JP5036833B2 - 回転電機 - Google Patents

回転電機 Download PDF

Info

Publication number
JP5036833B2
JP5036833B2 JP2009553297A JP2009553297A JP5036833B2 JP 5036833 B2 JP5036833 B2 JP 5036833B2 JP 2009553297 A JP2009553297 A JP 2009553297A JP 2009553297 A JP2009553297 A JP 2009553297A JP 5036833 B2 JP5036833 B2 JP 5036833B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet
magnet holder
claw
groove
magnetic pole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009553297A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009101674A1 (ja
Inventor
龍一 下村
裕之 秋田
正哉 井上
敏行 吉澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2009101674A1 publication Critical patent/JPWO2009101674A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5036833B2 publication Critical patent/JP5036833B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K21/00Synchronous motors having permanent magnets; Synchronous generators having permanent magnets
    • H02K21/02Details
    • H02K21/04Windings on magnets for additional excitation ; Windings and magnets for additional excitation
    • H02K21/042Windings on magnets for additional excitation ; Windings and magnets for additional excitation with permanent magnets and field winding both rotating
    • H02K21/044Rotor of the claw pole type

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)
  • Synchronous Machinery (AREA)

Description

この発明は、車両用交流発電機などの回転電機に関し、特にランデル型の回転子における永久磁石の保持構造に関するものである。
ランデル型の回転子を用いる車両用交流発電機は、数十年にわたって自動車に使用されてきた。そして、近年の環境問題から車載される電装品の負荷が急増しており、ランデル型の回転子の発電量のより一層の増加が求められている。
従来、このような課題を解決するために、ランデル型の回転子の周方向に対向する爪状磁極部の間に永久磁石を配設する手段がとられていた(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第4959577号明細書
ランデル型の回転子においては、冷間鍛造法により爪状磁極部相当部が継鉄部から径方向外方に延出する形状のコア体を成型した後、継鉄部から径方向外方に延出する爪状磁極部相当部を略直角に折り曲げて爪状磁極部を形成している。この時、爪状磁極部相当部の折り曲げ工程での歩留まりを高めるために、継鉄部の隣り合う爪状磁極部の間に位置する部位に谷部を設けている。
このように、ランデル型の回転子では、爪状磁極部が片持ち構造であるとともに、谷部が継鉄部の隣り合う爪状磁極部の間に位置する部位に設けられているので、高速回転時に、隣り合う爪状磁極部の間の相対的な変位が生じる。そこで、永久磁石を隣り合う爪状磁極部の間に保持する従来の永久磁石の保持構造では、永久磁石を安定して保持できないという課題があった。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、継鉄部の隣り合う爪状磁極部の間に位置する部位に形成された谷部に永久磁石を安定して保持できる回転電機を得ることを目的とする。
この発明による回転電機は、ボス部、該ボス部の軸方向両端縁部から径方向外方に延設された一対の継鉄部、および該一対の継鉄部のそれぞれから交互に軸方向に延設され、噛み合って周方向に配列された複数の爪状磁極部を有し、谷部が周方向に隣り合う上記爪状磁極部の間のそれぞれの上記継鉄部の部位に形成され、上記ボス部の軸心位置に挿通された回転軸に固着されたポールコアと、上記ボス部、上記一対の継鉄部、および上記複数の爪状磁極部に囲まれた空間内に収納された界磁コイルと、を有する回転子と、上記回転子の外周を所定のエアギャップを介して囲繞して配設された固定子と、を備えている。そして、磁石保持具が上記谷部の上に架設され、かつ永久磁石が上記爪状磁極部の先端側の内周面に所定の隙間を持って対向するように上記磁石保持具に保持されている。
この発明によれば、磁石保持具が周方向に隣り合う爪状磁極部の間の継鉄部の部位に形成された谷部の上に架設されているので、高速回転時の爪状磁極部の変位が磁石保持具の保持機構に影響することがない。また、爪状磁極部の磁石保持具の容積を少なくでき、磁石保持具に作用する遠心力が小さくなる。そこで、磁石保持具を簡易な保持構造で安定して継鉄部に保持できる。これにより、必要最小限の磁石量の永久磁石を磁石保持具を用いて安定して継鉄部に保持できる。
この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機を模式的に示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される回転子を示す端面図である。 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される回転子を構成する第1ポールコア体の永久磁石実装状態を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される回転子を構成する第1ポールコア体の永久磁石未実装状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機における永久磁石の磁石保持具への実装方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機に適用される回転子を示す端面図である。 