JP2010183785A - バッテリ充電制御装置及びバッテリ充電制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バッテリ充電制御装置は、車両が現在地から充電拠点まで走行する為に必要なエネルギを推定する必要エネルギ推定部140と、実際の走行に必要なパワーを推定する必要パワー推定部141と、発電モータ2が発電した電力で充電可能なバッテリ4の目標残容量を設定する目標残容量設定部142と、発電モータ2を制御する発電電力制御部143とを備える。目標残容量設定部142が、必要パワーに基づきバッテリ4の下限残容量を設定し、必要エネルギ推定部140によって推定された必要エネルギに相当するバッテリ残容量が下限残容量を下回るときは下限残容量を目標残容量として設定し、発電電力制御部143が、バッテリ残容量検出手段によって検出されたバッテリ4の残容量が目標残容量となるように発電モータ2を制御する。
【選択図】 図1
Description
特許文献1では、車載バッテリを充電可能な目的地(充電拠点)までの経路を検索して、予測された走行パターンに基づき経路上の各地点における(各走行距離における)バッテリ残容量(目標値)を設定し、この値よりも実バッテリ残量が多い場合はモータ分担を大きく 、小さい場合はモータ分担を小さくする。つまり、バッテリ残容量を次回の充電の際までに使い切り、経済性(エネルギ単価)、環境(水力・原子力発電など)に優れた外部充電を出来るだけ多用することを目的とする。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、予め定められた目標残容量までバッテリ電力を効率よく使用して充電拠点に到達できる電動車両用のバッテリ充電制御装置及びバッテリ充電制御方法を提供することを目的としている。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づき説明する。図1〜図12は、本発明に係るバッテリ充電制御装置及びバッテリ充電制御方法の第1実施形態を示す図である。
(構成)
まず、本発明に係るバッテリ充電制御装置及びバッテリ充電制御方法を適用したプラグイン・シリーズ型ハイブリッド車両の概略構成を図1に基づき説明する。ここで、図1は、本発明に係るプラグイン・シリーズ型ハイブリッド車両(以下、PSH車両と称す)の概略構成図である。
発電モータ2は、エンジン1に直結しエンジン1のパワーを電力に変換したりエンジン始動を行ったりする。
駆動モータ3は、減速機構5を介して車両の駆動輪6a、6bに繋がれ車両を駆動したり減速時に回生発電を行ったりする。
ここで、発電モータ2は電力を発電する発電手段の一例であり、駆動モータ3はバッテリ4の電力を用いて車両の駆動輪6a、6bを駆動する電動機の一例である。
更に、PSH車両においては、バッテリ4よりも低電圧(例えば、100V)の単相交流である家庭用電源を用いてバッテリ4を充電できるようにする充電器9及びコンセント15がバッテリ4に接続している。また、バッテリ4にはその温度を測定する温度計16が配設されている。
エンジンコントローラ11は、エンジン1の吸入空気量・点火時期・燃料噴射量を操作することで出力トルクを制御する。
バッテリコントローラ12は、バッテリ4の残容量(SOC:State of Charge)を検出し、入出力可能パワーなどの内部状態量を推定してバッテリ4の保護を行う。
パワートレイン統合制御コントローラ14は、上記複数のコントローラを協調させながら、ドライバーの要求に沿ってモータ駆動出力を制御し、また、運転性と燃費(経済性)の両方を考慮しながら発電出力を制御する。
次に、図2に基づき、パワートレイン統合制御コントローラ14の機能構成を説明する。
ここで、図2は、パワートレイン統合制御コントローラ14の機能構成を示すブロック図である。
必要エネルギ推定部140は、GPSを用いたナビゲーションシステムと連携して自宅などの充電拠点と車両間の地理的な関係を随時把握し、この地理的な関係に基づいて車両が充電拠点まで到達するための必要エネルギEを推定する。
E=K1×L+K2×H (1)
上式(1)において、K1(K1>1)は予め設定された標準の走行パワーPrで走行する場合の充電拠点と車両間の距離に対する必要エネルギの算出用係数(予め実験走行などで求めておく)であり、Lは充電拠点と車両間の距離であり、K2(K2>0)は標高差に対するバッテリ4の充電率の補正係数(予め実験走行などで求めておく)であり、Hは車両の標高と充電拠点の標高との標高差である。
