JP5264927B2 - 回転電機 - Google Patents
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Description
また、永久磁石が磁極片(継鉄部に相当)の磁極指(爪状磁極部に相当)間に位置する周縁の取り付け表面に配置され、ストラップが永久磁石を覆うように配置されて釘により磁極片に固着された第2の従来の交流発電機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、爪状磁極部には、永久磁石を保持していない状態でも、大きな遠心力が作用し、その先端部が外周側に50〜100μm程度膨らむ。そして、エンジンの回転速度の増減に伴い、爪状磁極部は羽ばたくように変位する。爪状磁極部は片持ち支持構造であることから、その変位は先端側では大きくなり、根元部側では小さくなり、周方向に隣り合う爪状磁極部間の相対距離も変化する。
図1はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機を模式的に示す断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される回転子を構成するポールコア体を示す斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される回転子を構成するポールコア体を示す要部断面図、図4はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機における永久磁石の磁石保持具への実装状態を示す斜視図、図5はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機における永久磁石のポールコア体への実装状態を示す要部斜視図、図6はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機における永久磁石のポールコア体への実装状態を示す要部断面図である。
ポールコア15は、それぞれ例えばS10Cなどの低炭素鋼で冷間鍛造法により作製された第1および第2ポールコア体17,21に分割構成されている。
まず、電流がバッテリ(図示せず)からブラシ9およびスリップリング8を介して回転子13の界磁コイル14に供給され、磁束が発生される。この磁束により、第1ポールコア体17の第1爪状磁極部20がN極に磁化され、第2ポールコア体21の第2爪状磁極部24がS極に磁化される。
一方、エンジンの回転トルクがベルト(図示せず)およびプーリ6を介して回転軸16に伝達され、回転子13が回転される。そこで、回転磁界が固定子10の固定子コイル12に与えられ、起電力が固定子コイル12に発生する。この交流の起電力が、整流器で直流電流に整流され、バッテリが充電され、或いは電気負荷に供給される。
まず、金属素材を室温で金型を用いてコア体42を圧縮成型する。このコア体42は、図7の(a)に示されるように、円筒状の第1ボス部18と、第1ボス部18の軸方向一端から径方向外方に延在する厚肉リング状の第1継鉄部19と、第1継鉄部19から径方向外方に延出する第1爪状磁極部相当部43と、第1継鉄部19の隣り合う第1爪状磁極部相当部43間に凹設された第1谷部25と、第1爪状磁極部相当部43の根元側で、第1谷部25の内壁面の外径側の相対する部位のそれぞれに開口し、かつ溝方向を軸方向として第1継鉄部19の他端から一端側に所定の溝長さに凹設された第1保持溝27と、を有する。
ここで、コア体42の第1爪状磁極部相当部43の略台形形状の最外径面の周方向に相対する2辺に面取りが形成されているが、第1爪状磁極部相当部43を折り曲げた後、切削加工により面取りを形成してもよい。
なお、第2ポールコア体21も同様に作製される。
また、第1および第2保持溝27,28がコア体42の圧縮成型時に同時に形成されるので、第1および第2保持溝27,28を後加工で作製する必要がなく、第1および第2ポールコア体17,21を安価に作製できる。
この実施の形態2では、まず、図示していないが、第1爪状磁極部相当部43を折り曲げて第1ポールコア体17を作製する。このとき、第1谷部25も同時に形成されている。ついで、図8に示されるように、エンドミル46を回転させつつ周方向から第1ポールコア体17の第1谷部25の内壁面に押し当てて、第1保持溝を形成している。なお、第2保持溝28も同様に形成される。
また、上記実施の形態2では、第1および第2谷部を冷間鍛造法によりコア体に一体に成型するものとしているが、第1および第2爪状磁極部相当部を略直角に折り曲げて第1および第2爪状磁極部を形成した後、エンドミルやドリルを用いた切削加工により第1および第2保持溝とともに、第1および第2谷部を形成してもよい。
図9はこの発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される回転子を示す断面図である。
