JP2005263569A - ポリシリコンtft用合成石英ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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貴之 河原
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Abstract

【課題】 ポリッシュ工程において基板端面からの不純物の発生を抑えるとともに、合成石英ガラスに対して溶解力を持つ薬液(HF溶液等)で洗浄しても端面から不純物が溶出して基板の表面に付着することを抑えたポリシリコンTFT用合成石英ガラスの製造方法を提供する。
【解決手段】 ラッピング工程とポリッシュ工程からなる多段研磨により形成されるポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法において、前記ポリッシュ工程は複数の研磨工程からなり、該ポリッシュ工程の最終の研磨工程の直前、かつ、前記基板にエッチングを施した後に前記基板の端面に鏡面加工を施す。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高温ポリシリコンTFTに用いられる合成石英ガラス基板を多段研磨により製造するポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法に関する。
ディスプレイ分野、特にビューファインダー、データプロジェクターやリアプロジェクションテレビ等に使用される高温ポリシリコンTFTは、合成石英基板の上にトランジスタを形成して製造されるものである。このトランジスタの性能を低下させないためには、合成石英基板自体の不純物含有量と、合成石英基板の表面に付着している不純物(特に金属不純物)が少ないことが望ましい。
この不純物の原因として、単純に表面に付着、残留した不純物の他に通常円板状の合成石英基板の周縁の面取り面と側面(以下、両者を合せて端面と称す)に付着した不純物が基板の洗浄工程等で基板表面に付着することが考えられる。このため、基板の表裏面とともに端面に対して鏡面加工を施す合成石英基板の製造方法が一般的に用いられている。
図4は従来のポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法のフローチャートである。
まず合成石英ガラスのインゴットをスライスして薄い円板状の基板を形成し(ステップV1)、これにダイヤモンドホイール等で円板周縁に面取り加工を施す(ステップV2)。次に、両面研磨機によりラッピング工程を行う。このラッピング工程は例えば2段の研磨工程(1次ラッピング、2次ラッピング)からなり(ステップV3,V4)、ある程度基板表面を平滑化する。この後、複数枚の基板を重ねた状態でその側面をバフやフェルト(軟性の研磨布)、又はブラシ等を用いて研磨して各基板の端面に鏡面加工を施す(ステップV5)。続いて、複数の研磨工程からなる(図では2段の研磨工程)ポリッシュ工程を行う。1次ポリッシュ(ステップV6)は基板表面の鏡面化と平坦化を目的として2次ポリッシュよりも粗研磨である。2次ポリッシュ(ステップV7)は最終的な基板に対する仕上げの研磨工程であり、1次ポリッシュで基板の表面に発生した軽微な傷の除去もここで行われる。このポリッシュ工程もラッピング工程と同様の両面研磨機を用いて行われる。なお、上述したラッピング工程では、炭化ケイ素やアルミナ等の硬質な研磨剤が用いられ、端面鏡面加工、ポリッシュ工程には酸化セリウム系研磨剤が広く用いられている。2次ポリッシュされた基板は、例えば中性洗剤により洗浄され(ステップV8)、さらに合成石英ガラスに対して溶解力を持つ薬液(HF溶液等)に基板を浸漬し、基板の研磨面の最表層をエッチングして不純物を除去する(ステップV9)。
図5は両面研磨機の概略平面図であり、図6は図5のA−A断面図である。
両面研磨機1は鋳鉄からなる上定盤2と下定盤3と、この上下の定盤2,3間に配される複数個(図では3個)のキャリア4で構成される。キャリア4には孔5が複数個形成され(図では3個)、この孔5に基板6を入れ込んで配置する。孔5内に配置された基板6は上下の定盤2,3で挟まれ、両主面(基板の表裏面)が上下の定盤2,3に当接する。上下の定盤2,3の中心部には太陽歯車7が形成され、周縁部には内歯歯車8が備わる。キャリア4の外周に形成される外歯歯車9がこの太陽歯車7と内歯歯車8に噛合し、上下の定盤2,3が回転するとともにキャリア4が自転しつつ太陽歯車7を中心にして公転する。これにより基板6は上下の定盤2,3間を遊星回転しながら移動して、定盤2,3によりその両主面が研磨される。