本実施形態では、走行路が平坦な一般道を通常の走行モードで走行するときのパワーを基準とし、充電拠点付近においては走行に必要な最低パワーとなるように設定された標準パワーPrで走行した場合のエネルギを必要エネルギとして求めることとする。
P1=F×V (2)
Pe=P2×K3 (3)
上式(2)及び(3)において、Fは目標駆動力、Vは車速、K3は上述した走行内容に係る情報に基づいて設定された補正比率(予め実験走行やシミュレーションなどを行って求めておく)である。
具体的に、まず、バッテリ4のパワー出力特性において、バッテリ4が必要推定パワーPeの出力を実現できるバッテリ4の出力パワーを出力可能なバッテリ充電率の最低値を求め、この最低値を下限残容量として設定する。
本実施形態において、下限制限処理は、エネルギEに相当するバッテリ残容量が下限残容量を下回らないようにバッテリ残容量(目標残容量)を制限する処理となる。
具体的に、下限残容量を下回っている場合は、目標残容量として下限残容量の方を選択し、下回っていない場合は、エネルギEに相当するバッテリ残容量の方を選択する処理となる。
バッテリ残容量を示すバッテリ充電率(以下、SOCと称す)と電池(バッテリ)の出力可能なパワーとは、単純には図3に示すように対数関数の様相を有する。しかし、図中にあるように最大電流等で決まる上限値があるため、単純に対数関数に沿った遷移とはならない。従って、図3に示すように、SOCが上限値に到達するまでは、SOCと電池の出力パワーとの間には比例関係が成立する。そのため、バッテリ充電率が低過ぎると、走行に必要なパワーを得るための電池出力パワーが得られず、要求されるパワーに対して実際に出力されるパワーが不足して運転性が悪化してしまう。
従って、目標残容量設定部142は、下限制限処理を実行して選択したSOCを目標残容量(目標SOC)として設定する。
なお、充電拠点に到達した時又は充電拠点付近のバッテリ4の目標残容量は、予め設定もしくは推定された充電拠点での外部充電可能時間に応じて変更してもよい。例えば、充電拠点において充電を行える時間が少ない場合は目標残容量を多目にし、十分な充電時間が確保できる場合は少な目(必要最低値)にする。
ここで、図4は、アクセル操作量及び車速に応じた目標駆動力を予め定めたマップデータの一例である。図5は、充電拠点と車両間の距離に応じたバッテリ4の必要残容量を予め定めたマップデータの一例である。図6は、充電拠点の標高から車両の標高を減じた標高差に応じた必要残容量の補正量を予め定めたマップデータの一例である。
また、本実施形態では、ハイブリッド車の特徴である効率性や経済性、電動車両の特徴である運転性(ハイレスポンス等)を生かすために、エンジンや発電モータは比較的小型のもの、駆動用モータは比較的大型のものを想定している。
次に、図8に基づき、パワートレイン統合制御コントローラ14が行なう制御動作例を説明する。ここで、図8は、パワートレイン統合制御コントローラ14が行なう制御動作例を示すフローチャートである。図8に示す制御動作は特定の演算周期で実行される。
まず、ステップS100に移行して、ドライバーの加速意思としてのアクセル操作量をアクセルセンサ(ポテンショ)からの出力信号から計測して、ステップS102に移行する。
ここで、車速の計測は、実際には、別タイミングで計測された周波数または回転周期を本タイミングで車速に換算することで行う。
ステップS104では、パワートレイン統合制御コントローラ14を除く他のコントローラ10〜12から高速通信網を介して受信したデータを、受信バッファから読み取って、ステップS106に移行する。
ステップS106では、図4に示したマップデータを用いて、アクセル操作量と車速に見合った目標駆動力を算出すると共に、該算出した目標駆動力にタイヤ有効半径/減速比を含む定数を乗じて、駆動モータトルク指令値を算出して、ステップS108に移行する。
ステップS108では、ステップS104で受信した各種データとデータ記憶部に記憶されたデータとに基づき目標残容量(目標SOC)を算出して、ステップS110に移行する。