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機に適用される回転子を構成する第1ポールコア体の永久磁石実装状態を示す断面図である。 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機に適用される回転子を構成する第1ポールコア体の保持溝加工前の状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機に適用される回転子を構成する第1ポールコア体の保持溝加工後の状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される回転子を示す端面図である。 この発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される回転子を構成する第1ポールコア体の永久磁石実装状態を示す断面図である。 この発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される回転子を構成する第1ポールコア体の保持溝加工前の状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される回転子を構成する第1ポールコア体の保持溝加工後の状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態4に係る車両用交流発電機における磁石保持具を示す斜視図である。 この発明の実施の形態5に係る車両用交流発電機における磁石保持具を示す斜視図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機を模式的に示す断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される回転子を示す端面図、図3はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される回転子を構成する第1ポールコア体の永久磁石実装状態を示す断面図、図4はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される回転子を構成する第1ポールコア体の永久磁石未実装状態を示す斜視図、図5はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機における永久磁石の磁石保持具への実装方法を説明する斜視図である。
図1乃至図5において、車両用交流発電機1は、それぞれ略椀形状のアルミ製のフロントブラケット2とリヤブラケット3とからなるケース4と、回転軸16をケース4に軸受5を介して支持されて、ケース4内に回転自在に配設された回転子13と、ケース4のフロント側に延出する回転軸16の端部に固着されたプーリ6と、回転子13の軸方向の両端面に固定されたファン7と、回転子13に対して一定のエアギャップ29を有して、回転子13の外周を囲繞してケース4に固定された固定子10と、回転軸16のリヤ側に固定され、回転子13に電流を供給する一対のスリップリング8と、各スリップリング8に摺動するようにケース4内に配設された一対のブラシ9と、を備えている。なお、図示していないが、固定子10で生じた交流を直流に整流する整流器、固定子10で生じた交流電圧の大きさを調整する電圧調整器などがケース4内に配設されている。
固定子10は、円筒状の固定子鉄心11と、固定子鉄心11に巻装され、回転子13の回転に伴い、後述する界磁コイル14からの磁束の変化で交流が生じる固定子コイル12と、を備えている。
回転子13は、励磁電流が流されて磁束を発生する界磁コイル14と、界磁コイル14を覆うように設けられ、その磁束によって磁極が形成されるポールコア15と、ポールコア15の軸心位置に貫装された回転軸16と、を備えている。
ポールコア15は、それぞれ例えばS10Cなどの低炭素鋼で冷間鍛造法により作製された第1および第2ポールコア体17,21に分割構成されている。
第1ポールコア体17は、外周面を円筒形状とし、回転軸挿通穴18aが軸心位置を貫通して形成された第1ボス部18と、第1ボス部18の一端縁部から径方向外側に延設された厚肉リング状の第1継鉄部19と、第1継鉄部19の外周部から軸方向他端側に延設された第1爪状磁極部20とを有している。第1爪状磁極部20は、その最外径面形状を略台形形状とし、周方向幅が先端側に向かって徐々に狭くなり、かつ、径方向厚みが先端側に向かって徐々に薄くなる先細り形状に形成され、第1継鉄部19の外周部に周方向に等角ピッチで例えば8つ配列されている。さらに、第1谷部25が第1継鉄部19の各隣り合う第1爪状磁極部20の間に位置する部位にU字状に凹設されている。
第2ポールコア体21は、外周面を円筒形状とし、回転軸挿通穴22aが軸心位置を貫通して形成された第2ボス部22と、第2ボス部22の他端縁部から径方向外側に延設された厚肉リング状の第2継鉄部23と、第2継鉄部23の外周部から軸方向一端側に延設された第2爪状磁極部24とを有している。第2爪状磁極部24は、その最外径面形状を略台形形状とし、周方向幅が先端側に向かって徐々に狭くなり、かつ、径方向厚みが先端側に向かって徐々に薄くなる先細り形状に形成され、第2継鉄部23の外周部に周方向に等角ピッチで例えば8つ配列されている。さらに、第2谷部26が第2継鉄部23の各隣り合う第1爪状磁極部24の間に位置する部位にU字状に凹設されている。
このように構成された第1および第2ポールコア体17,21は、第1および第2爪状磁極部20,24を交互に噛み合わせ、かつ、第1ボス部18の他端面を第2ボス部22の一端面に突き合わせ、回転軸挿通穴18a,22aに貫装された回転軸16に固着されている。そして、ボビン(図示せず)に巻装された界磁コイル14が、第1および第2ボス部18,22、第1および第2継鉄部19,23および第1および第2爪状磁極部20,24に囲まれた空間に装着されている。ここで、第1および第2ボス部18,22および第1および第2継鉄部19,23が、それぞれポールコア15のボス部および一対の継鉄部に相当する。
第1磁石保持具30は、鉄、鉄系磁性合金などの磁性材を用いて冷間鍛造法や引き抜き加工などにより作製されている。この第1磁石保持具30は、上下面を互いに平行な平坦面とし、両側面をその間隔が上面に向かって漸次広くなる傾斜面とし、両端面を長さ方向に直交する平坦面とする長さ方向と直交する断面が台形の柱状体に作製されている。そして、溝方向を第1磁石保持具30の長さ方向とする第1嵌合溝31が、第1磁石保持具30の上面に開口するように凹設されている。この第1嵌合溝31は、その底面が第1磁石保持具30の上下面と平行な平坦面であり、その溝幅が開口に向かって漸次狭くなる楔状に形成されている。
第1永久磁石32は、上下面を互いに平行な平坦面とし、両側面をその間隔が上面に向かって漸次狭くなる傾斜面とし、両端面を厚み方向に直交する平坦面とする厚み方向と直交する断面が台形の柱状体に作製されている。