上下の定盤2,3の表面(基板6との当接面)に研磨布10が貼り付けられる。この研磨布10はポリッシュ工程で定盤2,3に貼り付けられ、1次ポリッシュでは硬い研磨布であるポリウレタン等を用い、2次ポリッシュではこれより軟らかい研磨布である発泡ポリウレタンを用いる。なお、ラッピング工程は研磨布を貼り付けずに行われる。
この両面研磨機1を用いて基板6を研磨すると、孔5の内側面と基板6の端面の間にわずかな隙間があるため、キャリア4の回転移動とともに基板6の端面と孔5の側面が擦れて、基板6の端面に傷が発生してしまう。特に1次ポリッシュは研磨効率を高めるために硬い研磨布10と硬度の高いセリウム系研磨材を用い、高荷重、高回転で研磨加工を施すため、基板6の端面の傷やクラックの発生率が高い。この傷等の隙間に研磨剤等の不純物が侵入し、あるいは端面に付着し、さらに研磨剤が研磨中に発生する摩擦熱で基板面に固着したり、研磨剤が機械的に基板面や端面に食い込む等の現象が発生する。
さらに、このように基板6の端面に不純物が付着したまま薬液による洗浄(図4のステップV9)を行うと、エッチング作用により傷やクラック等の隙間の間口が拡大し、これらの隙間に入り込んで付着していた不純物が開放されて薬液槽内に溶出し、基板表面に付着する。
したがって、上述した1次ポリッシュの直前に鏡面加工を施す従来のポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法は、1次ポリッシュにより基板端面から不純物が発生し、この不純物が基板端面や表面に付着する可能性が高く、またこれらの基板端面の不純物が洗浄工程により溶出して基板表面に付着する可能性が高いものである。
ここで、軟質の研磨布や研磨剤を使用する2次ポリッシュは1次ポリッシュより低荷重、低回転で研磨加工を施すのでキャリアとの擦れによる傷の発生は少ない。また、2次ポリッシュは1次ポリッシュで発生した軽微な傷の除去や面粗さの改善が目的であるため、研磨時間は1次ポリッシュの半分以下で実施される。したがって、研磨による不純物は、2次ポリッシュに比べて1次ポリッシュのときに発生しやすい。なお、1次ポリッシュでは基板を50μm、2次ポリッシュでは10μm程度研磨する。
このような点を考慮して、上記1次ポリッシュによる端面の損傷を抑えようとした半導体ウェーハの製造方法が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載の半導体ウェーハの製造方法は、ウェーハの粗研磨時の擦れによるウェーハ外周部の損傷を除去するものであって、粗研磨工程と仕上げ研磨工程との間に半導体ウェーハの外周部の面取り面を鏡面仕上げするPCR工程を設け、この結果、仮に粗研磨中、シリコンウェーハの面取り面が、例えば両面研磨装置に配備されたキャリアプレートのウェーハ保持孔の形成部と接触し、シリコンウェーハの最外周部(面取り面)に擦れによる傷が発生しても、その後のPCR工程でこの最外周部の傷、ダメージを除去するものである。
しかし、特許文献1の製造方法は、上述したように結晶である半導体ウェーハの製造方法であり、非晶質である合成石英ガラスからなる基板の製造にそのまま転用できるものではない。また、特許文献1は、端面部の損傷自体を低減する目的で考案されたものであり、それらに捕集された不純物の低減に言及しているわけではない。
さらには、特許文献1の製造方法では従来の1次ポリッシュ直前の鏡面加工を2次ポリッシュ(最終研磨)の直前に行い、工程順序を変更するものである。従って、1次ポリッシュ終了まで基板端面の鏡面加工が行われないため、ラッピング工程を含む1次ポリッシュまでの粗研磨により基板端面には相当なダメージが蓄積され、深く大きな傷やクラックが発生する。
従って、特許文献1に記載の製造方法をポリシリコンTFT用合成石英ガラスに用いた場合、1次ポリッシュまでの粗研磨により基板端面に発生した深く大きな傷を端面鏡面加工しても、その後の薬液による洗浄により、洗浄前には存在しなかった傷やクラック(いわゆる潜傷)を発生させる場合がある。基板の表面は多段研磨を施すため潜傷の発生は稀であるが、端面は鏡面加工が1度施されるだけなのでこれらの潜傷に付着した不純物がエッチング作用により溶出し、基板表面に付着する場合がある。
