JP2010183694A - 回転電機 - Google Patents

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敏行 吉澤
Masaya Inoue
正哉 井上
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正夫 守田
Hirokazu Akai
博和 赤井
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Abstract

【課題】この発明は、継鉄部の隣り合う爪状磁極部間に位置する部位に形成された谷部に永久磁石を安定して保持できる回転電機を得る。
【解決手段】第1永久磁石30が、両端を第1谷部25の内壁面の上部側の相対する部位に固着されて周方向に延在して第1谷部25に架設されている。第1永久磁石30は、S極を径方向外周面にもち、N極を周方向両端面にもつように着磁配向されている。また、第2永久磁石31が、両端を第2谷部26の内壁面の上部側の相対する部位に固着されて周方向に延在して第2谷部26に架設されている。第2永久磁石31は、N極を径方向外周面にもち、S極を周方向両端面にもつように着磁配向されている。
【選択図】図3

Description

この発明は、車両用交流発電機などの回転電機に関し、特に永久磁石を搭載したランデル型の回転子構造に関するものである。
ランデル型の回転子を用いる車両用交流発電機は、数十年にわたって自動車に使用されてきた。そして、近年の環境問題から車載される電装品の負荷が急増しており、ランデル型の回転子の発電量のより一層の増加が求められている。
このような状況を鑑み、ランデル型の回転子の周方向に隣り合う爪状磁極部間に永久磁石を配設した第1の従来の交流発電機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、永久磁石が継鉄部の爪状磁極部間に位置する周縁の取り付け表面に配置され、ストラップが永久磁石を覆うように配置されて釘により継鉄部に固着された第2の従来の交流発電機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
米国特許第4959577号明細書 特開2004−153994号公報
しかしながら、第1の従来の交流発電機では、永久磁石が周方向に隣り合う爪状磁極部間に配設されているので、高速回転時に、隣り合う爪状磁極部間に相対的な変位が生じ、永久磁石を長期的に安定して保持できないという課題があった。
一方、第2の従来の交流発電機では、永久磁石が継鉄部に配設されているので、隣り合う爪状磁極部間の相対的な変位が永久磁石に作用せず、永久磁石を長期的に安定して保持できる。
ここで、ランデル型の回転子鉄心を冷間鍛造製法により製造する場合、爪状磁極部相当部が継鉄部から径方向外方に延出する形状のコア体を冷間鍛造製法により成型した後、継鉄部から径方向外方に延出する爪状磁極部相当部を略直角に折り曲げて爪状磁極部を形成している。このとき、爪状磁極部の折り曲げ工程での歩留まりを高めるために、コア体の成型時に、継鉄部の隣り合う爪状磁極部間に位置する部位に谷部を同時に形成している。
しかし、第2の従来の交流発電機の回転子鉄心を冷間鍛造製法により製造する場合、継鉄部に谷部が形成されていないので、爪状磁極部の折り曲げ工程での歩留まりが低下してしまうという課題がある。
そこで、継鉄部の隣り合う爪状磁極部間に谷部を有する回転子鉄心の継鉄部側に永久磁石を保持させる場合、谷部を埋め込むように永久磁石を取り付けることが考えられる。この場合には、永久磁石の重量が過度に大きくなり、永久磁石に作用する遠心力が大きくなるので、永久磁石を安定して保持できなくなる。また、谷部を埋め込むように取り付けられた磁性材料からなる磁石保持部材に永久磁石を保持させることも考えられる。この場合には、磁石保持部材の重量が過度に大きくなり、磁石保持部材に作用する遠心力が大きくなるので、磁石保持部材を安定して保持できなくなり、永久磁石を安定して保持できなくなる。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、継鉄部の隣り合う爪状磁極部間に位置する部位に形成された谷部に永久磁石を安定して保持できる回転電機を得ることを目的とする。
この発明による回転電機は、ボス部、該ボス部の軸方向両端縁部から径方向外方に延設された一対の継鉄部、および該一対の継鉄部のそれぞれから交互に軸方向に延設され、噛み合って周方向に配列された複数の爪状磁極部を有し、内径側に湾曲した谷部が周方向に隣り合う上記爪状磁極部間のそれぞれの上記継鉄部の部位に形成され、上記ボス部の軸心位置に挿通された回転軸に固着されたポールコアと、上記ボス部、上記一対の継鉄部、および上記複数の爪状磁極部に囲まれた空間内に収納された界磁コイルと、を有する回転子と、上記回転子の外周を所定のエアギャップを介して囲繞して配設された固定子と、を備え、永久磁石が、両端を上記継鉄部に支持されて周方向に延在して上記谷部の少なくとも1つに架設されている。
この発明によれば、谷部が周方向に隣り合う爪状磁極部間のそれぞれの継鉄部の部位に形成されているので、爪状磁極部の折り曲げ工程での歩留まりが高められる。
また、永久磁石が両端を継鉄部に支持されて周方向に延在して谷部に架設されているので、永久磁石や磁石保持部材で谷部を埋め込む必要がなく、永久磁石の重量を少なくできる。これにより、高速回転時、永久磁石に作用する遠心力を小さくできる。さらに、高速回転時の隣り合う爪状磁極部間の相対的な変位が永久磁石に作用しない。そこで、永久磁石を長期的に安定して保持できる。
この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機を模式的に示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される回転子を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される回転子の永久磁石の実装状態を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機における磁束の流れを説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機における磁束の流れを説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機に適用される回転子の永久磁石の実装状態を示す図である。 この発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される回転子に実装される永久磁石の構成を説明する図である。 この発明の実施の形態4に係る車両用交流発電機に適用される回転子に実装される永久磁石の構成を説明する図である。 この発明の実施の形態5に係る車両用交流発電機に適用される回転子に実装される永久磁石の構成を説明する図である。 この発明の実施の形態6に係る車両用交流発電機に適用される回転子に実装される永久磁石の構成を説明する図である。 この発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機に適用される回転子に実装される永久磁石の構成を説明する図である。 この発明の実施の形態8に係る車両用交流発電機に適用される回転子の永久磁石の実装状態を示す図である。 この発明の実施の形態9に係る車両用交流発電機に適用される回転子に実装される永久磁石の構成を説明する図である。 この発明の実施の形態10に係る車両用交流発電機に適用される回転子に実装される磁束発生部材の構成を説明する図である。 この発明の実施の形態11に係る車両用交流発電機に適用される回転子に実装される永久磁石を示す一部破断斜視図である。 この発明の実施の形態12に係る車両用交流発電機に適用される回転子に実装される永久磁石に保護カバーを装着する方法を説明する図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機を模式的に示す断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される回転子を示す斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される回転子の永久磁石の実装状態を示す図であり、図3の(a)は回転子をフロント側から見た要部端面図、図3の(b)は回転子をリア側から見た要部端面図である。図4および図5はそれぞれこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機における磁束の流れを説明する図である。なお、図2中、回転軸およびファンが省略されている。
