JP5892908B2 - 現金自動取扱装置および現金の返却方法 - Google Patents
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Description
本実施例では、顧客から現金の預け入れを受け付ける預入取引において異常が発生した場合に、顧客に返却すべき現金(顧客現金)と現金自動取扱装置に収納すべき現金(機内現金)とが混在することを可能な限り防止できる現金自動取扱装置の例を説明する。
次に、ATM1において行われる代表的な取引である預入取引に際して、紙幣入出金装置100において実行される処理について説明する。預入取引は、顧客の現金の預け入れを受け付ける取引である。預入取引に際して、紙幣入出金装置100では、顧客が投入した紙幣を一時的に保留する入金処理と、顧客により預入取引がキャンセルされた場合に顧客に現金を返却する返却処理と、顧客により取引が確定された場合に保留した現金を収納する収納処理とが実行される。
図4は、紙幣入出金装置100において実行される入金処理について説明するための図である。入金処理は、顧客により紙幣入出金口14に投入された紙幣を、計数等して、次の処理まで一時的に保留する処理である。図4に示した矢印は、入金処理における紙幣の搬送経路を示している。預入取引が開始されると、主制御部110はATM1の本体制御部10からその指示を受けて、入金処理を実行するために、紙幣入出金口14の備えるシャッタ104を開き、顧客に紙幣の投入を促す。紙幣が紙幣入出金口14に投入されると主制御部110は、搬送機構150に搬送路p1と搬送路p2と搬送路p3と搬送路p4と、を動作させて、投入された紙幣を紙幣識別部120を経由させて保留部130へ搬送させる。この際、紙幣識別部120において、例えば、紙幣がリジェクト紙幣であると識別された場合には、主制御部110は、搬送路p4を介して紙幣入出金口14へ戻す。入金処理においては、紙幣の搬送のために、第1の搬送路(搬送路p1、p2、p3、p4)のみが使用されることとなる。
図5は、紙幣入出金装置100において実行される返却処理について説明するための図である。返却処理は、入金処理が終了した後に、顧客により預入取引がキャンセルされた場合において、保留部130の紙幣を顧客に返却するための処理である。ATM1の本体制御部10が操作表示部11を介して預入取引のキャンセルを受け付けると、紙幣入出金装置100の主制御部110は本体制御部10よりその指示を受けて、搬送機構150に搬送路p2と搬送路p3と搬送路p4を動作させて、保留部130から紙幣入出金口14へ紙幣を搬送させ、シャッタ104を開けて顧客に紙幣の受け取りを促す。返却処理においても、入金処理と同様に、紙幣の搬送のために第1の搬送路(搬送路p2、p3、p4)のみが使用されることとなる。
図6は、紙幣入出金装置100において実行される収納処理について説明するための図である。収納処理は、入金処理が終了した後に、預入取引が確定された場合において、保留部130の紙幣を収納庫141〜145に収納する処理である。収納処理では、預入が確定されているため、紙幣入出金装置100内の現金を顧客現金ではなく機内現金として取り扱うことができる。ATM1の本体制御部10が操作表示部11を介して預入取引の確定を受け付けると、紙幣入出金装置100の主制御部110は本体制御部10よりその指示を受けて、搬送機構150に、保留部130に保留されていた紙幣を、搬送路p3、搬送路p2、搬送路p1、搬送路p5の順に経由させて収納庫141〜145へ収納させる。このように預入処理においては、第1の搬送路(搬送路p1、p2、p3)と第2の搬送路(搬送路p5)の双方が使用される。
図7は顧客現金を取り扱う処理における紙幣入出金装置100の動作について説明するためのフローチャートである。顧客現金を取り扱う入金処理は、図4において説明したように、預入取引が開始され、紙幣入出金装置100の主制御部110が、ATM1の本体制御部10からその指示を受けることで開始される。また、顧客現金を取り扱う返却処理は、図5において説明したように、預入のキャンセルがなされ紙幣入出金装置100の主制御部110が、ATM1の本体制御部10からその指示を受けることで開始される。
