JP2005192396A - 誘導同期電動機の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 それぞれの永久磁石が吸着することなく永久磁石を回転子に挿入でき、且つ、組み込み作業性を大幅に改善した誘導同期電動機及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 固定子巻線7を備えた固定子4と、当該固定子4内で回転する回転子5とから導同期電動機を構成する。回転子5を構成する回転子継鉄部5Aの周辺部に設けられた2次導体5Bと、回転子継鉄部5Aに埋め込まれた永久磁石31とを備える。永久磁石31は、固定子巻線7に通電される電流により着磁される。
【選択図】 図1
【解決手段】 固定子巻線7を備えた固定子4と、当該固定子4内で回転する回転子5とから導同期電動機を構成する。回転子5を構成する回転子継鉄部5Aの周辺部に設けられた2次導体5Bと、回転子継鉄部5Aに埋め込まれた永久磁石31とを備える。永久磁石31は、固定子巻線7に通電される電流により着磁される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、回転子継鉄部の周辺部に設けられた2次導体と回転子継鉄部に埋め込まれた永久磁石とを備えて成る誘導同期電動機に関するものである。
従来より例えば、エアーコンデショナー(空気調和機)、或いは、冷蔵庫(電気冷蔵庫)の冷凍サイクルを構成する密閉型電動圧縮機を駆動する電動機としては、商用電源で駆動する誘導同期電動機やDCブラシレス電動機等が採用されていた。これらの電動機は、密閉容器内に固定されると共に、電動機は固定子巻線を備えた固定子と、この固定子内で回転する回転子とから構成されている。そして、誘導同期電動機は、固定子巻線に単相、或いは、三相の交流商用電源を供給することによって回転子を誘導回転させていた。(特許文献1及び特許文献2参照)
特開平10−37880号公報
特開2000−41400号公報
しかしながら、一般的に誘導同期電動機に用いられる永久磁石の着磁は、回転子に組み込む以前に、予め別の場所で着磁した永久磁石を回転子に挿入する方式であった。このため、着磁済の永久磁石を回転子に挿入する場合、それぞれの永久磁石が吸着し作業性が低下してしまう。また、回転子を固定子に内に挿入する際、周囲に吸着してしまい誘導同期電動機の組み立て作業性が悪化してしまう問題があった。
また、回転子に永久磁石を組み込んでいるため、固定子への回転子組み込み作業性が悪化し組み立て不良が発生してしまう問題もあった。
本発明は、係る従来技術の課題を解決するために成されたものであり、それぞれの永久磁石が吸着することなく永久磁石を回転子に挿入でき、且つ、組み込み作業性を大幅に改善した誘導同期電動機の製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の誘導同期電動機の製造方法は、固定子巻線を備えた固定子と、当該固定子内で回転する回転子とから成り、
該回転子を構成する回転子継鉄部の周辺部に設けられた2次導体と、前記回転子継鉄部に埋め込まれた磁石材料とを備えた誘導同期電動機の製造方法であって、
前記回転子継鉄部内に前記永久磁石の磁石材料を埋め込み、この回転子を固定子内に配置し、前記固定子巻線に電流を通電することにより、前記磁石材料の着磁を行なうものである。
該回転子を構成する回転子継鉄部の周辺部に設けられた2次導体と、前記回転子継鉄部に埋め込まれた磁石材料とを備えた誘導同期電動機の製造方法であって、
前記回転子継鉄部内に前記永久磁石の磁石材料を埋め込み、この回転子を固定子内に配置し、前記固定子巻線に電流を通電することにより、前記磁石材料の着磁を行なうものである。
更にまた、請求項2の発明の誘導同期電動機の製造方法は、請求項1に加えて、前記磁石材料として希土類又はフェライト材料を使用するものである。
また、請求項3の発明の誘導同期電動機の製造方法は、請求項1又は請求項2に加えて、前記固定子巻線は、主巻線及び補助巻線を有する単相構成であり、前記主巻線又は補助巻線の何れか一方に電流を通電することにより、前記磁石材料の着磁を行なうものである。