図9において、第1磁石保持具30の軸方向内方の端面がボビン45のフランジ部45bに当接して、第1磁石保持具30の軸方向内方への移動が規制されている。同様に、図示していないが、第2磁石保持具35の軸方向内方の端面がボビン45のフランジ部45bに当接し、第2磁石保持具35の軸方向内方への移動が規制されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
また、ボビン45は樹脂で作製されているので、第1および第2磁石保持具30,35の軸方向内方の端面形状が変更されても、第1および第2磁石保持具30,35の軸方向内方の端面形状に適合するようにフランジ部45bの形状を簡易に変更することができる。
図10はこの発明の実施の形態4に係る車両用交流発電機に適用される回転子を示す断面図である。
図10において、第1磁石保持具30および第1永久磁石33の軸方向内方の端面がボビン45のフランジ部45bに当接して、第1磁石保持具30および第1永久磁石33の軸方向内方への移動が規制されている。同様に、図示していないが、第2磁石保持具35および第2永久磁石38の軸方向内方の端面がボビン45のフランジ部45bに当接し、第2磁石保持具35および第2永久磁石38の軸方向内方への移動が規制されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
図11はこの発明の実施の形態5に係る車両用交流発電機に適用される回転子を示す断面図である。
図11において、肉厚部45cがボビン45のフランジ部45bの外径側に形成されている。そして、第1磁石保持具30および第1永久磁石33の軸方向内方の端面が肉厚部45cに当接して、第1磁石保持具30および第1永久磁石33の軸方向内方への移動が規制されている。同様に、図示していないが、第2磁石保持具35および第2永久磁石38の軸方向内方の端面が肉厚部45cに当接し、第2磁石保持具35および第2永久磁石38の軸方向内方への移動が規制されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
図12はこの発明の実施の形態6に係る車両用交流発電機に適用される回転子を示す断面図、図13はこの発明の実施の形態6に係る車両用交流発電機における永久磁石の磁石保持具への実装状態を示す斜視図である。
図12および図13において、第1スペーサ47が第1磁石保持具30の軸方向外方の端面と第1保持溝27の第1当たり面27aとの間に挟持されて第1保持溝27に嵌着されている。そして、第1磁石保持具30および第1永久磁石33の軸方向外方の端面が第1スペーサ47に当接している。同様に、図示していないが、第1スペーサ47が第2磁石保持具35の軸方向外方の端面と第2保持溝28の第2当たり面28aとの間に挟持されて第2保持溝28に嵌着されている。そして、第2磁石保持具35および第2永久磁石38の軸方向外方の端面が第1スペーサ47に当接している。
なお、他の構成は上記実施の形態4と同様に構成されている。
また、第1スペーサ47が第1および第2磁石保持具30,35と第1および第2当たり面27a,28aとの間に挟持されているので、第1および第2保持溝27,28の溝長さが第1および第2磁石保持具30,35の厚みより長くなっても、第1および第2磁石保持具30,35の軸方向位置を確実に位置決めできる。
ここで、薄板を積層して第1スペーサ47を構成すれば、積層枚数を調整することで、第1および第2磁石保持具30,35の軸方向の位置決めを簡易にできる。
図14はこの発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機に適用される回転子を示す断面図である。
図14において、第2スペーサ48が第1磁石保持具30の軸方向内方の端面とボビン45のフランジ部45bとの間に挟持されて第1保持溝27に嵌着されている。そして、第1磁石保持具30および第1永久磁石33の軸方向内方の端面が第2スペーサ48に当接している。同様に、図示していないが、第2スペーサ48が第2磁石保持具35の軸方向内方の端面とボビン45のフランジ部45bとの間に挟持されて第2保持溝28に嵌着されている。そして、第2磁石保持具35および第2永久磁石38の軸方向内方の端面が第2スペーサ48に当接している。
なお、他の構成は上記実施の形態6と同様に構成されている。
ここで、薄板を積層して第2スペーサ48を構成すれば、積層枚数を調整することで、第1および第2磁石保持具30,35および第1および第2永久磁石33,38の軸方向内方の端面と、ボビン45のフランジ部45bとの間の隙間を簡易になくすことができる。