第1磁石飛散防止カバー33は、SPCC、ステンレス鋼などの薄板を曲げ加工や切削加工などを施して作製され、矩形状の基部33aと、基部33aの相対する2辺から略直角に折り曲げられた一対の端辺33bと、基部33aの相対する残る2辺から所定の角度で折り曲げられ、かつその先端が折り返され、第1嵌合溝31の溝長さと等しい長さを有する一対の側辺33cとを有する。そして、第1磁石飛散防止カバー33は、基部33aにより第1永久磁石32の上面を覆い、端辺33bを第1永久磁石32の両端面に沿わせ、側辺33cを第1永久磁石32の両側面に沿わせ、側辺33cの先端の折り返し部を第1永久磁石32の底面にあてがって、第1永久磁石32に装着され、接着剤を基部33aと第1永久磁石32の上面との間に塗布して固着されている。
第1磁石飛散防止カバー33が装着された第1永久磁石32は、第1嵌合溝31に嵌着され、必要に応じて接着剤を塗布されて、第1磁石保持具30に磁気的に接続されて保持されている。この時、第1磁石飛散防止カバー33の両側辺33cが第1嵌合溝31の楔状の側面と第1永久磁石32の側面との間に挟持され、第1永久磁石32の抜けが防止されている。
第2磁石保持具35は、第1磁石保持具30と同じ材料を用いて同じ形状に作製されている。第2永久磁石37は、第1永久磁石32と同じ材料を用いて同じ形状に作製されている。第2磁石飛散防止カバー38は、第1磁石飛散防止カバー33と同じ材料を用いて同じ形状に作製されている。そして、第2永久磁石37は、第2磁石飛散防止カバー38が装着されて、第2磁石保持具35の上面に形成された第2嵌合溝36に嵌着され、必要に応じて接着剤を塗布されて、第2磁石保持具35に磁気的に接続されて保持されている。
第1保持溝27が、第1ポールコア体17の各第1爪状磁極部20の根元側で、各第1谷部25の内壁面の上部側の相対する部位のそれぞれに開口し、かつ溝方向を軸方向として第1継鉄部19の一端側から他端側に貫通するように凹設されている。同様に、第2保持溝28が、第2ポールコア体21の各第2爪状磁極部24の根元側で、各第2谷部26の内壁面の上部側の相対する部位のそれぞれに開口し、かつ溝方向を軸方向として第2継鉄部23の一端側から他端側に貫通するように凹設されている。ここで、第1および第2保持溝27,28は、第1および第2磁石保持具30,35の嵌着部の形状に適合する断面コ字状の溝形状に形成されている。つまり、第1および第2保持溝27,28は、第1および第2磁石保持具30,35の上下面が係合する一対の平行かつ平坦な側面と、第1および第2磁石保持具30,35の側面が係合する平坦な底面とからなる断面コ字状の溝形状を有するので、1回のブローチ加工により、冷間鍛造されたポールコア体に第1および第2保持溝27,28を作製でき、溝加工工程が簡略化される。
第1磁石保持具30が、第1磁石飛散防止カバー33を上方に向けて、軸方向外側から相対する第1保持溝27に圧入され、必要に応じて接着剤を塗布されて、各第1谷部25の上に架設された状態で磁気的に接続されて第1ポールコア体17に取り付けられる。このとき、第1磁石飛散防止カバー33の基部33a、即ち第1永久磁石32の上面が第2爪状磁極部24の先端側内周面と所定の隙間をあけて対向している。
ここで、第1磁石保持具30の上下面は第1ポールコア体17の径方向に垂直で、かつ互いに平行な平坦面であり、その上面は上下面の径方向外方に位置する面である。第1磁石保持具30の両側面はその間隔が上面に向かって漸次広くなる傾斜面であり、長さ方向は、第1ポールコア体17の軸方向に一致する。第1嵌合溝31の両側面は溝幅が開口に向かって漸次狭くなる傾斜面である。第1永久磁石32の上下面は第1ポールコア体17の径方向に垂直で、かつ互いに平行な平坦面であり、その上面は上下面の径方向外方に位置する面である。第1永久磁石32の両側面はその間隔が上面に向かって漸次狭くなる傾斜面であり、厚み方向は、第1ポールコア体17の軸方向に一致する。
同様に、第2磁石保持具35が、第2磁石飛散防止カバー38を上方に向けて、軸方向外側から相対する第2保持溝28に圧入され、必要に応じて接着剤を塗布し、各第2谷部26の上に架設された状態で磁気的に接続されて第2ポールコア体21に取り付けられる。このとき、第2永久磁石37の上面が第1爪状磁極部20の先端側内周面と所定の隙間をあけて対向している。
ここで、第2磁石保持具35の上下面は第2ポールコア体21の径方向に垂直で、かつ互いに平行な平坦面であり、その上面は上下面の径方向外方に位置する面である。第2磁石保持具35の両側面は、その間隔が上面に向かって漸次広くなる傾斜面であり、長さ方向は第2ポールコア体21の軸方向に一致する。第2嵌合溝36の両側面は溝幅が開口に向かって漸次狭くなる傾斜面である。第2永久磁石37の上下面は第2ポールコア体21の径方向に垂直で、かつ互いに平行な平坦面であり、その上面は上下面の径方向外方に位置する面である。第2永久磁石37の両側面はその間隔が上面に向かって漸次狭くなる傾斜面であり、厚み方向は第2ポールコア体21の軸方向に一致する。
このように組み込まれた第1および第2磁石保持具30,35は、第1および第2磁石保持具30,35の第1および第2保持溝27,28への嵌合により径方向および周方向への移動が阻止され、ファン7および界磁コイル14が巻回されたボビンにより軸方向への移動が阻止される。また、第1および第2永久磁石32,37および第1および第2磁石飛散防止カバー33,38は、第1および第2永久磁石32,37および第1および第2磁石飛散防止カバー33,38の第1および第2嵌合溝31,36への嵌合により径方向および周方向への移動が阻止され、ファン7および界磁コイル14が巻回されたボビンにより軸方向への移動が阻止される。
ここで、永久磁石の飛散現象について説明する。なお、第1および第2永久磁石32,37の飛散現象は同じであるので、ここでは第1永久磁石32についてのみ説明する。
まず、第2爪状磁極部24が遠心力により揺動して、あるいは異物が飛来して、第1永久磁石32に衝突することで、第1永久磁石32に割れや欠けが発生する。これにより、割れた、或いは欠けた磁石片が第1永久磁石32から飛び散る事態が生じる。
また、第1磁石保持具30の第1嵌合溝31の側面から第1永久磁石32の側面にかかる応力が第1永久磁石32の許容応力を超えることで、第1永久磁石32に割れや欠けが発生する。これにより、割れた、或いは欠けた磁石片が第1永久磁石32から飛び散る事態が生じる。
さらに、遠心力が第1永久磁石32を径方向外方に移動させるように作用する。この第1永久磁石32の径方向外方への移動が第1嵌合溝31の上部開口を拡張させるように第1磁石保持具30の側部を変位させる。この時、曲げ応力が第1嵌合溝31の底面と側面との交差部に作用する。この曲げ応力が第1磁石保持具30の許容強度を超えると、磁石を保持できなくなり、第1永久磁石32が第1磁石保持具30から飛び出す事態が生じる。
この実施の形態1では、第1永久磁石32は第1磁石飛散防止カバー33が装着されて第1磁石保持具30に嵌着されているので、割れた或いは欠けた磁石片の第1永久磁石32からの飛び出しが防止される。
また、第1磁石保持具30が第1保持溝27に嵌着されているので、第1磁石保持30の側部の変位が第1保持溝27に受けられる。これにより、第1磁石保持具30の許容強度を超えるような第1磁石保持30の側部の変位が制限され、第1磁石保持具30からの第1永久磁石32の飛び出しが防止される。
つぎに、このように構成された車両用交流発電機1の動作について説明する。