すなわち、合成石英ガラスの端面鏡面加工は研磨による表層の物理的な除去と同時に、基板端面に発生した凹凸を塑性流動させて平坦にするものであり、傷やクラックに入り込んで付着した不純物を埋める作用を施すものである。薬液によるエッチングではこのような塑性流動した部分が溶解しやすいため、洗浄により潜傷として再び基板端面に現れやすくなり、鏡面加工により傷に埋め込んだ不純物が溶出する確率が高くなる。
また、特許文献1では1次研磨(1次ポリッシュ)の直前にウェーハに対してエッチングを施している。このエッチングはラッピング工程で発生した表面の歪み除去や、外周下降による歪み除去するためであるが、合成石英ガラスに用いた場合、端面に発生した傷による凹凸の曲率を大きくして不純物を溶出するものであって端面を平坦化するものではないため、次の1次研磨工程で再びここに不純物が捕集されやすいため、その後の洗浄工程でこの不純物が溶出されて基板表面に付着する。
一方、外周ダレの少ない高平坦度な両面鏡面ウェーハを簡単な方法で精度よく製造する方法として、両面研磨工程の直前に面取り部酸化膜形成工程を施す鏡面ウェーハの製造方法が特許文献2に記載されている。しかし、特許文献2に記載の製造方法は特許文献1と同様、半導体ウェーハの製造方法を示し、合成石英ガラスからなる基板の製造にそのまま転用できるものではない。また、製造過程におけるウェーハの外周ダレを防止するための被膜形成であり、基板端面の不純物の発生を抑えることを直接の目的としていない。
特開2002−299290号公報 特開2003−142434号公報
本発明は、上記従来技術を考慮したものであり、ポリッシュ工程において基板端面からの不純物の発生を抑えるとともに、合成石英ガラスに対して溶解力を持つ薬液(HF溶液等)で洗浄しても端面から不純物が溶出して基板の表面に付着することを抑えたポリシリコンTFT用合成石英ガラスの製造方法の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1の発明では、ラッピング工程とポリッシュ工程からなる多段研磨により形成されるポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法において、前記ポリッシュ工程は複数の研磨工程からなり、該ポリッシュ工程の最終の研磨工程の直前、かつ、前記基板にエッチングを施した後に、前記基板の端面に鏡面加工を施すことを特徴とするポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法を提供する。
また、請求項2の発明では、複数のポリッシュ工程の最初の研磨工程の直前に基板の端面に鏡面加工を施すとともに、最終の研磨工程の直前にも端面に鏡面加工を施すことを特徴とするポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法を提供する。
請求項3の発明では、前記ポリッシュ工程のうちの少なくとも1つの研磨工程の直前の鏡面加工の直前に、前記基板にエッチングを施すことを特徴としている。
また、請求項4の発明では、ラッピング工程とポリッシュ工程からなる多段研磨により形成されるポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法において、前記ポリッシュ工程は複数の研磨工程からなり、該ポリッシュ工程の最終の研磨工程の直前に前記基板の端面に被膜を形成することを特徴とするポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法を提供する。
請求項1の発明によれば、ポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板のエッチングと、端面(面取り面と側面)の鏡面加工を最終のポリッシュ工程の直前に行うので、粗い研磨工程である最初の研磨工程(1次ポリッシュ)で傷ついた基板端面の不純物を除去した後に鏡面加工し、続く低荷重、低回転で研磨加工を施す最終の研磨工程(2次ポリッシュ)では傷の発生する確率が低いため、基板端面の鏡面化が向上し、基板端面からの不純物の発生が抑制され、基板面への不純物の付着や埋め込みが減少する。このため、その後、基板を薬液(HF溶液等)に浸漬して洗浄してもそのエッチング作用により研磨工程で端面に埋め込まれた不純物が溶出することを抑制することができる。
