JP2010196182A - 部分ベース上乗せかつら - Google Patents

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Abstract

【課題】本体ベース1に上乗せした部分ベース2の浮き上がりや本体ベース1にシワなどの歪みを発生させることなく本体ベース1と部分ベース2との境界が自然な外観を呈する部分ベース上乗せかつらを提供する。
【解決手段】 ネット部材によって形成された本体ベース1上の所定箇所に、本体ベース1のネット部材の網目よりも小さな網目を有する他のネット部材によって形成された部分ベース2を交換可能に上乗せしてなる部分ベース上乗せかつらにおいて、部分ベース2は、部分ベース2の全周縁部のうちの一部を除いた周縁部に沿って本体ベース1上に縫着すると共に、部分ベース2を縫着した縫着部分よりも外側で、且つ、部分ベース2の側端部よりも内側の部分を毛髪20によって全周にわたって本体ベース1に綴じ植えしたことを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、部分ベース上乗せかつらに関し、さらに詳しくは、本体ベース上の所定箇所に部分ベースを交換可能に上乗せしてなる部分ベース上乗せかつらに関する。
一般に、かつらは、装着者の頭部の形状に即して成形されたかつらベースと、このかつらベースに植設される天然毛髪又は人工毛髪によって構成されている。かつらベースとしては、古くから所謂人工皮膚と言われるポリウレタンやシリコーンなどの合成樹脂製のシート状の物が使用されている。そのようなかつらベースはシート状であるために毛髪の植設間隔及び植設方向の自由度が高く、つむじや分け目など要望に応じた毛髪量と毛髪の流れを容易に作り出すことができるという利点がある一方、通気性が劣るので蒸れ易く長時間の装着には不快感を伴うという欠点がある。
そこで、通気性の改善を図るためにかつらベースにネットなどの網地素材を用いたかつらが普及するようになった。しかしながら、このような網地素材のかつらベースへの毛髪の一般的な植設は、ネットを構成するフィラメントに毛髪を直接結び付ける方法であるために、植設可能な箇所が人工皮膚と比べて制限されることから、つむじや分け目など所望の毛髪量と毛髪の流れを作り出すことが困難であった。
そのため、このような問題点を解決するために、特許文献1では、ネットからなるかつらベースの分け目部分を切除して、そこにポリウレタンの薄膜を一体に形成したかつらベースを提案している。また、特許文献2ではネットからなるかつらベースの分け目領域上に、このネットよりも密目構造のネットを上乗せして、その周縁を縫着することで上乗せしたネットの交換を容易にしたかつらを提案している。
特許第2881400号明細書 特開昭62−117805号公報
しかし、特許文献1に開示されたかつらは、所望の部分を薄膜にしているので、要望に応じた毛髪量と毛髪の流れを作り出すことは容易であるが、その部分の通気性が劣ること、また、ネットと薄膜との一体化部分が厚くなり、ネット部分との段差が生じてネットと薄膜との境界が視認され易いこと、さらに、植設した毛髪の意図しない毛分れが発生してかつらベースが露見し易くなるという欠点を有している。
また、特許文献2に開示されたかつらでは、かつらベースを全てネットで構成しているので特許文献1のかつらよりは通気性が向上しており、また、ネットで構成された分け目部分は本体ベースの上に乗っているために分け目部分の交換は特許文献1と比べて比較的容易ではある。しかしながら、特許文献2に開示されたかつらは、分け目部分と本体ベースとの一体化が分け目部分の全周を本体ベースに縫着することによって行われていることから本体ベースや分け目部分に歪みが生じた場合にその歪みの逃げ場所が無く、その結果、分け目部分の浮き上がったり、或いは本体ベースにシワが入ることによって不自然な外観を呈するおそれがあった。また、縫着部分には縫糸が存在するためにその部分には所望の毛髪量や毛髪の流れに合わせて植設することができず、縫着部分の毛分かれ及び植設された他の毛髪との流れが異なって本体ベースと分け目部分との境界が露見し易くなるという問題もあった。
このような欠点を解消するために、分け目部分に毛髪を植設した後、本体ベースに分け目部分を縫着することも考えられるが、この場合には縫着部分が縫糸によって植設した毛髪が潰されてしまい、毛分かれがより顕著となる。その結果、縫糸の下にある毛髪を引き出す(掻き出す)作業が必要となり極めて煩雑となる。また、このような作業に伴って毛髪の切断や縫糸の緩みが起こり易く、仕上がりが汚くなってしまうという問題が懸念される。