ステップS112に移行した場合は、エンジン1から受信した情報により、エンジン1が始動済か否かを判定し、始動済みである場合(Yes)は、ステップS116に移行し、未だ始動前である場合(No)は、ステップS120に移行する。
ステップS118では、バッテリ4の目標残容量と実際の残容量が一致するように、目標残容量と実際の残容量との偏差を用いた比例制御などのフィードバック制御演算を行い、エンジン1の出力(≒発電出力)を算出し、算出した発電出力を効率良く発電できる回転数Nを用いてエンジントルク指令値を算出して、ステップS124に移行する。
ステップS122では、高速通信網を用いて、エンジン1の始動を要求するフラグをエンジンコントローラ11に対して送信すると共に、エンジン1の始動に必要な吸入空気量・点火時期・燃料噴射量をエンジンコントローラ11に対して要求し、更に、上述の発電モータトルク指令値をモータ・ジェネレータコントローラ10に送信してエンジン1を始動し、ステップS116に移行する。
ステップS124では、高速通信網を用いて、ステップS106で算出した駆動モータトルク指令値、ステップS116で算出した発電モータトルク指令値、ステップS118で算出したエンジントルク指令値、ステップS114でセットしたエンジン停止・始動要求フラグを対応する他のコントローラ10〜13へそれぞれ送信して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
以上のようにして、パワートレイン統合制御コントローラ14の発電電力制御部143は、バッテリコントローラ12によって検出されたバッテリ4の残容量が常に目標残容量となるように発電モータ2を制御して発電モータ2でバッテリ4を充電することができる。
ここで、図9は、目標SOCの算出処理動作例の流れを示すフローチャートである。
ステップS108において目標SOCの算出処理が実行されると、図9に示すように、まずステップS200に移行し、必要エネルギ推定部140において、高速通信網を用いて、ナビゲーションコントローラ13から、車両の現在位置と充電拠点との位置関係(経路情報、距離情報、標高情報など)の情報を含む地図情報を取得して、ステップS202に移行する。
ステップS204では、必要エネルギ推定部140において、ステップS200で取得した地図情報、ステップS202で取得した算出用データ及び補正用データに基づいて、車両の現在地から充電拠点までの走行に必要なエネルギEを算出して、ステップS206に移行する。
ステップS208では、必要パワー推定部141において、高速通信網を用いて、各コントローラ10〜13から実際の車両の走行内容に係る情報である走行情報を取得して、ステップS210に移行する。
ステップS210では、必要パワー推定部141において、データ記憶部からステップS208で取得した走行情報に応じた補正用データ(補正比率K3)を取得して、ステップS212に移行する。
ステップS212では、必要パワー推定部141において、ステップS206で取得した最大パワーP2と、ステップS210で取得した補正用データ(K3)とから、上式(3)に従って、必要推定パワーPeを算出して、ステップS214に移行する。
具体的に、データ記憶部に記憶された図3に示す必要推定パワーPeに対する電池出力可能パワーの特性のデータに基づき、算出したパワーPeに対応する電池出力パワーを出力可能な最低のSOCを下限充電率SOCmとして選択し、該選択したSOCmを下限残容量として設定する。
ここで、上式(1)の特性から、走行最短距離が遠いほどエネルギEに相当する必要残容量は高くなり、走行最短距離が近いほどエネルギEに相当する必要残容量は低くなる。
具体的に、図7(a)に示すように、標準の要求パワーPrに対応する標準充電率SOCnでは、必要推定パワーPeの走行を実現するのに必要な電池出力パワーを取り出せないときに下限充電率SOCmを選択し、取り出せるときにSOCnを選択する。
ステップS220に移行した場合は、目標残容量設定部142において、目標SOCを標準充電率SOCnに決定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
本実施形態においては、図7(b)に示すように、目標SOCは、走行最短距離が遠いほど必要推定エネルギEに対して算出された標準充電率SOCnとなり、走行最短距離が近いほど必要推定パワーPeに基づき設定した下限充電率SOCmとなる。