図1および図2において、車両用交流発電機1は、それぞれ略椀形状のアルミ製のフロントブラケット2とリヤブラケット3とからなるケース4と、回転軸16をケース4に軸受5を介して支持されて、ケース4内に回転自在に配設された回転子13と、ケース4のフロント側に延出する回転軸16の端部に固着されたプーリ6と、回転子13の軸方向の両端面に固定されたファン7と、回転子13に対して一定のエアギャップ29を有して、回転子13の外周を囲繞してケース4に固定された固定子10と、回転軸16のリヤ側に固定され、回転子13に電流を供給する一対のスリップリング8と、各スリップリング8に摺動するようにケース4内に配設された一対のブラシ9と、を備えている。なお、図示していないが、固定子10で生じた交流を直流に整流する整流器、固定子10で生じた交流電圧の大きさを調整する電圧調整器などがケース4内に配設されている。
固定子10は、円筒状の固定子鉄心11と、固定子鉄心11に巻装され、回転子13の回転に伴い、後述する界磁コイル14からの磁束の変化で交流が生じる固定子コイル12と、を備えている。
回転子13は、励磁電流が流されて磁束を発生する界磁コイル14と、界磁コイル14を覆うように設けられ、その磁束によって磁極が形成されるポールコア15と、ポールコア15の軸心位置に貫装された回転軸16と、を備えている。
ポールコア15は、それぞれ例えばS10Cなどの低炭素鋼で冷間鍛造製法により作製された第1および第2ポールコア体17,21に分割構成されている。
第1ポールコア体17は、外周面を円筒形状とし、回転軸挿通穴18aが軸心位置を貫通して形成された第1ボス部18と、第1ボス部18の一端縁部から径方向外側に延設された厚肉リング状の第1継鉄部19と、第1継鉄部19の外周部から軸方向他端側に延設された第1爪状磁極部20とを有している。第1爪状磁極部20は、その最外径面形状を略台形形状とし、周方向幅が先端側に向かって徐々に狭くなり、かつ、径方向厚みが先端側に向かって徐々に薄くなる先細り形状に形成され、第1継鉄部19の外周部に周方向に等角ピッチで例えば8つ配列されている。さらに、第1谷部25が第1継鉄部19の各隣り合う第1爪状磁極部20間に位置する部位に、例えば内径側に向かって凸状に湾曲したU字状に凹設されている。
第2ポールコア体21は、外周面を円筒形状とし、回転軸挿通穴22aが軸心位置を貫通して形成された第2ボス部22と、第2ボス部22の他端縁部から径方向外側に延設された厚肉リング状の第2継鉄部23と、第2継鉄部23の外周部から軸方向一端側に延設された第2爪状磁極部24とを有している。第2爪状磁極部24は、その最外径面形状を略台形形状とし、周方向幅が先端側に向かって徐々に狭くなり、かつ、径方向厚みが先端側に向かって徐々に薄くなる先細り形状に形成され、第2継鉄部23の外周部に周方向に等角ピッチで例えば8つ配列されている。さらに、第2谷部26が第2継鉄部23の各隣り合う第1爪状磁極部24間に位置する部位に、例えば内径側に向かって凸状に湾曲したU字状に凹設されている。
このように構成された第1および第2ポールコア体17,21は、第1および第2爪状磁極部20,24を交互に噛み合わせ、かつ、第1ボス部18の他端面を第2ボス部22の一端面に突き合わせ、回転軸挿通穴18a,22aに貫装された回転軸16に固着されている。そして、ボビン(図示せず)に巻装された界磁コイル14が、第1および第2ボス部18,22、第1および第2継鉄部19,23および第1および第2爪状磁極部20,24に囲まれた空間に装着されている。ここで、第1および第2ボス部18,22および第1および第2継鉄部19,23が、それぞれポールコア15のボス部および一対の継鉄部に相当する。また、軸方向において、第1および第2爪状磁極部20,24の先端側がそれぞれ第2および第1継鉄部23,19と重なっている。
第1永久磁石30は、例えば直方体のブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石であり、着磁配向方向40が図3の(a)に示されるように着磁配向された単一の極異方性磁石である。このように着磁配向された第1永久磁石30においては、S極が一側面の長さ方向の中央部に現れ、N極が長さ方向両端面および一側面に相対する側面に現れる。ここで、第1永久磁石30は、その一側面および長さ方向両端面に着目すれば、N極を長さ方向両端面にもち、S極を一側面の長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
この第1永久磁石30は、長さ方向の両端面を、第1ポールコア体17の各第1爪状磁極部20の根元側で、各第1谷部25の内壁面の上部側の相対する部位のそれぞれに接着剤を用いて固着されて配設されている。これにより、第1永久磁石30は、図3の(a)に示されるように、S極をもつ一側面を径方向外方に向けて、かつ長さ方向を周方向に延在させて、各第1谷部25の上部側に架設されている。そして、第1永久磁石30は、第1継鉄部19に磁気的に接続される。
第2永久磁石31は、例えば直方体のブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石であり、着磁配向方向40が図3の(b)に示されるように着磁配向された単一の極異方性磁石である。このように着磁配向された第2永久磁石31においては、N極が一側面の長さ方向の中央部に現れ、S極が長さ方向両端面および一側面に相対する側面に現れる。ここで、第2永久磁石31は、その一側面および長さ方向両端面に着目すれば、S極を長さ方向両端面にもち、N極を一側面の長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
この第2永久磁石31は、長さ方向の両端面を、第2ポールコア体21の各第2爪状磁極部24の根元側で、各第2谷部26の内壁面の上部側の相対する部位のそれぞれに接着剤を用いて固着されて配設されている。これにより、第2永久磁石31は、図3の(b)に示されるように、N極をもつ一側面を径方向外方に向けて、かつ長さ方向を周方向に延在させて、各第2谷部26の上部側に架設されている。そして、第2永久磁石31は、第2継鉄部23に磁気的に接続される。
そして、第1および第2ポールコア体17,21を一体に組み立てたとき、第1永久磁石30の一側面の長さ方向、すなわち周方向の中央部が、第2爪状磁極部24の先端側内周面と所定の隙間をあけて相対している。また、第2永久磁石31の一側面の長さ方向、すなわち周方向の中央部が、第1爪状磁極部20の先端側内周面と所定の隙間をあけて相対している。さらに、第1および第2永久磁石30,31は、着磁配向方向40が、界磁コイル14を流れる界磁電流が回転子13の軸心と直交する平面において作る磁界41の向きと反対となるように着磁配向されている。なお、界磁コイル14を流れる界磁電流が作る磁界41の向きが反転した設計の場合には、第1および第2永久磁石30,31も逆向きに着磁配向される。
つぎに、このように構成された車両用交流発電機1の動作について説明する。
まず、電流がバッテリ(図示せず)からブラシ9およびスリップリング8を介して回転子13の界磁コイル14に供給され、磁束が発生される。この磁束により、第1ポールコア体17の第1爪状磁極部20がN極に磁化され、第2ポールコア体21の第2爪状磁極部24がS極に磁化される。
一方、エンジンの回転トルクがベルト(図示せず)およびプーリ6を介して回転軸16に伝達され、回転子13が回転される。そこで、回転磁界が固定子10の固定子コイル12に与えられ、起電力が固定子コイル12に発生する。この交流の起電力が、整流器で直流電流に整流され、バッテリが充電され、或いは電気負荷に供給される。
つぎに、磁束の動作について図4および図5を参照しつつ説明する。
まず、界磁コイル14に通電されると、磁束42aが発生される。この磁束42aは、第1爪状磁極部20からエアギャップ29を通って固定子鉄心11のティース部に入る。そして、磁束42aは、固定子鉄心11のティース部からコアバック部を通って周方向に移動し、隣の第2爪状磁極部24に対向するティース部からエアギャップ29を通ってその第2爪状磁極部24に入る。ついで、第2爪状磁極部24に入った磁束42aは、第2継鉄部23、第2ボス部22、第1ボス部18、第1継鉄部19を通って第1爪状磁極部20に至る。ここで、従来のランデル型回転子では、第1および第2ポールコア体は限界設計されているので、界磁コイルの発生する磁界により磁気飽和し、回転子で発生する磁束が減少してしまう。
