JP2013118801A - ロータ及びモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】第1回転子鉄心及び第2回転子鉄心の間の隙間から磁束が漏れ難い構造を、部品点数を少なく抑えて実現することができるロータ及びモータを提供する。
【解決手段】第1回転子鉄心4と第2回転子鉄心5との間には、各回転子鉄心4,5をN極/S極の鉄心として機能させる永久磁石6が設けられる。永久磁石6は、第1回転子鉄心4の鉄心本体8と第2回転子鉄心5の鉄心本体11との間を埋める磁石本体部16と、第1回転子鉄心4の爪状磁極9と第2回転子鉄心5の爪状磁極12との間の隙間を埋める複数の極間磁石部17と、各爪状磁極9,12の背面の隙間を埋める背面磁石部18とからなる。よって、本例の永久磁石6は、磁石本体部16、極間磁石部17及び背面磁石部18が一体に形成された一体型永久磁石6となっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、マグネット界磁のランデル型ロータ及びモータに関する。
従来、モータの一種として、図11に示すようなマグネット界磁のランデル型ロータ81を有するモータが周知である(例えば特許文献1,2等参照)。この型のモータのロータ81は、周方向に複数の爪状磁極82a,83aを有する鉄製の一対の回転子鉄心82,83と、回転子鉄心82,83の間に配置された円板磁石84とを備える。そして、円板磁石84の磁界によって各爪状磁極82a,83aが周方向において交互に異なる磁極を生成することにより、いわゆるマグネット界磁のランデル型ロータとして機能する。
実開平5−43749号公報 特開2012−115085号公報
ところで、この型のモータにおいては、隣同士の爪状磁極82a,83aの間にどうしても隙間ができてしまい、この隙間から磁束が漏れてしまう現状があった。この漏れ磁束が増加すると、モータの出力が低下する要因にもなるので、何らかの対策が必要であるが、部品点数が増加しない構造としたい要望があった。
ちなみに、特許文献1に開示のモータのロータは、爪状磁極の背面に補助磁石(背面磁石)を設け、特許文献2に開示のモータのロータは、周方向隣接の爪状磁極間に補助磁石(極間磁石)を設けて、それぞれ漏れ磁束低減が図られている。これら各補助磁石を用いるのにあたり、部品点数の増加が懸念されるところである。
本発明の目的は、第1回転子鉄心及び第2回転子鉄心の間の隙間から磁束が漏れ難い構造を、部品点数を少なく抑えて実現することができるロータ及びモータを提供することにある。
前記問題点を解決するために、本発明では、周方向に複数の爪状磁極を持つ第1回転子鉄心及び第2回転子鉄心が設けられ、これらの一方の爪状磁極が他方の爪状磁極間の切欠部に入り込む組み付け状態をとり、これら第1回転子鉄心及び第2回転子鉄心の間に配置された永久磁石の磁界によって、複数の前記爪状磁極が周方向において交互にN極/S極となるロータにおいて、前記永久磁石は、前記第1回転子鉄心と第2回転子鉄心との軸方向における隙間に配置された磁石本体部と、前記第1回転子鉄心の爪状磁極と前記第2回転子鉄心の爪状磁極と間において周方向に生じる隙間に配置された極間磁石部と、それぞれの前記爪状磁極の背面に生じる隙間に配置された背面磁石部とが一体形成された一体型永久磁石であることを要旨とする。
本発明の構成によれば、第1回転子鉄心及び第2回転子鉄心に各々磁極を持たせる永久磁石を、これらの軸方向にできる隙間を埋める磁石本体部と、爪状磁極間に周方向にできる隙間を埋める極間磁石部と、各爪状磁極の背面にできる隙間を埋める背面磁石部とを一体に有する一体型永久磁石とした。このため、第1回転子鉄心と第2回転子鉄心との間の隙間から磁束を漏れ難くする構造を、少ない部品点数で実現することが可能となる。また、部品の組付工数を少なく抑えることにも繋がり、ひいては部品の組付コストの低減に効果が高くなる。さらに、一体型永久磁石はそれなりの体格を有する1部品となるので、ロータ遠心力による飛散も生じ難くすることが可能となる。
