JP7035777B2 - 半導体用基板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
また、液晶パネルでは、2枚の透明ガラス体同士の平坦度が合わないと、その中に挟まれる液晶の膜厚も均一になりにくく、色ムラ等が生じて品質上の不都合も生じる。
さらに、ポリシリコン薄膜を用いてTFT-LCDを製造する場合、処理温度が1000℃以上に達するため、基板が粘性変形を起こして反り変形が生じる。
また、特許文献2では、基板の表裏面に窒化珪素膜を形成することにより、窒化珪素膜の応力が基板の裏表面で相殺され、基板の反りを発生させない方法が提案されている。
さらに、特許文献3では、フッ素濃度を一定範囲内にし、かつアルカリ金属酸化物を実質的に含有しない石英ガラスを用いることで、仮想温度による密度変化を小さくして、高温処理前後の寸法安定性に優れたポリシリコンTFT式LCD用石英ガラス基板を得る手法が開示されている。
また、特許文献2の方法では、基板の表裏面に同じ膜を構成しない限り、反りの発生を解消することができないが、TFT側およびカラーフィルター側の両面が同じ膜で構成されることは一般的ではないため、この方法でも変形を抑制することは難しい。
さらに、特許文献3の手法でも、高温処理前後の寸法安定性には優れるものの、膜応力による変形を抑制できるものではない。
1. 凸状のSORIを有する一方の面と、前記SORIと同程度の凹状のSORIを有する他方の面とを備え、かつ厚みばらつきが3μm以下であることを特徴とする半導体用基板、
2. 前記各面のSORIが、50~600μmである1の半導体用基板、
3. 前記凸状のSORIを有する一方の面のBOWが、+25~+300である1または2の半導体用基板、
4. 前記凹状のSORIを有する他方の面のBOWが、-25~-300である1~3のいずれかの半導体用基板、
5. 厚みが、0.5~3mmである1~4のいずれかの半導体用基板、
6. 前記半導体用基板の形状が、平面視で直径100~450mmの円形状または対角長100~450mmの矩形状である1~5のいずれかの半導体用基板、
7. 合成石英ガラス製である1~6のいずれかの半導体用基板、
8. ポリシリコンTFT用基板である1~7のいずれかの半導体用基板、
9. 表面および裏面を有し、これら表裏面の中心点を結んだ中心線上の中間点を通り、前記中心線と直交する面に対して前記表面および裏面が対称に向き合うようなSORIと厚みばらつきを有する転写用原盤を準備する準備工程と、前記転写用原盤を挟み込むようにして2枚の原料基板を両面ラップ装置に設置し、前記各原料基板における前記転写用原盤と接しない面を加工して前記転写用原盤の形状がそれぞれ片面に転写された2枚の転写基板を作製する転写工程と、前記転写基板の両面をラップすることにより、または前記転写基板における前記転写工程で前記転写用原盤の形状が転写されていない面のみをラップすることによりラップ加工基板を作製するラップ工程と、前記ラップ加工基板の両面または片面を研磨することを特徴とする半導体用基板の製造方法、
10. 表面および裏面を有し、これら表裏面の中心点を結んだ中心線上の中間点を通り、前記中心線と直交する面に対して前記表裏面のうちのいずれか一方の面が平行であり、かつ前記表裏面のうち原料基板と接する他方の面が、前記中心線に対して直交するとともに前記中心線に対して対称である転写用原盤を準備する準備工程と、前記転写用原盤の前記他方の面と接するようにして原料基板を片面ラップ装置に設置し、前記原料基板における前記転写用原盤と接しない面を加工して前記転写用原盤の形状が片面に転写された転写基板を作製する転写工程と、前記転写基板の両面をラップすることにより、または前記転写基板における前記転写工程で前記転写用原盤の形状が転写されていない面のみをラップすることによりラップ加工基板を作製するラップ工程と、前記ラップ加工基板の両面または片面を研磨することを特徴とする半導体用基板の製造方法
を提供する。