また、請求項4の発明の誘導同期電動機の製造方法は、請求項1又は請求項2に加えて、前記固定子巻線は三相巻線を有する三相構成であり、前記固定子巻線の一相、又は、二相、若しくは、三相の巻線に電流を通電することにより、前記磁石材料の着磁を行なうものである。
また、請求項5の発明の誘導同期電動機の製造方法は、請求項1乃至請求項4に加えて、前記固定子巻線にはワニス、若しくは、加熱されて巻線を融着する固着材を塗布するものである。
本発明によれば、誘導同期電動機の製造方法は、固定子巻線を備えた固定子と、当該固定子内で回転する回転子とから成り、該回転子を構成する回転子継鉄部の周辺部に設けられた2次導体と、前記回転子継鉄部に埋め込まれた磁石材料とを備えたものであって、前記回転子継鉄部内に前記永久磁石の磁石材料を埋め込み、前記固定子巻線に電流を通電することにより、前記磁石材料の着磁を行なうので、回転子を固定子内に挿入する際、周囲に吸着してしまうこともないので誘導同期電動機の組み立て作業性を大幅に向上させることが可能となる。従って、誘導同期電動機の生産性が低下してしまう不都合を未然に防止することができるので、誘導同期電動機の組み立て作業性を向上させることができ、総じて、信頼性の高い誘導同期電動機を提供することができるようになるものである。
請求項2の発明によれば、誘導同期電動機の製造方法は、請求項1に加えて、前記磁石材料として希土類又はフェライト材料を使用するので、例えば着磁磁界が低くても高磁石特性を実現することが可能となる。これにより、固定子巻線に通電する電流を小さくし着磁時に発生する温度を低く抑えることが可能となる。従って、高い温度によって回転子、或いは固定子などの変形を最小限に抑えられ誘導同期電動機としての高品質を確実に確保することができるようになるものである。
請求項3の発明によれば、誘導同期電動機の製造方法は、請求項1又は請求項2に加えて、前記固定子巻線は、主巻線及び補助巻線を有する単相構成であり、前記主巻線又は補助巻線の何れか一方に電流を通電することにより、前記磁石材料の着磁を行なうので、例えば、主巻線と補助巻線との同時通電時よりも着磁性能を向上させることが可能となる。従って、着磁していない磁石材料に強力な着磁を行なうことができるようになるものである。
請求項4の発明によれば、誘導同期電動機の製造方法は、請求項1又は請求項2に加えて、前記固定子巻線は三相巻線を有する三相構成であり、前記固定子巻線の一相、又は、二相、若しくは、三相の巻線に電流を通電することにより、前記磁石材料の着磁を行なうので、磁石配置や巻線の許容電流(対変形など)により巻線の通電相を選択することができるようになるものである。
請求項5の発明によれば、誘導同期電動機の製造方法は、請求項1乃至請求項4に加えて、前記固定子巻線にはワニス、若しくは、加熱されて巻線を融着する固着材を塗布するので、例えば、回転子に挿入した着磁していない磁石材料を固定子巻線に通電して着磁する際、固定子巻線が電磁力を受けても巻線の変形及び巻線皮膜の劣化を防止することが可能となる。従って、回転子に挿入した着磁していない磁石材料を着磁しても固定子巻線の巻線エンドが変形することもないので高信頼性の誘導同期電動機を供給することができるようになるものである。
以上詳述した如く本発明によれば、誘導同期電動機の製造方法は、固定子巻線を備えた固定子と、当該固定子内で回転する回転子とから成り、該回転子を構成する回転子継鉄部の周辺部に設けられた2次導体と、前記回転子継鉄部に埋め込まれた磁石材料とを備えたものであって、前記回転子継鉄部内に前記永久磁石の磁石材料を埋め込み、前記固定子巻線に電流を通電することにより、前記磁石材料の着磁を行なうので、回転子を固定子内に挿入する際、周囲に吸着してしまうこともないので誘導同期電動機の組み立て作業性を大幅に向上させることが可能となる。従って、誘導同期電動機の生産性が低下してしまう不都合を未然に防止することができるので、誘導同期電動機の組み立て作業性を向上させることができ、総じて、信頼性の高い誘導同期電動機を提供することができるようになるものである。