本発明では、前記磁石本体部は、前記軸方向に磁化され、前記極間磁石部は、前記周方向に磁化され、前記背面磁石部は、径方向に磁化されていることを要旨とする。この構成によれば、磁石本体部、極間磁石部及び背面磁石部の各磁気モーメントを、それぞれ最適な方向に磁化するので、第1回転子鉄心及び第2回転子鉄心に、それぞれ磁束の強いN極/S極を持たせることが可能となる。
本発明では、前記一体型永久磁石は、焼結磁石又はボンド磁石であることを要旨とする。この構成によれば、一体型永久磁石を圧縮成形や射出成形のどちらでも製造することが可能となるので、製造方法が1通りに限定されてしまうことがない。
本発明では、前記一体型永久磁石は、フェライト磁石、サマリウム鉄窒素系磁石、サマリウムコバルト系磁石、ネオジム磁石又はアルニコ磁石であることを要旨とする。この構成によれば、これら汎用的な材料によっても一体型永久磁石を製造することも可能である。
本発明では、前記第1回転子鉄心又は前記第2回転子鉄心に磁石材料をインサート成形することにより、前記一体型永久磁石が形成されていることを要旨とする。この構成によれば、一体型永久磁石をインサート成形によって回転子鉄心に直接形成するので、回転子鉄心と磁石との間に接着層や機械的エアギャップが発生しない。このため、ロータのパーミアンスが向上し、ロータのトルクを確保することが可能となる。
本発明では、前記永久磁石は、前記背面磁石部から隣接の前記極間磁石部を経由して磁極の異なる前記背面磁石部に向けて磁束が湾曲して流れる極異方配向としたことを要旨とする。この構成によれば、極間磁石部及び背面磁石部をそれぞれ最適な方向の成分を有するように磁化でき、しかも背面磁石部の外側面側から一括して着磁を行うことも可能である。
本発明では、周方向に複数の爪状磁極を持つ第1回転子鉄心及び第2回転子鉄心が設けられ、これらの一方の爪状磁極が他方の爪状磁極間の切欠部に入り込む組み付け状態をとり、これら第1回転子鉄心及び第2回転子鉄心の間に配置された永久磁石の磁界によって、複数の前記爪状磁極が周方向において交互にN極/S極を形成するロータと、当該ロータを回転可能に支持するステータとを備えたモータにおいて、前記永久磁石は、前記第1回転子鉄心と第2回転子鉄心との軸方向における隙間に配置された磁石本体部と、前記第1回転子鉄心の爪状磁極と前記第2回転子鉄心の爪状磁極と間において周方向に生じる隙間に配置された極間磁石部と、それぞれの前記爪状磁極の背面に生じる隙間に配置された背面磁石部とが一体形成された一体型永久磁石であることを要旨とする。
本発明によれば、第1回転子鉄心及び第2回転子鉄心の間の隙間から磁束が漏れ難い構造を、部品点数を少なく抑えて実現することができる。
一実施形態のモータの構成図。 ロータの部品構成を示す分解斜視図。 ロータの外観を示す斜視図。 ロータに発生する磁界を説明する図3のII−II線断面図。 別例の一体型永久磁石の構成を示す斜視図。 (a)(b)は、一体型永久磁石の着磁方法を説明する説明図。 別例のロータの部品構成を示す分解斜視図。 ロータに発生する磁界を説明する断面図。 他の別例のロータの断面図。 他の別例のロータの断面図。 従来のロータの部品構成を示す分解斜視図。
以下、本発明を具体化したロータ及びモータの一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、モータ(回転電機)1には、モータ1の固定側となるステータ2が設けられ、このステータ2の内部に、モータ1の回転側となるロータ3がステータ2に対して回転可能に設けられている。そして、ステータ2の鉄心に巻かれた巻線に電流が流されると、ステータ2とロータ3との間のマグネット界磁(永久磁石界磁)に発生する磁界によって、ロータ3がステータ2に対して回転する。