この実施の形態1では、第1および第2永久磁石30,31は、界磁コイル14の発生する磁界41の向きと反対となるように着磁配向されている。そこで、第1および第2永久磁石30,31の発生する磁界の向きは、界磁コイル14の発生する磁界41と逆向きである。この第1および第2永久磁石30,31から発生した磁束42bが固定子鉄心11に鎖交するには、大きな磁気抵抗をもつエアギャップ29を往復する必要がある。また、第1および第2永久磁石30,31は、第2および第1爪状磁極部24,20の内径側に配設されており、第1および第2爪状磁極部20,24の内周面側に対してより短い磁路長で周回するように配設されている。そこで、磁束42bの大部分が、固定子鉄心11に迂回することなく、回転子13内部で閉じた磁気回路を形成する。
つまり、第1永久磁石30は、N極を長さ方向両端面にもち、S極を一側面の長さ方向の中央部にもつように着磁配向されているので、第1永久磁石30から発生する磁束42bは、第1永久磁石30の周方向両端から第1継鉄部19に入り、第1ボス部18、第2ボス部22、第2継鉄部23および第2爪状磁極部24を通り、第1永久磁石30に戻る。また、第2永久磁石31は、S極を長さ方向両端面にもち、N極を一側面の長さ方向の中央部にもつように着磁配向されているので、第2永久磁石31から発生する磁束42bは、隙間を介して第1爪状磁極部20に入り、第1継鉄部19、第1ボス部18、第2ボス部22を経て、第2継鉄部23に入る。第2継鉄部23に入った磁束42bは、第2継鉄部23の第2谷部26の両側を上方に流れ、第2永久磁石31の両端から第2永久磁石に戻る。
そこで、第1および第2永久磁石30,31の発生する磁束42bは、界磁コイル14の発生する磁束42aと逆向きとなり、第1および第2ポールコア体17,21を構成する磁性体の磁束密度を大幅に低減することができ、磁気飽和を解消することができる。これにより、特に、磁気飽和が顕著な低速アイドリング域での発電量を大幅に増大できる。
この実施の形態1によれば、第1および第2谷部25,26が、第1および第2ポールコア体17,21の周方向に隣り合う第1および第2爪状磁極部20,24の間の第1および第2継鉄部19,23の部位に形成されているので、第1および第2ポールコア体17,21を冷間鍛造製法により製造する際に、第1および第2爪状磁極部20,24の折り曲げ工程での歩留まりが高められる。
また、第1および第2永久磁石30,31が第1および第2谷部25,26の上部側に架設されているので、第1および第2永久磁石30,31を構成する永久磁石量が少なくなり、低価格化が図られる。また、第1および第2永久磁石30,31の重量が少なくなるので、回転子13の高速回転時に、第1および第2永久磁石30,31に作用する遠心力が小さくなり、第1および第2永久磁石30,31を長期的に安定して保持することができる。
また、第1永久磁石30が、N極を長さ方向両端面にもち、S極を一側面の長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈するので、第1永久磁石30を第1谷部25の上部側に架設しても、第1永久磁石30の磁束は長さ方向両端面から第1継鉄部19に流れる。そこで、第1永久磁石30あるいは磁性材料を第1谷部25に埋め込む必要がない。
また、第2永久磁石31が、S極を長さ方向両端面にもち、N極を一側面の長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈するので、第2永久磁石31を第2谷部26の上部側に架設しても、第2永久磁石31の磁束は第2継鉄部23から第2永久磁石31の長さ方向両端面を通って第2永久磁石31に戻る。そこで、第2永久磁石31あるいは磁性材料を第2谷部26に埋め込む必要がない。
これにより、第1および第2永久磁石30,31の重量を少なくでき、回転子13の高速回転時に、第1および第2永久磁石30,31に作用する遠心力が小さくなり、第1および第2永久磁石30,31を長期的に安定して保持することができる。
また、第1および第2永久磁石30,31が、第2および第1爪状磁極部24,20の先端側の内周面に対向するように配設されているので、第1および第2永久磁石30,31は、回転子13の最外周面に対して径方向内方に位置している。そこで、固定子スロット高調波は第1および第2爪状磁極部20,24の最外周面部に留まり、第1および第2永久磁石30,31を直接誘導加熱するように作用しない。その結果、第1および第2永久磁石30,31が加熱されて、熱減磁することが未然に防止される。
また、第1および第2永久磁石30,31が、第2および第1爪状磁極部24,20の先端側の内周面に対向するように配設されているので、第1および第2永久磁石30,31の磁気回路が回転子内部で閉じた磁気回路となり、固定子10に鎖交する磁束成分がなくなる。そこで、無負荷無励磁における第1および第2永久磁石30,31の誘起電圧の発生が抑制される。その結果、第1および第2永久磁石30,31の永久磁石量を増大させることができる。
なお、上記実施の形態1では、着磁配向されている第1および第2永久磁石が第1および第2谷部に架設されているものとしているが、配向された未着磁の第1および第2永久磁石を第1および第2谷部に架設した後、着磁するようにしてもよい。この場合、組立時に鉄粉などの存在に注意を払う必要がなく、第1および第2永久磁石の取り扱いが容易となる。また、着磁されている第1および第2永久磁石を第1および第2谷部に架設する場合には、非磁性の組立工具が必要となるが、未着磁の第1および第2永久磁石を第1および第2谷部に架設する場合には、組立工具を選択する必要がなく、組立性が向上される。さらに、第1および第2谷部に架設された未着磁の第1および第2永久磁石が配向されているので、第1および第2谷部に架設された第1および第2永久磁石の着磁工程が簡易となる。
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機に適用される回転子の永久磁石の実装状態を示す図であり、図6の(a)は回転子をフロント側から見た要部端面図、図6の(b)は回転子をリア側から見た要部端面図である。
この実施の形態2では、第1永久磁石30Aは、断面矩形の弧状のブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石であり、着磁配向方向40が図6の(a)に示されるように着磁配向された単一の極異方性磁石である。このように着磁配向された第1永久磁石30Aにおいては、S極が一側面の長さ方向の中央部に現れ、N極が長さ方向両端面および一側面に相対する側面に現れる。ここで、第1永久磁石30Aは、その一側面および長さ方向両端面に着目すれば、N極を長さ方向両端面にもち、S極を一側面の長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
第1永久磁石30Aは、周方向の両端面を、第1ポールコア体17の各第1爪状磁極部20の根元側で、各第1谷部25の内壁面の上部側の相対する部位のそれぞれに接着剤を用いて固着されて配設されている。これにより、第1永久磁石30は、図6の(a)に示されるように、S極をもつ外周面を径方向外方に向けて、かつ周方向に延在して、各第1谷部25の上部側に架設されている。そして、第1永久磁石30Aは、第1継鉄部19に磁気的に接続される。
第2永久磁石31Aは、断面矩形の弧状のブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石であり、着磁配向方向40が図6の(b)に示されるように着磁配向された単一の極異方性磁石である。このように着磁配向された第2永久磁石31Aにおいては、N極が一側面の長さ方向の中央部に現れ、S極が長さ方向両端面および一側面に相対する側面に現れる。ここで、第2永久磁石31Aは、その一側面および長さ方向両端面に着目すれば、S極を長さ方向両端面にもち、N極を一側面の長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
第2永久磁石31Aは、周方向の両端面を、第2ポールコア体21の各第2爪状磁極部24の根元側で、各第2谷部26の内壁面の上部側の相対する部位のそれぞれに接着剤を用いて固着されて配設されている。これにより、第2永久磁石31Aは、図6の(b)に示されるように、N極をもつ外周面を径方向外方に向けて、かつ周方向に延在して、各第2谷部26の上部側に架設されている。そして、第2永久磁石31Aは、第2継鉄部23に磁気的に接続される。