また、請求項2の発明によれば、誘導同期電動機の製造方法は、請求項1に加えて、前記磁石材料として希土類又はフェライト材料を使用するので、例えば着磁磁界が低くても高磁石特性を実現することが可能となる。これにより、固定子巻線に通電する電流を小さくし着磁時に発生する温度を低く抑えることが可能となる。従って、高い温度によって回転子、或いは固定子などの変形を最小限に抑えられ誘導同期電動機としての高品質を確実に確保することができるようになるものである。
更に、請求項3の発明によれば、誘導同期電動機の製造方法は、請求項1又は請求項2に加えて、前記固定子巻線は、主巻線及び補助巻線を有する単相構成であり、前記主巻線又は補助巻線の何れか一方に電流を通電することにより、前記磁石材料の着磁を行なうので、例えば、主巻線と補助巻線との同時通電時よりも着磁性能を向上させることが可能となる。従って、着磁していない磁石材料に強力な着磁を行なうことができるようになるものである。
更にまた、請求項4の発明によれば、誘導同期電動機の製造方法は、請求項1又は請求項2に加えて、前記固定子巻線は三相巻線を有する三相構成であり、前記固定子巻線の一相、又は、二相、若しくは、三相の巻線に電流を通電することにより、前記磁石材料の着磁を行なうので、磁石配置や巻線の許容電流(対変形など)により巻線の通電相を選択することができるようになるものである。
また、請求項5の発明によれば、誘導同期電動機の製造方法は、請求項1乃至請求項4に加えて、前記固定子巻線にはワニス、若しくは、加熱されて巻線を融着する固着材を塗布するので、例えば、回転子に挿入した着磁していない磁石材料を固定子巻線に通電して着磁する際、固定子巻線が電磁力を受けても巻線の変形及び巻線皮膜の劣化を防止することが可能となる。従って、回転子に挿入した着磁していない磁石材料を着磁しても固定子巻線の巻線エンドが変形することもないので高信頼性の誘導同期電動機を供給することができるようになるものである。
次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の誘導同期電動機2を適用した密閉型電動圧縮機Cの縦断側面図例である。図において、1は密閉容器であり、内部の上側に誘導同期電動機2、下側にこの誘導同期電動機2で回転駆動される圧縮機3が収納されている。密閉容器1は予め2分割されたものに誘導同期電動機2、圧縮機3を収納した後、高周波溶着などによって密閉されたものである。尚、密閉型電動圧縮機Cとしては、ロータリー、レシプロ、スクロールコンプレッサなどが挙げられる。
誘導同期電動機2は、単相2極で構成されると共に密閉容器1の内壁に固定された固定子4と、この固定子4の内側に回転軸6を中心にして回転自在に支持された回転子5とから構成されている。そして、固定子4は回転子5に回転磁界を与える固定子巻線7を備えている。
圧縮機3は中間仕切板8で仕切られた第1のロータリー用シリンダ9及び第2のロータリー用シリンダ10を備えている。各シリンダ9、10には回転軸6で回転駆動される偏心部11、12が取り付けられており、これら偏心部11、12は偏心位置がお互いに180度位相がずれている。
13、14はそれぞれシリンダ9、10内を回転する第1のローラ、第2のローラであり、それぞれ偏心部11、12の回転でシリンダ内を回転する。15、16はそれぞれ第1の枠体、第2の枠体であり、第1の枠体15は中間仕切板8との間にシリンダ9の閉じた圧縮空間を形成させ、第2の枠体16も同様に中間仕切板8との間にシリンダ10の閉じた圧縮空間を形成させている。また、第1の枠体15、第2の枠体16はそれぞれ回転軸6の下部を回転自在に軸支する軸受部17、18を備えている。
19、20は吐出マフラーであり、それぞれ第1の枠体15、第2の枠体16を覆うように取り付けられている。尚、シリンダ9と吐出マフラー19は第1の枠体15に設けられた図示しない吐出孔にて連通されており、シリンダ10と吐出マフラー20も第2の枠体16に設けられた図示しない吐出孔にて連通されている。21は密閉容器1の外部に設けられたバイパス管であり、吐出マフラー20の内部に連通している。