請求項2の発明によれば、ポリッシュ工程の最終の研磨工程(2次ポリッシュ)の直前に加えて最初の研磨工程(1次ポリッシュ)の直前にも基板端面に鏡面加工を施すため、基板表面と同様に潜傷の発生が少なくなるので、基板端面からの不純物の発生が抑制され、基板面への不純物の付着や埋め込みが減少する。
請求項3の発明によれば、いずれかのポリッシュ工程の直前の鏡面加工の直前に基板にエッチングを施すので、その前のラッピング又はポリッシュ工程で発生した端面の傷やクラック内に捕集された不純物がエッチング作用により取り除かれる。この後、端面を鏡面加工して平坦化する。したがって後のポリッシュ工程での基板端面からの不純物発生がさらに軽減する。
請求項4の発明によれば、ポリッシュ工程の最終の研磨工程の直前に基板端面に被膜形成が行われるため、基板端面を被膜コーティングで覆うので、基板端面からの不純物発生が軽減する。また、被膜物質をSiOとすれば、金属不純物を発生させず、TFTに影響を与えず、密着性がよく、ポリシリコンTFT用合成石英ガラスの製造過程における高温処理(約900℃)でも分解、蒸発しないので特に好ましい。
図1は本発明に係るポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法を示すフローチャートである。
まず合成石英ガラスのインゴットをスライスして薄い円板状の基板を形成し(ステップS1)、これにダイヤモンドホイール等で円板周縁に面取り加工を施す(ステップS2)。次に、両面研磨機(図4、図5参照)によりラッピング工程を行う。このラッピング工程は例えば2段の研磨工程(1次ラッピング、2次ラッピング)からなり(ステップS3,S4)、ある程度基板表面を平滑化する。続いて、複数の研磨工程からなる(図では2段の研磨工程)ポリッシュ工程を行う。1次ポリッシュ(ステップS5)は基板表面の鏡面化と平坦化を目的として2次ポリッシュよりも粗研磨である。1次ポリッシュ後、HF溶液等で基板をエッチングする(ステップS6)。次に、複数枚の基板を重ねた状態でその側面をバフやフェルト(軟性の研磨布)、又はブラシ等を用いて研磨して各基板の端面に鏡面加工を施す(ステップS7)。この後、最終的な基板に対する研磨工程である仕上げの2次ポリッシュ(ステップS8)を行い、1次ポリッシュで基板の表面に発生した軽微な傷の除去とともに基板表面を研磨する。このポリッシュ工程もラッピング工程と同様の両面研磨機を用いて行われる。なお、上述したラッピング工程では炭化ケイ素やアルミナ等の研磨剤を用い、端面鏡面加工、ポリッシュ工程には酸化セリウム系研磨剤が広く用いられている。2次ポリッシュされた基板は、例えば中性洗剤により洗浄され(ステップS9)、さらに合成石英ガラスに対して溶解力を持つ薬液(HF溶液等)に基板を浸漬し、基板の研磨面の最表層をエッチングして不純物を除去する(ステップS10)。この薬液は、HF溶液の他に、HFとその他の酸の混合水溶液を使用することができる。
このように、本発明に係る製造方法は、基板の端面(面取り面と側面)の鏡面加工を最終のポリッシュ工程の直前、かつ、エッチングを施した後に行うので、それ以前に端面部に捕捉された不純物を除去した後、鏡面加工することになる。また、それ以前に発生した端面部の損傷も無視できる。よって、基板面への不純物の付着や埋め込みが減少する。また、基板を薬液(HF溶液等)に浸漬して洗浄してもそのエッチング作用により研磨工程で端面に埋め込まれた不純物が溶出することを抑制することができる。
図2は本発明に係る別のポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法を示すフローチャートである。
この製造方法は、従来の一般的な製造方法の端面鏡面加工(ステップT5)の他に、最終研磨前の端面鏡面加工(ステップT7)を加えたものである。このため、その前のラッピング工程以前で発生した端面の傷やクラックを最初の端面加工で取り除き、次いで、1次ポリッシュで端面に発生した損傷と最初の端面鏡面加工で発生した潜傷の層を、最終研磨前の端面鏡面加工で取り除く。こうすることによって、後のポリッシュ工程での基板端面からの不純物発生がさらに軽減する。また、これらのポリッシュ工程のいずれか1つの直前にエッチングを施すこともでき、こうすると不純物発生がさらに低減する。
図3は本発明の別の実施形態のフローチャートである。
この例は、従来方法(図4ステップV3〜V6)と同様にラッピング工程(ステップU3,U4)の後、端面鏡面加工(ステップU5)及び1次ポリッシュ(ステップU6)を実施した後、端面部成膜工程(ステップU7)を最終研磨工程(ステップU8)となる2次ポリッシュの前に設けたものである。このように、最終ポリッシュ工程の前に端面を被膜コーティングすることにより、残留する不純物を被膜コーティングで覆うため、その後のポリッシュ工程での基板端面からの不純物発生が低減する。この端面部成膜工程より前のフローは、本フローチャートで説明した従来のフローでもよいし、より好ましくは本発明の請求項1〜3で示したフローでもよい。
この被膜物質はTFT製造プロセスでの約900℃の熱工程に対する耐熱性があること、金属不純物を発生しないこと、密着性がよいことの観点からSiOを用いることが好ましい。また、被膜厚さは洗浄工程(ステップU10)で用いられる薬液(HF溶液)によるエッチング量以上の厚みで形成することが好ましい。この被膜は、スパッタリングやCVD、蒸着等で成膜すれば容易に形成することが可能であり、基板表面にはみ出した被膜はその後の研磨工程で除去することが可能ではあるが、基板表面をマスキングすることで端面部のみに成膜することが望ましい。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
公知の方法で製造された合成石英ガラスのインゴットを内周歯スライサーでφ202.0mm×1.2mm厚に切断し、20枚の合成石英ガラス板材の試料を作成する(スライス工程)。次に、これらを市販のNC面取り機で#120のダイヤモンド砥石を用い、外径寸法がφ200mmで面取り幅が0.2〜0.4mmになるよう面取り加工を施す(面取り工程)。
次に、この合成石英ガラスの板材を、スピードファム社製16B両面ラップ機を使用し、研磨剤としてGC#400(フジミコーポレーション社製)を濾過水に18〜20質量%懸濁させたスラリーを用いて、厚み0.99mmになるまで加工する(1次ラッピング)。
さらに、別の16B両面ラップ機を使用し、研磨剤としてFO#1000(フジミコーポレーション社製)を18〜20質量%懸濁させたスラリーを用いて厚み0.91mmになるまで加工する(2次ラッピング)。
これらの板材を比較例、実施例1〜3として研磨加工を施した。比較例は図4のフロー、実施例1〜3はそれぞれ図1〜図3のフローにしたがって加工した。
比較例の板材は従来の製造方法を適用する。すなわち、ラッピング工程後に酸化セリウムを主体としたスラリーとバフを用いて外周30μmを研磨し、端面に鏡面加工を施した(図4ステップV5)。実施例1の板材は図1に示す製造方法を適用する。すなわち、1次ポリッシュ工程後、5質量%HF溶液に5分間浸漬した後(図1ステップS6)、純粋をかけ流した超音波層ですすぎ処理を行い、比較例と同様の方法で外周30μmを研磨し端面鏡面加工を施した(図1ステップS7)。実施例2の板材は図2に示す製造方法を適用する。すなわち、実施例1と同様の端面鏡面加工(図2ステップT6)を施した1次ポリッシュ工程後に、比較例と同様の方法で外周15μmを研磨した(図2ステップT7)。実施例3の板材は図3に示す製造方法を適用する。すなわち、比較例と同様に1次ポリッシュ工程を実施し、基板を洗浄乾燥し、ついでスパッタ装置を用いてSiO膜を板材の端面に成膜した(図3ステップU7)。
次に、これらの試料(比較例、実施例1〜3)について1次ポリッシュとして16B両面ポリッシュ機を使用し、研磨布としてLP66(ローデス社製)、研磨剤としてミレーク801A(三井金属社製)を10〜12質量%懸濁させたスラリーを用いて両面で40μm研磨した。
次に、全試料の最終研磨加工として(2次ポリッシュ)、16B両面研磨加工機を使用し、研磨布をシーガル7355(東レコーテックス社製)を用いて両面で5μm基板表面を研磨した。続いて、第1槽目を中性洗剤とした多段式自動洗浄機で洗浄を実施した(洗浄工程)。
次に、全試料について全反射蛍光X線分析装置(テクノス社製TREX610T)を用い、試料の表面の金属付着量を測定した。すなわち、図1〜図4での中性洗剤による洗浄工程(ステップS9,T9,U9,V8)の直後に表面分析を行った。その結果を表1に示す。表1は、比較例及び実施例1〜3のそれぞれ5枚の平均値であり、単位は×1010分子/cmである。
Figure 2005263569
表1に示すように、比較例ではセリウムと鉄以外の金属原子は検出限界以下(NDは検出限界以下を示す)であったが、実施例1〜3ではセリウムは検出されず、鉄以外の金属原子は比較例と同様に検出限界以下であった。比較例で検出されたセリウムは、端面の傷に付着あるいは捕集された研磨剤が洗浄工程中で剥離し表面に付着したものと思われる。これにより、鏡面加工を2次ポリッシュの直前に行うことにより、あるいはポリッシュ工程前に端面成膜を施すことにより端面の傷を低減させて不純物の発生を抑える効果が確認できた。
ポリシリコン用途の合成石英基板としては、セリウム以外に残留した鉄も表示素子の異常を引き起こすため、これを除去する必要がある。このため、前述の多段式洗浄機の第1槽をHF0.5質量%溶液に交換し、再び全試料の洗浄を行い、全反射蛍光X線分析装置で試料の表面を分析した。すなわち、図1〜図4でのHFによる洗浄工程(ステップS10,T10,U10,V9)の直後に表面分析を行った。その結果を表2に示す。表2についても、比較例及び実施例1〜3のそれぞれ5枚の平均値であり、単位は×1010分子/cmである。
Figure 2005263569
表2に示すように、比較例には鉄やセリウム以外の複数の金属元素が検出されている。これはHFによるエッチング作用で端面が侵食されて、端面に埋め込まれていた金属が溶出し、基板表面に付着したものと思われる。一方、実施例1〜3については分析対象元素について全てが検出限界以下であった。これにより、本発明のフローにおいてはいずれも基板端面への不純物の付着や埋め込みが少ないことが確認できた。
なお、表1,2において、それぞれの元素の検出限界はTi(1×1010分子/cm)、Fe(4×10分子/cm)、Ni(2×10分子/cm)、Cu(2×10分子/cm)、Zn(2×10分子/cm)、Ce(1×1010分子/cm)である。
本発明は、特にポリシリコン用合成石英ガラス基板の製造方法として有用であるが、半導体基板材料(半導体ウェーハ等)に広く適用可能である。
本発明に係るポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法を示すフローチャート。 本発明に係る別のポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法を示すフローチャート。 本発明の別の実施形態のフローチャート。 従来のポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法のフローチャート。 両面研磨機の概略平面図。 図4のA−A断面図。
符号の説明
1:両面研磨機、2:上定盤、3:下定盤、4:キャリア、5:孔、6:基板、7:太陽歯車、8:内歯歯車、9:外歯歯車、10:研磨布。

Claims (4)

  1. ラッピング工程とポリッシュ工程からなる多段研磨により形成されるポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法において、
    前記ポリッシュ工程は複数の研磨工程からなり、
    該ポリッシュ工程の最終の研磨工程の直前、かつ、前記基板にエッチングを施した後に、前記基板の端面に鏡面加工を施すことを特徴とするポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法。
  2. 複数のポリッシュ工程の最初の研磨工程の直前に基板の端面に鏡面加工を施すとともに、最終の研磨工程の直前にも端面に鏡面加工を施すことを特徴とするポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法。
  3. 前記ポリッシュ工程のうちの少なくとも1つの研磨工程の直前の鏡面加工の直前に、前記基板にエッチングを施すことを特徴とする請求項2に記載のポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法。
  4. ラッピング工程とポリッシュ工程からなる多段研磨により形成されるポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法において、
    前記ポリッシュ工程は複数の研磨工程からなり、
    該ポリッシュ工程の最終の研磨工程の直前に前記基板の端面に被膜を形成することを特徴とするポリシリコンTFT用合成石英ガラス基板の製造方法。
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