以上のようにして、パワートレイン統合制御コントローラ14の目標残容量設定部142は、走行内容に応じて車両が実際の走行に必要なパワーPeを推定し、このパワーPeの走行で充電拠点まで到達可能な目標残容量を設定することができる。
図10(a)に示すように、特許文献1に記載された制御方法において、ナビゲーションによる経路検索により家51を出発地及び目的地として家51と会社52間を往復する経路が設定され、設定された経路から外れることなく設定経路に沿って家51と会社52間を往復する場合、図10(b)に示すように、目的地(充電拠点)に到着した際に所定の下限残容量(ゼロなど)を達成することができる。
更に、登坂路や高速道路が目的地までの経路に含まれていたり、スポーツ走行モード等の比較的大パワーが必要な走行モードが設定されていたりする場合などにおいて、これらを考慮しないため想定以上にエネルギを消費してしまう。そのため、走行途中でバッテリ4の残容量が不足し易くなり、エネルギ不足によるモータ走行の不能、運転性の悪化などが生じる恐れがある。
また、二点破線は、設定経路に沿って走行した場合の充電率の変化を示し、破線は、設定経路よりも近道の経路を走行した場合の充電率の変化を示し、一点鎖線は、設定経路よりも遠回りの経路を走行した場合の充電率の変化を示す。
一方、必要推定パワーPeが標準パワーPr以下の走行を行った場合は、充電拠点(家21)に到達した際には、バッテリ4の残容量は標準充電率SOCnの最低値である略最低SOCに相当する残容量(拠点到達時の目標値)となる。
以上説明したように、本発明の第1実施形態によれば以下の作用効果が得られる。
(1)必要エネルギ推定手段が、車両が現在地から充電拠点まで予め設定されたパワーで走行する為に必要なエネルギを推定する。必要パワー推定手段が、車両の実際の走行内容に係る情報に基づいて、前記車両の走行に必要なバッテリの出力パワーを推定する。目標残容量設定手段が、前記必要なエネルギの推定値に相当するバッテリ残容量に基づいてバッテリの残容量の目標値である目標残容量を設定する。目標残容量設定手段が、更に、前記必要なバッテリの出力パワーの推定値とバッテリのパワー出力特性とに基づいて目標残容量の下限残容量の設定を行う。発電電力制御手段が、残容量検出手段で検出したバッテリの残容量が、目標残容量となるように車両の発電手段を制御する。
これによって、バッテリ4の残容量の下限値が要求されたパワーに必要な残容量以下になることを起き難くすることができる。つまり、走行中にバッテリ4の充電率が低くなり過ぎて、要求パワーに対応する電池出力パワーを得られなくなることを発生し難くすることができる。従って、走行途中で加速性能が急に低下するなどの運転性が悪化するようなことを生じ難くすることができる。
これによって、登坂路や高速道路等の平坦な一般道以外を走行するときや、スポーツ走行モード等の標準のパワーよりも大きなパワーの走行モードで走行するようなときに、実際の車両の走行に必要なパワーをより正確に推定することができる。従って、運転者の要求するパワーを精度良く推定・把握することができるので、バッテリの残容量の下限残容量が要求されたパワーに必要な残容量以下になることを、より起き難くすることができる。
これにより、充電拠点と車両間に標高差があっても、予め定められた最低残容量までバッテリ4の電力を効率よく使用して充電拠点に到達できる。つまり、充電拠点に対する車両の標高が低い場合には、充電拠点に戻るためにより多くのエネルギ消費を必要とするため、必要推定エネルギEを増加方向に補正する。これにより、走行途中で残容量がゼロとなり走行性能が低下することを抑制できる。逆に充電拠点に対する車両の標高が高い場合には、車両が持つ位置エネルギによって充電拠点に戻るために必要なエネルギは少なくて済むため、必要推定エネルギEを減少方向に補正する。これにより、内燃機関が過剰な発電を行い、充電拠点に戻った際に残容量が所定の下限残容量よりも多く成りすぎることを抑制できる。よって、経済性や環境性に優れる外部充電(プラグイン充電)を十分に使用することができる。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づき説明する。図13〜図14は、本発明に係るバッテリ充電制御装置及びバッテリ充電制御方法の第2実施形態を示す図である。
(構成)