図2に示すように、本例のようなマグネット界磁のランデル型ロータ3には、例えば鉄製の一対の回転子鉄心4,5と、これら一対の回転子鉄心4,5の間に挟まれた永久磁石6とが設けられている。永久磁石6は、各回転子鉄心4,5にN極/S極を付すための磁石である。本例の場合、紙面上側を第1回転子鉄心4とし、紙面下側を第2回転子鉄心5とする。ロータ3の軸中心には、ロータ3の回転軸となる非磁性体のシャフト7が取り付けられている。各回転子鉄心4,5は、シャフト7に圧入固定されている。
図2〜図4に示すように、第1回転子鉄心4において略円板状の鉄心本体8の周縁には、周方向に沿って等間隔に並ぶ複数の爪状磁極9,9…が、外側に向かって放射状に突設されている。さらに、第1回転子鉄心4の爪状磁極9は、モータ軸方向に沿って延出する形状、つまり図2及び図3において紙面下方向に飛び出す形状をなし、隣同士の爪状磁極9,9の間が切欠部10となっている。第2回転子鉄心5は、第1回転子鉄心4と略同一形状をなし、第1回転子鉄心4と同様に鉄心本体11、爪状磁極12及び切欠部13を有する。第1回転子鉄心4及び第2回転子鉄心5は、一方の爪状磁極9(12)が他方の切欠部13(10)に入り込むように、上下逆さまの組み付け状態をとる。これにより、第1回転子鉄心4の爪状磁極9と第2回転子鉄心5の爪状磁極12とは、ロータ周方向において交互に配置される。各回転子鉄心4,5の中心には、シャフト7を挿通する通し孔14,15が各々貫設されている。
爪状磁極9(12)は、ロータ径方向から見て長方形に形成されている。なお、爪状磁極9(12)は、例えば正四角形状や台形状に形成されてもよい。また、鉄心本体8と爪状磁極9(12)との間の隙間は、断面が長方形状となるように形成されている。さらに、隣り合う爪状磁極9,12の間は、ロータ径方向から見て長方形の空間をなすように離間する。
永久磁石6は、第1回転子鉄心4と第2回転子鉄心5との間を埋める形状をなしている。具体的に述べると、本例の永久磁石6は、第1回転子鉄心4の鉄心本体8と第2回転子鉄心5の鉄心本体11との間を埋める磁石本体部16と、第1回転子鉄心4の爪状磁極9と第2回転子鉄心5の爪状磁極12との間の隙間を埋める複数の極間磁石部17と、各爪状磁極9,12の背面の隙間を埋める背面磁石部18とからなる。よって、本例の永久磁石6は、磁石本体部16、極間磁石部17及び背面磁石部18が一体に形成された一体型永久磁石6となっている。
極間磁石部17は、略円板状の磁石本体部16の周囲に、爪状磁極9と爪状磁極12との間にできる周方向の10個の隙間に合わせて、周方向おいて等間隔に計10個形成されている。背面磁石部18は、隣同士の極間磁石部17を繋ぐように、周方向において計10個形成されている。また、磁石本体部16の中央には、シャフト7を通すための通し孔19が貫設されている。
図3及び図4に示すように、本例の一体型永久磁石6は、第1回転子鉄心4をN極、第2回転子鉄心5をS極とするように着磁されている。具体的には、一体型永久磁石6は、磁石本体部16においてロータ軸方向(第2回転子鉄心5から第1回転子鉄心4の向き)に磁化され、極間磁石部17においてロータ周方向(第2回転子鉄心5から第1回転子鉄心4の向き)に磁化され、背面磁石部18においてロータ径方向(第2回転子鉄心5から第1回転子鉄心4の向き)に磁化されている。よって、図3及び図4に示すように、磁石本体部16には、矢印M1方向の磁気モーメントが生成され、極間磁石部17には、矢印M2方向の磁気モーメントが生成され、背面磁石部18には、矢印M3方向の磁気モーメントが生成される。
本例の永久磁石6は、例えば焼結磁石、ボンド磁石(プラスチックマグネット、ゴムマグネット等)からなる。また、これ以外に、例えばフェライト磁石、サマリウム鉄窒素(Sm−Fe−N)系磁石、サマリウムコバルト系磁石、ネオジム磁石、アルニコ磁石などを使
用してもよい。
次に、本例のモータ1の作用を、図3及び図4を用いて説明する。