この実施の形態2では、第1および第2永久磁石30,31に代えて第1および第2永久磁石30A,31Aを用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。そこで、この実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、この実施の形態2によれば、第1および第2永久磁石30A,31Aが断面矩形の弧状のブロックに作製されている。そこで、製作しやすい極異方性リング磁石から切り出して第1および第2永久磁石30A,31Aを得ることができるので、第1および第2永久磁石30A,31Aを安価に作製できる。
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される回転子に実装される永久磁石の構成を説明する図であり、図7の(a)は第1永久磁石を示し、図7の(b)は第2永久磁石を示している。
第1永久磁石30Bは、直方体のブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石からなる3つの永久磁石体50a〜50cを1列に配列して接着剤により固着して構成されている。そして、永久磁石体50aは長さ方向の中央に配置され、着磁配向方向40が第1永久磁石30Bの側面30aに対して直交し、かつ側面30aから側面30aと相対する側面30bに向かう方向となるように着磁配向されている。また、永久磁石体50aの両側に配置される永久磁石体50b,50cは、着磁配向方向40が側面30aから側面30bに向かうにつれ永久磁石体50aから離れる方向となるように着磁配向されている。
そこで、3つの永久磁石体50a〜50cを1列に配列して構成された第1永久磁石30Bは、S極が側面30aの長さ方向の中央部に現れ、N極が長さ方向両端面30c,30dおよび側面30aに相対する側面30bに現れる。ここで、第1永久磁石30Bは、その側面30aおよび長さ方向両端面30c,30dに着目すれば、図7の(a)に示されるように、N極を長さ方向両端面30c,30dにもち、S極を側面30aの長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
第2永久磁石31Bは、直方体のブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石からなる3つの永久磁石体51a〜51cを1列に配列して接着剤により固着して構成されている。そして、永久磁石体51aは長さ方向の中央に配置され、着磁配向方向40が第2永久磁石31Bの側面31aに対して直交し、かつ側面31aと相対する側面31bから側面31aに向かう方向となるように着磁配向されている。また、永久磁石体51aの両側に配置される永久磁石体51b,51cは、着磁配向方向40が側面31bから側面31aに向かうにつれ永久磁石体51aに近づく方向となるように着磁配向されている。
そこで、3つの永久磁石体51a〜51cを1列に配列して構成された第2永久磁石31Bは、N極が側面31aの長さ方向の中央部に現れ、S極が長さ方向両端面31c,31dおよび側面31aに相対する側面31bに現れる。ここで、第2永久磁石31Bは、その側面31aおよび長さ方向両端面31c,31dに着目すれば、図7の(b)に示されるように、S極を長さ方向両端面31c,31dにもち、N極を側面31aの長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
このように構成された第1永久磁石30Bは、図示していないが、側面30aを径方向外方に向けて、両端面30c、30dを第1谷部25の内壁面に接着固定し、周方向に延在して、第1谷部25の上部側に架設される。同様に、第2永久磁石31Bは、図示していないが、側面31aを径方向外方に向けて、両端面31c、31dを第2谷部26の内壁面に接着固定し、周方向に延在して、第2谷部26の上部側に架設される。
なお、この実施の形態3では、第1および第2永久磁石30,31に代えて第1および第2永久磁石30B,31Bを用いている点を除いて上記実施の形態1と同様に構成されている。
従って、この実施の形態3においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、この実施の形態3では、第1および第2永久磁石30B,31Bがそれぞれ単一方向に磁化配向された3つの永久磁石体50a〜50c,51a〜51cを1列に配列して構成されている。そこで、単一の磁石を極異方性配向させる複雑な着磁配向工程が不要となり、極異方性を呈する第1および第2永久磁石30B,31Bを簡易に、安価に作製できる。
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4に係る車両用交流発電機に適用される回転子に実装される永久磁石の構成を説明する図であり、図8の(a)は第1永久磁石を示し、図8の(b)は第2永久磁石を示している。
第1永久磁石30Cは、直方体のブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石からなる3つの永久磁石体52a〜52cを1列に配列して接着剤により固着して構成されている。そして、永久磁石体52aは長さ方向の中央に配置され、着磁配向方向40が第1永久磁石30Cの側面30aに対して直交し、かつ側面30aから側面30aと相対する側面30bに向かう方向となるように着磁配向されている。また、永久磁石体52aの両側に配置される永久磁石体52b,52cは、着磁配向方向40が側面30aと平行に、かつ永久磁石体52aから離れる方向となるように着磁配向されている。
そこで、3つの永久磁石体52a〜52cを1列に配列して構成された第1永久磁石30Cは、S極が側面30aの長さ方向の中央部に現れ、N極が長さ方向両端面30c,30dおよび側面30aに相対する側面30bの長さ方向の中央部に現れる。ここで、第1永久磁石30Cは、その側面30aおよび長さ方向両端面30c,30dに着目すれば、図8の(a)に示されるように、N極を長さ方向両端面30c、30dにもち、S極を側面30aの長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
第2永久磁石31Cは、直方体のブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石からなる3つの永久磁石体53a〜53cを1列に配列して接着剤により固着して構成されている。そして、永久磁石体53aは長さ方向の中央に配置され、着磁配向方向40が第2永久磁石31Cの側面31aに対して直交し、かつ側面31aと相対する側面31bから側面31aに向かう方向となるように着磁配向されている。また、永久磁石体53aの両側に配置される永久磁石体53b,53cは、着磁配向方向40が側面31aと平行に、かつ永久磁石体53aに近づく方向となるように着磁配向されている。
そこで、3つの永久磁石体53a〜53cを1列に配列して構成された第2永久磁石31Cは、N極が側面31aの長さ方向の中央部に現れ、S極が長さ方向両端面31c,31dおよび側面31aに相対する側面31bに現れる。ここで、第2永久磁石31Cは、その側面31aおよび長さ方向両端面31c,31dに着目すれば、図8の(b)に示されるように、S極を長さ方向両端面31c,31dにもち、N極を側面31aの長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
このように構成された第1永久磁石30Cは、図示していないが、側面30aを径方向外方に向けて、両端面30c、30dを第1谷部25の内壁面に接着固定し、周方向に延在して、第1谷部25の上部側に架設される。同様に、第2永久磁石31Cは、図示していないが、側面31aを径方向外方に向けて、両端面31c、31dを第2谷部26の内壁面に接着固定し、周方向に延在して、第2谷部26の上部側に架設される。
なお、この実施の形態4では、第1および第2永久磁石30B,31Bに代えて第1および第2永久磁石30C,31Cを用いている点を除いて上記実施の形態3と同様に構成されている。
従って、この実施の形態4においても、上記実施の形態3と同様の効果が得られる。
また、この実施の形態4では、第1および第2永久磁石30C,31Cを構成する永久磁石体50a〜50c,501a〜51cのそれぞれが着磁配向方向40を側面30a,31aと直交、あるいは平行とするように着磁配向されているので、永久磁石体50a〜50c,501a〜51cをより簡易に着磁配向でき、第1および第2永久磁石30B,31Bを安価に作製できる。
実施の形態5.