まず、電流がバッテリ(図示せず)からブラシ9およびスリップリング8を介して回転子13の界磁コイル14に供給され、磁束が発生する。この磁束により、第1ポールコア体17の第1爪状磁極部20がN極に磁化され、第2ポールコア体21の第2爪状磁極部24がS極に磁化される。
一方、エンジンの回転トルクがベルト(図示せず)およびプーリ6を介して回転軸16に伝達され、回転子13が回転される。そこで、回転磁界が固定子10の固定子コイル12に与えられ、起電力が固定子コイル12に発生する。この交流の起電力が、整流器で直流電流に整流され、バッテリが充電され、或いは電気負荷に供給される。
このように、この実施の形態1では、第1および第2磁石保持具30,35が第1および第2谷部25,26の上に架設されているので、第1および第2磁石保持具30,35の容積を少なくできる。そこで、高速回転時、第1および第2磁石保持具30,35に作用する遠心力が小さくなるとともに、第1および第2磁石保持具30,35の保持構造に対し、遠心力および熱膨張に起因する第1および第2爪状磁極部20,24の変位の影響もない。これにより、必要最小限の容積の第1および第2永久磁石32,37をポールコア15に安定して保持できる。
また、第1および第2磁石保持具30,35を第1および第2谷部25,26の内壁面の上部側に凹設された第1および第2保持溝27,28に嵌着させているので、第1および第2磁石保持具30,35を簡易な保持構造でポールコア15に保持できる。さらに、第1および第2永久磁石32,37を第1および第2磁石保持具30,35の上面に凹設された第1および第2嵌合溝31,36に嵌着させているので、第1および第2永久磁石32,37を簡易な保持構造で第1および第2磁石保持具30,35に保持できる。
また、第1および第2磁石保持具30,35が第1および第2ポールコア体17,21と別部品で作製され、第1および第2磁石保持具30,35は加工性に優れ、加工精度を確保しやすいので、第1および第2保持溝27,28との嵌合面、および第1および第2永久磁石32,37との嵌合面を高精度に作製できる。そこで、搭載する永久磁石の形状に適合する溝形状の嵌合溝が簡易に作製でき、所望の形状の永久磁石を保持できる。また、第1および第2磁石保持具30,35と第1および第2継鉄部19,23との嵌合部における隙間、さらには第1および第2磁石保持具30,35と第1および第2永久磁石32,37との嵌合部における隙間を最小限に少なくでき、これらの嵌合部での磁気抵抗が小さくなるので、磁石の磁束量が増えて、磁石を有効に利用することができる。
また、第1および第2磁石保持具30,35が第1および第2谷部25,26の上部側の内壁面の間を周方向に連結しているので、ポールコア15の変形の発生を抑制できる。
また、第1および第2永久磁石32,37が所定の厚みを有する断面台形の柱状体に作製されているので、砥石を用いて磁石母材から第1および第2永久磁石32,37を効率よく切り出すことができ、材料の歩留まりが高められる。
また、第1および第2永久磁石32,37の上面、両側面、両端面が第1および第2磁石飛散防止カバー33,38で覆われているので、仮に第1および第2爪状磁極部20,24が径方向に振動して第1および第2永久磁石32,37に接触したとしても、第1および第2磁石飛散防止カバー33,38が緩衝層として機能し、第1および第2永久磁石32,37の損傷の発生を抑制できる。また、第1および第2永久磁石32,37の露出面積が少なくなり、第1および第2永久磁石32,37が損傷し、飛散することも抑制される。
また、第1および第2永久磁石32,37は、第1および第2爪状磁極部20,24の先端側の内周面に対向するように配設されているので、第1および第2永久磁石32,37は、回転子13の最外周面に対して径方向内方に位置している。そこで、固定子スロット高調波は第1および第2爪状磁極部20,24の最外周面部に留まり、第1および第2永久磁石32,37を直接誘導加熱するように作用しない。その結果、第1および第2永久磁石32,37が加熱されて、熱減磁することが未然に防止される。
また、第1および第2永久磁石32,37が、第1および第2爪状磁極部20,24の先端側の内周面に対向するように配設されているので、第1および第2永久磁石32,37の磁気回路が回転子内部で閉じた磁気回路となり、固定子10に鎖交する磁束成分がなくなる。そこで、無負荷無励磁における第1および第2永久磁石32,37の誘起電圧の発生が抑制される。その結果、第1および第2永久磁石32,37の有効に利用できる磁束量を増大させることができる。
また、第1および第2磁石飛散防止カバー33,38の側辺33c、38cが第1および第2嵌合溝31,36の溝長さと等しい長さを有しているので、側辺33c、38cが界磁コイル14が巻回されたボビンおよびファン7と係合し、第1および第2磁石飛散防止カバー33,38の軸方向の移動が規制される。
ここで、磁石保持具の材料について検討する。
磁石保持具は一般的に永久磁石より大きな機械的強度を有していることが好ましい。例えば、磁石保持具を機械的強度が大きいステンレス鋼で作製した場合、磁石保持具は、磁石保持具自身と磁石保持具上に配設された永久磁石とに作用する遠心力に耐え、永久磁石を安定して保持できる。また、磁石保持具を鉄、鉄系磁性合金などの磁性材料で作製した場合、永久磁石から発生した磁束は磁石保持具に入り、磁石保持具内を周方向に分岐して流れて継鉄部に入り、ボス部、継鉄部、および爪状磁極部を流れて永久磁石に戻る回転子内部で閉じた磁気回路が形成される。これにより、界磁コイルの発生する磁界による磁気飽和を緩和できるので、磁気的観点からは磁石保持具を磁性材料で作製することが好ましい。
つぎに、磁石飛散防止カバーの材料について検討する。
磁石飛散防止カバーを磁性材料で作製した場合には、磁石で発生した磁束が磁石飛散防止カバーを介して磁石保持具に入り、永久磁石に戻る磁路が形成される。その結果、対向する爪状磁極部に入る磁束量が低減するので、永久磁石の磁石量を多くする必要がある。このことから、磁石飛散防止カバーは、例えばステンレス鋼や合成樹脂の非磁性材料で作製することが望ましい。
なお、上記実施の形態1では、第1および第2保持溝27,28が溝方向を軸心と平行として、第1および第2継鉄部19,23の一端側から他端側に貫通するように凹設されているものとしているが、第1および第2保持溝は、必ずしも軸方向に貫通する必要はなく、第1および第2継鉄部19,23の一端側若しくは他端側に開口していればよい。この場合、第1および第2磁石保持具30,35を第1および第2保持溝27,28に挿入する方向が軸方向に片側に限定されるが、塞口側が第1および第2磁石保持具30,35の軸方向移動を規定するストッパとして機能し、第1および第2磁石保持具30,35の軸方向の位置決めが容易となる。
また、第1および第2保持溝27,28の溝方向は軸心と略平行であればよく、例えば爪状磁極部の先端側内内周面と平行に傾斜させてもよい。
また、第1および第2永久磁石32,37が所定厚みを有する断面台形に形成されているものとしているが、第1および第2永久磁石32,37は第1および第2磁石保持具の嵌合溝に嵌合、保持されていれば、その断面形状については特に限定されるものではない。