図3及び図4に示すように、本例の一体型永久磁石6は、磁石本体部16が矢印M1方向の磁気モーメントの向きに着磁され、極間磁石部17が矢印M2方向の磁気モーメントの向きに着磁され、背面磁石部18が矢印M3方向の磁気モーメントの向きに着磁されている。このため、第1回転子鉄心4がN極となり、第2回転子鉄心5がS極となるので、第1回転子鉄心4と第2回転子鉄心5との間には、図4に示すように、第1回転子鉄心4か第2回転子鉄心5に入り込む矢印Bxで示す磁束ループが形成される。これにより、ロータ3がマグネット界磁のランデル型モータとして機能し、ステータ2に対して回転可能となる。
よって、本例の場合、回転子鉄心4,5に磁極を付す永久磁石6を、磁石本体部16と極間磁石部17と背面磁石部18とが一体となった一体型永久磁石6としたので、永久磁石6にかかる部品点数を少なく抑えることが可能となる。このため、ロータ3の組付工数を減らすことが可能となり、組付コストを低く抑えることが可能となる。また、永久磁石6自体が1つの大きな部品となるので、ロータ回転時に発生する遠心力に対して耐性が高くなる。これにより、ロータ遠心力を要因とする永久磁石6の極間磁石部17の飛散も発生し難くすることが可能となる。
また、本例のロータ3において永久磁石6の磁石材料を例えばボンド磁石等で形成する場合、ボンド磁石を第1回転子鉄心4(第2回転子鉄心5でも可)にインサート形成することにより、一体型永久磁石6を形成することも可能である。こうすれば、第1回転子鉄心4(第2回転子鉄心5)と永久磁石6との間に接着層や機械的エアギャップが発生しなくなるので、モータ1のパーミアンスが上がり、トルク向上に効果が高くなる。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)第1回転子鉄心4と第2回転子鉄心5との間に、各回転子鉄心4,5をN極/S極の鉄心として機能させる永久磁石6を設け、この永久磁石6を磁石本体部16と極間磁石部17と背面磁石部18とを有する形状としつつ、これらを一体型の部品として形成する。このため、ロータ3の部品点数を削減することが可能となるので、部品の組付工数を少なく抑えることができ、ひいては部品の組付コストを低く抑えることに繋がる。また、永久磁石6がそれなりの体格を有する1部品となるので、ロータ遠心力による永久磁石6の飛散も生じ難くすることができる。
(2)磁石本体部16をモータ軸方向に磁化し、極間磁石部17をロータ周方向に磁化し、背面磁石部18をロータ径方向に磁化する。よって、磁石本体部16、極間磁石部17及び背面磁石部18の各磁気モーメントM1〜M3を、それぞれ最適な方向に磁化するので、第1回転子鉄心4及び第2回転子鉄心5に、それぞれ磁束の強いN極/S極を発生させることができる。
(3)一体型永久磁石6を焼結磁石やボンド磁石とした場合、一体型永久磁石6を例えば圧縮成形や射出成形のどちらでも形成することが可能となるので、製造方法が1通りに限定されてしまうことがない。
(4)一体型永久磁石6をフェライト磁石、サマリウム鉄窒素系磁石、サマリウムコバルト系磁石、ネオジム磁石又はアルニコ磁石などで形成することも可能であるので、これら汎用的な材料によっても一体型永久磁石6を製造することができる。
(5)回転子鉄心4,5と一体型永久磁石6は互いの凹凸形状の引っ掛かりにより強固に組み付くので、部品の位置決め状態の保持に効果が高くなる。
(6)回転子鉄心4,5は一体型永久磁石6の磁力によって一体型永久磁石6に強く組み付くので、部品の位置決め状態の保持に一層効果が高い。
(7)例えばボンド磁石等を回転子鉄心4(5)にインサート成形して一体型永久磁石6を形成する場合、回転子鉄心4(5)と永久磁石6との間に接着層や機械的エアギャップが発生しなくなるので、モータ1のパーミアンスが上がり、トルク向上に効果が高くなる。