図9はこの発明の実施の形態5に係る車両用交流発電機に適用される回転子に実装される永久磁石の構成を説明する図であり、図9の(a)は第1永久磁石を示し、図9の(b)は第2永久磁石を示している。
第1永久磁石30Dは、直方体のブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石からなる2つの永久磁石体54a,54bを1列に配列して接着剤により固着して構成されている。そして、永久磁石体54a,54bは、着磁配向方向40が側面30aから側面30bに向かって、永久磁石体54a,54bの接合面から離れる方向となるように着磁配向されている。そこで、2つの永久磁石体54a,54bを1列に配列して構成された第1永久磁石30Dは、S極が側面30aの長さ方向の中央部に現れ、N極が長さ方向両端面30c,30dおよび側面30aに相対する側面30bの長さ方向の中央部に現れる。ここで、第1永久磁石30Dは、その側面30aおよび長さ方向両端面30c,30dに着目すれば、図9の(a)に示されるように、N極を長さ方向両端面30c、30dにもち、S極を側面30aの長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
第2永久磁石31Dは、直方体のブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石からなる2つの永久磁石体55a,55bを1列に配列して接着剤により固着して構成されている。そして、永久磁石体55a,55bは、着磁配向方向40が側面31bから側面31aに向かって、永久磁石体55a,55bの接合面に近づく方向となるように着磁配向されている。そこで、2つの永久磁石体55a,55bを1列に配列して構成された第2永久磁石31Dは、N極が側面31aの長さ方向の中央部に現れ、S極が長さ方向両端面31c,31dおよび側面31aに相対する側面31bに現れる。ここで、第2永久磁石31Dは、その側面31aおよび長さ方向両端面31c,31dに着目すれば、図9の(b)に示されるように、S極を長さ方向両端面31c,31dにもち、N極を側面31aの長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
このように構成された第1永久磁石30Dは、図示していないが、側面30aを径方向外方に向けて、両端面30c、30dを第1谷部25の内壁面に接着固定し、周方向に延在して、第1谷部25の上部側に架設される。同様に、第2永久磁石31Dは、図示していないが、側面31aを径方向外方に向けて、両端面31c、31dを第2谷部26の内壁面に接着固定し、周方向に延在して、第2谷部26の上部側に架設される。
なお、この実施の形態5では、第1および第2永久磁石30,31に代えて第1および第2永久磁石30D,31Dを用いている点を除いて上記実施の形態1と同様に構成されている。
従って、この実施の形態5においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、この実施の形態5では、第1および第2永久磁石30D,31Dがそれぞれ単一方向に磁化配向された2つの永久磁石体54a,54b,55a,55bを1列に配列して構成されているので、単一の磁石を極異方性配向させる複雑な着磁配向工程が不要となり、極異方性を呈する第1および第2永久磁石30D,31Dを簡易に、安価に作製できる。
実施の形態6.
図10はこの発明の実施の形態6に係る車両用交流発電機に適用される回転子に実装される永久磁石の構成を説明する図であり、図10の(a)は第1永久磁石を示し、図10の(b)は第2永久磁石を示している。
第1永久磁石30Eは、直方体のブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石からなる2つの永久磁石体56a,56bを1列に配列して接着剤により固着して構成されている。そして、永久磁石体56a,56bは、着磁配向方向40が側面30aと平行に、永久磁石体56a,56bの接合面から離れる方向となるように着磁配向されている。そこで、2つの永久磁石体56a,56bを1列に配列して構成された第1永久磁石30Eは、S極が相対する両側面30a,30bの長さ方向の中央部に現れ、N極が長さ方向両端面30c,30dに現れる。つまり、第1永久磁石30Eは、その側面30aおよび長さ方向両端面30c,30dに着目すれば、図10の(a)に示されるように、N極を長さ方向両端面30c,30dにもち、S極を側面30aの長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
第2永久磁石31Eは、直方体のブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石からなる2つの永久磁石体57a,57bを1列に配列して接着剤により固着して構成されている。そして、永久磁石体57a,57bは、着磁配向方向40が側面30aと平行に、かつ永久磁石体57a,57bの接合面から離反する方向となるように着磁配向されている。そこで、2つの永久磁石体57a,57bを1列に配列して構成された第2永久磁石31Eは、N極が相対する両側面31a,31bの長さ方向の中央部に現れ、S極が長さ方向両端面31c,31dに現れる。つまり、第2永久磁石31Eは、その側面31aおよび長さ方向両端面31c,31dに着目すれば、図10の(b)に示されるように、S極を長さ方向両端面31c,31dにもち、N極を側面31aの長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
このように構成された第1永久磁石30Eは、図示していないが、側面30aを径方向外方に向けて、両端面30c、30dを第1谷部25の内壁面に接着固定し、周方向に延在して、第1谷部25の上部側に架設される。同様に、第2永久磁石31Eは、図示していないが、側面31aを径方向外方に向けて、両端面31c、31dを第2谷部26の内壁面に接着固定し、周方向に延在して、第2谷部26の上部側に架設される。
なお、この実施の形態6では、第1および第2永久磁石30D,31Dに代えて第1および第2永久磁石30E,31Eを用いている点を除いて上記実施の形態5と同様に構成されている。
従って、この実施の形態6においても、上記実施の形態5と同様の効果が得られる。
また、この実施の形態6では、第1および第2永久磁石30E,31Eを構成する永久磁石体56a,56b,57a,57bのそれぞれが着磁配向方向40を側面30a,31aと平行とするように着磁配向されているので、永久磁石体56a,56b,57a,57bをより簡易に着磁配向でき、第1および第2永久磁石30E,31Eを安価に作製できる。
実施の形態7.