また、本発明の半導体用基板は、半導体用基板の製造において通常使われる両面ラップ装置や片面ラップ装置、または両面研磨装置や片面研磨装置を用いて低コストで再現性良く製造することができる。
本発明に係る半導体用基板は、凸状のSORIを有する一方の面と、このSORIと同程度の凹状のSORIを有する他方の面とを備え、かつ厚みばらつきが3μm以下であることを特徴とする。
このように、成膜や高温加熱処理を行った後に生じる変形と逆の方向に反った形状の半導体用基板を、成膜や高温加熱処理前に意図的に製造することにより、デバイスが作り込まれた段階や、組み立ての段階において、所望の形状の半導体用基板を得ることができるようになる。具体的には、成膜や高温加熱工程により凸に変化する場合は同程度の凹に、凹に変化する場合は同程度の凸に予め反った形状の半導体用基板を製造する。
本発明におけるSORIの態様としては、特に限定されるものではなく、例えば成膜や高温加熱工程により、半導体用基板が中心対称に凸状に変形する場合には、中心対称な凹状の半導体用基板を製造すればよく(図1(A)参照)、半導体用基板が凸状で頂点の中心がY軸方向にずれた凸状に変形する場合は、そのずれに合わせた凹状の半導体用基板を製造すればよく(図1(B)参照)、半導体用基板が中心を通る線に対して線対称な凸状に変形する場合は、線対称な凹状の半導体用基板を製造すればよい(図1(C)参照)。
なお、基板表面が光を十分に反射して、装置リファレンス面との干渉縞が得られる場合、光干渉式フラットネステスターを用いてSORIを測定することができる。逆に、基板表面が粗面で干渉縞が得られない場合、基板表裏を挟み込むようにレーザ変位計を走査してSORIを求めることができる。
ここで、厚みばらつきとは、図4に示されるように、基板Aの面内で最も厚い部分の厚みから最も薄い部分の厚みを引いた値Cを意味する。なお、厚みばらつきは、SORIと同様にして、光干渉式フラットネステスターやレーザ変位計を用いて測定することができる。
本発明において、BOWは基板表面の中心と表面基準として得られた最小二乗平均面との高さの差を数値化し、基準面より上側にある場合は+符号を、下側にある場合は-符合を付けることと定義する。これにより、少なくとも基板中央において、基板の形状が凸か凹かを判断することができる。
SORIが凸状の場合は、その一方の面のBOWが、好ましくは+25~+300、より好ましくは+25~+200、より一層好ましくは+25~+100であり、他方の面のBOWが、好ましくは-25~-300、より好ましくは-25~-200、より一層好ましくは-25~-100である。
一方、SORIが凹状の場合は、その一方の面のBOWが、好ましくは-25~-300、より好ましくは-50~-200、より一層好ましくは-50~-100であり、他方の面のBOWが、好ましくは+25~+300、より好ましくは+50~+200、より一層好ましくは+50~+100である。
このように、上述した所定のSORIに加えて、BOWのように基板中央の高さを規定することにより、凸と凹を数値としてより明確にすることができ、所望の形状の半導体用基板を得ることができるようになる。
なお、基板表面が光を十分に反射して、装置リファレンス面との干渉縞が得られる場合、光干渉式フラットネステスターを用いてBOWを測定することができる。逆に、基板表面が粗面で干渉縞が得られない場合、基板表裏を挟み込むようにレーザ変位計を走査してBOWを求めることができる。
本発明の半導体用基板の材質は、特に制限されるものではなく、ガラス素材、セラミック素材等従来公知の材質のものが採用できるが、透過型のポリシリコンTFT用の基板は光を通す必要があることから合成石英ガラス基板が好ましく、反射型のTFTの場合にはポリシリコン基板が好ましい。