この実施の形態8では、図15に示されるように、第1および第2磁石保持具30,35が第1および第2谷部25,26の全てに架設され、4個の第1および第2永久磁石33,38が、それぞれ周方向に1つおきの第1および第2磁石保持具30,35に装着されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態9では、図16に示されるように、第1および第2磁石保持具30,35が、それぞれ周方向に1つおきの第1および第2谷部25,26に架設され、第1および第2永久磁石33,38が、第1および第2磁石保持具30,35のそれぞれに装着されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
また、第1および第2永久磁石33,38が配設されない第1および第2谷部25,26には、第1および第2磁石保持具30,35を架設していないので、低コスト化が図られるとともに、第1および第2磁石保持具30,35の架設作業が削減され、回転子の組立性が向上される。
Claims (6)
- ボス部、該ボス部の軸方向両端縁部から径方向外方に延設された一対の継鉄部、および該一対の継鉄部のそれぞれから交互に軸方向に延設され、噛み合って周方向に配列された複数の爪状磁極部を有し、内径側に湾曲した谷部が周方向に隣り合う上記爪状磁極部間のそれぞれの上記継鉄部の部位に形成され、上記ボス部の軸心位置に挿通された回転軸に固着されたポールコアと、ボビンに巻回されて、上記ボス部、上記一対の継鉄部、および上記複数の爪状磁極部に囲まれた空間内に収納された界磁コイルと、を有する回転子と、
上記回転子の外周を所定のエアギャップを介して囲繞して配設された固定子と、を備えた回転電機において、
上記谷部の内壁面の相対する部位のそれぞれに開口し、かつ上記継鉄部の軸方向の内端に開口し、溝方向を軸方向として、該継鉄部に非貫通状態に凹設され、溝長さ方向の端面を当たり面とする保持溝と、
上記谷部に相対して凹設された上記保持溝のそれぞれに軸方向内方から嵌着され、該保持溝の内壁面により周方向および径方向の移動を規制され、かつ上記当たり面により軸方向外方への移動を規制されて、上記爪状磁極部の先端側内周面の内径側で該谷部に架設され、嵌合溝が該爪状磁極部の先端側内周面に相対する面に開口し、かつ溝方向を軸方向として、軸方向に貫通するように形成された磁性材料からなる磁石保持具と、
上記嵌合溝に嵌着されて上記爪状磁極部の先端側の内周面と対向するように上記磁石保持具に保持された永久磁石と、を有し、
上記ボビンのフランジ部が、上記磁石保持具の軸方向の内方の端部に接しており、
第1スペーサが、上記磁石保持具の軸方向の外方の端部と上記当たり面との間に介装されていることを特徴とする回転電機。 - 上記フランジ部が、上記永久磁石の軸方向の内方の端部に接していることを特徴とする請求項1記載の回転電機。
- 上記第1スペーサが、上記永久磁石の軸方向の外方の端部に接していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の回転電機。
- 第2スペーサが、上記フランジ部と上記磁石保持具の軸方向の内方の端部との間に介装されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
- ボス部、該ボス部の軸方向両端縁部から径方向外方に延設された一対の継鉄部、および該一対の継鉄部のそれぞれから交互に軸方向に延設され、噛み合って周方向に配列された複数の爪状磁極部を有し、内径側に湾曲した谷部が周方向に隣り合う上記爪状磁極部間のそれぞれの上記継鉄部の部位に形成され、上記ボス部の軸心位置に挿通された回転軸に固着されたポールコアと、ボビンに巻回されて、上記ボス部、上記一対の継鉄部、および上記複数の爪状磁極部に囲まれた空間内に収納された界磁コイルと、を有する回転子と、
上記回転子の外周を所定のエアギャップを介して囲繞して配設された固定子と、を備えた回転電機において、
上記谷部の内壁面の相対する部位のそれぞれに開口し、かつ上記継鉄部の軸方向の内端に開口し、溝方向を軸方向として、該継鉄部に非貫通状態に凹設され、溝長さ方向の端面を当たり面とする保持溝と、
上記谷部に相対して凹設された上記保持溝のそれぞれに軸方向内方から嵌着され、該保持溝の内壁面により周方向および径方向の移動を規制され、かつ上記当たり面により軸方向外方への移動を規制されて、上記爪状磁極部の先端側内周面の内径側で該谷部に架設され、嵌合溝が該爪状磁極部の先端側内周面に相対する面に開口し、かつ溝方向を軸方向として、軸方向に貫通するように形成された磁性材料からなる磁石保持具と、
上記嵌合溝に嵌着されて上記爪状磁極部の先端側の内周面と対向するように上記磁石保持具に保持された永久磁石と、を有し、
上記ボビンのフランジ部が、上記磁石保持具の軸方向の内方の端部に接しており、
第2スペーサが、上記フランジ部と上記磁石保持具の軸方向の内方の端部との間に介装されていることを特徴とする回転電機。 - 上記フランジ部が、上記永久磁石の軸方向の内方の端部に接していることを特徴とする請求項5記載の回転電機。
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