図8は、紙幣入出金装置100の主制御部110から取引終了の報告を受けたATM1において、報告内容に応じて実行される動作について説明するためのフローチャートである。ATM1の本体制御部10は、紙幣入出金装置100の主制御部110から取引終了報告を受けると、その内容が入金処理または返却処理が正常に終了した報告であるか否かを確認する(ステップS200)。返却処理が正常に終了した報告である場合には(ステップS200:YES)、本体制御部10は、例えば、入金処理を行っていた場合であれば収納処理へ移行する等、通常の動作を実行する。
以下では、紙幣入出金装置100における異常紙幣の検知場所と、主制御部110による顧客現金の判別可否の具体例を図を用いて示す。また、紙幣入出金装置100の主制御部110から報告を受けたATM1で実行される処理について説明する。
図11は、顧客現金を判別できる例について示す図である。図11には、第1搬送路上において検知された異常紙幣201と、第2搬送路上で検知された異常紙幣202を示している。異常紙幣201,202が検知されてはいるものの(図7、ステップS100:YES)、投入された紙幣は紙幣入出金口14から繰り出されていない(図7、ステップS102:YES)。また、異常紙幣201、202は、センサs10によって検知されるものでないので(図7、ステップS104:NO)、判別部111は、紙幣入出金口14内の現金を顧客現金と判別し、異常紙幣201、202を機内現金と判別することができる。主制御部110からATM1の本体制御部10に顧客現金の判別が可能である旨の報告がなされると(図7、ステップS110、図8、ステップS202:YES)、ATM1の本体制御部10から紙幣入出金装置100の主制御部110に保留部130から紙幣を返却する旨の指示がされ、顧客は紙幣入出金口14に投入した紙幣を受け取ることができる(図8、ステップS204)。この場合には、保留部130に紙幣が搬送されないので、顧客は待ち時間なく紙幣入出金口14から投入した紙幣を受け取ることができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成の一部について、他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
上記実施例において、図7、8ではATM1に紙幣を投入した場合における顧客現金の判別と、報告内容に従って行われる100の動作等について説明している。これに対し、顧客現金の判別と、報告内容に従って行われる紙幣入出金装置100の動作は、ATM1に硬貨を投入した場合にも、硬貨の入出金を行う硬貨入出金装置により同様に行うものとしてもよい。
上記の実施例において、顧客現金が判別可能な場合には、本体制御部10は、主制御部110に紙幣入出金口14から顧客現金を返却させて、紙幣入出金装置100の動作を停止させている。これに対し、顧客現金が判別可能な場合には、本体制御部10は、紙幣入出金装置100の動作を停止させなくともよい。例えば、顧客現金が判別可能なときは、主制御部110は搬送路を動作させて、異常紙幣を100内の回収庫(不図示)に回収する。その後、ATM1において、係員を呼び出す通知をすることなく、次の取引を開始することとしてもよい。こうすることで、係員がすぐに対応できないような箇所にATM1が設置されていても、ATM1において次の取引を開始することができるので、顧客の便宜が図られる。
上記実施例においては、顧客現金の判別は、紙幣入出金装置100の判別部111が行うこととしている。これに対し、顧客現金の判別は、ATM1の本体制御部10が、検知結果を監視して行うこととしてもよい。また、上記実施例においては主制御部110から顧客現金の判別が可能である旨の報告を受けた本体制御部10が、主制御部110に対し、紙幣入出金口14から顧客現金を返却させている。これに対し、顧客現金の判別が可能である場合には、主制御部110は、その旨の報告を本体制御部10にするとともに、本体制御部10の指示を待つことなく紙幣入出金口14から顧客現金を返却してもよい。
上記実施例において、図7、8ではATM1に紙幣を投入した場合における顧客現金の判別と、報告内容に従って行われる100の動作等について説明している。これに対し、本発明は、顧客により投入され、返却される媒体であれば、現金に限らず適用可能である。