しかし、スライス工程においては、一般的なワイヤーソーによる切断の場合、砥材を含むスラリーを直線的に張られたワイヤーにかけながらインゴットが切断されるため、得られる半導体用基板は、水平方向、つまりワイヤー方向では、ワイヤーに倣って直線的になる。一方、半導体用基板表面上のワイヤー方向と直行する垂直な方向では、インゴットを下降または上昇させる方法が採られるが、この方向は再現性良く直線的に移動させる機構のものであるため、曲線的に移動してSORIおよびBOWを任意にコントロールすることは難しい。
また、半導体用基板は、直径に対して厚みが比較的薄いため、ラップ工程や研磨工程における所望のSORI形状を作り込む原動力となる基板の反復応力が少ない。よって、ラップ加工が進んでもSORIおよびBOWが維持されたままとなるため、表面のSORIを凸状、即ちBOWプラスに、裏面のSORIを凹状、即ちBOWマイナスにする等、自在に基板形状をコントロールすることは難しい。
例えば、両面ラップ装置を用いる場合、中心対称なSORI形状の半導体用基板は、表面および裏面を有し、これら表裏面の中心点を結んだ中心線上の中間点を通り、中心線と直交する面に対して表面および裏面が対称に向き合うようなSORIと厚みばらつきを有する転写用原盤を準備する準備工程と、準備した転写用原盤を挟み込むようにして2枚の原料基板を両面ラップ装置に設置し、各原料基板における転写用原盤と接しない面を加工して転写用原盤の形状がそれぞれ片面に転写された2枚の転写基板を作製する転写工程と、この転写工程で得られた転写基板の両面をラップする、または転写基板における転写用原盤の形状が転写されていない面のみをラップしてラップ加工基板を作製するラップ工程と、ラップ加工基板の両面または片面を研磨することにより製造することができる。
転写工程における両面ラップ装置および片面ラップ装置の回転数は、いずれも5~50rpmが好ましく、荷重は10~200g/cm2が好ましく、両面ラップ装置においては、単位時間当たりの取代が両面ともほぼ同一であることが好ましい。
また、研磨剤としては、平均粒径が好ましくは5~20μmのアルミナ系の砥材を用いて、水で20~60質量%分散させたものを用いる他、炭化ケイ素系や人工ダイヤ等も使用できる。
通常、両面ラップ装置は、原料基板の厚み1枚分に合わせて、キャリアの厚みを調整するが、本発明の場合は、原料基板2枚と転写用原盤の厚みの分を考慮して、キャリアの厚みを厚く設定することが好ましい。その他は、通常のラップ加工と特に変わりなく加工することができる。
この段階では、2枚の原料基板それぞれの片面側を同時に加工することになるため、下側ラップ定盤および上側ラップ定盤と接触する片面側にのみ転写用原盤の形状が転写される一方、転写用原盤に接した面は加工されることが無いため変化しない。
転写用原盤の外周部が中心部より薄い場合、この外周部と中心部の厚みの差に応じて、転写工程で得られる原料基板の外周部は中心部より厚くなる。逆に、転写用原盤の外周部が中心部より厚い場合、この外周部と中心部の厚みの差に応じて、転写工程で得られる原料基板の外周部は中心部より薄くなる。このように転写用原盤の形状に応じて、転写される形状を創生することができる。
両面ラップ装置を使用する場合、平坦な面を両面ラップ装置の上側ラップ定盤側に向けるように転写基板を設置し、基板脱落防止のためキャリアを設け、通常のラップ加工を行う。これにより、上側面は凸状に下側面は凹状にラップ加工されたラップ加工基板が得られる。ラップ加工基板のSORIの値は、ラップ加工前のSORIの値の約半分程度になるが、減少度合は、転写基板の直径と厚みにも依存する。
表裏面の形状が作り込まれる原理は、初期形状で既に存在する厚みばらつきにより、両面において面内加工圧力差が加工初期から発生し、これにより切削される部位が選択的に、かつ経時的に変化する。よって、基板面内の加工圧力分布もこれに伴い変化して加工が進む。結果的に、転写基板の反復力、つまり転写基板の直径と厚みにも依存しながら、元のラップ工程前の基板形状が半減しながら、両面の形状に反映される。
研磨工程では、両面研磨装置または片面研磨装置を使用することができる。鏡面化する面は、凸状のSORIおよびBOWプラスを有する面または凹状のSORIおよびBOWマイナスを有する面のいずれの面でもよい。