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・図5に示す一体型永久磁石6のように、主たる磁石本体部16に対して補助的に機能する極間磁石部17及び背面磁石部18の着磁態様を極異方配向としてもよい。詳しくは、S極の背面磁石部18の外側面から隣接の極間磁石部17を経由しN極の背面磁石部18の外側面に向けて磁束が湾曲(径方向内側が凸)して流れる、いわゆる極異方配向の着磁がなされている。これにより、背面磁石部18は径方向成分の磁束を有し、極間磁石部17は周方向成分の磁束を有することから、図3に示す一体型永久磁石6と同様に機能する。つまり、図5に示す一体型永久磁石6においても、極間磁石部17及び背面磁石部18がロータ3内の磁束の整流を行い、漏れ磁束を低減させる効果を発揮する。
図5に示す一体型永久磁石6の着磁方法について、図6(a)(b)に示す着磁装置20が用いられる。図6(b)には、一体型永久磁石6の磁石本体部16に対する着磁を行う第1着磁装置21が示され、第1着磁装置21の異なる磁極の着磁部21a,21bが円板状の磁石本体部16の表裏面にそれぞれ対向し、磁石本体部16の厚み方向(軸方向)に沿った磁化が行われる。また、図6(a)(b)には、極間磁石部17及び背面磁石部18に対する着磁を行う第2着磁装置22が示され、第2着磁装置22の異なる磁極の着磁部22a,22bが周方向に交互に5個ずつ、合計10個の着磁部22a,22bが周方向等間隔に設けられる。そして、周方向等間隔に10箇所ある背面磁石部18の外側面に各着磁部22a,22bがそれぞれ対向し、背面磁石部18の外側面側から一括して着磁が行われ、極間磁石部17を挟む隣接の背面磁石部18間に跨って湾曲する磁化(上記の極異方配向)が行われる。
また、磁石本体部16、極間磁石部17及び背面磁石部18の着磁順について、磁石本体部16と、極間磁石部17及び背面磁石部18との着磁を同時に行えば、着磁工程が少なくてすみ、一体型永久磁石6を短時間で製造できる。また、磁石本体部16と、極間磁石部17及び背面磁石部18との着磁を時間的にずらすようにすれば、磁石本体部16と、極間磁石部17及び背面磁石部18とを着磁する際の互いの磁束の干渉を防止できる。特に、磁石本体部16側の着磁を先に行えば、磁石本体部16側の磁化を着実とすることが期待でき、極間磁石部17及び背面磁石部18側の着磁を先に行えば、極間磁石部17及び背面磁石部18側の磁化を着実とすることが期待できる。
・図7及び図8に示すように、シャフト7は、第1回転子鉄心4及び第2回転子鉄心5に対して一体に形成されてもよい。この場合、永久磁石6を孔なしの単純円板とすることが可能となるので、これまで孔部分で損失していた分の磁束増加が見込め、トルク向上に効果が高くなる。また、永久磁石6に孔加工する必要がなくなるので、製造コストの削減も見込める。さらに、回転子鉄心4,5にシャフト機能を持たせるので、部品としてシャフト7が不要となるので、部品点数削減にも効果が高くなる。なお、図7及び図8の場合、永久磁石6を単なる円板型として記載したが、これは実施形態及び上記別例で述べた一体型永久磁石に変更することも可能である。
・ロータ3は、第1回転子鉄心4及び第2回転子鉄心5の組が1組のみの一層構造に限定されず、図9に示すようなタンデム構造としてもよい。タンデム構造のロータは、複数のロータユニット31,31からなる。本例のロータユニット31は、実施形態で記載したロータ3そのものである。そして、タンデム構造の場合、これらロータユニット31,31は、軸方向において上下逆向きに配置されることにより、N極同士(又はS極同士)が接触する向きにて取り付けられる。なお、図9の場合も、永久磁石6を単なる円板型として記載したが、これは一体型永久磁石に変更することも可能である。タンデム構造を採用すれば、永久磁石6の表面におけるN極、S極の面積を広くとることが可能となるので、トルク向上に効果が高い。
・ロータ3をタンデム構造にした場合、図10に示すように、同極で接触する回転子鉄心4(又は回転子鉄心5)同士を一体に形成してもよい。ちなみに、図10の場合は、N極の回転子鉄心同士を一体に形成している。なお、図10の場合も、永久磁石6を単なる円板型として記載したが、これは一体型永久磁石に変更することも可能である。