図11はこの発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機に適用される回転子に実装される永久磁石の構成を説明する図であり、図11の(a)は第1永久磁石を示し、図11の(b)は第2永久磁石を示している。
第1永久磁石30Fは、直方体のブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石からなる4つの永久磁石体58a〜58dを1列に配列して接着剤により固着して構成されている。そして、永久磁石体58a〜58dは、着磁配向方向40が側面30aから側面30bに向かって、永久磁石体58a,58bの接合面から離れる方向となるように着磁配向されている。そして、長さ方向の両側に配置される永久磁石体58c,58dの着磁配向方向40の傾きが、長さ方向の中央側に配置される永久磁石体58a,58bの着磁配向方向40の傾きより緩やかになっている。
そこで、4つの永久磁石体58a〜58dを1列に配列して構成された第1永久磁石30Fは、S極が側面30aの長さ方向の中央部に現れ、N極が長さ方向両端面30c,30dおよび側面30aに相対する側面30bの長さ方向の中央部に現れる。ここで、第1永久磁石30Fは、その側面30aおよび長さ方向両端面30c,30dに着目すれば、図11の(a)に示されるように、N極を長さ方向両端面30c、30dにもち、S極を側面30aの長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
第2永久磁石31Fは、直方体のブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石からなる4つの永久磁石体59a〜59dを1列に配列して接着剤により固着して構成されている。そして、永久磁石体59a〜59dは、着磁配向方向40が側面31bから側面31aに向かって、永久磁石体59a,59bの接合面に近づく方向となるように着磁配向されている。そして、長さ方向の両側に配置される永久磁石体59c,59dの着磁配向方向40の傾きが、長さ方向の中央側に配置される永久磁石体59a,59bの着磁配向方向40の傾きより緩やかになっている。
そこで、4つの永久磁石体59a〜59dを1列に配列して構成された第2永久磁石31Fは、N極が側面31aの長さ方向の中央部に現れ、S極が長さ方向両端面31c,31dおよび側面31aに相対する側面31bに現れる。ここで、第2永久磁石31Fは、その側面31aおよび長さ方向両端面31c,31dに着目すれば、図11の(b)に示されるように、S極を長さ方向両端面31c,31dにもち、N極を側面31aの長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
このように構成された第1永久磁石30Fは、図示していないが、側面30aを径方向外方に向けて、両端面30c、30dを第1谷部25の内壁面に接着固定し、周方向に延在して、第1谷部25の上部側に架設される。同様に、第2永久磁石31Fは、図示していないが、側面31aを径方向外方に向けて、両端面31c、31dを第2谷部26の内壁面に接着固定し、周方向に延在して、第2谷部26の上部側に架設される。
なお、この実施の形態7では、第1および第2永久磁石30,31に代えて第1および第2永久磁石30F,31Fを用いている点を除いて上記実施の形態1と同様に構成されている。
従って、この実施の形態7においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、この実施の形態7では、第1および第2永久磁石30F,31Fがそれぞれ単一方向に磁化配向された4つの永久磁石体58a〜58d,59a〜59dを1列に配列して構成されているので、単一の磁石を極異方性配向させる複雑な着磁配向工程が不要となり、極異方性を呈する第1および第2永久磁石30F,31Fを簡易に、安価に作製できる。
実施の形態8.
図12はこの発明の実施の形態8に係る車両用交流発電機に適用される回転子に実装される永久磁石の構成を説明する図であり、図12の(a)は第1永久磁石を示し、図12の(b)は第2永久磁石を示している。
第1永久磁石30Gは、直方体のブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石からなる5つの永久磁石体60a〜60eを1列に配列して接着剤により固着して構成されている。そして、長さ方向の中央に配置される永久磁石体60aは、着磁配向方向40が側面30aに対して直交し、かつ側面30aから側面30bに向かう方向となるように着磁配向されている。また、永久磁石体60aの両側に配置される永久磁石体60b,60cは、着磁配向方向40が側面30aから側面30bに向かって、永久磁石体60aから離れる方向となるように着磁配向されている。さらに、長さ方向の両側に配置される永久磁石体60d,60eは、着磁配向方向40が側面30aから側面30bに向かって、永久磁石体60b,60cから離れる方向となるように、かつその傾きが永久磁石体60b,60cの着磁配向方向40の傾きより緩やかになるように着磁配向されている。
そこで、5つの永久磁石体60a〜60eを1列に配列して構成された第1永久磁石30Gは、S極が側面30aの長さ方向の中央部に現れ、N極が長さ方向両端面30c,30dおよび側面30aに相対する側面30bの長さ方向の中央部に現れる。ここで、第1永久磁石30Gは、その側面30aおよび長さ方向両端面30c,30dに着目すれば、図12の(a)に示されるように、N極を長さ方向両端面30c、30dにもち、S極を側面30aの長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
第2永久磁石31Gは、直方体のブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石からなる5つの永久磁石体61a〜61eを1列に配列して接着剤により固着して構成されている。そして、長さ方向の中央に配置される永久磁石体61aは、着磁配向方向40が側面31aに対して直交し、かつ側面31bから側面31aに向かう方向となるように着磁配向されている。また、永久磁石体61aの両側に配置される永久磁石体61b,61cは、着磁配向方向40が側面31bから側面31aに向かって、永久磁石体61aに近づく方向となるように着磁配向されている。さらに、長さ方向の両側に配置される永久磁石体61d,61eは、着磁配向方向40が側面31bから側面31aに向かって、永久磁石体61b,61cに近づく方向となるように、かつその傾きが永久磁石体61b,61cの着磁配向方向40の傾きより緩やかになるように着磁配向されている。
そこで、5つの永久磁石体61a〜61eを1列に配列して構成された第2永久磁石31Gは、N極が側面31aの長さ方向の中央部に現れ、S極が長さ方向両端面31c,31dおよび側面31aに相対する側面31bに現れる。ここで、第2永久磁石31Gは、その側面31aおよび長さ方向両端面31c,31dに着目すれば、図12の(b)に示されるように、S極を長さ方向両端面31c,31dにもち、N極を側面31aの長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
このように構成された第1永久磁石30Gは、図示していないが、側面30aを径方向外方に向けて、両端面30c、30dを第1谷部25の内壁面に接着固定し、周方向に延在して、第1谷部25の上部側に架設される。同様に、第2永久磁石31Gは、図示していないが、側面31aを径方向外方に向けて、両端面31c、31dを第2谷部26の内壁面に接着固定し、周方向に延在して、第2谷部26の上部側に架設される。
なお、この実施の形態8では、第1および第2永久磁石30F,31Fに代えて第1および第2永久磁石30G,31Gを用いている点を除いて上記実施の形態7と同様に構成されている。
従って、この実施の形態8においても、上記実施の形態7と同様の効果が得られる。
実施の形態9.
図13はこの発明の実施の形態9に係る車両用交流発電機に適用される回転子に実装される永久磁石の構成を説明する図であり、図13の(a)は第1永久磁石を示し、図13の(b)は第2永久磁石を示している。
第1永久磁石30Hは、直方体のブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石からなる5つの永久磁石体62a〜62eを1列に配列して接着剤により固着して構成されている。そして、長さ方向の中央に配置される永久磁石体62aは、着磁配向方向40が側面30aに対して直交し、かつ側面30aから側面30bに向かう方向となるように着磁配向されている。また、永久磁石体62aの両側に配置される永久磁石体62b,62cは、着磁配向方向40が側面30aから側面30bに向かって、永久磁石体62aから離れる方向となるように着磁配向されている。さらに、長さ方向の両側に配置される永久磁石体62d,62eは、着磁配向方向40が側面30aと平行に、かつ永久磁石体62b,62cから離れる方向となるように着磁配向されている。
そこで、5つの永久磁石体62a〜62eを1列に配列して構成された第1永久磁石30Hは、S極が側面30aの長さ方向の中央部に現れ、N極が長さ方向両端面30c,30dおよび側面30aに相対する側面30bの長さ方向の中央部に現れる。ここで、第1永久磁石30Hは、その側面30aおよび長さ方向両端面30c,30dに着目すれば、図13の(a)に示されるように、N極を長さ方向両端面30c、30dにもち、S極を側面30aの長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
第2永久磁石31Hは、直方体のブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石からなる5つの永久磁石体63a〜63eを1列に配列して接着剤により固着して構成されている。そして、長さ方向の中央に配置される永久磁石体63aは、着磁配向方向40が側面31aに対して直交し、かつ側面31bから側面31aに向かう方向となるように着磁配向されている。また、永久磁石体63aの両側に配置される永久磁石体63b,63cは、着磁配向方向40が側面31bから側面31aに向かって、永久磁石体63aに近づく方向となるように着磁配向されている。さらに、長さ方向の両側に配置される永久磁石体63d,63eは、着磁配向方向40が側面31aと平行に、かつ永久磁石体63b,63cに近づく方向となるように着磁配向されている。
そこで、5つの永久磁石体63a〜63eを1列に配列して構成された第2永久磁石31Hは、N極が側面31aの長さ方向の中央部に現れ、S極が長さ方向両端面31c,31dおよび側面31aに相対する側面31bに現れる。ここで、第2永久磁石31Hは、その側面31aおよび長さ方向両端面31c,31dに着目すれば、図13の(b)に示されるように、S極を長さ方向両端面31c,31dにもち、N極を側面31aの長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
このように構成された第1永久磁石30Hは、図示していないが、側面30aを径方向外方に向けて、両端面30c、30dを第1谷部25の内壁面に接着固定し、周方向に延在して、第1谷部25の上部側に架設される。同様に、第2永久磁石31Hは、図示していないが、側面31aを径方向外方に向けて、両端面31c、31dを第2谷部26の内壁面に接着固定し、周方向に延在して、第2谷部26の上部側に架設される。
なお、この実施の形態9では、第1および第2永久磁石30G,31Gに代えて第1および第2永久磁石30H,31Hを用いている点を除いて上記実施の形態8と同様に構成されている。
従って、この実施の形態9においても、上記実施の形態8と同様の効果が得られる。
実施の形態10.