また、上記実施の形態1では、第1および第2磁石飛散防止カバー33,38の側辺33c、38cが第1および第2嵌合溝31,36の溝長さと等しい長さを有するものとしているが、接着や第1および第2嵌合溝との嵌着により、第1および第2磁石飛散防止カバーの軸方向の移動が規制されていれば、第1および第2磁石飛散防止カバーの側辺の長さは必ずしも第1および第2嵌合溝の溝長さと等しくする必要はない。
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機に適用される回転子を示す端面図、図7はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機に適用される回転子を構成する第1ポールコア体の永久磁石実装状態を示す断面図、図8はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機に適用される回転子を構成する第1ポールコア体の保持溝加工前の状態を示す斜視図、図9はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機に適用される回転子を構成する第1ポールコア体の保持溝加工後の状態を示す斜視図である。
図6、図7および図9において、第1磁石保持具30Aは、その両側部30aが第1永久磁石32の上面を超えて延設され、鍔部30bが両側部30aの上部から周方向両側に延設されている。第1保持溝27Aは、第1ポールコア体17Aの各第1爪状磁極部20の根元側で、各第1谷部25の内壁面の上部側の相対する部位のそれぞれに開口し、かつ溝方向を軸方向として第1継鉄部19の一端側から他端側に貫通し、第1磁石保持具30Aが嵌着される断面コ字状の溝形状に凹設されている。さらに、成型面41aが第1保持溝27Aの溝方向の両端に口開き状に形成されている。そして、第1磁石飛散防止カバー33が装着された第1永久磁石32が、第1嵌合溝31に嵌着され、必要に応じて接着剤を塗布されて、第1磁石保持具30Aに保持されている。
第1永久磁石32が嵌着された第1磁石保持具30Aは、相対する第1保持溝27Aに軸方向外方から圧入され、必要に応じて接着剤を塗布されて、第1谷部25の上に架設される。この時、第1磁石保持具30Aの鍔部30bが第1爪状磁極部20の根元側側面に接している。
なお、第2ポールコア体は、磁石保持構造を含め、第1ポールコア体17Aと同様に構成されており、ここではその説明を省略する。他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態2においても、第1磁石保持具30Aが第1谷部25の上に架設され、第1永久磁石32が第1谷部25の上に架設された第1磁石保持具30Aに保持されているので、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
この実施の形態2によれば、第1磁石保持30Aの両側部30aの上部から周方向両側に延設された鍔部30bが隣り合う第1爪状磁極部20の根元側の相対する側面に接しているので、両側部30aの上部側の隙間を拡張するような力は隣り合う第1爪状磁極部20に受け止められ、両側部30aの上部側の隙間の拡張が阻止される。そこで、遠心力が第1永久磁石32を径方向外方に移動させるように作用しても、両側部30aの上部側の隙間の拡張が阻止され、第1永久磁石32の飛散が確実に防止される。
また、両側部30aの上部側の隙間を拡張するような力が働き、両側部30aの上部側が隙間を拡張するように変形変位すると、曲げ応力が第1磁石保持具30Aの第1嵌合溝31の底面と側面との交差部に作用する。この曲げ応力が第1磁石保持具30Aの許容応力を超えると、第1磁石保持具30Aが破壊され、磁石保持ができなくなる恐れがある。この実施の形態2では、鍔部30bが第1爪状磁極部20の根元側側面に接しているので、隙間を拡張する両側部30aの上部側の変位が隣り合う第1爪状磁極部20に受け止められ、曲げ応力が小さくなり、第1磁石保持具30Aによる磁石の保持強度が格段に向上する。
ここで、上記実施の形態2では、第1磁石保持具30Aの鍔部30bが第1爪状磁極部20の根元側側面に接しているものとしているが、鍔部30bは必ずしも第1爪状磁極部20の根元側側面に接している必要はなく、鍔部30bの変形に起因する曲げ応力が第1磁石保持具30Aの許容応力を超えない時点で、鍔部30bが第1爪状磁極部20の根元側側面に接して鍔部30bのそれ以上の変形を制限できるようになっていればよい。
つぎに、この実施の形態2による第1ポールコア体の製造方法について説明する。
まず、図示していないが、冷間鍛造法により爪状磁極部相当部が継鉄部から径方向外方に延出する形状のコア体40を成型し、ついで、継鉄部から径方向外方に延出する爪状磁極部相当部を略直角に折り曲げて爪状磁極部を形成する。このように作製されたコア体40の第1継鉄部19の両端面の各第1谷部25の上部側縁部の部位には、図8に示されるように、凹部41が所定深さに凹設されている。この凹部41は、コア体40の成型時に同時に成型される。
ついで、例えばエンドミル加工により、コア体40の軸方向に相対する凹部41の間を貫通させ、図9に示される第1ポールコア体17Aを得る。この第1ポールコア体17Aでは、各第1爪状磁極部20の根元側で、各第1谷部25の内壁面の上部側の相対する部位のそれぞれに、溝方向を軸方向として第1継鉄部19の一端側から他端側に貫通する第1保持溝27Aが形成されている。
ここで、第1保持溝27Aは、第1磁石保持具30Aの嵌着部の形状に適合する断面コ字状の溝形状に形成されている。つまり、第1保持溝27Aは、第1磁石保持具30Aの下面および鍔部30bの側部30aとの連結部が係合する一対の口開き状の平坦な側面と、第1磁石保持具30Aの側面が係合する平坦な底面とからなる断面コ字状の溝形状を有する。
このように作製された第1ポールコア体17Aにおいては、凹部41の内周面が第1保持溝27Aの溝方向の両端に口開き状に形成されている。つまり、切削面ではなく、成型面41aが第1保持溝27Aの溝方向の両端に口開き状に形成されている。
この実施の形態2では、凹部41がコア体40の成型時に同時に成型されているので、保持溝加工における溝加工長さが凹部41の深さ分短くなり、保持溝加工時間が短縮され、加工コストを低減できる。
また、第1保持溝27Aは、第1磁石保持具30Aの下面および鍔部30bの側部30aとの連結部が係合する一対の口開き状の平坦な側面と、第1磁石保持具30Aの側面が係合する平坦な底面とからなる断面コ字状の溝形状を有するので、エンドミルの側面刃により、溝形状に対してなぞるようにエンドミルを走らせることで、冷間鍛造されたコア体40に第1保持溝27Aを高加工精度に作製できる。
なお、凹部41がコア体40の成型時に同時に形成されるものとして説明しているが、凹部を凹設することなく成型されたコア体40にエンドミル加工などの機械加工により第1保持溝を形成するようにしてもよい。
実施の形態3.