このようにして最終的に、図1に示されるような、所望の形状(SORIおよびBOW)を有する各種半導体用基板を作製することができる。
図5には、本発明の第1実施形態に係る両面ラップ装置1を用いた転写工程の実施態様が示されている。
この実施形態では、図5に示されるように、2枚の原料基板11,11が、転写用原盤10を挟み込むようにしてキャリア12に内封された状態で、それぞれ両面ラップ装置1の下側ラップ定盤13および上側ラップ定盤14に設置されている。
続いて、図7に示されるように、片面側に転写用原盤10の形状が転写された転写基板11Aの1枚を、平坦面を両面ラップ装置1の上側ラップ定盤14側に向けるようにキャリア12に内封して設置し、回転数20rpm、荷重100g/cm2にて両面ラップ加工を行い、転写工程で転写されなかった面についても転写用原盤10の形状を転写することにより、上側面は凸状に下側面は凹状にラップ加工されたラップ加工基板が得られる。
この実施形態で用いられる転写用原盤20は、図9に示されるように、転写用原盤20の表面200の中心点200Aと裏面210の中心点210Aを通る中心線L2における、各中心点200A,210Aの中間点M2を通り、かつ中心線L2に対して直交する仮想面S2に対し、表面200が平行(平坦面)であり、裏面210が中心線L2に対して直交するとともに、中心線L2に対して対称の凸状に沿った形状を有している。
この転写用原盤30は、表面300の頂点300Aと裏面310の頂点310Aを通る直線L3における、上記各頂点300A,310Aの中間点M3を通り、かつ直線L3と直交する仮想面S3に対して、表面300および裏面310が対称に向き合うような凸状のSORIを有している。
この転写用原盤30を用い、第1実施形態と同様に、転写加工、ラップ加工、研磨加工等を行うことで、図1(B)に示されるような凸状の頂点が中心からY軸方向にずれた凸状で、BOWがプラスに反った半導体基板を得ることができる。
この転写用原盤40は、裏面410の頂点410Aと、これに相対する表面400上の部分点400Aを通る直線L4における、上記頂点410Aと部分点400との中間点M4を通り、かつ直線L4と直交する仮想面S4に対して、表面400が平行(平坦面)であり、裏面410が凸状のSORIを有している。
この転写用原盤40を用い、第2実施形態と同様に、転写加工、ラップ加工、研磨加工等を行うことで、図1(B)に示されるような凸状の頂点が中心からY軸方向にずれた凸状で、BOWがプラスに反った半導体基板を得ることができる。
転写用原盤として、図6に示されるような形状のものを用意した。具体的には、表裏面のSORIが共に同じ凸状の110μmであって、表裏面の中心点を結ぶ中心線上の中間点を通り、中心線と直交する面に対して表裏面が対称に向き合っており、かつ厚みばらつきが220μmである中央の厚み3mm、直径100mmのアルミナセラミック製転写用原盤を用意した。
また、トーヨーエイテック(株)製ワイヤーソーE450E-12を用いて合成石英ガラス製インゴットをスライスし、面取り加工を行い、表裏面のソーマークを両面ラップ装置により除去し、直径100mm、厚さ630μm、表裏面のSORIがそれぞれ6μm、厚みばらつきが1μmである原料基板を用意した。
上記転写用原盤を挟み込むようにして原料基板2枚を両面ラップ装置の下側ラップ定盤および上側ラップ定盤にそれぞれ設置して、番手が#1000のアルミナを主成分としたラップ材を用いて、回転数20rpm、荷重100g/cm2にて各原料基板の片面側を同時に加工して、片面側に転写用原盤の形状が転写された転写基板を2枚得た。得られた転写基板の形状は、共に片面が凹状に110μm反っていた。
さらに、得られたラップ加工基板の両面を研磨する工程として、両面装置にて両面を鏡面化し、表面がSORI50μmの凸状およびBOWが+25μmであり、裏面がSORI50μmの凹状およびBOWが+25μmであり、面内厚みばらつき(TTV)が1μmで、厚みが500μmの両面が鏡面の合成石英ガラス基板を得た。
次に、得られた合成石英ガラス基板の表面に、シランガスを供給し、アモルファスシリコン膜を形成後、アニール処理をし、ポリシリコン膜を形成したところ、成膜した面がSORI122μmの凸状に、他方の面がSORI122μmの凹状に変化した。
その後、さらに1050℃の熱処理を1時間行ったところ、成膜した面がSORI4μmの凸状に、他方の面がSORI4μmの凹状に変化し、面内厚みばらつき(TTV)が1μmで、ほぼ平坦なSORIを有するポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板が得られた。
両面ラップ装置を用い、実施例1と同様の手法で転写工程を行った後、得られた転写基板を、転写用原盤の形状が転写された面を片面ラップ装置のトッププレート側に向けるように設置し、回転数20rpm、荷重100g/cm2にて片面ラップ加工を行い、ラップ加工基板を得た。
さらに、得られたラップ加工基板の両面を、実施例1と同様の手法で研磨し、表面がSORI110μmの凸状およびBOWが+55μmであり、裏面がSORI110μmの凹状およびBOWが-55μmであり、面内厚みばらつき(TTV)が1μm、厚みが500μmの両面が鏡面の合成石英ガラス基板を得た。
次に、得られた合成石英ガラス基板に、実施例1と同様の手法でポリシリコン膜を形成したところ、成膜した面がSORI122μmの凸状に、他方の面がSORI122μmの凹状に変化した。
その後、さらに、1050℃の熱処理を1時間行ったところ、成膜した面がSORI4μmの凸状に、他方の面がSORI4μmの凹状に変化し、面内厚みばらつき(TTV)が1μmで、ほぼ平坦なSORIを有するポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板が得られた。
転写用原盤として、図9に示されるような形状のものを用意した。具体的には、表裏面のうち一方の面が平坦であり、かつ他方の面が表裏面の中心を結ぶ中心線に対して直交するとともに、中心線に対して対称に凸状に110μm反った形状であり、かつ面内厚みばらつき(TTV)が110μmである、中央の厚み2mm、直径200mmのアルミナセラミック製転写用原盤を用意した。
原料基板としては、実施例1と同様な方法で、直径200mm、厚さ855μm、表裏面側のSORIがそれぞれ6μm、厚みばらつきが1μmである合成石英ガラス基板を用意した。
この原料基板と片面ラップ装置のトッププレートとの間に、平坦な面をトッププレート側に向けるように上記転写用原盤を設置して、番手が#1000のアルミナを主成分としたラップ材を用いて、回転数20rpm、荷重100g/cm2にて原料基板の片面側を加工して、片面側に転写用原盤の形状が転写された転写基板を得た。得られた転写基板の形状は、片面が平坦であり、他方の面は、凹状に110μm反っていた。
さらに、片面研磨装置にて凸側の片面を鏡面化し、表面がSORI110μmの凸状およびBOWが+55μmであり、裏面がSORI110μmの凹状およびBOWが-55μmであり、面内厚みばらつき(TTV)が1μmで、厚み725μmの合成石英ガラス基板を得た。
得られた合成石英ガラス基板に、実施例1と同様の手法でポリシリコン膜を形成したところ、成膜した面がSORI122μmの凸状に、他方の面がSORI122μmの凹状に変化した。
その後、さらに1050℃の熱処理を1時間行ったところ、成膜した面がSORI4μmの凸状に、他方の面がSORI4μmの凹状に変化し、面内厚みばらつき(TTV)が1μmで、ほぼ平坦なSORIを有するポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板が得られた。
実施例3と同様の手法で転写工程を行って得られた転写基板を、実施例1と同様の手法で両面をラップ加工し、表面がSORI50μmの凸状であり、裏面がSORI50μmの凹状のラップ加工基板を得た。
さらに、実施例1と同様の手法にて、両面を研磨し、表面がSORI50μmの凸状およびBOWが+25μmであり、裏面がSORI50μmの凹状およびBOWが-25μmであり、厚みばらつきが1μmで、厚みが725μmの両面が鏡面の合成石英ガラス基板を得た。
得られた合成石英ガラス基板に、実施例1と同様の手法でポリシリコン膜を形成したところ、成膜した面がSORI122μmの凸状に、他方の面がSORI122μmの凹状に変化した。
その後、さらに1050℃の熱処理を1時間行ったところ、成膜した面がSORI4μmの凸状に、他方の面がSORI4μmの凹状に変化し、面内厚みばらつき(TTV)が1μmで、ほぼ平坦なSORIを有するポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板が得られた。
転写用原盤として、図11に示されるような形状のものを用意した。具体的には、表裏面の形状が互いに対称な凸形状で、それらのSORIが110μmであり、かつ面内厚みばらつき(TTV)が220μmであり、表裏面の中心点から30mmずれたところが最も厚く、その部分の厚みが3000μmであり、直径100mmのアルミナセラミック製転写用原盤を用意した。
原料基板としては、実施例1と同様の手法で、直径100mm、厚さ630μm、表裏面のSORIがそれぞれ6μm、面内厚みばらつき(TTV)が1μmである合成石英ガラス基板を用意した。
実施例1と同様の手法で、両面ラップ装置により2枚の原料基板の片面側を同時に加工して、片面側に転写用原盤の形状が転写された転写基板を得た。得られた転写基板の形状は、共に片面が凹状に110μm反っていた。また、凹状の一番薄い部分は中心より30mmずれていた。
さらに、得られたラップ加工基板の凸状側の面を片面研磨装置で鏡面化し、鏡面がSORI50μmの凸状およびBOWが+20μmであり、粗面がSORI50μmの凹状およびBOWが-20μmであり、面内厚みばらつき(TTV)が1μmであり、厚みが500μmの合成石英ガラス基板を得た。
次に、得られた合成石英ガラス基板の表面に、実施例1と同様の手法にてポリシリコン膜を形成したところ、成膜した面がSORI122μmの凸状に、他方の面がSORI122μmの凹状に変化した。
その後、さらに1100℃の熱処理を2時間行ったところ、成膜した面がSORI4μmの凸状に、他方の面がSORI4μmの凹状に変化し、厚みばらつきが1μmで、ほぼ平坦なSORIを有するポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板が得られた。
実施例5と同様に、表裏面のうち一方の面が平坦であり、かつ、他方の面が凸状に110μm反った形状であり、かつ、面内厚みばらつき(TTV)が220μmであり、表裏面の中心点から30mmずれたところが最も厚く、その部分の厚みが3000μmであり、直径100mmのアルミナセラミック製転写用原盤を用意した。
原料基板としては、実施例5と同一のものを用意した。
実施例3と同様の手法で、片面ラップ装置により原料基板の片面側を加工して、片面側に転写用原盤の形状が転写された転写基板を得た。得られた転写基板の形状は、片面が平坦であり、他方の面は凹状に110μm反っていた。また、凹状の一番薄い部分は中心より30mmずれていた。
得られた転写基板を片面ラップ装置に設置し、実施例2と同様の手法で片面ラップ加工を行い、転写工程で転写されなかった転写基板の反対側の面についても転写用原盤の形状を転写し、表面がSORI110μmの凸状であり、裏面がSORI110μmの凹状のラップ加工基板を得た。
得られたラップ加工基板の凸状側の面を片面研磨装置で鏡面化し、鏡面がSORI110μmの凸状およびBOWが+50μmであり、粗面がSORI110μmの凹状およびBOWが-50μmであり、面内厚みばらつき(TTV)が1μmで、厚みが500μmの合成石英ガラス基板を得た。
次に、得られた合成石英ガラス基板の表面に、実施例1と同様の手法にてポリシリコン膜を形成したところ、成膜した面がSORI122μmの凸状に、他方の面がSORI122μmの凹状に変化した。
その後、さらに1100℃の熱処理を2時間行ったところ、成膜した面がSORI4μmの凸状に、他方の面がSORI4μmの凹状に変化し、面内厚みばらつきが1μmで、ほぼ平坦なSORIを有するポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板が得られた。
転写用原盤として、表裏面のSORIが110μmで、片面が凸状で、他方の面が凹状で、厚みが2mmで、厚みばらつきが2μmで一定である、直径100mmのアルミナセラミック製転写用原盤を用意し、原料基板として、実施例1と同一のものを用意した。
両面ラップ装置を用い、実施例1と同様の手法で原料基板を転写加工し、表裏面のSORIが1μmの転写基板を得た。
さらに、得られた転写基板を、両面研磨装置にて両面鏡面化し、表裏面のSORIが1μmおよび表面のBOWが+0.5μm、裏面のBOWが-0.5μmで、面内厚みばらつき(TTV)が1μmで、厚みが500μmの両面が鏡面である合成石英ガラス基板を得た。
得られた合成石英ガラス基板に、実施例1と同様にしてポリシリコン膜を形成したところ、成膜した面がSORI120μmの凸状に、他方の面がSORI120μmの凹状に変化した。
その後、さらに1050℃の熱処理を1時間行ったところ、面内厚みばらつき(TTV)は1μmのままで、成膜した面がSORI60μmの凸状に、他方の面がSORI61μmの凹状に変化し、所望の平坦なSORIが得られなかった。
転写用原盤として、表裏面のSORIが110μmで、片面が凸状で、他方の面が凹状で、面内厚みばらつき(TTV)が1μmで、厚みが2mmで、直径200mmのアルミナセラミック製転写用原盤を用意し、原料基板としては、実施例4と同一のものを用意した。
実施例4と同様の手法で片面ラップ装置を用いて原料基板に転写工程を行った後、得られた転写基板を両面ラップ装置で回転数20rpm、荷重100g/cm2でラップ加工し、表裏面のSORIが1μmのラップ加工基板が得られた。
さらに、得られたラップ加工基板の両面研磨を行い、表裏面のSORIが1μmおよび表面のBOWが+0.5μm、裏面のBOWが-0.5μmで、面内厚みばらつき(TTV)が1μmで、厚みが725μmの合成石英ガラス基板を得た。
得られた合成石英ガラス基板に、実施例1と同様にしてポリシリコン膜を形成したところ、面内厚みばらつき(TTV)は1μmのままで、成膜した面がSORI120μmの凸状に、他方の面がSORI120μmの凹状に変化した。
その後、さらに1050℃の熱処理を1時間行ったところ、面内厚みばらつき(TTV)は1μmのままで、成膜した面がSORI60μmの凸状に、他方の面がSORI61μmの凹状に変化し、所望の平坦なSORIが得られなかった。
転写用原盤として、表裏面のSORIが110μmで、片面が凸状で、他方の面が凹状で、面内厚みばらつき(TTV)が1μmで、厚みが2mmで、直径110mmのアルミナセラミック製転写用原盤を用意し、原料基板として、実施例2と同一のものを用意した。
実施例2と同様の手法で両面ラップ装置を用いて原料基板に転写工程を行った後、転写用原盤の形状が転写されていない平坦な面を片面ラップ装置のトッププレート側に向けるように転写基板を設置して、実施例2と同様の条件でラップ加工を行い、表面のSORIが1μmのラップ加工基板を得た。
さらに、片面研磨装置で得られたラップ加工基板の片面を鏡面化し、表面のSORIが1μmおよび表面のBOWが+0.5μm、裏面のBOWが-0.5μmで、面内厚みばらつき(TTV)が1μmで、厚みが500μmの合成石英ガラス基板を得た。
得られた合成石英ガラス基板に、実施例1と同様の手法で、ポリシリコン膜を形成したところ、成膜した面がSORI120μmの凸状に、他方の面がSORI120μmの凹状に変化した。
その後、さらに1050℃の熱処理を1時間行ったところ、面内厚みばらつき(TTV)は1μmのままで、成膜した面がSORI60μmの凸状に、他方の面がSORI61μmの凹状に変化し、所望の平坦なSORIが得られなかった。
転写用原盤として、表裏面のSORIが110μmで、片面が凸状、他方の面が凹状で、面内厚みばらつき(TTV)が1μmで、厚みが2mmで、直径200mmのアルミナセラミック製転写用原盤を用意し、原料基板として、実施例4と同一のものを用意した。
実施例4と同様の手法で片面ラップ装置を用いて原料基板の転写工程を行った後、転写用原盤の形状が転写されていない平坦な面を片面ラップ装置のトッププレート側に向けるように転写基板を設置して、実施例2と同様の条件でラップ加工を行い、表面のSORIが1μmのラップ加工基板を得た。
さらに、片面研磨装置で得られたラップ加工基板の片面を鏡面化し、表面のSORIが1μmおよび表面のBOWが+0.5μm、裏面のBOWが-0.5μmで、面内厚みばらつき(TTV)が1μmで、厚みが725μmの合成石英ガラス基板を得た。
得られた合成石英ガラス基板に、実施例1と同様にしてポリシリコン膜を形成したところ、成膜した面がSORI120μmの凸状に、他方の面がSORI120μmの凹状に変化した。
その後、さらに1050℃の熱処理を1時間行ったところ、厚みばらつきは1μmのままで、成膜した面がSORI60μmの凸状に、他方の面がSORI61μmの凹状に変化し、所望の平坦なSORIが得られなかった。
1 両面ラップ装置
2 片面ラップ装置
10,20,30,40 転写用原盤
11A,21A 転写基板
100,200,300,400 転写用原盤の表面
110,210,310,410 転写用原盤の裏面
100A,110A,200A,210A 中心点
L1,L2 中心線
S1,S2,S3,S4 仮想面(中心線と直交する面)
11,21 原料基板
Claims (9)
- 表面および裏面を有し、これら表裏面の中心点を結んだ中心線上の中間点を通り、前記中心線と直交する面に対して前記表面および裏面が対称に向き合うようなSORIと厚みばらつきを有する転写用原盤を準備する準備工程と、
前記転写用原盤を挟み込むようにして2枚の原料基板を両面ラップ装置に設置し、前記各原料基板における前記転写用原盤と接しない面を加工して前記転写用原盤の形状がそれぞれ片面に転写された2枚の転写基板を作製する転写工程と、
前記転写基板の両面をラップすることにより、または前記転写基板における前記転写工程で前記転写用原盤の形状が転写されていない面のみをラップすることによりラップ加工基板を作製するラップ工程と、
前記ラップ加工基板の両面または片面を研磨することを特徴とする半導体用基板の製造方法。 - 前記半導体用基板が、凸状のSORIを有する一方の面と、前記SORIと同程度の凹状のSORIを有する他方の面とを備え、かつ厚みばらつきが3μm以下である請求項1記載の半導体用基板の製造方法。
- 前記各面のSORIが、50~600μmである請求項2記載の半導体用基板の製造方法。
- 前記凸状のSORIを有する一方の面のBOWが、+25~+300である請求項2または3記載の半導体用基板の製造方法。
- 前記凹状のSORIを有する他方の面のBOWが、-25~-300である請求項2~4のいずれか1項記載の半導体用基板の製造方法。
- 前記半導体用基板の厚みが、0.5~3mmである請求項1~5のいずれかの1項記載の半導体用基板の製造方法。
- 前記半導体用基板の形状が、平面視で直径100~450mmの円形状または対角長100~450mmの矩形状である請求項1~6のいずれか1項記載の半導体用基板の製造方法。
- 前記半導体用基板が、合成石英ガラス製である請求項1~7のいずれか1項記載の半導体用基板の製造方法。
- 前記半導体用基板が、ポリシリコンTFT用基板である請求項1~8のいずれか1項記載の半導体用基板の製造方法。
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