また、22は密閉容器1の上に設けられた吐出管であり、23、24はそれぞれシリンダ9、10へつながる吸入管である。また、25は密閉ターミナルであり、密閉容器1の外部から固定子4の固定子巻線7へ電力を供給するものである(密閉ターミナル25と固定子巻線7とをつなぐリード線は図示せず)。60は回転子5の回転バランスを良好にするためのバランサである。
また、26は回転子鉄心であり、図示しないが厚さ0.3mm〜0.7mmの電磁鋼板を所定の形状に打ち抜いた回転子用鉄板を複数枚積層し、お互いにカシメて一体に積層されている(尚、カシメによらずに溶接にて一体化しても良い)。66、67は回転子鉄心26の上下端に取り付けられる端面部材である。該端面部材66、67はステンレス、アルミニウム、銅、黄銅などの非磁性体からなる平板材にて構成されている。尚、端面部材66、67に磁性体を使用すると、端面部材66、67が磁路となり回転子5の磁石が磁気短絡を起こし誘導同期電動機2の運転性能が悪化するため非磁性体としている。
図2は密閉容器1を2分割した密閉型電動圧縮機Cの平面図、図3は密閉型電動圧縮機Cの横断上面図、図4は回転子5の横断上面図、図5、図6は回転子5の側面図である。固定子4には固定子巻線7が捲回され、この固定子巻線7とつながれている引出し線50と、固定子巻線7のコイルエンドとが一緒にポリエステル糸70にて結線されると共に、この引出し線50は前記密閉ターミナル25に接続される。
回転子5は、回転子継鉄部5Aと、この回転子継鉄部5Aの周辺部に位置してダイカスト成型された籠型の2次導体5Bと、回転子継鉄部5Aの両端面の周辺部に位置してリング状に所定寸法突出すると共に当該籠型の2次導体5Bと一体にダイカスト成型された他方のエンドリング69と、回転子継鉄部5Aに埋め込まれた後述する永久磁石31とから構成されている。この永久磁石31は永久磁石材が後述するスロット44内に挿入された後着磁が行なわれる。着磁は回転軸6の一側(例えば、図中右側)に埋め込まれた永久磁石31(31SA、31SB)をそれぞれ同じS極とし、他側(図中左側)に埋め込まれた永久磁石31(31NA、31NB)をそれぞれ同じN極に着磁される(図4、図5)。
また、籠型の2次導体5Bは、回転子継鉄部5Aの周辺部に複数設けられると共に回転軸6の延在方向に渡って籠型に形成された図示しない円筒形の孔にアルミダイカストが射出成型されている。該籠型の2次導体5Bは一端から他端に渡って回転軸6の円周方向に所定の角度の螺旋状に傾斜した、所謂スキュー付き構造に形成されている(図6)。
回転子継鉄部5Aには上下方向に貫通形成され両端を開口したスロット44が複数形成され(本実施例では4個)、このスロット44の両端開口は一対の前記端面部材66、67にてそれぞれ閉塞される(図8)。そして、籠型の2次導体5B及びエンドリング68、69のダイカスト成型時に一方の端面部材67を、一方のエンドリング69によって回転子継鉄部5Aに固定している。また、他方の端面部材66を固定具としての複数のリベット66A・・・にて回転子継鉄部5Aに固定している。
この場合、スロット44の開口から未着磁の永久磁石31の磁石材料が挿入された後、他方の端面部材66にて開口が閉塞され、この端面部材66がリベット66A・・・にて回転子継鉄部5Aに設けられた係合孔5Cにカシメ固定され、これによって磁石材料が各スロット44内にそれぞれ固定される。磁石材料としては、例えばプラセオジウム系、若しくは表面にニッケルメッキ等を施したネオジウム系の希土類又はフェライト材料などの着磁磁界が低くても高磁石特性を実現可能な磁石材料が使用される。この場合、フェライト磁石又は希土類磁石(常温時の保磁力が1350〜2150kA/mで保磁力温度係数が−0.7%/℃以下)を使用することで、運転時の減磁を防止することができる。
ここで、着磁しない磁石材料を回転子に挿入してから固定子巻線に通電して着磁を行なうと着磁の際に発生する電磁力で固定子巻線に変形が発生してしまう。このため、固定子巻線7にはワニス、若しくは、加熱によって融着する固着材を巻線に塗布している。該ワニス、若しくは、加熱によって融着する固着材は、磁石材料を着磁する際、固定子巻線7が発熱し加熱した場合でも、加熱による固定子巻線7の巻線エンドの変形及び巻線皮膜の劣化を確実に防止するものである。