本実施形態は、上記第1実施形態の目標残容量設定部142において、必要推定パワーPeに加えて、温度計16から得られるバッテリ4の温度情報に基づき、バッテリ4の内部抵抗の変化によって変わる電池出力可能パワーを考慮してバッテリ残容量の下限残容量を設定する点が異なる。つまり、パワートレイン統合制御コントローラ14において行われる目標残容量の設定処理の内容が異なる。それ以外の構成は、上記第1実施形態と同様となる。ここで、温度計16は、バッテリ状態検出手段の一例である。
本実施形態において、本発明に係るバッテリ充電制御装置及びバッテリ充電制御方法を、上記第1実施形態と同様にプラグイン・シリーズ型ハイブリッド車両に適用する。そして、その概略構成は、上記第1実施形態の図1に示す概略構成と同様となる。更に、パワートレイン統合制御コントローラ14の機能構成についても、上記第1実施形態の図2に示す機能構成と同様となる。
本実施形態において、パワートレイン統合制御コントローラ14が行なう制御動作は、上記第1実施形態の図8に示すフローチャートに示す動作制御例と同様とする。
次に、図13に基づき、本実施形態のパワートレイン統合制御コントローラ14におけるステップS108の目標SOCの算出処理動作例について説明する。
ここで、図13は、本実施形態の目標SOCの算出処理動作例の流れを示すフローチャートである。
なお、ステップS300〜S312の処理は、上記第1実施形態の図9のフローチャートにおけるステップS200〜S212の処理と同様となるので説明を省略する。
ステップS314では、目標残容量設定部142において、高速通信網を用いて、温度計16からバッテリ4の温度情報を取得して、ステップS316に移行する。
ステップS316では、目標残容量設定部142において、ステップS312で算出した必要推定パワーPeと、ステップS314で取得した温度情報とに基づき下限充電率SOCmを設定して、ステップS318に移行する。
ここで、図14(a)は、バッテリ温度を考慮したバッテリ充電率の下限残容量の設定例を示す図であり、(b)は、バッテリの残容量と車両と充電拠点間の距離との関係の一例を示す図である。
以上のようにして、パワートレイン統合制御コントローラ14の目標残容量設定部142は、走行内容に応じて車両が実際の走行に必要なパワーPeを推定する。更に、このパワーPeとバッテリ4の温度と該温度に対応するマップデータとに基づき下限充電率SOCmを設定する。そして、この下限充電率SOCmによる下限制限処理を実行することで、冬場などにおいてバッテリ温度の低下による内部抵抗の変化があったとしても、必要推定パワーPeの走行で充電拠点まで到達可能な目標残容量を設定することができる。
以上説明したように、本発明の第2実施形態によれば以下の作用効果が得られる。
(1)バッテリ状態検出手段がバッテリの状態(例えば、バッテリ温度)を検出する。目標残容量設定手段が、検出したバッテリの状態(温度)がバッテリの出力パワーを低下させる状態であるときに、下限残容量(SOCm)を増加補正する。
これによって、走行中にバッテリの充電率が低くなり過ぎて、要求パワーに対応する電池出力パワーを得られなくなることを発生し難くすることができる。従って、走行途中で加速性能が急に低下するなどの運転性が悪化するようなことを生じ難くすることができる。
これによって、寒冷地などにおけるバッテリの温度低下や、経年劣化等のバッテリの劣化が要因で走行中にバッテリの充電率が低くなり過ぎて、要求パワーに対応する電池出力パワーを得られなくなることを発生し難くすることができる。従って、走行途中で加速性能が急に低下するなどの運転性が悪化するようなことを生じ難くすることができる。
なお、上記各実施形態において、本発明をプラグイン・シリーズ型のハイブリッド車両に適用する構成としたが、この構成に限らず、プラグイン・パラレル型のハイブリッド車両、パラレル型とシリーズ型とを合わせたプラグイン・スプリット型のハイブリッド車両など他の型式の車両に適用してもよい。
また、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
Claims (7)
- 電力を発電する発電手段と、
前記発電手段によって発電された電力と、充電拠点に設けられた充電器からの電力とを充電可能なバッテリと、
前記バッテリを前記充電拠点に設けられた充電器に電気的に接続するプラグと、