・爪状磁極9,12の個数は、実施形態に記載した個数に限定されず、他の個数に変更可能である。
・第1回転子鉄心4をS極とし、第2回転子鉄心5をN極としてもよい。
・一体型永久磁石6の材質は、実施形態に記載以外のものを適宜採用可能である。
・一体型永久磁石6の形状は、実施形態に記載したような形状に限定されず、磁石本体部16と極間磁石部17と背面磁石部18とを有していれば、どのような形状に変更してもよい。
・極間磁石部17及び背面磁石部18の個数は、爪状磁極9,12の個数に合わせて適宜変更可能である。
・磁石本体部16、極間磁石部17及び背面磁石部18の着磁方向は、回転子鉄心4,5に所望の磁極を持たせることができれば、他の向きに変更可能である。
1…モータ、2…ステータ、3…マグネット界磁のランデル型ロータ、4…第1回転子鉄心、5…第2回転子鉄心、6…一体型永久磁石、9…爪状磁極、10…切欠部、12…爪状磁極、13…切欠部、16…磁石本体部、17…極間磁石部、18…背面磁石部。

Claims (7)

  1. 周方向に複数の爪状磁極を持つ第1回転子鉄心及び第2回転子鉄心が設けられ、これらの一方の爪状磁極が他方の爪状磁極間の切欠部に入り込む組み付け状態をとり、これら第1回転子鉄心及び第2回転子鉄心の間に配置された永久磁石の磁界によって、複数の前記爪状磁極が周方向において交互にN極/S極となるロータにおいて、
    前記永久磁石は、
    前記第1回転子鉄心と第2回転子鉄心との軸方向における隙間に配置された磁石本体部と、前記第1回転子鉄心の爪状磁極と前記第2回転子鉄心の爪状磁極と間において周方向に生じる隙間に配置された極間磁石部と、それぞれの前記爪状磁極の背面に生じる隙間に配置された背面磁石部とが一体形成された一体型永久磁石である
    ことを特徴とするロータ。
  2. 前記磁石本体部は、前記軸方向に磁化され、前記極間磁石部は、前記周方向に磁化され、前記背面磁石部は、径方向に磁化されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のロータ。
  3. 前記一体型永久磁石は、焼結磁石又はボンド磁石である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロータ。
  4. 前記一体型永久磁石は、フェライト磁石、サマリウム鉄窒素系磁石、サマリウムコバルト系磁石、ネオジム磁石又はアルニコ磁石である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロータ。
  5. 前記第1回転子鉄心又は前記第2回転子鉄心に磁石材料をインサート成形することにより、前記一体型永久磁石が形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のロータ。
  6. 前記永久磁石は、前記背面磁石部から隣接の前記極間磁石部を経由して磁極の異なる前記背面磁石部に向けて磁束が湾曲して流れる極異方配向とした
    ことを特徴とする請求項1に記載のロータ。
  7. 周方向に複数の爪状磁極を持つ第1回転子鉄心及び第2回転子鉄心が設けられ、これらの一方の爪状磁極が他方の爪状磁極間の切欠部に入り込む組み付け状態をとり、これら第1回転子鉄心及び第2回転子鉄心の間に配置された永久磁石の磁界によって、複数の前記爪状磁極が周方向において交互にN極/S極を形成するロータと、当該ロータを回転可能に支持するステータとを備えたモータにおいて、
    前記永久磁石は、
    前記第1回転子鉄心と第2回転子鉄心との軸方向における隙間に配置された磁石本体部と、前記第1回転子鉄心の爪状磁極と前記第2回転子鉄心の爪状磁極と間において周方向に生じる隙間に配置された極間磁石部と、それぞれの前記爪状磁極の背面に生じる隙間に配置された背面磁石部とが一体形成された一体型永久磁石である
    ことを特徴とするモータ。
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