そして、誘導同期電動機の品質が低下してしまう問題がある。そこで、固定子巻線の一相、又は、二相の巻線に所定の電圧、所定の電流を通電し、回転子継鉄部5Aに設けられスロット44内に固定された未着磁の磁石材料の磁化を行なう。これにより、後述する主巻線7Aと補助巻線7Bとの同時通電時よりも着磁性能を向上させることが可能となる。従って、着磁していない磁石材料に強力な着磁を行なうことができる。
回転子5には磁石材料が着磁された永久磁石31、31は回転軸6に対向して4枚設けられると共に、対向する各永久磁石31、31はそれぞれ異なる磁極で配置されている(図7)。そして、回転軸6の一側(例えば、図中右側上下、)に埋め込まれた永久磁石31SA、31SBはそれぞれ同じS極、他側(図中左側上下)に埋め込まれた永久磁石31NA、31NBはそれぞれ同じN極としている。
即ち、各永久磁石31SA、31SB、永久磁石31NA、31NBは回転軸6を中心に略四角形に配置されると共に、回転軸6の円周方向外側に向けてそれぞれ異なるS極と、N極の2極構成で埋め込まれ、後述する主巻線7A、補助巻線7Bの磁力で回転子5に回転力を付与できるように構成されている。尚、図7の永久磁石31の配置は前記図2、図3、図4、図5の永久磁石31の配置に対して異なる配置となっているが、図7の永久磁石31の配置を図2、図3、図4、図5のような配置にしても差し支えない。この場合はリベット66Aのカシメ位置を変える必要がある。また、図2、図3、図4、図5の永久磁石31を図7のように配置しても差し支えない。
このような、誘導同期電動機2を搭載した密閉型電動圧縮機Cを用いたエアーコンデショナー、或いは、電気冷蔵庫などの冷媒回路(図9)に使用し、室内の空気調和や冷蔵庫の庫内が冷却される。即ち、冷媒回路内に封入された冷媒は、密閉型電動圧縮機Cの圧縮機3が駆動されると、吸込管23から吸引され第1のロータリー用シリンダ9及び第2のロータリー用シリンダ10にて圧縮されて吐出管22から配管27に吐出される。配管27に吐出された圧縮ガス冷媒は、凝縮器28(コンデンサ)に流入し、そこで放熱して凝縮され液冷媒となって受液器(レシーバタンク)29に流入する。
受液器29に流入しそこで一旦貯溜され液冷媒は、受液器29の出口側の配管29Aからドライヤ30、モイスチャインジケータ35、電磁弁36を介して温度自動膨張弁37で絞られた後、蒸発器38(エバポレータ)に流入し、そこで蒸発気化する。その時に周囲から熱を吸収することにより冷却作用を発揮し殆どが液化した後、冷媒は蒸発器38の出口側の配管38Aからアキュムレータ39に流入し、そこで、気液分離された後、逆止弁40を介して圧縮機3に再び吸い込まれる冷凍サイクルを繰り返す。
前記受液器29を出た液冷媒は配管29Aから分岐してキャピラリチューブ41、高低圧圧力スイッチ42、キャピラリチューブ43を介して蒸発器38とアキュムレータ39間の配管38Aに接続されている。この高低圧圧力スイッチ42はキャピラリチューブ41、43を介して配管29Aと配管38Aの圧力を検出し、両配管29A、38Aの圧力が、所定の圧力差以上になり密閉型電動圧縮機Cに吸い込まれる冷媒が不足した場合、受液器29からの液冷媒を圧縮機3内に流入し保護する。また、温度自動膨張弁37は蒸発器38の出口側に設けられた感温筒34が検出した温度によって開度を自動調整する。
一方、図10に誘導同期電動機2の電気回路図を示している。図10において、単相交流商用電源AC2より電力供給される誘導同期電動機2は主巻線7Aと補助巻線7Bとを備えており、単相交流商用電源AC2の一方に接続された主巻線7Aは単相交流商用電源AC2の他方に接続されている。また、単相交流商用電源AC2の一方に接続された補助巻線7Bは、PTC46、始動コンデンサ48を介して単相交流商用電源AC2の他方に直列に接続されると共に、PTC46、始動コンデンサ48と並列に運転コンデンサ47が接続されている。
該PTC46は温度に比例して抵抗値が増大する半導体素子で、誘導同期電動機2の始動時は抵抗値が低く、電流が流れて発熱すると抵抗値が高くなる。尚、49は電源スイッチで、線電流を検知する電流感応型の線電流検知器と単相交流商用電源AC2から固定子巻線7への電力供給を行なうと共に、固定子巻線7への電力供給を遮断する保護スイッチを兼ねた過負荷リレーにて構成されている。また、運転コンデンサ47は定常運転に適した容量に設定され、運転コンデンサ47と始動コンデンサ48とが並列に接続された状態で、それらのコンデンサ47、48は始動に適した容量に設定されてる。
次に、誘導同期電動機2の動作を説明する。電源スイッチ49が閉じられると、単相交流商用電源AC2から主巻線7A及び補助巻線7Bに電流が流れる。誘導同期電動機2の始動時当初はPTC46の温度は低く、抵抗値も低いためにPTC46に大きな電流が流れて補助巻線7Bにも大きな電流が流れると共に、補助巻線7Bは並列に接続された運転コンデンサ47、始動コンデンサ48と主巻線7Aとの電流位相差にて始動トルクを得て誘導同期電動機2は始動運転を開始する。
そして、この通電によってPTC46は自己発熱するため、抵抗値が増大していきやがてPTC46自体には殆ど電流は流れなくなる。これによって始動コンデンサ48が切り離され運転コンデンサ47による主巻線7Aと補助巻線7Bの電流位相差にて誘導同期電動機2は定常運転を継続する。該密閉型電動圧縮機Cの運転によって、空気調和で室内の空気調和が行なわれると共に冷蔵庫の庫内が冷却される。
このように、回転子継鉄部5A内に永久磁石31の磁石材料を埋め込んだ後、固定子巻線7に電流を通電することにより、磁石材料の着磁を行なうようにしているので、回転子5を固定子4内に挿入する際、固定子4に挿入した永久磁石31によって周囲に吸着してしまうこともないので誘導同期電動機2の組み立て作業性を大幅に向上させることが可能となる。これにより、誘導同期電動機2の生産性が低下してしまう不都合を未然に防止することができ、誘導同期電動機2の組み立て作業性を向上させることができる。
次に、他の回転子5を図11に示している。この場合、回転子継鉄部5Aには2枚の磁石材料が埋め込まれており、この2枚の磁石材料は板状に形成され回転子5を中心に対向して2枚が平行に設けられると共に、回転子継鉄部5Aの上下方向に貫通形成されたスロット44に埋め込まれている。該磁石材料は前述同様希土類又はフェライト材料にて構成されている。
ここで、図16に三相2極の誘導同期電動機2Aを説明する。この誘導同期電動機2Aは前記誘導同期電動機2同様密閉型電動圧縮機Cに搭載される。図16は三相2極の誘導同期電動機2Aの電気回路図で、図において、誘導同期電動機2Aは巻線75A、巻線75B、巻線75Cとからなる三相の固定子巻線75を備えている。固定子巻線75の各巻線75A、巻線75B、巻線75Cは電源スイッチ77を介して三相交流商用電源AC3に接続されている。尚、76は線電流を検知する電流感応型の線電流検知器であり、各巻線75A、巻線75B、巻線75Cに接続されている配線にそれぞれ設けられている。また電源スイッチ77は予め設定された所定の電流を線電流検知器76で感知した場合、固定子巻線7への電源供給を遮断する保護スイッチを兼ねている。他前述同様に構成されている。
そして、両磁石材料は固定子巻線の一相、又は、二相、若しくは、三相の巻線に所定の電圧、所定の電流が通電されて回転子継鉄部5Aに設けられスロット44内に固定された未着磁の磁石材料が磁化される。これにより、対向する両磁石材料はそれぞれ異なる磁極の永久磁石31に着磁される。即ち、回転子5には対向する右側の永久磁石31SAと、左側の永久磁石31NAとを異なる磁極に着磁された各永久磁石31・・・が内蔵される。
他方、回転子5の他の例を図12に示している。この場合も、回転子継鉄部5Aには2枚の磁石材料が設けられており、2枚の磁石材料は、回転子継鉄部5Aの上下方向に貫通形成されたスロット44にそれぞれ埋め込まれている。該磁石材料は籠型2次導体5Bの内側に円弧状に所定の間隔で配置されると共に、円弧状の両磁石材料の両端部は相互に近接して埋め込まれている。該磁石材料は前述同様希土類又はフェライト材料にて構成されている。
そして、両磁石材料は固定子巻線の一相、又は、二相、若しくは、三相の巻線に所定の電圧、所定の電流が通電されて回転子継鉄部5Aに設けられ各スロット44内に固定された未着磁の磁石材料が磁化される。これにより、対向する両磁石材料はそれぞれ異なる磁極の永久磁石31に着磁された回転子5を構成している。即ち、回転子5には対向する右側上下2枚の永久磁石31SA、31SBと、左側上下2枚の永久磁石31NA、31NBとを異なる磁極に着磁された各永久磁石31・・・が内蔵される。
また、他の回転子5を図13に示している。この場合も、回転子継鉄部5Aには4枚の磁石材料が設けられており、4枚の磁石材料は回転子継鉄部5Aの上下方向に貫通形成されたスロット44にそれぞれ埋め込まれている。該磁石材料は籠型の2次導体5Bの内側に2枚の永久磁石31が略く字状に配置した状態で回転子5を中心に対向して埋め込まれて上面略縦長菱形に配置されている。該磁石材料は前述同様希土類又はフェライト材料にて構成されている。尚、32はS極(永久磁石31SA、31SB)と、N極(永久磁石31NA、31NB)との磁界を遮断するための空隙であるが、この空隙32は無くても良い。
そして、各磁石材料は固定子巻線の一相、又は、二相、若しくは、三相の巻線に所定の電圧、所定の電流が通電されて回転子継鉄部5Aに設けられ各スロット44内に固定された未着磁の磁石材料が磁化される。これにより、対向して配置された各核磁石材料はそれぞれ異なる磁極の永久磁石31に着磁される。即ち、回転子5には対向する右側上下2枚の永久磁石31SA、31SBと、左側上下2枚の永久磁石31NA、31NBとを異なる磁極に着磁された各永久磁石31・・・が内蔵される。
また、他の回転子5を図14に示している。この場合も、回転子継鉄部5Aには6枚の磁石材料が設けられており、6枚の磁石材料は回転子継鉄部5Aの上下方向に貫通形成されたスロット44にそれぞれ埋め込まれている。該磁石材料は籠型の2次導体5Bの内側に回転子5を中心に対向して6角形に配置されている。該磁石材料は前述同様希土類又はフェライト材料にて構成されている。
そして、各磁石材料は固定子巻線の一相、又は、二相、若しくは、三相の巻線に所定の電圧、所定の電流が通電されて回転子継鉄部5Aに設けられ各スロット44内に固定された未着磁の磁石材料が磁化される。これにより、対向して配置された各核磁石材料はそれぞれ異なる磁極の永久磁石31に着磁される。即ち、回転子5には対向する右側3枚の永久磁石31SA、31SB、31SCと、左側3枚の永久磁石31NA、31NB、31NCとを異なる磁極に着磁された各永久磁石31・・・が内蔵される。
また、他の回転子5を図15に示している。この場合も、回転子継鉄部5Aには8枚の磁石材料が設けられており、8枚の磁石材料は回転子継鉄部5Aの上下方向に貫通形成されたスロット44にそれぞれ埋め込まれている。該磁石材料は籠型の2次導体5Bの内側に回転子5を中心に対向して8角形に配置されている。該磁石材料は前述同様希土類又はフェライト材料にて構成されている。
そして、各磁石材料は固定子巻線の一相、又は、二相、若しくは、三相の巻線に所定の電圧、所定の電流が通電されて回転子継鉄部5Aに設けられ各スロット44内に固定された未着磁の磁石材料が磁化される。これにより、対向して配置された各核磁石材料はそれぞれ異なる磁極の永久磁石31に着磁される。即ち、回転子5には対向する右側3枚の永久磁石31SA、31SB、31SC、31SDと、左側3枚の永久磁石31NA、31NB、31NC、31NDとを異なる磁極に着磁された各永久磁石31・・・が内蔵される。
このように、回転子5に挿入された着磁していない複数の磁石材料を一度或いは複数回に分けて着磁することが可能となる。これにより、着磁時に熱によって巻線などに変形が生じる場合は一相、又は、二相の巻線のどちらかを選択し通電して着磁することができ、また、着磁による熱により巻線などに変形が生じない場合でも一相、又は、二相の巻線のどちらかを選択し通電し一度に着磁することができる。これにより、回転子5に挿入された着磁していない複数の磁石材料の着磁を効率的に行なうことができ、誘導同期電動機2の生産性を大幅に向上させることが可能となる。
尚、実施例では密閉型電動圧縮機Cの一例としてロータリーコンプレッサを採用したが、それに限らず、相互に噛み合う一対のスクロールから成る密閉式のスクロール圧縮機に用いられる密閉型電動圧縮機Cの誘導同期電動機にも本発明は有効である。
1 密閉容器
2 誘導同期電動機
3 圧縮機
4 固定子
5 回転子
5A 回転子継鉄部
5B 2次導体
5C 係合孔
7 固定子巻線
7A 主巻線
7B 補助巻線
26 回転子鉄心
28 凝縮器
29 受液器
31 永久磁石
38 蒸発器
49 電源スイッチ
C 密閉型電動圧縮機
AC2 単相交流商用電源
2 誘導同期電動機
3 圧縮機
4 固定子
5 回転子
5A 回転子継鉄部
5B 2次導体
5C 係合孔
7 固定子巻線
7A 主巻線
7B 補助巻線
26 回転子鉄心
28 凝縮器
29 受液器
31 永久磁石
38 蒸発器
49 電源スイッチ
C 密閉型電動圧縮機
AC2 単相交流商用電源
Claims (5)
- 固定子巻線を備えた固定子と、当該固定子内で回転する回転子とから成り、
該回転子を構成する回転子継鉄部の周辺部に設けられた2次導体と、前記回転子継鉄部に埋め込まれた磁石材料とを備えた誘導同期電動機の製造方法であって、
前記回転子継鉄部内に前記永久磁石の磁石材料を埋め込み、この回転子を固定子内に配置し、前記固定子巻線に電流を通電することにより、前記磁石材料の着磁を行なうことを特徴とする誘導同期電動機の製造方法。 - 前記磁石材料として希土類又はフェライト材料を使用することを特徴とする請求項1の誘導同期電動機の製造方法。
- 前記固定子巻線は、主巻線及び補助巻線を有する単相構成であり、 前記主巻線又は補助巻線の何れか一方に電流を通電することにより、前記磁石材料の着磁を行なうことを特徴とする請求項1又は請求項2の誘導同期電動機の製造方法。
- 前記固定子巻線は三相巻線を有する三相構成であり、前記固定子巻線の一相、又は、二相、若しくは、三相の巻線に電流を通電することにより、前記磁石材料の着磁を行なうことを特徴とする請求項1又は請求項2の誘導同期電動機の製造方法。
- 前記固定子巻線にはワニス、若しくは、加熱されて巻線を融着する固着材を塗布することを特徴とする請求項1乃至請求項4の誘導同期電動機の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005044353A JP2005192396A (ja) | 2005-02-21 | 2005-02-21 | 誘導同期電動機の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005044353A JP2005192396A (ja) | 2005-02-21 | 2005-02-21 | 誘導同期電動機の製造方法 |
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JP2005192396A true JP2005192396A (ja) | 2005-07-14 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018061436A (ja) * | 2011-10-31 | 2018-04-12 | アスモ株式会社 | 着磁方法及び着磁装置 |
-
2005
- 2005-02-21 JP JP2005044353A patent/JP2005192396A/ja active Pending
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JP2018061436A (ja) * | 2011-10-31 | 2018-04-12 | アスモ株式会社 | 着磁方法及び着磁装置 |
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