前記バッテリに蓄積された電力を用いて駆動輪を駆動する電動機とを備えた車両に用いられる、バッテリ充電制御装置であって、
前記バッテリに充電された電力の残容量を検出する残容量検出手段と、
前記車両が現在地から充電拠点まで予め設定されたパワーで走行する為に必要なエネルギを推定する必要エネルギ推定手段と、
前記車両の実際の走行内容に係る情報に基づいて、前記車両の走行に必要なバッテリの出力パワーを推定する必要パワー推定手段と、
前記必要エネルギ推定手段で推定した前記必要なエネルギの推定値に相当するバッテリ残容量に基づいて前記バッテリの残容量の目標値である目標残容量を設定する目標残容量設定手段と、
前記残容量検出手段で検出した前記バッテリの残容量が前記目標残容量となるように前記発電手段を制御する発電電力制御手段と、を備え、
前記目標残容量設定手段は、前記必要パワー推定手段で推定した前記必要なバッテリの出力パワーの推定値と前記バッテリの残容量と出力可能パワーとの関係であるパワー出力特性とに基づいて、前記目標残容量の下限容量である下限残容量を設定することを特徴とするバッテリ充電制御装置。 - 前記目標残容量設定手段は、前記必要なエネルギの推定値に基づいて求めた前記目標残容量が前記下限残容量よりも小さいと判定すると、前記下限残容量を前記目標残容量として設定することを特徴とする請求項1に記載のバッテリ充電制御装置。
- 前記走行内容に係る情報は、前記車両が走行中の走行路の情報、前記車両の操作内容の情報、前記車両の走行モードの設定内容の情報、及び前記車両が走行すると予想される走行路の情報のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバッテリ充電制御装置。
- 前記バッテリの状態を検出するバッテリ状態検出手段を更に備え、
前記目標残容量設定手段は、前記検出されたバッテリの状態が前記バッテリの出力パワーを低下させる状態であるときに前記下限残容量を増加補正することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のバッテリ充電制御装置。 - 前記バッテリの状態は、前記バッテリの温度状態及び前記バッテリの劣化状態の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項4に記載のバッテリ充電制御装置。
- 前記必要エネルギ推定手段は、充電拠点の標高よりも車両の標高が低い場合には前記必要エネルギを増加方向に補正し、充電拠点の標高よりも車両の標高が高い場合には前記必要エネルギを減少方向に補正することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のバッテリ充電制御装置。
- 電力を発電する発電手段と、
充電拠点に設けられた充電器に電気的に接続するプラグと、
前記発電手段によって発電された電力と、前記充電拠点に設けられた充電器からの電力とを充電可能なバッテリと、
前記バッテリに蓄積された電力を用いて駆動輪を駆動する電動機とを備えた車両に用いられる、バッテリ充電制御方法であって、
残容量検出手段に、前記バッテリに充電された電力の残容量を検出させる残容量検出ステップと、
必要エネルギ推定手段に、前記車両が現在地から充電拠点まで予め設定されたパワーで走行する為に必要なエネルギを推定させる必要エネルギ推定ステップと、
必要パワー推定手段に、前記車両の実際の走行内容に係る情報に基づいて、前記車両の走行に必要なバッテリの出力パワーを推定させる必要パワー推定ステップと、
目標残容量設定手段に、前記必要エネルギ推定ステップで推定した前記必要なエネルギの推定値に相当するバッテリ残容量に基づいて前記バッテリの残容量の目標値である目標残容量を設定させる目標残容量設定ステップと、
発電電力制御手段に、前記残容量検出ステップで検出された前記バッテリの残容量が前記目標残容量となるように前記発電手段を制御させる発電電力制御ステップと、を含み、
前記目標残容量設定ステップにおいては、前記必要パワー推定ステップで推定した前記必要なバッテリの出力パワーの推定値と前記バッテリの残容量と出力可能パワーとの関係であるパワー出力特性とに基づいて、設定する前記目標残容量の下限容量である下限残容量を設定することを特徴とするバッテリ充電制御方法。
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