図10はこの発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される回転子を示す端面図、図11はこの発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される回転子を構成する第1ポールコア体の永久磁石実装状態を示す断面図、図12はこの発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される回転子を構成する第1ポールコア体の保持溝加工前の状態を示す斜視図、図13はこの発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される回転子を構成する第1ポールコア体の保持溝加工後の状態を示す斜視図である。
図10、図11および図13において、第1磁石保持具30Bは、上下面を互いに平行な平坦面とし、両側面の下部を円弧面とし、両端面を長さ方向に直交する平坦面とする柱状体に作製されている。そして、溝方向を第1磁石保持具30Bの長さ方向とし、第1永久磁石32が嵌着可能な断面台形の第1嵌合溝31Bが、第1磁石保持具30Bの両端面に開口するように穿設されている。また、鍔部30bが第1磁石保持具30Bの両側部30aの上部から周方向両側に延設されている。
第1保持溝27Bが、第1ポールコア体17Bの各第1爪状磁極部20の根元側で、各第1谷部25の内壁面の上部側の相対する部位のそれぞれに開口し、かつ溝方向を軸方向として第1継鉄部19の一端側から他端側に貫通し、第1磁石保持具30Bが嵌着される断面円弧状の溝形状に凹設されている。さらに、成型面43aが第1保持溝27Bの溝方向の両端に口開き状に形成されている。そして、第1永久磁石32が、第1嵌合溝31Bに嵌着され、必要に応じて接着剤を塗布されて、第1磁石保持具30Bに保持されている。
第1永久磁石32が嵌着された第1磁石保持具30Bは、相対する第1保持溝27Bに軸方向外方から圧入され、必要に応じて接着剤を塗布されて、第1谷部25の上に架設される。この時、第1磁石保持具30Bの鍔部30bが第1爪状磁極部20の根元側側面に接している。
なお、第2ポールコア体は、磁石保持構造を含め、第1ポールコア体17Bと同様に構成されており、ここではその説明を省略する。他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態3においても、第1磁石保持具30Bが第1谷部25の上に架設され、第1永久磁石32が第1谷部25の上に架設された第1磁石保持具30Bに保持されているので、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
この実施の形態3によれば、第1磁石保持部30Bの両側部30aの上部から周方向両側に延設された鍔部30bが隣り合う第1爪状磁極部20の根元側の相対する側面に接しているので、両側部30aの上部側の隙間を拡張するような力は隣り合う第1爪状磁極部20に受け止められ、両側部30aの上部側の隙間の拡張が阻止される。そこで、遠心力が第1永久磁石32を径方向外方に移動させるように作用しても、両側部30aの上部側の隙間の拡張が阻止され、第1永久磁石32の飛散が確実に防止される。
また、第1嵌合溝31Bが第1磁石保持30Bに穿設されているので、第2永久磁石32の外周が第1磁石保持具30Bに覆われ、磁石飛散防止カバーを省略することができる。
つぎに、この実施の形態3による第1ポールコア体の製造方法について説明する。
まず、図示していないが、冷間鍛造法により爪状磁極部相当部が継鉄部から径方向外方に延出する形状のコア体42を成型し、ついで、継鉄部から径方向外方に延出する爪状磁極部相当部を略直角に折り曲げて爪状磁極部を形成する。このように作製されたコア体42の第1継鉄部19の両端面の各第1谷部25の上部側縁部の部位には、図12に示されるように、凹部43が所定深さに凹設されている。この凹部43は、コア体42の成型時に同時に成型される。
ついで、例えばボールミル加工により、コア体42の軸方向に相対する凹部43の間を貫通させ、図13に示される第1ポールコア体17Bを得る。この第1ポールコア体17Bでは、各第1爪状磁極部20の根元側で、各第1谷部25の内壁面の上部側の相対する部位のそれぞれに、溝方向を軸方向として第1継鉄部19の一端側から他端側に貫通する第1保持溝27Bが形成されている。
このように作製された第1ポールコア体17Bにおいては、凹部43の内周面が第1保持溝27Bの溝方向の両端に口開き状に形成されている。つまり、切削面ではなく、成型面43aが第1保持溝27Bの溝方向の両端に口開き状に形成されている。
この実施の形態3では、凹部43がコア体42の成型時に同時に成型されているので、保持溝加工における溝加工長さが凹部43の深さ分短くなり、保持溝加工時間が短縮され、加工コストを低減できる。
また、第1保持溝27Bが断面円弧状の溝形状を有しているので、エンドミルによる1回の突っ込み加工により、冷間鍛造されたコア体42に第1保持溝27Bを作製でき、溝加工工程の簡素化が図られる。
実施の形態4.
この実施の形態4では、図14に示されるように、嵌合溝46を構成する溝穴が上部に開口するように形成された鋼板47を積層一体化して磁石保持具45を作製している。この磁石保持具45は、鉄、鉄系磁性合金などの材料を用いて冷間鍛造法や引き抜き加工などにより作製された第1磁石保持具30Aと同等の外径形状をなしている。
従って、第1磁石保持具30Aに代えて、磁石保持具45を用いて回転子を構成してもよい。なお、この場合、必要に応じ、磁石飛散防止カバーを装着することになる。
また、磁石保持具45は、プレス加工により作製された鋼板47を積層して作製できるので、冷間鍛造や引き抜き加工により磁石保持具を作製する場合に比べ、角のアールを小さくでき、加工形状の自由度が増すと共に、加工時間の短縮を図れる。
実施の形態5.
この実施の形態5では、図15に示されるように、嵌合溝46を構成する溝穴が穿設された磁性鋼板やステンレス鋼板等の鋼板47を積層一体化して磁石保持具45Aを作製している。この磁石保持具45Aは、嵌合溝46の上部が塞口されている点を除いて、上記実施の形態4の磁石保持具45と同様に構成されている。
従って、磁石保持具45に代えて、磁石保持具45Aを用いて回転子を構成してもよい。この実施の形態5では、上記実施の形態4の効果に加え、磁石保持具45Aが永久磁石の外径側を覆う形状に構成されているので、磁石飛散防止カバーの装着を省略することができる。
なお、上記各実施の形態では、車両用交流発電機について説明しているが、この発明は、車両用交流発電機に限らず、車両用電動機や車両用発電電動機などの回転電機に適用しても、同様の効果を奏する。
また、上記各実施の形態では、磁石保持具を継鉄部に凹設された保持溝に嵌着、保持するものとして説明しているが、保持溝を形成することなく、磁石保持具を継鉄部に接着や溶接などにより直接保持するようにしてもよい。
なお、上記各実施の形態では、磁石保持具を全ての谷部に配設するものとしているが、磁石保持具は任意の谷部を選択して配設するようにしてもよい。なお、この場合、周方向にバランスよく磁石保持具を配置することが好ましい。例えば、第1ポールコア体には磁石保持具を配設せず、第2ポールコア体の全ての谷部に磁石保持具を配設したり、第1および第2ポールコア体のそれぞれに、周方向の一つおきの谷部に磁石保持具を配設してもよい。このような構成をとることは、全ての谷部に磁石保持具を配設した場合に比べ、出力が少し低下するものの、部品点数を削減でき、安価な構成で出力をあげることができる。