図14はこの発明の実施の形態10に係る車両用交流発電機に適用される回転子に実装される磁束発生部材の構成を説明する図であり、図14の(a)は第1磁束発生部材を示し、図14の(b)は第2磁束発生部材を示している。
第1磁束発生部材32は、長さ方向に直交する断面を矩形とし、かつ長さ方向と平行な断面を台形とするブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石からなる2つの永久磁石体64a,64bを、長さ方向に直交する断面を矩形とし、かつ長さ方向と平行な断面を台形とするブロックに作製された鉄等の磁性材料からなる磁性体66を挟んで1列に配列して接着剤により固着して構成されている。そして、磁性体66の両側に配置される永久磁石体64a,64bは、着磁配向方向40が側面32aから側面32aと相対する側面32bに向かうにつれ磁性体66から離れる方向となるように着磁配向されている。
そこで、2つの永久磁石体64a,64bを磁性体66を挟んで1列に配列して構成された第1磁束発生部材32は、S極が側面32aの長さ方向の中央部に現れ、N極が長さ方向両端面32c,32dおよび側面32aに相対する側面32bの長さ方向の中央部に現れる。ここで、第1磁束発生部材32は、その側面32aおよび長さ方向両端面32c,32dに着目すれば、図14の(a)に示されるように、N極を長さ方向両端面32c、32dにもち、S極を側面32aの長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
第2磁束発生部材33は、長さ方向に直交する断面を矩形とし、かつ長さ方向と平行な断面を台形とするブロックに作製されたネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石からなる2つの永久磁石体65a,65bを、磁性体66を挟んで1列に配列して接着剤により固着して構成されている。そして、磁性体66の両側に配置される永久磁石体65a,65bは、着磁配向方向40が側面33bから側面33bと相対する側面33aに向かうにつれ磁性体66に近づく方向となるように着磁配向されている。
そこで、2つの永久磁石体65a,65bを磁性体66を挟んで1列に配列して構成された第2磁束発生部材33は、N極が側面33aの長さ方向の中央部に現れ、S極が長さ方向両端面33c,33dおよび側面33aに相対する側面33bに現れる。ここで、第2磁束発生部材33は、その側面33aおよび長さ方向両端面33c,33dに着目すれば、図14の(b)に示されるように、S極を長さ方向両端面33c,33dにもち、N極を側面33aの長さ方向の中央部にもつ極異方性を呈する。
このように構成された第1磁束発生部材32は、図示していないが、側面32aを径方向外方に向けて、両端面32c、32dを第1谷部25の内壁面に接着固定し、周方向に延在して、第1谷部25の上部側に架設される。同様に、第2磁束発生部材33は、図示していないが、側面33aを径方向外方に向けて、両端面33c、33dを第2谷部26の内壁面に接着固定し、周方向に延在して、第2谷部26の上部側に架設される。
なお、この実施の形態10では、第1および第2永久磁石30,31に代えて第1および第2磁束発生部材32,33を用いている点を除いて上記実施の形態1と同様に構成されている。
従って、この実施の形態10においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、この実施の形態10では、第1および第2磁束発生部材32,33がそれぞれ単一方向に磁化配向された2つの永久磁石体64a,64b,65a,65bを磁性体66を挟んで1列に配列して構成されている。そこで、単一の磁石を極異方性配向させる複雑な着磁配向工程が不要となり、極異方性を呈する第1および第2磁束発生部材32,33を簡易に、安価に作製できる。また、第1および第2谷部25,26に架設される第1および第2磁束発生部材32,33の一部が磁性体66で構成されているので、磁石の使用量が低減でき、低価格化が図られる。
なお、上記実施の形態10では、第1および第2磁束発生部材32,33が、それぞれ1つの磁性体66と2つの永久磁石体64a,64b,65a,65bとで構成されているものとしているが、第1および第2磁束発生部材が一側面の中央部に一方の極を有し、両端面に他方の極を有する極異方性を呈していれば、磁性体および永久磁石体の個数はこれに限定されない。
実施の形態11.
図15はこの発明の実施の形態11に係る車両用交流発電機に適用される回転子に実装される永久磁石を示す一部破断斜視図である。
図15において、第1および第2永久磁石30,31は、それぞれエポキシ等の樹脂で樹脂モールドされて、樹脂被膜67により覆われている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態11によれば、第1および第2永久磁石30,31が樹脂被膜67により覆われているので、異物の衝突に起因する第1および第2永久磁石30,31の割れの発生が抑制される。また、仮に第1および第2永久磁石30,31が損傷しても、損傷により生じた磁石小片の飛散が抑制される。
なお、上記実施の形態11では、第1および第2永久磁石30,31の全体が樹脂被膜67により覆われているものとしているが、第1および第2永久磁石30,31の全体が樹脂被膜67に覆われている必要はなく、少なくとも長さ方向の両端面を除く側面が樹脂被膜67に覆われていればよい。この場合、第1および第2永久磁石30,31の長さ方向の両端面が露出しているので、第1および第2谷部と第1および第2永久磁石との接合部における磁気抵抗を小さくできる。
また、上記実施の形態11では、樹脂被膜67を単一の永久磁石体からなる第1および第2永久磁石30,31に被覆するものとしているが、樹脂被膜67を複数の永久磁石体からなる第1および第2永久磁石や第1および第2磁性発生部材に被覆してもよい。
実施の形態12.
