斜板の内周面と前記回転軸の外周面の少なくともいずれかに前記作動油を前記潤滑部に移送する流れ案内手段を設けたことを特徴とする斜板式ピストンポンプ。
  2. 前記流れ案内手段はらせん状に形成した溝とらせん状に形成した突起と羽根のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の斜板式ピストンポンプ。
  3. 前記斜板の前記回転軸に対する傾転角を変える可変手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の斜板式ピストンポンプ。
  4. 前記らせん状に形成した溝またはらせん状に形成した突起のねじれ方向が、前記回転軸の回転方向が前記シューから前記斜板方向に見て時計回りのときに右ネジであり、反時計回りのときには左ネジとしたことを特徴とする請求項2に記載の斜板式ピストンポンプ。
  5. 前記斜板の内周側の形状は、この斜板が最大傾いたときに前記回転軸との間に最小隙間が形成される形状であることを特徴とする請求項3に記載の斜板式ピストンポンプ。
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