JP2010180070A - 高誘電率絶縁シートおよびその製造方法 - Google Patents

高誘電率絶縁シートおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010180070A
JP2010180070A JP2009022507A JP2009022507A JP2010180070A JP 2010180070 A JP2010180070 A JP 2010180070A JP 2009022507 A JP2009022507 A JP 2009022507A JP 2009022507 A JP2009022507 A JP 2009022507A JP 2010180070 A JP2010180070 A JP 2010180070A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric constant
sheet
high dielectric
fine particles
insulating sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009022507A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5349067B2 (ja
Inventor
Daisuke Kitagawa
大輔 北川
Takashi Wano
隆司 和野
Ryoichi Matsushima
良一 松嶋
Yoshinari Takayama
嘉也 高山
Toshio Uota
敏男 魚田
Susumu Kiyohara
進 清原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2009022507A priority Critical patent/JP5349067B2/ja
Publication of JP2010180070A publication Critical patent/JP2010180070A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5349067B2 publication Critical patent/JP5349067B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

【課題】良好な可撓性、耐熱性、および誘電率を備えた高誘電率絶縁シートを提供する。
【解決手段】(A)ポリテトラフルオロエチレン、高誘電率微粒子、および成形助剤を含む複数のシート状成形体を重ね合わせて圧延する工程、および(B)得られる圧延シートから前記成形助剤を除去する工程を含む製造方法によって、高誘電率絶縁シートを作製する。当該製造方法は、前記工程(A)の後に、(D)シート状成形体の圧延シートを複数重ね合わせて圧延する、または、シート状成形体の少なくとも1枚の圧延シートと、ポリテトラフルオロエチレン、高誘電率微粒子および成形助剤を含む少なくとも1枚のシート状成形体を重ね合わせて圧延する工程をさらに含むことが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、高誘電率絶縁シートおよびその製造方法に関する。
モバイルコンピュータ、携帯電話等の小型化および高機能化が進み、プリント配線基板に搭載される能動素子部品(IC)および受動素子部品(キャパシタ・レジスタ・インダクタ)の基板内蔵化が盛んに提案されている。誘電体としての高誘電率絶縁シートを電極で挟んだキャパシタを用いることにより、プリント配線基板を小型化、薄型化することが可能であり、誘電体には、より高い誘電率と、より薄い厚みが求められている。
これまで、配線基板埋込用のキャパシタは、セラミック焼結体からなる高誘電率絶縁シートを電極で挟んだ構造が主流であった(例えば、特許文献1、2参照)。
この高誘電率絶縁シートは、未焼結の誘電体セラミックを含むグリーンシートを焼成することによって製造される。このようにすれば、高誘電率絶縁シートの誘電率を比較的容易に高くでき、高容量のキャパシタを容易に製造できる。しかしながら、周囲の形状に合わせて折り曲げることが可能な多層配線基板(フレキシブル多層配線基板)に使用される場合には、高誘電率絶縁シートは、可撓性を有している必要がある。セラミックは、樹脂材料と比べると硬く、薄膜化の際に脆くなるという欠点があった。
セラミックを使用しないキャパシタの誘電体として、例えば樹脂中に高誘電率微粒子を分散させたものが提案されている。この樹脂成分として、ポリビニルアセタール樹脂、シリコーン樹脂等について検討がなされている(例えば、特許文献3、4参照)。キャパシタには、可能な限り高い静電容量を有することが求められている。高誘電率微粒子の配合量が大きくなるほど、誘電体全体の誘電率は高くなるが、これらの樹脂に高誘電率微粒子を高充填した場合には、誘電体が脆くなり、可撓性が悪くなるという欠点があった。また、半田付けを考えた場合、260℃で30秒以上の耐熱性が必要とされ、これらの樹脂を用いたのでは、耐熱性が不十分となる。
耐熱性を有する樹脂としては、含フッ素樹脂があり、これを誘電体に用いた例もある(例えば、特許文献5参照)。しかし、含フッ素樹脂に微粒子を高充填することは困難であり、特許文献5ではガラスクロスに含フッ素樹脂の層を設けており、その誘電率も2.5と小さい。
特開平06−143238号公報 特許第2658121号公報 国際公開2006/100833号パンフレット 特開2008−274002号公報 特開2007−055054号公報
以上のように、従来は、可撓性、耐熱性、および誘電率のすべてが良好な高誘電率絶縁シートは得られていなかった。
そこで、本発明は、良好な可撓性、耐熱性、および誘電率を備えた高誘電率絶縁シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成した本発明は、(A)ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFE)、高誘電率微粒子、および成形助剤を含む複数のシート状成形体を重ね合わせて圧延する工程、および
(B)得られる圧延シートから前記成形助剤を除去する工程
を含む高誘電率絶縁シートの製造方法である。
本発明の製造方法において、前記高誘電率微粒子は、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、およびチタン酸ジルコン酸鉛からなる群より選択される少なくとも1種の材料の微粒子であることが好ましい。
本発明の製造方法は、前記工程(B)の後に、
(C)前記工程(B)で得られるシートを加圧成形する工程
をさらに含むことが好ましい。当該加圧成形は、280〜400℃で行われることが好ましい。
本発明の製造方法は、前記工程(A)の後に、
(D)シート状成形体の圧延シートを複数重ね合わせて圧延する、または、シート状成形体の少なくとも1枚の圧延シートと、PTFE、高誘電率微粒子および成形助剤を含む少なくとも1枚のシート状成形体を重ね合わせて圧延する工程
をさらに含むことが好ましい。ここで、前記工程(A)の圧延方向と、前記工程(D)の圧延方向が直交していることが好ましい。
本発明はまた、上記の製造方法によって得られる高誘電率絶縁シートである。別の側面から本発明は、PTFEと高誘電率微粒子とを含み、1MHzにおける比誘電率が5以上である高誘電率絶縁シートである。
当該高誘電率絶縁シートにおいて、前記高誘電率微粒子は、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、およびチタン酸ジルコン酸鉛からなる群より選択される少なくとも1種の材料の微粒子であることが好ましい。また、前記高誘電率微粒子の含有率は、40〜95重量%であることが好ましい。
本発明の製造方法によって得られる高誘電率絶縁シートは、樹脂にPTFEを用いているため、半田に対して十分な耐熱性を有している。また、PTFEは柔軟性に富む材料であり、高誘電率微粒子を高い割合で配合した場合でも、高誘電率絶縁シートが十分な可撓性を有している。従って、本発明によれば、可撓性、耐熱性、および誘電率のすべてが良好な高誘電率絶縁シートが提供される。
本発明の製造方法は、(A)PTFE、高誘電率微粒子、および成形助剤を含む複数のシート状成形体を重ね合わせて圧延する工程、および
(B)得られる圧延シートから前記成形助剤を除去する工程
を含む高誘電率絶縁シートの製造方法である。
工程(A)
本発明では、高誘電率絶縁シートの樹脂成分としてPTFEを用いる。PTFEは、その融点が327℃と半田の融点以上であり、鉛フリー半田のリフロー条件300℃×数分にも耐え得る、耐熱性に優れる材料である。また、PTFEは柔軟性に富む材料であり、高誘電率微粒子を高い割合で配合した場合でも、シートに十分な可撓性を付与することができる。
工程(A)で用いられるシート状成形体は、PTFE、高誘電率微粒子、および成形助剤を混合して、ペースト状の混合物をまず作製し、これをシート状に成形することによって得ることができる。
PTFE、高誘電率微粒子および成形助剤の混合は、PTFEの繊維化を極力抑制する条件で行うことが望ましい。具体的には、PTFEにせん断を加えないように混合装置の回転数を小さくし、混合時間を短くして、混錬せずに混合することが望ましい。材料を混合する段階でPTFEに繊維化がおこると、圧延する際に、既に形成したPTFEの繊維が切断されてPTFEの網目構造が破壊されてしまう可能性があり、シート形状を保つことが困難になる場合がある。
高誘電率微粒子は、高誘電率絶縁シートに十分な誘電特性および絶縁性を付与するために、比誘電率および電気抵抗が高く、誘電正接(tanδ)の小さいものを使用する。高誘電率微粒子は、特にその比誘電率が1000以上、電気抵抗が1010〜1017Ω・m、tanδが0.01以下であるものが好ましい。高誘電率微粒子の好ましい材料は、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、およびチタン酸ジルコン酸鉛からなる群より選択される少なくとも1種であり、より好ましい材料は、チタン酸バリウムである。
高誘電率微粒子の粒径は、高誘電率微粒子が脱落することなくPTFEマトリックスに担持され、得られる高誘電率絶縁シートに十分な誘電率を付与することができる限り特に制限はなく、好ましくは、0.03〜50μmである。
高誘電率微粒子は、高誘電率絶縁シートの状態でその含有率が40〜95重量%となるように配合されることが好ましく、60重量%以上となるように配合されることがより好ましい。高誘電率微粒子をこのような範囲で配合することによって誘電率を十分高くできるので、良好なキャパシタ性能を実現できる。
成形助剤には、例えばドデカンやデカンなどの飽和炭化水素を使用できる。成形助剤は、混合物の全重量に対して20〜55重量%となるように添加すればよい。
シート状成形体は、本発明の効果を損なわない範囲内で、PTFE、高誘電率微粒子および成形助剤以外の成分を含んでいてもよい。例えば、得られる高誘電率絶縁シートの誘電特性(誘電率、tanδ)をより向上させるために、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など、PTFEよりも低融点の溶融系フッ素系ポリマーを加えてもよい。このような溶融系フッ素系ポリマーを添加することにより、加圧成形する際にシートの気孔率を効率よく低下させることができ、その結果誘電率を向上させることができる。
これらの混合物を、押出成形、ロール成形等により成形することにより、シート状成形体を得ることができる。シート状成形体の厚さは、例えば0.5〜5mmである。このようなシート状成形体を複数枚準備する。
続いて、これら複数のシート状成形体を重ね合わせ(積層し)、圧延して圧延積層シートを得る。用いるシート状成形体の枚数は、2枚以上であれば特に限定はなく、製造しようとする高誘電率絶縁シートを構成するシート状成形体の層の数を考慮して適宜決定すればよく、例えば、2〜10枚程度とする。このように本発明の製造方法は、積層体の圧延を含むが、この積層および圧延によって、シート強度を向上させるとともに、高誘電率微粒子をPTFEマトリックスへ強固に固定することができ、高誘電率微粒子の配合率が高く、かつ可撓性のあるシートを作製することができる。
本発明の製造方法においては、当該工程(A)の後に、(D)シート状成形体の圧延シートを複数重ね合わせて圧延する、または、シート状成形体の少なくとも1枚の圧延シートとPTFE、高誘電率微粒子および成形助剤を含む少なくとも1枚のシート状成形体を重ね合わせて圧延する工程をさらに行うことが好ましい。この工程(D)は、繰り返し行うことが好ましい。圧延初期(含まれるシート状成形体の層数が少ない段階)は、シートの強度が低く高倍率の圧延に耐えることが困難であるが、積層および圧延を繰り返すにしたがって圧延倍率は上がり、シート強度がより高くなり、また、高誘電率微粒子がPTFEマトリックスへより強固に固定される。高い強度を実現するために、シート状成形体およびシート状成形体の圧延シートは、2枚ずつ圧延することが望ましい。
工程(A)および工程(D)の実施形態の例を以下に説明する。まず、複数(例えば2〜10枚)のシート状成形体を準備する。次に、この複数のシート状成形体を積層し、この積層体を圧延して圧延積層シート(第1の圧延積層シート)を得る(工程(A))。このようにして得られる第1の圧延積層シートをさらに複数(例えば2〜10枚)準備して積層し、この積層体を圧延して、圧延積層シート(第2の圧延積層シート)を得る(工程(D))。このようにして得られる第2の圧延積層シートをさらに複数(例えば2〜10枚)準備して積層し、この積層体を圧延して、圧延積層シート(第3の圧延積層シート)を得る(工程(D)の繰り返し)。さらに、複数の第3の圧延積層シートを準備し、同様に積層および圧延を行い、目的とする高誘電率絶縁シートが含むシート状成形体の構成層数になるまで、工程(D)を繰り返す。この実施態様では、シート状成形体の積層数が同じである圧延積層シート同士(第1の圧延積層シート同士、第2の圧延積層シート同士など)を重ね合わせて圧延している。別の実施態様では、工程(D)で、シート状成形体の積層数が互いに異なる圧延積層シート同士を重ね合わせて圧延する。さらに別の実施態様では、工程(D)で、圧延積層シートにシート状成形物を重ね合わせて圧延する。
工程(D)を行う際には、圧延方向を変更することが好ましい。このとき、工程(A)の圧延方向と、工程(D)の圧延方向が直交していることが好ましい。さらに、工程(D)を繰り返す際にも、圧延方向を変更(特に90°変更)することが好ましい。このように方向を変えながら圧延することによって、PTFEのネットワークが縦横に伸び、シート強度のさらなる向上および高誘電率微粒子のPTFEマトリックスへのより強固な固定が可能となる。
高誘電率絶縁シートの構成層数を、当該高誘電率絶縁シートに含まれるシート状成形体の層数で表すとき、構成層数は、例えば2〜5000層とすることができる。シート強度を向上させるためには、構成層数は200層以上が好ましい。一方、薄膜化(例えば1mm以下のシートとする)のためには、構成層数は1500層以下が好ましい。また、構成層数は、得られるシートの誘電特性や絶縁性にも関係する。誘電特性と絶縁性を重視する場合には、10〜1000層が好ましい。従って、構成層数は、最適には、200〜1000層である。なお、構成層数を多くするほど、得られるシートの強度は高くなるが、界面剥離の可能性も高くなる。
工程(B)
工程(B)は、使用する成形助剤に応じ、公知方法に従って実施することができる。例えば、圧延して得られるシートを加熱して、成形助剤を乾燥除去すればよい。
工程(C)
本発明の製造方法は、工程(B)で得られたシートを加圧成形する工程(C)をさらに含んでもよい。このような加圧成形工程を含むことにより、シート内の気孔を減らし(50%以下のPTFEの気孔率も達成可能である)、誘電率をより向上させることができる。この加圧成形は、シートの気孔率を効率よく低下させるために、シートの樹脂成分の融点以上、分解温度未満で行うことが好ましく、例えば、280〜400℃で行えばよい。気孔率の低下を目的として、上述のPTFEよりも低融点の溶融系フッ素系ポリマーを添加する場合には、シートの樹脂成分の融点付近で加圧成形すればよい。
高誘電率絶縁シートの最終的な厚さは、キャパシタ等の各用途の設計に応じて適宜設定すればよく、例えば、0.01〜3mm程度とすればよい。
このようにして、高誘電率微粒子を充填させることが困難なPTFEに、高誘電率微粒子を高充填(含有率:40〜95重量%)させることが可能である。その結果、可撓性、耐熱性、および誘電率のすべてが良好な高誘電率絶縁シートを得ることができる。得られる高誘電率絶縁シートは、1MHzにおける比誘電率が5以上にもなるものであり、また、5kV以上の絶縁破壊を達成することも可能である。
そこで、別の側面から、本発明は、PTFEと高誘電率微粒子とを含み、1MHzにおける比誘電率が5以上である高誘電率絶縁シートである。
当該高誘電率絶縁シートにおいて、高誘電率微粒子の含有率は、誘電特性の観点から、40〜95重量%であることが好ましい。高誘電率微粒子は、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、およびチタン酸ジルコン酸鉛からなる群より選択される少なくとも1種の材料の微粒子であることが好ましく、チタン酸バリウムの微粒子であることがより好ましい。
当該高誘電率絶縁シートは、絶縁性の観点から、絶縁破壊が5kV以上であることが好ましい。PTFEの気孔率は、誘電特性の観点から、50%以下であることが好ましい。
当該高誘電率絶縁シート厚さは、キャパシタ等の各用途の設計に応じて適宜設定すればよく、例えば、0.01〜3mm程度である。
本発明の高誘電率絶縁シートを、キャパシタの誘電体に用いれば、キャパシタを小型化・薄型化することが可能であり、これを内蔵する多層配線基板を小型化・薄型化することが可能である。
次に、本発明の高誘電率絶縁シートの製造方法および高誘電率絶縁シートについて、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
高誘電率微粒子としてのチタン酸バリウム(BaTiO3)粒子(堺化学社製、品番「BT−03」)と、PTFE(ダイキン工業社製、品番「F−104U」)とを、90:10(重量比)の割合で混合した。すなわち、高誘電率絶縁シートの状態でBaTiO3粒子の含有率が90重量%となるようにした。これに、成形助剤としてドデカンを40重量%となるように添加し、PTFEの繊維化が極力起こらないような条件で混合した。具体的に、混合条件は、混合装置にV型ミキサを用い、回転数10rpm、温度24℃、混合時間5分間とした。この混合物を1対の圧延ロールを通して、厚さ3mm、幅10〜50mm、長さ150mmの楕円状母シート(シート状成形体)を得た。この母シートを複数枚作製した。
次に、この母シートを2枚積層し、この積層体を上記圧延ロール間に通して圧延し、圧延積層シート(第1の圧延積層シート)を作製した。第1の圧延積層シートは複数枚作製した。次に、2枚の第1の圧延積層シートを重ね合わせて積層し、この積層体を圧延して、新たな圧延積層シート(第2の圧延積層シート)を作製した。第2の圧延積層シートは複数枚作製した。さらに、2枚の第2の圧延積層シートを重ね合わせて積層し、この積層体を、1回目の圧延方向から90°変更した方向に圧延して新たな圧延積層シート(第3の圧延積層シート)を作製した。このように、得られた圧延積層シートをさらに重ね合わせて圧延する工程を、圧延方向を90°ずつ変更しながら5回繰り返した後、上記圧延ロール間のギャップを0.5mmずつ狭めて複数回圧延し、最終的に厚さ約0.8mmのシートを得た。
次に、得られたシートを150℃で30分間加熱して、成形助剤を除去し、実施例1の高誘電率絶縁シートを得た。得られたシートを手で半円状に曲げてみたところ、割れることなくシートを曲げることができた。
以上のように作製された実施例1の高誘電率絶縁シートについて、1MHzでの比誘電率およびtanδを、電極接触法により評価した。このとき、装置には4294A PRECISION IMPEDANCE ANALYZER(Agilnet technologies社製、電極径12.2mm)を使用した。また、高誘電率絶縁シートの重量および体積を測定し、各成分の比重と配合割合を基にして気孔率を算出した。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
BaTiO3とPTFEとPFAとを80:10:10(重量比)の割合で混合し、高誘電率絶縁シートを380℃で5分間、面圧10MPaで加圧成形した以外は実施例1と同様にして高誘電率絶縁シートを作製した。得られたシートを手で半円状に曲げてみたところ、割れることなくシートを曲げることができた。実施例1と同様にして特性を評価した結果を、表1に示す。
Figure 2010180070
表1に示された結果からわかるように、本発明の製造方法によって作製されたPTFEと高誘電率微粒子とを含む高誘電率絶縁シートは、比誘電率が5以上であり、かつ、tanδが0.2以下であった。
以上の結果から、本発明の製造方法によって作製された多孔質シートは、誘電率が高く、十分な可撓性を有していることがわかる。また、樹脂成分に、PTFEを用いているために、耐熱性も高いことがわかる。
本発明によって得られる高誘電率絶縁シートは、キャパシタ用の誘電体として用いることができ、当該キャパシタは、フレキシブル多層配線板を始め、種々の精密機器に使用できる。

Claims (10)

  1. (A)ポリテトラフルオロエチレン、高誘電率微粒子、および成形助剤を含む複数のシート状成形体を重ね合わせて圧延する工程、および
    (B)得られる圧延シートから前記成形助剤を除去する工程
    を含む高誘電率絶縁シートの製造方法。
  2. 前記高誘電率微粒子が、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、およびチタン酸ジルコン酸鉛からなる群より選択される少なくとも1種の材料の微粒子である請求項1に記載の高誘電率絶縁シートの製造方法。
  3. 前記工程(B)の後に、
    (C)前記工程(B)で得られるシートを加圧成形する工程
    をさらに含む請求項1または2に記載の高誘電率絶縁シートの製造方法。
  4. 前記加圧成形が、280〜400℃で行われる請求項3に記載の高誘電率絶縁シートの製造方法。
  5. 前記工程(A)の後に、
    (D)シート状成形体の圧延シートを複数重ね合わせて圧延する、または、シート状成形体の少なくとも1枚の圧延シートと、ポリテトラフルオロエチレン、高誘電率微粒子および成形助剤を含む少なくとも1枚のシート状成形体を重ね合わせて圧延する工程
    をさらに含む請求項1〜4のいずれかに記載の高誘電率絶縁シートの製造方法。
  6. 前記工程(A)の圧延方向と、前記工程(D)の圧延方向が直交する請求項5に記載の高誘電率絶縁シートの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法によって得られる高誘電率絶縁シート。
  8. ポリテトラフルオロエチレンと高誘電率微粒子とを含み、1MHzにおける比誘電率が5以上である高誘電率絶縁シート。
  9. 前記高誘電率微粒子が、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、およびチタン酸ジルコン酸鉛からなる群より選択される少なくとも1種の材料の微粒子である請求項8に記載の高誘電率絶縁シート。
  10. 前記高誘電率微粒子の含有率が、40〜95重量%である、請求項7〜9のいずれかに記載の高誘電率絶縁シート。
JP2009022507A 2009-02-03 2009-02-03 高誘電率絶縁シートおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP5349067B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009022507A JP5349067B2 (ja) 2009-02-03 2009-02-03 高誘電率絶縁シートおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009022507A JP5349067B2 (ja) 2009-02-03 2009-02-03 高誘電率絶縁シートおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010180070A true JP2010180070A (ja) 2010-08-19
JP5349067B2 JP5349067B2 (ja) 2013-11-20

Family

ID=42761900

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009022507A Expired - Fee Related JP5349067B2 (ja) 2009-02-03 2009-02-03 高誘電率絶縁シートおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5349067B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012181513A (ja) * 2011-02-10 2012-09-20 Daikin Ind Ltd エレクトロウエッティング用疎水性誘電体フィルム
WO2015037245A1 (ja) * 2013-09-12 2015-03-19 日東電工株式会社 充填材含有フッ素樹脂シートの製造方法
WO2015093384A1 (ja) 2013-12-16 2015-06-25 三菱レイヨン株式会社 樹脂組成物、樹脂シート、及び樹脂積層体
WO2020184438A1 (ja) * 2019-03-12 2020-09-17 Agc株式会社 液状組成物、強誘電性絶縁シート及びその製造方法
CN114509474A (zh) * 2022-01-28 2022-05-17 山东国瓷功能材料股份有限公司 一种陶瓷粉体介电性能的检测方法及其应用
CN114509474B (zh) * 2022-01-28 2024-06-11 山东国瓷功能材料股份有限公司 一种陶瓷粉体介电性能的检测方法及其应用

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57131236A (en) * 1980-11-06 1982-08-14 Gore & Ass Multi-component porous high strength ptfe products and manufacture
JPS61295678A (ja) * 1985-06-25 1986-12-26 Japan Gore Tex Inc 圧電性フイルムの製造法
JPS63286823A (ja) * 1987-05-19 1988-11-24 Hitachi Maxell Ltd エレクトロクロミツク表示素子
JPH02210710A (ja) * 1989-02-10 1990-08-22 Junkosha Co Ltd 耐湿性誘電体材料
JPH02281064A (ja) * 1989-04-21 1990-11-16 Junkosha Co Ltd 四フッ化エチレン樹脂組成物
JP2008303338A (ja) * 2007-06-08 2008-12-18 Kurabe Ind Co Ltd 誘電体基板
JP2010137562A (ja) * 2008-11-12 2010-06-24 Nitto Denko Corp 絶縁性熱伝導シートの製造方法、絶縁性熱伝導シート及び放熱部材

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57131236A (en) * 1980-11-06 1982-08-14 Gore & Ass Multi-component porous high strength ptfe products and manufacture
JPS61295678A (ja) * 1985-06-25 1986-12-26 Japan Gore Tex Inc 圧電性フイルムの製造法
JPS63286823A (ja) * 1987-05-19 1988-11-24 Hitachi Maxell Ltd エレクトロクロミツク表示素子
JPH02210710A (ja) * 1989-02-10 1990-08-22 Junkosha Co Ltd 耐湿性誘電体材料
JPH02281064A (ja) * 1989-04-21 1990-11-16 Junkosha Co Ltd 四フッ化エチレン樹脂組成物
JP2008303338A (ja) * 2007-06-08 2008-12-18 Kurabe Ind Co Ltd 誘電体基板
JP2010137562A (ja) * 2008-11-12 2010-06-24 Nitto Denko Corp 絶縁性熱伝導シートの製造方法、絶縁性熱伝導シート及び放熱部材