図16はこの発明の実施の形態12に係る車両用交流発電機に適用される回転子に実装される永久磁石に保護カバーを装着する方法を説明する図である。
図16において、第1および第2永久磁石30,31は、それぞれ金属材料からなる保護カバー68により覆われている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
ここで、保護カバー68の装着方法を図16を参照しつつ説明する。
まず、この保護カバー68は、必要に応じ、接着剤を塗布されて、第1および第2永久磁石30,31の側面30a,31aにあてがわれる。ついで、保護カバー68は、第1および第2永久磁石30,31の側面30a,31aの相対する長辺で折り曲げられる。さらに、保護カバー68は、第1および第2永久磁石30,31の側面30b、31bの相対する長辺で折り曲げられ、その折り曲げ先端面を突き合わせて溶接される。これにより、保護カバー68は、第1および第2永久磁石30,31に密接してその外周を取り込むように装着される。
この実施の形態12では、第1および第2永久磁石30,31が長さ方向の両端面を除いて保護カバー68により覆われているので、異物の衝突に起因する第1および第2永久磁石30,31の割れの発生が抑制される。また、仮に第1および第2永久磁石30,31が損傷しても、損傷により生じた磁石小片の飛散が抑制される。
また、保護カバー68が金属製であるので、保護カバー68を装着した第1および第2永久磁石30,31全体の機械的強度が高められ、耐遠心力性が向上し、第1および第2永久磁石30,31を長期的に安定して保持することができる。
ここで、上記実施の形態12では、保護カバー68を単一の永久磁石体からなる第1および第2永久磁石30,31に装着するものとしているが、保護カバー68を複数の永久磁石体からなる第1および第2永久磁石や第1および第2磁束発生部材に装着してもよい。この場合、保護カバー68を装着した複数の永久磁石体の積層体全体の機械的強度が高められ、複数の永久磁石体の積層体からなる第1および第2永久磁石を安定して保持できる。
また、上記実施の形態12では、保護カバー68が第1および第2谷部25,26の内壁面に接着固定された第1および第2永久磁石30,31に装着されているものとしているが、保護カバーに取付片を設け、その取付片を第1および第2谷部の内壁面に溶接などにより固着するようにしてもよい。この場合、第1および第2永久磁石を長期的に安定して保持できる。
また、保護カバーを鉄などの磁性材料で作製すると、保護カバーが第1および第2永久磁石の発生する磁束の漏れ磁路となることから、保護カバーはアルミニウム、ステンレスなどの非磁性金属で作製することが好ましい。
なお、上記各実施の形態では、車両用交流発電機について説明しているが、この発明は、車両用交流発電機に限らず、車両用電動機や車両用発電電動機などの回転電機に適用しても、同様の効果を奏する。
また、上記各実施の形態では、永久磁石としてネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石を用いるものとしているが、永久磁石はネオジウム・鉄・ボロン系希土類焼結磁石に限定されるものではなく、例えばフェライト磁石を用いてもよい。
また、上記各実施の形態では、永久磁石が継鉄部に接着剤により固定されているものとしているが、永久磁石の継鉄部への固定方法は接着剤に限定されるものではなく、例えば谷部の上部側の相対する内壁面のそれぞれに嵌合溝を凹設し、永久磁石の長さ方向の両端部を嵌合溝に嵌着させて継鉄部に永久磁石を固定するようにしてもよい。
また、上記各実施の形態では、永久磁石が断面矩形に形成されているものとしているが、永久磁石の断面は矩形に限定されるものではなく、例えば正方形、台形などでもよい。また、永久磁石の角部にアール加工や面取りが施されていても良いことは言うまでもないことである。
また、上記各実施の形態では、永久磁石を全ての谷部に配設するものとしているが、永久磁石は任意の谷部を選択して配設するようにしてもよい。この場合、周方向にバランスよく永久磁石を配置することが望ましい。例えば、第1ポールコア体には永久磁石を配設せず、第2ポールコア体の全ての谷部に永久磁石を配設したり、第1および第2ポールコア体のそれぞれに、周方向の一つおきの谷部に永久磁石を配設してもよい。このような構成をとることは、全ての谷部に永久磁石を配設した場合に比べ、出力が少し低下するものの、部品点数を削減でき、安価な構成で出力をあげることができる。
10 固定子、13 回転子、14 界磁コイル、15 ポールコア、16 回転軸、17 第1ポールコア体、18 第1ボス部、19 第1継鉄部、20 第1爪状磁極部、21 第2ポールコア体、22 第2ボス部、23 第2継鉄部、24 第2爪状磁極部、25 第1谷部、26 第2谷部、29 エアギャップ、30,30A,30B,30C,30D,30E,30F,30G,30H 第1永久磁石、31,31A,31B,31C,31D,31E,31F,31G,31H 第2永久磁石、32 第1磁束発生部材、33 第2磁束発生部材、40 着磁配向方向、50a,50b,50c 永久磁石体、51a,51b,51c 永久磁石体、52a,52b,52c 永久磁石体、53a,53b,53c 永久磁石体、54a,54b 永久磁石体、55a,55b 永久磁石体、56a,56b 永久磁石体、57a,57b 永久磁石体、58a,58b,58c,58d 永久磁石体、59a,59b,59c,59d 永久磁石体、60a,60b,60c,60d,60e 永久磁石体、61a,61b,61c,61d,61e 永久磁石体、62a,62b,62c,62d,62e 永久磁石体、63a,63b,63c,63d,63e 永久磁石体、64a,64b 永久磁石体、65a,65b 永久磁石体、66 磁性体、67 樹脂被膜、68 保護カバー。

Claims (6)

  1. ボス部、該ボス部の軸方向両端縁部から径方向外方に延設された一対の継鉄部、および該一対の継鉄部のそれぞれから交互に軸方向に延設され、噛み合って周方向に配列された複数の爪状磁極部を有し、内径側に湾曲した谷部が周方向に隣り合う上記爪状磁極部間のそれぞれの上記継鉄部の部位に形成され、上記ボス部の軸心位置に挿通された回転軸に固着されたポールコアと、上記ボス部、上記一対の継鉄部、および上記複数の爪状磁極部に囲まれた空間内に収納された界磁コイルと、を有する回転子と、
    上記回転子の外周を所定のエアギャップを介して囲繞して配設された固定子と、を備えた回転電機において、
    永久磁石が、両端を上記継鉄部に支持されて周方向に延在して上記谷部の少なくとも1つに架設されていることを特徴とする回転電機。
  2. 上記永久磁石は、径方向外周面の周方向中央部に一方の磁極を有し、周方向両端面に他方の磁極を有する極異方性を呈していることを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  3. 上記永久磁石は、着磁配向方向の異なる複数の永久磁石体を周方向に連結して構成されていることを特徴とする請求項2記載の回転電機。
  4. 上記永久磁石が、樹脂モールドされていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
  5. 上記永久磁石が、金属製の保護カバーで覆われていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
  6. ボス部、該ボス部の軸方向両端縁部から径方向外方に延設された一対の継鉄部、および該一対の継鉄部のそれぞれから交互に軸方向に延設され、噛み合って周方向に配列された複数の爪状磁極部を有し、内径側に湾曲した谷部が周方向に隣り合う上記爪状磁極部間のそれぞれの上記継鉄部の部位に形成され、上記ボス部の軸心位置に挿通された回転軸に固着されたポールコアと、上記ボス部、上記一対の継鉄部、および上記複数の爪状磁極部に囲まれた空間内に収納された界磁コイルと、を有する回転子と、
    上記回転子の外周を所定のエアギャップを介して囲繞して配設された固定子と、を備えた回転電機において、
    磁束発生部材が、両端を上記継鉄部に支持されて周方向に延在して上記谷部の少なくとも1つに架設され、
    上記磁束発生部材は、磁性体と永久磁石体とを周方向に連結して構成され、
    上記永久磁石体が、上記磁束発生部材の径方向外周面の周方向中央部に一方の極を有し、該磁束発生部材の周方向両端面に他方の極を有する極異方性を呈するように着磁配向されていることを特徴とする回転電機。
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