JP2010191881A - 紙葉類処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
紙葉類が搬送路から外れた場合でも装置内に残留していることを検知する。
【解決手段】
紙幣に印刷されている記番号を読取る記番号読取部の読取り信号と、収納部から繰出された紙幣の厚みを検知する厚みセンサの検知信号を用いて、収納部から繰出された紙幣の枚数と厚みセンサを通過した枚数を各々判別し、それらの判別値を照合することにより、装置内に残留している紙幣を検知する。
【選択図】図1

Description

本発明は紙葉類処理装置に関し、例えば紙幣の入出金を自動的に行う現金自動取引装置(ATM)において搬送路上又は搬送路外に残留した紙幣の処理に関する。
ATMの搬送路或いは他の機構部に紙幣が引掛かって残留すると、その後に紙幣のジャムが発生して入出金が円滑に行われない。そこで、一般的に、搬送路に紙幣の通過を検知するための複数のセンサを配置して、紙幣が適切に搬送されているかを監視している。紙幣がセンサ上で停止すると、センサは紙幣を継続的に検知した状態となり、障害が発生したことを検知する。また、搬送路上あるセンサを通過した紙幣が、次のセンサに一定時間内に搬送されなかった場合は、これらのセンサ間で紙幣が滞留していることを検知する。
また従来、紙幣取扱装置において搬送路に残留する紙幣を検知するための種々の技術が提案されている。
例えば特許文献1には、紙幣とほぼ同形状のシート状部材を繰出し、少なくとも紙幣が通過した搬送路を搬送することにより、残留紙幣の有無をチェックする技術が開示されている。
また、特許文献2には、装置の初期化時に収納部から紙幣を繰出し、装置内の全ての搬送路を一巡させることにより、残留紙幣の有無をチェックする旨が開示されている。
また、特許文献3には、カメラで搬送路を撮像し、正常時に撮像した画像と例えば障害復旧後に撮像した画像を比較して、障害復旧処理が正常になされたかどうかを判定する旨が開示されている。
特開昭60−197550号公報 特開昭61−133492号公報 特開平6−325244号公報
然るに、特許文献1及び特許文献2の技術では、二枚重なって搬送されていた紙幣が2つのセンサ間で分離し、片方の紙幣が搬送路からはずれてしまった場合、搬送路には紙幣が残っていないので、後からチェック用のシート状部材や紙幣を搬送しても、元々重なっていた紙幣を検知することができない。また、チェック用のシート状部材や紙幣を搬送すると、処理時間がかかるという問題がある。
特許文献3の技術では、カメラの数を余り増やさずに、全ての搬送路の経路を監視するためには、搬送路の周りの筐体を透明にしなければならず、そうすると機構部の強度が弱くなる。一方、カメラの数を増やせば、搬送路の周りの筐体を透明にしなくてもよいが、コスト高となる。
本発明は、紙葉類が搬送路から外れた場合でも、それが装置内に残留していることを検知することができる紙葉類処理装置を提供することにある。
本発明は、好ましくは、搬送路に送られる紙葉類を処理する紙葉類処理装置において、紙葉類が持つ固有の識別情報を読取る読取部と、該読取部で該識別情報が読取られた紙葉類を収納する収納部と、該読取部で該識別情報が読取られた該紙葉類の識別情報を記憶する記憶部と、該収納部から搬送路に繰出された該紙葉類の厚みを検知する厚みセンサと、該厚みセンサの検知信号を用いて、該搬送路を通過する該紙葉類の枚数を判定し、該収納部から繰出された該紙葉類の該識別情報を該読取部で読取れなかった場合、次に読取れた該紙葉類に関する該記憶部に記憶されている該識別情報を用いて、読取れなかった該紙葉類の枚数を判定し、該判定された枚数と、前記枚数判定部により判定された枚数とを照合し、その照合結果に応じて障害を判断する処理部と、前記各部を制御する制御部と、を有することを特徴とする紙葉類処理装置として構成される。
また、好ましい例では、前記処理部は、該厚みセンサの検知信号を用いて、該搬送路を通過する該紙葉類の枚数を判定する第一の枚数判定部と、該収納部から繰出された該紙葉類の該識別情報を該読取部で読取れなかった場合、読取れなかった該紙葉類の枚数を、次に読取れた該紙葉類に関する該記憶部に記憶されている該識別情報から判定する第二の枚数判定部と、該第一の枚数判定部が判定した枚数と該第二の枚数判定部が判定した枚数とを照合し、その結果に応じて障害と判定する障害判定部とを含む紙葉類処理装置として構成される。
また、好ましくは、該記憶部は、該読取部で該識別情報が読取られ、該収納部に収納された紙葉類の識別情報を順次格納する管理テーブルと、搬送路を搬送される紙葉類の枚数を管理する枚数カウンタを記憶する。
また、好ましくは、該第一の枚数判定部が判定した枚数と該第二の枚数判定部が判定した枚数とを照合した結果、両者が一致しなかった場合、該制御部は紙葉類が搬送路から外れた可能性があると判断して障害処理を行う。
本発明によれば、収納部から繰出された枚数と厚みセンサを通過した枚数を用いて照合することで、搬送途中に搬送路から紙葉類が外れた場合でも、装置内に残留していることを検知することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明する。
図1は、紙類葉処理装置の構成を示す。
ATMとして具体化された紙葉類処理装置は、紙幣を金種別に収納する複数の収納部14(141〜143)、収納部14に紙幣を補充するために装てんされるカセット17、出金に不適当な紙幣を回収する回収部15,16を備える。ここで、回収部15は、一時保留部13から繰出された紙幣であって記番号が読取れなかった紙幣や、収納部14から繰出され、記番号が読取れなかった紙幣を収納する。カセット17は、収納部14に補充する紙幣や、収納部14から回収する紙幣を収納する。補充回収部16は、カセット17から繰出された紙幣の中で記番号が読取れなかった紙幣を収納する。
上記の各部と、入出金用の紙幣を投入排出する入出口12とは搬送路11によって連結されている。搬送路11には、搬送路11を搬送される紙幣の記番号(図3の符号31)を光学的に読取る記番号読取部23を含む紙幣鑑別部、及び紙幣の厚みを検知する厚みセンサ25が配置される。また、搬送路11には、一時保留部13が配置され、入金処理時に利用者が投入し、記番号読取部23で記番号を読取れた紙幣を一時的に保管する。
図2は、紙葉類処理装置の機能ブロック図を示す。
記番号読取部23は、紙幣に印刷されている固有の識別情報である記番号31(図3)を光学的に読取る。その読取り原理については図4に示される。
記番号枚数判別部24は、記番号読取部23で読取られた記番号とRAM22に予め格納されている記番号データを元に、収納部14から繰出された紙幣の枚数を判定する。なお、記番号データはテーブル形式でRAM22に記憶されており、そのテーブル形式については、図7を参照して後述する。
厚みセンサ25は紙幣の厚み量を検知する。その一例については図5を参照して後述する。厚み枚数判定部26は、厚みセンサ25で検出された信号を元に紙幣の枚数を判別する。障害判定部27は、記番号枚数判別部24により判別した枚数と厚み枚数判定部26により判別した枚数を照合することにより、収納部141から繰り出された紙幣が搬送路から紛失したことを障害として検出する。
制御部20は、プロセッサ(以下CPUという(図示せず))を有しており、関連するプログラムを実行して、種々のデータ処理を行うと共に、上記各部の制御及び所定の機能を実現する。因みに、上記の記番号枚数判別部24、厚み枚数判定部26及び障害判定部27は、CPUでプログラムを実行することにより実現される。
ROM21は、制御部20のCPUで実行されるプログラムを格納する。RAM22は、制御部20のCPUで処理される変数や、収納部14に収納されている紙幣の記番号や、厚みセンサ25で検知された紙幣の厚み信号をデジタル情報として格納する。
図3は紙幣の表面を示す。
紙幣30の表面には、紙幣の識別情報である記番号31が印刷されている。図示の例では、記番号は英数字の組合せであるが、英数字に限らず紙幣30を特定できる記号などを含んでもよい。
図4は、紙幣の記番号読取部23の原理を示す。
搬送路の上面側及び下面側にそれぞれ、紙幣30に光を照射するランプ401,402(総じて40と示す)と、紙幣30から反射した光を受光するラインセンサ411,412(総じて41と示す)が配置される。ラインセンサ41は、紙幣30の搬送に従って1ライン分の画像データを順次取得し、最終的には紙幣30全体の2次元の画像を得る。撮像した紙幣の画像から、記番号を認識する手段としては、公知のOCR(光学式文字認識)を用いればよい。
なお、日本の紙幣には、片面のみに記番号が印刷されており、他方の面には記番号は印刷されていない。そのため、記番号の印刷された面が上下のいずれの状態で搬送されても記番号が読み取れるように、搬送路の上下双方にランプ40とラインセンサ41(撮像系という)を配置している。しかし、紙幣の両面に記番号が印刷されているような、外国紙幣の例では、搬送路の片側だけに撮像系を配置してもよい。勿論、日本の紙幣を扱う装置でも、紙幣の面を特定して扱う場合(例えば記番号が印刷された面が常に上側)には、搬送路の片側だけに撮像系を配置してもよい。また、ラインセンサの替わりに、2次元イメージセンサを用いてもよい。
図5は、厚みセンサの構成を示す。
厚みセンサ25は、3つの厚みセンサ541〜543から構成される。
各厚みセンサの下部ローラ511,512,513は下部ローラ軸551に取り付けられている。この下部ローラ軸551は、紙幣30が搬送されても上下動せずに固定の状態で、下部ローラ511,512,513の回転によって紙幣30を搬送する。
各厚みセンサの上部ローラ521,522,523は上部ローラ軸552に取り付けられている。この上部ローラ軸552は紙幣30が通過する時に、紙幣30の厚みに従って上方向(矢印C)に変位して、上部ローラ521,522,523の回転によって紙幣を搬送する。上部ローラ521,522,523の上部には、それぞれ磁気センサ531,532,533が配置され、上部ローラ521,522,523の変位量を、対応する磁気センサ531,532,533で検知し、電気的な厚み信号に変換して出力する。
図6は紙幣の厚みと厚みセンサの検知信号の関係を示す。
(A)は一枚の紙幣の搬送時、(B)は二枚重なった紙幣の搬送時を示し、それぞれ下段の図は、厚みセンサの検知信号を示す。厚み検知信号の図において、縦軸は紙幣の厚み、横軸は搬送距離を示す。
(A)に示す、一枚紙幣の搬送時には、紙幣30が厚みセンサ25を通過する時、厚みセンサ541〜543の検知信号は、信号61のように、一枚分の高さを示す、一定レベルの信号が出力される。
次に、(B)の二枚重なった紙幣301,302が搬送される時には、厚みセンサ541〜543の検知信号は、信号62のように、紙幣が重なった部分Xに対応する信号は、2枚分の厚みに相当する波形621となる。
厚み枚数判定部26は、厚みセンサの検知信号61,62の積分(総和)を求め、その積分値と、1枚場合の下限閾値と上限閾値、2枚の場合の下限閾値と上限閾値、と言うように、予め定められた枚数に応じた上限及び下限の閾値とそれぞれ比較することにより、検知した枚数が何枚かを判別する。なお、積分値が予め定めた最大値を超えた場合には枚数不確定とする。
図7は紙幣の管理テーブル及び枚数カウンタの構成例を示す。
管理テーブル70は、収納部14に収納されている紙幣30の記番号31を格納して管理するテーブルである。(A)〜(C)は管理テーブルの遷移を示す。例えば、(B)に示す管理テーブルは「0」から「4」迄の5枚の紙幣の記番号が格納されていることを示す。枚数カウンタは記番号の格納位置を示すポインタとして機能する。
また、枚数カウンタ71は、搬送路の厚みセンサ及び記番号読取部で記番号が読取られた紙幣の枚数を監視するカウンタである。収納部から繰り出された紙幣が搬送路を正常に搬送されたときには、厚みセンサでの厚み検知(1枚ずつの検知)及び記番号読取部で記番号が正常に読取られるので、枚数カウンタ71の値と、管理テーブル70のスタックポインタPの示す位置とは一致している。(B)の例では、管理テーブル70には5枚の紙幣の記番号が格納されおり、枚数カウンタ71は、「5」の位置のスタックポインタPを示している。
これらの管理テーブル70、ポインタP及び枚数カウンタ71はRAM22内に形成される。管理テーブル70及び枚数カウンタ71は、各収納部14に対応して用意される。また、紙幣の搬送異常時に「オン」となる異常フラグもRAM内に用意される。
次に、図8を参照して、紙幣処理装置の全体処理動作について説明する。
処理が開始されると(S10)、まず、制御部20は複数の収納部141〜143が空か否かをチェックする(S11)。これは、収納部14内に設置された光学センサが紙幣を検知する否かにより確認できる。チェックの結果、空でないと判断した場合は、ステップS13の処理へ移り、空と判断した場合は、枚数カウンタを「0」にセットすることにより、データの初期化を行なう(S12)。ここで、枚数カウンタは各収納部14毎にある。
その後、次に行なうべき処理として、放出系の処理化又は収納系の処理を選択して(S13)、その選択内容をチェックする(S14)。選択の結果に応じて、紙幣を収納部14に収納する収納系処理(S15)又は収納部14から紙幣を放出する放出系処理(S16)を行う。なお、収納系処理は図9を参照し、放出系処理は図10を参照して後述する。
収納系処理又は放出系処理が行われた後、処理を終了するか判定し(S17)、終了(S18)でない場合には、ステップS11に戻り、収納部14のチェック動作を繰り返す。
図9は、収納系処理の処理を示す。
収納系処理とは、記番号31が読取られた紙幣30を収納部141〜143に収納する処理である。この処理には、例えばカセット17から収納部141〜143に紙幣30を補充する処理、或いは利用者がATMに預金する紙幣を入金する処理などが含まれる。
以下では、紙幣の補充を例にして説明する。
収納系処理が開始されると(S20)、カセット7から紙幣30を1枚ずつ繰出される(S21)。枚数判別部26で1枚として判定されると(S22:Yes)、記番号読取部23で記番号31が読取れたかを判定する(S23)。その判定の結果、紙幣の記番号31が読取られた場合には、その紙幣を金種に対応した収納部141〜143に収納する(S24)。そして、収納した紙幣30の記番号31を管理テーブル70に格納し、枚数カウンタを「1」だけインクリメントする(S25)。
一方、枚数判別部26で1枚として判定されなかった場合(S22:No)、または記番号読取部23で記番号31が読取れなかった(S23:No)場合は、その紙幣をリジェクトとして補充回収部16に回収する(S27)。その後、所定の枚数だけカセット7から繰出せたか、またはカセット7が空になったかを確認して、繰出しが終了したかを判断する(S26)。その結果、紙幣の繰出しが終了していなければ、ステップS21に戻り、一方繰出し終了していれば、収納系処理を終了する。
上記の例において、記番号読取部23で紙幣の記番号を1枚あるいは複数枚連続して読取れなかった例として、以下のような場合が想定される。
(a)1回の繰出しで1枚の紙幣だけが繰出され、記番号が読取れなかった場合。
(b)1回の繰出しで複数枚の紙幣が繰出され、いずれの紙幣の記番号も読取れなかった場合。
(c)1回の繰出しで1枚の紙幣だけが繰出され、記番号が読取れず、次の繰出しでも1枚の紙幣だけが繰出され、記番号が読取れなかった場合。
(d)1回の繰出しで1枚の紙幣だけが繰出され、記番号が読取れず、次の繰出しでは複数枚の紙幣が繰出され、いずれの紙幣の記番号も読取れなかった場合。
(e)1回の繰出しで複数枚の紙幣が繰出され、いずれの紙幣の記番号も読取れず、次の繰出しでも複数枚の紙幣が繰出され、いずれの紙幣の記番号も読取れなかった場合。
図10は、放出系処理の処理を示す。
放出系処理とは、収納部141〜143から紙幣30を繰出す処理である。この処理には、例えば入出口2に紙幣を放出する出金処理や、カセット17に紙幣を放出する精査処理などがある。
放出系処理が開始されると(S30)、RAM22内に予め用意された異常フラグをリセットし、通過枚数に「0」をセットすることにより、データ初期化を行なう(S31)。次に収納部141〜143から紙幣30が1枚ずつ繰出される(S32)。枚数判別部26で1枚として判定され(S33)、かつ記番号読取部23で記番号31が読取れた(S34)場合には、その紙幣30を入出金口2へ搬送する(S35)。そして、異常フラグが「オン」か、即ち異常が発生しているかをチェックする(S36)。その結果、異常フラグが「オフ」状態ならば、枚数カウンタを「1」だけデクリメントして(S45)、ステップS41に移る。
一方、枚数判別部26で1枚として判定されなかった場合(S33)、または記番号読取部23で記番号31が読取れなかった場合(S34)には、異常フラグをセットして(S42)、厚み枚数判定部26で判定した枚数を通過枚数に加える(S43)。そして紙幣30を回収部15に回収して(S44)、ステップS41に移る。
上記処理ステップS36において、異常フラグが「オン」であった場合(S36)、ステップS34で読取れた記番号について、管理テーブル70中の位置(枚数カウンタ)を検索する(S37)。そして、その記番号に該当する枚数カウンタと現在の枚数カウンタとの差が、異常繰出し時の繰出し枚数と今回の正常繰出しの繰出し枚数(1枚)を加えた枚数となるため、その記番号に該当する枚数カウンタと現在の枚数カウンタとの差から1枚減じた枚数を繰出し枚数にセットする(S38)。
次に、ステップS38でセットした繰出し枚数と、ステップS43で更新した通過枚数を比較する(S39)。その結果、両者が一致していれば異常フラグをリセットし、通過枚数を「0」にすることでデータ初期化する(S40)。一方、比較の結果、両者の枚数が不一致ならば、紙幣が装置内の何処かに残留している可能性があるので、障害処理を行う(S46)。この障害処理として、例えば、制御部20はATMの表示器に障害が発生した旨を示す画面を表示して、利用者に知らせる。
そして最終的に、収納部14から紙幣の繰出しが終了したか(即ち指定された枚数の紙幣が繰り出されたか)を判定し(S41)、終了していなければ、ステップS32の処理に戻る。終了していれば、放出系処理を終了する。
次に、図7を参照して、本発明の特徴的な処理となる紙幣の枚数管理について説明する。
枚数カウンタ71は管理テーブル70に格納されている紙幣の記番号データの枚数を示しており、管理テーブル中の記番号データは、枚数カウンタがkの場合、「0」から「k−1」に対応した位置に格納されている記番号データだけが有効であり、枚数カウンタが現在値以降に対応した管理テーブル中の記番号データは無効である。
例えば、図8のステップS11で、例えば収納部141が空であることを検知すると、ステップS12で枚数カウンタには「0」がセットされ、図7(A)の状態となる。この状態では収納部141には紙幣が1枚も入っていない状態を示している。
次に、ステップS13,S14で収納系処理が選択され、カセット7から紙幣が繰出され(S21)、枚数の判定において1枚であり(S22)かつ記番号が読取れ(S23)、その読み取れた紙幣30が5枚だけ収納部141に収納されたとすると(S24)、枚数カウンタ71が順次「+1」され、枚数カウンタが示す管理テーブル70の対応する場所に記番号データが順次格納される(S25)。つまり、収納部141に対応する管理テーブルには5枚分の記番号データが格納され、図7(B)の状態となる。
次に、ステップS13,S14で放出系処理が選択され、収納部141から紙幣を1枚だけ繰出そうとしたら、3枚重ねて繰出されたとする。繰り出された3枚の紙幣のうち、収納部141と厚みセンサ25の間で1枚分離して搬送路10から外れたとする。この場合、厚みセンサ25には残りの2枚が通過するので、枚数判別部26では2枚と判定され(S33)、異常フラグが「オン」にセットされる(S42)。このとき、通過枚数には2枚が加算され、2枚となる(S43)。
更に続いてもう一枚の紙幣が繰出される場合(S32)、その紙幣が正常に繰出され(S33)、記番号も正常に読取れたとする(S34)。この紙幣の記番号を“BC234567D”とする。
この場合、異常フラグは「オン」状態なので(S36)、読取れた記番号“BC234567D”が管理テーブル70中の何れの位置かを検索する(S37)。枚数カウンタ=1に対応するので異常繰出し時の繰出し枚数は、3=現在の枚数カウンタ−読取れた記番号に対応する枚数カウンタ−1=5−1−1=3枚となり、繰出し枚数に3枚をセットする(S38)。この場合、繰出し枚数と通過枚数を比較すると一致しないので(S39)、制御部22は紙幣30が搬送路からはずれた可能性があると判断して、障害処理を行う(S46)。障害処理として例えば、制御部20は紙幣の搬送系に障害が発生した旨を、係員の持つ端末に通報する。
このように、記番号31を記番号読取部23で読取ることにより記番号枚数判別部24で収納部141から繰出された枚数を確定させ、その記番号判別枚数と、厚みセンサ25による検知信号から枚数判別部26で検出された厚みセンサ25を通過した枚数とを、障害判定部27で比較することにより、収納部141から複数の紙幣が一挙に繰出されて、厚みセンサ25に到達する前にその一部の紙幣が搬送路から外れたことを検知することができる。
以上、一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されずに、種々変形、応用して実施できる。
例えば通常、厚みセンサ25は、記番号読取部23と一体化して紙幣鑑別ユニットに組み込まれる。変形例によれば、搬送路上厚みセンサ25より奥で複数枚の紙幣から一部の紙幣が離脱しても検知できないため、回収部15の直前に厚みセンサを配置するようにしても良い。
また、図10に示す放出系処理では、1枚と検知できないかまたは記番号がよみとれなかった場合のみ異常フラグをセットして通過枚数を更新し、1枚と検知しかつ記番号が読取れた場合は、異常フラグがオンの時のみ、記番号検索及び紙幣の枚数比較を行なうようにした。しかし変形例によれば、センサ及び読取部における紙幣の通過枚数を毎回更新し、記番号が読取れた場合はいつも記番号検索及び枚数比較を行なっても良い。この場合、より多くの紙幣の搬送の態様について監視することができる。
また、上記実施例ではATMにおける紙幣の処理を例にして説明したが、紙幣に限らず、小切手や商品券等の有価証券を取り扱う装置に適用することも可能である。
また、紙幣を特定するためには記番号に限らず、上記紙葉類を特定する固有の管理番号や、文字、記号等の識別情報を読み取って判別するようにしてもよい。
紙葉類処理装置の構成を示す側面図。 一実施例における紙葉類処理装置の機能ブロック図。 紙幣の表面を模式的に示す図。 紙幣の記番号読取部23の原理を示す図。 厚みセンサ25の構成例を示す図。 紙幣の厚みと厚みセンサの検知信号の関係を示す図。 紙幣の管理テーブルの例を示す図。 紙葉類処理装置の全体処理を示すフロー図。 収納系処理を示すフロー図。 放出系処理を示すフロー図。
12:入出口 13:一時保留部
14,141〜143:収納部 15:回収部
16:補充回収部 17:カセット 11:搬送路
20:制御部 21:ROM 22:RAM
23:記番号読取部 24:記番号枚数判別部
25:厚みセンサ 26:厚み枚数判定部
27:障害判定部。

Claims (5)

  1. 搬送路に送られる紙葉類を処理する紙葉類処理装置において、
    紙葉類が持つ固有の識別情報を読取る読取部と、
    該読取部で該識別情報が読取られた紙葉類を収納する収納部と、
    該読取部で該識別情報が読取られた該紙葉類の識別情報を記憶する記憶部と、
    該収納部から搬送路に繰出された該紙葉類の厚みを検知する厚みセンサと、
    該厚みセンサの検知信号を用いて、該搬送路を通過する該紙葉類の枚数を判定し、該収納部から繰出された該紙葉類の該識別情報を該読取部で読取れなかった場合、次に読取れた該紙葉類に関する該記憶部に記憶されている該識別情報を用いて、読取れなかった該紙葉類の枚数を判定し、該判定された枚数と、前記枚数判定部により判定された枚数とを照合し、その照合結果に応じて障害を判断する処理部と、
    前記各部を制御する制御部と、を有することを特徴とする紙葉類処理装置。
  2. 前記処理部は、
    該厚みセンサの検知信号を用いて、該搬送路を通過する該紙葉類の枚数を判定する第一の枚数判定部と、
    該収納部から繰出された該紙葉類の該識別情報を該読取部で読取れなかった場合、読取れなかった該紙葉類の枚数を、次に読取れた該紙葉類に関する該記憶部に記憶されている該識別情報から判定する第二の枚数判定部と、
    該第一の枚数判定部が判定した枚数と、該第二の枚数判定部が判定した枚数とを照合し、その結果に応じて障害と判定する障害判定部とを含む請求項1の紙葉類処理装置。
  3. 該記憶部は、該読取部で該識別情報が読取られ、該収納部に収納された紙葉類の識別情報を順次格納する管理テーブルと、
    搬送路を搬送される紙葉類の枚数を管理する枚数カウンタを記憶する請求項1又は2の紙葉類処理装置。
  4. 該第一の枚数判定部が判定した枚数と、該第二の枚数判定部が判定した枚数とを照合した結果、両者が一致しなかった場合、該制御部は紙葉類が搬送路から外れた可能性があると判断して障害処理を行う、請求項1乃至3のいずれか項記載の紙葉類処理装置。
  5. 該第一の枚数判定部が判定した枚数と、該第二の枚数判定部が判定した枚数とを照合した結果、両者が一致しなかった場合、直前に該読取部で読取られた該識別情報が格納された前記管理テーブルの位置(ポインタ)を検索し、前記枚数カウンタと該ポインタの照合の結果に応じて障害を判断する、請求項1乃至4のいずれか項記載の紙葉類処理装置。
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