上記実施例において、図7では、判別部111は、センサs1〜s10による検知結果から、異常紙幣が検知されたか否かを監視している(ステップS100)。これに対し、判別部111は、搬送路が接続されている機器(紙幣識別部120や、保留部130や、収納庫141〜145)の異常を検知した場合には、異常が検知された機器の接続されている搬送路の異常として、取り扱うこととしてもよい。こうすることで、例えば、紙幣識別部120の異常が検知された場合に、紙幣入出金口14から紙幣が繰り出されていない場合には(図7、ステップS102:YES)、顧客現金がすぐに返却される(図7、ステップS110、図8、ステップS204)。よって、顧客の便宜を図ることができる。
10…本体制御部
11…操作表示部
12…通帳処理部
13…カード・明細票処理部
14…紙幣入出金口
100…紙幣入出金装置
104…シャッタ
110…主制御部
111…判別部
120…紙幣識別部
130…保留部
141〜145…収納庫
150…搬送機構
201、202、203、204、205…異常紙幣
Q…地点
M1、M2…通知
s1〜s10…センサ
p1〜p5…搬送路
CS…筐体
Claims (7)
- 現金取扱装置であって、
現金を投入及び排出するための開口部と、
投入された現金を一時的に保留する保留部と、
前記開口部と前記保留部との間で現金を搬送する第1搬送路を有する搬送機構と、
前記搬送機構に搬送されている現金を検知するセンサと、
前記センサによる検知結果と前記開口部に投入された現金の搬送状態とに基づいて、前記搬送機構に搬送されている現金と前記開口部に投入された現金の中から、顧客に返却可能な顧客現金を判別する判別部と、
判別された前記顧客現金を前記開口部から排出して前記現金の取扱を中止する制御部と、を備える、
現金自動取扱装置。 - 請求項1記載の現金自動取扱装置であって、
前記判別部は、前記投入された現金が前記開口部から前記第1搬送路に繰り出される前に前記センサが現金を検知した場合には、前記開口部内の現金を前記顧客現金と判別する、現金自動取扱装置。 - 請求項2記載の現金自動取扱装置であって、
前記制御部は、判別された前記顧客現金を前記開口部から前記保留部に搬送することなく前記開口部から排出する、現金自動取扱装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の現金自動取扱装置であって、
収納庫をさらに備え、
前記搬送機構は前記第1搬送路と前記収納庫との間で現金を搬送する第2搬送路をさらに有し、
前記判別部は、前記第1搬送路において現金が搬送されている間に、前記センサが第2搬送路に前記現金と異なる現金を検知した場合には、前記第1搬送路において搬送されている現金を顧客現金であると判断する、現金自動取扱装置。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の現金自動取扱装置であって、
前記センサは前記開口部の動作異常をさらに検知し、
前記判別部は、前記センサが前記開口部の動作異常を検知した場合には、前記顧客現金を判別しない、現金自動取扱装置。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項記載の現金自動取扱装置であって、
前記判別部が前記顧客現金を判別した場合には、前記顧客現金の返却と前記現金の取扱の中止を通知し、前記判別部が前記顧客現金を判別できない場合には、前記現金の取扱の中止を通知する通知部をさらに備える、現金自動取扱装置。 - 現金自動取扱装置による現金の返却方法であって、
該現金自動取扱装置は、
現金を投入及び排出するための開口部と、
投入された現金を一時的に保留する保留部と、
前記開口部と前記保留部との間で現金を搬送する第1搬送路を有する搬送機構と、
前記搬送機構に搬送されている現金を検知するセンサと、を備え、
前記センサによる検知結果と前記開口部に投入された現金の搬送状態とに基づいて、前記搬送機構に搬送されている現金と前記開口部に投入された現金の中から、顧客に返却可能な顧客現金を判別する工程と、
判別された前記顧客現金を前記開口部から排出して前記現金の取扱を中止する工程と、を備える、現金の返却方法。
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