そこで、本発明は、このような課題を解決するために、ネット部材によって形成された本体ベースに分け目やつむじ用の部分ベースを上乗せしたかつらにおいて、本体ベースに上乗せした部分ベースの浮き上がりや本体ベースにシワなどの歪みを発生させることなく本体ベースと部分ベースとの境界が自然な外観を呈する部分ベース上乗せかつらを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載の本発明は、ネット部材によって形成された本体ベース上の所定箇所に、本体ベースのネット部材の網目よりも小さな網目を有する他のネット部材によって形成された部分ベースを交換可能に上乗せしてなる部分ベース上乗せかつらにおいて、部分ベースは、部分ベースの全周縁部のうちの一部を除いた周縁部に沿って本体ベース上に縫着すると共に、部分ベースを縫着した縫着部分よりも外側で、且つ、部分ベースの側端部よりも内側の部分を毛髪によって全周にわたって本体ベースに綴じ植えしたことを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の部分ベース上乗せかつらにおいて、部分ベースは、分け目を形成するためのものであり、本体ベース上の前額部端部に位置する部分を除いた周縁部が縫着されていることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、請求項1に記載の部分ベース上乗せかつらにおいて、部分ベースは、つむじを形成するためのものであり、本体ベース上の左側頭部側又は右側頭部側に位置する部分の一部を除いた周縁部が縫着されていることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の部分ベース上乗せかつらにおいて、綴じ植えされた毛髪は、本体ベース及び部分ベースに植設されている毛髪の流れと同じ流れになるようにして、上方に延出されていることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項5に記載の本発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の部分ベース上乗せかつらにおいて、部分ベースの周縁部に綴じ植えされた毛髪の針足は、部分ベース周縁部の長さ方向に対して交差するようにして配置されていることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項6に記載の本発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の部分ベース上乗せかつらにおいて、毛髪は、部分ベース全体、本体ベースにあっては部分ベースが上乗せされる領域を除いた部分に植設されていることを特徴とする。
本発明に係る部分ベース上乗せかつらによれば、本体ベースと部分ベースとの縫着が、部分ベースの一部、例えば、分け目を形成するための部分ベーブの場合は前額部周縁を除いた周縁部分、つむじを形成するための部分ベースの場合には本体ベース上の左側頭部側又は右側頭部側に位置する部分の一部を除いた周縁部を縫着たので、本体ベース及び部分ベースに歪みが生じ難く、たとえ歪みが生じてもその歪みを縫着されていない部分から逃がすことができるので部分ベースの浮き上がりや、本体ベースへシワが入り難くなり、自然な外観及び、かつら装着時のフィット感を保持することができるという効果がある。
また、縫着されていない部分の周縁部は、毛髪による本体ベースとの綴じ植えのみによって固定しているので、自然な生え際が表現することができ、迷彩効果が向上するという効果がある。
さらに、本体ベースと部分ベースとの境界は、本体ベースと部分ベースに植設された毛髪の流れと同じになるようにして毛髪で綴じ植えしたので、さらに迷彩効果が向上し、より自然な外観を得ることができるという効果がある。
本発明に係る部分ベース上乗せかつらの本体ベースを示す平面図である。 部分ベースの取り付け位置を示す平面図である。 本体ベースに毛髪を植設する領域を示す図である。 部分ベースに毛髪を植設する領域を示す図である。 本体ベースに部分ベースを上乗せして縫着した状態を示す図である。 本体ベースに上乗せした部分ベースを綴じ植えした状態を示す図である。 本体ベースと部分ベースとの縫着及び綴じ植え部分の拡大した模式図である。 (a)は本体ベース及び部分ベースを形成するネット部材の編成状態を示す模式図、(b)は本体ベースの外周端部に縫着するほつれ止め用のネット部材の編成状態を示す模式図である。 本体ベースに上乗せしたつむじ用の部分ベースを綴じ植えした状態を示す図である。
本発明に係る部分ベース上乗せかつらの一実施形態について図面を参照しつつ以下に説明する。図1は本発明に係る部分ベース上乗せかつらの本体ベースを示す平面図である。図示されているように、本体ベース1は、概略として網目構造を備えたネット部材によってかつら装着者の頭部の形状に即した形状に形成されており、本体ベース1の外周端部には、ほつれ止め3が施されている。本体ベース1を構成するネット部材の素材については特に問わないが、吸水性がなく寸法安定性が良いポリエステル系繊維によって形成されたネット部材を用いることが好ましい。また、本体ベース1を構成するネット部材の網目の形状及び大きさなども、かつら装着者の所望の毛髪量やスタイルに応じて矩形、六角形、ひし形など適宜の形状を選択することができ、特に限定されるものではない。
本体ベース1には、図2に示すような分け目を形成するための部分ベース2が上乗せされる。図示された分け目用の部分ベース2は、かつら装着者が希望する分け目の位置に対応する本体ベース1の所定箇所に取り付けられ、少なくとも分け目の長さに応じた長さを有して形成されている。部分ベース2は、分け目を形成するために用いられる他、つむじを形成するためにも用いられるが、以下の説明では分け目を形成するための部分ベース2に基づいて説明する。部分ベース2を形成するためのネット部材の網目の大きさは、本体ベース1のネット部材では表現不可能な毛髪量及び毛髪の流れを実現することが求められることから本体ベース1のネット部材の網目より小さいものが用いられる。また、部分ベース2の場合は、ネット部材の外周端部のほつれ止めなどの処理を施すと、その分だけ厚みが増したり、または硬くなることで反りや捲れが起こり易くなり、かつらの美観が損なわれるので、ネット部材を切断した状態の所謂裁ち切り状態で使用することが好ましい。
次に、上記した部分ベース上乗せかつらの製造方法について説明する。まず、かつら装着者の頭部形状の石膏雄型を用意する。この石膏雄型に本体ベース1を形成するためのネット部材を被せ、テンションを掛けた状態で本体ベース1の外周縁部を下側に引っ張るようにしてステープルなどによってネット部材を固定する。同様にして、かつら装着者の頭部形状の別の石膏雄型に分け目用の部分ベース2又はつむじ用の部分ベース2aを形成するためのネット部材を引っ張って固定する。そして、いずれの石膏型にも2液混合型の熱硬化性ウレタンに有機溶剤のメチルエチルケトンで希釈した溶液を塗布して100℃前後で6〜10時間熱処理を行い、本体ベース1を形成するネット部材及び部分ベース2を形成するネット部材のそれぞれに頭部形状を付与する。
熱処理後、石膏型が冷えてから本体ベース1を形成するネット部材においては、かつらの外周線及び部分ベース2を上乗せするための領域の外周線をマスキングテープでマーキングする。一方、部分ベース2を形成するためのネット部材においては、部分ベース2の外周線をマーキングした後に石膏型からそれぞれ取り外す。
本体ベース1の外周端部には、ほつれ止め3として、本体ベース1と縫着一体化した場合に柔らかさが出るような、例えばマルチ糸によって大きな網目に編成されると共に、幅が約5〜20mmの帯状に切断したネット部材を2つ折りにして本体ベース1の外周端部を挟み込んだ状態で縫着することにより一体化する。ほつれ止め3として一体化するためのネット部材が硬いと、かつらに反りや捲れが発生し易く寸法安定性に影響があるからである。
次に、本体ベース1への毛髪20の植設について説明する。はじめに、ほつれ止め3を行った本体ベース1をかつら装着者の頭部形状に即して作製した熱硬化性エポキシ樹脂性の雄型に張った後、ピンなどで固定する。そして、所望の長さや色の天然毛髪又は人工毛髪を所定の毛髪量及び毛髪の流れに沿って、分け目用の部分ベース2を上乗せする領域以外の部分(以下、「毛髪植設領域4」という(図3参照))に本体ベース1のネット部材を構成するフィラメントに結び付ける。毛髪20結び方は公知の方法で構わない。
部分ベース2も同様にして熱硬化性エポキシ樹脂雄型に張った後、本体ベース1と同様に公知の方法で毛髪を結び付ける。この部分ベース2は、毛髪を植設した後に本体ベース1に上乗せして縫着することから毛髪20を植設する領域は、図4に示すように、部分ベース2の外周端部から5mm程度内側の位置7までにとどめて、縫着部分を確保しておく。
毛髪20の植設が終了したら部分ベース2を熱硬化性エポキシ樹脂雄型から外して、不要な部分を切除した後、毛髪20の植設が終了した本体ベース1の分け目を形成するべき所定の位置に載置し、部分ベース2の周縁部を12〜16ピッチ/3cmの間隔で糸材によって縫着する。このとき、図5に示すように、部分ベース2の前側端部に位置する前額部11の部分は縫着を行わない。尚、この縫着を12ピッチ/3cm未満で行うと各縫糸間の距離が開き過ぎて浮きが出易く、16ピッチ/3cm以上では各縫糸間の距離が殆ど無くなりその部分が硬くなったり、縫着部分に折りしわが入るおそれがあるのでなるべく12〜16ピッチ/3cmの間隔で縫着することが好ましい。縫着は、部分ベース2への毛髪20の植設工程において予め確保してある外周端部から5mm程度内側の未植設部分7に行う。
次に、本体ベース1と部分ベース2に植設した毛髪20と同じ毛髪20を用いて本体ベース1と部分ベース2とを綴じ植えする。綴じ植えは適宜の方法を用いることができ、特に限定されるものではないが、一例として以下のように行うことができる。すなわち、鉤針を本体ベース1の表面側から挿入して部分ベース2の未植設部分7の表面に鉤針の鉤部を貫通させた後に、鉤部に2つ折りした毛髪20の折り曲げ部分を引っ掛ける。次に、鉤針を本体ベース1の鉤針挿入孔に引き戻して、部分ベース2の表面から裏面を通って本体ベース2の表面上に毛髪20を2つ折りの状態で挿通させる。そして、この毛髪20を2つ折りにした部分によって形成された第1のループに毛髪20の一方側及び他方側を一緒に挿入する。この工程で形成された第2のループに毛髪20の一方側を挿入するとこの毛髪20の一方側によって第3のループが形成される。この第3のループに毛髪20の他方側を挿通する。その後、毛髪20の他方側を下方(本体ベース1側)にして押えながら毛髪20の一方側を上方(部分ベース2側)に引っ張ると結び玉が形成される。最後に毛髪20の一方側を下方(本体ベース1側)に移動して、毛髪20の他方側に揃えるようにする。
毛髪20によって綴じ植えする位置は、図7に示すように、部分ベース2の縫着部分8よりも外側(本体ベース1側)で行い、綴じ植えする間隔はあまり広過ぎると部分ベース2が捲れ易くなり、あまり狭過ぎると本体ベース1の網目が詰ってシワが入り易くなるので、約1.0〜2.0mmの間隔で行うことが好ましい。また、綴じ植えする毛髪20は、部分ベース2の長さ方向に伸びる外側端縁部に対して交差させるようにして、且つ、本体ベース1に植設された毛髪20の流れに合わせて植設する。例えば、前頭部付近では前頭側に、頭頂部付近では左右側頭部側に、後頭部付近では後頭側に毛髪が流れるように毛髪20の針足に角度を付けて植設する。また、図6に示すように前額部11は、かつらが露見しても迷彩効果を出すために綴じる間隔を約0.5〜1.0mmとするとよい。
さらに、部分ベース2の内側領域では、部分ベース2が浮き上がっている箇所を、部分ベース2に植設されている毛髪20の流れに合わせて、上記と同様にして綴じ植えを行う。
このようにして綴じ植えが終了したら、熱硬化性エポキシ樹脂雄型から本体ベース1と部分ベース2によって構成されるかつらベース10を取り外し、かつらの外周線に沿って本体ベース1の余分な部分を切除して部分ベース上乗せかつらが完成する。つむじ用の部分ベース2aも同様にして形成されるので詳しい説明は省略する。尚、つむじ用の部分ベース2aの場合の縫着しない部分としては、図9に示すように、つむじ用の部分ベース2aの右側頭部周縁部又は左側頭部周縁部の一部である。これは、右つむじの場合には左側頭部を、左つむじの場合には右側頭部を開放した方が浮き上がりが少なくて好ましいからである。つむじ用の部分ベース2aの形状は図示された矩形状のものに限らず円形や楕円形など適宜の形状を用いることが可能である。ここで、符号11aは縫着しない部分である左側頭部周縁部を示している。
本体ベース1を形成するネット部材として、図8(a)に示すような格子状の網目形状を有するネット部材を用いて本体ベース1を作製した。具体的には、糸径0.15mmのポリエステルモノフィラメント糸をメッシュ数30で平織りした網目(空隙)の面積が0.59mm2のネット部材を使用して本体ベース1を作製した。一方、部分ベース2は、本体ベース1と同様に、図8(a)に示すような格子状の網目形状を有する糸径0.08mmのポリエステルモノフィラメント糸をメッシュ数65で平織りし、網目(空隙)の面積が0.09mm2のネット部材を使用した。両ネット部材にかつら装着者の頭部形状を付与するための熱処理時に塗布する2液混合型の熱硬化性ウレタンとしては日新レジン株式会社丼製ADAPT E−65BSとE−No.1を2:1で混合したものにメチルエチルケトン15倍に希釈した溶液を使用して、熱処理は100℃で8時間行った。部分ベース2は、かつら装着者の分け目として使用した。本体ベースの1外周端部のほつれ止め用ネットとしては図8(b)に示すような6dtexのモノフィラメント糸を54本撚ったマルチ糸で目付け43g/mで網目形状が六角形で網目(空隙)の面積が0.70mmのように編成したネットを幅10mmで帯状に切断したものを使用した。
部分ベース2への植設は、図4に示すように、外端部から内側5mmの位置まで毛髪20を植設した。また本体ベース1と部分ベース2とは、株式会社フジックス社製のシャペスパン#60のミシン糸を用いて、12ピッチ/3cmの間隔で、前額部11以外の周縁部を連続して縫着した。さらに本体ベース1と部分ベース2との綴じ植えは、前額部11は0.1mm間隔で、その他外周部は1.5mm間隔で、部分ベース2の長さ方向に伸びる外側端縁部に対して交差させるようにして行った。併せて、部分ベース2の内側領域についても、部分ベース2の浮きが発生している箇所を、部分ベース2に植設されている毛髪20の流れに沿って綴じ植えをした。
上述のようにして作製した部分ベース上乗せかつらは、本体ベース1と部分ベース2との縫着が、前額部周縁11を除いた周縁部分を縫着したので、繰り返しの着脱に対しても本体ベース1と部分ベース2に歪みが生じなかった。また。かつらに植設する毛髪20と同じ毛髪20を用いて本体ベース1と部分ベース2とを綴じ植えしたので部分ベース2の浮き上がりや、本体ベース1のシワの入りを抑制することができた。そのため、自然な外観及び、かつら装着時のフィット感を保持することができた。また、本体ベース1と部分ベース2の前額部周縁11は縫着を行わず綴じ植えのみで固定したので、自然な生え際を表現することができ、迷彩効果の向上が確認された。さらに、本体ベース1と部分ベース2の境界は、本体ベース1及び部分ベース2に植設された毛髪20の流れと同じになるように毛髪20で綴じ植えしたので、従来のかつらよりも迷彩効果が向上し、より自然な外観を得ることができた。
1 本体ベース
1a 本体ベース外周仮想線
2 部分ベース(分け目用)
2a 部分ベース(つむじ用)
3 ほつれ止め
4 毛髪植設領域
5 毛髪を植設しない領域
6 毛髪植設領域
7 毛髪を植設しない領域
8 縫着部分
10 かつらベース
11 前額部周縁部
11a 左側頭部周縁部
12 綴じ植え部分
20 毛髪

Claims (6)

  1. ネット部材によって形成された本体ベース上の所定箇所に、当該本体ベースのネット部材の網目よりも小さな網目を有する他のネット部材によって形成された部分ベースを交換可能に上乗せしてなる部分ベース上乗せかつらにおいて、
    前記部分ベースは、当該部分ベースの全周縁部のうちの一部を除いた周縁部に沿って前記本体ベース上に縫着すると共に、前記部分ベースを縫着した縫着部分よりも外側で、且つ、前記部分ベースの側端部よりも内側の部分を毛髪によって全周にわたって本体ベースに綴じ植えしたことを特徴とする部分ベース上乗せかつら。
  2. 前記部分ベースは、分け目を形成するためのものであり、前記本体ベース上の前額部端部に位置する部分を除いた周縁部が縫着されていることを特徴とする請求項1に記載の部分ベース上乗せかつら。
  3. 前記部分ベースは、つむじを形成するためのものであり、前記本体ベース上の左側頭部側又は右側頭部側に位置する部分の一部を除いた周縁部が縫着されていることを特徴とする請求項1に記載の部分ベース上乗せかつら。
  4. 綴じ植えされた前記毛髪は、前記本体ベース及び前記部分ベースに植設されている毛髪の流れと同じ流れになるようにして、上方に延出されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の部分ベース上乗せかつら。
  5. 前記部分ベースの周縁部に綴じ植えされた毛髪の針足は、前記部分ベース周縁部の長さ方向に対して交差するようにして配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の部分ベース上乗せかつら。
  6. 前記毛髪は、前記部分ベース全体、前記本体ベースにあっては前記部分ベースが上乗せされる領域を除いた部分に植設されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の部分ベース上乗せかつら。
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