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012181513A (ja) * 2011-02-10 2012-09-20 Daikin Ind Ltd エレクトロウエッティング用疎水性誘電体フィルム
CN105531102B (zh) * 2013-09-12 2017-10-24 日东电工株式会社 含有填充材料的含氟树脂片的制造方法
WO2015037245A1 (ja) * 2013-09-12 2015-03-19 日東電工株式会社 充填材含有フッ素樹脂シートの製造方法
CN105531102A (zh) * 2013-09-12 2016-04-27 日东电工株式会社 含有填充材料的含氟树脂片的制造方法
US9914259B2 (en) 2013-09-12 2018-03-13 Nitto Denko Corporation Method for producing filler-containing fluororesin sheet
EP3045295A4 (en) * 2013-09-12 2017-05-17 Nitto Denko Corporation Method for producing filler-containing fluororesin sheet
US10100171B2 (en) 2013-12-16 2018-10-16 Mitsubishi Chemical Corporation Resin composition, resin sheet, and resin laminate
KR20160088904A (ko) 2013-12-16 2016-07-26 미쯔비시 레이온 가부시끼가이샤 수지 조성물, 수지 시트 및 수지 적층체
WO2015093384A1 (ja) 2013-12-16 2015-06-25 三菱レイヨン株式会社 樹脂組成物、樹脂シート、及び樹脂積層体
WO2020184438A1 (ja) * 2019-03-12 2020-09-17 Agc株式会社 液状組成物、強誘電性絶縁シート及びその製造方法
CN113557262A (zh) * 2019-03-12 2021-10-26 Agc株式会社 液态组合物、铁电性绝缘片及其制造方法
KR20210136965A (ko) 2019-03-12 2021-11-17 에이지씨 가부시키가이샤 액상 조성물, 강유전성 절연 시트 및 그 제조 방법
CN113557262B (zh) * 2019-03-12 2024-02-02 Agc株式会社 液态组合物、铁电性绝缘片及其制造方法
CN114509474A (zh) * 2022-01-28 2022-05-17 山东国瓷功能材料股份有限公司 一种陶瓷粉体介电性能的检测方法及其应用
CN114509474B (zh) * 2022-01-28 2024-06-11 山东国瓷功能材料股份有限公司 一种陶瓷粉体介电性能的检测方法及其应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP5349067B2 (ja) 2013-11-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5483501B2 (ja) 伝導性ペースト、これを利用した積層セラミック電子部品及びその製造方法
CN104103419B (zh) 多层陶瓷电容器及其制造方法
KR101598945B1 (ko) 도전성 페이스트, 적층 세라믹 전자부품, 및 상기 적층 세라믹 전자부품의 제조방법
EP3432316B1 (en) Insulating resin material, metal-layer-attached insulating resin material using same, and wiring substrate
JP5349067B2 (ja) 高誘電率絶縁シートおよびその製造方法
TW201232575A (en) Multilayer ceramic electronic component and method for manufacturing same
JP2015216244A (ja) 導電性ペーストおよびセラミック電子部品
JP2013106035A (ja) 積層セラミック電子部品
JP2008294163A (ja) 電極段差吸収用印刷ペーストおよび積層セラミック電子部品の製造方法
JP6105326B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP6781540B2 (ja) チタン酸バリウム系粉末、積層セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP5114882B2 (ja) 樹脂セラミック複合材料およびその製造方法、ならびに複合材料シート、フィルムコンデンサおよび積層コンデンサ
US11984264B2 (en) Multilayer electronic component
JP5855354B2 (ja) 積層セラミック電子部品の内部電極用ナノ複合粉末及びその製造方法
US20150116895A1 (en) Conductive paste composition for external electrode, multilayer ceramic electronic component using the same, and manufacturing method thereof
JP2010199168A (ja) セラミックコンデンサの製造方法
JP2006128282A (ja) 積層型電子部品およびその製法
JP2003197459A (ja) 積層型電子部品の製法
JP2003115416A (ja) 導電性ペースト、積層セラミック電子部品の製造方法および積層セラミック電子部品
JP2014232850A (ja) 積層型電子部品
JP2005008508A (ja) セラミックスラリー組成物と押出による薄膜グリーンシート製造方法及びこれを用いた電子素子
JP2008098312A (ja) グリーンシート用塗料、グリーンシートおよび積層セラミック電子部品の製造方法
JP2002198249A (ja) 積層型電子部品
JP2009231542A (ja) ガラスセラミック多層配線基板およびその製造方法
JP2023033067A (ja) キャパシタ部品及びキャパシタ部品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130326

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130618

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130722

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130813

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130820

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees