JP2010181530A - 電気光学装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体素子形成後の基板の反りを抑制して歩留りよく電気光学装置を製造可能な電気光学装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】本適用例の電気光学装置の製造方法としての液晶装置の製造方法は、半導体素子が形成される前の基板を熱処理する熱処理工程(ステップS1)と、熱処理後の基板の反りによる凸面が一定の方向に向くように基板を再配置する配置工程(ステップS2)と、上記凸面側に半導体素子を形成する素子形成工程(ステップS3)と、を備えた。
【選択図】図5
【解決手段】本適用例の電気光学装置の製造方法としての液晶装置の製造方法は、半導体素子が形成される前の基板を熱処理する熱処理工程(ステップS1)と、熱処理後の基板の反りによる凸面が一定の方向に向くように基板を再配置する配置工程(ステップS2)と、上記凸面側に半導体素子を形成する素子形成工程(ステップS3)と、を備えた。
【選択図】図5
Description
本発明は、電気光学装置の製造方法に関する。
電気光学装置として、例えば一対の基板と、一対の基板に挟持された液晶層とを有する液晶装置が挙げられる。また、駆動方式として複数の画素ごとに設けられた画素電極に駆動電圧を印加するためのスイッチング素子を備えたアクティブ型や、スイッチング素子を備えていないパッシブ型が存在する。階調表示性や応答速度などの表示特性において、アクティブ型はパッシンブ型に優っている。
上記スイッチング素子として半導体薄膜トランジスターが挙げられる。特許文献1には、半導体薄膜トランジスターを備えた液晶表示パネルの製造方法が開示されている。基板上に半導体薄膜トランジスターを形成する際の最高プロセス温度は、熱酸化によりゲート酸化膜を形成する工程であり、例えば基板として8インチのシリコンウェハを用い熱酸化温度を1150℃以上とした場合には、反り量が800μmに達することが記載されている。特許文献1では、このような基板の反りを改善するため、ポリシリコン層を1050℃以下の温度にて熱酸化して形成された熱酸化膜と、当該熱酸化膜上にCVD法により気相成長させたシリコン酸化膜とからなるゲート酸化膜を採用する方法や、ポリシリコン層を形成する前に熱酸化温度とほぼ等しい温度で予め基板をアニールする方法などが開示されている。
また、特許文献2には、基板上の膜形成する加工面を上方に向けて基板を端部において支持する熱処理装置に配置する通常配置処理と、加工面を下方に向けて基板を端部において支持する熱処理装置に配置する反転配置処理とを具備した半導体装置の製造方法が開示されている。この製造方法によれば、膜の応力による反り量と加熱時の自重による反り量とを相殺して、基板の反りを防止できるとしている。
さらには、反転配置処理は、基板の熱変形温度よりも高い温度での熱処理工程時に実施することが示されている。
さらには、反転配置処理は、基板の熱変形温度よりも高い温度での熱処理工程時に実施することが示されている。
上記特許文献1の液晶表示パネルの製造方法を用いた場合、基板としての8インチウェハの反り量を100μm以下にできるとしているものの、基板サイズがより大型化した場合、基板の搬送などの取り扱いや該基板を用いて電気光学装置を組み立てる場合の精度上において、さらに反り量を抑えたいという課題がある。
また、上記特許文献2の半導体装置の製造方法を適用する場合には、加熱処理を伴う成膜工程に対応して加熱処理の条件と成膜面とを考慮して反転配置処理を行うか否かを判断する必要がある。したがって、加熱処理を伴う複数の成膜工程を有する場合には、成膜工程ごとに基板の配置が異なるおそれがあり、工程が複雑になるという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例の電気光学装置の製造方法は、半導体素子を有する基板を備えた電気光学装置の製造方法であって、前記半導体素子が形成される前の前記基板を熱処理する熱処理工程と、熱処理後の前記基板の反りによる凸面が一定の方向に向くように前記基板を再配置する配置工程と、前記凸面側に前記半導体素子を形成する素子形成工程と、を備えたことを特徴とする。
半導体素子を基板の一方の表面(以降、素子形成面と呼ぶ)に形成する場合、半導体素子を構成する各種の機能層と基板との熱膨張係数の違いなどにより、一般的に素子形成面が凹状に反る傾向がある。
この方法によれば、配置工程では熱処理後の基板の反りによる凸面が一定の方向に向くように揃え、素子形成工程では該凸面側に半導体素子を形成する。該凸面側に半導体素子を形成するので、半導体素子形成後の基板の反りを抑えることができる。
また、素子形成工程に入る前に基板を再配置し、素子形成工程では凸面側に半導体素子を形成するので、素子形成に係る工程ごとに基板を再配置する場合に比べて、工程や装置を簡略化できる。
この方法によれば、配置工程では熱処理後の基板の反りによる凸面が一定の方向に向くように揃え、素子形成工程では該凸面側に半導体素子を形成する。該凸面側に半導体素子を形成するので、半導体素子形成後の基板の反りを抑えることができる。
また、素子形成工程に入る前に基板を再配置し、素子形成工程では凸面側に半導体素子を形成するので、素子形成に係る工程ごとに基板を再配置する場合に比べて、工程や装置を簡略化できる。
[適用例2]上記適用例の電気光学装置の製造方法において、前記熱処理工程は、前記基板の周縁部を支持し前記基板をほぼ水平な状態として熱処理を行い、前記配置工程は、熱処理後の前記基板の表裏を反転させることを特徴とする。
この方法によれば、熱処理後の基板は、自重により鉛直方向において下方に向かってほぼ一定の反り量で凸状に反る。配置工程では基板の表裏を反転させるため、鉛直方向において凸面が必ず上方を向くように基板が再配置される。したがって、素子形成後の反り量のばらつきを低減して、基板の反りを安定的に抑えることができる。
この方法によれば、熱処理後の基板は、自重により鉛直方向において下方に向かってほぼ一定の反り量で凸状に反る。配置工程では基板の表裏を反転させるため、鉛直方向において凸面が必ず上方を向くように基板が再配置される。したがって、素子形成後の反り量のばらつきを低減して、基板の反りを安定的に抑えることができる。
[適用例3]上記適用例の電気光学装置の製造方法において、前記熱処理工程は、前記素子形成工程において前記基板が加熱される最高温度とほぼ同等な温度で前記基板を熱処理することを特徴とする。
この方法によれば、素子形成工程を経ることにより生ずる基板の熱処理に係る歪みを予め除くことができ、半導体素子形成後の基板の反りを効果的に抑えることができる。
この方法によれば、素子形成工程を経ることにより生ずる基板の熱処理に係る歪みを予め除くことができ、半導体素子形成後の基板の反りを効果的に抑えることができる。
[適用例4]上記適用例の電気光学装置の製造方法において、前記熱処理工程は、前記素子形成工程において前記基板が加熱される最高温度よりも高く、且つ前記基板の歪点以下の温度で前記基板を熱処理することが好ましい。
この方法によれば、素子形成工程を経ることにより生ずる基板の歪みを予め除くと共に、熱処理に伴う新たな歪みの発生を抑えて熱処理後の基板の反り量をより大きくできる。それゆえに、凸面側に半導体素子を形成する素子形成後の基板の反りをより効果的に抑えることができる。
この方法によれば、素子形成工程を経ることにより生ずる基板の歪みを予め除くと共に、熱処理に伴う新たな歪みの発生を抑えて熱処理後の基板の反り量をより大きくできる。それゆえに、凸面側に半導体素子を形成する素子形成後の基板の反りをより効果的に抑えることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
<電気光学装置>
まず、本実施形態の電気光学装置の製造方法を適用する電気光学装置としての液晶装置について、図1〜図3を参照して説明する。
まず、本実施形態の電気光学装置の製造方法を適用する電気光学装置としての液晶装置について、図1〜図3を参照して説明する。
図1(a)は液晶装置の構成を示す概略平面図、(b)は(a)のH−H'線で切った概略断面図、図2は液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図、図3は液晶装置の構造を示す要部断面図である。
図1(a)および(b)に示すように、本実施形態の液晶装置100は、対向配置された一対の基板としての素子基板10および対向基板20と、素子基板10と対向基板20との間に挟持された液晶層50とを備えている。素子基板10および対向基板20は、例えば透明な石英などからなる基板であり、例えば熱硬化型または紫外線硬化型の接着剤からなるシール材52によって貼り合わされている。
液晶装置100は、表示領域10a内にマトリクス状の配置された複数の画素103を有する。素子基板10上には画素103を構成する、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極からなる画素電極9と、画素電極9を駆動制御するスイッチング素子としての薄膜トランジスター(TFT;Thin Film Transistor)30とが設けられている。また、これら画素電極9などを覆うと共にラビングなどの配向処理が施された例えばポリイミド樹脂などからなる配向膜16が設けられている。
対向基板20の液晶層50に面する側には、ほぼ全面に例えばITOなどの透明電極からなる対向電極21と、対向電極21を覆うと共にラビングなどの配向処理が施された例えばポリイミド樹脂などからなる配向膜22が設けられている。
また、対向基板20には、液晶層50に向かって対向電極21の下(図面では上方)に画素103を格子状に区画する遮光膜23と、表示領域10aの周辺部に配置された遮光膜53とが設けられている。遮光膜23,53は、例えば遮光性を有するCrなどの金属や金属酸化物などの無機化合物、あるいは遮光性を有する有機化合物が用いられている。
素子基板10と対向基板20とを接合するシール材52は、額縁状に設けられた辺部の一部が欠落した注入口108を有している。素子基板10と対向基板20との隙間に注入口108から液晶が注入され、封止材109で封止されている。
素子基板10は対向基板20に比べて一回り大きく、対向基板20から突出した一辺部には、データ線駆動回路101と、複数の外部接続端子102とが設けられている。
素子基板10のシール材52の内側には、表示領域10aを挟んで一対の走査線駆動回路104と、この間を繋ぐ配線105とが設けられている。対向基板20の遮光膜53は、平面的に走査線駆動回路104に重なるように設けられている。
素子基板10のシール材52の内側には、表示領域10aを挟んで一対の走査線駆動回路104と、この間を繋ぐ配線105とが設けられている。対向基板20の遮光膜53は、平面的に走査線駆動回路104に重なるように設けられている。
素子基板10と対向基板20との間には、シール材52の4つのコーナー部に上下導通材106が配設されており、同じく上下導通材106に対応して配設された上下導通端子107により、対向基板20側の対向電極21が素子基板10側に電気的に導かれ、複数の外部接続端子102のうちの指定された端子に接続されている。
図2に示すように、液晶装置100は、表示領域10aを構成する各画素103は、画素電極9と画素電極9をスイッチング制御するためのTFT30とを有している。また、走査線3aと並行して配置された共通線3bを有している。なお、図示省略したが、前述したように画素電極9と対向電極21との間に液晶層50が存在する。
データ線駆動回路101から延びるデータ線6がTFT30のソースと電気的に接続されている。データ線駆動回路101は、画像信号D1,D2,…,Dnを、データ線6を介して各画素103に供給する。画像信号D1〜Dnはこの順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6同士に対して、グループごとに供給するようにしてもよい。
また、TFT30のゲートには、走査線駆動回路104から延びる走査線3aが電気的に接続されている。走査線駆動回路104から所定のタイミングで走査線3aにパルス的に供給される走査信号G1,G2,…,Gmが、この順に線順次でTFT30のゲートに印加されるようになっている。画素電極9は、TFT30のドレインに電気的に接続されている。
スイッチング素子であるTFT30が走査信号G1,G2,…,Gmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6から供給される画像信号D1,D2,…,Dnが所定のタイミングで画素電極9に書き込まれるようになっている。画素電極9を介して液晶層50に書き込まれた所定レベルの画像信号D1,D2,…,Dnは、共通線3bとドレインとの間に設けられた蓄積容量40の作用により一定期間保持される。すなわち、蓄積容量40は保持容量として機能するものである。
次に、画素103の電気的な構成に係る液晶装置100における構造について、図3を参照して説明する。
図3に示すように、透明な石英等の基板からなる素子基板10上には、シリコン酸化物膜等からなる絶縁膜11が設けられ、絶縁膜11上に走査線3aおよび共通線3bが形成されている。これらの走査線3aおよび共通線3bを覆って、シリコン酸化物膜等からなるゲート絶縁膜12が形成されている。ゲート絶縁膜12上には、島状の半導体層31と、半導体層31と一部が重なるようにソース電極6aとドレイン電極32とが形成されている。ドレイン電極32は、共通線3bと重なるように延出された配線部33を有する。ゲート絶縁膜12を介して対向配置された共通線3bと配線部33とにより蓄積容量40が構成されている。
これらの半導体層31、ソース電極6a、ドレイン電極32および配線部33を覆って、シリコン酸化物膜等からなる層間絶縁膜13が形成されている。層間絶縁膜13上には、画素電極9が形成され、層間絶縁膜13を貫通して配線部33に達する画素コンタクトホール9aを介して、画素電極9とドレイン電極32とが電気的に接続されている。
画素電極9を覆って、ポリイミド等からなる配向膜16が形成されている。配向膜16は、ラビング処理等の配向処理を施されて液晶を所定方向に配向させるようになっている。
同じく透明な石英等の基板からなる対向基板20上には、液晶層50側に向かって遮光膜23と、対向電極21と、配向膜22とが順に形成されている。遮光膜23は、前述したように対向基板20において画素103を区画するだけでなく、素子基板10のTFT30と平面的に重なる位置に設けられている。また、配向膜22においても、ラビング処理等の配向処理が施されていることは言うまでもない。
このような液晶装置100は、光の入射側と射出側とに光学部材としての偏光板(図示省略)が配置されて用いられる。
このような液晶装置100は、光の入射側と射出側とに光学部材としての偏光板(図示省略)が配置されて用いられる。
<電気光学装置の製造方法>
次に、本実施形態の電気光学装置の製造方法について、液晶装置100の製造方法を例に挙げて図4〜図9を参照して説明する。図4はマザー基板を示す概略平面図、図5は液晶装置の製造方法を示すフローチャート、図6(a)および(b)は熱処理装置を示す概略図、図7(a)および(b)は熱処理装置における基板の反り状態を示す概略図、図8(a)〜(c)は実施例の基板の反り状態を示す概略図、図9は実施例における反り量を示す表である。
次に、本実施形態の電気光学装置の製造方法について、液晶装置100の製造方法を例に挙げて図4〜図9を参照して説明する。図4はマザー基板を示す概略平面図、図5は液晶装置の製造方法を示すフローチャート、図6(a)および(b)は熱処理装置を示す概略図、図7(a)および(b)は熱処理装置における基板の反り状態を示す概略図、図8(a)〜(c)は実施例の基板の反り状態を示す概略図、図9は実施例における反り量を示す表である。
実際に液晶装置100を製造する際には、図4に示したマザー基板の構成を採用して製造を行う。
図4に示すように、マザー基板110は、ウェハ状であって複数の素子基板10がマトリクス状に面付けされると共に、素子基板10ごとに接合された対向基板20を有する。すなわち、素子基板10はマザー基板110に多数面付けされた状態で半導体素子であるTFT30や画素電極9などが形成される。
図5に示すように、液晶装置100の製造方法は、素子形成前の基板としてのマザー基板110を熱処理する熱処理工程(ステップS1)と、熱処理後のマザー基板110を反り状態によって再配置する配置工程(ステップS2)と、半導体素子であるTFT30やこれに繋がる配線等を形成する素子形成工程(ステップS3)と、画素電極9を形成する画素電極形成工程(ステップS4)と、配向膜16を形成して配向処理を施す配向処理工程(ステップS5)とを備えている。
また、対向基板20に対向電極21を形成する対向電極形成工程(ステップS6)と、配向膜22を形成して配向処理を施す配向処理工程(ステップS7)とを備えている。
さらに、マザー基板110の素子基板10ごとに対向基板20を貼り合せて組み立てる組立工程(ステップS8)と、液晶注入・封止工程(ステップS9)とを備えている。
ステップS3〜ステップS9はそれぞれ公知の製造方法を適用することができる。したがって、主にステップS1とステップS2を説明する。
ステップS3〜ステップS9はそれぞれ公知の製造方法を適用することができる。したがって、主にステップS1とステップS2を説明する。
まず、ステップS1の熱処理工程について説明する。熱処理工程では、図6に示した熱処理装置300を用いて、素子形成前のマザー基板110を熱処理する。図6(a)は熱処理装置300の構造を示す概略側面図であり、同図(b)は同図(a)の要部平面図である。
図6(a)および(b)に示すように、熱処理装置300は、複数のワークW(マザー基板110)を収納可能な治具303が内部に配置されるドーム状の熱処理炉301と、熱処理炉301が載置されることにより炉内を密閉する基部302と、炉内に処理ガスを導入するためのガス導入管304と、炉内の処理ガスを排出するためのガス排出管305と、熱処理炉301を取り囲んで配置された複数のヒーター部306とを備えている。
図6(b)に示すように、治具303は、一部が切り欠かれた円弧状の支持部312と、支持部312が取り付けられた3つの支柱311とを有する。支柱311には、複数の支持部312が取り付けられており、切り欠かれた側からワークWを出し入れするように構成されている。ウェハ状のワークWはその周縁部が支持部312により支持され、図6(a)に示すように、ほぼ水平な状態で治具303にセットされる。
例えば、複数のワークWが収納された治具303を基部302に配置し、上方から熱処理炉301を被せるように配置することにより、炉内が密閉される。炉内には、ガス導入管304を通じて窒素などの不活性ガスが充填される。
ヒーター部306により熱処理炉301を加熱して、炉内のワークWを熱処理する。例えば、ワークWとして石英基板からなるマザー基板110を用いたときの熱処理条件は、熱処理温度がおよそ1000℃、時間がおよそ120分(2時間)である。
熱処理温度は、素子形成工程(ステップS3)における加熱の最高温度1020℃とほぼ同等(±数%以内)である。熱処理温度はこれに限定されず、上記最高温度よりも高く、マザー基板110の熱処理による歪点以下の温度に設定することが好ましい。例えば、マザー基板110が石英基板の場合には、歪点が1090℃であるため、1000〜1090℃の範囲が好ましい。これにより、後の素子形成工程における加熱に伴う歪みを予め除き、本熱処理工程によって新たな歪みが生ずることを防止することができる。
図7(a)に示すように、治具303にセットされ支持部312により周縁部が支持されたマザー基板110は、図7(b)に示すように熱処理と自重とにより鉛直方向において下方に向かって凸状に反る。この反り状態は、徐冷後も同一の傾向が維持され、マザー基板110は、凸状の表面110aと凹状の表面110bとを有することになる。以降、これらの表面110a,110bをそれぞれ凸面110a、凹面110bと呼ぶ。そして、配置工程(ステップS2)へ進む。
ステップS2の配置工程では、凸面110aが上方を向くように、熱処理されたすべてのマザー基板110の表裏を反転させる。マザー基板110を反転させる方法としては、マニュピレーター等によりマザー基板110を吸着保持して反転させる方法などが挙げられる。そして、ステップS3へ進む。
ステップS3の素子形成工程では、凸面110a側に半導体素子であるTFT30やTFT30に接続する配線等を形成する。TFT30の形成方法としては、公知の形成方法を用いることができる。例えば、常圧又は減圧CVD法等によりTEOS(テトラ・エチル・オルソ・シリケート)ガス、TEB(テトラ・エチル・ボートレート)ガス、TMOP(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)ガス等を用いて形成された、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等によって絶縁膜11、ゲート絶縁膜12、層間絶縁膜13を構成することができる。
半導体層31は、例えばモノシランガス、ジシランガス等を用いた減圧CVDによりアモルファスシリコン膜を形成し、これを窒素雰囲気中で例えば約600〜700℃にて約1〜10時間、好ましくは、4〜6時間のアニール処理を施することにより、約50〜200nmの粒径、好ましくは約100nmの粒径となるまで固相成長させたポリシリコン膜を用いることができる。ポリシリコン膜を固相成長させる方法としては、RTA(Rapid Thermal Anneal)を使ったアニール処理でもよいし、エキシマレーザー等を用いたレーザーアニールでもよい。この際、画素スイッチング用のTFT30を、nチャネル型とするかpチャネル型にするかに応じて、V族元素やIII族元素のドーパントが僅かにイオン注入等によりドープされる。そして、フォトリソグラフィ法により所定パターンを有する半導体層31を形成する。
走査線3aや共通線3bの形成方法は、例えば低抵抗配線材料であるアルミなどの金属またはその化合物を蒸着法やスパッタ法により成膜し、フォトリソグラフィ法によりパターニングする方法が挙げられる。
素子形成工程における最高温度は、この場合ゲート絶縁膜12の形成プロセスであって、前述したように1020℃である。マザー基板110は、加熱処理を伴う素子形成工程を経ることで、形成された各種絶縁膜や半導体層31と基材との熱膨張係数の差などを起因として発生する応力により素子形成面側が凹状に反る。そして、ステップS4へ進む。
ステップS4の画素電極形成工程では、透明導電膜であるITOを成膜し、これをフォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることにより、所定の形状の画素電極9を形成する。ステップS6の対向電極形成工程も同様であり、対向基板20に設けられた遮光膜23を覆うようにITOを成膜することにより、対向電極21を形成する。
ステップS5の配向処理工程ではマザー基板110側に配向処理を施し、ステップS7の配向処理工程では対向基板20側に配向処理を施す。そして、ステップS8へ進む。
ステップS8の組立工程では、配向処理されたマザー基板110の素子基板10ごとに対向基板20を貼り付ける。貼付方法としては、例えばマザー基板110側においてシール材52を印刷法や吐出法により素子基板10ごとに額縁状に配置し、対向基板20を所定の位置で圧接して熱硬化または紫外線硬化させる方法が挙げられる。そして、ステップS9へ進む。
ステップS9の液晶注入・封止工程では、対向基板20が接合されたマザー基板110をチャンバー内に放置して減圧し、素子基板10と対向基板20との隙間を真空状態とする。注入口108を塞ぐように所定量の液晶を滴下した状態でチャンバー内を大気圧に戻す。これにより、液晶が上記隙間に真空注入される。液晶注入後、注入口108を封止材109を用いて封止する(図1(a)参照)。
このようにしてできあがったマザー基板110をスクライブ法やダイシング法あるいはレーザー照射により所定の位置で切断する。これにより、個々の液晶装置100がマザー基板110から取り出される。
本実施形態の液晶装置100の製造方法によれば、配置工程において、熱処理後のマザー基板110の凸面110aが上方に向くようにマザー基板110の表裏を反転させる。素子形成工程では、凸面110aを素子形成面としてTFT30や配線を形成する。したがって、マザー基板110に半導体素子であるTFT30を形成することに伴う反りを抑制することができる。
また、熱処理工程では、マザー基板110の周縁部を支持してほぼ水平な状態とし熱処理を行うので、自重により凸面110aは安定した凸状態で反る。したがって、素子形成後のマザー基板110の反り状態がばらつくことを低減可能である。ゆえに、マザー基板110の反りに起因する不良が低減され、歩留りよく液晶装置100を製造することができる。
(実施例)
以下、マザー基板110として、大きさが8インチ、厚みが1.2mmの石英基板を用いた場合のマザー基板110の反り状態と反り量について図8および図9を参照して説明する。なお、図8(a)〜(c)はマザー基板の反り状態が認識できる程度に図示したものである。
以下、マザー基板110として、大きさが8インチ、厚みが1.2mmの石英基板を用いた場合のマザー基板110の反り状態と反り量について図8および図9を参照して説明する。なお、図8(a)〜(c)はマザー基板の反り状態が認識できる程度に図示したものである。
図8(a)は、熱処理後のマザー基板110の反り状態を示しており、表面110a側が凸状となっている。その反り量C1は、図9の表に示すように20〜30μmであった。図8(b)に示すように、配置工程においてこれを反転すると、反り量C2は図9の表に示すように5〜15μmとなった。すなわち、反転することで自重によって反りが矯正された状態となっている。
図8(c)に示すように、素子形成後には、凸状であった素子形成面(すなわち表面110a)は凹状に反る。そのときの反り量C3は、図9の表に示すように90〜100μmであった。ちなみに、熱処理後に反転しない場合の反り量C3は100〜110μmであった。すなわち、反転による反り矯正の程度が、素子形成後にも反映されている。
実施例の特筆すべき効果として、半導体層31のフォトリソグラフィ法によるパターニングプロセスにおいて、マザー基板110の反りに起因する搬送ミスや真空吸着不良がほとんど発生しなかった。熱処理後のマザー基板110を反転しない場合には、真空吸着不良が時折発生して、例えば露光工程では露光位置不良が発生することがあった。
また、組立工程(ステップS8)において素子基板10と対向基板20とを貼り合せた時の隙間(セルギャップ)のばらつきが反転しない場合に比べて小さくなった。すなわち、マザー基板110の素子形成後の反りに起因するセルギャップむらが改善された。
また、組立工程(ステップS8)において素子基板10と対向基板20とを貼り合せた時の隙間(セルギャップ)のばらつきが反転しない場合に比べて小さくなった。すなわち、マザー基板110の素子形成後の反りに起因するセルギャップむらが改善された。
なお、反り量C1,C2,C3の測定方法としては、株式会社ニデック製の平面度測定装置AFT−900R(製品名)を用いた。当該平面度測定装置は、光源から射出された光を分割して測定対象に所定の入射角度で入射させ、測定対象の表面で反射しそれぞれの光路を経て射出された光を合成することにより生じる干渉縞を解析して測定対象の表面形状を特定するものである。
上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)上記液晶装置100の製造方法において、素子形成前のマザー基板110を熱処理する方法は、熱処理装置300を用いる方法に限定されない。例えば、マザー基板110を水平以外の状態に保持して熱処理を行ってもよい。その場合には、熱処理後の反り状態により、凸面が一定の方向に向くように配置工程において再配置を行う。
(変形例2)上記液晶装置100の製造方法において、マザー基板110は、ウェハ状の石英基板に限定されない。例えば、単結晶シリコンなどの半導体ウェハや四角形の無アルカリガラスなどでも同様な作用・効果を奏する。したがって、基板上に形成される半導体層31は、上記実施形態の高温ポリシリコン膜に限定されず、アモルファスシリコン膜や低温ポリシリコン膜等でもよい。
(変形例3)上記液晶装置100の製造方法を適用可能な電気光学装置は、液晶装置100に限定されない。図10は変形例の電気光学装置としての有機EL(エレクトロルミネセンス)装置を示す概略平面図、図11は変形例の有機EL装置の等価回路図である。
例えば、図10に示すように、有機EL装置200は、表示領域206内に赤(R)、緑(G)、青(B)、3色の発光が得られる複数の発光画素207を有するものであって、発光画素207が設けられた素子基板201と、発光画素207を封止する封止基板202とを備えている。素子基板201は封止基板202に対して一回り大きく、封止基板202から突出した部分に、一対の走査線駆動回路203と、データ線駆動回路204と、フレキシブルな中継基板205とが設けられている。
図11に示すように、有機EL装置200は、走査線駆動回路203に接続する複数の走査線231と、複数の走査線231に対してそれぞれ並行する電源線242と、走査線231および電源線242と交差しデータ線駆動回路204に接続する複数のデータ線241とを備えている。
走査線231および電源線242とデータ線241とにより区画された領域に発光画素207が設けられている。発光画素207は、発光素子としての有機EL素子220と、有機EL素子220に対して電源線242から流れ込む電流を制御するTFT212と、走査線231の制御信号に基づいてTFT212のスイッチングを行うTFT211と、TFT212のゲートと電源線242との間に設けられた蓄積容量213とを備えている。
有機EL装置200は、有機EL素子220からの発光が封止基板202側から射出される所謂トップエミッション型の発光装置であって、半導体素子であるTFT211,212を有する素子基板201は、例えば不透明なシリコン基板や透明なガラス基板を採用することができる。すなわち、上記液晶装置100の製造方法を適用することができる。
例えば、図10に示すように、有機EL装置200は、表示領域206内に赤(R)、緑(G)、青(B)、3色の発光が得られる複数の発光画素207を有するものであって、発光画素207が設けられた素子基板201と、発光画素207を封止する封止基板202とを備えている。素子基板201は封止基板202に対して一回り大きく、封止基板202から突出した部分に、一対の走査線駆動回路203と、データ線駆動回路204と、フレキシブルな中継基板205とが設けられている。
図11に示すように、有機EL装置200は、走査線駆動回路203に接続する複数の走査線231と、複数の走査線231に対してそれぞれ並行する電源線242と、走査線231および電源線242と交差しデータ線駆動回路204に接続する複数のデータ線241とを備えている。
走査線231および電源線242とデータ線241とにより区画された領域に発光画素207が設けられている。発光画素207は、発光素子としての有機EL素子220と、有機EL素子220に対して電源線242から流れ込む電流を制御するTFT212と、走査線231の制御信号に基づいてTFT212のスイッチングを行うTFT211と、TFT212のゲートと電源線242との間に設けられた蓄積容量213とを備えている。
有機EL装置200は、有機EL素子220からの発光が封止基板202側から射出される所謂トップエミッション型の発光装置であって、半導体素子であるTFT211,212を有する素子基板201は、例えば不透明なシリコン基板や透明なガラス基板を採用することができる。すなわち、上記液晶装置100の製造方法を適用することができる。
10,201…基板としての素子基板、30,211,212…半導体素子としてのTFT、100…電気光学装置としての液晶装置、110…基板としてのマザー基板、110a…凸面、200…電気光学装置としての有機EL装置、300…熱処理装置。
Claims (4)
- 半導体素子を有する基板を備えた電気光学装置の製造方法であって、
前記半導体素子が形成される前の前記基板を熱処理する熱処理工程と、
熱処理後の前記基板の反りによる凸面が一定の方向に向くように前記基板を再配置する配置工程と、
前記凸面側に前記半導体素子を形成する素子形成工程と、
を備えたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 前記熱処理工程は、前記基板の周縁部を支持し前記基板をほぼ水平な状態として熱処理を行い、
前記配置工程は、熱処理後の前記基板の表裏を反転させることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。 - 前記熱処理工程は、前記素子形成工程において前記基板が加熱される最高温度とほぼ同等な温度で前記基板を熱処理することを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記熱処理工程は、前記素子形成工程において前記基板が加熱される最高温度よりも高く、且つ前記基板の歪点以下の温度で前記基板を熱処理することを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置の製造方法。
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JP2018207097A (ja) * | 2017-06-02 | 2018-12-27 | 信越化学工業株式会社 | 半導体用基板およびその製造方法 |
-
2009
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