Claims (6)

  1. ボス部、該ボス部の軸方向両端縁部から径方向外方に延設された一対の継鉄部、および該一対の継鉄部のそれぞれから交互に軸方向に延設され、噛み合って周方向に配列された複数の爪状磁極部を有し、谷部が周方向に隣り合う上記爪状磁極部の間のそれぞれの上記継鉄部の部位に形成され、上記ボス部の軸心位置に挿通された回転軸に固着されたポールコアと、上記ボス部、上記一対の継鉄部、および上記複数の爪状磁極部に囲まれた空間内に収納された界磁コイルと、を有する回転子と、
    上記回転子の外周を所定のエアギャップを介して囲繞して配設された固定子と、を備えた回転電機において、
    磁石保持具が上記谷部の上に架設され、かつ永久磁石が上記爪状磁極部の先端側の内周面に所定の隙間を持って対向するように上記磁石保持具に保持されていることを特徴とする回転電機。
  2. 保持溝が上記ポールコアの上記爪状磁極部の根元側で、上記谷部の内壁面の上部側の相対する部位のそれぞれに開口し、かつ溝方向を軸方向として上記継鉄部の少なくとも一端面に開口するように凹設され、上記磁石保持具が上記保持溝に嵌着されて上記ポールコアに保持されていることを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  3. 成型面が上記保持溝の溝方向の開口部に口開き状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の回転電機。
  4. 周方向幅が径方向外方に漸次狭くなる楔状の係合溝が、溝方向を軸方向として上記磁石保持具の一端側から他端側に貫通して設けられ、上記永久磁石が上記嵌合溝に嵌着されて上記磁石保持具に保持されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の回転電機。
  5. 上記磁石保持具が磁性材料で作製されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回転電機。
  6. 上記磁石保持具が鋼板の積層体で作製されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の回転電機。
JP2009553297A 2008-02-13 2008-02-13 回転電機 Expired - Fee Related JP5036833B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2008/052324 WO2009101674A1 (ja) 2008-02-13 2008-02-13 回転電機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009101674A1 JPWO2009101674A1 (ja) 2011-06-02
JP5036833B2 true JP5036833B2 (ja) 2012-09-26

Family

ID=40956721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009553297A Expired - Fee Related JP5036833B2 (ja) 2008-02-13 2008-02-13 回転電機

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8304951B2 (ja)
EP (1) EP2249465A4 (ja)
JP (1) JP5036833B2 (ja)
CN (1) CN101946390B (ja)
WO (1) WO2009101674A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8304950B2 (en) * 2008-02-13 2012-11-06 Mitsubishi Electric Corporation Dynamoelectric machine
CN102171911B (zh) * 2008-10-01 2013-01-30 三菱电机株式会社 旋转电机
US20120001509A1 (en) 2010-06-30 2012-01-05 Asmo Co., Ltd. Motor and rotor
JP5328826B2 (ja) * 2011-02-21 2013-10-30 三菱電機株式会社 回転電機
JP5894832B2 (ja) * 2012-03-29 2016-03-30 東洋ゴム工業株式会社 発電素子
DE102013018737A1 (de) * 2012-11-13 2014-05-15 Asmo Co., Ltd. Bürstenloser motor und rotor

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003244875A (ja) * 2002-01-24 2003-08-29 Visteon Global Technologies Inc オールタネータ用回転子アセンブリ

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4959577A (en) 1989-10-23 1990-09-25 General Motors Corporation Alternating current generator
JP3340259B2 (ja) * 1994-03-23 2002-11-05 株式会社日立製作所 自動車用オルタネータ
US5543676A (en) 1995-03-16 1996-08-06 Ford Motor Company Rotating electrical machine with magnetic inserts
DE19642784A1 (de) 1996-10-17 1998-04-23 Bosch Gmbh Robert Klauenpolgenerator
US5793143A (en) 1997-08-05 1998-08-11 Ford Motor Company Rotor for an electrical machine
FR2784248B1 (fr) * 1998-10-02 2000-12-22 Valeo Equip Electr Moteur Alternateur pour vehicule avec rattrapage de jeu sur les aimants interpolaires
US6555944B1 (en) 2000-11-09 2003-04-29 Visteon Global Technologies, Inc. Deflection resisting rotor assembly
US7064466B2 (en) * 2001-11-27 2006-06-20 Denso Corporation Brushless rotary electric machine having tandem rotary cores
JP3882725B2 (ja) * 2002-03-12 2007-02-21 株式会社デンソー 車両用回転電機
JP4380652B2 (ja) * 2005-08-26 2009-12-09 株式会社デンソー 回転電機の回転子
JP4524657B2 (ja) * 2005-09-01 2010-08-18 株式会社デンソー 回転子の磁石保護構造及び磁石保護方法
JP4654970B2 (ja) * 2006-05-15 2011-03-23 株式会社デンソー 車両用交流発電機
CN101523708B (zh) * 2006-10-10 2011-07-27 三菱电机株式会社 旋转电机
US7560851B2 (en) * 2007-06-20 2009-07-14 Mitsubishi Electric Corporation Dynamoelectric machine and manufacturing method therefor
JP5047294B2 (ja) * 2007-08-28 2012-10-10 三菱電機株式会社 回転電機
JP4477072B2 (ja) * 2008-02-13 2010-06-09 三菱電機株式会社 回転電機
US8304950B2 (en) * 2008-02-13 2012-11-06 Mitsubishi Electric Corporation Dynamoelectric machine

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003244875A (ja) * 2002-01-24 2003-08-29 Visteon Global Technologies Inc オールタネータ用回転子アセンブリ

Also Published As

Publication number Publication date
US20110001383A1 (en) 2011-01-06
EP2249465A4 (en) 2015-04-08
WO2009101674A1 (ja) 2009-08-20
CN101946390A (zh) 2011-01-12
CN101946390B (zh) 2014-02-19
US8304951B2 (en) 2012-11-06
EP2249465A1 (en) 2010-11-10
JPWO2009101674A1 (ja) 2011-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5264927B2 (ja) 回転電機
JP5047294B2 (ja) 回転電機
JP4477072B2 (ja) 回転電機
JP4837074B2 (ja) 回転電機
JPWO2008044347A1 (ja) 回転電機
JP5036833B2 (ja) 回転電機
JP4926276B2 (ja) 回転電機
JP2009017641A (ja) 回転電機
JP5328826B2 (ja) 回転電機
JP5197750B2 (ja) 回転電機
JP4430691B2 (ja) 回転電機
JP4975165B2 (ja) 車両用回転電機
JP5242925B2 (ja) 車両用交流発電機
JP4368916B2 (ja) 回転電機
JP5197515B2 (ja) 回転電機
JP5241366B2 (ja) 回転電機
JP4294708B2 (ja) 回転電機およびその製造方法
JP2009201215A (ja) 回転電機
JP5111410B2 (ja) 回転電機
JP4974948B2 (ja) 回転電機
JP5312061B2 (ja) 回転電機
WO2009122596A1 (ja) 回転電機
JP2010088270A (ja) 回転電機

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120509

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120605

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120703

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150713

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5036833

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees